JP4502348B2 - 乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に金属やプラスチックス並びにセラミックスでできた被乾燥部材の表面に付着している水分を除去することを目的とする乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属、プラスチックス、セラミックスなどの材料からなる対象物の表面には、対象物が持つ本来の性質や性能を妨げる物質(以下これを汚れという)が付着しており、本来の性質や性能を確保するために、水等の液体(以下これを洗浄水という)を用いてこれらの汚れを洗浄することが行われている。そして、このような洗浄を行った場合には洗浄水が対象物の表面に付着しているので、従来より、洗浄水を乾燥させて対象物の表面を清浄するために乾燥装置が用いられている。
【0003】
従来、最も広く利用されている乾燥装置には、遠心脱水熱風乾燥(以下遠心乾燥という)方式のものがある。これは、被乾燥物を遠心乾燥機の内かごに入れ、該内かごを高速で回転することにより、付着した液体を振り飛ばす(脱水)と同時に熱風を送って、乾燥させるものである。この技術を利用すると、脱水作用と熱風作用とを併用して乾燥を行なっているため、乾燥時間を比較的短くできるとともに乾燥に要するエネルギを少なくすることができるという利点を有する。しかしながら、この従来装置では充分な遠心力が働くまでに被乾燥物が飛び跳ね、被乾燥物同士が衝突しあったり、かご内に衝突するため、被乾燥物が変形しやすいという欠点を有している。また、乾燥かごから被乾燥物を取り出すには乾燥かごが筒状であるため、被乾燥物にきずを付けずに取り出すには特殊な取り出し装置が必要となり、装置全体が複雑になるという欠点もあった。
【0004】
上記遠心乾燥方式の従来装置が有する欠点を補う他の従来装置として、被乾燥物をネット状になった搬送用コンベアに載置し、このコンベアを加熱トンネルを通過させるようにしたものがあり、この従来装置ではネットにより被乾燥物の水切りを行なった後、加熱トンネルで加熱乾燥するようにしている。この場合、上記遠心乾燥方式の従来装置で発生した被乾燥物同士やかご内面との衝突による被乾燥物の変形が発生しないという利点を有している。しかしながら、この従来装置では、ネット上で重力による水切り作用しかないため、洗浄時に被乾燥物に付着した液体量のほとんどを加熱トンネル内で蒸発乾燥させなければならず、加熱エネルギ量も多く必要とし、乾燥時間も大となる。そのために設備も長大なものとなるとともに被乾燥物が、金属部材とくに鉄製部材の場合、洗浄水が付着した状態で長時間加熱されるため、錆発生の危険が高まるといった欠点があった。
【0005】
そこで、本発明者は、洗浄水の水切れが良く、且つ乾燥効率の良い乾燥装置を鋭意研究し一連の特許出願を行ってきた。本発明者等によるこれまでの特許出願では、例えば、特開平10−160346号公報に開示したように、3次元振動を与える加振機の上部に乾燥槽を載置し、乾燥槽の円筒状の壁面に沿って螺旋状に乾燥路を固設した構造の乾燥装置を開発してきた。これら技術は遠心・熱風乾燥技術、ネット・コンベアー型熱風乾燥技術などそれぞれがもつ長所を生かし、これまでの欠点をカバーする画期的なものであった。
【0006】
特開平10−160346号公報の乾燥装置は、円筒壁面に設けられた螺旋状の乾燥路を下方から上方に被乾燥部材が転動搬送する間に乾燥を完結するものであった。転動搬送は、加振機からの上下振動と周方向への振動の合成振動により、被乾燥部材を乾燥路内で進行方向に放り上げ、放り上げられた被乾燥部材は次の放り上げ振動が加わるまでの間、乾燥路床を下降しようとするが、次に放り上げ振動が加わるこの繰り返し振動によって、少しずつ上昇すると云った原理に基づくものである。
【0007】
しかしながら、種々の実施例を踏むうち、省エネ、乾燥品質、生産性の向上などの効果は書面通り発揮するものの、被乾燥部材の対象が限定されることが判明した。適用不能な被乾燥部材の一つは球状部材である。
【0008】
球状部材の場合、繰り返し振動の中で、放り上げられた高さ位置よりも振動休止時間に下り落ちる下降距離の方が大きく、被乾燥部材が転がり落ち、適用不能の場合があった
【0009】
その他、湿潤粉体を乾燥する乾燥装置として、特開昭61−240089号公報、実開昭59−84395号公報には、渦巻状の乾燥路を多段に設けた乾燥装置が開示されている。しかしながら、これら装置の被乾燥物は、湿潤粉粒体であって、被乾燥物表面についた水滴の水切れを考慮する必要のないものである。したがって、これら装置は、熱風乾燥により乾燥を行うものの、水滴の再付着による水濡れを考慮する構造を有していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように従来技術は、特開平10−160346号公報に記載の優れた効果を上げつつも、被乾燥部材の形状適応範囲を狭めるといった問題を持っていた。従ってこの優れた効果を維持または向上させながら、広範な形状対象の被乾燥部材に適応できるようにするのが課題である。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、被乾燥部材の適用を広げ、かつ乾燥効率および組立性が良好な乾燥装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数段の乾燥棚(3a,3b,3c,3d)と、前記各乾燥棚(3a,3b,3c,3d)の上面に載置するカバー(8)と、周壁(7)とを備えた乾燥槽(1)の下面に、上下方向および周方向の振動を与える加振機(2)が一体に結合されてなる乾燥装置であって、前記乾燥棚(3)は、上面に渦巻状の乾燥路(20)と、下面に放射状に設けられた複数本のリブ(4a,4b,4c,4d)と、該乾燥路(20)の路床(21)に設けられた複数の水切孔(23)と、被乾燥物を下段の乾燥棚へ送出するシュート口(10)とを有し、前記各乾燥棚の前記リブ(4a,4b,4c,4d)の下面に当接して水受皿(5)が着脱自在に取り付けられ、該水受皿(5)は前記水切孔(23)から滴下した洗浄水を受けるとともに該洗浄水を排出する排出口(6)を有し、前記各乾燥棚(3a,3b,3c,3d)間には前記シュート口(10)から下段の乾燥棚へ被乾燥物を送出するシュート(9)が設けられ、最下段の乾燥棚(3d)の乾燥路(20)には、被乾燥物の転動方向と逆方向に熱風を送風する熱風発生機(11)を連結する熱風導入口(12)および被乾燥物取出口(15)が設けられたことを特徴とする乾燥装置である。
【0013】
この構成によれば、渦巻状の乾燥路20を有する乾燥棚からなるため、螺旋状に被乾燥物を上昇させることによって起こった被乾燥物の逆走がなく、被乾燥物の対象形状が球状部材にまで適用範囲を広げることができる。また、リブ4により、乾燥棚3の強度を補強できるとともに、リブ4に当接して水受皿5が着脱自在に取り付けることができるので、装置の組立てが簡単である。さらに、熱風の送風方向が被乾燥物の転動方向と逆方向であり、被乾燥物と熱風が向かい合う、いわゆる向流乾燥であるために乾燥効率が良い。しかも、路床21、隔壁27、カバー8で囲まれた乾燥路20に熱風を吹き込むことにより、その風圧により、被乾燥物から振り落とされた洗浄水は水切孔2から水受皿5に滴下され、一度振り落とされた洗浄水が被乾燥物へ再度水濡れを起こすおそれが少ない利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の乾燥装置を示す一部破断した正面図である。本乾燥装置は、乾燥槽1とその下面に一体に結合される加振機2とからなる。加振機2内部には図示しない振動モータが取り付けられる。この振動モータは、モータの回転軸に錘を偏心させて取り付けるとともにモータと錘とをモータハウジングに収納したものである。モータの回転に伴ってモータの回転軸に略直交する平面内でモータハウジングが振動することになる。このような振動モータの回転軸が上下方向に対して傾斜するように加振機2に取り付けられることにより、振動モータの動作に伴って乾燥槽1を上下方向及び周方向に振動させることが可能となる。つまり、振動モータの傾きを調節することによって、振動モータの回転軸が上下方向に近いほど乾燥槽1の周方向の振動成分が多くなり、振動モータの回転軸が水平方向に近いほど乾燥槽1の上下方向の振動成分が多くなる。したがって、加振機2に対する振動モータの傾きを調節すれば、乾燥槽1の振動成分を適宜に設定することが可能となる。
【0016】
図1に示す乾燥槽1は、図4のA−A‘面の断面図である。乾燥槽1は、複数の乾燥棚3a、3b、3c、3dが積層されてなり、最上段を除く乾燥棚3b、3c、3dは、乾燥棚の中心部に、上下の乾燥棚を連結するためのフランジ16を有する円筒状体17が一体に形成されている。フランジ16部分で上下の乾燥棚をボルト、ナット等の着脱自在な締付具19により連結固定される。最上段の乾燥棚3aの中心部は、被乾燥物を受けるように中心が突起した構造をなしている(図1の3aを参照)。被乾燥物は、最上部のカバー8に設けた投入口14から乾燥棚3aに投入され、乾燥棚3aに設けられた乾燥路20を転動し、シュート9を介して下段の乾燥棚3bに送出され、順次下段の乾燥棚3c、3dを経由し、被乾燥物取出口15より取り出される。各乾燥棚3a、3b、3c、3dの上部に載置されるカバー8は、着脱自在に取り付けられる構造であり、透明基板とすることにより乾燥路内の被乾燥物を目視することができる。
【0017】
図2は乾燥棚3の一部上面図である。乾燥棚3は渦巻状の乾燥路20を有している。被乾燥物は、乾燥棚3の中心付近に投入され、加振機2の上下方向および周方向の振動により、被乾燥物が渦巻状の乾燥路20に沿って転動され、乾燥路20の終端に開設されたシュート口10からシュート9を介して下段の乾燥棚に被乾燥物が送出される。
【0018】
本乾燥槽は、渦巻状の乾燥路20を有する乾燥棚からなるため、螺旋状に被乾燥物を上昇させることによって起こった被乾燥物の逆走がなく、被乾燥物の対象形状が球状部材にまで適用範囲を広げることができる。
【0019】
図1、図2では、乾燥棚の中心に上部から被乾燥物を投入し、乾燥棚の内側から外側へ被乾燥物が転動して外側端から下段の乾燥棚内側に送出しているが、加振機2のモータの角度を変えることにより、乾燥路の外側から内側に被乾燥物を転動させることが可能であり、そのような場合には、シュート口が内側になり、シュートは内側から下段の乾燥棚の外側に投入するように据え付ければよい。
【0020】
図3は最下段の乾燥棚3dの構造である。最下段の乾燥棚3dには、被乾燥物取出口15および熱風発生機11と接続する熱風導入口12が設けられる。熱風発生機11からの熱風は、乾燥棚3の上部に載置されるカバー8と路床21、隔壁27で囲まれる乾燥路20を被乾燥物の転動方向とは反対方向に送風され、シュート口10を通って順次上段の乾燥棚へと上がっていく。熱風の送風方向が被乾燥物の転動方向と逆方向であり、被乾燥物と熱風が向かい合う、いわゆる向流乾燥であるために乾燥効率が良い。すなわち、水濡れした被乾燥物は、上段の乾燥棚ほど水滴が多く付いているが、振動によって徐々に水滴が振り落とされていき、下段の乾燥棚に転動されてくるころには、ほとんど水滴がなくなり、その一方、熱風は下段ほど高温で低湿度のために、被乾燥物表面に残った水分はその高温ドライ熱風により完全に乾燥除去することが可能となる。
【0021】
図1において、シュート9として、筒状のものを利用する場合には、熱風が筒内を流れるので、熱風の拡散範囲が少ないために、熱風温度が低下しにくく熱効率が良く好適である。一方、シュート9が樋状(上部が解放した形状)のものを利用する場合には、シュートで被乾燥物が詰まるおそれがない利点がある。また、乾燥槽1の周壁7は断熱材をなし、熱風が外部に拡散しないように構成してある。
【0022】
図4は乾燥棚3の下面図である。乾燥棚下面には、乾燥棚の強度を補強するリブ4が放射状に複数本(4a、4b、4c、4d)一体に設けられている。乾燥棚の中心部は、円筒状の空洞となっており、該円筒状の空洞周辺のリブ部分には、上下の乾燥棚を連結するためのボルト、ナット等の締付具19が着脱自在に取り付け可能となっている。乾燥棚3の下面には、リブ(4a、4b、4c、4d)の下面に当接して水受皿5が該締付具19により着脱自在に取り付けられる。リブの設けられていない路床部分には複数の水切孔23が設けられ、水切孔23から滴下した洗浄水は、水受皿5で受けられ、水受皿5に設けた排水口6から排水される。リブ(4a、4b、4c、4d)は水受皿5の中心部で垂直方向に厚く、周辺部で薄くなっており、水受皿5で受けた洗浄水は、水受皿5の中心部に集まり、水受皿5に設けた排水口6から排水することができる。すなわち、リブは乾燥棚3の中心方向に水が抜けられるようにリブの幅を調節または別途水抜けが可能な溝孔を設けている。このようなリブ4があることにより、乾燥棚3の強度を補強するとともに、リブに当接して水受皿5が簡単に着脱自在に取り付けることができる。したがって、乾燥槽の重量を軽量化することができ、しかも乾燥槽の製造・組立てが簡単である。
【0023】
図5は乾燥路の路床面の一例である。路床面の形状は、被乾燥物の形状に合せて適宜変更可能である。図5はダイヤカット形状の路床面であり、路床面の適所には四角錘状25の微小凹凸を有するダイヤカット部が設けられ、ダイヤカット部により被処理物の滑りが抑制されるなどの作用を発揮する。また適所に水切孔23が設けられ、被乾燥物表面についた洗浄水が水受皿に排水される。ダイヤカット部は、乾燥棚と一体成形するか、あるいはゴム等によって路床面に別に形成したシート状部材にてよって形成してもよい。図5は路床面のひとつの形態であり、ダイヤカット以外の凹凸形状であってもよい。このように、路床面に凹凸を設けることにより、被乾燥物が球状部材であるときに、必要以上に被乾燥物の転動速度が大きくなりすぎないようにする効果がある。その他、水の表面張力により平面な路床面に吸着しやすい扁平状被処理物であっても、凹凸を設けることにより、該表面張力による被処理物と路床面との吸着を防止でき、良好な転動搬送が可能となり、ひいては、被乾燥物が上下に弾みながら転動するので、被乾燥物同士の重なりが少なく、水切れが良好となり乾燥時間が短縮される。また、凹凸の凹部に水切孔を設けているので、被乾燥物から振り落とされた洗浄水が容易に水切孔に集まり流入し、水切された洗浄水を再度被乾燥物に付着させることがない。
【0024】
図6、図7は路床面の他の一例である。図6は乾燥棚の一部拡大断面図、図7は拡大上面図である。図6、図7の乾燥路の路床21は、乾燥棚の中心から外側に向かう下り傾斜面と、路床21の外側の隔壁27aに沿って設けられた水切溝22とからなっている。振動によって被乾燥物から振り落とされた洗浄水は、傾斜面から水切溝22へと流れ込み、乾燥路の適宜の箇所に設けた水切孔23を通って水切皿5に滴下する。水切孔23上部または水切溝22上部には針状部材等が挟まらないような透水性セラミックス、焼結ガラスなど連続気泡をもった発泡体またはメッシュ24で覆うようにするとよい。図6、図7の路床面は乾燥棚外周方向へ下り勾配に傾斜させた例であるが、乾燥棚の中心方向へ下り勾配に傾斜させた路床とし、乾燥路の内側の隔壁27bに沿って水切溝を設けてもよい。また、路床21の中心に水切溝を設け、路床を水切溝へ下り勾配になるように傾斜させてもよい。
【0025】
このように路床面に傾斜面を設けることにより、被乾燥物から振り落とされた洗浄水が傾斜面下方にある水切溝に流れやすく、その結果、水切溝内に設けた水切孔から洗浄水が水受皿に滴下しやすくなる。また、水切溝または水切孔の上部を透水性セラミックス、焼結ガラスなど連続気泡をもった発泡体またはメッシュ24で覆うことにより、針状部材あるいは一部分に細い突起を有する部材であっても水切溝または水切孔に挟まることがなく好適に転動搬送が可能である。
【0026】
本乾燥槽1の構造によれば、路床21、隔壁27、カバー8で囲まれた乾燥路20に熱風を吹き込むことにより、その風圧により、被乾燥物から振り落とされた洗浄水は水切孔2から容易に水受皿5に滴下され、一度振り落とされた洗浄水が被乾燥物へ再度水濡れを起こすおそれが少ない利点がある。水切孔23から滴下した洗浄水は、水受皿5に設けた排水口6を流入し、最下段の水受皿に連結された配水管13から乾燥槽系外に排水される。なお、路床面として、凹凸形状、水切溝構造の例を挙げたが、被乾燥物の対象形状によっては路床面が平坦であってもよい。
【0027】
図8は、最下段の乾燥棚3dと加振機2との接続を工夫した構造である。すなわち、最下段の乾燥棚3dの下面に取り付けられる水受皿を円筒桶状となしている。円筒桶状水受皿30の周縁部には乾燥棚3dと着脱自在に接続できるフランジを設けている。この場合、最下段の乾燥棚3dにも該フランジに対応したフランジを設ける。このような構造にすることにより、乾燥槽1と加振機2との接続箇所の接合強度を補強し、加振機2の3次元振動による応力に耐える構造とすることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、複数段の乾燥棚3a,3b,3c,3dと、各乾燥棚3a,3b,3c,3dの上面に載置するカバー8と、周壁7とを備えた乾燥槽1の下面に、上下方向および周方向の振動を与える加振機2が一体に結合されてなる乾燥装置であって、渦巻状の乾燥路20を有する乾燥棚からなるため、螺旋状に被乾燥物を上昇させることによって起こった被乾燥物の逆走がなく、被乾燥物の対象形状が球状部材にまで適用範囲を広げることができる。また、乾燥棚下面にリブ4を設けることにより、乾燥棚3の強度を補強できるとともに、リブ4に当接して水受皿5が着脱自在に取り付けることができるので、装置の組立てが簡単である。さらに、熱風の送風方向が被乾燥物の転動方向と逆方向となり、被乾燥物と熱風が向かい合う、いわゆる向流乾燥であるために乾燥効率が良い。しかも、路床21、隔壁27、カバー8で囲まれた乾燥路20に熱風を吹き込む構成であるから、その風圧により、被乾燥物から振り落とされた洗浄水は水切孔2から水受皿5に滴下され、一度振り落とされた洗浄水が被乾燥物へ再度水濡れを起こすおそれが少ない利点がある。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の全体構成を示す構成図である。
【図2】 本発明の乾燥棚の要部上面図である。
【図3】 本発明の乾燥棚3dの要部平面図である。
【図4】 本発明の乾燥棚の要部下面図である。
【図5】 本発明の路床の一例を示す構成図である。
【図6】 本発明の路床の他の一例を示す断面図である。
【図7】 本発明の路床の他の一例を示す要部上面図である。
【図8】 本発明の別の水受皿の構成図である。
【符号の説明】
1 乾燥槽
2 加振機
3 乾燥棚
5 水受皿
7 周壁
8 カバー
9 シュート
11 熱風発生機
12 熱風導入口
13 排水管
15 被乾燥物取出口
19 締付具
20 乾燥路
21 路床
22 水切溝
23 水切孔

Claims (1)

  1. 複数段の乾燥棚(3a,3b,3c,3d)と、前記各乾燥棚(3a,3b,3c,3d)の上面に載置するカバー(8)と、周壁(7)とを備えた乾燥槽(1)の下面に、上下方向および周方向の振動を与える加振機(2)が一体に結合されてなる乾燥装置であって、前記乾燥棚(3)は、上面に渦巻状の乾燥路(20)と、下面に放射状に設けられた複数本のリブ(4a,4b,4c,4d)と、該乾燥路(20)の路床(21)に設けられた複数の水切孔(23)と、被乾燥物を下段の乾燥棚へ送出するシュート口(10)とを有し、前記各乾燥棚の前記リブ(4a,4b,4c,4d)の下面に当接して水受皿(5)が着脱自在に取り付けられ、該水受皿(5)は前記水切孔(23)から滴下した洗浄水を受けるとともに該洗浄水を排出する排出口(6)を有し、前記各乾燥棚(3a,3b,3c,3d)間には前記シュート口(10)から下段の乾燥棚へ被乾燥物を送出するシュート(9)が設けられ、最下段の乾燥棚(3d)の乾燥路(20)には、被乾燥物の転動方向と逆方向に熱風を送風する熱風発生機(11)を連結する熱風導入口(12)および被乾燥物取出口(15)が設けられたことを特徴とする乾燥装置。
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