JP3312810B2 - 保護キャップ付き硬質容器 - Google Patents

保護キャップ付き硬質容器

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JP3312810B2 JP03542594A JP3542594A JP3312810B2 JP 3312810 B2 JP3312810 B2 JP 3312810B2 JP 03542594 A JP03542594 A JP 03542594A JP 3542594 A JP3542594 A JP 3542594A JP 3312810 B2 JP3312810 B2 JP 3312810B2
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修一 菅野
哲 宮前
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東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製保護キャップが
被せられた、加熱変質性液状材料収納用の蓋付き硬質容
器に関する。
【0002】
【従来の技術】室温では硬化しないが、加熱すると硬化
する一液型液状樹脂や一液型液状ゴムは、ガラス容器,
金属容器,硬質プラスチック容器等の硬質容器に収納さ
れ、容器口部に蓋が緊密に被せられて運搬されたり、販
売されている。また、主剤と硬化剤からなり、両者を混
合すると硬化する二液型液状樹脂や二液型液状ゴムは、
主剤と硬化剤が別々の硬質容器に収納されて、容器口部
に蓋が緊密に被せられて運搬されたり、販売されてい
る。しかし、容器口部に蓋を緊密に被せていても、蓋の
周壁下端部と容器口部の間に埃,紙屑,発泡ポリスチレ
ン屑などが付着し、蓋を除去して中味を取り出す際にこ
れら埃などが脱落して中味に混ざり込むことが多い。こ
うした問題を防ぐために、蓋および容器本体上に熱収縮
性樹脂フィルムを被せてから熱処理することにより、蓋
および容器本体を緊密にフィルムで覆うという方法があ
り得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一液型液状
樹脂や一液型液状ゴムを収納した蓋付き硬質容器は、そ
の上に被せた熱収縮性樹脂フィルムを加熱して収縮させ
ようとすると、容器の中味であるこれら樹脂やゴムがゲ
ル化したり、硬化したりするので、加熱することができ
ない。また、二液型液状樹脂や二液型液状ゴムの主剤や
硬化剤は、特に、硬化剤は、加熱により変質して、硬化
作用が低下したり無くなったりするものが多いので、熱
収縮性樹脂フィルムを加熱することができない。一液型
液状樹脂,一液型液状ゴム,二液型液状樹脂の硬化剤,
二液型液状ゴムの硬化剤だけでなく、加熱により変質す
る他の液状材料を収納した蓋付き硬質容器についても同
様の問題がある。そこで、本発明者らは、こうした問題
点のない蓋付き硬質容器、すなわち、こうした加熱によ
り変質する液状材料を収納した蓋付き硬質容器におい
て、パッケージ時に容器中味を変質させることがなく、
蓋の周壁下端部と硬質容器の口部の間に埃等が付着せ
ず、着脱容易な蓋付き硬質容器を開発すべく鋭意研究
し、本発明をなすに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明は
加熱変質性液状材料収納用蓋付き硬質容器において、
硬質容器の口部に内蓋が嵌め込まれ、該内蓋および該口
部の外周壁上に外蓋が取り付けられ、頭頂部に開口部を
有する樹脂製保護キャップが該硬質容器の外周壁および
蓋に密接し、かつ、着脱自在に該蓋の周壁下端部
よりも遠方にまで被せられていることを特徴とする、保
護キャップ付き硬質容器に関する。
【0005】ここで、加熱変質性液状材料は、熱収縮性
樹脂フィルムを収縮させるための加熱により変質する液
状材料であればその種類は問わず、固形材料を溶剤に溶
かして液状としたものでもよい。例えば、室温では硬化
しないが、加熱すると硬化する、一液型液状樹脂,一液
型液状ゴム,一液型液状ゲルなどがあり、材質的には、
エポキシ,ポリウレタン,シリコーン,ポリブテンなど
がある。また、主剤と硬化剤からなり、両者を混合する
と硬化する、二液型液状樹脂,二液型液状ゴム,二液型
液状ゲルの各硬化剤がある。また、加熱により脱水素縮
合する液状高分子材料、例えば、液状メチルハイドロジ
ェンポリシロキサンや液状ハイドロジェンポリシロキサ
ン樹脂が挙げられる。これらの材料中、シリコーン系材
料は界面張力が低く、蓋を緊密に取り付けていても蓋と
硬質容器口部の間からにじみ出しやすく、にじみ出した
シリコーン系材料に埃等が付着しやすいので、本発明の
保護キャップ付き硬質容器がとりわけ有効である。
【0006】蓋付き硬質容器は、口部に蓋を緊密に取り
付けることのできる硬質材料製容器であれば、その形
状,大きさ,材質を問わない。形状としては円筒状,角
筒状,円筒状胴部上に外径が円筒状胴部の外径よりも小
さな円筒状口部が一体に取り付けられているものが例示
され、材質としてはガラス,陶磁器,金属,硬質樹脂が
例示される。蓋は、口部に緊密に取り付けることがで
き、内容物の流出を防止でき、内容物を変質させないも
のであれば、その形状や材質を問わない。金属製又は硬
質樹脂製であり、天井面にゴムがライニングされてお
り、硬質容器の口部外周面にねじ込んで取り付けること
ができるもの、金属又は硬質樹脂製であり、硬質容器の
口部にはめ込められた熱可塑性樹脂製内蓋の上から硬質
容器の口部外周面にねじ込んで取り付けることができる
もの、熱可塑性樹脂製であり、外周壁と内周壁の間の凹
溝に硬質容器口部先端を緊密にはめ込むことができるも
のが例示される。頭頂部に開口部を有する樹脂製保護キ
ャップは、本発明の特徴をなす部材であり、該保護キャ
ップ内面が該硬質容器の外周壁および該蓋の外面に密
接してはいるが、着脱自在に被せられており、該保護キ
ャップの周壁下端部は該蓋の周壁下端部よりも遠方に
延長している。この樹脂製保護キャップは、頭頂部に開
口部を有するので、蓋付き硬質容器にはめ込んだときに
内部に空気がたまらず、その内面を該蓋の外面に密接
させることができる。なお、開口部は1つあれば十分で
あるが、複数あってもよい。開口部の形状は円形,正方
形,三角形など任意であり、その面積は頭頂部面積の
0.3〜10%あれば十分である。塵埃防止上開口部は
頭頂部の中心近くにあることが好ましい。この樹脂製保
護キャップは適度な弾力性を有する熱可塑性樹脂製が好
ましく、例えば、ポリエチレン樹脂製,ポリプロピレン
樹脂製,塩化ビニル樹脂製が挙げられ、ポリエチレンテ
レフタレート製,ナイロン製であってもよいが、形態保
持性や弾力性の点からポリプロピレン樹脂製が好まし
い。この熱可塑性樹脂製保護キャップの厚みは0.3mm
〜1.0mmが好ましく、0.4mm〜0.7mmがより好まし
い。また、該蓋の外周面に接する部分の内径は該
の外径と同一であるか外径よりもわずかに、具体的には
0.2mm以下小さく、硬質容器の胴部外周面に接する部
分の内径は胴部の外径と同一であるか外径よりもわずか
に、具体的には0.2mm以下小さい方が好ましい。該
蓋の周壁下端部と硬質容器の口部外周面の間に塵埃が付
着することがないようにするため、この樹脂製保護キャ
ップの周壁下端部は、該蓋の周壁下端部より遠方に、
好ましくは2cm以上遠方に位置している。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。図1
は、本発明の一実施例の保護キャップ付きガラス容器の
断面図である。ガラス容器1の口部3に厚さ0.6mmの
ポリエチレン樹脂製フランジ付き内蓋4が緊密にはめ込
まれており、該内蓋4およびガラス容器1の口部3の周
壁上に、厚さ1mmのポリエステル樹脂製円筒状蓋5
が、ガラス容器1の口部3の外周面にねじ込んで取り付
けられており、円筒状蓋5の天井面が該内蓋4のフラ
ンジを押さえつけている。直径5cmの頭頂部に円形の直
径1cmの開口部8を有する厚さ0.5mmのポリプロピレ
ン樹脂製保護キャップ7が、円筒状蓋5の外面および
ガラス容器1の胴部2の外周面に密接するように、か
つ、保護キャップ7の周壁下端部9が該円筒状蓋5
の周壁下端部6よりも3.5cm遠方にくるように被せら
れている。保護キャップ7の内径のうち、円筒状
蓋5の外周面に接する部分の内径は、円筒状蓋5の
外径より0.1mm小さく、ガラス容器1の胴部2の外周
面に接する部分の内径は、胴部2の外径より0.1mm小
さいが、ポリプロピレン樹脂は小さいとはいえ弾力性を
有するので、保護キャップ7は円筒状蓋5および
ガラス容器1に被せやすく、運搬中にはずれにくく、不
要時は指で簡単に取りはずすことができる。なお、ガラ
ス容器1には半導体チップの保護コーティング用の二液
型付加反応硬化性シリコーンゴム組成物の液状硬化剤1
0が収納されている。この液状硬化剤10は25℃にお
ける粘度が500センチポイズであり、メチルハイドロ
ジェンポリシロキサンを主剤としており、40℃以上に
昇温すると脱水素縮合反応が起こって失活するものであ
る。液状硬化剤10を収納しており、内蓋4と円筒
蓋5が取り付けられ、保護キャップ7が被せられた
ガラス容器1を発泡ポリスチレン箱に収納し、この発泡
ポリスチレン箱をさらに段ボール箱に収納して、トラッ
ク便で遠隔地に運送してから、目的地で段ボール箱から
発泡ポリスチレン箱を取り出し、発泡ポリスチレン箱か
らガラス容器1を取り出して肉眼観察したところ、
護キャップ7は脱落しておらず、円筒状蓋5の周壁
下端部6とガラス容器1の口部3の外周面の間には発泡
ポリスチレン屑等の塵埃は存在しなかった。なお、
護キャップ7の開口部8から塵埃が浸入するのを確実に
防止するため、保護キャップ7を被せてから、粘着テ
ープ等により開口部8を閉鎖するとより好ましい。
【0008】比較のために、ポリプロピレン樹脂製保護
キャップ7を被せない以外は同一のガラス容器1を同様
に梱包し、運送してから取り出して肉眼で観察したとこ
ろ、円筒状蓋5の周壁下端部6とガラス容器1の口
部3の外周面の間には微細な発泡ポリスチレン屑が付着
していた。
【0009】また、比較のため、ポリプロピレン樹脂製
保護キャップではあるが、頭頂部に開口部を有しない以
外は同一のポリプロピレン樹脂製保護キャップ7を
筒状蓋5付きガラス容器1上に被せようとしたが、保
護キャップ内部に空気だまりが生じて、保護キャップ
7の周壁下端部がガラス容器1の肩部までしか達しなか
った。これを実施例と同様に梱包し、運送してから取り
出して肉眼で観察したところ、円筒状蓋5の周壁下
端部6とガラス容器1の口部3の外周面の間には微細な
発泡ポリスチレン屑が付着していた。
【0010】
【発明の効果】本発明の保護キャップ付き硬質容器は、
該硬質容器の口部に内蓋が嵌め込まれ、該内蓋および該
口部の外周壁上に外蓋が取り付けられ、頭頂部に開口部
を有する樹脂製保護キャップが硬質容器の外周壁および
蓋に密接し、蓋の周壁下端部よりも遠方にまで被せ
られているので、運送中にこの保護キャップが脱落せ
ず、運送中や保管中に蓋の周壁下端部と硬質容器の口
部外周面の間に塵埃が付着せず、内容物を使用するとき
はこの保護キャップを指で簡単に取りはずせるという効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のポリプロピレン樹脂製保護
キャップ付きガラス容器の断面図である。
【図2】本発明の上記実施例で使用されるポリプロピレ
ン樹脂製保護キャップの縮小斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例で使用されるポリプロピレ
ン樹脂製保護キャップの斜視図である。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン樹脂製保護キャップ付きガラス容器 2 ガラス容器1の胴部 3 ガラス容器1の口部 4 ポリエチレン樹脂製内蓋 5 ポリエステル樹脂製蓋 6 ポリエステル樹脂製蓋5の周壁下端部 7 ポリプロピレン樹脂製保護キャップ 8 保護キャップ7の開口部 9 保護キャップ7の周壁下端部 10 二液型付加反応硬化性シリコーンゴム組成物の液
状硬化剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−5586(JP,A) 特開 平5−209080(JP,A) 実公 昭36−28279(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 51/18 B65D 41/62

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱変質性液状材料収納用蓋付き硬質容
    器において、該硬質容器の口部に内蓋が嵌め込まれ、該
    内蓋および該口部の外周壁上に外蓋が取り付けられ、頭
    頂部に開口部を有する樹脂製保護キャップが該硬質容器
    の外周壁および該蓋に密接し、かつ、着脱自在に該
    蓋の周壁下端部よりも遠方にまで被せられていることを
    特徴とする、保護キャップ付き硬質容器。
  2. 【請求項2】 硬質容器が円筒状である請求項1記載の
    保護キャップ付き硬質容器。
  3. 【請求項3】 硬質容器が円筒状胴部と外径が円筒状胴
    部の外径よりも小さな円筒状口部とからなることを特徴
    とする、請求項1記載の保護キャップ付き硬質容器。
  4. 【請求項4】 硬質容器がガラス容器である請求項1記
    載の保護キャップ付き硬質容器。
  5. 【請求項5】 加熱変質性液状材料が加熱硬化性液状シ
    リコーン材料である請求項1記載の保護キャップ付き硬
    質容器。
  6. 【請求項6】 樹脂製保護キャップが弾力性を有する熱
    可塑性樹脂製であることを特徴とする、請求項1記載の
    保護キャップ付き硬質容器。
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