JP4500222B2 - マルチビーム露光装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数ドラム方式カラープリンタ装置、複数ドラム方式カラー複写機、多色カラープリンタ、多色カラー複写機、単色の高速レーザプリンタ、単色の高速デジタル複写機等に使用され、複数の光ビームを走査するマルチビーム露光装置に関する。
たとえば、複数ドラム方式カラープリンタあるいは複数ドラム方式カラー複写機などの画像形成装置では、色分解された色成分に対応する複数の画像形成部、及び、この画像形成部に、色成分に対応する画像データすなわち複数のレーザビームを提供するレーザ露光装置すなわち光走査装置が利用されている。
光走査装置は、半導体レーザ素子から出射されたレーザビームの断面ビーム径を所定の大きさに絞り込む第1のレンズ群、第1のレンズ群により絞り込まれたレーザビームを記録媒体が搬送される方向と直交する方向に連続的に反射する光偏向装置、光偏向装置により偏向されたレーザビームを記録媒体の所定の位置に結像させる第2のレンズ群などを有している。なお、多くの場合、光偏向装置によりレーザビームが偏向される方向が主走査方向ならびに記録媒体が搬送される方向すなわち主走査方向と直交する方向が副走査方向と示される。
この種の光走査装置としては、適用される画像形成装置に合わせて、各画像形成部のそれぞれに対応して複数の光走査装置が配置される例と、複数のレーザビームを提供可能に形成されたマルチビーム光走査装置が配置される例とが知られている。
以降、偏向装置の回転軸方向を副走査方向、光学系の光軸及び偏向器の回転軸方向に垂直な方向を主走査方向と呼ぶこととする。光学系での副走査方向は、画像形成装置では、転写材の搬送方向に対応し、主走査方向は、転写材面内での搬送方向に垂直な方向を示す。また、像面は転写材面、結像面は実際にビームが結像する面を示すものとする。
Figure 0004500222
焦点移動: (t× (1−1/n) )
球面収差:Bi=−t×u× (n−1) /n
コマ収差:Fi=−t×u× (n−1) /n
非点収差:Ci=−t×u× (n−1) /n
で示される。
このうち、焦点移動は、有限レンズとハイブリッドシリンダレンズ間光路長をt× (1−1/n) だけ増すことにより完全にキャンセルすることができる。
球面収差については、像面をガウス像面と、主走査方向、副走査方向それぞれの周辺光線が主光線に交わる位置の中点に移動するよう、有限レンズとシリンダレンズ間、及び、シリンダレンズとポリゴンミラー反射点間光路長を適性に設定することにより、影響を小さくすることができる。
非点収差は、有限レンズとシリンダレンズ間及び、シリンダレンズとポリゴンミラー反射点間光路長を最適に配置することにより、完全にキャンセルすることができる。
これに対し、コマ収差については、これまでのところ、補正方法が提案されておらず、像面での結像特性に影響が生じている。
収差の無い光学系で、ビームウエスト径ω0のレーザ光がzだけデフォーカスした際、その径ωは
ω=ω0 (1+ (λz/ (πω0 ) ) ) 1/2 ‥‥‥ (A)
(ここに、λは、波長)
となる
デフォーカスがzだけあると、ビーム径が、 (A) 式で表されるωからω0まで変動してしまい、これが画像等の線の太さ、濃度の変動等に影響を及ぼすことが知られている
これとは別に、プラスチックレンズによりfθレンズを構成する場合に、光学系自体を小型化するために、レンズを像面から離すと、温度および湿度の変化により、副走査方向のデフォーカス量が変動することが知られている。また、この場合、主走査方向のビーム位置が変動することが知られている。
この発明の目的は、複数のビームを走査するマルチビーム露光装置のコマ収差の影響を低減するとともに、副走査方向のデフォーカス量及び主走査方向のビーム位置が変動することを抑止することにある。
この発明は、光源と、所定の球面収差を有し、前記光源から出射された光を収束光にする有限焦点レンズと、前記有限焦点レンズからの出射光を副走査方向に収束させるため、前記副走査方向と直交する主走査方向と比較して絶対値の大きな正のパワーを有する光学部材と、回転可能に形成された反射面を有し、前記光学部材を出た光を前記主走査方向に偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された光を感光体表面に等速で走査するように結像し、前記偏向手段と前記感光体表面を前記副走査方向に関して共役な関係として前記偏向手段の面倒れを補正する機能を持つ第2のレンズで構成される光学手段と、を有し、前記有限焦点レンズの球面収差は、前記主走査方向において、前記光源から出射され、前記有限焦点レンズの光軸を通る光である主光線近傍を通る光が前記主光線と交わる位置を、前記感光体表面よりも前記光源側に位置させるものであり、前記光源から出射され、前記有限焦点レンズの最外郭光線近傍を通る光と前記主光線とが交わる位置を、前記感光体表面よりも前記光源と反対側に位置させるものであることを特徴とする前記感光体表面を露光するためのマルチビーム露光装置である。
Figure 0004500222
以上説明したようにこの発明の露光装置によれば、像面位置が変動した際の、ビーム径変動を抑えることができる。
以下、図面を用いてこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の実施の形態であるマルチビーム光走査装置が利用されるカラー画像形成装置が示されている。なお、この種のカラー画像形成装置では、通常、Yすなわちイエロー、Mすなわちマゼンタ、CすなわちシアンおよびBすなわちブラック (黒) の各色成分ごとに色分解された (黒は墨入れ用) 4種類の画像データと、Y,M,CおよびBのそれぞれに対応して各色成分ごとに画像を形成するさまざまな装置が4組利用されることから、各参照符号に、Y,M,CおよびBを付加することで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別することとする。
図1に示されるように、画像形成装置100は、色分解された色成分すなわちY=イエロー、M=マゼンタ、C=シアンおよびB=ブラック (黒) ごとに画像を形成する第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bを有している。
それぞれの画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、図2を用いて後述するマルチビーム光走査装置1の第1の折り返しミラー33Bおよび第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cにより各色成分の画像情報を露光するためのレーザビームL (Y,M,CおよびB) が出射される位置のそれぞれに対応する光走査装置1の下方に、50Y,50M,50Cおよび50Bの順で直列に配置されている。
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の下方には、それぞれの画像形成部50 (Y,M,CおよびB) を介して形成された画像を転写される転写材を搬送する搬送ベルト52が配置されている。
搬送ベルト52は、図示しないモータにより、矢印の方向に回転されるベルト駆動ローラ56ならびにテンションローラ54に掛け渡され、ベルト駆動ローラ56が回転される方向に所定の速度で回転される。
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、矢印方向に回転可能な円筒状に形成され、光走査装置1により露光された画像に対応する静電潜像が形成される感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bを有している。
各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の周囲には、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 表面に所定の電位を提供する帯電装置60Y,60M,60Cおよび60B、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に形成された静電潜像に対応する色が与えられているトナーを供給することで現像する現像装置62Y,62M,62Cおよび62B、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) との間に搬送ベルト52を介在させた状態で搬送ベルト52の背面から各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に対向され、搬送ベルト52により搬送される記録媒体すなわち記録用紙Pに、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) のトナー像を転写する転写装置64Y,64M,64Cおよび64B、各転写装置64 (Y,M,CおよびB) による用紙Pへのトナー像の転写の際に転写されなかった感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上の残存トナーを除去するクリーナ66 (Y,M,CおよびB) ならびに各転写装置64 (Y,M,CおよびB) によるトナー像の転写のあとに感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上に残った残存電位を除去する除電装置68 (Y,M,CおよびB) が、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) が回転される方向に沿って、順に、配置されている。
なお、光走査装置1の各ミラー37Y,37M,37Cおよび33Bを介して各感光体ドラム58に案内されるレーザビームLY,LM,LCおよびLBは、それぞれのミラー37Y,37M,37Cおよび33Bに対応されるそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上で、副走査方向にNi本、この例では、各レーザビームLY,LM,LCおよびLBのそれぞれともに2本 (N1=N2=N3=N4=2) に分離され、各帯電装置60 (Y,M,CおよびB) と各現像装置62 (Y,M,CおよびB) との間に照射される。
搬送ベルト52の下方には、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) により形成された画像が転写される記録用紙Pを収容している用紙カセット70が配置されている。
用紙カセット70の一端であって、テンションローラ54に近接する側には、おおむね半月状に形成され、用紙カセット70に収容されている用紙Pを最上部から1枚ずつ取り出す送り出しローラ72が配置されている。
送り出しローラ72とテンションローラ54の間には、カセット70から取り出された1枚の用紙Pの先端と画像形成部50B (黒) の感光体ドラム58Bに形成されたトナー像の先端を整合させるためのレジストローラ74が配置されている。
レジストローラ74と第1の画像形成部50Yの間のテンションローラ54の近傍であって、実質的に、テンションローラ54と搬送ベルト52が接する位置に対応する搬送ベルト52の外周上に対向される位置には、レジストローラ72により所定のタイミングで搬送される1枚の用紙Pに、所定の静電吸着力を提供する吸着ローラ76が配置されている。
搬送ベルト52の一端かつベルト駆動ローラ56の近傍であって、実質的に、ベルト駆動ローラ56と接した搬送ベルト52の外周上には、搬送ベルト52に形成された画像または用紙Pに転写された画像の位置を検知するためのレジストセンサ78および80が、ベルト駆動ローラ56の軸方向に所定の距離をおいて配置されている (図1は、正面断面図であるから、図1で紙面前方に位置される第1のセンサ78は見えない) 。
ベルト駆動ローラ56と接した搬送ベルト52の外周上であって、搬送ベルト52により搬送される用紙Pと接することのない位置には、搬送ベルト52上に付着したトナーあるいは用紙Pの紙かすなどを除去する搬送ベルトクリーナ82が配置されている。
搬送ベルト52を介して搬送された用紙Pがテンションローラ56から離脱されてさらに搬送される方向には、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着装置84が配置されている。
図2および図3には、図1に示した画像形成装置に利用されるマルチビーム光走査装置が示されている。なお、図1に示したカラー画像形成装置では、通常、Yすなわちイエロー、Mすなわちマゼンタ、CすなわちシアンおよびBすなわちブラック (黒) の各色成分ごとに色分解された4種類の画像データと、Y,M,CおよびBのそれぞれに対応して各色成分ごとに画像を形成するさまざまな装置が4組利用されることから、同様に、各参照符号にY,M,CおよびBを付加することで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別する。
図2および図3に示されるように、マルチビーム光走査装置1は、光源としてのレーザ素子から出射されたレーザビームを、所定の位置に配置された像面すなわち図1に示した第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bの感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bのそれぞれの所定の位置に向かって所定の線速度で偏向する偏向手段としてのただ1つの光偏向装置5を有している。なお、以下、光偏向装置5によりレーザビームが偏向される方向を主走査方向と示す。また、主走査方向と直交する方向であって、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面に平行な方向を副走査方向と示す。
光偏向装置5は、複数、たとえば、8面の平面反射鏡 (面) が正多角形状に配置された多面鏡本体5aと、多面鏡本体5aを、主走査方向に所定の速度で回転させるモータ5bとを有している。多面鏡本体5aは、たとえば、アルミニウムにより形成される。また、多面鏡5aの各反射面は、多面鏡本体5aが回転される方向を含む面すなわち主走査方向と直交する面、すなわち、副走査方向に沿って切り出されたのち、切断面に、たとえば、二酸化ケイ素 (SiO) 等の表面保護層が蒸着されることで提供される。
光偏向装置5と像面との間には、光偏向装置5の各反射面により所定の方向に偏向されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) に、所定の光学特性を与える偏向後光学系21が配置されている。
偏向後光学系21は、光偏向装置5により偏向されたそれぞれのレーザビームL (Y,M,CおよびB) の水平同期を整合させるために、各レーザビームLを検知する水平同期用光検出器23、水平同期用光検出器23に向けて、各レーザビームLを折り返す水平同期用折り返しミラー25、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bを含み、多面鏡5aの各反射面を介して偏向されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) の像面 (図1における感光体ドラム58) 上での形状および位置を最適化する2枚組み結像レンズ30、第2の結像レンズ30bから出射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) を、それぞれのレーザビームと対応される感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に案内する複数のミラー33Y (イエロー第1) 、35Y (イエロー第2) 、37Y (イエロー第3) 、33M (マゼンタ第1) 、35M (マゼンタ第2) 、37M (マゼンタ第3) 、33C (シアン第1) 、35C (シアン第2) 、37C (シアン第3) 、33B (黒専用) 、ならびに、上述した多くの光学要素を含む光走査装置1を防塵する防塵ガラス39 (Y,M,CおよびM) を有している。
次に、図2および図3に示した光走査装置に適用される第1の実施例としての光源 (すなわちレーザ素子) と光偏向装置との間の偏向前光学系について詳細に説明する。
光走査装置1は、Ni (iは正の整数) を満たす第1および第2の2つ (N1=N2=N3=N4=2) (イエロー用、マゼンタ用、シアン用および黒用) のレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生するM組 (Mは正の整数で,M=4) すなわち第1ないし第4の光源3Y,3M,3Cおよび3Bを有している。
第1ないし第4の光源3Y,3M,3Cおよび3Bは、それぞれ、Yすなわちイエロー画像に対応するレーザビームを出射するイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3Yb、Mすなわちマゼンタ画像に対するレーザビームを出射するマゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mb、Cすなわちシアン画像に対するレーザビームを出射するシアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3Cb、ならびに、Bすなわちブラック (黒) 画像 (墨入れ用) に対応するレーザビームを出射する黒第1レーザ3Ba、黒第2レーザ3Bbを有している。なお、それぞれのレーザ素子からは、互いに対をなす2つのレーザビームLYaおよびLYb、LMaおよびLMb、LCaおよびLCbならびにLBaおよびLBbが出射される。
それぞれのレーザ素子3Ya,3Ma,3Caならびに3Baおよび3Yb,3Mb,3Cbならびに3Bbと光偏向装置5との間には、それぞれのレーザ素子3Ya,3Ma,3Caならびに3BaからのレーザビームLYa,LMa,LCaならびにLBaおよびレーザビームLYb,LMb,LCbおよびLBbの断面ビームスポット形状を所定の形状に整える偏向前光学系7が配置されている。
以下、黒第1レーザ3Baから光偏向装置5に案内されるレーザビームLBaならびに黒第2レーザ3Bbから光偏向装置5に案内されるレーザビームLBbを代表させて、偏向前光学系7のハーフミラー11Bおよびシリンダレンズ12Bの特性について説明する。
黒第1レーザ3Baから出射された発散性のレーザビームLBaは、有限焦点レンズ8Baにより所定の収束性が与えられる。レーザビームLBaは、ミラー9Baによりハーフミラー11Bに向けて反射される。ミラー9Baにより反射されたレーザビームLBaは、ハーフミラー11Bを通過され、シリンダレンズ12Bに入射される。このシリンダレンズ12Bに入射されたレーザビームLBaは、レンズ12Bにより副走査方向にのみさらに収束されて、光偏向装置5に案内される。
同様に、黒第2レーザ3Bbから出射された発散性のレーザビームLBbは、有限焦点レンズ8Bbにより所定の収束性が与えられる。
レーザビームLBbは、ミラー9Bbによりハーフミラー11Bに向けて反射される。
ミラー9Bbにより反射されたレーザビームLBbは、ハーフミラー11Bにおける黒第1レーザ3BaからのレーザビームLBaが入射される面と反対の面に、黒第1レーザ3BaからのレーザビームLBaに対して副走査方向に所定のビーム間隔となるよう入射され、ハーフミラー11Bによりさらに反射されて、シリンダレンズ12Bに入射される。
シリンダレンズ12Bに入射されたレーザビームLBbは、レーザビームLBaと同様にレンズ12Bにより副走査方向にのみさらに収束されて、光偏向装置5に案内される。
有限焦点レンズ8Baおよび8Bbは、非球面ガラスレンズまたは球面ガラスレンズに、図示しないプラスチック非球面レンズを貼り合わせた単レンズが利用される。なお、プラスチック非球面レンズとしては、好ましくは、紫外線が照射されることにより硬化されるUV硬化プラスチックレンズが利用される。また、有限焦点レンズ8Baおよび8Bbのそれぞれには、実質的に同一の特性が与えられている。
ミラー9Baおよび9Bbには、たとえば、図示しないガルバノモータまたはボイスコイル等により主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれの方向を回転軸として詳述しない反射面の角度が任意の角度に変更可能に形成されたモータ駆動ミラー (ガルバノミラー) が利用される。
ハーフミラー11Bは、厚さおよび材質が同一の平行平板ガラスの一方の面に金属膜が蒸着されることで、透過率および反射率が所定の比率に制御されたもので、厚さtmは5mmに形成される。
シリンダレンズ12Bは、たとえば、PMMAにより形成されるプラスチックシリンダレンズと、たとえば、FD60により形成されるガラスシリンダレンズが、接着により、あるいは、図示しない位置決め部材に向かって所定の方向から押圧されることで一体に形成されたハイブリッドレンズである。なお、プラスチックシリンダレンズとガラスシリンダレンズが接する面の副走査方向の曲率は、等しく設定される。また、ガラスシリンダレンズにプラスチックシリンダレンズが一体に成型されてもよい。
なお、プラスチックシリンダレンズは、空気と接する面が副走査方向にパワーを持つよう、副走査方向断面が円筒面の一部に形成されている。
シリンダレンズ12Bに入射されるレーザビームLBaおよびLBbは、それぞれ、シリンダレンズ12Bの光軸に対して副走査方向に偏心および傾きが与えられてシリンダレンズ12Bに入射される。換言すると、シリンダレンズ12Bは、ハーフミラー11Bから光偏向装置5に向かうレーザビームLBa,LBbが第1および第2の結像レンズ30a,30bを通る際に生じるコマ収差成分を打ち消すことができるよう配置される。なお、レーザビームLBbは、シリンダレンズの光軸に対し、レーザビームLBaに対して非対称に入射される。
ハーフミラー11Bを介して副走査方向に所定のビーム間隔を有する実質的に1本のレーザビームにまとめられたそれぞれのレーザビームLBaおよびLBbは、レーザ合成ミラー13の非反射領域すなわち黒レーザビームLBa,LBbは、ミラー部が形成されていないミラー13の所定位置を通過されて光偏向装置5に案内される。
光偏向装置5に案内されたレーザビームLBaおよびLBbは、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の回転により、概ね直線状に偏向されて、偏向後光学系21の2枚組結像レンズ30の第1の結像レンズ30aの入射面に、所定の角度で入射される。
以下、レーザビームLBaおよびLBbは、感光体ドラム58Bの表面上でのビームスポットの形状および大きさが所定の形状および大きさになるよう、第2の結像レンズ30bにより所定の収束性ならびに方向性が与えられ、ミラー33bにより所定の角度で反射され、防塵ガラス39Bを通って、感光体ドラム58Bに照射される。
次に、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) の特性について詳述する。
黒レーザビームLBaおよびLBbを代表させて上述したように、レーザ素子3Ya,3Ma,3Caおよび3Baを出射されたそれぞれのレーザビームLYa,LMa,LCaおよびLBaは、それぞれ、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を透過され、レーザ素子3Yb,3Mb,3Cbおよび3Bbを出射されたそれぞれのレーザビームLYb,LMb,LCbおよびLBbは、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) で反射される。なお、各光源3 (Y,M,CおよびB) がNi (iは正の整数で、この例ではN1=N2=N3=N4=2) 個であるから、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) は、上述したように、それぞれの光源毎に (Ni−1) 個利用されることはいうまでもない。
また、各レーザビームL (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,Cb,BaおよびBb) がハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を透過する回数は、上述したように、1または0回となる。具体的には、LBa,LMa,LCaおよびLYaは、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を1回だけ透過し、それ以外のレーザビームLBb,LMb,LCbおよびLYbは、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) で反射される。なお、それぞれのハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) は、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を透過して光偏向装置5に向かうレーザビームLBa,LMa,LCaおよびLYaのそれぞれに対して同一の方向に、同一量 (角度) 傾けられる。この場合、それぞれのハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) が傾けられる角度umは、それぞれ、45°に設定される。また、それぞれのハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) の厚さtmは、5mmに設定される。
ここで、それぞれのハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) の反射率と透過率の比を1:1とすることで、各光源3 (Y,M,CおよびB) の各レーザ素子3Yaおよび3Yb、3Maおよび3Mb、3Caおよび3Cbならびに3Baおよび3Bbの出力を実質的に同一に設定できる。これにより、結像面での出力を同一とすることが可能となり、各レーザビームL (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,Cb,BaおよびBb) の結像特性を等しくすることが容易となる。
光偏向装置5の周囲には、その固定部材であるユニットハウジングと一体的に形成された保持部材15、保持部材15を覆って多面鏡5aを密封するカバー用板金15aが配置されている。
多面鏡5aすなわち光偏向装置5とレーザ合成ミラー13とを結ぶ線分の近傍に位置される保持部材15の所定領域には、保持部材15と一体的に利用されることで多面鏡5aを密閉するとともに各レーザビームL (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,Cb,BaおよびBb) を多面鏡5aの各反射面に向けて通過させる防塵ガラス14が配置されている。
多面鏡5aの各反射面により偏向されたレーザビームL (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,Cb,BaおよびBb) が出射される方向に位置される保持部材15の所定領域には、実質的に、防塵ガラス14と光学特性が同一の材料により形成され、保持部材15と一体的に利用されることで多面鏡5aを密閉するとともに各反射面で偏向された各レーザビームL (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,Cb,BaおよびBb) を通過させるカバー16が配置されている。
保持部材15、カバー用板金15a、防塵ガラス14ならびにカバー16は、多面鏡5aが高速で回転されることにより生じる騒音、多面鏡5aの各反射面の風損または多面鏡5aの保持部のベアリング等へのごみ等の付着を低減する。
防塵ガラス14は、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) と同一の材料 (この場合BK7) の平行平板が利用される。なお、図2に示した例では、厚さtgは5mmで、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) が傾けられる方向に対して光軸を挟んで各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) と逆方向に、22.5°すなわち各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) の傾きの方向を正 (+) とした場合、−22.5°傾けて配置される。なお、防塵ガラス14が−45°傾けられることにより、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を透過されたレーザビームLBa,LMa,LCaおよびLYaのそれぞれに、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) により与えられる収差成分を打ち消すことが可能であるが、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) で反射されたレーザビームLBb,LMb,LCbおよびLYbに対して新たな収差成分を与えることとなる。従って、防塵ガラス14が傾けられる傾き角ugは、各ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) によりレーザビームLBa,LMa,LCaおよびLYaに与えられる収差成分ならびに防塵ガラス14によりレーザビームLBb,LMb,LCbおよびLYbに与えられる収差成分のそれぞれを最小に設定可能な−22.5° (−は、上述したように、ハーフミラーの傾きの方向と逆の方向であることを示す) に設定される。なお、防塵ガラス14は、例えば、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bによる各レーザビームの反射により生じることのある図示しない迷光が光偏向装置5に戻されることを抑止するために、副走査方向に、僅かに傾けられてもよいし、副走査方向に対し、入射面と出射面とが傾きを持っているウェッジプレートを用いてもよい。
ところで、図2および図3に示した光走査装置においては、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) のそれぞれを透過するレーザビームLBa,LMa,LCaおよびLYaがハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) の入射面に対して斜めに入射することから、球面収差B、コマ収差Fおよび非点収差Cならびに焦点移動Δfが生じることが知られている。ここで、上述したハーフミラー11の傾きと防塵ガラス14の傾きの間の関係について数値化すると、ハーフミラーの厚みをt、屈折率をn、入射角をuとし、球面収差をΣBi (iはハーフミラーが配置される順番を示す) 、コマ収差ΣFi (iは同順番を示す) を、非点収差ΣCi (iは同順番を示す) および焦点移動Δfiのそれぞれの大きさは、以下に示す (1) ないし (4) 式で示される。
ΣBi=−ti×ui4× (ni2−1) /ni3 ‥‥‥ (1)
ΣFi=−ti×ui3× (ni2−1) /ni3 ‥‥‥ (2)
ΣCi=−ti×ui2× (ni2−1) /ni3 ‥‥‥ (3)
Δf =Σ (ti× (1−1/ni) ) ‥‥‥ (4)
なお、焦点移動Δfについては、有限レンズ8Ya,8Ma,8Caおよび8Baのそれぞれと対応するシリンダレンズ11Y,11M,11Cおよび11Bとの間の距離すなわち光路長を、Σ (ti× (1−1/ni) ) だけ増加することで完全にキャンセルできる。
コマ収差ΣFiについては、 (2) 式から明らかなように、uiの符号を逆に (ui→−ui) することにより打ち消し可能であるから、ハーフミラー11および防塵ガラス14により生じる収差の和の絶対値の大きさが最小となるよう、逆符号のコマ収差を生じさせる成分を配置することで、低減される。すなわち、防塵ガラス14と入射レーザビームとのなす角が90°であるとすれば、上述したように、防塵ガラス14をハーフミラー11とこれを透過するレーザビームとのなす角に対して逆の方向に傾けることで、全体のコマ収差の絶対値の大きさが低減される。
以下、ある光線がi番目のハーフミラーを通過する場合に発生するコマ収差をFiとし、全部でa個 (i=1〜a) のハーフミラーを通過すると、コマ収差を打ち消すために光路中に挿入すべき補正板g (一般には、平行平板であって本件出願では防塵ガラス14が対応される) の厚さtgおよび傾き角ugは、
−tg×ug× (ng−1) /ng
= − (F1+F2+‥‥‥+Fa) ‥‥‥ (5)
により、最適に設定される。なお、平行平板の枚数を最小とするためには、コマ収差が最大のレーザビームとコマ収差が最小のレーザビームに対するコマ収差の絶対値を同一に設定する方法が考えられる。たとえば、コマ収差が最大のレーザビームが (5) 式のように (F1+F2+‥‥‥+Fa) で示され、コマ収差が最小のレーザビームのコマ収差が0である (平行平板を透過しないレーザビームが存在する) 場合、
−tg×ug× (ng−1) /ng
= − (F1+F2+‥‥‥+Fa) /2 ‥‥‥ (6)
が満足されるよう補正板gの厚さtgを設定し、入射レーザビームに対して角度ugで光線を入射させる (すなわち補正板gを、入射レーザビームと補正板gのなす角がugとなるよう補正板gを配置する) ことにより、コマ収差の絶対値の大きさの最大値を、 (F1+F2+‥‥‥+Fa) /2すなわち補正板gが存在しない場合に比較して1/2に設定することができる。また、図2および図3に示した光走査装置例では、ハーフミラー11が利用されているのみであるから、ハーフミラー11により生じるコマ収差をF1とすると、
−tg×ug× (ng−1) /ng = −F1/2 ‥‥‥ (7)
を満たす厚さtgの補正板 (平行平板) を、入射レーザビームと補正板gのなす角がugとなるよう、配置することにより、コマ収差の絶対値の大きさの最大値を、F1の1/2にできる。このことは、上述した防塵ガラス14の傾き角に一致する。
次に、上述した防塵ガラス14によりもたらされる効果について、詳細に説明する。
図4ないし図6、図7ないし図9ならびに図10ないし図12は、それぞれ、上述した光走査装置から、対応する感光体ドラムに導かれるレーザビームの特性を示すグラフである。
なお、図4は、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大ビーム径および同最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を、図5は、レーザビームLYaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の副走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を、図6は、レーザビームLYaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大フレア量および副走査方向最大フレア量のそれぞれと主走査方向位置との関係を、それぞれ、を示している。
図4ないし図6のそれぞれにおいて、曲線DYMAXaならびにDYMAXpは、主走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DYMINaならびにDYMINpは、主走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線DZMAXaならびにDZMAXpは、副走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DZMINaならびにDZMINpは、副走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線FLRYMAXaならびにFLRYMAXpは、主走査方向の最大フレア量の変化を、曲線FLRZMAXaならびにFLRZMAXpは、副走査方向の最大フレア量を、それぞれ、示すものとする。なお、各曲線の表示に付与された添字pは、図2および図3に示した光走査装置における防塵ガラス (補正板) 14が配置された場合の特性 (すなわち本件出願) を示し、添字aは、比較のために防塵ガラス14を意図的に取り除いた状態を示すものとする。また、添字f,gおよびhは、後述する変形例により提供される特性を同一のスケールで表示したものである。
図7ないし図9は、図4ないし図6と同一の条件に関し、マゼンタ第1レーザ3MaからのレーザビームLMaの特性を示すものである。なお、各曲線の表示については、図4ないし図6と同様であるから、詳細な説明は省略する。
図10ないし図12は、図4ないし図6と同一の条件に関し、シアン第1レーザ3CaからのレーザビームLCaの特性を示すものである。なお、各曲線の表示については、図4ないし図6と同様であるから、詳細な説明は省略する。
また、黒第1レーザ3Baにより出射レーザビームLBaは、上述、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaと実質的に等しい特性を有することから、レーザビームLBaに関する詳細な説明は、省略する。
以上、説明したように、偏向前光学系7において、互いに対をなす2つのレーザ素子からの2本のレーザビームを一まとめに合成するハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を通過するレーザビームLYa,LMa,LCaおよびLBaにのみ生じるコマ収差成分は、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) が光軸に対して傾けられる方向と逆の方向にハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) が傾けられる角度の概ね1/2の角度で配置される防塵ガラス (平行平板) 14により、ハーフミラー11 (Y,M,CおよびB) を通過されずに反射されたレーザビームLYb,LMb,LCbおよびLBbのそれぞれとの間のコマ収差の絶対値の大きさの差が最小になるよう設定される。これにより、主走査方向のビーム径の変動の程度ならびに副走査方向のビーム径の変動の程度が、それぞれ、低減される。また、フレア量についても、主走査方向および副走査方向のいづれの方向に関しても改善されていることが認められる。
次に、図2および図3に示した光走査装置に適用される第2の実施例としての光偏向装置と像面との間の偏向後光学系について詳細に説明する。
図2および図3に示したように、偏向後光学系21は、1組の結像レンズ30を有している。結像レンズ30は、第1および第2の結像レンズ30a,30bを含む2枚組みレンズであって、表1および表2ならびに数式 (8) を用いて、以下に示す光学特性および形状が与えられている。なお、それぞれの結像レンズ30aおよび30bは、いずれも、像面からの距離よりも光偏向装置の多面鏡の各反射面の反射点からの距離が短くなるよう規定された所定の位置に配置されている。
Figure 0004500222
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第1,第2の結像レンズ30a,30bに、表1および表2および数式 (8) に示した形状を与えることで、光偏向装置5の面倒れに起因する像面におけるビームの副走査方向の位置ズレは、3μmに抑えられる。すなわち、表1に示した偏向後光学系は、面倒れ補正機能を有し、光偏向装置5の反射点と像面は、走査領域全域にわたり、副走査方向に関して共役な関係を満たす形状となっている。このため、面倒れ補正がない場合のずれ量192μmに対し、3μmのずれとなり、補正倍率は、1/64倍となる (多面鏡5aの各反射面の面倒れが1分の場合) 。なお、偏向後光学系が面倒れ補正機能を持たない場合、多面鏡5aの各反射面に許容される面倒れの許容値の上限は、1秒程度になる。この場合、多面鏡5aの加工精度のみで面倒れの許容値を満足しようとするならば、加工が非常に複雑で歩留まりが悪く、仮に、加工できたとしても非常に高価となることはいうまでもない。
図13ないし図15、図16ないし図18および図19ないし図21は、図4ないし図6、図7ないし図9および図10ないし図12を用いて上述した特性が与えられたレーザビームが偏向後光学系30により結像される状態を、意図的に第1の結像レンズ30aあるいは第2の結像レンズ30bを取り除いて、各結像レンズ30a,30bの光学的な働きを示すグラフである。
図13は、レーザビームLY (LYaとLYbとが所定の副走査方向に間隔で配列されている) に関し、主走査方向のデフォーカス量 (結像位置の変化量) と結像レンズ30を取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示し、曲線FSY0は、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bのそれぞれを取り外した状態、曲線FSY1は、第2の結像レンズ30bのみを取り外した (第1の結像レンズ30aのみ利用した) 状態ならびに曲線FSY2は、2枚のレンズ30aおよび30bのそれぞれをセットした状態に対応される。
図14は、同レーザビームLYに関し、副走査方向のデフォーカス量と主走査方向位置との関係を示すものであって、曲線FSZ0は、第1および第2の結像レンズ30a,30bのそれぞれを取り外した状態、曲線FSZ1は、第2の結像レンズ30bのみを取り外した (第1の結像レンズ30aのみをセットした) 状態、ならびに、曲線FSZ2は、第1および第2のレンズ30aおよび30bのそれぞれをセットした状態の結像位置の変化に対応される。
図15は、同レーザビームLYに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示し、曲線Y0は、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bのそれぞれを取り外した状態、曲線Y1は、第2の結像レンズ30bのみを取り外した (第1の結像レンズ30aのみをセットした) 状態、ならびに、曲線Y2は、第1,第2のレンズ30a,30bのそれぞれをセットした状態に対応される。
図16ないし図18は、レーザビームLMaに関し、図13ないし図15に示したと同様に、主走査方向のデフォーカス (結像位置の変化) 量と同主走査方向位置との関係、副走査方向のデフォーカス量と同主走査方向位置との関係および主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置の差をビーム位置修正量として同主走査方向位置との関係を、それぞれ、示している。
図19ないし図21は、レーザビームLCaに関し、図13ないし図15に示したと同様に、主走査方向のデフォーカス (結像位置の変化) 量と同主走査方向位置との関係、副走査方向のデフォーカス量と同主走査方向位置との関係および主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置の差をビーム位置修正量として同主走査方向位置との関係を、それぞれ、示している。
なお、黒第1レーザ3Baにより出射レーザビームLBaは、上述、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaと実質的に等しい特性を有することから、レーザビームLBaに関する詳細な説明は、省略する。
図13,図16および図19に示されるように、偏向後光学系の結像レンズを意図的に外すと、光源3 (Y,M,CおよびB) から出射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、偏向前光学系7から与えられる収束性により、主走査方向に関し、像面よりも遠方に結像される (FSY0) 。ここで、第1の結像レンズ30aのみを挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、マイナス側すなわち光偏向装置5寄りに結像される。その一方で、レンズ端部付近を通過されるレーザビームは、プラス側すなわち光偏向装置5の反対側方向に結像される。すなわち、第1の結像レンズ30aは、レンズ中央付近において、主走査方向の結像位置を光偏向装置側に移動させることのできるパワーを有し、レンズ端部付近では、結像位置を光偏向装置と反対側に動かす作用を有する (FSY1) 。また、第2の結像レンズ30bをセットすると、第1の結像レンズの中央付近を通過されたレーザビームおよび端部付近を通過されたレーザビームのそれぞれは、所定の像面に、実質的に、直線状に結像される。すなわち、第2の結像レンズ30bは、レンズ中央付近において、主走査方向の結像位置を光偏向装置5の反対側方向に移動させることのできるパワーを有し、レンズ端部付近では、結像位置を光偏向装置側に動かす作用を有する。換言すると、第2の結像レンズ30bは、主走査方向に関し、レンズ中心から離れるに従ってパワーが増大されるよう形成されている (FSY2) 。これにより、温度および湿度が変動した場合であっても、結像位置の変動の少ない結像光学系 (偏向後光学系) が提供される。
図14,図17および図20に示されるように、偏向後光学系の結像レンズを意図的に外すと、光源3 (Y,M,CおよびB) から出射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、偏向前光学系7により、主走査方向と直交する副走査方向に関して、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点近傍に結像される (FSZ0) 。このとき、第1の結像レンズ30aのみを挿入すると、レンズの、概ね、中央を通過されるレーザビームは、マイナス側すなわち光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点よりもさらに偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) 寄りに結像される。換言すると、第1の結像レンズ30aは、結像位置を副走査方向の結像位置を像面からさらに遠のく方向に移動させる作用を有する。なお、第1の結像レンズ30aの副走査方向の結像位置の移動量は、レンズの端部付近に比較して (レンズ) 中央付近が強くなるよう設定されている (FSZ1) 。また、第2の結像レンズ30bが挿入されることで、第1の結像レンズの中央付近ならびに端部付近を通過されたレーザビームのそれぞれは、所定の像面に、実質的に、直線状に結像される。すなわち、第2の結像レンズ30bは、レンズの主走査方向の全域において、副走査方向の結像位置を像面側に移動させることのできるパワーを有する。換言すると、第2の結像レンズ30bの副走査方向のパワーは、レンズの端部付近に比較して中央付近が強く設定されている (FSZ2) 。これにより、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の角度の設定値からの変動すなわち面倒れに対する補正量が大きく、温度および湿度が変動した場合であっても、結像位置の変動の少ない偏向後光学系が提供される。
図15,図18および図21に示されるように、偏向後光学系の結像レンズを意図的に外すと、光源3 (Y,M,CおよびB) から出射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、偏向前光学系7により、結像レンズ30が存在する場合に、概ね、レンズの中心付近に対応される位置を通過するレーザビームに関しては、概ね、所定の像面に結像される (Y0) 。ここで、第1の結像レンズ30aのみを挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、レンズの主走査方向に関して概ね等しい位置に結像され、端部付近を通過されるレーザビームは、レーザビームが通過された主走査方向の位置とレンズの主走査方向の中心との間の間隔に概ね比例して、レンズの中央に向けてシフトされて結像される (Y1) 。また、第2の結像レンズ30bをさらに挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、同様に、主走査方向に関して概ね等しい位置に結像され、一方で、端部付近を通過されるレーザビームは、レーザビームが通過された主走査方向の位置とレンズの主走査方向の中心との間の間隔に概ね比例して、レンズの中央に向けて、さらにシフトされる (Y2) 。すなわち、第1,第2の結像レンズ30a,30bは、いづれも、レンズの中心からの主走査方向の距離が増大されるにつれて、主走査方向に関し、レーザビームを主走査方向の中心に向けて移動させる作用を有する。このレーザビームを移動させる作用は、レンズの中心からの主走査方向の距離が増大されるにつれて、所定の関数で増大される。従って、レーザビームが主走査方向に偏向される際の等速性に優れ、温度および湿度の変動による主走査方向の位置の変動が低減される。
以上説明したように、図2および図3に示した光走査装置における結像レンズ30に、表1に示した光学特性を与えることにより、図13ないし図21に詳述したように、2枚組みのプラスチックレンズによっても、温度および湿度の変動に依存して主走査方向のデフォーカス量、副走査方向のデフォーカス量ならびに主走査方向のレーザビームの位置が変動しない偏向後光学系を提供できる。
また、上述した結像レンズ30すなわち第1および第2の結像レンズ30a,30bは、それぞれ、像面からの距離に比較して光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点からの距離が短くなるよう規定された位置すなわち光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点と像面との間の距離の中心よりも光偏向装置5寄りに配置されていることから、光走査装置の大きさを低減できる。
次に、図22ないし図32を用いて、図2および図3に示した光走査装置に適用される第1の実施例としての光源 (すなわちレーザ素子) と光偏向装置との間の偏向前光学系の第1の変形例について詳細に説明する。なお、図2ないし図3を用いて既に説明したように、光走査装置101は、Ni (iは正の整数) を満たす2つ (N1=N2=N3=N4=2) (イエロー、マゼンタ、シアン、黒) のレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生するM組み (Mは正の整数で,M=4) すなわち第1ないし第4の光源3Y,3M,3Cおよび3Bを有するが、簡略化のため、黒すなわちレーザビームLBに関する構成を抜き出して説明する。また、図2ないし図3に示した構成と同様の構成には、同一の符号を附して詳細な説明を省略する。
図22に示されるように、光走査装置101は、光源としての第1および第2レーザ103Baおよびレーザ103Bb、黒第1レーザ103Baと光偏向装置5との間に配置され、レーザ103BaからのレーザビームLBaの断面ビームスポット形状を所定の形状に整える偏向前光学系107Ba、黒第2レーザ103Bbと光偏向装置5との間に配置され、レーザ103BbからのレーザビームLBbのビームスポット形状を所定の形状に整える偏向前光学系107Bb、各レーザ103Ba,103Bbのそれぞれと一体的に配置され、各レーザを出射されたレーザビームLBaおよびLBbに所定の収束性を与える第1,第2の有限焦点レンズ108Ba,108Bb、ならびに、第1,第2の有限焦点レンズ108Ba,108Bbを介して所定の収束性が与えられたレーザビームLBaおよびLBbを、1本にまとめるハーフミラー111Bを有している。なお、各偏向前光学系107Baならびに107Bbは、それぞれ、ハーフミラー111Bを透過するか、ハーフミラー111Bにより反射されるかにより識別される。
なお、第1および第2の有限焦点レンズ108Ba,108Bbのそれぞれとハーフミラー111Bとの間には、各有限焦点レンズ108Ba,108Bbにより所定の収束性が与えられたレーザビームLBaおよびLBbをハーフミラー111Bに向けて反射するミラー109Ba,109Bbが配置されている。
ハーフミラー111Bと光偏向装置5の間には、ハーフミラー111Bにより合成されたレーザビームLBを、副走査方向にのみ、さらに収束させるシリンダレンズ12Bおよび光偏向装置5の周囲を取り巻く保持部材115とこの保持部材115と一体的に利用されることで多面鏡5aを密閉するとともに、レーザビームLBaおよびLBbを多面鏡5aの各反射面に向けて透過する防塵ガラス114が配置されている。
第1および第2の有限焦点レンズ108Baおよび108Bbには、図23を用いて以下に示すような結像特性を提供するために、以下の表に示すレンズ面形状が与えられている。すなわち、表3に示すレンズ面形状は、図4ないし図12に示した第1の実施例により提供される結像特性において、主走査方向の特性に対して改善の余地が残されていることから、第1の実施例により提供される副走査方向の特性の一部を僅かに変化させながら主走査方向の特性を改善するために利用される。
Figure 0004500222
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図23は、第1および第2の有限焦点レンズ108a,108bに対して表に示したレンズ面形状を与えることにより、像面位置 (感光体ドラム58表面上) を0とした時の主光線近傍の光線の結像位置および最外郭光線近傍の光線の結像位置を示すグラフであって、図23 (a) は、レーザビームLBの主走査方向成分の結像位置 (デフォーカス量) の変化を、図23 (b) は、同LBの副走査方向成分の結像位置の変化を、それぞれ、示している。なお、図23 (a) および図23 (b) のそれぞれにおいて、曲線aは、主光線近傍の光線の結像位置を、曲線bは、最外郭光線近傍の光線の結像位置を示している。また、デフォーカス量については、光源103B (光偏向装置5) 寄りを負 (−) としている。
図23 (a) に示されるように、主走査方向の結像状態は、主走査方向の全域において、最外郭光線近傍の光線の結像位置が正、主光線近傍の光線の結像位置が負となるよう設定される。また、図23 (b) に示されるように、副走査方向の結像状態は、主走査方向の全域において、主光線近傍の光線の結像位置が概ね像面位置上、最外郭光線近傍の光線の結像位置が負となるよう設定される
ハーフミラー111Bは、詳細には、厚さtmが5mmに形成される。また、ハーフミラー111Bは、レーザビームLBの軸方向に対して30°傾けられて配置される。
防塵ガラス114としては、ハーフミラー111Bと同一の材料 (この場合、BK7) で、厚さtgが2.5mmの平行平板が利用される。なお、図22に示した光走査装置101においては、ハーフミラー111Bが傾けられる方向を正 (+) とすると、防塵ガラス114が傾けられる方向および程度は、 (6) 式より、−30°となる。すなわち、防塵ガラス114は、ハーフミラー111Bが傾けられる方向と逆方向に、30°傾けて配置される。なお、防塵ガラス114は、その入射面と出射面で発生する図示しない迷光を副走査方向にずらすために、その入射面と出射面が副走査方向に関して非平行に形成されたウェッジプレートでもよい。
以下、防塵ガラス114によりもたらされる効果について、詳細に説明する。なお、比較のため、第1の実施例の結像特性を示す図4ないし図6、図7ないし図9ならびに図10ないし図12の各グラフに同一スケールで、重ねて示す。
図4ないし図6 (図4ないし図6は、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaに関する結像特性を示すが、既に説明したように、黒第1レーザ3Baにより出射レーザビームLBaは、上述したイエロー第1レーザ3Yaと実質的に等しい特性を有する) のそれぞれにおいて、曲線DYMAXfは、主走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DYMINfは、主走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線DZMAXfは、副走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DZMINfは、副走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線FLRYMAXfは、主走査方向の最大フレア量の変化を、ならびに、曲線FLRZMAXfは、副走査方向の最大フレア量を、それぞれ、示す。また、図7ないし図9は、図4ないし図6と同一の条件に関し、図22で省略されたマゼンタ第1レーザ3MaからのレーザビームLMaの特性を、図10ないし図12は、図4ないし図6と同一の条件に関し、図22で省略されたシアン第1レーザ3CaのレーザビームLCaの特性を、それぞれ、示すものである。なお、各曲線の表示については、図4ないし図6と同様であるから、詳細な説明は省略する。
図4ないし図6、図7ないし図9ならびに図10ないし図12から明らかなように、図22に示した第1の実施例の第1の変形例すなわち有限レンズ8Ba,8Bbに球面収差を持たせて108Ba,108Bbとすることにより、改善の余地が残されていた主走査方向の結像特性が改善される。すなわち、もともと、変動幅の小さい副走査方向の変動値は、ほとんど変わらず、変動幅の大きい主走査方向の変動値は、その最大値 (主走査方向両端部で発生) が小さくなっていることが認められる。また、フレア量も、主走査方向において、全体レベルで改善されていることが認められる。
次に、図22に示した光走査装置101に組み込まれる、球面収差のある有限レンズ108Ba,108Bbの球面収差の最適量に関し、波面収差から最適化する方法について説明する。
一例として、像面でのe−2ビーム直径が50μmのガウス分布を有するレーザビームに関し、像面から170mmの位置を出射瞳と仮定し、この出射瞳上での強度分布と波面係数に最適化した波面収差を加えた場合の波面収差係数ならびに波面収差の状態を図24 (a) ,図25 (a) ,図26 (a) ,図27 (a) ,図28 (a) ,図29 (a) ,図30 (a) および図31 (a) に示す。なお、対比して用意した図24 (b) ,図25 (b) ,図26 (b) ,図27 (b) ,図28 (b) ,図29 (b) ,図30 (b) および図31 (b) は、それぞれ、説明のため各波面収差をデフォーカス量に置き換えたものである。
ここで、波面収差は、
c1x+c2x+c3x+c4x+‥‥‥+c8x16 (rad)
但し、xは、出射瞳での主光線からの距離を、
出射瞳でのe−2ビーム半径で正規化した値、
絞り径は、e−2ビーム半径と等しい、 ‥‥‥ (10)
とする条件下で示される。
図24 (a) ,図25 (a) ,図26 (a) ,図27 (a) ,図28 (a) ,図29 (a) ,図30 (a) および図31 (a) のそれぞれは、波面収差の次数を増大させた際のデフォーカス量±2.9mm内での最小ビーム径および最大ビーム径にそれぞれ対応され、図24 (a) は、波面収差の次数を2次 (x) までとした場合の最小ビーム径ならびに最大ビーム径が52.60〜60.94μmであることを、図25 (a) は、同次数を4次 (x) までとした場合の最小ビーム径および最大ビーム径が60.30〜64.00μmであることを、図26 (a) は、同次数を6次 (x) までとした場合の最小ビーム径および最大ビーム径が62.20〜64.00μmであることを、図27 (a) は、同次数を8次 (x) までとした場合の最小ビーム径および最大ビーム径が61.50〜63.20μmであることを、図28 (a) は、同次数を10次 (x10) までとした場合の最小ビーム径および最大ビーム径が61.20〜63.00μm、図29 (a) は、同次数を12次 (x12) までとした場合の最小ビーム径ならびに最大ビーム径が61.10〜62.90μm、図30 (a) は、同次数を14次 (x14) までとした場合の最小ビーム径ならびに最大ビーム径が60.70〜62.70μm、ならびに、図31 (a) は、同次数を16次 (x16) までとした場合の最小ビーム径および最大ビーム径は、60.50〜62.60μmであることを、それぞれ、示している。
なお、図24 (a) および図24 (b) のそれぞれにおけるc1は、
c1=0.00587777012848で、
図24 (a) における曲線P1は、上述した (9) 式から、
P1= { (c1x) , (x,−1,1) }
となる。
また、図25 (a) ならびに図25 (b) のそれぞれにおけるc1およびc2は、
c1=−4.680959835990669、
c2=6.524161634311780で、
図25 (a) における曲線P2は、同 (9) 式から、
P2= { (c1x+c2x) , (x,−1,1) }
となる。
一方、図26 (a) および図26 (b) のそれぞれにおけるc1,c2およびc3は、
c1=−2.326913380539070、
c2=−0.184605948401750、
c3=5.216107608502032で、
図26 (a) における曲線P3は、同様に (9) 式から、
P3= { (c1x+c2x+c3x) , (x,−1,1) }
となる。
また、図27 (a) および図27 (b) のそれぞれにおけるc1,c2,c3およびc4は、
c1=−0.558659050233116、
c2=−1.171632940388197、
c3=−0.989319620337984、
c4=6.039418148065442で、
図27 (a) における曲線P4は、
P4= { (c1x+c2x+c3x+c4x) , (x,−1,1) }
となる。
同様に、図28 (a) および図28 (b) のそれぞれにおけるc1,c2,c3,c4およびc5は、
c1=−0.668726579771422、
c2=−0.307726562086162、
c3=−0.699563088118124、
c4=1.774129048350784、
c5=3.206003854830932で、
図28 (a) における曲線P5は、
P5= { (c1x+c2x+c3x+c4x+c5x10) ,
(x,−1,1) }
となる。
また、図29 (a) ならびに図29 (b) のそれぞれにおけるc1,c2,c3,c4,c5およびc6は、
c1=−0.519076679796795、
c2=−0.831509074620663、
c3=0.553755848546272、
c4=1.014426983095962、
c5=1.313237340598540、
c6=1.770200577167844で、
図29 (a) における曲線P6は、
P6= { (c1x+c2x+c3x+c4x+c5x10+c6x12) ,
(x,−1,1) }
となる。
さらに、図30 (a) ならびに図30 (b) のそれぞれにおけるc1,c2,c3,c4,c5,c6およびc7は、
c1=−0.507800431424249、
c2=−0.388376123162095、
c3=0.366157207180402、
c4=0.433944380660281、
c5=0.655750585204756、
c6=1.104614195605661、
c7=1.615135888818497で、
図30 (a) における曲線P7は、
P7= { (c1x+c2x+c3x+c4x+c5x10
+c6x12+c7x14) , (x,−1,1) }
となる。
さらに、図31 (a) ならびに図31 (b) のそれぞれにおけるc1,c2,c3,c4,c5,c6,c7およびc8は、
c1=−0.422615757350724、
c2=−0.346786191715331、
c3=0.322282923310823、
c4=0.396397953991157、
c5=0.392181124779868、
c6=0.639157455530054、
c7=0.968726875224168、
c8=1.311991087479074で、
図31 (a) における曲線P8は、
P8= { (c1x+c2x+c3x+c4x+c5x10
+c6x12+c7x14+c8x16) , (x,−1,1) }
となる。
各グラフから、波面収差は、中心部から離れるに従って小さくなる一方で、周辺部で次第に増大されて中心部よりも大きな値を取ることが認められる。
このことは、幾何収差と波面収差との関係が以下に示す数式 (11)
Figure 0004500222
を満足することから、主光線近傍の光線の結像位置 (波面収差として上述されている) が像面よりも物点側に規定される一方で、最外郭光線近傍の光線の結像位置 (波面収差として上述されている) が、像面に対して物点と反対側にある像面領域ならびに方向に規定されることを表している (この (b) 図では、+側が物体の方向を示す) 。
上述したように、有限レンズに、所定の球面収差、たとえば、x16 (16次) を与えることにより、図31 (a) に示されるように、デフォーカス量±2.9mm内での最大ビーム径は、62.60μmにまで抑えることができる。
図32は、比較のために、収差を持たないガウス (分布) ビームのビームウェスト径を変化させ、デフォーカス量±2.9mm内での最大ビーム径の変化を求めたものである。
図32から明らかなように、収差を持たないガウスビームでは、デフォーカス量±2.9mm内での最大ビーム径を100μm以下とすることはできないことが認められる。
従って、図22を用いて説明した光走査装置に見られるように、レーザからのレーザビームに所定の収束特性を与える有限レンズに対して、最適化された波面収差を与えることにより、デフォーカス時のビーム径が不所望に拡大されることを防止できることがわかる。
図33ないし図35は、図22に示した光走査装置に利用される有限レンズを単色 (モノカラー) 用の光走査装置に適用する例を示し、特許請求の範囲に示す光源内のレーザビームの数NiがNi=2および光源の数MがM=1である場合に対応される。なお、図2ないし図3あるいは図22に示した構成と同様の構成には、同一の符号を附して詳細な説明を省略する。
図33ないし図35に示されるように、光走査装置201は、Ni (Niは正の整数) =2を満たす黒第1レーザ素子203Baならびに黒第2レーザ素子203Bbのみを含み、レーザビームLBを発生するM組み (MはM=1すなわちモノカラー露光用) の光源203を有する。
黒第1レーザ203Baと光偏向装置5との間に配置され、レーザ203BaからのレーザビームLBaの断面ビームスポット形状を所定の形状に整える偏向前光学系207a、黒第2レーザ203Bbと光偏向装置5との間に配置され、レーザ203BbからのレーザビームLBbのビームスポット形状を所定の形状に整える偏向前光学系207b、各レーザ203Ba,203Bbのそれぞれと一体的に配置され、各レーザを出射されたレーザビームLBaおよびLBbに所定の収束性を与える第1,第2の有限焦点レンズ108Ba,108Bb、ならびに、図22を用いて既に説明したハーフミラー111Bと実質的に同一の特性および配置が与えられ、第1,第2の有限焦点レンズ108Ba,108Bbにより所定の収束性が与えられたレーザビームLBaおよびLBbを、1本のレーザビームにまとめるハーフミラー211を有している。なお、各偏向前光学系207aおよび207bは、それぞれ、ハーフミラー211を透過するか、ハーフミラー211により反射されるかにより識別される。また、ハーフミラー211と光偏向装置5の間には、ハーフミラー211により合成されたレーザビームLBを、副走査方向にのみ、さらに収束させるシリンダレンズ12Bおよび光偏向装置5の周囲を取り巻く保持部材15とこの保持部材15と一体的に利用されることで多面鏡5aを密閉するとともに、レーザビームLBaおよびLBbを多面鏡5aの各反射面に向けて透過する防塵ガラス214が配置されている。
防塵ガラス214としては、ハーフミラー211と同一の材料 (この場合、BK7) で、厚さtgが2.5mmの平行平板が利用される。なお、図33ないし図35に示されるように、光走査装置201においては、ハーフミラー211が傾けられる方向を正 (+) とすると、防塵ガラス214が傾けられる方向および程度は、 (6) 式より、−30°となる。また、図2および図3または図22において既に説明したと同様に、防塵ガラス214は、入射面と出射面が副走査方向に対して所定の角度で傾きを持っていてもよい。
次に、図36を用いて、図2および図3に示した光走査装置に適用される第1の実施例としての光源 (すなわちレーザ素子) と光偏向装置との間の偏向前光学系の第2の変形例について詳細に説明する。なお、図2および図3を用いて既に説明したように、光走査装置301は、Ni (iは正の整数) を満たす2つ (N1=N2=N3=2) のレーザ素子 (イエロー、マゼンタ、シアン) およびN4=4 (黒) のレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生するM組み (Mは正の整数で,M=4) すなわち第1ないし第4の光源303Y,303M,303Cおよび303Bを有するが、図22に示した例と同様に、簡略化のため、黒すなわちレーザビームLBに関する構成を抜き出して説明する。また、図2ならびに図3および図22に示した構成と同様の構成には、300を付加した符号を附して詳細な説明を省略する。なお、各有限レンズについては、図22を用いて示した例と、ならびに、偏向後光学系321については、図2および図3を用いて既に説明した例と、それぞれ、実質的に、同一であるから、特別な条件を除いて説明を省略する。
図36に示されるように、光走査装置301は、光源としての黒第1ないし黒第4のレーザ303Ba、303Bb、303Bcおよび303Bdを含む光源303B、ならびに、図示しないイエロー第1レーザ303Ya、同第2レーザ303Yb、マゼンタ第1レーザ303Ma、同第2レーザ303Mb、シアン第1レーザ303Ca、同第2レーザ303Cbを有している。
黒第1レーザ303BaからのレーザビームLBaは、偏向前光学系307Baの有限焦点レンズ308Baにより所定の収束特性が与えられ、ミラー309Baにより反射されて、第1のハーフミラー311B-1ならびにシリンダレンズ312Bのそれぞれを通過されて、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面に案内される。
黒第2レーザ303BbからのレーザビームLBbは、偏向前光学系307Bbの有限焦点レンズ308Bbにより所定の収束特性が与えられ、ミラー309Bbにより反射されて、第2のハーフミラー311B−2に案内される。
第2のハーフミラー311B−2に案内されたレーザビームLBbは、ミラー311B−2を通過されたのち第1のハーフミラー311B−1で反射され、シリンダレンズ312Bを通過される。
黒第3レーザ303BcからのレーザビームLBcは、偏向前光学系307Bcの有限焦点レンズ308Bcにより所定の収束特性が与えられ、ミラー309Bcにより反射されて、第3のハーフミラー311B−3に案内される。
第3のハーフミラー311B−3に案内されたレーザビームLBcは、ミラー311B−3を通過されたのち第2のハーフミラー311B−2ならびに第1のハーフミラー311B−1で順に反射され、シリンダレンズ312Bを通過される。
黒第4レーザ303BdからのレーザビームLBdは、偏向前光学系307Bdの有限焦点レンズ308Bdにより所定の収束特性が与えられ、ミラー309Bdにより反射されて、第3のハーフミラー311B−3に案内される。ただし、このレーザビームLBdは、ハーフミラーで反射されるのみで、透過したビームは、光偏向装置5へは入射しない。なお、第3のハーフミラー311B−3と有限焦点レンズ308Bdとの間の任意の位置、たとえば、有限焦点レンズ308Bdとミラー309Bdとの間には、各レーザビームLBa,LBbおよびLBcのそれぞれがハーフミラーを通過されることに関連するコマ収差特性と同じコマ収差を発生させるためのコマ収差補償板317が配置され、第3のハーフミラー311B−3に案内されるレーザビームLBdは、コマ収差補償板317を通過されたのち、第3のハーフミラー311B−3に入射される。
第3のハーフミラー311B−3に入射されたレーザビームLBdは、ミラー311B−3により反射され、第2のハーフミラー311B−2でさらに反射されて、第1のハーフミラー311B−1に案内される。
第1のハーフミラー311B−1に案内されたレーザビームLBdは、ミラー311B−1によりさらに反射されて、シリンダレンズ312Bに入射される。
シリンダレンズ312Bと光偏向装置5との間には、光偏向装置5の周囲を取り巻く保持部材315とこの保持部材315と一体的に利用されることで多面鏡5aを密閉する一方で、全てのレーザビームLBa,LBb,LBc,LBd,LYa,LYb,LMa,LMb,LCaおよびLCbを多面鏡5aの各反射面に向けて透過する防塵ガラス314が配置され、シリンダレンズ312Bにより副走査方向にのみさらに収束性が与えられたそれぞれのレーザビームは、ガラス314を通って、多面鏡5aの各反射面に案内される。
以下、それぞれのハーフミラー311B−1,311B−2,311B−3ならびに防塵ガラス314およびコマ収差補償板317について詳細に説明する。
第1のハーフミラー311B−1は、厚さtm−1が5mmに形成される。また、第1のハーフミラー311B−1は、レーザビームLBaの点線で示した部分が垂直入射時に比べて遅れて入射するように30°傾けられて配置される。
第2のハーフミラー311B−2は、厚さtm−2が5mmに形成される。また、第2のハーフミラー311B−2は、レーザビームLBbの点線で示した部分が垂直入射時に比べて遅れて入射するように、すなわちハーフミラー311B−2を透過するビームから見てハーフミラー311B−1が傾けられる方向と同じ方向に、30°傾けられて配置される。
第3のハーフミラー311B−3は、厚さtm−3が5mmに形成される。また、第3のハーフミラー311B−3は、レーザビームLBcの点線で示した部分が垂直入射時に比べて遅れて入射するように、30°すなわちハーフミラー311B−3を透過するビームから見て第1のハーフミラー311B−1と実質的に同様に傾けられて配置される。
コマ収差補償板317は、各ハーフミラー311B (−1,−2および−3) と実質的に等しい材質、たとえば、BK7により厚さtpが5mmに形成され、レーザビームLBdの点線で示した部分が垂直入射時に比べて遅れて入射するように、30°傾けられて配置される。すなわち、第1ないし第3のレーザビームLBa,LBbおよびLBcは、シリンダレンズ312に入射されるまでの間に、それぞれ、ハーフミラーを1回通過されるに対し、第4のレーザビームLBdは、全て反射 (平行平板を透過しない) でシリンダレンズ312に案内されることから、第4のレーザビームLBdを、ハーフミラーに準じた特性が与えられた平行平板を透過させることにより、第1ないし第3のレーザビームLBa,LBbおよびLBcに対して各ハーフミラーから与えられるコマ収差と等しいコマ収差を与えることにより、すべてのコマ収差を等しくしている。
防塵ガラス314は、厚さtgが5mmに且つ各ハーフミラー311B (−1,−2および−3) と等しい材質 (たとえば、BK7) により形成され、第1のハーフミラー311B−1が傾けられる方向に対して逆の方向に、すなわち、点線で示した部分が垂直入射時に比べて進んで入射されるように、30°傾けられて配置される。なお、防塵ガラス314は、既に説明した他の例に準じて、副走査方向に、僅かに傾きを持つウェッジプレートでもよい。
以下、防塵ガラス314によりもたらされる効果について、詳細に説明する。なお、比較のため、第1の実施例の結像特性を示す図4ないし図6、図7ないし図9ならびに図10ないし図12の各グラフに同一スケールで、重ねて示す。
図4ないし図6 (図4ないし図6は、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaに関する結像特性を示すが、既に説明したように、黒第1レーザ3Baにより出射レーザビームLBaは、上述したイエロー第1レーザ3Yaと実質的に等しい特性を有する) のそれぞれにおいて、曲線DYMAXgは、主走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DYMINgは、主走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線DZMAXgは、副走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DZMINgは、副走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線FLRYMAXgは、主走査方向の最大フレア量の変化を、ならびに、曲線FLRZMAXgは、副走査方向の最大フレア量を、それぞれ、示す。また、図7ないし図9には、図4ないし図6と同一の条件に関し、図36では図示されていないマゼンタ第1レーザ303MaからのレーザビームLMaの特性を、図10ないし図12には、図4ないし図6と同一の条件に関し、図36では図示されていないシアン第1レーザ303CaのレーザビームLCaの特性を、それぞれ、示すものである。なお、各曲線の表示については、図4ないし図6と同様であるから、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、図36に示した光走査装置301によれば、図4ないし図6、図7ないし図9ならびに図10ないし図12から明らかなように、第1の実施例 (図2および図3) において改善の余地が残されていた主走査方向の結像特性が改善される。また、フレア量も、主走査方向および副走査方向の双方ともに、全体レベルで改善されていることが認められる。
次に、図37を用いて、図2および図3に示した光走査装置に適用される第1の実施例としての光源 (すなわちレーザ素子) と光偏向装置との間の偏向前光学系の第3の変形例について詳細に説明する。なお、図2および図3を用いて既に説明したように、光走査装置401は、Ni (iは正の整数) を満たす2つ (N1=N2=N3=2) のレーザ素子 (イエロー、マゼンタ、シアン) およびN4=4 (黒) のレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生するM組み (Mは正の整数で,M=4) すなわち第1ないし第4の光源403Y,403M,403Cおよび403Bを有するが、図36に示した例と同様に、簡略化のため、黒すなわちレーザビームLBに関する構成を抜き出して説明する。また、図2ならびに図3および図22または図36に示した構成と同様の構成には、400を付加した符号を附して詳細な説明を省略する。なお、各有限レンズについては、図22を用いて示した例と同一であるから、また、偏向後光学系321については、図2および図3を用いて既に説明した例と同一であるから、特別な条件を除いて説明を省略する。
図37に示されるように、光走査装置401は、光源としての黒第1ないし黒第4のレーザ403Ba、403Bb、403Bcおよび403Bdを含む光源403B、ならびに、図示しないイエロー第1レーザ、同第2レーザ、マゼンタ第1レーザ、同第2レーザ、シアン第1レーザ、同第2レーザを有している。
黒第1レーザ403BaからのレーザビームLBaは、偏向前光学系407Baの有限焦点レンズ408Baにより所定の収束特性が与えられ、コマ収差補償板417−1を通過されて、ミラー409Baに案内される。ミラー409Baに案内されたレーザビームLBaは、第1のハーフミラー411B−1ならびにシリンダレンズ412Bのそれぞれを通過されて、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面に案内される。
黒第2レーザ403BbからのレーザビームLBbは、偏向前光学系407Bbの有限焦点レンズ408Bbにより所定の収束特性が与えられ、コマ収差補償板417−2を通過されて、ミラー409bに案内される。ミラー409Bbに案内されたレーザビームLBbは、ミラー409Bbにより反射されて、第2のハーフミラー411B−2に案内される。
第2のハーフミラー411B−2に案内されたレーザビームLBbは、ミラー411B−2を通過されたのち第1のハーフミラー411B−1で反射され、シリンダレンズ412Bを通過される。
黒第3レーザ403BcからのレーザビームLBcは、偏向前光学系407Bcの有限焦点レンズ408Bcにより所定の収束特性が与えられ、コマ収差補償板417−3を通過されたのちミラー409Bcにより反射されて、第3のハーフミラー411B−3に案内される。
第3のハーフミラー411B−3に案内されたレーザビームLBcは、ミラー411B−3を通過され、第2のハーフミラー411B−2および第1のハーフミラー411B−1のそれぞれにより、順に反射されて、シリンダレンズ412Bを通過される。
黒第4レーザ403BdからのレーザビームLBdは、偏向前光学系407Bdの有限焦点レンズ408Bdにより所定の収束特性が与えられ、ミラー409Bd、第3のハーフミラー411B−3、第2のハーフミラー411B−2ならびに第1のハーフミラー411B−1のそれぞれで反射されて、シリンダレンズ412Bに入射される。従って、レーザ403BdからのレーザビームLBdは、コマ収差補償板およびハーフミラーを1枚も透過されることなく光偏向装置5に案内される。
以下、それぞれのコマ収差補償板417B−1,417B−2,417B−3およびハーフミラー411B−1,411B−2,411B−3について詳細に説明する。
第1のコマ収差補償板417B−1は、厚さtp−1が5mmに形成される。また、第1のコマ収差補償板417B−1は、レーザビームLBaの点線部分が垂直入射時に比べて早く到達する方向へ30°傾けられて配置される。
第2のコマ収差補償板417B−2は、厚さtp−2が5mmに形成される。また、第2のコマ収差補償板417B−2は、レーザビームLBbの点線部分が垂直入射時に比べて早く到達する方向、すなわち透過ビームから見て第1のコマ収差補償板417B−1が傾けられる方向と同じ方向に30°傾けられて配置される。
第3のコマ収差補償板417B−3は、厚さtp−3が5mmに形成される。また、第3のコマ収差補償板417B−3は、レーザビームLBcの点線部分が垂直入射時に比べて早く到達する方向へ30°すなわち第1のコマ収差補償板417B−1と同一方向に傾けられて配置される。
第1のハーフミラー411B−1は、厚さtm−1が5mmに形成される。また、第1のハーフミラー411B−1は、これを透過するレーザビームLBaの点線部分が垂直入射時に比べて遅く到達する方向に30°傾けられて配置される。従って、レーザ403Baを出射されたレーザビームLBaは、そのレーザビームLBaから見て互いに逆向きの方向に傾けられたコマ収差補償板417B−1とハーフミラー411B−1のそれぞれを透過して光偏向装置5に案内される (コマ収差補償板417B−1とハーフミラー411B−1の傾きの方向を明確にするために、ミラー409Baを取り除いた状態で展開した位置を点線で示す) 。
第2のハーフミラー411B−2は、厚さtm−2が5mmに形成される。また、第2のハーフミラー411B−2は、レーザビームLBbの点線部分が垂直入射時に比べて遅く到達する方向、すなわち第1のハーフミラー411B−1が傾けられる方向と同じ方向に30°傾けられて配置される。従って、レーザ403Bbを出射されたレーザビームLBbは、互いに逆向きの方向に傾けられたコマ収差補償板417B−2とハーフミラー411B−2のそれぞれを透過し、さらにハーフミラー411B−1で反射されて光偏向装置5に案内される (コマ収差補償板417B−2とハーフミラー411B−2の傾きの方向を明確にするために、ミラー409Bbを取り除いた状態で展開した位置を点線で示す) 。
第3のハーフミラー411B−3は、厚さtm−3が5mmに形成される。また、第3のハーフミラー411B−3は、レーザビームLBcの点線部分が垂直入射時に比べて遅く到達する方向へ30°すなわち第1のハーフミラー411B−1と同一方向に傾けられて配置される。従って、レーザ403Bcを出射されたレーザビームLBcは、互いに逆向きに傾けられたコマ収差補償板417B−3とハーフミラー411B−3のそれぞれを透過し、ハーフミラー411B−2および411B−1で反射されて光偏向装置5に案内される (コマ収差補償板417B−3とハーフミラー411B−3の傾きの方向を明確にするために、ミラー409Bcを取り除いた状態で展開した位置を点線で示す) 。
次に、図37に示した光走査装置401によりもたらされる効果について、詳細に説明する。
光走査装置401によれば、光偏向装置5に案内されるそれぞれのレーザビームは、互いに逆向きに傾けられたコマ収差補償板とハーフミラーのそれぞれを透過されることから、第1の実施例 (図2および図3) において改善の余地が残されていた主走査方向の結像特性を改善できる。また、フレア量も、主走査方向および副走査方向の双方ともに、全体レベルで改善されていることが認められる。なお、光走査装置401により提供される結像特性は、比較のため、第1の実施例の結像特性を示す図4ないし図6、図7ないし図9ならびに図10ないし図12の各グラフに同一スケールで、重ねて示す。
図4ないし図6 (図4ないし図6は、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaに関する結像特性を示すが、既に説明したように、黒第1レーザ3Baにより出射レーザビームLBaは、上述したイエロー第1レーザ3Yaと実質的に等しい特性を有する) のそれぞれにおいて、曲線DYMAXhは、主走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DYMINhは、主走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線DZMAXhは、副走査方向の最大ビーム径の変化を、曲線DZMINhは、副走査方向の最小ビーム径の変化を、曲線FLRYMAXhは、主走査方向の最大フレア量の変化を、ならびに、曲線FLRZMAXhは、副走査方向の最大フレア量を、それぞれ、示す。また、図7ないし図9には、図4ないし図6と同一の条件に関し、図37では図示されていないマゼンタ第1レーザ3MaからのレーザビームLMaの特性を、図10ないし図12には、図4ないし図6と同一の条件に関し、図37では図示されていないシアン第1レーザ3CaのレーザビームLCaの特性を、それぞれ、示すものである。なお、各曲線の表示については、図4ないし図6と同様であるから、詳細な説明は省略する。
図38は、図2および図3に示した光走査装置に適用される第1の実施例としての光源 (すなわちレーザ素子) と光偏向装置との間の偏向前光学系の第4の変形例について詳細に説明する。なお、図2および図3を用いて既に説明したように、光走査装置501は、Ni (Niは正の整数) を満たす2つ (N1=N2=N3=2) のレーザ素子 (イエロー、マゼンタ、シアン) およびN4=4 (黒) のレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生するM組み (Mは正の整数で,M=4) すなわち第1ないし第4の光源503Y,503M,503Cおよび503Bを有するが、図22に示した例と同様に、簡略化のため、黒すなわちレーザビームLBに関する構成を抜き出して説明する。また、図2ならびに図3および図22に示した構成と同様の構成には、500を付加した符号を附して詳細な説明を省略する。なお、各有限レンズについては、図22を用いて示した例と、ならびに、偏向後光学系521については、図2および図3を用いて既に説明した例と、それぞれ、実質的に、同一であるから、特別な条件を除いて説明を省略する。
光走査装置501は、光源としての黒第1ないし黒第4のレーザ503Ba、503Bb、503Bcおよび503Bdを含む光源503B、ならびに、図示しないイエロー第1レーザ503Ya、同第2レーザ503Yb、マゼンタ第1レーザ503Ma、同第2レーザ503Mb、シアン第1レーザ503Ca、同第2レーザ503Cbを有している。
黒第1レーザ503BaからのレーザビームLBaは、偏向前光学系507Baの有限焦点レンズ508Baにより所定の収束特性が与えられ、ミラー309Baにより反射されて、第1のハーフミラー511B−1ならびにシリンダレンズ512Bのそれぞれを通過されて、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面に案内される。
黒第2レーザ503BbからのレーザビームLBbは、偏向前光学系507Bbの有限焦点レンズ508Bbにより所定の収束特性が与えられ、ミラー509Bbにより反射されて、第2のハーフミラー511B−2に案内される。
第2のハーフミラー511B−2に案内されたレーザビームLBbは、ミラー511B−2を通過されたのち第1のハーフミラー511B−1で反射され、シリンダレンズ512Bを通過される。
黒第3レーザ503BcからのレーザビームLBcは、偏向前光学系507Bcの有限焦点レンズ508Bcにより所定の収束特性が与えられ、ミラー509Bcにより反射されて、第3のハーフミラー511B−3に案内される。
第3のハーフミラー511B−3に案内されたレーザビームLBcは、ミラー511B−3を通過されたのち第2のハーフミラー511B−2ならびに第1のハーフミラー511B−1により順に反射され、シリンダレンズ512Bを通過される。
黒第4レーザ503BdからのレーザビームLBdは、偏向前光学系507Bdの有限焦点レンズ508Bdにより所定の収束特性が与えられ、ミラー509Bdにより反射されて、第3のハーフミラー511B−3に案内される。
第3のハーフミラー511B−3に入射されたレーザビームLBdは、ミラー511B−3により反射され、第2のハーフミラー511B−2でさらに反射されて、第1のハーフミラー511B−1に案内される。
第1のハーフミラー511B−1に案内されたレーザビームLBdは、ミラー511B−1によりさらに反射されて、シリンダレンズ512Bに入射される。
シリンダレンズ512Bと光偏向装置5との間には、光偏向装置5の周囲を取り巻く保持部材515とこの保持部材515と一体的に利用されることで多面鏡5aを密閉する一方で、全てのレーザビームLBa,LBb,LBc,LBd,LYa,LYb,LMa,LMb,LCaおよびLCbを多面鏡5aの各反射面に向けて透過する防塵ガラス514が配置され、シリンダレンズ512Bにより副走査方向にのみさらに収束性が与えられたそれぞれのレーザビームは、ガラス514を通って、多面鏡5aの各反射面に案内される。
以下、それぞれのハーフミラー511B−1,511B−2,511B−3ならびに防塵ガラス514について詳細に説明する。
第1のハーフミラー511B−1は、厚さtm−1が5mmに形成される。また、第1のハーフミラー511B−1は、レーザビームLBaの点線部分が垂直入射時に比べて遅く到達する方向へ30°傾けられて配置される。
第2のハーフミラー511B−2は、厚さtm−2が5mmに形成される。また、第2のハーフミラー511B−2は、レーザビームLBbの点線部分が垂直入射時に比べて遅く到達する方向、すなわち第1のハーフミラー511B−1が傾けられる方向と同じ方向に30°傾けられて配置される。
第3のハーフミラー511B−3は、厚さtm−3が5mmに形成される。また、第3のハーフミラー511B−3は、レーザビームLBcの点線部分が垂直入射時に比べて遅く到達する方向へ30°すなわち第1のハーフミラー511B−1と実質的に同様に傾けられて配置される。
防塵ガラス514は、厚さtgが2.5mmで、各ハーフミラー511B−1,511B−2および511B−3と等しい材質 (BK7) により形成され、第1のハーフミラー511B−1が傾けられる方向に対して逆の方向に、すなわち、点線部分が垂直入射時に比べて早く防塵ガラス514に到達する方向に30°傾けられて配置される。すなわち、防塵ガラス514は、光偏向装置5の多面鏡5aとシリンダレンズ512との間に、既に説明した (6) 式を満たすよう、配置される。なお、防塵ガラス514は、既に説明した他の例に準じて、副走査方向に、僅かに傾きをもつウェッジプレートでもよい。
なお、防塵ガラス514によりもたらされる結像特性は、図36に示した光走査装置301により提供される結像特性と概ね一致されることから、詳細な説明を省略する。すなわち、図4ないし図6、図7ないし図9および図10ないし図12のそれぞれにおいて、主走査方向の最大ビーム径の変化は、曲線DYMAXgで、主走査方向の最小ビーム径の変化は、曲線DYMINgで、副走査方向の最大ビーム径の変化は、曲線DZMAXgで、副走査方向の最小ビーム径の変化は、曲線DZMINgで、主走査方向の最大フレア量の変化は、曲線FLRYMAXgで、ならびに、副走査方向の最大フレア量は、曲線FLRZMAXgで、それぞれ、示される。
次に、図2および図3に示した光走査装置に適用される第2の実施例としての偏向後光学系の第1の変形例について (識別のため各要素に600を付加した符号を付して) 詳細に説明する。なお、第1および第2の結像レンズ630aおよび630bが配置される状態は、図面上で、実質的に、図2および図3を用いて既に説明した例と同様であるから、具体的な光学特性についてのみ、表4および表5を用いて以下に説明する。
図示しない偏向後光学系621は、1組の結像レンズ630を有している。
結像レンズ630は、第1および第2の結像レンズ630a,630bを含む2枚組みレンズであって、表4および表5ならびに数式 (ZZ) を用いて以下に示す光学特性および形状が与えられている。なお、それぞれの結像レンズ630aおよび630bは、いずれも、像面からの距離よりも光偏向装置の多面鏡の各反射面の反射点からの距離が短くなるよう規定された所定の位置に配置されている。
Figure 0004500222
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図39ないし図41は、表4および表5に示した光学特性が与えられた偏向後光学系621によりレーザビームLCが結像される状態を示すグラフである。なお、各グラフにおいては、図10ないし図12で説明したと同様に、第1の結像レンズ630aあるいは第2の結像レンズ630bもしくはその双方を意図的に取り除いて、各結像レンズ630a,630bにより結像特性が改善される状態を示すグラフである。また、レーザビームLB,LYおよびLMのそれぞれに関しては、図13ないし図15および図16ないし図18に示した第2の実施例に類似の結果となることから、詳細な説明を省略する。
図39は、レーザビームLM (LMaとLMbとが所定の副走査方向に間隔で配列されている) に関し、主走査方向のデフォーカス量 (結像位置の変化量) と結像レンズ630を取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示し、曲線FSY0は、第1および第2の結像レンズ630aおよび630bのそれぞれを取り外した状態、曲線FSY1は、第2の結像レンズ630bのみを取り外した (同第1の結像レンズ630aのみ利用した) 状態ならびに曲線FSY2は、2枚のレンズ630aおよび630bのそれぞれをセットした状態に対応される。
図40は、同レーザビームLMに関し、副走査方向のデフォーカス量と主走査方向位置との関係を示すものであって、曲線FSZ0は、第1および第2の結像レンズ630a,630bのそれぞれを取り外した状態、曲線FSZ1は、第2の結像レンズ630bのみを取り外した (第1の結像レンズ630aのみをセットした) 状態、ならびに、曲線FSZ2は、第1および第2のレンズ630a,630bのそれぞれをセットした状態の結像位置の変化に対応される。
図41は、同レーザビームLMに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示し、曲線Y0は、第1および第2の結像レンズ630aおよび630bのそれぞれを取り外した状態、曲線Y1は、第2の結像レンズ630bのみを取り外した (同第1の結像レンズ630aのみをセットした) 状態ならびに曲線Y2は、第1,第2のレンズ630a,630bのそれぞれをセットした状態に対応される。
図39に示されるように、偏向後光学系621の結像レンズ630を意図的に外すと、光源から出射されたレーザビームは、それぞれ、偏向前光学系607により、主走査方向に関し、像面よりも遠方に結像される (FSY0) 。ここで、第1の結像レンズ630aのみを挿入すると、結像レンズ630aの中央付近を通過されるレーザビームは、FY0よりも光偏向装置5寄りに結像される。一方、結像レンズ630aの端部付近を通過されるレーザビームは、FSY0よりも、光偏向装置5の反対側に結像される。すなわち、第1の結像レンズ630aは、レンズ中央付近においては、主走査方向の結像位置を光偏向装置側に移動させることのできるパワーを有し、レンズ端部付近では、結像位置を光偏向装置と反対側に動かす作用を有する (FSY1) 。また、第2の結像レンズ630bをセットすると、第1の結像レンズ630aの中央付近を通過されたレーザビームおよび端部付近を通過されたレーザビームのそれぞれは、所定の像面に、実質的に、直線状に結像される。すなわち、第2の結像レンズ630bは、レンズ中央付近において、主走査方向の結像位置を光偏向装置と反対側に移動させることのできるパワーを有し、レンズ端部付近では、結像位置を光偏向装置側に動かす作用を有する。換言すると、第2の結像レンズ630bは、主走査方向に関し、レンズ中心から離れるに従ってパワーが増大されるよう形成されている (FSY2)。これにより、温度および湿度が変動した場合であっても、結像位置の変動の少ない偏向後光学系が提供される。
図40に示されるように、偏向後光学系621の結像レンズ630を意図的に外すと、光源から出射されたレーザビームは、それぞれ、偏向前光学系により、主走査方向と直交する副走査方向に関し、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点近傍に結像される (FSZ0) 。このとき、第1の結像レンズ630aのみを挿入すると、レンズの概ね中央を通過されるレーザビームは、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点よりもさらに偏向前光学系寄り (偏向前結像光学系内) に結像される。換言すると、第1の結像レンズ630aは、結像位置を像面から遠のく方向に移動させる作用を有する。なお、第1の結像レンズ630aの副走査方向の結像位置の移動作用は、レンズの端部付近に比較して (レンズ) 中央付近で強められている (FSZ1) 。また、第2の結像レンズ630bが挿入されることで、第1の結像レンズの中央付近ならびに端部付近を通過されたレーザビームのそれぞれは、所定の像面に、実質的に、直線状に結像される。すなわち、第2の結像レンズ630bは、レンズの主走査方向の全域において、副走査方向の結像位置を像面側に移動させることのできるパワーを有する。換言すると、第2の結像レンズ630bの副走査方向のパワーは、レンズの端部付近に比較して中央付近が強く設定されている (FSZ2) 。これにより、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の角度の設定値からの変動すなわち面倒れに対する補正量が大きく、温度および湿度が変動した場合であっても、結像位置の変動の少ない偏向後光学系が提供される。
図41に示されるように、偏向後光学系の結像レンズを意図的に外すと、光源から出射されたレーザビームは、それぞれ、偏向前光学系により、結像レンズ630が存在する場合に、概ね、レンズの中心付近に対応される位置を通過するレーザビームに関しては、概ね、所定の像面に結像される (Y0) 。ここで、第1の結像レンズ630aのみを挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、レンズの主走査方向に関して概ね等しい位置に結像され、端部付近を通過されるレーザビームは、レーザビームが通過された主走査方向の位置とレンズの主走査方向の中心との間の間隔に概ね比例して、レンズの中央に向けてシフトされて結像される (Y1) 。また、第2の結像レンズ630bをさらに挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、同様に、主走査方向に関して概ね等しい位置に結像され、一方で、端部付近を通過されるレーザビームは、レーザビームが通過された主走査方向の位置とレンズの主走査方向の中心との間の間隔に概ね比例して、レンズの中央に向けて、さらにシフトされる (Y2) 。すなわち、第1,第2の結像レンズ630a,630bは、いづれも、レンズの中心からの主走査方向の距離が増大されるにつれて、主走査方向に関し、レーザビームを主走査方向の中心に向けて移動させる作用を有する。このレーザビームを移動させる作用は、レンズの中心からの主走査方向の距離が増大されるにつれて、所定の関数で増大される。従って、レーザビームが主走査方向に偏向される際の等速性に優れ、温度および湿度の変動による主走査方向の位置の変動が低減される。
以上説明したように、図2および図3に示した光走査装置に類似した光学要素を含む光走査装置601における結像レンズ630に、表4および表5に示した光学特性を与えることにより、図39ないし図41に詳述したように、2枚組みのプラスチックレンズによっても、温度および湿度の変動に依存して主走査方向のデフォーカス量、副走査方向のデフォーカス量ならびに主走査方向のレーザビームの位置が変動しない偏向後光学系を提供できる。
また、上述した結像レンズ630すなわち第1および第2の結像レンズ630a,630bは、それぞれ、像面からの距離に比較して光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点からの距離が短くなるよう規定された位置すなわち光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点と像面との間の距離の中心よりも光偏向装置5寄りに配置されていることから、光走査装置の大きさを低減できる。
次に、図2および図3に示した光走査装置に適用される第2の実施例としての偏向後光学系の第2の変形例について (識別のため各要素に700を付加した符号を付して) 詳細に説明する。なお、第1および第2の結像レンズ730aおよび730bが配置される状態は、図面上で、実質的に、図2および図3を用いて既に説明した例と同様であるから、具体的な光学特性についてのみ、表6および表7を用いて以下に説明する。
図示しない偏向後光学系721は、1組の結像レンズ730を有している。
結像レンズ730は、第1および第2の結像レンズ730a,730bを含む2枚組みレンズであって、表6および表7ならびに数式 (AA) を用いて以下に示す光学特性および形状が与えられている。なお、それぞれの結像レンズ730aおよび730bは、いずれも、像面からの距離よりも光偏向装置の多面鏡の各反射面の反射点からの距離が短くなるよう規定された所定の位置に配置されている。
Figure 0004500222
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図42ないし図44は、表6および表7に示した光学特性が与えられた偏向後光学系721によりレーザビームLMが結像される状態を示すグラフである。なお、各グラフにおいては、図10ないし図12で説明したと同様に、第1の結像レンズ730aあるいは第2の結像レンズ730bもしくはその双方を意図的に取り除いて、各結像レンズ730a,730bにより結像特性が改善される状態を示すグラフである。また、レーザビームLB,LYおよびLCのそれぞれに関しては、図13ないし図15および図16ないし図18に示した第2の実施例に類似の結果となることから、詳細な説明を省略する。
図42は、レーザビームLM (LMaとLMbとが所定の副走査方向に間隔で配列されている) に関し、主走査方向のデフォーカス量 (結像位置の変化量) と結像レンズ730を取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示し、曲線FSY0は、第1および第2の結像レンズ730aおよび730bのそれぞれを取り外した状態、曲線FSY1は、第2の結像レンズ730bのみを取り外した (同第1の結像レンズ730aのみ利用した) 状態ならびに曲線FSY2は、2枚のレンズ730aおよび730bのそれぞれをセットした状態に対応される。
図43は、同レーザビームLMに関し、副走査方向のデフォーカス量と主走査方向位置との関係を示すものであって、曲線FSZ0は、第1および第2の結像レンズ730a,730bのそれぞれを取り外した状態、曲線FSZ1は、第2の結像レンズ730bのみを取り外した (第1の結像レンズ730aのみをセットした) 状態、ならびに、曲線FSZ2は、第1および第2のレンズ730a,730bのそれぞれをセットした状態の結像位置の変化に対応される。
図44は、同レーザビームLYに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示し、曲線Y0は、第1および第2の結像レンズ730aおよび730bのそれぞれを取り外した状態、曲線Y1は、第2の結像レンズ730bのみを取り外した (同第1の結像レンズ730aのみをセットした) 状態ならびに曲線Y2は、第1,第2のレンズ730a,730bのそれぞれをセットした状態に対応される。
図42に示されるように、偏向後光学系721の結像レンズ730を意図的に外すと、光源から出射されたレーザビームは、それぞれ、偏向前光学系707により、主走査方向に関し、像面よりも遠方に結像される (FSY0) 。ここで、第1の結像レンズ730aのみを挿入すると、結像レンズ730aの中央付近を通過されるレーザビームは、FS0よりも光偏向装置5寄りに結像される。一方、結像レンズ730aの端部付近を通過されるレーザビームは、FSY0よりも光偏向装置と反対側へシフトに結像される。すなわち、第1の結像レンズ730aは、レンズ中央付近においては、主走査方向の結像位置を光偏向装置側に移動させることのできるパワーを有し、レンズ端部付近では、結像位置を光偏向装置と反対側に動かす作用を有する (FSY1) 。また、第2の結像レンズ730bをセットすると、第1の結像レンズ730aの中央付近を通過されたレーザビームおよび端部付近を通過されたレーザビームのそれぞれは、所定の像面に、実質的に、直線状に結像される。すなわち、第2の結像レンズ730bは、レンズ中央付近において、主走査方向の結像位置を像面側に移動させることのできるパワーを有し、レンズ端部付近では、結像位置を光偏向装置側に動かす作用を有する。換言すると、第2の結像レンズ730bは、主走査方向に関し、レンズ中心から離れるに従ってパワーが増大されるよう形成されている (FSY2) 。これにより、温度および湿度が変動した場合であっても、結像位置の変動の少ない偏向後光学系が提供される。
図43に示されるように、偏向後光学系721の結像レンズ730を意図的に外すと、光源から出射されたレーザビームは、それぞれ、偏向前光学系により、主走査方向と直交する副走査方向に関し、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点近傍に結像される (FSZ0) 。このとき、第1の結像レンズ730aのみを挿入すると、レンズの概ね中央を通過されるレーザビームは、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点よりもさらに偏向前光学系寄り (偏向前結像光学系内) に結像される。換言すると、第1の結像レンズ730aは、結像位置を像面から遠のく方向に移動させる作用を有する。なお、第1の結像レンズ730aの副走査方向の結像位置の移動作用は、レンズの端部付近に比較して (レンズ) 中央付近で強められている (FSZ1) 。また、第2の結像レンズ730bが挿入されることで、第1の結像レンズの中央付近ならびに端部付近を通過されたレーザビームのそれぞれは、所定の像面に、実質的に、直線状に結像される。すなわち、第2の結像レンズ730bは、レンズの主走査方向の全域において、副走査方向の結像位置を像面側に移動させることのできるパワーを有する。換言すると、第2の結像レンズ730bの副走査方向のパワーは、レンズの端部付近に比較して中央付近が強く設定されている (FSZ2) 。これにより、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の角度の設定値からの変動すなわち面倒れに対する補正量が大きく、温度および湿度が変動した場合であっても、結像位置の変動の少ない偏向後光学系が提供される。
図44に示されるように、偏向後光学系の結像レンズを意図的に外すと、光源から出射されたレーザビームは、それぞれ、偏向前光学系により、結像レンズ730が存在する場合に、概ね、レンズの中心付近に対応される位置を通過するレーザビームに関しては、概ね、所定の像面に結像される (Y0) 。ここで、第1の結像レンズ730aのみを挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、レンズの主走査方向に関して概ね等しい位置に結像され、端部付近を通過されるレーザビームは、レーザビームが通過された主走査方向の位置とレンズの主走査方向の中心との間の間隔に概ね比例して、レンズの中央に向けてシフトされて結像される (Y1) 。また、第2の結像レンズ730bをさらに挿入すると、レンズの中央付近を通過されるレーザビームは、同様に、主走査方向に関して概ね等しい位置に結像され、一方で、端部付近を通過されるレーザビームは、レーザビームが通過された主走査方向の位置とレンズの主走査方向の中心との間の間隔に概ね比例して、レンズの中央に向けて、さらにシフトされる (Y2) 。すなわち、第1,第2の結像レンズ730a,730bは、いづれも、レンズの中心からの主走査方向の距離が増大されるにつれて、主走査方向に関し、レーザビームを主走査方向の中心に向けて移動させる作用を有する。このレーザビームを移動させる作用は、レンズの中心からの主走査方向の距離が増大されるにつれて、所定の関数で増大される。従って、レーザビームが主走査方向に偏向される際の等速性に優れ、温度および湿度の変動による主走査方向の位置の変動が低減される。
以上説明したように、図2および図3に示した光走査装置に類似した光学要素を含む光走査装置701における結像レンズ730に、表6および表7に示した光学特性を与えることにより、図42ないし図44に詳述したように、2枚組みのプラスチックレンズによっても、温度および湿度の変動に依存して主走査方向のデフォーカス量、副走査方向のデフォーカス量ならびに主走査方向のレーザビームの位置が変動しない偏向後光学系を提供できる。
また、上述した結像レンズ730すなわち第1および第2の結像レンズ730a,730bは、それぞれ、像面からの距離に比較して光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点からの距離が短くなるよう規定された位置すなわち光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面の反射点と像面との間の距離の中心よりも光偏向装置5寄りに配置されていることから、光走査装置の大きさを低減できる。
この発明の実施の形態としてのマルチビーム光走査装置が利用される画像形成装置の概略断面図。 図1に示した画像形成装置に組み込まれる光走査装置の実施の形態を示す概略平面図。 図2に示した光走査装置において、光偏向装置により偏向されたレーザビームが最小の距離で結像される状態で切断した概略断面図。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLYaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLYaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の副走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLYaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大フレア量および副走査方向最大フレア量のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLMaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLMaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の副走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLMaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大フレア量および副走査方向最大フレア量のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLCaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLCaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の副走査方向の最大ビーム径および最小ビーム径のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームの結像特性が改善された状態を説明するグラフであって、レーザビームLCaに関し、像面位置を設計値より±2mm間移動した際の主走査方向の最大フレア量および副走査方向最大フレア量のそれぞれと主走査方向位置との関係を表すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLY (LYaとLYbとが所定の副走査方向に間隔で配列されている) に関し、主走査方向のデフォーカス量 (結像位置の変化量) と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLYに関し、副走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLYに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLMに関し、主走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLMに関し、副走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLMに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLCに関し、主走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLCに関し、副走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置によりレーザビームLCに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置の偏向前光学系の第1の変形例を示す概略平面図。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を与えることにより、像面位置 (感光体ドラム表面上) を0とした状態の主光線近傍の光線の結像位置および最外郭光線近傍の光線の結像位置を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を2次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を4次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を6次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を8次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を10次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を12次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を14次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに、表3の球面収差を16次まで与えた場合の波面収差の形および対応するデフォーカス量を示すグラフ。 図22に示した光走査装置の第1,第2の有限焦点レンズに球面収差を与えない場合の各ビームウエスト径時の所定のデフォーカス内での最大ビーム径を示すグラフ。 図22に示した光走査装置に利用される有限レンズを単色 (モノカラー) 用の光走査装置に適用する例を示す概略平面図。 図33に示した光走査装置の偏向後光学系の概略断面図。 図33に示した光走査装置の偏向前光学系の概略断面図。 図2および図3に示した光走査装置の偏向前光学系の第2の変形例を示す概略平面図。 図2および図3に示した光走査装置の偏向前光学系の第3の変形例を示す概略平面図。 図2および図3に示した光走査装置の偏向前光学系の第4の変形例を示す概略平面図。 図2および図3に示した光走査装置に表4および表5を用いて詳述した偏向後光学系を組み合わせた光走査装置におけるレーザビームLMに関し、主走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置に表4および表5を用いて詳述した偏向後光学系を組み合わせた光走査装置におけるレーザビームLMに関し、副走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置に表4および表5を用いて詳述した偏向後光学系を組み合わせた光走査装置におけるレーザビームLMに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置に表6および表7を用いて詳述した偏向後光学系を組み合わせた光走査装置におけるレーザビームLMに関し、主走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置に表6および表7を用いて詳述した偏向後光学系を組み合わせた光走査装置におけるレーザビームLMに関し、副走査方向のデフォーカス量と結像レンズを取り除いた状態の主走査方向位置との関係を示すグラフ。 図2および図3に示した光走査装置に表6および表7を用いて詳述した偏向後光学系を組み合わせた光走査装置におけるレーザビームLMに関し、主走査方向の実際の結像位置と理論上の結像位置との差をビーム位置修正量とした主走査方向の位置との関係を示すグラフ。
符号の説明
1…マルチビーム光走査装置、3…光源、5…光偏向装置、7…偏向前光学系、9…ミラー、11…ハーフミラー、12…シリンダレンズ、13…合成ミラーユニット、14…平行平板、15…保持部材 (ユニットハウジング) 、16…防塵ガラス (平行平板) 、21…偏向後光学系、23…水平同期用光検出器、25…水平同期用折り返しミラー、30…結像レンズ、50…画像形成部、58…感光体ドラム、60…帯電装置、62…現像装置、64…転写装置、66…クリーナ、68…除電装置、72…送り出しローラ、74…レジストローラ、76…吸着ローラ、82…搬送ベルトクリーナ、84…定着装置、100…画像形成装置。

Claims (2)

  1. 光源と、
    所定の球面収差を有し、前記光源から出射された光を収束光にする有限焦点レンズと、
    前記有限焦点レンズからの出射光を副走査方向に収束させるため、前記副走査方向と直交する主走査方向と比較して絶対値の大きな正のパワーを有する光学部材と、
    回転可能に形成された反射面を有し、前記光学部材を出た光を前記主走査方向に偏向する偏向手段と、
    前記偏向手段により偏向された光を感光体表面に等速で走査するように結像し、前記偏向手段と前記感光体表面を前記副走査方向に関して共役な関係として前記偏向手段の面倒れを補正する機能を持つ第2のレンズで構成される光学手段と、
    を有し、
    前記有限焦点レンズの球面収差は、前記主走査方向において、前記光源から出射され、前記有限焦点レンズの光軸を通る光である主光線近傍を通る光が前記主光線と交わる位置を、前記感光体表面よりも前記光源側に位置させるものであり、前記光源から出射され、前記有限焦点レンズの最外郭光線近傍を通る光と前記主光線とが交わる位置を、前記感光体表面よりも前記光源と反対側に位置させるものであることを特徴とする前記感光体表面を露光するためのマルチビーム露光装置。
  2. Figure 0004500222
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