JP4501350B2 - 固体撮像装置および撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、単位画素が2次元マトリクス状に配置された固体撮像装置(撮像素子)、並びにこのような固体撮像装置を有してなる撮像装置に関する。より詳細には、MOS型やCMOS型など、単位画素からの画素信号をアドレス制御にて読み出す方式におけるダイナミックレンジの拡大技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像部内に複数の光電変換素子(フォトダイオードなど)からなる電荷生成部から画素信号を読み出す際、画素位置をアドレス制御によりコントロールして読み出す方式の固体撮像素子(アクティブピクセルイメージセンサ;以下アドレス制御型固体撮像素子という)として、MOS(Metal Oxide Semiconductor )型やCMOS(Complementary Metal 0xide Semiconductor )型(以下特に断りのない限りMOS型で代表して説明する)のものがある。たとえば、単位画素が2次元マトリクス状に配設されたものを、X−Yアドレス制御型固体撮像素子と称している。
【0003】
アドレス制御型固体撮像素子は、たとえば画素を選択するスイッチング素子や、信号電荷を読み出すスイッチング素子にMOSトランジスタが用いられている。また、水平走査回路や垂直走査回路にMOSトランジスタが用いられ、スイッチング素子と一連の構成で製造を行なうことができる利点を有している。
【0004】
そして、たとえばMOS型固体撮像素子では、各単位画素がMOSトランジスタを有して構成され、光電変換により画素に蓄積された信号電荷を画素信号生成部に読み出して、信号電荷を電流信号や電圧信号に変換して出力する構成となっている。
【0005】
画素信号生成部からは、光電変換によって単位画素に蓄積される電荷量に対してほぼ線形な出力信号が得られ、単位画素に蓄積できる電荷量によって撮像素子のダイナミックレンジが決定される。この撮像素子のダイナミックレンジは、画素の飽和信号量とノイズレベルで一義的に決まる。つまり、撮像素子の出力レベルの下限はノイズレベルで限定され、上限は飽和レベルで限定されて使用可能な動作レンジが定まるとともに、撮像素子の出力レベル特性の傾きは一定の値となっているために、結果として撮像素子のダイナミックレンジは一義的に定まる。
【0006】
このようなダイナミックレンジの制限により、被写体の高輝度部分(たとえば金属光沢を有する部分など)でハレーションが発生したり、逆に自動露光調節がこの高輝度部分の影響を受けて、被写体の全体が暗くなってしまうことがある。
【0007】
このような問題を解消する一手法として、CCD(電荷結合素子;Charge Coupled Device) を撮像素子として備える方式においては、低速シャッタ(長時間の電荷蓄積)で撮像した低輝度部分が比較的明瞭な画像と、高速シャッタ(短時間の電荷蓄積)で撮像した高輝度部分が比較的明瞭な画像とを混合するなど、異なった露光時間により得られた複数の画像を合成することで、広ダイナミックレンジの画像を生成する技術が提案されている。
【0008】
たとえば、インタレース読出しをする方式においては、1フレーム中のたとえば奇数フィールドで低速シャッタ撮像を行なうとともに偶数フィールドで高速シャッタ撮像を行ない、これにより得た2つの画像に基づいてダイナミックレンジ拡大処理を行なうようになっている。しかしながら、この方式では、2フィールドの画像から1画像を生成するために、撮像素子が本来有する画素構成に比して、垂直解像度が半分に低下してしまうという難点がある。
【0009】
また、この垂直解像度の低下の問題を解消しつつ広ダイナミックレンジの画像を生成する技術が特許文献1に提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−150687号公報
【0011】
この特許文献1に記載の技術は、撮像素子を構成する奇数ライン画素と偶数ライン画素とで異なる時間の電荷蓄積を行ない、奇数ライン画素からの撮像信号と偶数ライン画素からの撮像信号とに基づいてダイナミックレンジを拡大した1つの画像を得るものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、CCDのデバイス構成上の理由から、垂直方向の偶奇ラインで蓄積時間を制御することしかできない、つまり蓄積時間の制御の自由度が2段階しかないという難点がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、蓄積時間の制御の自由度を持ちつつ広ダイナミックレンジの画像を得ることのできる固体撮像装置およびこの固体撮像装置を備えてなる撮像装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体撮像装置は、それぞれ画素に対応して、光を受光する受光面を有し受光した光に対応する電荷を生成する電荷生成部、前記電荷生成部により生成された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷生成部と前記電荷蓄積部との間に配設され前記電荷生成部により生成された電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送ゲート部、前記電荷蓄積部に蓄積されている電荷を掃き出させるリセット部、および、前記電荷蓄積部に蓄積した電荷に応じた画素信号を生成して指示されたタイミングで後段回路へ出力する画素信号生成部を含む単位画素が2次元状に備えられている撮像部と、前記撮像部に配線されている前記転送ゲート部を駆動するための駆動パルスを伝送する転送クロック線、および前記転送クロック線と互いに交差するように配置され、前記リセット部を駆動するための駆動パルスを伝送するリセットクロック線と、を備え、m×nの単位画素で構成された単位マトリクス内では各単位画素の電荷蓄積時間が異なり、かつ、単位マトリクス同士では対応する位置の単位画素の電荷蓄積時間が同じとなる対応する駆動パルスが前記転送クロック線と前記リセットクロック線に印加されることにより、単位マトリクス内では画素の感度特性が異なり、単位マトリクス同士では対応する位置の画素の感度特性が同じ状態となる、感度特性がモザイク状を呈する感度モザイク画像を表わす撮像信号が前記撮像部から出力される。
【0016】
また、本発明に係る撮像装置は、それぞれ画素に対応して、光を受光する受光面を有し受光した光に対応する電荷を生成する電荷生成部、前記電荷生成部により生成された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷生成部と前記電荷蓄積部との間に配設され前記電荷生成部により生成された電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送ゲート部、前記電荷蓄積部に蓄積されている電荷を掃き出させるリセット部、および、前記電荷蓄積部に蓄積した電荷に応じた画素信号を生成して指示されたタイミングで後段回路へ出力する画素信号生成部を含む単位画素が2次元状に備えられている撮像部と、前記撮像部に配線されている前記転送ゲート部を駆動するための駆動パルスを伝送する転送クロック線、および前記転送クロック線と互いに交差するように配置され、前記リセット部を駆動するための駆動パルスを伝送するリセットクロック線とを備えた固体撮像素子と、m×nの単位画素で構成された単位マトリクス内では各単位画素の電荷蓄積時間が異なり、かつ、単位マトリクス同士では対応する位置の単位画素の電荷蓄積時間が同じとなる駆動パルスを前記転送クロック線と前記リセットクロック線に対して印加する駆動制御部と、を備え、単位マトリクス内では画素の感度特性が異なり、単位マトリクス同士では対応する位置の画素の感度特性が同じ状態となる、感度特性がモザイク状を呈する感度モザイク画像を表わす撮像信号が前記撮像部から出力される。
【0017】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る固体撮像素子や固体撮像装置のさらなる有利な具体例を規定する。たとえば、単位画素の表面には光を遮光する遮光部材を、少なくとも電荷生成部の上部には開口部が形成されるように配置することが望ましい。
【0018】
また、駆動制御部は、固体撮像素子から得られる感度モザイク画像の単位マトリクス内では、カラムごとに、それぞれ異なる蓄積露光時間となるように駆動パルスの印加タイミングを制御するとよい。
【0019】
また、カラー画像を撮像するためのカラーフィルタが配列されたものとしてもよい。この場合、3原色成分がベイヤ配列されたものであることが望ましい。また、カラーフィルタの配列における繰返し単位ごとに露光蓄積時間(すなわち感度特性)が制御されるものとすることが望ましい。つまり、カラーフィルタの配列における繰返し単位では全画素が同一の露光蓄積時間となり、複数の繰返し単位で形成される単位マトリクスでは、各繰返し単位に対して異なる露光蓄積時間(好ましくは全繰返し単位がそれぞれ異なる露光蓄積時間)となるようにするとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては、X−Yアドレス型の固体撮像装置の一例である、CMOS撮像素子に適用した場合を例に説明する。
【0021】
<固体撮像装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の概略構成図である。この固体撮像装置1は、カラー画像を撮像し得る電子スチルカメラとして適用されるようになっている。また、静止画撮像モードに限らず、30フレーム/秒に近いフレームレート(たとえば10フレーム以上/秒)での動画撮影モードも用意されている。また、通常の露光制御を行なう通常モードと、広ダイナミックレンジの画像を得る広ダイナミックレンジモードとが用意されている。
【0022】
固体撮像装置1は、画素が行および列に配列された(すなわち2次元マトリクス状の)撮像部を有し、各画素からの信号出力が電圧信号であって、CDS(Correlated Double Sampling ;相関2重サンプリング)処理機能部が各列ごとに設けられたカラム型のものである。すなわち、図1(A)に示すように、固体撮像装置1は、複数の単位画素3が行および列に配列された撮像部10と、撮像部10の外側に設けられた駆動制御部7と、CDS処理部26とを備えている。駆動制御部7としては、たとえば、水平走査回路12と垂直走査回路14を備える。
【0023】
図1(A)では、簡単のため行および列の一部を省略して示しているが、現実には、各行や各列には、数十から数千の画素が配置される。また、駆動制御部7の他の構成要素として、水平走査回路12、垂直走査回路14、およびCDS処理部26に所定タイミングのパルス信号を供給するタイミングジェネレータ20が設けられている。これらの駆動制御部7の各要素は、撮像部10とともに、半導体集積回路製造技術と同様の技術を用いて単結晶シリコンなどの半導体領域に一体的に形成され固体撮像素子として構成される。
【0024】
単位画素3は、垂直列選択のための垂直制御線15を介して垂直走査回路14と、垂直信号線19を介してCDS処理部26と、それぞれ接続されている。水平走査回路12や垂直走査回路14は、たとえばシフトレジスタによって構成され、タイミングジェネレータ20から与えられる駆動パルスに応答してシフト動作(走査)を開始するようになっている。このため、垂直制御線15には、単位画素3を駆動するための種々のパルス信号が含まれる。
【0025】
CDS処理部26は列ごとに設けられており、タイミングジェネレータ20から与えられるサンプルパルスSHPとサンプルパルスSHDといった2つのサンプルパルスに基づいて、垂直信号線19を介して入力された電圧モードの画素信号に対して、画素リセット直後の信号レベル(ノイズレベル)と信号レベルとの差分をとる処理を行なうことで、固定パターンノイズ(FPN;Fixed Pattern Noise )やリセットノイズといわれるノイズ信号成分を取り除く。なお、CDS処理部26の後段には、必要に応じてAGC(Auto Gain Control) 回路やADC(Analog Digital Converter)回路などをCDS処理部26と同一の半導体領域に設けることも可能である。
【0026】
CDS処理部26により処理された電圧信号は、水平信号線18に伝達され、その後、水平走査回路12からの水平選択信号により駆動される図示しない水平選択スイッチを介して出力バッファ28に入力され、この後、撮像信号S0として外部回路100に供給される。つまり、カラム型の固体撮像装置1においては、単位画素3からの出力信号(電圧信号)が、垂直信号線19→CDS処理部26→水平信号線18→出力バッファ28の順で出力される。その駆動は、1行分の画素出力信号を垂直信号線19を介してパラレルにCDS処理部26に送り、CDS処理後の信号を水平信号線18を介してシリアルに出力するようにする。垂直制御線15は、各行の選択を制御するものである。
【0027】
ここで、本実施形態の固体撮像装置1の特徴部分として、駆動制御部7は、撮像部10における単位画素3の行方向および列方向ともに複数を1つの単位マトリクスとして、単位マトリクス内の各単位画素3の電荷蓄積時間を個別に制御するようになっている。こうすることで、撮像部10を中心とする図示しない光学系の撮像処理によって、被写体を画素ごとに異なる色と感度(露光時間を変えることで感度可変を実現)で撮像し、色と感度がモザイク(2次元マトリクス)状になった画像(以下、色・感度モザイク画像と記述し、その詳細は後述する)を得ることができるようになる。
【0028】
なお、垂直列や水平列ごとの駆動が可能である限り、それぞれのパルス信号を単位画素3に対して行方向および列方向の何れに配するか、すなわちパルス信号を印加するための駆動クロック線の物理的な配線方法は自由である。典型例としては、蓄積部間の電荷の移動を行なう転送クロック線と蓄積部のリセットを行なうリセットクロック線とを、それぞれ独立に駆動パルスを印加可能な複数系統に分けるとともに、転送クロック線とリセットクロック線とを交差するように配置し、マトリクス状に蓄積時間を制御する構成とする。
【0029】
固体撮像装置1の外部回路100としては、広ダイナミックレンジモードに対応した回路構成が採られる。この場合、蓄積時間の制御手法に応じた回路構成とする。たとえば、図1(B)に示すように、出力バッファ28から出力されたアナログの撮像信号S0をデジタルの撮像データD0に変換するA/D(Analog to Digital )変換部110と、電荷蓄積時間に応じた色・感度モザイク画像に対して所定の画像処理を施すことで各画素が全ての色成分を有しかつ均一の感度を有する画像を表す画像データD1を生成するダイナミックレンジ拡大処理部の一例であるデモザイク処理部120と、A/D変換部110から出力された撮像データD0に基づいてデジタル信号処理を施すデジタル信号処理部(DSP;Digital Signal Processor)130とを備える。
【0030】
デモザイク処理部120は、行方向および列方向ともに複数の単位画素3からなる2次元マトリクス内において個別の電荷蓄積時間が設定されて読み出された各単位画素3からの画素信号により表される色・感度モザイク画像に基づいて、信号処理(デモザイク処理)により画像のダイナミックレンジを拡大する信号処理部としての機能を備える。このダイナミックレンジを拡大するデモザイク処理に際しては、色・感度モザイク画像を元にして、補間処理にて、正常な被写体画像を取得する。
【0031】
補間処理は、カラーフィルタの色配列や電荷蓄積時間の配列、すなわち色や感度のモザイクパターンに応じて、その仕組みを工夫する。たとえばデモザイク処理部120は、色・感度モザイク画像をフィールド単位で色や感度のモザイクパターンに応じて画素補間することにより広ダイナミックレンジの画像を生成する。あるいは、読出フィールドごとに単位マトリクス内の各単位画素3の電荷蓄積時間の組合せを切り替えることで得られる複数の色・感度モザイク画像に基づいて時間補間により広ダイナミックレンジの画像を生成する。
【0032】
デジタル信号処理部130は、通常モードのときに、従来と同様の色分離処理を施してR(赤),G(緑),B(青)の各画像を表す画像データRGBを生成し、この画像データRGBに対してその他の信号処理を施してモニター出力用の画像データD2を生成する。
【0033】
また外部回路100は、通常モードのときにはデジタル信号処理部130にてデジタル処理された画像データD2を選択し広ダイナミックレンジモードのときにはデモザイク処理部120から出力された画像データD1を選択する選択部132と、この選択部132から出力されたデータD3(D1およびD2のうちの何れか一方)をアナログの画像信号S1に変換するD/A(Digital to Analog )変換部136とを備える。D/A変換部136から出力された画像信号S1は、図示しない液晶モニターなどの表示デバイスに送られる。操作者は、この表示デバイスの表示画像を見ながら各種の操作を行なうことが可能になっている。
【0034】
また図1(C)に示す構成の外部回路100では、選択部132の配置位置が図1(B)に示す構成と異なる。すなわち、この外部回路100は、広ダイナミックレンジモードのときにはデモザイク処理部120から出力された画像データD1を選択し、通常モードのときにはA/D変換部110から出力された撮像データD0を選択する選択部132と、この選択部132から出力されたデータD3(D0およびD1のうちの何れか一方)に対してデジタル信号処理を施すデジタル信号処理部(DSP)130と、デジタル信号処理部130にてデジタル処理された画像データD2をアナログの画像信号S1に変換するD/A変換部136とを備える。
【0035】
デジタル信号処理部130は、通常モードのときには従来と同様の色分離処理を施してR,G,Bの各画像を表す画像データRGBを生成し、この画像データRGBに対してその他の信号処理を施してモニター出力用の画像データD2を生成し、D/A変換部136に渡す。また、広ダイナミックレンジモードのときには、デモザイク処理部120からR,G,Bの各画像を表す画像データD2(画像データRGB)を取得し、通常モードと同様にしてモニター出力用の画像データD2を生成し、D/A変換部136に渡す。つまり、この図1(C)に示す構成は、通常モードと広ダイナミックレンジモードとで、デジタル信号処理部130を共用する構成となっている。
【0036】
<単位画素の構成;第1例>
図2は、図1に示した固体撮像装置1の撮像部10における単位画素3の第1実施形態の詳細例を示した図である。ここで図2(A)は単位画素3(一部周辺部を含む)の基本的な等価回路図、図2(B)は断面図である。
【0037】
この第1実施形態の単位画素3は、m×n(画素またはエリア;m,nは正の整数でm=nも可)の単位マトリクスからなる組について、組(単位マトリクス)内では蓄積時間差を有するが組(単位マトリクス)間では蓄積時間差を生じることのない電子シャッタ機能である“擬似グローバルシャッタ機能”を実現するように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0038】
単位画素3は、図2(A)に示すように、光を電荷に変換する光電変換機能とともに、その電荷を蓄積する電荷蓄積機能の各機能を兼ね備えた電荷生成部32と、電荷生成部32に対して、電荷読出部(転送ゲート部/読出ゲート部)の一例である読出選択用トランジスタ34、リセットゲート部の一例であるリセットトランジスタ36、垂直選択用トランジスタ40、およびフローティングディフュージョン38の電位変化を検知する検知素子の一例であるソースフォロア構成の増幅用トランジスタ42の4つのMOSトランジスタを有する。また、単位画素3は、電荷蓄積部の機能を備えた電荷注入部の一例であるフローティングディフュージョン38とからなるFDA(Floating Diffusion Amp)構成の画素信号生成部5を有するものとなっている。なお、このような単位画素3の構成は、汎用的な4トランジスタ画素のCMOSセンサであって、従来からよく知られた構成である。
【0039】
画素信号生成部5におけるリセットトランジスタ36は、ソースがフローティングディフュージョン38に、ドレインが電源VDDにそれぞれ接続され、ゲート(リセットゲートRG)にはリセットパルスが入力される。このリセットトランジスタ36は、フローティングディフュージョン38を電源VDDにリセットするためにデプレッション型である。また、増幅用トランジスタ42は、ドレインが電源VDDに接続され、ソースが垂直選択用トランジスタ40のドレインに接続されている。また、垂直選択用トランジスタ40は、ドレインが画素線51を介して垂直信号線19に接続され、ゲート(特に垂直選択ゲートSELVという)は垂直選択線52に接続されている。この垂直選択線52には、垂直選択信号が印加される。
【0040】
この第1実施形態の単位画素3は、単位マトリクス内では蓄積時間差を有するが組間では蓄積時間差を生じることのない“擬似グローバルシャッタ機能”を実現するために、電荷生成部32(フォトダイオードPD)にて生成された信号電荷を全画素同時に転送させた後一定期間保持する電荷蓄積部をフローティングディフュージョン38のみで機能させるようにした点に特徴を有する。この場合、読出選択用トランジスタ34の読出ゲートROGが、フレームシフトゲートFSGの機能を果たす。すなわち、電荷生成部32を構成するフォトダイオードPDのカソードには読出選択用トランジスタ34のソースが接続され、読出選択用トランジスタ34のドレインが電荷蓄積部であるフローティングディフュージョン38に接続されている。
【0041】
単位画素3は、その断面図を図2(B)に示すように、シリコンからなる半導体基板NSUB(n型のSi基板)上にオーバーフローバリアを形成するp型層であるp型ウェル(P−Well)が形成されている。そして、このp型ウェル上にn型層(N+)が形成されることで、pn接合のフォトダイオードPDによる電荷生成部32が構成されている。
【0042】
単位画素3の最終的な構造としては、単位画素3のほぼ全面に光を遮光する遮光部材(遮光膜)39を設け、電荷生成部32上に開口部39aを設けて電荷生成部32の受光面を形成する。つまり、電荷生成部32よりも感光性の弱いフローティングディフュージョン38などの、この開口部39aを除く部分を遮光膜で覆うことで、電荷生成部32以外の部分への外部光の入射を阻止する構造を採る。なお、この遮光部材39は、電荷生成部32上の開口部39aを除く全面を覆うものでなくてもよい。ただしこの場合でも、少なくとも、転送ゲート部をなす読出選択用トランジスタ34部分と画素信号生成部5との間に配されている電荷蓄積部をなすフローティングディフュージョン38上には遮光部材39が配されるようにする。このフローティングディフュージョン38は、画素信号生成部5にて検知される信号電荷を蓄積する直接的な部分であるので、この部分への光の入射により不要な電荷が発生することを防止するためである。
【0043】
こうすることで、電荷生成部32で光電変換された電荷のみを信号電荷量として考慮すればよくなり、各画素に対する露光時間制御の精度を高めることができる。また、電荷生成部32上には、カラーフィルタやマイクロレンズなどをオンチップにて形成する。こうすることで、カラー撮像が可能となるとともに、画像電荷生成部32への入射光量を高めることでS/Nの良好な画像が得られるようになる。
【0044】
電荷生成部32を構成するフォトダイオードPDは、界面準位によって発生する電荷の湧出し(暗電流)を抑制するようにSi界面をピニングさせるp型高濃度(p++)層を正孔蓄積層として感光領域の基板表面側に付加形成した構造となっている。そして、この電荷生成部32は、入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に光電変換し、かつその信号電荷をn型層(N+)に蓄積する。
【0045】
そして、このフォトダイオードPDに対して図2(B)中左側に、読出選択用トランジスタ34、フローティングディフュージョン38を形成するN++層、リセットトランジスタ36、電源VDDに接続されリセットドレインRDを形成するN++層、およびチャネルストップCSaを形成するP+層およびSiO2層がこの順に水平方向(図の左方向)に形成されている。電荷生成部32の図中右側にも、チャネルストップCSbを形成するP+層およびSiO2層が設けられている。チャネルストップCSa,CSbは、当該単位画素3に隣接する他の単位画素3のチャネルストップCSaを意味する。これらの構造は従来のCMOS型固体撮像素子のそれと同じである。
【0046】
読出選択用トランジスタ34およびリセットトランジスタ36の基板表面側には、たとえばポリシリコンによって単層もしくは2層構造にて形成された電極(ゲート電極)が配設されている。そして、読出選択用トランジスタ34のゲート電極(特に読出ゲートROGという)には読出パルスが入力され、リセットトランジスタ36のゲート電極(特にリセットゲートRGという)にはリセットパルスが入力されるようになっている。
【0047】
また、電荷生成部32のフォトダイオードPDとフローティングディフュージョン38との間に配される読出選択用トランジスタ34、あるいはフローティングディフュージョン38とリセットドレインRDとしての電源VDDとの間に配されるリセットトランジスタ36は、オフ状態でチャネルの表面が信号電荷とは反対の導電形の電荷を蓄積した状態を形成可能となる。なお、このような状態を形成させるためにオフ時にゲート電極に印加する電圧は、各素子の不純物のイオン濃度(ドーズ量)やゲート電極の膜厚に依存する。このため、読出選択用トランジスタ34やリセットトランジスタ36の部分には、n−またはp−によるイオンインプランテーションにて不純物濃度差を付ける、あるいは、読出選択用トランジスタ34とリセットトランジスタ36との酸化膜厚差を付ける、などによる障壁(ポテンシャル差)を付けておくとよい。
【0048】
イオンインプランテーション量や酸化膜厚差を制御することでポテンシャル差を制御することができるので、電荷生成部32からフローティングディフュージョン38への信号電荷の転送効率を調整することも可能となる。加えて、ゲート電極下のチャネル領域表面が反転状態になるよう所定の電位を印加してオフさせると界面準位が正孔で埋められる(ピニング;pinning という)。このため、電荷転送路としての読出選択用トランジスタ34やリセットトランジスタ36では、オフ時に所定の電位を印加することで界面準位が原因となって発生する暗電流を抑制することもできる。
【0049】
このように、第1実施形態の単位画素3は、高感度側の撮像を伴う高ダイナミックレンジモード時においてもノイズの少ない良好な画像が得られるように、様々な観点から、ノイズ対策が採られている。
【0050】
図3は、第1実施形態の単位画素3を備えた固体撮像装置1における走査のタイミングチャートの一例である。ここでは、先ず、全画素について共通の電荷蓄積時間を設定する通常モードでの動作で示す。単位マトリクス内の単位画素3に対して個別に電荷蓄積時間を設定する広ダイナミックレンジモードの場合には、図示する露光蓄積期間内で、後述するようなタイミングで、転送ゲートパルス(読出パルス)ROGとリセットパルスRST(RG)を単位マトリクス内の各単位画素3に対して個別に設定するとよい。
【0051】
先ず、電荷生成部32のフォトダイオードPDを露光して信号電荷をそのフォトダイオードPDに蓄積するのに先立って、読出パルスをアクティブ(H;ハイ)にして読出選択用トランジスタ34をオンさせることで、この時点においてフォトダイオードPDに蓄積されている不要な電荷(不要電間)をフローティングディフュージョン38側に掃き捨てる(t0〜t2)。その後、フォトダイオードPDとフローティングディフュージョン38との間のゲート機能部分である読出選択用トランジスタ34を閉じて、露光蓄積開始となる。これらの処理は、全画素について略同時に行なう。
【0052】
この露光蓄積状態と並行して、リセットパルスをアクティブにしてリセットトランジスタ36をオンさせることで、フローティングディフュージョン38をリセットトランジスタ36を通して電源VDDにリセットする。これにより、電荷生成部32から読出選択用トランジスタ34を経由してフローティングディフュージョン38に転送された不要電荷が電源VDDに掃き出される。この処理は、信号電荷蓄積の完了前に完結していればよい。図では、t2〜t4にてリセットパルスをアクティブにしているが、この例に限らず、図中において、多少右側にシフトした位置にてこの処理を行なってもよい。
【0053】
次に、電荷生成部32にて得た信号電荷を全画素同時にフローティングディフュージョン38に転送させる(フレームシフトさせる)のに先立って、再度フローティングディフュージョンFDをクリアにしておく。このため、露光蓄積完了時にフレームシフトパルスをアクティブにするのに先立って、リセットパルスをアクティブにしてリセットトランジスタ36をオンさせる(t6〜t8)。
【0054】
次に、電荷生成部32にて得た信号電荷を全画素同時にフローティングディフュージョン38に転送させるため、全画素について略同時に、読出パルスをアクティブにして、フォトダイオードPDが露光されることで生成された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる(t10〜t12)。こうすることで、信号電荷がフローティングディフュージョンFDに注入され、フローティングディフュージョンFDでは、その電荷量に応じた電位変化が現れる。
【0055】
次に、信号電荷を電荷生成部32からフローティングディフュージョン38に転送させた後の所定の時点において、読出対象画素である、任意の水平ラインにおける所定位置の画素について、水平選択信号をアクティブにすることで、水平選択用トランジスタ50をオンさせる(t14)。
【0056】
次に、サンプルパルスSHDをアクティブにすることで、CDS処理部26においては、信号電荷量に応じた画素信号レベルを保持する(t16〜t18)。この後、リセットゲートパルスをアクティブにしてリセットトランジスタ36をオンさせ、フローティングディフュージョンFDをクリアにしてからリセットゲートパルスをインアクティブにする(t20〜t22)。この状態にてサンプルパルスSHPをアクティブにすることで、CDS処理部26においては、クリアにされた時点の画素信号レベル(リセットレベル)を保持する(t28〜t30)。この後、水平選択信号をインアクティブにする(t32)。CDS処理部26は、サンプルパルスSHPにて取得したリセットレベルとサンプルパルスSHDにて取得した画素信号レベルとの差を取ることで、固定パターンノイズFPNやリセットノイズを取り除く。このように、第1実施形態の単位画素3の構成では、通常モード時にグローバルシャッタ機能を実現することができる。
【0057】
なお、第1実施形態の単位画素3の構成においては、通常の駆動制御方法のようにして、フローティングディフュージョン38に信号電荷を転送させるタイミングは、画素ごとに異なるものとしてもよい。つまり、第1実施形態の単位画素3のような構造の場合、グローバルシャッタ機能を使わないこともできる。この点は、後述する広ダイナミックレンジモード時でも同様である。
【0058】
<マトリクス制御形態>
図4、図5、および図6は、第1実施形態の単位画素3を備えた固体撮像装置1において、単位マトリクス内で個々の単位画素3に蓄積時間差を持たせる仕組みについて説明する図である。説明を簡単にするため、先ず、単位画素3を2×2画素とする単位マトリクスを1組として、この単位マトリクス内にて、個々の単位画素3の電荷蓄積時間をコントロールすることを例に説明する。図4に2×2画素の単位マトリクスの概略構成図を示し、図5に2×2画素の単位マトリクスとする場合のリセットトランジスタ36を駆動するためのリセットクロック線(リセットTr駆動クロック線)と読出選択用トランジスタ34を駆動するための転送クロック線(転送ゲート駆動クロック線)の配線形態の一例を示し、図6に単位マトリクス内の個々の単位画素3に対する駆動タイミングと電荷量の時間変化の一例を示す。
【0059】
図4に示すように、単位マトリクス内の画素構成は、電荷生成部32(フォトダイオードPD)、フローティングディフュージョン38、行方向の画素を選択するための垂直選択用トランジスタ40、およびフローティングディフュージョン38の電位を検出するための増幅用トランジスタ42を有する単位画素3、フローティングディフュージョン38の電位をリセットレベルにリセットするリセットトランジスタ36、電荷生成部32からフローティングディフュージョン38に電荷を転送するための読出選択用トランジスタ34が2次元状に配列されている。なお、図4では垂直選択用トランジスタ40および増幅用トランジスタ42を割愛して示している。
【0060】
図4および図5(A)に示すように、リセットトランジスタ36を駆動するためのリセットTr駆動クロック線は行方向に、読出選択用トランジスタ34を駆動するための転送ゲート駆動クロック線は列方向に、互いに交差するように配線されている。そして、図4に示すようにそれぞれバッファ60,62を介して対応するパルス信号が入力されることで、図4および図5(A)に示すようにマトリクス状に電荷蓄積時間を制御可能な構成となっている。
【0061】
リセットトランジスタ36は奇数行(2p−1;pは正の整数)と偶数行(2p)とで個別に駆動されるようになっている。たとえば、奇数行を駆動するためのクロック線は奇数行用のバッファ60oを介し、また偶数行を駆動するためのクロック線は偶数行用のバッファ60eを介し、対応するリセットゲートパルス信号RSTが入力されるようになっている。また、読出選択用トランジスタ34は奇数列(2q−1;qは正の整数)と偶数列(2q)とで個別に駆動されるようになっている。たとえば、奇数列を駆動するためのクロック線は奇数列用のバッファ62oを介し、また偶数列を駆動するためのクロック線は偶数列用のバッファ62eを介し、対応する転送パルス信号ROGが入力されるようになっている。
【0062】
すなわち、リセットTr駆動クロック線は奇数行と偶数行とで、転送ゲート駆動クロック線は奇数列と偶数列とで、図6(A)の各図における上部のタイミングチャートに示された駆動が行なわれる。このとき、電荷生成部32(フォトダイオードPD)とフローティングディフュージョン38の電荷量の時間変化は図6(A)の各図における下部のようになる。シャッタ動作をさせる前には、リセットゲートパルスRSTをリセットトランジスタ36に印加してフローティングディフュージョン38の電荷をクリアしておく(図6(A)中のta)。この状態で撮像を行なうと、先ず電荷生成部32に電荷が蓄積される。この蓄積電荷は読出選択用トランジスタ34への転送ゲートパルスの印加によりフローティングディフュージョン38に渡される(図6(A)中のtb,tc時点)。したがって、増幅用トランジスタ42のドレインには、このフローティングディフュージョン38の電荷量に応じた信号電圧が現れる。しかしながら、この時点では垂直選択用トランジスタ40がオンしないので、実質的には読出しが行なわれない。
【0063】
撮像し電荷生成部32に電荷を蓄積している過程の所定のタイミングで、リセットトランジスタ36にリセットゲートパルスが印加され、フローティングディフュージョン38がクリアされる(図6(A)中のtr)。この後、実質的な読出タイミングを規定するべく、選択用トランジスタ34に転送ゲートパルスが印加にされ、リセットゲートパルスRSTがリセットトランジスタ36に印加される直前の転送パルスROG以降の期間に電荷生成部32に蓄積されていた信号電荷がフローティングディフュージョン38に渡される(図6(A)中のte時点)。
【0064】
したがって、増幅用トランジスタ42のドレインには、このフローティングディフュージョン38の電荷量に応じた信号電圧が現れる。この後、所定のタイミングで垂直選択用トランジスタ40に垂直シフトパルスが印加され、te時点におけるフローティングディフュージョン38の電荷量に応じた信号電圧が、垂直信号線19を介してCDS処理部26に入力される。つまり、te時点が実質的な読出タイミングとなり、最終的なリセットゲートパルスRSTが立つ直前の転送パルスROG以降の期間がその画素での電荷蓄積時間(露光蓄積期間)となり、2×2マトリクスのカラムごとに異なった電荷蓄積時間(つまり感度やシャッタ速度)を持たせることができる。
【0065】
たとえば、奇数行かつ奇数列の単位画素3では、tb時点にフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷がその後のtr時点のリセット動作により無効化されるため、te時点にフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷のみが有効に利用されるので、図中“2”で示すように、tb時点からte時点までの2単位時間分が実質的な電荷蓄積時間となる。また、奇数行かつ偶数列の単位画素3では、tb時点にフローティングディフュージョン38に渡されさらにtc時点にもフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷がその後のtr時点のリセット動作により無効化されるため、te時点にフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷のみが有効に利用されるので、図中“1”で示すように、tc時点からte時点までの1単位時間分が実質的な電荷蓄積時間となる。
【0066】
さらに、偶数行かつ奇数列の単位画素3では、ta後のtb時点の前にフローティングディフュージョン38に対して行なわれるリセット動作は事実上何の影響も与えないので、tb時点にフローティングディフュージョン38に渡されさらにte時点にもフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷が有効に利用されるので、図中“4”で示すように、ta時点からte時点までの4単位時間分が実質的な電荷蓄積時間となる。また、偶数行かつ偶数列の単位画素3では、tb時点にフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷がその後のtr時点のリセット動作により無効化されるため、tc時点にフローティングディフュージョン38に渡されさらにte時点にもフローティングディフュージョン38に渡された信号電荷のみが有効に利用されるので、図中“3”で示すように、tb時点からte時点までの3単位時間分が実質的な電荷蓄積時間となる。
【0067】
よって、2×2画素の単位マトリクスについて、図6に示すようなタイミングで各単位画素3を駆動制御すれば、単位マトリクスにおける最大露光蓄積時間は、偶数行かつ奇数列の単位画素3の電荷蓄積時間にて決定される。そして、各単位画素3の電荷蓄積時間T1〜T4すなわち感度S0〜S3は、駆動パルスタイミングに応じた重み付けが設定されることとなる。つまり、駆動パルスの印加タイミングを調整することで、単位マトリクス内のそれぞれの感度が全て異なるようにすることができる。また、行および列の各駆動パルスによる重付けの組合せ変更することで、図6(C)に示すように、単位マトリクス内の各単位画素3の電荷蓄積時間(感度)の組合せを切り替えることができる。つまり、単位マトリクス内の各単位画素3の露光蓄積時間を違えることで、様々な感度モザイクパターンを構成することが可能となる。
【0068】
また、カラーフィルタの配列パターンに対して上述した露光蓄積時間を違えることで実現される感度の配列パターンを適用することで、様々な色・感度モザイクパターンを構成することが可能となる。何れの場合も、同一の感度特性を有する複数の単位画素3に直目すればその単位画素3は格子状に配置され、感度モザイク画像を生成するようになる。また、色にも着目すれば、同一の色成分および感度特性を有する複数の単位画素3が格子状に配置され、かつ、感度特性に拘わらず、同一の色成分を有する複数の単位画素3も格子状に配置された色・感度モザイク画像を生成するようになる。
【0069】
ただし、様々な感度モザイクパターンを構成することが可能となるとはいっても、たとえば2×2の単位マトリクスにて4段階の露光蓄積時間を設定する際の配列順には一定の制限があり、形成可能なモザイクパターンにも制限が生じる。たとえば、3段階の感度を設定することはできないし、たとえば感度S0の画素の上(下)あるいは右(左)には必ず感度S1もしくは感度S2の画素が存在するため、4段階の感度であっても対応できない配列パターンがある。たとえば、図6(D)に示すように、感度S0の画素の上(下)あるいは右(左)に感度S3が配されたものは対応できない。
【0070】
なお、上記実施形態の駆動方法では、図6(B1)に示すように、単位マトリクス内の各画素からの実質的な読出しを同じタイミングとすることで、単位マトリクス内の各単位画素3の電荷蓄積期間を、最も長い蓄積時間を持つ画素すなわち最も感度の高い画素(本例では偶数行かつ奇数列の感度レベルS3の単位画素3)の蓄積期間に内包させることができる。図6(B2)に示すように、単位マトリクス内の各画素の露光期間がずれていると移動物体に対する破綻(具体的には画像のブレ)が多くなるが、図6(B1)に示すように駆動することで、単位マトリクス内の各画素からの読出しを同じタイミングとすることができ、各画素の電荷蓄積時間は異なるものの露光期間をほぼ同じ期間とすることができる。これにより、各画素の露光期間の同時性が高く、移動物体があった場合でも、広ダイナミックレンジ画像を生成したときの破綻が少ないという利点が得られる。
【0071】
ただし、移動物体を対象としないケースや移動物体のブレを許容するケースでは、図6(B2)に示すような駆動タイミングで読出選択用トランジスタ34やリセットトランジスタ36を制御するようにしても構わない。つまり、第1実施形態の単位画素3の構成においては、通常の駆動制御方法のようにして、フローティングディフュージョン38に信号電荷を転送させるタイミングは、画素ごとに異なるものとすることで、擬似グローバルシャッタ機能を使わないこともできる。
【0072】
また、個々の単位画素3にそれぞれ異なる電荷蓄積時間を持たせることができるため、広ダイナミックレンジモード時には各単位画素3に対応するそれぞれ電荷蓄積時間の異なる画像を用いて1つの画像を合成することで、滑らかな階調を持つ広ダイナミックレンジ画像を示す映像出力信号を生成することができる。
【0073】
加えて、電子シャッタのシャッタ速度、すなわち画素の電荷蓄積時間に相当する時間は信号電荷の排出時点から信号電荷の読み出し時点までで決まるが、各単位マトリクスに対しての実質的な読出タイミング(te)を共通としているので、水平方向の右と左で蓄積時間が異なってしまうという問題も生じないので、ライン方向(行方向)のシェーディングを防止することができる。つまり、この方式では、電荷生成部32の光電変換素子(フォトダイオードPD)に光が入射することで発生した信号電荷を全画素同時に一旦電荷蓄積部としてのフローティングディフュージョン38に転送して蓄積させておき、所定の読出タイミング(本例ではte時点)で順次画素信号に変換する。また転送後に光電変換素子に光が入射することで、電荷生成部32に蓄積される電荷を、次の露光蓄積に先立って排出させる。これにより、電荷蓄積部としてのフローティングディフュージョン38に蓄積された信号電荷量に応じた画素信号が得られ、電荷生成部32に対する露光後のフローティングディフュージョン38への転送タイミングを調整することで、単位マトリクス相互の間では露光蓄積時間差を生じることのない電子シャッタ機能(擬似グローバルシャッタ機能)を実現することができる。
【0074】
たとえば、上述のようなタイミングで読出選択用トランジスタ34とリセットトランジスタ36とを2次元マトリクス状に駆動することで、電荷蓄積時間を、一定の制限の元で(任意に制御可能という訳ではなく)、画素ごとに制御することができる。たとえば、低速シャッタ時の電荷蓄積時間を1/60秒とする場合、駆動制御部7による広ダイナミックレンジモード時の読出制御は次のようになる。なお、1/60秒以外でも同様に考えることができる。たとえば、電荷生成部32(フォトダイオードPD)に電荷の蓄積を行なうが、このとき、奇数行かつ奇数列の単位画素3には1/120秒(=2/240秒)、奇数行かつ偶数列の単位画素3には1/240秒、偶数行かつ奇数列の単位画素3には1/60秒(=4/240秒)、偶数行かつ偶数列の単位画素3には1/80秒(=3/240秒)、というように、駆動制御部7は、各単位画素3が各々異なる電荷蓄積時間となるように制御する。
【0075】
つまり、偶数行かつ奇数列の単位画素3を1/60秒のシャッタ速度とする場合は、この偶数行かつ奇数列の単位画素3が電荷を蓄積する1/60秒(=4/240秒)の内、奇数行かつ奇数列の単位画素3では2/240秒の間は電荷の掃き出しを行ない残りの2/240秒のみで電荷の蓄積を行なうようにすればよい。同様に、奇数行かつ偶数列の単位画素3では、3/240秒の間は電荷の掃き出しを行ない残りの1/240秒のみで電荷の蓄積を行ない、偶数行かつ偶数列の単位画素3では1/240秒の間は電荷の掃き出しを行ない残りの3/240秒のみで電荷の蓄積を行なうようにすればよい。
【0076】
増幅用トランジスタ42は、電荷生成部32が各電荷蓄積時間に受光して得た信号電荷に対応する画素信号を生成する。この後、垂直選択用トランジスタ40への垂直シフトパルスの駆動により、te時点における増幅用トランジスタ42の電圧信号が、実質的に有効な画素信号として垂直信号線19に伝達され、CDS処理部26に入力される。そして、水平選択用トランジスタ50への水平シフトパルスの駆動により水平信号線18を介して出力バッファ28に伝達され、外部回路100に出力される。
【0077】
このような構成により、たとえば、カラーフィルタを備えていない撮像部の場合には、m×n画素のマトリクスからなる組について、各単位画素3の蓄積時間をそれぞれ異なるものに制御し、その画素信号を処理することにより、すなわち、撮像により得られる感度モザイク画像に対して感度に着目したデモザイク処理を施すことにより、広ダイナミックレンジのモノクロ画像を得ることができる。また、通常モード時には、通常の映像出力信号を得ることができる。
【0078】
すなわち、各単位画素3は1種類の露光蓄積時間が設定されるので1種類の感度だけを有する。よって、撮像された画像の各画素は本来の撮像素子が有するダイナミックレンジの情報しか取得することができない。しかしながら、外部回路100では、出力バッファ28からの撮像信号S0に基づいてデモザイク処理を施して、全ての画素の感度が均一になるようにすることによって、結果的にダイナミックレンジが広い画像を生成することができる。その詳細については後述するが、画素補間処理により通常のフィールド周期(たとえば1/60秒や1/50秒)に対応して広ダイナミックレンジ処理された画像データを得ることができるために、垂直解像度が低下することはない。また、全ての単位画素3がほぼ同時に露光されるので、動きのある被写体を正しく撮像することができる。さらに、1つの受光素子が出力画像の1画素に対応しているので、ユニットセルサイズが大きくなる問題も生じない。
【0079】
また、カラーフィルタを備えてなる撮像部10の場合には、色や感度の配列パターンを参照して、画素ごとに色や感度が異なる画像から、全ての画素について、全ての色成分の画像信号を生成し、かつ、感度を均一化することで、モノクロ画像に限らず、広ダイナミックレンジのカラー画像を得ることも可能である。たとえば、図5(B)に示すように、リセットTr駆動クロック線と転送ゲート駆動クロック線とをカラーフィルタ単位を1ブロックとしてブロックについてマトリクス状に(図ではベイヤ(Bayer)配列)動作させ、すなわちカラーフィルタ繰返し単位を単位エリアとして、m×n単位エリアのマトリクスからなる組について、各単位エリア内の複数の単位画素3を纏めてかつ各単位エリアの蓄積時間をそれぞれ異なるものに制御する。たとえば、リセットトランジスタ36はベイヤブロックの奇数番目の行(2s−1;sは正の整数)と偶数番目の行(2s)とで個別に駆動され、また読出選択用トランジスタ34はベイヤブロックの奇数番目の列(2t−1;tは正の整数)と偶数番目の列(2t)とで個別に駆動されるようにする。
【0080】
そしてこれにより得られる色・感度モザイク画像に対して感度の配列パターンに着目したデモザイク処理を施すことにより、ダイナミックレンジの広いカラー画像を得ることができる。カラーフィルタ繰返し単位内の全単位画素3に対しては共通の蓄積時間を設定するので、通常の色分離処理をカラーフィルタ繰返し単位ごとに施して感度モザイク画像を色成分ごとに生成した後に感度均一化処理を施すことで、ダイナミックレンジの広いカラー画像を得ることができる。つまり、カラーフィルタ単位で処理を行なうことにより、広ダイナミックレンジ画像の生成が行ない易くなる。
【0081】
なお、カラーフィルタを備えてなる撮像部10の場合においても、カラーフィルタ繰返し単位に拘わらず、モノクロ時と同様に、m×n画素のマトリクスからなる組について、各単位画素3の蓄積時間をそれぞれ異なるものに制御してもよい。ただしこの場合には、カラーフィルタ繰返し単位内で各単位画素3の電荷蓄積時間が異なるものとなるので、同一の電荷蓄積時間が設定されていることを前提とした通常の色分離処理を用いたのでは、適切に色分離を行なうことができない。よって、カラーフィルタ繰返し単位内でのフィルタ配列と各単位画素3に対する露光時間に応じた補間処理を伴うデモザイク処理、すなわち色・感度モザイク画像に対して色および感度の双方の配列に着目したデモザイク処理を施すことが必要となる。一方この場合、1つの単位画素3を出力画像の1画素に対応させることができ、ユニットセルサイズが大きくなる問題が生じないという利点がある。ただし、空間的な補間処理を伴うので鮮鋭度低下を避けることはできない。
【0082】
なお、読出フィールドで単位マトリクス内の各単位画素3の電荷蓄積時間の組合せを切り替えることで、時間補間を利用しかつ感度に着目したデモザイク処理を行なうようにしてもよい。こうすることで、フリッカが生じ得るものの、同一画素位置には全ての電荷蓄積時間の信号が得られるので画素補間によらずにデモザイク処理を行なうことができ、高解像度かつ広ダイナミックレンジの画像を生成することができる。フィールド単位での画素補間処理により得られる画像は、鮮鋭度が低下し暈けた画像となるがフィールドフリッカは生じない。これに対して、nフィールド単位での時間補間処理により得られる画像は、フィールドフリッカが生じるものの鮮鋭度の良好な画像となる。
【0083】
たとえば図6では、2×2画素を単位マトリクスとしているので、図6(C)に円状に矢指するように、4つのフィールドでその組合せが順次切り替わるようにするとよい。このとき、基準のフィールド周期を通常のフィールド周期の4倍としておき、合成して得た広ダイナミックレンジの画像をレート変換して通常のフィールド周期あるいはフレーム周期の画像を生成することで、通常のモニタ(インタレーススキャンおよびプログレッシブスキャンの何れでもよい)との整合を採るようにしてもよい。こうすることで、フリッカも目立たず、高解像度かつ広ダイナミックレンジの画像を通常のTVモニタ上に提示することができる。時間補間を伴わないデモザイク処理では、空間的な補間処理を伴うので鮮鋭度低下を避けることはできないのと対照的である。また、通常のフィールド周期(たとえば1/60秒や1/50秒)に対応して広ダイナミックレンジ処理されたデータを得ることができるために、垂直解像度が低下することはない。
【0084】
<単位画素のその他の構成例>
図7は、図1に示した固体撮像装置1の撮像部10における単位画素3の第2実施形態の詳細例を示した図である。ここで図7(A)は単位画素3(一部周辺部を含む)の基本的な等価回路図、図7(B)は断面図である。第1実施形態の単位画素3は、2箇所の電荷蓄積部として電荷生成部32とフローティングディフュージョン38を持つ構成であったが、この第2実施形態の単位画素3は、フォトゲート66とフローティングディフュージョン38とにより構成している点に特徴を有する。
【0085】
図示するように、フォトゲート66をなすポリシリコン電極が電荷生成部32の感光面上を覆って形成されている。この場合、開口部については光透過性を呈し、開口部を除く部分は遮光性を呈するものとする。このフォトゲート66の電極は読出選択用トランジスタ34のゲート電極と共通に転送ゲート駆動クロック線に接続される。通常モードおよび広ダイナミックレンジモードの何れについても、電荷蓄積時間の制御や読出タイミングの制御などに関しては、第1実施形態と同様であるので、説明を割愛する。
【0086】
図8は、図1に示した固体撮像装置1の撮像部10における単位画素3の第3実施形態の詳細例を示した図である。ここで図8(A)は単位画素3(一部周辺部を含む)の基本的な等価回路図、図8(B)は断面図である。この第3実施形態の単位画素3は、フローティングディフュージョン38を有するとともに、フローティングディフュージョン38とは別に電荷蓄積部44を構成するようにした点、つまり2箇所の蓄積部として電荷生成部32と蓄積専用キャパシタとを備える構成とした点に特徴を有する。以下具体的に説明する。
【0087】
第3実施形態の電荷生成部32は、第1実施形態のものと同様に、光を電荷に変換する光電変換機能とともに、その電荷を蓄積する電荷蓄積機能の各機能を兼ね備えたものを使用する。そして、この電荷生成部32のフォトダイオードPDに対して、単位マトリクス間では蓄積時間差を生じることのない電子シャッタ機能である擬似グローバルシャッタ機能を実現するために、単位画素3ごとに、電荷生成部32の読出選択用トランジスタ34と画素信号生成部5との間に電荷蓄積部44と、全画素についての電荷生成部32(フォトダイオードPD)を露光した後その電荷生成部32にて生成された信号電荷を同時に電荷蓄積部44に転送させる転送ゲート部46とを備えた構造となっている。電荷蓄積部44は、1H(H:水平走査期間)以上の期間電荷を蓄積する部分である。
【0088】
たとえば、単位画素3の断面図を図8(B)に示すように、フォトダイオードPDと読出選択用トランジスタ34との間に、転送ゲート部46および電荷蓄積部44がこの順に水平方向(図の左方向)に形成されている。そして、読出選択用トランジスタ34、電荷蓄積部44、および転送ゲート部46は、ソースおよびドレイン端子を共通とするマルチゲート構造となっている。そして、これらの3つの中間に配置される電荷蓄積部44は、事実上、ゲートを持つMOSダイオードとして構成されている。
【0089】
転送ゲート部46および電荷蓄積部44の部分の基板表面側には、たとえばポリシリコンによって単層もしくは2層構造で形成された転送電極(ゲート電極)が配設されている。そして、転送ゲート部46のゲート電極(特にフレームシフトゲートFSGという)には蓄積部転送駆動線を介してフレームシフトパルスが入力され、電荷蓄積部44のゲート電極(特にストレージゲートSTGという)にはストレージパルスが入力される構造とする。
【0090】
垂直選択用トランジスタ40は、ドレインが電源VDDに、ソースが増幅用トランジスタ42のドレインにそれぞれ接続され、ゲート(特に垂直選択ゲートSELVという)は垂直選択線52に接続されている。この垂直選択線52には、垂直選択信号が印加される。増幅用トランジスタ42は、ゲートがフローティングディフュージョン38に接続され、ドレインが垂直選択用トランジスタ40のソースに、ソースは画素線51に接続されている。なお、垂直選択用トランジスタ40と増幅用トランジスタ42は、第1実施形態と同様の接続構成であってもよい。
【0091】
フレームシフトゲートFSGに入力されるフレームシフトパルス、ストレージゲートSTGに入力されるストレージパルス、読出ゲートROGに入力される読出パルス、リセットゲートRGに入力されるリセットパルス、垂直選択ゲートSELVに入力される垂直選択信号、および水平選択ゲートSELHに入力される水平選択信号は、単位画素3に対して行方向もしくは列方向に配線される。
【0092】
図8(B)に示した第3実施形態の単位画素3の素子構造では、電荷蓄積部44がゲートを持つMOSダイオードであり、電荷蓄積部44のゲート電極下には電荷を蓄積する部分が形成される。この場合、フォトダイオードPDと電荷蓄積部44との間に配される転送ゲート部46のゲート電極を、電荷蓄積部44のゲート電極と共通にし、このゲート電極を電荷生成部32の際まで延在するように形成した1枚ゲート構成にしている。この場合、当然に、フレームシフトパルスとストレージパルスとが共通に使用される。この構造の転送ゲート部46としての働きは、n−またはp−によるイオンインプランテーションにて転送ゲート部46と電荷蓄積部44との不純物濃度差を付ける、あるいは、転送ゲート部46と電荷蓄積部44との酸化膜厚差を付ける、などによる障壁(ポテンシャル差)を付けることで行なうとよい。なお、図2(B)に示すように、読出選択用トランジスタ34やリセットトランジスタ36の部分にも、n−またはp−によるイオンインプランテーションをしておく。
【0093】
1枚ゲート構成とした場合の電荷蓄積部44および転送ゲート部46近傍の等価回路図を図8(C)に、また各ゲートがオフ時の電圧ポテンシャル図を図8(D)に示す。この1枚ゲート構成に限らず、電荷蓄積部44と転送ゲート部46の各ゲートを別々に設けた2枚ゲート構成としてもよい。ただし、2枚ゲート構成とすると、2つのゲート電極の加工位置ズレの問題や、電極間にギャップがあることにより、電荷生成部32から電荷蓄積部44に信号電荷を転送させ難い部分が生じる。これに対して1枚ゲート構成とすると、単位画素3への配線を1つ減らすことやゲートと配線コンタクトを減らすことができる(図8(C)参照)。加えて、イオンインプランテーション量や酸化膜厚差を制御することでポテンシャル差を制御することができるので、素子の加工精度が高まる。また、ゲート電極間にギャップが生じないので、電荷生成部32から電荷蓄積部44への信号電荷の転送効率が高まる。
【0094】
なお、1枚ゲート構成であるのか2枚ゲート構成であるのかに拘わらず、電荷生成部32のフォトダイオードPDと電荷蓄積部44との間に配される転送ゲート部46は、オフ状態でチャネルの表面が信号電荷とは反対の導電形の電荷を蓄積した状態を形成可能にする。また、読出選択用トランジスタ34やリセットトランジスタ36についても同様である。なお、このような状態を形成させるためにオフ時にゲート電極に印加する電圧は、各素子の不純物のイオン濃度(ドーズ量)やゲート電極の膜厚に依存する。ゲート電極下のチャネル領域表面が反転状態になるよう所定の電位を印加してオフさせると界面準位が正孔で埋められる(ピニング;pinning という)。このため、電荷転送路としての転送ゲート部46や読出選択用トランジスタ34やリセットトランジスタ36では、オフ時に所定の電位を印加することで界面準位が原因となって発生する暗電流を抑制することができる。
【0095】
このように、第3実施形態の単位画素3においても、高感度側の撮像を伴う高ダイナミックレンジモード時においてもノイズの少ない良好な画像が得られるように、様々な観点から、ノイズ対策が採られている。
【0096】
図9は、第3実施形態の単位画素3を備えた固体撮像装置1における走査のタイミングチャートの一例である。なお、第3実施形態では、フレームシフトゲートFSGに入力されるフレームシフトパルスを、ストレージゲートSTGに入力されるストレージパルスと共通に使用する。
【0097】
先ず、電荷生成部32のフォトダイオードPDを露光して信号電荷をそのフォトダイオードPDに蓄積するのに先立って、フレームシフトパルスをアクティブ(H;ハイ)にして転送ゲート部46をオンさせることで、この時点においてフォトダイオードPDに蓄積されている不要な電荷(不要電間)を電荷蓄積部44側に掃き捨てる(t0〜t2)。その後、フォトダイオードPDと電荷蓄積部44との間のゲート機能部分である転送ゲート部46を閉じて、露光蓄積開始となる。これらの処理は、全画素について略同時に行なう。
【0098】
次に、フレームシフトパルスもインアクティブにして、フォトダイオードPDが露光されることで生成される信号電荷を、そのフォトダイオードPDに蓄積する動作を開始する(t2)。そして、通常モード時には、全画素共通に、信号電荷の露光蓄積状態をt12まで継続する。また、露光蓄積状態と並行して、読出パルスをアクティブにして読出選択用トランジスタ34をオンさせることで、電荷蓄積部44に掃き出した不要電荷をフローティングディフュージョン38に転送する。そして読出選択用トランジスタ34をオフさせ、さらにリセットパルスをアクティブにしてリセットトランジスタ36をオンさせることで、フローティングディフュージョン38をリセットトランジスタ36を通して電源VDDにリセットする。これにより、電荷生成部32から、転送ゲート部46、電荷蓄積部44、読出選択用トランジスタ34を順に経由してフローティングディフュージョン38に転送された不要電荷が電源VDDに掃き出される。
【0099】
通常モード時におけるこれらの処理は、信号電荷蓄積の完了前に完結していればよい。図では、t2〜t4にて読出パルスをアクティブにし、t4〜t6にてリセットパルスをアクティブにしているが、この例に限らず、図中において、多少右側にシフトした位置にてこれらの処理を行なってもよい。また、単位マトリクス内の単位画素3に対して個別に電荷蓄積時間を設定する広ダイナミックレンジモードの場合には、図示する露光蓄積期間内で、第1実施形態で示したと同様のタイミングで、転送ゲートパルス(読出パルス)ROGとリセットパルスRST(RG)を単位マトリクス内の各単位画素3に対して個別に設定するとよい。
【0100】
次に、モードに拘わらず、電荷生成部32にて得た信号電荷を全画素同時に電荷蓄積部44に転送させる(フレームシフトさせる)のに先立って、電荷蓄積部44をクリアにしておく。このため、露光蓄積完了時にフレームシフトパルスをアクティブにするのに先立って、読出パルスをアクティブにして読出選択用トランジスタ34をオンさせることで、電荷蓄積部44に蓄積されている不要電荷をフローティングディフュージョン38に転送する(t8〜t10)。そして、読出選択用トランジスタ34をオフさせ、さらにリセットパルスをアクティブにしてリセットトランジスタ36をオンさせて、フローティングディフュージョン38をリセットトランジスタ36を通して電源VDDにリセットすることで、電荷蓄積部44からフローティングディフュージョン38に転送された不要電荷を電源VDDに掃き出す(t10〜t12)。なお、前述のt2〜t4,t4〜t6の処理を割愛し、t8〜t10,t10〜t12の処理にて兼用するようにしてもかまわない。
【0101】
次に、電荷生成部32にて得た信号電荷を全画素同時に電荷蓄積部44に転送させるため、全画素について略同時に、フレームシフトパルスをアクティブにして、フォトダイオードPDが露光されることで生成された信号電荷を電荷蓄積部44に転送させる(t10〜t12)。次に、信号電荷を電荷生成部32から電荷蓄積部44に転送させた後の所定の時点において、画素信号生成部5は、電荷蓄積部44から信号電荷を読み出して(ラインシフトして)画素信号を得る。このため、先ず読出対象画素である、任意の水平ラインにおける所定位置の画素について、水平選択信号をアクティブにすることで、水平選択用トランジスタ50をオンさせる(t14)。
【0102】
この後、リセットパルスをアクティブにしてリセットトランジスタ36をオンさせて、フローティングディフュージョン38をリセットトランジスタ36を通して電源VDDにリセットすることで、フローティングディフュージョン38をクリアにする(t16〜t18)。こうすることで、リセットレベルに応じた電圧が画素線51に現れ、さらに垂直信号線19、CDS処理部26、水平選択用トランジスタ50を介して出力バッファ28に伝達される。そして、この直後に、サンプルパルスSHPをアクティブにすることで、CDS処理部26においては、クリアにされた時点の画素信号レベル(リセットレベル)を保持する(t20〜t22)。たとえば、その時点の電圧値を予め定められている所定電圧にクランプする。
【0103】
次に、読出パルスをアクティブにして読出選択用トランジスタ34をオンさせることで、電荷蓄積部44に蓄積されている不要電荷をフローティングディフュージョン38に読み出す(t24〜t26)。この後、読出パルスをインアクティブにすることで(t26)、読出対象画素について、フローティングディフュージョン38に読み出された信号電荷は、その電荷量に応じて増幅用トランジスタ42で増幅されて信号電圧となり垂直信号線19に現れ、さらにCDS処理部26、水平信号線18、および水平選択用トランジスタ50を介して出力バッファ28に伝達される。
【0104】
そして、この直後に、サンプルパルスSHDをアクティブにすることで、CDS処理部26においては、信号電荷量に応じた画素信号レベルを保持する(t28〜t30)。この後、水平選択信号をインアクティブにする(t32)。CDS処理部26は、サンプルパルスSHPにて取得したリセットレベルとサンプルパルスSHDにて取得した画素信号レベルとの差を取ることで、固定パターンノイズFPNやリセットノイズを取り除く。
【0105】
上述した一連の動作の繰り返しにより、単位画素3が2次元マトリクス状に配設された撮像部10から画素信号が順次出力され、最終的にCDS処理部26から撮像信号が得られる。
【0106】
このように、第3実施形態の単位画素3の場合、電荷蓄積部44への転送後にフォトダイオードPDに光が入射することで電荷生成部32に蓄積される電荷を、次の露光蓄積に先立って排出させる。これにより、電荷蓄積部44に蓄積された信号電荷量に応じた画素信号が増幅用トランジスタ42から得られ、露光後の電荷蓄積部44への転送タイミングを調整することで、単位マトリクス間では露光蓄積時間差を生じることのない擬似グローバル電子シャッタ機能を実現することができる。また、フローティングディフュージョンFDに掃き出した不要電荷をリセットドレインRDとして機能する電源VDDに排出するモード(t4〜t6期間)で、電荷蓄積期間を除く期間に擬似ブルーミング現象によって電荷蓄積部44などに漏れ込んだ不要電荷や電荷蓄積部44内に発生した暗電流を排出することができ、擬似ブルーミング現象や暗電流に伴う画質劣化を抑制することができるという利点がある。
【0107】
ここで、「擬似ブルーミング現象」とは、CCD撮像デバイスにおけるブルーミング現象に似た現象のことである。たとえば、電荷生成部の光電変換素子に強い光が入射すると、光電変換素子で蓄積できる最大電荷量以上の電荷が生成されることで、その電荷が光電変換素子から溢れ出し、転送ゲートやチャネルストップ領域を通って、画素信号生成部や隣接画素内の電荷生成部などへ流出してしまう、いわゆる「ブルーミング現象」が問題となる。光電変換素子で得た信号電荷を全画素同時に一旦電荷蓄積部に転送させるなどによりグローバルシャッタ機能を実現する構造においても同様に「ブルーミング現象」が生じる。
【0108】
そして、「ブルーミング現象」が生じると、撮像画像に白い帯状または白い円状パターンが観察され、画質が劣化する。特に、電荷蓄積部を設けてグローバルシャッタ機能を実現する構造のものでは、電荷生成部で生成された過剰電荷が自身の画素内の電荷蓄積部にも溢れ出す。前述のように、電荷蓄積部に蓄積された信号電荷量に応じて画素信号を得るので、ブルーミング現象が自身の画素そのものの信号成分を変化させることになる。また、信号電荷を電荷蓄積部に転送した後に光電変換素子に光が入射することで生じる電荷が電荷蓄積部に漏れると、「ブルーミング現象」と同様の問題(擬似ブルーミング現象)が生じる。
【0109】
<他のマトリクス制御形態>
図10〜図12は、単位マトリクスのサイズや単位マトリクス内の読出選択用トランジスタ34およびリセットトランジスタ36に対する駆動手法の他の事例を説明する図である。
【0110】
図10は、3×3画素を単位マトリクスとした駆動手法を説明する図である。図10(A)に示すように、リセットトランジスタ36は3p−2番目の行(pは正の整数)、3p−1番目の行、および3p番目の行とで個別に駆動され、また読出選択用トランジスタ34は3q−2番目の列(qは正の整数)、3q−1番目の行、および3q番目の列とで個別に駆動されるようにしている。また、図10(B)に示すように、それぞれの行や列に対する電荷蓄積時間の重付けの関係として、3p−2番目および3q−2番目については“1”、3p−1番目および3q−1番目については“2”、3p番目および3q番目については“3”を設定することで、3×3画素の単位マトリクス全体としては、9段階の電荷蓄積時間の重付けが設定されるようにしている。i行j列の単位画素3の重付け値は、i行の重付け加算分(=i行の重付け値s×(i−1))とj列の重付け値tの和となる。
【0111】
このことから推測されるように、m×n画素を単位マトリクスに展開した場合、リセットトランジスタ36は行ごとに個別に駆動され、また読出選択用トランジスタ34は列ごとに個別に駆動されるようにし、それぞれの行や列に対する電荷蓄積時間の重付けの関係として、1,2,…と設定することで、m×n画素の単位マトリクス全体としては、m×n段階の電荷蓄積時間の重付けを設定することが可能となる。この場合においても、i行j列の単位画素3の重付け値は、i行の重付け加算分(=i行の重付け値s×(i−1))とj列の重付け値tの和となる。また、それぞれの行や列に対する電荷蓄積時間の重付けの配列順を変えることで、単位マトリクス内における電荷蓄積時間の重付けの配列順を組み替えることができる(図6(C)参照)。
【0112】
図11は、2×2画素を単位マトリクスとしつつ、読出選択用トランジスタ34とリセットトランジスタ36の配線対象の行/列を第1〜第3実施形態と逆にした構成を示す図である。すなわち、読出選択用トランジスタ34は奇数行(2p−1;pは正の整数)と偶数行(2p)とで個別に駆動され、またリセットトランジスタ36は奇数列(2q−1;qは正の整数)と偶数列(2q)とで個別に駆動されるようにしている。また、図11(B)に示すように、それぞれの行や列に対する電荷蓄積時間の重付けの関係として、2p−1番目および2q−1番目については“1”、2p番目および2q番目については“2”を設定することで、2×2画素の単位マトリクス全体としては、4段階の電荷蓄積時間の重付けが設定されるようにしている。同様の手法は、m×n画素を単位マトリクスとする場合にも適用可能である。そして、何れのマトリクスサイズであっても、i行j列の単位画素3の重付け値は、j列の重付け加算分(=j列の重付け値t×(j−1))とi行の重付け値sの和となる。
【0113】
図12は、2×2画素を単位マトリクスとしつつ、行列方向に対して斜め方向に読出選択用トランジスタ34とリセットトランジスタ36の駆動クロック線を設けた構成を示す図である。この場合、これまでに述べてきた形態と異なり、リセットトランジスタ36に対して咬み合う読出選択用トランジスタ34の駆動線の番号が同じものとなる。このため、それぞれのクロック線には異なるレベルの電荷蓄積時間の重付けを設定しているにも拘わらず、2×2画素の単位マトリクス全体としては、4(=2×2)段階とはならずに2段階の電荷蓄積時間の重付けに限定されたものとなる。
【0114】
たとえば、図12(A)に示す配線形態では、レベル1の重付けが設定された第1リセットTr駆動クロック線と交差する転送ゲート駆動クロック線は必ずレベル1の重付けが設定された第1番目のものとなり、電荷蓄積時間の重付けとして“1”が設定される。また、レベル2の重付けが設定された第2リセットTr駆動クロック線と交差する転送ゲート駆動クロック線は必ずレベル2の重付けが設定された第2番目のものとなり、電荷蓄積時間の重付けとして“4”が設定される。
【0115】
これに対して図12(B)に示す配線形態では、レベル1の重付けが設定された第1リセットTr駆動クロック線と交差する転送ゲート駆動クロック線は必ずレベル2の重付けが設定された第2番目のものとなり、電荷蓄積時間の重付けとして“3”が設定される。また、レベル2の重付けが設定された第2リセットTr駆動クロック線と交差する転送ゲート駆動クロック線は必ずレベル1の重付けが設定された第1番目のものとなり、電荷蓄積時間の重付けとして“2”が設定される。同様の手法は、m×n画素を単位マトリクスとする場合にも適用可能である。そして、何れのマトリクスサイズであっても、i行j列の単位画素3の重付け値は、i番目のリセットTr駆動クロック線の重付け加算分とj番目の転送ゲート駆動クロック線の重付け値sの和となるが、m×n段階とはならずに限定されたものとなる。
【0116】
次に、広ダイナミックレンジモード時における出力バッファ28から出力された撮像信号S0を用いた外部回路100内でのデモザイク処理について説明する。この広ダイナミックレンジモード時には、選択部132はデモザイク処理部120側に切り替えられている。出力バッファ28からの撮像信号S0は、A/D変換部110によりデジタル信号D0に変換された後に、たとえば図示しないルック・アップ・テーブルにより後段の加算器で加算して広ダイナミックレンジ処理された出力とするための、所定のデータに変換される。以下、具体的に説明する。
【0117】
<色・感度モザイクパターン>
図13〜図16は、色・感度モザイク画像を構成する画素の色成分および感度(つまり露光蓄積期間)の配列パターン(色・感度モザイクパターン)を説明する図である。なお、図13〜図16においては、各正方形が1画素に対応しており、英文字がその色を示し、英文字の添え字としての数字がその感度を示している。たとえば、G1と表示された画素は、色がG(緑)であって感度がS1であることを示している。また、感度については数字が大きいほど、より露光蓄積時間が長く高感度であるとする。なお、図13〜図16に示す色・感度モザイクパターンP1〜P4に関連し、画素の感度に拘わらず色だけに注目して「色のモザイク配列」と記述する。また、色に拘わらず感度だけに注目して「感度のモザイク配列」と記述する。
【0118】
色・感度モザイクパターンを構成する色の組合せとしては、R(赤),G(緑),およびB(青)からなる3色の組合せに限らず、たとえば、Y(黄),M(マゼンタ),C(シアン),およびG(緑)からなる4色の組合せなどもある。露光蓄積時間を違えることで実現される感度の段階としては、S0,S1の2段階や、2×2画素の単位マトリクスとする場合にはS0,S1,S2,S3からなる4(=2×2)段階が設定される。m×n画素の単位マトリクスとする場合において、それぞれを独立とする場合にはm×n段階が設定される。
【0119】
図13に示す色・感度モザイクパターンP1は、同一の色および感度を有する画素に注目した場合、それらが格子状に配列されており、かつ、感度に拘わらず同一の色を有する画素に注目した場合、それらが格子状に配列されている。すなわち、図13の色・感度モザイクパターンP1において、感度に拘わらず色がRである画素に注目した場合、図面を右回りに45度だけ回転させた状態で見れば明らかなように、それらは、水平方向には2^1/2(^はべき乗を示す)の間隔で、垂直方向には2^3/2の間隔で格子状の配置されている。また、感度に拘わらず色がBである画素に注目した場合、それらも同様に配置されている。感度に拘わらず色がGである画素に注目した場合、それらは、水平方向および垂直方向に2^1/2の間隔で格子状の配置されている。
【0120】
なお、図13に示す色・感度モザイクパターンP1を2×2画素の単位マトリクスに適用する場合には、第1〜第3実施形態で説明したように、リセットTr駆動クロック線と転送ゲート駆動クロック線の奇数/偶数の配線順序を撮像部10の全面について維持する構成でよい。
【0121】
図14に示す色・感度モザイクパターンP2は、色・感度モザイクパターンP1と同様の特徴を有しており、さらに、3種類の色が用いられていて、それらがベイヤ(Bayer)配列をなしている。すなわち、図14の色・感度モザイクパターンP2において、感度に拘わらず色がGである画素に注目した場合、それらは1画素おきに市松状に配置されている。感度に拘わらず色がRである画素に注目した場合、それらは1ラインおきに配置されている。また、感度に拘わらず色がBである画素に注目した場合も同様に、1ラインおきに配置されている。したがって、このパターンP2は、画素の色だけに注目すれば、ベイヤ配列であるといえる。この図14に示す色・感度モザイクパターンP2を2×2画素の単位マトリクスに適用する場合には、単位画素3の配列位置に応じて、リセットTr駆動クロック線と転送ゲート駆動クロック線の配線対象の行/列を逆にする(図11参照)などの対応を採ることで実現する。
【0122】
図15に示す色・感度モザイクパターンP3は、同一の色および感度を有する画素に注目した場合、それらが格子状に配列されており、かつ、色に拘わらず同一の感度を有する画素に注目した場合、それらが格子状に配列されており、かつ、任意の画素に注目した場合、その画素とその上下左右に位置する4画素の合計5画素が有する色の中に、当該色・感度モザイクパターンに含まれる全ての色が含まれている。感度だけに着目すれば、そのパターンは図13に示す色・感度モザイクパターンP1と同様である。
【0123】
図16に示す色・感度モザイクパターンP4は、色・感度モザイクパターンP3の特徴に加えて、同一の感度を有する画素に注目した場合、それらの配列がベイヤ配列をなしている。たとえば、図16の色・感度モザイクパターンP4において、感度S0の画素だけに注目した場合、図面を斜め45度だけ傾けて見れば明らかなように、それらは2^1/2の間隔を空けてベイヤ配列をなしている。また、感度S3の画素だけに注目した場合も同様に、それらはベイヤ配列をなしている。図16に示す色・感度モザイクパターンP4を2×2画素の単位マトリクスに適用する場合には、図12に示したように、画素配列における行列方向に対して斜め方向に読出選択用トランジスタ34とリセットトランジスタ36の駆動クロック線を設けることで、2段階の感度を設定する構成とすればよい。
【0124】
上記において、色・感度モザイクパターンP1〜P3を2×2画素の単位マトリクスにて実現する場合について、それぞれ示したが、ここで述べた3つの手法を組み合わせたり、配線の接続順序を切り替えたりなどすることで、一定の制限はあるものの、他のパターンについても、実現することが可能となる。
【0125】
上述した色・感度モザイクパターンを実現するに際して、色のモザイク配列については、電荷生成部32のフォトダイオードPDの上面に、画素ごとに異なる色の光だけを透過させるオンチップカラーフィルタを配置することによって実現する。また、色・感度モザイクパターンのうち、感度のモザイク配列については、上記第1〜第3実施形態で説明したように、読出選択用トランジスタ34とリセットトランジスタ36に対する駆動パルスの印加タイミングを調整することで、隣接する2つの受光素子(第1および第2の受光素子)に対し制御のタイミングを違えることにより2つの受光素子を異なる感度に設定する電子的な方法によって実現する。必要に応じて配線形態(行/列や偶/奇などの順序)を組み替える。つまり、上述した感度のモザイク配列を電子的に実現するには、感度がS0,S1,S2,S3の各画素グループについて、それぞれに露光時間を制御可能な電極構造とすればよい。要するに、複数種類の感度設定に応じてリセットTr駆動クロック線や転送ゲート駆動クロック線を複数系統に分け、それぞれの駆動クロック線が蓄積時間の違う信号に対応するように、それぞれの駆動クロック線に独立にパルスを印加する構造とすればよい。
【0126】
このとき、2次元マトリクス状に蓄積時間を異なるように単位画素3を配列する場合、理解の容易さから言えば、リセットトランジスタ36を駆動するためのリセットTr駆動クロック線は行方向に、読出選択用トランジスタ34を駆動するための転送ゲート駆動クロック線は列方向に配線する、つまり、リセットTr駆動クロック線と転送ゲート駆動クロック線の奇数/偶数の配線順序を撮像部10の全面について維持する構成が望ましいが、これに限らず、リセットTr駆動クロック線と転送ゲート駆動クロック線の奇数/偶数の配線順序を組み替えても構わない。何れにしても、感度モザイクパターンによって、その接続形態が決まる。なお、カラー画像撮像の構成とする場合には、色分離処理と広ダイナミックレンジ化処理との関わりから言えば、画素単位で露光蓄積時間を制御するのではなく、先にも述べたように、カラーフィルタ繰返し単位内の全単位画素3に対しては共通の露光蓄積時間を設定しかつカラーフィルタ繰返し単位で露光蓄積時間を制御してもよい。
【0127】
<デモザイク処理の詳細>
次に、広ダイナミックレンジモード時におけるデモザイク処理部120を中心とする画像処理系のモザイク処理、すなわちモザイク画像から元画像を復元する処理について説明する。最初に、カラー画像撮像時においても1つの単位画素3が出力画像の1画素に対応するようにする4つの手法について説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、最も基本的なものとして、画素の色は3原色RGBのうちの何れかの色であり、2×2画素を単位マトリクスとして感度をS0,S1、S2,S3の4段階(つまり露光蓄積時間が4段階)のうちの何れかに設定するものとして説明する。ただし、以下に説明する構成や動作は、RGB以外の3色からなる色・感度モザイク画像や、4色あるいはそれ以上からなる色・感度モザイク画像に適用することも可能である。また、感度が4段階以上などである色・感度モザイクパターンに適用することも可能である。
【0128】
何れの手法においても、色・感度モザイク画像の画素配列パターンにおける、色に着目した色モザイクパターン情報と感度に着目した感度モザイクパターン情報を参照して画素補間処理などを施すことで、R,G,Bのそれぞれについて感度の均一化された画像を得る。色モザイクパターン情報は、色・感度モザイク画像の各画素の色の種類(本例では、R,G,Bの何れかの色)を示す情報であり、画素位置をインデックスとして、その画素が有する色成分の情報を取得できるようになされている。また、感度モザイクパターン情報は、色・感度モザイク画像の各画素の感度の種類(本例では、S0,S1,S2,S3)を示す情報であり、画素位置をインデックスとして、その画素の感度の情報を取得できるようになされている。
【0129】
図17は、デモザイク処理部120を中心とする画像処理系の第1のデモザイク処理の概要を示している。ここでは図14に示す色・感度モザイクパターンP2で例示しているが、RGB以外の3色からなる色・感度モザイク画像や、4色からなる色・感度モザイク画像に適用することも可能である。この第1のデモザイク処理は、図17に示すように、感度を均一化して色モザイク画像Mを生成する感度均一化処理と、色・感度モザイク画像Mの各画素のRGB成分を復元する色補正処理からなる。
【0130】
感度均一化処理に際しては、撮像系の処理によって得られた色・感度モザイク画像の画素の色を変更することなく、補間処理を行なって本来の光強度を復元する。たとえば、第1段階の処理として、当該画素の感度と異なる感度の画素値を、近傍に存在する同色であって対象感度の画素の画素値を用いて補間することで対象感度の推定値を求める。たとえば、色βであって感度S0の画素については、感度S0での画素値はそのまま用いられる。また、感度S1での推定値が、当該画素の近傍に存在する色βであって感度S1の画素の画素値を用いて補間される。同様に、感度S2での推定値が、当該画素の近傍に存在する色βであって感度S2の画素の画素値を用いて補間され、感度S3での推定値が、当該画素の近傍に存在する色βであって感度S3の画素の画素値を用いて補間される。これにより、各画素は、元の色β感度S0の画素値と、感度S1の画素値と、感度S2の画素値と、感度S3の画素値とを有するようになる。
【0131】
このような補間処理に際しては、フィルタ処理が適用される。たとえば、色・感度モザイク画像の左下の画素から右上の画素まで、順次1画素ずつ注目画素に設定する。そして、色・感度モザイク画像の各画素の色を変更せずに補間処理を施すことにより、それぞれ感度S0,S1,S2、または感度S3に対応する補間値を生成する。すなわち、色・感度モザイク画像の注目画素の近傍に位置する画素(たとえば注目画素を中心とする5×5画素)のうち、色が注目画素と同じであり、かつ、感度がSαである画素を検出し、検出した参照画素の画素値を抽出する。
【0132】
そして、検出した参照画素の注目画素に対する相対的な位置に対応して予め設定されているフィルタ係数を参照画素の数だけ取得する。この後、各参照画素の画素値と対応するフィルタ係数とを乗算し、それらの積の総和を演算し、さらに、その積の総和を用いたフィルタ係数の総和で除算し、その商を注目画素の感度Sαに対応する補間値とする。最後に、求めた注目画素に対応する全ての感度Sαの各補間値を加算し、その和を注目画素に対応する色モザイク候補画像の画素値とし、色モザイク候補画像の画素値をインデックスとして色モザイク画像Mの画素値を取得できるように設定されている合成感度補償LUT(ルック・アップ・テーブル;図25,図26参照)に照らし合わせ、得られた値を注目画素に対応する色モザイク画像Mの画素値とする。このような処理を全ての画素について繰り返すことで、感度が均一化された色モザイク画像Mを生成する。
【0133】
色補正処理に際しては、感度均一化処理によって得られた色モザイク画像Mに対し、色モザイクパターン情報を用いる色補間処理(フィルタ処理)を施すことによって出力画像R,G,Bを生成する。この際には、予め、色モザイク画像Mに対して階調変調処理を施す(たとえば変調色モザイク画像Mgの各画素値をγ乗する)ことにより、変調色モザイク画像Mgを生成し、この変調色モザイク画像Mgを処理対象画として用いる。出力画像R,G,Bを生成する際には、先ず色差画像C,Dと輝度画像Lとを生成する色分離処理を行ない、得られた色差画像C,Dと輝度画像Lとを用いて色空間変換処理を行なうことで出力画像R,G,Bを生成する。
【0134】
図18は、デモザイク処理部120を中心とする画像処理系の第2のデモザイク処理の概要を示している。ここでは図16に示す色・感度モザイクパターンP4で例示しているが、RGB以外の3色からなる色・感度モザイク画像や、4色からなる色・感度モザイク画像に適用することも可能である。この第2のデモザイク処理は、最初に色成分ごとに感度別の色補間処理を行なって色成分ごとの感度モザイク画像Msを生成した後に、この感度モザイク画像Msのそれぞれの感度を均一化して出力画像R,G,Bを生成するというもので、第1のデモザイク処理と色補間処理と感度均一化処理が逆の手順となっている点に特徴を有する。
【0135】
すなわち、第2のデモザイク処理は、図18に示すように、撮像部の処理によって得られた色・感度モザイク画像の画素の感度を変更することなく、各画素のRGB成分を補間してR成分の感度モザイク画像MsR、G成分の感度モザイク画像MsG、およびB成分の感度モザイク画像MsBを生成する感度別色補間処理と、R成分の感度モザイク画像MsR、G成分の感度モザイク画像MsG、およびB成分の感度モザイク画像MsBのそれぞれの感度を均一化して出力画像R,G,Bを生成する感度均一化処理からなる。
【0136】
第2のデモザイク処理における感度別色補間処理は、色・感度モザイク画像から同一の感度の画素だけを抽出する抽出処理と、抽出処理で抽出された画素のRGB成分の画素値を補間する色補間処理と、色補間処理で補間された画素値をRGB成分ごとに合成して感度モザイク画像を生成する挿入処理からなる。
【0137】
図19は、第2のデモザイク処理における抽出処理と色補間処理の概要を示している。抽出処理では、図19(A)に示すような色・感度モザイク画像から、対象感度Sαごとに、対象感度Sαの画素だけを抽出して、画素が市松状に配置された色モザイク画像McSαを生成する。たとえば、感度S0の画素だけを抽出して、画素が市松状に配置された図19(B)に示すような色モザイク画像McS0を生成する。
【0138】
色補間処理では、対象感度Sαごとに、色モザイク画像McSαから、対象感度Sαであってβ色成分を有する画素が市松状に配置された画像βSαを各色成分について生成する。たとえば、図19(B)に示す色モザイク画像McS0から、たとえば感度S0であってR成分を有する画素が市松状に配置された図19(C)に示すような画像RS0、感度S0であってG成分を有する画素が市松状に配置された画像GS0、および感度S0であってB成分を有する画素が市松状に配置された画像BS0を生成する。この色補間処理に際しては、第1のデモザイク処理における補間処理と同様にフィルタ処理を適用する。
【0139】
図20は、第2のデモザイク処理における挿入処理の概要を示している。挿入処理では、処理対象色βごとに、色補間処理によって生成された各感度に対応する画像βSαを組み合わせて、感度モザイク画像Msβを生成する。たとえば、R成分については、図20(A)に示すような画像RS0と図20(B)に示すような画像RS3とを組み合わせて、図20(C)に示すような感度モザイク画像MsRを生成する。
【0140】
第2のデモザイク処理における感度均一化処理では、第1のデモザイク処理における感度均一化処理と同様にフィルタ処理を適用して、処理対象色βについて、感度モザイク画像MsXβの左下の画素から右上の画素まで、順次1画素ずつ注目画素に設定し、注目画素に対応する局所和を算出する。たとえば、注目画素を中心とする5×5画素からなる参照画素の画素値を抽出し、それらの画素値と、参照画素の注目画素に対する相対的な位置に対応して予め設定されている所定のフィルタ係数とをそれぞれ乗算し、それらの積の総和を演算する。そして、その積の総和を、たとえば25個のフィルタ係数の総和で除算し、その商を注目画素に対応する局所和とする。最後に、インデックスとして対応する補償値を供給するように設定されている合成感度補償LUT(図25,図26参照)に、求めた局所和を照らし合わせることにより、感度特性を補償した対応する補償値を取得し、補償値を注目画素に対応する出力画像Rの画素値とする。これを全画素について繰り返すことで、処理対象色βの出力画像βを生成する。
【0141】
図21は、デモザイク処理部120を中心とする画像処理系の第3のデモザイク処理を主に実行するデモザイク処理部120の構成例を示している。なお、以下、特に断りがある場合を除き、色・感度モザイク画像は、図14の色・感度モザイクパターンP2であるとする。すなわち、画素の色は3原色RGBのうちのいずれかの色であり、感度はS0,S1,S2,S3のうちの一方であって、さらに、感度に拘わらず色だけに注目すれば、それらはベイヤ配列をなしているものとする。ただし、以下に説明する構成や動作は、RGB以外の3色からなる色・感度モザイク画像や、4色からなる色・感度モザイク画像に適用することも可能である。
【0142】
この第3のデモザイク処理は、撮像部の処理によって得られた色・感度モザイク画像から輝度画像を生成する輝度画像生成処理、および、色・感度モザイク画像と輝度画像を用いて出力画像R,G,Bを生成する単色画像処理からなる。この第3のデモザイク処理は、画素の色は3原色RGBのうちの何れかの色であり、さらに感度に拘わらず色だけに注目すれば、それらはベイヤ配列をなしているものに適用するのに好適である。ただし、以下に説明する構成や動作は、RGB以外の3色からなる色・感度モザイク画像や、4色からなる色・感度モザイク画像に適用することも可能である。
【0143】
第3のデモザイク処理を実行するデモザイク処理部120の構成例において、撮像系からの色・感度モザイク画像、色・感度モザイク画像の色モザイク配列を示す色モザイクパターン情報、および、色・感度モザイク画像の感度モザイク配列を示す感度モザイクパターン情報は、輝度画像生成部181、並びに単色画像生成部182〜184に供給される。
【0144】
単色画像生成部182は、供給される色・感度モザイク画像および輝度画像を用いて出力画像Rを生成する。単色画像生成部183は、供給される色・感度モザイク画像および輝度画像を用いて出力画像Gを生成する。単色画像生成部184は、供給される色・感度モザイク画像および輝度画像を用いて出力画像Bを生成する。
【0145】
図22は、デモザイク処理部120による第3のデモザイク処理の手順の概要を示すフローチャートである。デモザイク処理部120は、先ず、色・感度モザイク画像に輝度画像生成処理を施することによって輝度画像を生成するとともに、ノイズ除去処理を施す(S211)。この後、色・感度モザイク画像および輝度画像を用いて、それぞれ出力画像R,G,Bを生成する(S212)。
【0146】
図23は、輝度画像生成処理(S211)の詳細手順を示すフローチャートである。先ず、色・感度モザイク画像の全ての画素を注目画素としたか否かを判定する(S221)。そして、全ての画素を注目画素としていないと判定した場合、色・感度モザイク画像の左下の画素から右上の画素まで、順次1画素ずつ注目画素に決定する(S221−No,S222)。
【0147】
そして、色・感度モザイク画像に対して処理対象色βごとに、β成分推定処理を施すことにより、注目画素に対応する推定値R’を推定する(S223)。たとえば、色モザイクパターン情報および感度モザイクパターン情報を参照することにより、注目画素の近傍の画素(たとえば、注目画素を中心とする15×15画素)のうち、β成分を有し、かつ、感度Sαである画素を検出し、検出した画素(参照画素)の画素値を抽出する。そして、参照画素の注目画素に対する相対的な位置に対応し、予め設定されているβ成分用補間フィルタ係数を参照画素の数だけ取得し、各参照画素の画素値と対応するフィルタ係数を乗算し、それらの積の総和を演算し、その積の総和を、用いたβ成分用補間フィルタ係数の総和で除算して感度Sαについての商を取得する。これを、全ての感度Sα(本例ではS0,S1,S2,S3)について求める。この後、それぞれの商を加算して和を求める(感度均一化処理に相当する)。この後、合成感度補償LUT(図25,図26参照)に照らし合わせることにより、感度特性を補償した補償値を取得することで、注目画素に対応する推定値β’とする。
【0148】
各色ごとに推定値β’を求めた後には、この推定値β’に色バランス係数kβを乗算する。そして、それぞれの積β’・kβを加算して、その和を注目画素に対応する輝度候補画像の画素値(輝度候補値)とする(S224)。ここで、色バランス係数kβは、予め設定されている値であり、たとえば、kR=0.3、kG=0.6、kB=0.1である。なお、色バランス係数kR,kG,kBの値は、基本的には輝度候補値として輝度変化に相関がある値を算出することができればよい。したがって、たとえば、kR=kG=kBとしてもよい。
【0149】
処理は、ステップS221に戻り、全ての画素を注目画素としたと判定されるまで、ステップS221〜224の処理が繰り返される。ステップS221において、全ての画素を注目画素としたと判定された場合、ステップS225にすすむ。なお、ステップS221〜224の処理によって生成された輝度候補画像はノイズ除去処理に供される(S225)。
【0150】
ノイズ除去処理(S225)においては、輝度候補画像にノイズ除去処理を施すことによって輝度画像を生成する。具体的には、先ず、輝度候補画像の左下の画素から右上の画素まで順次1画素ずつ注目画素に設定する。そして、注目画素の上下左右に位置する画素の画素値(輝度候補値)を取得し、取得した注目画素の上下左右に位置する画素輝度候補値を、それぞれ変数a3,a0,a1,a2に代入する。次に、輝度勾配を考慮した方向選択的平滑化処理、すなわち注目画素に対応する水平方向の平滑化成分Hhと垂直方向の平滑化成分Hvの寄与率を考慮した平滑化処理を実行することにより、注目画素に対応する平滑化値Aveを取得する。この後、注目画素の画素値(輝度候補値)と注目画素に対応する平滑化値Aveの平均値を演算し、当該平均値を注目画素に対応する輝度画像の画素値(輝度値)とする。これを全ての画素について繰り返すことで、ノイズ除去処理が施された輝度画像を生成する。単純な平滑化処理ではノイズを低減可能であるもののエッジ成分も平滑化されしまうが、この処理により、エッジ成分を保存しつつノイズだけを低減可能で、エッジ保存性のよい平滑化処理となる。
【0151】
なお、ノイズ除去処理に際しては、注目画素の勾配ベクトルと位置ベクトルとの内積の絶対値を1から除算し、その差のρ乗を演算することにより、参照画素に対する重要度を求め、この重要度を加味した平滑化処理を実行してもよい。この場合、画像内の物体の輪郭を検出し、輪郭に平行して平滑化を実行するようになるので、色モアレの発生を抑止するこができる。
【0152】
図24は、単色画像生成処理の詳細手順を示したフローチャートである。単色画像生成処理においては、先ず、色・感度モザイク画像に補間処理を施すことによって、全ての画素がR成分の画素値を有するR候補画像を生成する(S161)。なお、補間処理は、輝度画像生成処理におけるβ成分推定処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0153】
この後、比率値算出処理を施すことによって強度比率を算出し、さらに、各画素に対応する強度比率を示す比率値情報を生成する(S162)。たとえば、β成分候補画像の左下の画素から右上の画素まで順次1画素ずつ注目画素に設定する。そして、注目画素の近傍に位置する画素(たとえば注目画素を中心とする7×7画素)を参照画素し、それらの画素値(β成分の単色候補値)と、参照画素と同じ座標に位置する輝度画像の画素値(輝度値)を抽出する。そして、参照画素の注目画素に対する相対的な位置に対応し、予め設定されている平滑化フィルタ係数を参照画素の数だけ取得する。この後、各参照画素のβ成分の単色候補値に対応する平滑化フィルタ係数を乗算し、その積を対応する輝度値で除算して、それらの商の総和を演算する。さらに、その商の総和を、用いた平滑化フィルタ係数の総和で除算して、その商を注目画素に対応する強度比率として、比率値情報を生成する。これをβ候補画像の全ての画素を注目画素としたと判定するまで繰り返すことで、β候補画像の全ての画素についての強度比率を生成する。
【0154】
この後、輝度画像の各画素の画素値に、対応する強度比率を乗算することで、処理対象色βについて、その積を画素値とする出力画像βを生成する(S163)。
【0155】
図25および図26は、2×2(画素あるいはエリア)を単位マトリクスとして、異なるシャッタ速度(電荷蓄積時間)で撮像を行なったときの、感度均一化処理や推定処理(S223)にて用いる合成感度補償LUTの一例を示す図である。先ず図25(A)は、低感度側S0,S1の画素の特性曲線と、高感度側S2,S3の画素の特性曲線を示しており、図25(B)は、合成処理により得られる広ダイナミックレンジ画像の特性曲線を示しており、それぞれ、横軸は入射光の強度(L)、縦軸は画素値(I)を示す。また図26は、合成感度補償LUTの特性曲線を示しており、縦軸は入射光の強度(L)、横軸は画素値(I)を示す。図25(B)において、符号BD1(BD;Broad Dynamic range )に示す非線形の曲線は上述した第1や第3のデモザイク処理におけるもので、符号BD2に示す非線形の曲線は上述した第2のデモザイク処理におけるものである。
【0156】
図25(A)において、高感度側つまり電荷蓄積時間の最も長い感度S3は、最も低感度側つまり電荷蓄積時間の短い方の感度S0に対して4倍の感度を有しており、また、2番目に高感度側つまり電荷蓄積時間が2番目に長い感度S2は、最も電荷蓄積時間の短い感度S0に対して3倍の感度を有する。また、2番目に低感度側つまり電荷蓄積時間が2番目に長短い感度S1は、最も電荷蓄積時間の短い感度S0に対して2倍の感度を有している。
【0157】
すなわち、低速シャッタ速度に相当する長時間露光蓄積(感度S2,S3)での撮像は、電荷の蓄積時間が長いために、被写体の暗部をより明確に撮像することができる一方で、被写体の明るさが、感度S3のものは100%、感度S2のものは200%を越える高輝度部分については撮像素子出力が100%のレベルで飽和してしまい、良好な画像を得ることができない。
【0158】
一方、高速なシャッタ速度に相当する短時間露光蓄積(感度S0,S1)で撮像を行なうと、電荷生成部32に蓄積される光量が減少することになるために、より傾斜の緩やかな撮像素子出力を得ることができ、図25(A)の前記100%,200%を越える明るさの被写体についても撮像信号が飽和してしまうことはない。ただしこの場合でも、それぞれ図示の300%あるいは400%を越える高輝度部分については撮像素子出力が100%のレベルで飽和してしまう。
【0159】
こうして、相対的に低速のシャッタでの撮像において飽和してしまうような高輝度部分の画像を、相対的に高速のシャッタでの画像で補うことにより、図25(B)の符号BD1,BD2に示す非線形の曲線で示されるように、暗部が潰れることがなく、かつ高輝度部分が白飛びすることのない広ダイナミックレンジの画像を得ることができる。なお、符号BD1で示す曲線は、感度設定すなわち露光蓄積時間設定を4段階としているので、符号BD2で示す2段階で設定される場合よりも滑らかな階調を持つ広ダイナミックレンジ画像となる。
【0160】
このとき、高速側のシャッタで得られるデータをそれぞれx0(感度S0),x1(感度S1)、低速側のシャッタで得られるデータをy2(感度S2),y3(感度S3)とすると、第1や第3のデモザイク処理にてダイナミックレンジ拡大処理されたデータz1(曲線BD1に相当)は式(1−1)、第2のデモザイク処理にてダイナミックレンジ拡大処理されたデータz2(曲線BD2に相当)は式(1−2)のように表される。なお、関数LS0,LS1,HS0,HS1は、単位マトリクス内の個々の単位画素3の出力特性その他を考慮して定義される関数である。
z1=Ls0(x0,x1,y2,y3)+Ls1(x0,x1,y2,y3)+Hs0(x0,x1,y2,y3)+Hs1(x0,x1,y2,y3)…(1−1)
z2=Ls0(x0,y3)+Ls1(x0,y3)+Hs0(x0,y3)+Hs1(x0,y3)…(1−2)
【0161】
このようにダイナミックレンジ拡大処理は、一般的に非線形の処理となるために、各撮像の度に演算処理を行なっていたのでは、処理の負担が増加して処理時間も長くなってしまう。そこで、この数式(1−1),(1−2)により行なわれる処理を予めテーブル化してルック・アップ・テーブルとしておき、実際の処理ではこれを参照した結果を出力すれば良いように構成することが望ましい。
【0162】
たとえば、推定処理(S223)では、図25(A)の特性曲線S0,S1に示すような特性で測定された低感度側の画素から算出された商と、同図の特性曲線S2,S3に示すような特性で測定された高感度側の画素を用いて算出された商とが加算されている。したがって、求められた和は、図25(B)の特性曲線BD1に示すように、低感度側と高感度側の特性が合成された特性を有することになる。この合成された特性曲線BD1は、低輝度から高輝度にわたる広ダイナミックレンジの特性となるが、図25(A)に示すように折れ線となっているので、感度特性曲線BDの逆特性曲線を用いることにより、元のリニアな特性を復元するようにする。
【0163】
具体的には、図26に示すように、全ての感度についての商の和を図25(B)の感度特性曲線BD1の逆特性曲線d1に適用して非線形性を補償するようにする。第1のデモザイク処理でも、逆特性曲線d1に適用して非線形性を補償する。また、第2のデモザイク処理では感度特性曲線BD2の逆特性曲線d2に適用して非線形性を補償する。すなわち、合成感度補償LUTは、図26の逆特性曲線d1,d2をルック・アップ・テーブル化したものである。
【0164】
以上説明したように、本実施形態の固体撮像装置1の構成によれば、フォトダイオードPDなどの電荷生成部により生成された電荷を蓄積する電荷蓄積部(電荷蓄積機能を兼ね備えていてもよい)、この電荷生成部と電荷蓄積部との間に配設され電荷生成部により生成された電荷を電荷蓄積部に転送する転送ゲート部、および電荷蓄積部に蓄積した電荷に応じた画素信号を生成する画素信号生成部を含む単位画素を2次元状に備えてなるアクティブピクセルイメージセンサにおいて、2次元状の複数の単位画素からなる単位マトリクスごとに、各単位画素についての電荷蓄積時間を所定の段階で制御するようにした。たとえば、電荷の移動を行なう転送ゲート部を駆動するための転送クロック線と電荷蓄積部をリセットするためのリセットクロック線とを、それぞれ独立に駆動パルスを印加可能な複数系統に分けるとともに、転送クロック線とリセットクロック線とを交差するように配置する。
【0165】
これにより、偶奇ラインだけの制御に限らずライン内でも細かに電荷蓄積時間を制御可能となり、たとえば単位エリアをm×nのマトリクスで蓄積時間をコントロールすることができる。そしてこのような制御の元で得られる画素信号を処理することにより、ダイナミックレンジの広いモノクロ画像やカラー画像を得ることができるようになった。加えて、ライン内でも細かに電荷蓄積時間を制御可能としたので、2段階に限らずより多段階(たとえば4段階以上)の蓄積時間を細かに設定することが可能となり、非常に滑らかな階調をもつ広ダイナミックレンジ画像の生成に有利となる。
【0166】
また、電荷生成部により生成された電荷をフローティングディフュージョンFDなどの電荷蓄積部に一旦転送してから所定のタイミングで信号電荷を取り出す構成としているので、グローバルシャッタ機能と組み合わせることで、異なった蓄積時間を持つ画素の露光期間の同時性を高めることができる。このことは、ライン方向(行方向)のシェーディングを防止しつつ、動きのある被写体(移動体)を広ダイナミックレンジで正しく撮像する上で有利である。
【0167】
図27は、第4のデモザイク処理の概要を示す図である。この第4のデモザイク処理は、カラー画像撮像時において、カラーフィルタ繰返し単位で露光制御を行なう場合の第1例の処理手法を示すものである。ここでは、R,G,Bのカラーフィルタ配列がベイヤ配列であり、感度がS0,S1,S2,S3の4段階でる場合で説明する。ただし、以下に説明する構成や動作は、RGB以外の3色からなる色・感度モザイク画像や、4色あるいはそれ以上からなる色・感度モザイク画像に適用することも可能である。また、感度が9段階やそれ以上などである色・感度モザイクパターンに適用することも可能である。
【0168】
第4のデモザイク処理は、図27に示すように、撮像系の処理によって得られたカラーフィルタ繰返し単位で露光制御された色・感度モザイク画像について、そのカラーフィルタ繰返し単位ごとに色分離処理を行なうことでRGB成分ごとに感度モザイク画像を復元する色分離処理と、色分離処理により得られる感度モザイク画像の感度を均一化して画像を復元する感度均一化処理と、復元された画像に基づいて最終的な出力画像(輝度信号Y+色信号C)を生成する出力画像生成処理とからなる。
【0169】
色分離処理としては、ベイヤ配列に応じた処理を施すのは言うまでもない。これにより、感度に拘わらず、カラーフィルタ繰返し単位ごとに、比較的低周波のRL成分およびBL成分(参照符号LはLow Frequency を示す)と、R成分およびB成分に対して2倍の周波数成分を有する比較的高周波のGH成分(参照符号HはHigh Frequencyを示す)とが得られる。ただし、カラーフィルタ繰返し単位で露光蓄積時間がそれぞれ異なる値に設定されているので、得られる各画像は、感度の面でモザイク状となった感度モザイク画像となっている。
【0170】
そこで、感度均一化処理では、先ず、比較的低周波のRL成分およびBL成分の各感度モザイク画像に基づいて、カラーフィルタ繰返し単位(本例では2×2画素の単位マトリクス)で、各単位マトリクスについての画素値を、その近傍の同じ色の有効な単位マトリクスの画素値を用いて補間する。また、比較的高周波のGH成分の感度モザイク画像に基づいて、各画素についての画素値を、その近傍の同じ色の有効な画素の画素値を用いて補間する。これにより、R成分およびB成分についての単位マトリクスは、元の色の感度S0,S1,S2,S3の各画素値を有するようになる。この後、単位マトリクスごとに感度S0,S1,S2,S3の画素値を合成することで、R成分とB成分とについて感度が均一化された画像を得る。このR成分およびB成分の画像は、1つの単位マトリクスが出力画像の4画素に対応する。一方、G成分についての画素は、元の色の感度S0,S1,S2,S3の各画素値を有するようになる。この後、画素ごとに感度S0,S1,S2,S3の画素値を合成することで、G成分について感度が均一化された画像を得る。このG成分の画像は、1つの単位画素3が出力画像の1画素に対応する。
【0171】
出力画像生成処理においては、従来から行なわれていると同様にして、専ら色情報の生成に寄与するR成分およびB成分と、R成分およびB成分に対して2倍の周波数成分を有するG成分とに基づいて、高域および低域に分けた輝度信号生成処理と色差信号生成処理を伴う色信号生成処理を行なうことで、最終的な出力画像(輝度信号+色信号)を生成する。
【0172】
このように、第4のデモザイク処理によれば、カラーフィルタ繰返し単位での露光制御を行なうことによりえた画素信号に基づいて、通常の色分離処理を行なった後に感度均一化処理にて画像を復元することができ、広ダイナミックレンジのカラー画像の生成が容易であるという利点が得られる。
【0173】
図28は、第5のデモザイク処理の概要を示す図である。この第5のデモザイク処理は、カラー画像撮像時において、カラーフィルタ繰返し単位で露光制御を行なう場合の第2例の処理手法を示すものである。この第5のデモザイク処理は、図28に示すように、撮像系の処理によって得られたカラーフィルタ繰返し単位で露光制御された色・感度モザイク画像の感度を均一化することで、通常の露光状態と同様の画像を得る感度均一化処理と、通常露光状態に戻された画像から各画素のRGB成分を復元する色分離処理と、色分離処理により得られる画像に基づいて最終的な出力画像(輝度信号Y+色信号C)を生成する出力画像生成処理とからなる。第4のデモザイク処理との違いは、色分離処理と感度均一化処理が逆の手順となっている点にある。この第5のデモザイク処理の場合、感度均一化処理後の処理は、通常モード時の処理と完全に同じにすることができるので、全体の回路構成がコンパクトになり、たとえば、図1(C)に示した外部回路100のように、デジタル信号処理部(DSP)130を兼用することが可能となる。
【0174】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0175】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0176】
たとえば、上記実施形態では、複数系統に分けられた各転送クロック線とリセットクロック線とを互いに交差するように配置していたが、これに限らず、少なくとも水平列と垂直列の単位画素がそれぞれ複数系統に分けられて駆動される構造として、結果的に、転送クロック線とリセットクロック線に対して対応する駆動パルスを印加することで感度特性がモザイク状を呈する感度モザイク画像が固体撮像素子から出力されるようになっていればよい。たとえば、単位画素ごとにゲート回路を設けて単位マトリクス内で個別の露光蓄積時間が設定可能な構造としてもよい。
【0177】
また、上記実施形態では、電荷注入部の一例であるフローティングディフュージョンを利用したFDA構成の画素信号生成部5を一例に説明したが、画素信号生成部5は、必ずしもFDA構成のものでなくてもよい。たとえば、転送電極の下の基板に電荷注入部の一例であるフローティングゲートFG(Floating Gate )を設け、フローティングゲートFG下のチャネルを通過する信号電荷の量でフローティングゲートFGの電位変化が生じることを利用した検出方式の構成としてもよい。
【0178】
また、電荷蓄積部44は、転送電極を備えた構成のものとして説明したが、転送電極を持たないバーチャルゲートVG(Virtual Gate)構造のものとしてもよい。
【0179】
また、上記実施形態では、行および列状に配列された画素からの信号出力が電圧信号であって、CDS処理機能部が各列ごとに設けられたカラム型の固体撮像装置を一例として説明したが、固体撮像装置は、カラム型のものに限らない。たとえば、画素からの信号出力が電流信号である固体撮像装置に、単位マトリクス実施形態の構成を適用することも可能である。
【0180】
また、上記実施形態の固体撮像装置は、水平走査回路12や垂直走査回路14などの駆動制御部7の各要素を撮像部10とともに単結晶シリコンなどの半導体領域に一体的に形成されているものとして説明したが、撮像部10と駆動制御部7とは別体のものであってもよい。たとえば、撮像部10と駆動制御部7とが別体の半導体領域に形成され、撮像部10がカメラヘッドとして使用される形態の構成としてもよい。あるいは、上記実施形態で示した駆動制御部7の一部のみが撮像部10と一体的に形成されたものであってもよい。この場合、水平走査回路12、垂直走査回路14、垂直列選択駆動部16の部分を撮像部10と一体化するのが好ましい。
【0181】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電荷生成部により生成された電荷を電荷蓄積部に一旦転送してから所定のタイミングで信号電荷を取り出す構成のアドレス制御型固体撮像素子において、m×nの単位画素で構成された単位マトリクス内では各単位画素の電荷蓄積時間が異なり、かつ、単位マトリクス同士では対応する位置の単位画素の電荷蓄積時間が同じとなるように駆動可能な構成にすることにより、単位マトリクス内では画素の感度特性が異なり、単位マトリクス同士では対応する位置の画素の感度特性が同じとなる、感度特性がモザイク状を呈する感度モザイク画像を表わす撮像信号が前記撮像部から出力されるようにした。
【0182】
これにより、偶奇ラインに拘わらずライン内でも細かに電荷蓄積時間を制御可能となり、m×nの単位マトリクス内の単位画素や単位フィルタごとに蓄積時間を違えて撮像することで感度モザイク画像が得られる。そして、この感度モザイク画像の単位画素の感度を均一化する処理を施すことで、ダイナミックレンジの広いモノクロ画像やカラー画像を得ることができるようになった。
【0183】
加えて、ライン内でも細かに電荷蓄積時間を制御することができるので、2段階に限らずより多段階(たとえば4段階以上)の蓄積時間を細かに設定することが可能となり、非常に滑らかな階調をもつ広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。
【0184】
また、電荷生成部により生成された電荷を電荷蓄積部に一旦転送してから所定のタイミングで信号電荷を取り出す構成としているので、グローバルシャッタ機能と組み合わせることで、異なった蓄積時間を持つ画素の露光期間の同時性を高めることができ、ライン方向のシェーディングを防止しつつ、動きのある被写体(移動体)を広ダイナミックレンジで正しく撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した固体撮像装置の撮像部における単位画素の第1実施形態の詳細例を示した図である。
【図3】第1実施形態の単位画素を備えた固体撮像装置における走査のタイミングチャートの一例である。
【図4】2×2画素の単位マトリクスの概略構成を示す図である。
【図5】2×2画素の単位マトリクスとする場合のリセットTr駆動クロック線と転送ゲート駆動クロック線の配線形態の一例を示す図である。
【図6】単位マトリクス内の個々の単位画素に対する駆動タイミングと電荷量の時間変化の一例を示す図である。
【図7】図1に示した固体撮像装置の撮像部における単位画素の第2実施形態の詳細例を示した図である。
【図8】図1に示した固体撮像装置の撮像部における単位画素の第3実施形態の詳細例を示した図である。
【図9】第3実施形態の単位画素を備えた固体撮像装置における走査のタイミングチャートの一例である。
【図10】3×3画素を単位マトリクスとした駆動手法を説明する図である。
【図11】2×2画素を単位マトリクスとしつつ、読出選択用トランジスタとリセットトランジスタの配線対象の行/列を逆にした構成を示す図である。
【図12】2×2画素を単位マトリクスとしつつ、行列方向に対して斜め方向に読出選択用トランジスタとリセットトランジスタの駆動クロック線を設けた構成を示す図である。
【図13】色・感度モザイクパターンP1を示す図である。
【図14】色・感度モザイクパターンP2を示す図である。
【図15】色・感度モザイクパターンP3を示す図である。
【図16】色・感度モザイクパターンP4を示す図である。
【図17】第1のデモザイク処理の概要を示す図である。
【図18】第2のデモザイク処理の概要を示す図である。
【図19】第2のデモザイク処理における抽出処理と色補間処理の概要を示す図である。
【図20】第2のデモザイク処理における挿入処理の概要を示す図である。
【図21】第3のデモザイク処理の概要を示す図である。
【図22】第3のデモザイク処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】輝度画像生成処理(S111)の詳細手順を示すフローチャートである。
【図24】単色画像生成処理の詳細手順を示したフローチャートである。
【図25】合成感度補償LUTについて説明するための図である。(その1)
【図26】合成感度補償LUTについて説明するための図である。(その1)
【図27】第4のデモザイク処理の概要を示す図である。
【図28】第5のデモザイク処理の概要を示す図である。
【符号の説明】
1…固体撮像装置、3…単位画素、5…画素信号生成部、7…駆動制御部、10…撮像部、12…水平走査回路、14…垂直走査回路、16…垂直列選択駆動部、20…タイミングジェネレータ、26…CDS処理部、28…出力バッファ、32…電荷生成部、34…読出選択用トランジスタ、36…リセットトランジスタ、38…フローティングディフュージョン、39…遮光部材、40…垂直選択用トランジスタ、42…増幅用トランジスタ、44…電荷蓄積部、46…転送ゲート部、48…制御スイッチ、50…水平選択用トランジスタ、100…外部回路100、110…A/D変換部、120…デモザイク処理部、130…デジタル信号処理部、132…選択部、136…D/A変換部
Claims (14)
- それぞれ画素に対応して、光を受光する受光面を有し受光した光に対応する電荷を生成する電荷生成部、前記電荷生成部により生成された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷生成部と前記電荷蓄積部との間に配設され前記電荷生成部により生成された電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送ゲート部、前記電荷蓄積部に蓄積されている電荷を掃き出させるリセット部、および、前記電荷蓄積部に蓄積した電荷に応じた画素信号を生成して指示されたタイミングで後段回路へ出力する画素信号生成部を含む単位画素が2次元状に備えられている撮像部と、
前記撮像部に配線されている前記転送ゲート部を駆動するための駆動パルスを伝送する転送クロック線、および前記転送クロック線と互いに交差するように配置され、前記リセット部を駆動するための駆動パルスを伝送するリセットクロック線と、
を備え、
m×nの単位画素で構成された単位マトリクス内では各単位画素の電荷蓄積時間が異なり、かつ、単位マトリクス同士では対応する位置の単位画素の電荷蓄積時間が同じとなる対応する駆動パルスが前記転送クロック線と前記リセットクロック線に印加されることにより、単位マトリクス内では画素の感度特性が異なり、単位マトリクス同士では対応する位置の画素の感度特性が同じ状態となる、感度特性がモザイク状を呈する感度モザイク画像を表わす撮像信号が前記撮像部から出力される
固体撮像装置。 - 前記電荷生成部の受光面上に、複数の色成分からなるカラー画像を撮像するためのカラーフィルタが配列されており、
前記転送クロック線と前記リセットクロック線は、互いに交差するように配置されるとともに、前記カラーフィルタの配列における繰返し単位を単位エリアとし、m×nの単位エリアで構成された単位マトリクス内では各単位エリアの電荷蓄積時間が異なり、かつ、単位マトリクス内の各単位画素の電荷蓄積時間が同じとなるように、対応する駆動パルスが印加される
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 同一の受光感度を有する複数の前記単位画素が格子状に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像装置。 - 前記電荷生成部の受光面上に、複数の色成分からなるカラー画像を撮像するためのカラーフィルタが配列されており、
前記転送クロック線と前記リセットクロック線は、前記カラーフィルタの配列における繰返し単位を単位エリアとし、m×nの単位エリアで構成された単位マトリクス内では各単位エリアの感度特性がそれぞれ異なり、かつ、単位マトリクス同士では対応する位置の単位エリアの感度特性がそれぞれ同じ状態の、色特性もモザイク状を呈する色・感度モザイク画像を表わす撮像信号が前記撮像部から出力されるように、対応する駆動パルスが印加される
請求項1または2に記載の固体撮像装置。 - 前記複数の色成分は、3原色成分であり、
前記カラーフィルタは、前記色・感度モザイク画像を色成分だけに注目した場合には、ベイヤ配列をなすように配列されている
請求項4に記載の固体撮像装置。 - 前記色・感度モザイク画像を感度だけに注目した場合には、前記カラーフィルタの配列における繰返し単位ごとに、同一の感度特性を有する画素が格子状に配置される
請求項4または5に記載の固体撮像装置。 - 前記単位画素の表面には光を遮光する遮光部材が設けられており、この遮光部材の少なくとも前記電荷生成部の上部には開口部が形成されている
請求項1,2,4の内の何れか一項に記載の固体撮像装置。 - 前記遮光部材は、少なくとも、前記転送ゲート部と前記画素信号生成部との間に配されている前記電荷蓄積部の表面部分に設けられている、
請求項7に記載の固体撮像装置。 - 前記電荷生成部は当該電荷生成部にて生成した電荷を蓄積する第2の電荷蓄積部の機能を備えている
請求項1または2に記載の固体撮像装置。 - それぞれ画素に対応して、光を受光する受光面を有し受光した光に対応する電荷を生成する電荷生成部、前記電荷生成部により生成された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷生成部と前記電荷蓄積部との間に配設され前記電荷生成部により生成された電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送ゲート部、前記電荷蓄積部に蓄積されている電荷を掃き出させるリセット部、および、前記電荷蓄積部に蓄積した電荷に応じた画素信号を生成して指示されたタイミングで後段回路へ出力する画素信号生成部を含む単位画素が2次元状に備えられている撮像部と、前記撮像部に配線されている前記転送ゲート部を駆動するための駆動パルスを伝送する転送クロック線、および前記転送クロック線と互いに交差するように配置され、前記リセット部を駆動するための駆動パルスを伝送するリセットクロック線とを備えた固体撮像素子と、
m×nの単位画素で構成された単位マトリクス内では各単位画素の電荷蓄積時間が異なり、かつ、単位マトリクス同士では対応する位置の単位画素の電荷蓄積時間が同じとなる駆動パルスを前記転送クロック線と前記リセットクロック線に対して印加する駆動制御部と、
を備え、
単位マトリクス内では画素の感度特性が異なり、単位マトリクス同士では対応する位置の画素の感度特性が同じ状態となる、感度特性がモザイク状を呈する感度モザイク画像を表わす撮像信号が前記撮像部から出力される
撮像装置。 - 前記駆動制御部は、前記感度モザイク画像の単位マトリクス内のそれぞれの感度が全て異なるように前記駆動パルスの印加タイミングを調整する
請求項10に記載の撮像装置。 - 前記固体撮像素子から出力された前記モザイク画像に基づいて感度が均一化された被写体画像を復元する画像処理部
を備えた請求項10または11に記載の撮像装置。 - 前記画像処理部は、1枚分の前記モザイク画像を用いて空間的な補間処理を施すことにより前記被写体画像を復元する
請求項12に記載の撮像装置。 - 前記駆動制御部は、同位置の画素では1枚の前記モザイク画像にて取り得る全ての感度の画素値を取り得るように前記駆動パルスの印加タイミングを調整して複数枚の前記モザイク画像を前記固体撮像素子に撮像させ、
前記画像処理部は、それぞれが感度パターンの異なる複数枚分の前記モザイク画像を用いて時間的な補間処理を施すことにより前記被写体画像を復元する
請求項12に記載の撮像装置。
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