JP4503075B2 - 外装板支持具 - Google Patents
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Description
このため、図11(a)に示すように、従来の外装板支持具Bでは、ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11を形成可能な領域14と、外装板を支持可能な支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13を形成可能な領域15とを前後に備えた略長方形の平板材16を、それらの領域14,15どうしの間の箇所で略90度の角度に亘って捩ることにより、図11(b)に示すように、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、捩れ部分25を挟んで、板面どうしが略直交する姿勢で前後に備えたツイストバー形状に加工して、図12(a)に示すように、固定用平板部分11の溶接用側辺10をダクト外面1aに対して溶接固定すると共に、支持フレーム9を介して、外装板7を支持用平板部分13の支持部12に支持して、固定用平板部分11が溶接固定されているダクト1と、支持用平板部分13に支持されている外装板7との相対変位を、捩れ部分25の変形で許容できるように構成してある(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、固定用平板部分11も支持用平板部分13も、夫々の板面に沿う方向の曲げ剛性が大きく、夫々の板面に対して直交する方向の曲げ剛性が小さいので、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、捩れ部分25を挟んで、板面どうしが略直交する姿勢で前後に備えさせて、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、固定用平板部分11の板面に沿う方向の変位成分も、支持用平板部分13の板面に沿う方向の変位成分も、図12(b),(c)に示すように、捩れ部分25の変形に伴う固定用平板部分11と支持用平板部分13との相対変位で吸収できるようにしてある。
しかしながら、平板材を略一定の捩り角度で捩るような作業の機械化にはコストがかかる欠点があり、また、手作業で製作する場合は、捩り角度が略一定になるように捩る作業に熟練を要する欠点がある。
また、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持するにあたって、固定用平板部分の板面に沿う方向の変位成分も、支持用平板部分の板面に沿う方向の変位成分も、固定用平板部分と支持用平板部分との間に形成してある捩れ部分という特定部分を変形させることにより吸収させるので、その捩れ部分の疲労などによる材質の劣化で早期に破損し易い欠点もある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持できるようにしながら、手作業でも容易に製作することができ、しかも、長期に亘って破損し難い外装板支持具を提供することを目的とする。
ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺を一端側に備えた一定幅の固定用平板部分と、前記外装板を支持可能な支持部を一端側に備えた一定幅の支持用平板部分とを、夫々の他端側部分において互いに一体化してある一体化部分を有し、前記一体化部分は、前記固定用平板部分の前記他端側部分と前記支持用平板部分の前記他端側部分とを、前記支持用平板部分の板面が前記溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、それらの板面どうしが互いに略直交する姿勢で一体化してある点にある。
図3(b)に例示するように、ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺10を一端側に備えた一定幅の固定用平板部分11と、外装板を支持可能な支持部12を一端側に備えた一定幅の支持用平板部分13とを、夫々の他端側部分において、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿う姿勢で互いに一体化してある一体化部分25を有しているので、図4(a)に例示するように、固定用平板部分11も、支持用平板部分13も、その板面をダクト外面1aに対して直交する方向に略沿わせて、ダクト外面1aや外装板7に取付ることができる。
そして、一体化部分は、一定幅の固定用平板部分11と一定幅の支持用平板部分13とを、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに略直交する姿勢で互いに一体化してあるので、固定用平板部分11と支持用平板部分13との一体化部分25における曲げ剛性を、固定用平板部分11の板面に沿う方向においても、支持用平板部分13の板面に沿う方向においても大きく確保することができ、ダクト1との相対変位を許容できるように外装板7を支持するにあたって、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、固定用平板部分11の板面に沿う方向の変位成分は、図4(b)に例示するように、その方向の曲げ剛性が小さい支持用平板部分13の変形で吸収させ、支持用平板部分13の板面に沿う方向の変位成分は、図4(c)に例示するように、その方向の曲げ剛性が小さい固定用平板部分11の変形で吸収させることができる。
従って、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持できるようにしながら、外装板支持具を製作するにあたって、平板材を略一定の捩り角度で捩るのではなく、一定幅の固定用平板部分と一定幅の支持用平板部分とを、それらの板面どうしが互いに略直交する姿勢で互いに一体化してあれば良いので、作業の機械化を特に図ることなく、手作業で製作する場合でも特に熟練を要することなく容易に製作することができる。
また、ダクトと外装板との相対変位に伴う変形を、従来のような一箇所の特定部分を変形させて吸収するのではなく、固定用平板部分の変形と支持用平板部分の変形とに分散して吸収させることができるので、長期に亘って破損し難い。
一枚の平板材を略直角に折り曲げるという簡単な加工で容易に製作することができる。
入手し易い既製の圧延山形鋼材を使用して、一枚の平板材を折り曲げたり、固定用平板部分と支持用平板部分とを互いに溶接で接合するような作業を伴うことなく、製作することができる。
〔第1実施形態〕
図1,図2は、火力発電所や工場などにおいて温度が200℃程度の排ガスの通路を形成している金属製高温ダクト1の要部とその断熱保温構造を示す。
尚、バックスティ4の断熱材6からの突出部分にも、その突出部分を覆う断熱材6aを配設してある。
図5は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、図5(a)に示す圧延山形鋼材18の一端側における一対のフランジ部分19a,19bのうちの一方のフランジ部分19aを切除することにより、図5(b)に示すように他方のフランジ部分19bで固定用平板部分11を形成し、図5(a)に示す圧延山形鋼材19の他端側における一対のフランジ部分20a,20bのうちの他方のフランジ部分20bを切除することにより、図5(b)に示すように一方のフランジ部分20aで支持用平板部分13を形成して、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを一体化してある一体化部分25を設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
図6は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、図6(a)に示すように、固定用平板部分11を形成可能な略長方形の矩形領域14と、支持用平板部分13を形成可能な略長方形の矩形領域15とをL字状に一体に備えた一枚の鋼製平板材16を、図6(b)に示すように、それらの領域14,15どうしの境界部17に略沿って斜めに折り曲げると共に、支持用平板部分13を形成可能な矩形領域15における長手方向端部の支持部12の板面が固定用平板部分11の板面に対して略平行になるように、図6(c)に示すように、その矩形領域15を更に折り曲げて、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに斜めに交差するように重なる姿勢で一体化してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
図8は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、図8(a)に示すように、溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11を構成するための略長方形の平板材21の長手方向端部と、支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13を構成するための略長方形の平板材22の長手方向端部とを、図8(b)に示すように略T字状に溶接固定して、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに略直交するように重なる姿勢で一体化してある一体化部分25を設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
図9は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、ダクト外面1aに対して溶接固定可能な溶接用側辺10を備えた略矩形の鋼製平板部材23と、外装板7を支持可能な支持部12を一端側に備えた略円柱状の鋼製軸部材24とを一体に有し、軸部材24の一端側を、その軸芯Xが平板部材23の板面に略沿い、かつ、溶接用側辺10に対して略直交する姿勢で、平板部材23の板面に溶接固定して、支持部12を平板部材23から突出させてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
1.本発明による外装板支持具は、煙道を形成する金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために使用する外装板支持具であっても良い。
2.本発明による外装板支持具は、支持用平板部分の支持部に外装板を溶接やビスなどで直に固定するものであっても良い。
3.本発明による外装板支持具は、軸部材の支持部に外装板を溶接で直に固定するものであっても、軸部材の支持部に雄ねじ部を形成して、その雄ねじ部に螺合するナットなどの雌ねじ部材で外装板を直に固定するものであっても良い。
4.本発明による外装板支持具は、支持用平板部分や平板部材の板面をダクト長手方向に沿わせた姿勢で、溶接用側辺をダクト外面に溶接固定するものであっても良い。
5.本発明による外装板支持具は、固定用平板部分と支持用平板部分とを、支持用平板部分の板面が溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに斜めに交差するように重なる姿勢で一体化してあっても良い。
1a ダクト外面
6 断熱材
7 外装板
10 溶接用側辺
11 固定用平板部分
12 支持部
13 支持用平板部分
14 固定用平板部分を形成可能な領域
15 支持用平板部分を形成可能な領域
16 平板材
17 境界部
18 圧延山形鋼材
19a 一方のフランジ部分
19b 他方のフランジ部分
20a 一方のフランジ部分
20b 他方のフランジ部分
23 平板部材
24 軸部材
25 一体化部分
X 軸芯
Claims (3)
- 金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具であって、
ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺を一端側に備えた一定幅の固定用平板部分と、前記外装板を支持可能な支持部を一端側に備えた一定幅の支持用平板部分とを、夫々の他端側部分において互いに一体化してある一体化部分を有し、
前記一体化部分は、前記固定用平板部分の前記他端側部分と前記支持用平板部分の前記他端側部分とを、前記支持用平板部分の板面が前記溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、それらの板面どうしが互いに略直交する姿勢で一体化してある外装板支持具。 - 前記固定用平板部分を形成可能な領域と前記支持用平板部分を形成可能な領域とを備えた一枚の平板材を、それらの領域どうしの境界部に略沿って略直角に折り曲げて、
前記一体化部分を設けてある請求項1記載の外装板支持具。 - 圧延山形鋼材の一端側における一対のフランジ部分のうちの一方のフランジ部分を切除することにより、他方のフランジ部分で前記固定用平板部分を形成し、前記圧延山形鋼材の他端側における一対のフランジ部分のうちの他方のフランジ部分を切除することにより、一方のフランジ部分で前記支持用平板部分を形成して、
前記一体化部分を設けてある請求項1記載の外装板支持具。
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