JP4501351B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気と水素とを基に発電する燃料電池を備えた燃料電池システムに関するものであり、特に、燃料電池の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムは、燃料電池の水素極に水素ガス、空気極に空気をそれぞれ供給し、電解質膜を介してこれら水素と空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得るものである。このような燃料電池システムは、例えば自動車の動力源等としての実用化に大きな期待が寄せられており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
【0003】
燃料電池システムに用いられる燃料電池としては、特に自動車に搭載する上で好適なものとして、固体高分子タイプの燃料電池が知られている。固体高分子タイプの燃料電池は、水素極と空気極との間に膜状の固体高分子が設けられたものであり、この固体高分子膜が水素イオン伝導体として機能するようになっている。固体高分子タイプの燃料電池では、水素極で水素ガスが水素イオンと電子とに分離される反応が起き、空気極で酸素ガスと水素イオンと電子とから水を生成する反応が行われる。
【0004】
ところで、以上のような固体高分子タイプの燃料電池では、空気極側と水素極側とを薄い膜状の物質(固体高分子膜)により仕切っており、この膜状物質の耐久性確保のため、燃料電池の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を小さく設定することが要求される。そこで、燃料電池の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を制御する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0005】
特許文献1には、燃料電池に水素を供給する水素供給系の燃料電池入口部圧力(水素極入口圧力)を検出する圧力検出器と、燃料電池に空気を供給する空気供給系の燃料電池本体入口部圧力(空気極入口圧力)を検出する圧力検出器とを設け、これらの圧力検出器により検出された系内圧力を設定圧力と比較して各制御弁等に制御信号を出力する制御装置を設けることにより、燃料電池入口の空気極、水素極の極間差圧を適正にする技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−3024号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の技術において用いられている圧力検出器は、一般的に外部からのノイズや、温度変化・経時変化等が原因となって、検出される信号に誤信号成分を含む可能性がある。このため、特許文献1に記載されるように、圧力検出器により検出された信号(系内圧力)に基いて各制御弁等に制御信号を出力する構成においては、圧力検出器により検出された信号が誤信号成分を含んだ場合、各制御弁等に正しい制御信号が出力されず、燃料電池入口の空気極、水素極の極間差圧を適正にすることが困難となり、燃料電池の耐久性が低下するという問題が生ずる。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の有する問題点に着目してなされたものであり、燃料電池の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を制御する際の信頼性を向上させ、燃料電池の耐久性を確保し得る燃料電池システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、空気極及び水素極を有し、供給される空気と水素とを基に発電する燃料電池と、燃料電池の空気極に空気を供給する空気供給手段と、燃料電池の水素極に水素を供給する水素供給手段と、燃料電池の空気極出口下流に設けられて燃料電池の空気極出口から排出された空気が通過する通路を有する第1の圧力制御手段と、燃料電池の水素極入口上流に設けられて前記燃料電池の水素極入口に供給される水素が通過する通路を有する第2の圧力制御手段とを備える。
【0010】
第1の圧力制御手段は、燃料電池の空気極入口圧力と当該空気極入口圧力よりも小さい空気極出口圧力とが導入され、当該空気極入口圧力の空気極出口圧力に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくし、燃料電池の空気極入口圧力を略一定に制御するものである。また、第2の圧力制御手段は、燃料電池の空気極入口圧力と当該空気極入口圧力よりも小さい水素極入口圧力とが導入され、当該空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくし、燃料電池の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内に制御するものである。そして、第2の圧力制御手段は、電気信号に基づき通路の開度を変更可能な開度調整機構を有している。
【0011】
また、本発明に係る他の燃料電池システムは、空気極及び水素極を有し、供給される空気と水素とを基に発電する燃料電池と、燃料電池の空気極に空気を供給する空気供給手段と、燃料電池の水素極に水素を供給する水素供給手段と、燃料電池の空気極出口下流に設けられて前記燃料電池の空気極出口から排出された空気が通過する通路を有する第3の圧力制御手段と、燃料電池の水素極入口上流に設けられて前記燃料電池の水素極入口に供給される水素が通過する通路を有する第4の圧力制御手段とを備える。
【0012】
第3の圧力制御手段は、燃料電池の空気極入口圧力と当該空気極入口圧力よりも小さい空気極出口圧力と前記空気極入口圧力よりも小さい水素極入口圧力が導入され、当該空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくし、且つ空気極入口圧力の空気極出口圧力に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくし、燃料電池の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内に制御するものである。また、第4の圧力制御手段は、燃料電池の水素極入口圧力が導入され、当該水素極入口圧力が大きいほど通路の開度を小さくし、燃料電池の水素極入口圧力を略一定に制御するものである。そして、第3の圧力制御手段及び第4の圧力制御手段の少なくとも一方は、電気信号に基づき通路の開度を変更可能な開度調整機構を有している。
【0013】
以上のような本発明に係る燃料電池システムでは、外部からのノイズや、温度変化・経時変化等の影響を受けやすい圧力検出器を用いることなく、燃料電池の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧の制御が実現されることになる。また、第2の圧力制御手段や第3の圧力制御手段、第4の圧力制御手段が電気信号に基づき通路の開度を変更可能な開度調整手段を有することから、運転条件に応じて任意に通路の開度を変更でき、例えば過渡応答時に開度調整手段によって通路の開度を変更することで応答遅れが低減される。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、外部からのノイズや、温度変化・経時変化等の影響を受けやすい圧力検出器を用いることなく燃料電池の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を制御しているので、信頼性の高い差圧制御を実現することができ、燃料電池の耐久性を確実に確保することが可能である。また、本発明においては、第2の圧力制御手段や第3の圧力制御手段、第4の圧力制御手段に電気信号に基づき通路の開度を変更できる開度調整手段を設けており、例えば過渡応答時に開度調整手段によって通路の開度を変更することで応答遅れを低減することができるので、この点においても信頼性の高い差圧制御が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した燃料電池システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
本実施形態の燃料電池システムの構成を図1に示す。本実施形態の燃料電池システムは、車両の駆動源として用いられる燃料電池システムであり、発電手段として固体高分子タイプの燃料電池1を備えている。
【0017】
燃料電池1は、空気極に供給される空気中の酸素と水素極に供給される水素とを電気化学的に反応させて発電するものである。すなわち、この燃料電池1は、水素が供給される水素極1aと空気が供給される空気極1bとが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換する。水素極1aでは、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極1bにそれぞれ移動する。空気極1bでは、供給された空気中の酸素と水素極1aからの水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
【0018】
燃料電池1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
【0019】
燃料電池1の空気極1bの入口側には、空気極1bに空気を供給する空気供給系が設けられている。この空気供給系は、フィルタ2、燃料電池1の空気極入口に空気を加圧供給するコンプレッサ3、空気流量センサ4及び空気供給配管5を有する。この空気供給系において、空気は、大気からフィルタ2を介して取り込まれ、コンプレッサ3にて調圧された後、空気流量センサ4を通過して、空気供給配管5を通して燃料電池1の空気極1bに供給される。
【0020】
また、燃料電池1の空気極1bの出口側には、空気排気系が接続されている。空気排気系は、空気排気配管6と燃焼器7とを有し、燃料電池1の空気極1bを通過した空気は、空気排気配管6を通して燃焼器7に供給されて燃焼器7での水素の燃焼に用いられ、或いは燃焼器7を介して大気に排出される。
【0021】
更に、空気排気配管6の途中には、空気極入口圧力を調整する第1の圧力制御弁8が設けられている。この第1の圧力制御弁8は、燃料電池1の空気極1bの出口下流に設けられ、図1中の点Aを介して燃料電池1の空気極入口圧力PA1が導入されるとともに、空気排気配管6を分岐して空気極出口圧力PA2が導入され、当該空気極入口圧力PA1の空気極出口圧力PA2に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくすることで、燃料電池1の空気極入口圧力を略一定に制御する機能を有する。
【0022】
一方、燃料電池1の水素極1aの入口側には、水素極1aに水素を供給する水素供給系が設けられている。この水素供給系は、高圧水素タンク9、プレッシャレギュレータ10、水素供給配管11、及び水素極入口配管12を有する。この水素供給系において、水素は、高圧水素タンク9から供給され、プレッシャレギュレータ10を通過した後、水素供給配管11及び水素極入口配管12を通過して燃料電池1の水素極1aに供給される。
【0023】
本実施形態の燃料電池システムは、水素循環型として構成されており、燃料電池1での発電に使用されずに燃料電池1から排出された排出ガス(循環水素)の経路となる水素極出口配管13が循環水素用配管として設けられるとともに、排出された排出ガスを循環する循環ポンプ13が設けられている。この水素極出口配管13は、図1中の点Bにおいて前記水素極入口配管12と接続されており、循環ポンプ14の作動によって、燃料電池1の水素極1aを通過した水素と、高圧水素タンク9から供給された水素とが混合され、燃料電池1の水素極へ供給される。
【0024】
また、燃料電池1の水素極1aの出口側には、シャットオフバルブ(排出手段)15が設けられている。水素循環型の燃料電池システムでは、水素を循環させることによって燃料電池1の水素極1a内部や循環経路内に不純物質が蓄積し、これにより水素分圧が降下して燃料電池1の効率が低下することが懸念される。このような場合には、シャットオフバルブ15を開放して水素をパージすることで、燃料電池1の水素極1a内部や循環経路内に蓄積された不純物質を水素と共に排出する。シャットオフバルブ15を介して排出された水素は燃焼器7に供給され、燃焼器7において空気と混合されて燃焼される。
【0025】
更に、水素供給配管11の途中には、空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を制御する第2の圧力制御弁16が設けられている。この第2の圧力制御弁16は、燃料電池1の水素極1aの入口上流に設けられ、図1中の点Aを介して燃料電池1の空気極入口圧力PA1が導入されるとともに、図1中の点Bを介して水素極入口圧力PH1が導入され、当該空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくすることで、燃料電池1の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内に制御する機能を有する。また、この第2の圧力制御弁16は、電気信号に基づき通路の開度を変更できる開度調整機構として、ソレノイド16a,16bを有する。
【0026】
本実施形態の燃料電池システムは、車両の駆動源として用いられるものであり、以上の構成の他、アクセルペダル17を用いたドライバによるアクセル操作量及びアクセル操作速度を検出するアクセルペダルセンサ(アクセル操作検出手段)18を備えている。また、この燃料電池システムは、燃料電池1の発電量を検出する発電量センサ19や、燃料電池システム全体の制御を行うコントロールユニット20を備えている。
【0027】
以上の構成を有する燃料電池システムにおいて、空気供給系では、フィルタ2は、コンプレッサ3が吸い込む空気中の不純物を取り除く。コンプレッサ3は、フィルタ2を通して空気を吸い込み、圧縮して吐出し、燃料電池1の空気極1bへ空気を供給する。また、コンプレッサ3は、コントロールユニット20により回転数制御され、供給する空気流量が制御される。空気流量センサ4は、コンプレッサ3から供給される空気流量を検出し、検出値をコントロールユニット20に入力する。また、コントロールユニット20は、空気流量センサ4の検出値に基づき、燃料電池1へ供給される空気流量を制御する。このとき、燃料電池1の空気極1bの出口下流に設けられた第1の圧力制御弁8は、燃料電池1の空気極1bの入口圧力を制御する。
【0028】
水素供給系では、高圧水素タンク9が水素を貯蔵する。プレッシャレギュレータ10は、高圧水素タンク9から供給される水素の圧力を一定の圧力に制御して出力する。第2の圧力制御弁16は、燃料電池1の水素極1aへ供給する水素の流量を制御することにより、燃料電池1の水素極1aの入口圧力を制御する。循環ポンプ14は、燃料電池1から排出される未使用水素を吸込み、再度燃料電池1へ供給する。シャットオフバルブ15は、コントロールユニット20の指令により制御され、燃料電池1の水素極出口を外部へ連通させる。燃焼器7は、シャットオフバルブ15を介して排出される水素極1aからの水素を、空気極1bから排出される空気と混合して燃焼させる。
【0029】
燃料電池1は、空気供給系から供給される空気と、水素供給系から供給される水素とを用いて発電する。発電量センサ19は、燃料電池1における発電量を検出し、検出値をコントロールユニット20に入力する。アクセルペダルセンサ18は、ドライバによるアクセル操作量及びアクセル操作速度を検出し、検出値をコントロールユニット20に入力する。コントロールユニット20は、本実施形態の燃料電池システムにおける各センサからの信号を読み込み、予め内部に保有する制御ロジックに従い、各構成品へ指令を送り、燃料電池システム全体の制御を行う。
【0030】
以上が本実施形態の燃料電池システムの全体構成であるが、次に、第1の圧力制御弁8における、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の制御について説明する。本実施形態にあっては、空気極入口圧力PA1は、空気極1bの入口圧力の出口圧力に対する差圧(PA1−PA2)に、第1の圧力制御弁8における圧力損失ΔP1を加えた値で決まる。
【0031】
第1の圧力制御弁8は、導入された空気極入口圧力PA1と空気極出口圧力PA2とに基き、図2に示すように、差圧PA1−PA2が大きくなるほど通路の開度S1が大きくなるように、通路の開度S1を変更する。また、通路の開度S1と第1の圧力制御弁8における圧力損失ΔP1は、図3に示すように、通路の開度S1が大きいほど圧力損失ΔP1は小さくなる関係にある。一方、差圧PA1−PA2は、図4に示すように、燃料電池1の空気極1bに供給される空気の流量Q1が多くなるほど大きくなる。
【0032】
したがって、第1の圧力制御弁8は、差圧PA1−PA2が大きいほど、すなわち、燃料電池1の空気極1bに供給される空気の流量Q1が大きいほど通路の開度S1を大きくし、該第1の圧力制御弁8における圧力損失ΔP1を小さくするよう作用する。このため、燃料電池1の空気極1bに供給される空気の流量Q1に対し、燃料電池1の空気極入口圧力PA1、すなわち、燃料電池1の空気極1bの差圧PA1−PA2に第1の圧力制御弁8における圧力損失ΔP1を加えた値は、図5に示ように略一定に制御されることになる。
【0033】
次に、第2の圧力制御弁16による燃料電池1の水素極入口圧力PH1の制御について説明する。第2の圧力制御弁16では、導入された燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1とに基づき、図6に示すように、空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1が大きくなるほど通路の開度S2が大きくなるように、通路の開度S2を変更する。また、通路の開度S2と第2の圧力制御弁16が燃料電池1へ供給する水素流量Q2は、図7に示すように、通路の開度S2が大きいほど大きくなる関係にある。
【0034】
一方、水素極入口圧力PH1は、燃料電池1の水素極1aへ供給された水素量と消費された水素量との差、すなわち燃料電池1の水素極1aに存在する水素量に基づいて決まる。つまり、消費される水素量よりも水素を多く供給するほど、水素極入口圧力PH1は上昇し、供給する水素量を減らし消費される水素量が多くなると、水素極入口圧力PH1は下降する。
【0035】
したがって、第2の圧力制御弁16は、差圧PA1−PH1が大きいほど、すなわち、空気極入口圧力PA1が水素極入口圧力PH1より大きいほど通路の開度S2を大きくし、燃料電池1へ供給する水素量Q2を多くすることにより、燃料電池1の水素極入口圧力PH1を上昇させる。逆に、差圧PA1−PH1が小さいほど通路の開度S2を小さくし、燃料電池1へ供給する水素量Q2を減らすことにより、水素極入口圧力PH1を下降させ、差圧PA1−PH1を所定圧力以内に制御する。ここで、所定圧力は、燃料電池1において、空気極1bと水素極1aを仕切る薄い膜状の固体高分子電解質膜が耐え得る空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧以内に設定する。
【0036】
以上により、第1の圧力制御弁8により略一定に制御された燃料電池1の空気極入口圧力PA1を基準とし、第2の圧力制御弁16により、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧が所定圧力以内になるよう、燃料電池1の水素極入口圧力PH1が制御されることになる。
【0037】
また、第2の圧力制御弁16は、ソレノイド16aとソレノイド16bとを有しており、コントロールユニット20からの指令により、ソレノイド16aは通路の通路の開度S2を小さくする方向に制御し、ソレノイド16bは通路の開度S2を大きくする方向に制御する。次に、これらソレノイド16aとソレノイド16bの作用について説明する。
【0038】
図8は、シャットオフバルブ15により燃料電池1の水素極1aに存在する不純物質を水素とともに外部へ排出する際、ソレノイド16a,16bの作用により第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を変更するようにした制御例を示すフローチャートである。この図8に示すフローは、コントロールユニット20において、予め定められた一定の制御周期(例えば1〜100ms程度)毎に繰り返し実行されるものである。
【0039】
燃料電池1の水素極1aには、空気極1bから入ってくる窒素や、燃料電池1内部で生成された水といった物質が不純物質として存在する。水素極1a内に不純物質が多く存在すると発電効率が低下するので、このような場合には、コントロールユニット20が不純物質の排出を開始すべきことを判断し(ステップS1)、シャットオフバルブ15を開放して(ステップS2)、水素極1a内部の不純物質を燃料電池1の外部に排出する。
【0040】
このとき、不純物質の排出に伴って水素極1a内部の水素も排出されるので、不純物質の外部への排出が開始されると、水素供給系によって燃料電池1へ供給される水素量がシャットオフバルブ15により排出される水素量分増加するまでの過渡期間、すなわち、第2の圧力制御弁16において導入される圧力に基き通路の開度S2が変更されて、燃料電池1へ供給する水素量が多くなるまでの過渡応答時に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量が減少し、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は下降することになる。
【0041】
そこで、シャットオフバルブ15を開放して不純物質の排出を開始する際、ソレノイド16bによって、第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を所定時間大きくし、燃料電池1へ供給される水素量を多くする(ステップS3)。これにより、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の減少を補償し、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れによる水素極入口圧力PH1の下降を低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。
【0042】
また、このとき、シャットオフバルブ15の開放によって排出される流量が大きいほど、供給される水素量が排出される水素量分増加するまでの過渡期間に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の減少が大きく、燃料電池1の水素極入口圧力PH1も大きく下降することになる。そこで、図9に示すように、排出される流量が大きいほどソレノイド16bによる通路の開度S2の増加分を大きく設定する。これにより、燃料電池1へ供給する水素量が、減少する水素量に応じて多くなり、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の減少が適切に補償され、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0043】
次に、燃料電池1の水素極1a内部の不純物質が除去され、コントロールユニット20によって不純物質の排出を停止すべきことが判断されると(ステップS3)、シャットオフバルブ15が閉じられる(ステップS5)。これにより、水素極1a外部への水素の排出も停止され、このため水素供給系によって燃料電池1へ供給される水素量が、排出された水素量分低減するまでの過渡期間、すなわち、第2の圧力制御弁16において導入される圧力に基き通路の開度S2が変更されて、燃料電池1へ供給する水素量が少なくなるまでの過渡応答時に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量が増加することとなり、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は上昇する。
【0044】
そこで、シャットオフバルブ15を閉じて不純物の排出を停止する際、ソレノイド16aによって、第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を所定時間小さくし、燃料電池1へ供給する水素量を少なくする(ステップS6)。これにより、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が抑制され、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れによる水素極入口圧力PH1の上昇を低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。
【0045】
また、このとき、シャットオフバルブ15の開放によって排出された流量が大きいほど、排出を停止した時に燃料電池1へ供給される水素量が排出された水素量分減少するまでの過渡期間、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が大きく、燃料電池1の水素極入口圧力PH1も大きく上昇する。そこで、図10に示すように、排出された流量が大きいほどソレノイド16aによる通路の開度S2の減少分を大きく設定し、通路の開度S2が小さくなるようにする。これにより、燃料電池1へ供給する水素量が、増加する水素量に応じて少なくなり、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が適切に抑制され、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0046】
図11は、以上のような制御を行って、シャットオフバルブ15により燃料電池1の水素極1aに存在する不純物質を水素とともに外部へ排出する際、ソレノイド16a,16bの作用により第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を変更するようにした場合の、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1の時間的な変化を示したものである。なお、図11中の差圧PA1−PH1を示す曲線において、破線で示した部分は、以上のような制御を行わない場合の差圧PA1−PH2の変化を示している。この図11に示すように、燃料電池1の水素極1a内からの不純物質の排出開始時及び排出停止時に、ソレノイド16a,16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を変更することによって、過渡的な差圧PA1−PH1の変動を抑制できることが分かる。
【0047】
なお、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させる際の所定時間や、ソレノイド16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を増加させる際の所定時間は、第2の圧力制御弁16が、導入された入口圧力PA1と入口圧力PH1とに基づき通路の開度S2を変更する際の応答遅れ時間以内とする。これにより、過渡応答時において、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分が適切に補償されることになる。
【0048】
また、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させる際の所定時間や、ソレノイド16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を増加させる際の所定時間は、図12に示すように、燃料電池1の水素極1aに接続される配管の体積VHが大きいほど、長く設定することが望ましい。燃料電池1の水素極1aに接続される配管の体積VHが大きいと、燃料電池1の水素極入口圧力PH1の変化の時間が長くなり、第2の圧力制御弁16において、導入される圧力に基づき通路の開度S2を変更する際の応答遅れが大きくなる。この場合、所定時間を長くすることにより、過渡応答時において、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分がより適切に補償され、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0049】
図13は、アクセルペダルセンサ18により検出したドライバによるアクセル操作量及びアクセル操作速度に基づき、ソレノイド16a,16bの作用により第2の圧力制御弁16の開度S2を変更するようにした制御例を示すフローチャートである。この図13に示すフローは、コントロールユニット20において、予め定められた一定の制御周期(例えば1〜100ms程度)毎に繰り返し実行されるものである。
【0050】
ドライバが車両を加速させるために深く、且つ素早くアクセルペダル17を踏み込んだ場合(ステップS11)、燃料電池1による発電量を加速に要する分急増することが必要となり、燃料電池1で消費される水素量も急増する。ここで、燃料電池1の水素入口圧力PH1は、上述したように燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量に基いて決まるので、ドライバが深く、且つ素速くアクセルペダル17を踏み込んだ場合には、燃料電池1へ供給される水素量が消費される水素量分増加するまでの過渡期間、すなわち第2の圧力制御弁16において、導入される圧力に基き通路の開度S2が変更され燃料電池1へ供給する水素量が多くなるまでの過渡応答時に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量が減少し、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は下降することになる。
【0051】
そこで、ドライバがアクセルペダル17を踏み込んだ際のアクセル操作量が第1の所定量以上であり(ステップS12)、且つ、アクセル操作速度が第1の所定速度以上であることがアクセルペダルセンサ18により検出された場合(ステップS13)、ソレノイド16bによって、第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を所定時間大きくし、燃料電池1へ供給される水素量を多くする(ステップS14)。これにより、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の減少を補償し、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れによる水素極入口圧力PH1の下降を低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、このとき、ドライバによるアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど燃料電池1の水素極1aで消費される水素量が大きくなり、したがって、燃料電池1へ供給される水素量が消費される水素量分増加するまでの過渡期間に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の減少もより大きく、燃料電池1の水素極入口圧力PH1もより大きく下降することになる。そこで、図14に示すように、アクセル操作量又は操作速度が大きいほどソレノイド16bによる通路の開度S2の増加分をより大きく設定する。これにより、燃料電池1へ供給する水素量が、減少する水素量に応じて多くなり、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の減少が適切に補償され、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を更に向上することが可能となる。
【0053】
一方、ドライバが車両を減速させるため深く、且つ素早くアクセルペダル17を戻した場合(ステップS15)、燃料電池1による発電量を急減することが必要となり、燃料電池1で消費される水素量も急減する。したがって、水素供給系により燃料電池1へ供給される水素量が消費される水素量分減少するまでの過渡期間、すなわち、第2の圧力制御弁16において導入される圧力に基き通路の開度S2が変更されて、燃料電池1へ供給する水素量が少なくなるまでの過渡応答時に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量が増加することになり、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は上昇する。
【0054】
そこで、ドライバがアクセルペダル17を戻した際のアクセル操作量が第2の所定量以上であり(ステップS16)、且つ、アクセル操作速度が第2の所定速度以上であることがアクセルペダルセンサ18により検出された場合(ステップS17)、ソレノイド16aによって、第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を所定時間小さくし、燃料電池1へ供給する水素量を少なくする(ステップS18)。これにより、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が抑制され、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れによる水素極入口圧力PH1の上昇を低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。
【0055】
また、このとき、アクセルペダル17を戻す際のアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど燃料電池1の水素極1a側で消費される水素量が小さくなり、したがって、水素供給系により燃料電池1へ供給される水素量が消費される水素量分減少するまでの過渡期間に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が大きく、水素極1aの入口圧力も大きく上昇することになる。そこで、図15に示すように、アクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほどソレノイド16aによる通路の開度S2の減少分を大きく設定し、通路の開度S2が小さくなるようにする。これにより、燃料電池1へ供給する水素量が、増加する水素量に応じて少なくなり、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が適切に抑制され、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0056】
図16は、以上のような制御を行って、ドライバによってアクセルペダル17が深く、且つ素速く操作された際、ソレノイド16a,16bの作用により第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を変更するようにした場合の、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1の時間的な変化を示したものである。なお、図16中の差圧PA1−PH1を示す曲線において、破線で示した部分は、以上のような制御を行わない場合の差圧PA1−PH2の変化を示している。この図16に示すように、ドライバによってアクセルペダル17が深く、且つ素速く操作された時に、ソレノイド16a,16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を変更することによって、過渡的な差圧PA1−PH1の変動を抑制できることが分かる。
【0057】
なお、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させる際の所定時間や、ソレノイド16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を増加させる際の所定時間は、第2の圧力制御弁16が、導入された入口圧力PA1と入口圧力PH1とに基づき通路の開度S2を変更する際の応答遅れ時間以内とする。これにより、過渡応答時において、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分が適切に補償されることになる。
【0058】
また、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させる際の所定時間や、ソレノイド16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を増加させる際の所定時間は、図12に示したように、燃料電池1の水素極1aに接続される配管の体積VHが大きいほど、長く設定することが望ましい。このように、燃料電池1の水素極1aに接続される配管の体積VHが大きいほど所定時間を長くすることにより、過渡応答時において、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分がより適切に補償され、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0059】
図17は、発電量センサ19により燃料電池1における発電が瞬断したことが検出された場合に、ソレノイド16aの作用により第2の圧力制御弁16の開度S2を変更するようにした制御例を示すフローチャートである。この図17に示すフローは、コントロールユニット20において、予め定められた一定の制御周期(例えば1〜100ms程度)毎に繰り返し実行されるものである。
【0060】
燃料電池1における発電が故障等により瞬断して発電量がゼロになった場合、燃料電池1で消費される水素量もゼロにまで急減する。したがって、水素供給系により燃料電池1へ供給される水素量がゼロにまで減少するまでの過渡期間、すなわち、第2の圧力制御弁16において導入される圧力に基き通路の開度S2が変更されて、燃料電池1へ供給する水素量がゼロにまで減少するまでの過渡応答時に、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量が増加することになり、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は上昇する。
【0061】
そこで、燃料電池1における発電が瞬断した場合(ステップS21)、ソレノイド16aによって、第2の圧力制御弁16の開度S2を所定時間小さくし、燃料電池1へ供給する水素量を少なくする(ステップS22)。これにより、燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量の増加が抑制され、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れによる燃料電池1の水素極入口圧力PH1の上昇を低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。
【0062】
図18は、以上のような制御を行って、燃料電池1における発電が瞬断した際、ソレノイド16aの作用により第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させるようにした場合の、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1の時間的な変化を示したものである。なお、図18中の差圧PA1−PH1を示す曲線において、破線で示した部分は、以上のような制御を行わない場合の差圧PA1−PH2の変化を示している。この図18に示すように、燃料電池1における発電が瞬断した時に、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させることによって、過渡的な差圧PA1−PH1の変動を抑制できることが分かる。
【0063】
なお、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させる際の所定時間は、第2の圧力制御弁16が、導入された入口圧力PA1と入口圧力PH1とに基づき通路の開度S2を変更する際の応答遅れ時間以内とする。これにより、過渡応答時において、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分が適切に補償されることになる。
【0064】
また、ソレノイド16aにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を減少させる際の所定時間は、図12に示したように、燃料電池1の水素極1aに接続される配管の体積VHが大きいほど、長く設定することが望ましい。このように、燃料電池1の水素極1aに接続される配管の体積VHが大きいほど所定時間を長くすることにより、過渡応答時において、第2の圧力制御弁16の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分がより適切に補償され、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0065】
本実施形態の燃料電池システムにおいては、以上の構成を採用することにより、外部からのノイズや、温度変化・経時変化等の影響を受けやすい圧力検出器を用いることなく、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を制御することが可能であり、その結果、差圧制御における信頼性を向上し、燃料電池1の耐久性を確保することが可能である。
【0066】
更に、第2の圧力制御弁16は、電気信号に基づき通路の開度S2を変更できるソレノイド16aとソレノイド16bとを有し、導入される燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1とに関わらず、運転条件に応じて任意に通路の開度S1を変更できる構成としたため、過渡応答時において、これらソレノイド16a,16bにより第2の圧力制御弁16の通路の開度S2を変更することで応答遅れを低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を向上することが可能である。
【0067】
(第2の実施形態)
本実施形態の燃料電池システムは、図19に示すように、第1の実施形態における第1の圧力制御弁8に代えて第3の圧力制御弁31を備えるとともに、第1の実施形態における第2の圧力制御弁16に代えて第4の圧力制御弁32を備えるものである。なお、その他の構成については第1の実施形態のものと同一であるので、以下、第1の実施形態と同一部分については詳細な説明を省略し、第3の圧力制御弁31及び第4の圧力制御弁32による制御について詳細に説明する。
【0068】
第3の圧力制御弁31は、燃料電池1の空気極1bの出口下流に設けられ、図19中の点Aを介して燃料電池1の空気極入口圧力PA1が導入されるとともに、空気排気配管6を分岐して空気極出口圧力PA2が導入され、更には図19中の点Bを介して水素極入口圧力PH1が導入され、空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくし、且つ空気極入口圧力PA1の空気極出口圧力PA2に対する差圧が大きいほど通路の開度を大きくすることで、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧を所定圧力以内に制御する機能を有する。また、この第3の圧力制御弁31は、電気信号に基づき通路の開度を変更できる開度調整機構として、ソレノイド31a,31bを有する。
【0069】
また、第4の圧力制御弁32は、燃料電池1の水素極入口上流に設けられ、図19中の点Bを介して燃料電池1の水素極入口圧力PH1が導入されて、当該水素極入口圧力PH1が大きいほど通路の開度を小さくすることで、燃料電池1の水素極入口圧力PH1を略一定に制御する機能を有する。
【0070】
ここで、第3の圧力制御弁31における、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の制御について説明する。本実施形態にあっては、空気極入口圧力PA1は、上述した第1の実施形態の場合と同様に、空気極1bの入口圧力の出口圧力に対する差圧(PA1−PA2)に、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を加えた値で決まる。
【0071】
第3の圧力制御弁31は、導入された燃料電池1の空気極入口圧力PA1と空気極出口圧力PA2とに基き、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を制御する作用を有するが、これについては上述した第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
また、第3の圧力制御弁31は、導入された燃料電池1の空気極入口圧力PA1と水素極入口圧力PH1とに基き、図20に示すように、差圧PA1−PH1が大きくなるほど通路の開度S3が大きくなるように、通路の開度S3を変更する。また、通路の開度S3と第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3は、図21に示すように、通路の開度S3が大きいほど圧力損失ΔP3は小さくなる関係にある。
【0073】
したがって、第3の圧力制御弁31は、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1が大きいほど、すなわち、燃料電池1の空気極入口圧力PA1が水素極入口圧力PH1より大きいほど通路の開度S3を大きくし、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を小さくするように作用する。これにより、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を下降させて、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1が所定圧力以内に制御される。
【0074】
次に、第4の圧力制御弁32による燃料電池1の水素極入口圧力PH1の制御について説明する。第4の圧力制御弁32では、導入された燃料電池1の水素極入口圧力PH1に基き、図22に示すように、水素極入口圧力PH1が大きくなるほど通路の開度S4が小さくなるように、通路の開度S4を変更する。また、通路の開度S4と第4の圧力制御弁32が燃料電池1へ供給する水素流量Q4の関係は、図23に示すように、開度S4が大きいほど水素流量Q4は大きくなる。
【0075】
一方、燃料電池1の水素極入口圧力はPH1は、第1の実施形態と同様、燃料電池1の水素極1a側へ供給された水素量と消費された水素量との差、すなわち燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量に基いて決まる。つまり、消費される水素量よりも水素を多く供給するほど、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は上昇し、供給する水素量を減らし消費される水素量が多くなると、燃料電池1の水素極入口圧力PH1は下降する。
【0076】
したがって、第4の圧力制御弁32は、燃料電池1の水素極入口圧力PH1が小さいほど通路の開度S4を大きくし、燃料電池1へ供給する水素量を多くすることにより、燃料電池1の水素極入口圧力PH1を上昇させる。逆に、燃料電池1の水素極入口圧力PH1が大きいほど通路の開度S4を小さくし、燃料電池1へ供給する水素量Q4を減らすことにより、燃料電池1の水素極入口圧力PH1を下降させ、燃料電池1の水素極入口圧力PH1を略一定に制御する。
【0077】
以上により、第4の圧力制御弁32により略一定に制御された燃料電池1の水素極入口圧力PH1を基準として、第3の圧力制御弁31により、燃料電池1の空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧PA1−PH1が所定圧力以内になるよう、燃料電池1の空気極入口圧力PA1が制御される。
【0078】
また、第3の圧力制御弁31は、ソレノイド31aとソレノイド31bとを有しており、コントロールユニット20からの指令により、ソレノイド31aは通路の開度S3を小さくする方向に制御し、ソレノイド31bは通路の開度S3を大きくする方向に制御する。なお、第3の圧力制御弁31において通路の開度S3をソレノイド31aとソレノイド31bとにより変更する際の作用は、上述した第1の実施形態と同様である。
【0079】
すなわち、シャットオフバルブ15を開放して燃料電池1の水素極1aに存在する不純物質を水素とともに外部へ排出する際、ソレノイド31bにより、第3の圧力制御弁31の通路の開度S3を所定時間大きくし、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を小さくし、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を下降させる。これにより、燃料電池1の水素極入口圧力PH1の下降に伴う空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧の増加が抑制され、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。また、シャットオフバルブ15の開放によって排出される流量が大きいほど通路の開度S3をより大きく設定することで、制御性を更に向上させることが可能となる。
【0080】
同様に、シャットオフバルブ15を閉じて不純物質の排出を停止する際、ソレノイド31aにより第3の圧力制御弁31の通路の開度S3を所定時間小さくし、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を大きくし、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を上昇させる。これにより、燃料電池1の水素極入口圧力PH1の上昇に伴う空気極入口圧力PA1の水素極入口圧力PH1に対する差圧の増加が抑制され、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。また、排出された流量が大きいほど通路の開度S3をより小さく設定することで、制御性を更に向上させることが可能となる。
【0081】
また、ドライバがアクセルペダル17を踏み込んだ際のアクセル操作量が第1の所定量以上、且つアクセル操作速度が第1の所定速度以上の場合、ソレノイド31bにより第3の圧力制御弁31の通路の開度S3を所定時間大きくし、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を小さくし、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を下降させる。これにより、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。また、アクセル踏み込み時のアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど通路の開度S3をより大きく設定することで、制御性を更に向上させることが可能となる。
【0082】
同様に、ドライバがアクセルペダル17を戻す際のアクセル操作量が第2の所定量以上、且つアクセル操作速度が第2の所定速度以上の場合、ソレノイド31aにより第3の圧力制御弁31の通路の開度S3を所定時間小さくし、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を大きくし、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を上昇させる。これにより、燃料電池1の空気側入口圧力と水素側入口圧力との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。このとき、アクセル戻し時のアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど通路の開度S3をより小さく設定することで、制御性を更に向上させることが可能となる。
【0083】
また、燃料電池1における発電が瞬断した場合には、ソレノイド31aにより第3の圧力制御弁31の通路の開度S3を所定時間小さくし、第3の圧力制御弁31における圧力損失ΔP3を大きくし、燃料電池1の空気極入口圧力PA1を上昇させる。これにより、燃料電池1の空気側入口圧力と水素側入口圧力との差圧制御における制御性を向上させることが可能となる。
【0084】
なお、以上の各制御にあっては、ソレノイド31a,31bにより通路の開度S3を変更する際の所定時間を、第3の圧力制御弁31が、導入される圧力に基づき通路の開度を変更する際の応答遅れ時間以内とする。これにより、過渡応答時において、第3の圧力制御弁31の導入される圧力に基づく制御の応答遅れ分が適切に補償されることになる。
【0085】
本実施形態の燃料電池システムにおいては、以上の構成を採用することにより、上述した第1の実施形態と同様に、外部からのノイズや、温度変化・経時変化等の影響を受けやすい圧力検出器を用いることなく、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧を制御することが可能であり、その結果、差圧制御における信頼性を向上し、燃料電池1の耐久性を確保することが可能である。
【0086】
更に、第3の圧力制御弁31は、電気信号に基づき通路の開度S3を変更できるソレノイド31aとソレノイド31bとを有し、運転条件に応じて任意に通路の開度S3を変更できる構成としたため、過渡応答時、導入される圧力に基づき通路の開度S3が変更され、燃料電池1の空気極入口圧力が制御される際に、これらソレノイド31a,31bにより通路の開度S3を変更することで応答遅れを低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を向上することが可能である。
【0087】
ここで、水素と空気を比較すると、水素は空気より比重が軽く、流れやすい性質を持つことから、燃料電池1の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内に制御する手段として、上述した第1の実施形態における第2の圧力制御弁8と、本実施形態における第3の圧力制御弁31とを比較した場合、水素を制御する第2の圧力制御弁8の方が空気を制御する第3の圧力制御弁31よりも小型となる。したがって、第1の実施形態においては、装置サイズを小さくできるという効果が得られる。
【0088】
ただし、第1の実施形態における第2の圧力制御弁8において、燃料電池1の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内にするために、燃料電池1の水素極入口圧力を制御する際、燃料電池1の水素極入口圧力は、上述したように、燃料電池1の水素極1aへ供給された水素量と消費された水素量との差、すなわち燃料電池1の水素極1a側に存在する水素量に基いて決まるので、燃料電池1の水素極入口圧力を上昇させる場合には、消費される水素量よりも水素を多く供給すればよいが、燃料電池1の水素側の入口圧力を下降させる場合には、供給する水素量を減らしても消費される水素量が供給する水素量より多くないと、燃料電池1の水素極入口圧力は下降せず、したがって、燃料電池1の水素極入口圧力の制御は、燃料電池1の運転状況の影響を受けることとなる。
【0089】
これに対して、本実施形態における第3の圧力制御弁31においては、燃料電池1の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内にするために、燃料電池1の空気極入口圧力を制御する際、燃料電池1の空気極入口圧力は、上述したように、燃料電池1の空気極入口圧力の空気極出口圧力に対する差圧に第3の圧力制御弁31における圧力損失を加えた値で決まる。ここで、第3の圧力制御弁31における圧力損失は、通路の開度を大きくすれば小さくなり、通路の開度を小さくすれば大きくなる。したがって、燃料電池1の運転状況に関わらず、第3の圧力制御弁31の通路の開度により燃料電池1の空気極入口圧力を上昇、あるいは下降させることが可能となる。したがって、本実施形態においては、燃料電池1の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を制御する際、より制御性に優れるという効果が得られる。
【0090】
なお、以上は、第3の圧力制御弁31と第4の圧力制御弁32のうち、第3の圧力制御弁31にソレノイド31a,31bを設けた例について説明したが、本実施形態の燃料電池システムにおいては、図24に示すように、第4の圧力制御弁32にも、電気信号に基づき通路の開度を変更できる開度調整機構として、ソレノイド32a,32bを設けるようにしてもよい。この場合、ソレノイド32aが第4の圧力制御弁32の通路の開度S4を小さくする方向に制御し、ソレノイド32bが第4の圧力制御弁32の通路の開度S4を大きくする方向に制御することで、上述した第1の実施形態の第2の圧力制御弁16と同様に、運転条件に応じて第4の圧力制御弁32の通路の開度S4を任意に変更して、過渡応答時における第4の圧力制御弁32の応答遅れを低減でき、燃料電池1の空気極入口圧力と水素極入口圧力との差圧制御における制御性を更に向上させることが可能となる。
【0091】
なお、以上説明した各実施形態の燃料電池システムは、本発明を適用可能な燃料電池システムの具体的な一例を例示したものであって、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、以上説明した燃料電池システムにおいて、燃料電池1へ供給する水素は高圧水素タンク9に貯蔵されたものを用いているが、これに限られるものではなく、例えば、メタノールやガソリンといった燃料を改質して水素を発生させたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧PA1−PH1と第1の圧力制御弁の通路の開度S1との関係を示す特性図である。
【図3】第1の圧力制御弁の通路の開度S1と第1の圧力制御弁における圧力損失ΔP1との関係を示す特性図である。
【図4】空気極入口圧力の空気極出口圧力に対する差圧PA1−PA2と燃料電池の空気極に供給される空気の流量Q1との関係を示す特性図である。
【図5】空気極入口圧力の空気極出口圧力に対する差圧PA1−PA2に第1の圧力制御弁における圧力損失ΔP1を加えた値の制御の様子を示す特性図である。
【図6】空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧PA1−PH1と第2の圧力制御手段の通路の開度S2との関係を示す特性図である。
【図7】第2の圧力制御弁の通路の開度S2と第2の圧力制御弁が燃料電池へ供給する水素流量Q2との関係を示す特性図である。
【図8】第2の圧力制御弁に設けられたソレノイドによって通路の開度を変更する制御例を示すフローチャートであり、燃料電池の水素極に存在する不純物質を水素とともに外部へ排出する際の制御例を示すものである。
【図9】燃料電池の水素極から排出される流量と通路の開度増加分との関係を示す特性図である。
【図10】燃料電池の水素極から排出された流量と通路の開度減少分との関係を示す特性図である。
【図11】通路の開度を変更した場合における空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧PA1−PH1の時間的な変化を示す特性図である。
【図12】燃料電池の水素極に接続される配管の体積VHと通路の開度を変更する所定時間との関係を示す特性図である。
【図13】第2の圧力制御弁に設けられたソレノイドによって通路の開度を変更する制御例を示すフローチャートであり、ドライバによる急なアクセル操作が行われた場合の制御例を示すものである。
【図14】ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ際のアクセル操作量及びアクセル操作速度と通路の開度増加分との関係を示す特性図である。
【図15】ドライバがアクセルペダルを戻した際のアクセル操作量及びアクセル操作速度と通路の開度減少分との関係を示す特性図である。
【図16】通路の開度を変更した場合における空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧PA1−PH1の時間的な変化を示す特性図である。
【図17】第2の圧力制御弁に設けられたソレノイドによって通路の開度を変更する制御例を示すフローチャートであり、燃料電池の発電が瞬断した場合の制御例を示すものである。
【図18】発電の瞬断に伴い開度を変更した場合における空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧PA1−PH1の時間的な変化を示す特性図である。
【図19】第2の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。
【図20】空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧PA1−PH1と第3の圧力制御弁の通路の開度S3との関係を示す特性図である。
【図21】第3の圧力制御弁の通路の開度S3と第3の圧力制御弁における圧力損失ΔP3との関係を示す特性図である。
【図22】水素極入口圧力と第4の圧力制御弁の通路の開度S4との関係を示す特性図である。
【図23】第4の圧力制御弁の通路の開度S4と燃料電池の水素極に供給される水素の流量Q4との関係を示す特性図である。
【図24】第2の実施形態の燃料電池システムの他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
1a 水素極
1b 空気極
3 コンプレッサ
8 第1の圧力制御弁
9 高圧水素ガスタンク
15 シャットオフバルブ
16 第2の圧力制御弁
16a,16b ソレノイド
18 アクセルペダルセンサ
20 コントロールユニット
31 第3の圧力制御弁
31a,31b ソレノイド
32 第4の圧力制御弁
32a,32b ソレノイド

Claims (22)

  1. 空気極及び水素極を有し、供給される空気と水素とを基に発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の空気極に空気を供給する空気供給手段と、
    前記燃料電池の水素極に水素を供給する水素供給手段と、
    前記燃料電池の空気極出口下流に設けられて前記燃料電池の空気極出口から排出された空気が通過する通路を有するとともに、前記燃料電池の空気極入口圧力と当該空気極入口圧力よりも小さい空気極出口圧力とが導入され、前記空気極入口圧力の前記空気極出口圧力に対する差圧が大きいほど前記通路の開度を大きくし、前記燃料電池の空気極入口圧力を略一定に制御する第1の圧力制御手段と、
    前記燃料電池の水素極入口上流に設けられて前記燃料電池の水素極入口に供給される水素が通過する通路を有するとともに、前記燃料電池の空気極入口圧力と当該空気極入口圧力よりも小さい水素極入口圧力とが導入され、前記空気極入口圧力の前記水素極入口圧力とに対する差圧が大きいほど前記通路の開度を大きくし、前記燃料電池の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内に制御する2の圧力制御手段とを備え、
    前記第2の圧力制御手段は、電気信号に基づき通路の開度を変更可能な開度調整機構を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の水素極内部に溜まった不純物質を水素とともに排出する排出手段を更に備え、
    前記排出手段による排出が開始される際、前記第2の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間大きくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第2の圧力制御手段は、前記排出手段により排出される流量が大きいほど通路の開度を大きく設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記排出手段による排出が停止される際、前記第2の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間小さくすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第2の圧力制御手段は、前記排出手段により排出される流量が大きいほど通路の開度を小さく設定することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 車両の駆動源として用いられる燃料電池システムであり、
    ドライバのアクセル操作量及びアクセル操作速度を検出するアクセル操作検出手段を更に備え、
    ドライバがアクセルを踏み込んだ際のアクセル操作量が第1の所定量以上、且つアクセル操作速度が第1の所定速度以上の場合、前記第2の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間大きくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第2の圧力制御手段は、前記アクセル操作検出手段で検出されるアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど通路の開度を大きく設定することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. ドライバがアクセルを戻す際のアクセル操作量が第2の所定量以上、且つアクセル操作速度が第2の所定速度以上の場合、前記第2の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間小さくすることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  9. 前記第2の圧力制御手段は、前記アクセル操作検出手段で検出されるアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど通路の開度を小さく設定することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池における発電が瞬断した場合、瞬断発生時に前記第2の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間小さくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  11. 前記所定時間は、前記第2の圧力制御手段が、導入される圧力に基づき通路の開度を変化させる際の応答遅れ時間以内とすることを特徴とする請求項2乃至10の何れかに記載の燃料電池システム。
  12. 空気極及び水素極を有し、供給される空気と水素とを基に発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の空気極に空気を供給する空気供給手段と、
    前記燃料電池の水素極に水素を供給する水素供給手段と、
    前記燃料電池の空気極出口下流に設けられて前記燃料電池の空気極出口から排出された空気が通過する通路を有するとともに、前記燃料電池の空気極入口圧力と当該空気極入口圧力よりも小さい空気極出口圧力と前記空気極入口圧力よりも小さい水素極入口圧力が導入され、前記空気極入口圧力の前記水素極入口圧力に対する差圧が大きいほど前記通路の開度を大きくし、且つ前記空気極入口圧力の空気極出口圧力に対する差圧が大きいほど前記通路の開度を大きくし、前記燃料電池の空気極入口圧力の水素極入口圧力に対する差圧を所定圧力以内に制御する第3の圧力制御手段と、
    前記燃料電池の水素極入口上流に設けられて前記燃料電池の水素極入口に供給される水素が通過する通路を有するとともに、前記燃料電池の水素極入口圧力が導入され、当該水素極入口圧力が大きいほど前記通路の開度を小さくし、前記燃料電池の水素極入口圧力を略一定に制御する第4の圧力制御手段とを備え、
    前記第3の圧力制御手段及び第4の圧力制御手段の少なくとも一方は、電気信号に基づき通路の開度を変更可能な開度調整機構を有することを特徴とする燃料電池システム。
  13. 前記燃料電池の水素極内部に溜まった不純物質を水素とともに排出する排出手段を更に備え、
    前記排出手段による排出が開始される際、前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間大きくすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
  14. 前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記排出手段により排出される流量が大きいほど通路の開度を大きく設定することを特徴とする請求項13に記載の燃料電池システム。
  15. 前記排出手段による排出が停止される際、前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間小さくすることを特徴とする請求項13に記載の燃料電池システム。
  16. 前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記排出手段により排出される流量が大きいほど通路の開度を小さく設定することを特徴とする請求項15に記載の燃料電池システム。
  17. 車両の駆動源として用いられる燃料電池システムであり、
    ドライバのアクセル操作量及びアクセル操作速度を検出するアクセル操作検出手段を更に備え、
    ドライバがアクセルを踏み込んだ際のアクセル操作量が第1の所定量以上、且つアクセル操作速度が第1の所定速度以上の場合、前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間大きくすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
  18. 前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記アクセル操作検出手段で検出されるアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど通路の開度を大きく設定することを特徴とする請求項17に記載の燃料電池システム。
  19. ドライバがアクセルを戻す際のアクセル操作量が第2の所定量以上、且つアクセル操作速度が第2の所定速度以上の場合、前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間小さくすることを特徴とする請求項17に記載の燃料電池システム。
  20. 前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記アクセル操作検出手段で検出されるアクセル操作量又はアクセル操作速度が大きいほど通路の開度を小さく設定することを特徴とする請求項19に記載の燃料電池システム。
  21. 前記燃料電池における発電が瞬断した場合、瞬断発生時に前記開度調整機構を有する第3又は第4の圧力制御手段は、前記開度調整機構により通路の開度を所定時間小さくすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
  22. 前記所定時間は、前記第3又は第4の圧力制御手段が、導入される圧力に基づき通路の開度を変化させる際の応答遅れ時間以内とすることを特徴とする請求項13乃至21の何れかに記載の燃料電池システム。
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