以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ(以下、単にカメラと称する)の外観構成を示す斜視図であり、図2乃至図4は図1のデジタルカメラのレンズ鏡筒を取り外したカメラ本体の外観構成を示すもので、図2は上面図、図3は側面図、図4は背面図である。尚、ここでは、一例として、図1のデジタルカメラ1は、一眼レフレックス方式のカメラを示している。
図1に示されるように、このカメラ1は、レンズ鏡筒10とカメラ本体20とから構成されている。上記レンズ鏡筒は、カメラ本体20の前面に設けられている図示されないレンズマウントを介して、該カメラ本体20に着脱自在に装着可能である。
カメラ本体20の上面部には、パワースイッチレバー21と、レリーズ釦22と、モードダイヤル23と、サブダイヤル24と、ホワイトバランス(WB)釦25と、画質モード釦27と、フラッシュモード釦28と、露出補正釦29と、ISO釦30と、LIGHT釦31と動作表示用LCD52とが設けられている。
パワースイッチレバー21は、当該カメラ1の電源のオン/オフをするための操作部材である。このパワースイッチレバー21が回動操作されることにより、当該カメラ1のメイン電源のオン/オフが切り替えられる。
レリーズ釦22は、撮影準備動作及び露光動作を実行させるための釦である。このレリーズ釦22は、第1レリーズスイッチと第2レリーズスイッチの2段式のスイッチで構成されており、レリーズ釦22が半押し操作されることによって、第1レリーズスイッチがオンされて測光処理や測距処理などの撮影準備動作が実行される。また、レリーズ釦22が全押し操作されることによって、第2レリーズスイッチがオンされて露光動作が実行される。
モードダイヤル23は、撮影時の撮影モードを設定するための操作部材である。このモードダイヤル23が所定方向に回転操作されることによって、撮影時の撮影モードが設定される。図2に示される例では、例えばプログラムAEモード“P”、絞り優先AEモード“A”、シャッタ優先AEモード“S”、マニュアルモード“M”、シーンモード“SCN”の5つのモードが設定可能である。
ここで、プログラムAEモードは、カメラ1によって演算された露光条件(絞り値及びシャッタスピード)に従って露光動作が行われるモードである。絞り優先AEモードは、ユーザによって設定された絞り値に応じてシャッタスピードが設定されて露光が行われるモードである。シャッタ優先AEモードは、ユーザによって設定されたシャッタスピードに応じて絞り値が設定されて露光が行われるモードである。マニュアルモードは、ユーザによって設定された絞り値及びシャッタスピードで露光が行われるモードである。シーンモードは、種々の撮影シーンに適した条件で撮影が行われるモードである。尚、シーンモードに於いては、モードダイヤル23を“SCN”に設定した状態で、所望のシーンをメニュー画面上で設定する必要がある。
サブダイヤル24は、他の操作部材が押された状態で操作される操作部材である。このサブダイヤル24が回転操作されることにより、現在ユーザによって押されている操作部材に係る機能の設定変更を行うことが可能である。ここで、サブダイヤル24を利用した設定が行われている場合には、その際のカメラ1の動作状態が、動作表示用LCD52に表示される。ユーザはこの表示を見ながら設定変更を行うことができる。
WB釦25は、ホワイトバランスをどのように行うのかを設定するための釦である。このWB釦25が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、ホワイトバランスの設定が、オートホワイトバランスまたはプリセットホワイトバランスに変更される。オートホワイトバランスでは、ホワイトバランス補正がカメラ1によって自動的に行われる。また、プリセット光源ホワイトバランスでは、晴天時の太陽光や、蛍光灯、電球等といった種々の光源に応じて、予め設定された条件でホワイトバランス補正が行われる。
画質モード釦27は、画像記録時の画質モード(画像サイズと圧縮率)を設定するための釦である。この画質モード釦27が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより画質モードが変更される。
フラッシュモード釦28は、当該カメラ1に図示しない外部フラッシュ装置が装着されている場合に、外部フラッシュ装置の発光モードを設定するための釦である。このフラッシュモード釦28が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、発光モードが、例えばオート発光モード、赤目軽減発光モード、スローシンクロモード、強制発光モードの順で変更される。
オート発光モードは、外部フラッシュ装置の発光量等の条件がカメラ1によって自動的に設定されるモードである。赤目軽減発光モードは、撮影に先立って赤目軽減用のプリ発光がなされるモードである。スローシンクロモードは、低速シャッタを併用してフラッシュ発光が行われるモードであり、夜景撮影等に有効なモードである。強制発光モードは、撮影時の条件によらずにフラッシュを発光させるモードである。
露出補正釦29は、露光動作時の露光量を補正するための露出補正値を設定するための釦である。この露出補正釦29が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、露出補正値の値が設定変更される。露出補正値を設定することにより、例えばプログラムAEモード等に於いて、カメラ1により自動的に演算された露光量が適正でない場合などでも、これを補正して撮影を行うことができる。
ISO釦30は、露光動作時の撮像素子感度(フィルムのISO感度に相当する)を設定するための釦である。このISO釦30が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、露光動作時の撮像素子感度の設定変更がなされる。
LIGHT釦31は、後述する動作表示用LCD52のバックライトを点灯または消灯するための釦である。
また、カメラ本体20の前面部には、ワンタッチホワイトバランス(WB)釦33が設けられている。このワンタッチWB釦33は、オートホワイトバランスやプリセットホワイトバランスで対応できないホワイトバランス条件を登録するための釦である。
カメラ本体20の側面部には、オートブラケット(BKT)釦34と、測光モード釦35と、DRIVEモード釦36と、フォーカスモードレバー38とが設けられている。
BKT釦34は、ブラケット撮影時の撮影枚数や露出補正量、ホワイトバランスゲインを設定するための釦である。ブラケット撮影では、露光量やホワイトバランスゲインが異なる複数枚の画像が撮影される。BKT釦34が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、撮影枚数や露出補正量、ホワイトバランスゲインが変更される。
測光モード釦35は、測光処理時の測光モードを設定するための釦である。この測光モード釦35が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、測光モードが、例えばスポット測光モード、中央部重点平均測光モード、評価測光モードの順で変更される。
スポット測光モードは、画面内の極狭い範囲内の光量に基づいて測光処理が行われるモードである。また、中央部重点平均測光モードは、画面内の中央部に対して重み付けがなされた平均測光が行われるモードである。更に、評価測光モードは、画面内が複数の領域に分割されて測光処理され、分割領域毎に得られた結果が評価されることにより最終的な測光結果が得られるモードである。
DRIVEモード釦36は、カメラ1の動作モードを設定するための釦である。このDRIVEモード釦36が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、動作モードが、例えば単写モード、連写(連続撮影)モード、セルフモード、リモコンモードの順で変更される。
単写モードは、ユーザによるレリーズ釦22の全押し操作に応答して1フレームの画像の撮影が行われるモードである。また、連写モードは、ユーザがレリーズ釦22を全押し操作している間、撮影動作が繰り返され、これによって複数フレームの画像の撮影が行われるモードである。セルフモードは、レリーズ釦302の全押し操作後、所定時間後に露光動作が行われる、いわゆるセルフタイマ撮影が行われるモードである。また、リモコンモードは、カメラ1を、図示されないリモートコントローラによって操作可能にするためのモードである。
フォーカスモードレバー38は、撮影時のAFモードを設定するための操作部材である。このフォーカスモードレバー38が切り替えられることにより、AFモードが、例えばシングルAFモード、コンティニュアスAFモード、パワーフォーカス(PF)モードの順で変更される。
上記シングルAFモードは、一旦、後述する撮影光学系61の焦点制御が行われた後は、レリーズ釦22の半押しが解除されるまで撮影光学系61の焦点状態が固定されるモードである。コンティニュアスAFモードは、被写体の動きに追従して撮影光学系61の焦点制御が行われるモードである。PFモードは、ユーザが手動で撮影光学系61の焦点調節を行うことができるモードである。
更に、カメラ本体20の背面部には、メインダイヤル40と、AFフレーム釦41と、AEロック釦42と、再生モード釦43と、消去釦44と、プロテクト釦45と、情報表示釦46と、メニュー釦48と、十字釦49と、OK釦50と、液晶モニタ53とが設けられている。
メインダイヤル40は、サブダイヤル24と同一の機能を有する操作部材である。このメインダイヤル40が回転操作されることにより、現在ユーザによって押されている操作部材に係る機能の設定変更を行うことが可能である。
AFフレーム釦41は、撮影時のAF方式を選択するための釦である。このAFフレーム釦41が押されている状態でダイヤル操作がなされることにより、AF方式が、例えばマルチAFまたはスポットAFに変更される。マルチAFでは、画面内の複数測距点の焦点状態が検出される。一方、スポットAFでは、画面内の一点(複数候補の中から選択できる)の焦点状態が検出される。
AEロック釦42は、露光条件を固定するための釦である。このAEロック釦42が押されている間は、そのとき演算されている露光量が固定される。
再生モード釦43は、カメラ1の動作モードを、後述するFlashROM94や記録メディア95に記録されたJPEGファイルから画像を再生できる再生モードに切り替えるための釦である。
消去釦44は、再生モード中に於いて、画像データ(JPEGファイル)をFlashROM94や記録メディア95から消去するための釦である。
プロテクト釦45は、再生モード中に於いて、誤って画像データが消去されないように、画像データにプロテクトをかけるための釦である。
情報表示釦46は、画像データの付加情報(例えば、Exif情報)に基づく画像情報を表示させるための釦である。
メニュー釦48は、液晶モニタ53にメニュー画面を表示させるための釦である。このメニュー画面は、複数の階層構造から成るメニュー項目によって構成されている。ユーザは、所望のメニュー項目を十字釦49で選択することができ、OK釦50で選択した項目を決定することができる。ここで、メニュー項目としては、例えば、FlashROM94や記録メディア95のセットアップ、画像データの画質、画像処理、シーンモード等の設定を行うことができる撮影メニュー、画像再生時の再生条件及び画像プリント時の設定などを行うことができる再生メニュー、撮影者の好みに応じた種々の細かい設定を行うことができるカスタムメニュー、及び警告音の種類等のカメラの動作状態を設定するセットアップメニュー等がある。
例えば、シーンモードの設定時には、モードダイヤル23がシーンモード(SCN)に設定されている状態で、メニュー画面上で所望のシーンを選択することができる。このシーンの例としては、ポートレート、スポーツ、記念撮影、風景、夜景等がある。これら選択されたシーンに応じて露光条件、フラッシュ発光の条件、測光モード、AF方式、連写間隔などの撮影時の撮影条件が設定される。
また、液晶モニタ53は、撮影した被写体像や各種のメニュー画面を表示するための表示部である。
図5は、カメラ1の内部の電気回路構成について詳しく示すブロック図である。
図1でも説明したように、カメラ1は、レンズ鏡筒10と、カメラ本体20とから構成されている。
レンズ鏡筒10の各部の制御は、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lμcomと略記する)65によって行われる。一方、カメラ本体20の各部の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bμcomと略記する)100によって行われる。ここで、カメラ本体20にレンズ鏡筒10が装着された際には、通信コネクタ55を介してLμcom65とBμcom100とが通信可能に接続される。この場合、カメラシステムとして、Lμcom65がBμcom100に従属するようにして稼動するようになっている。
上記レンズ鏡筒10は、撮影光学系61と、絞り62と、レンズ駆動機構63と、絞り駆動機構64と、Lμcom65とから構成されている。図5に於いては、撮影光学系61を構成する複数の光学レンズを1つの光学レンズで代表して図示している。
上記撮影光学系61は、レンズ駆動機構63内に存在する図示されないDCモータにより、その光軸方向に駆動される。また、撮影光学系61の後方には絞り62が設けられている。この絞り62は、絞り駆動機構64内に存在する図示されないステッピングモータによって開閉駆動される。絞り64の開閉が制御されることによって、撮影光学系61を介してカメラ本体20に入射する被写体からの光束の光量が制御される。
尚、レンズ駆動機構63内のDCモータの制御及び絞り駆動機構64内のステッピングモータの制御は、Bμcom100の指令を受けたLμcom65によって行われる。
一方、カメラ本体20の内部には、メインミラー71と、フォーカシングスクリーン72と、ペンタプリズム73と、接眼レンズ74とから構成されるファインダ装置が設けられている。カメラ1が通常状態にある場合には、上述したように、撮影光学系61を介して入射された被写体からの光束の一部がメインミラー71で反射される。これによって、フォーカシングスクリーン72、ペンタプリズム73、及び接眼レンズ74を介して観察用の像が形成される。
ここで、ペンタプリズム73の近傍には、測光回路101が設けられている。ペンタプリズム73を通過した光束の一部が、測光回路101内の図示されないホトセンサに入射するようになっている。測光回路101では、ホトセンサで検出された光束の光量に基づいて、周知の測光処理が行われる。測光回路101で処理された結果は、Bμcom100に送信される。Bμcom100では、測光回路101から入力された結果に基づいて、撮影時の露光量が演算される。この結果は、Bμcom100からLμcom65に送信される。Lμcom65では、Bμcom100から通知された露光量に基づいて絞り62の駆動制御が行われる。
また、上記メインミラー71の中央部はハーフミラーになっており、該メインミラー71がダウン(図示の位置)した際に一部の光束が透過する。そして、この透過した光束は、メインミラー71に設置されたサブミラー76で反射され、自動焦点調節処理(AF処理)を行うためのAFセンサユニット77に導かれる。AFセンサユニット77の内部には、例えば位相差方式のAFを行うためのAFセンサが設けられている。このAFセンサに入射した光束は、電気信号に変換される。AFセンサユニット77のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路79を介してBμcom100へ送信される。そして、Bμcom100に於いて測距処理が行われ、撮影光学系61の焦点状態が演算される。この結果は、Bμcom100からLμcom65に送信される。Lμcom65では、Bμcom100から通知された焦点状態に基づいて撮影光学系61の駆動制御が行われる。
また、カメラ1が撮影動作状態にある場合は、メインミラー71が撮影光学系61の光軸から退避する所定のアップ位置(図示せず)に移動される。このようなメインミラー71の駆動は、ミラー駆動機構78によって行われる。また、ミラー駆動機構78の制御は、Bμcom100によって行われる。尚、メインミラー71がアップ位置に移動された場合には、それに伴ってサブミラー76が折り畳まれるようになっている。
メインミラー71がアップ位置に移動されることによって、撮影光学系61を透過した被写体からの光束は、シャッタ部81の方向に入射する。フォーカルプレーン式のシャッタ部81を構成する先幕と後幕とを駆動するためのばね力は、シャッタチャージ機構87によってチャージされる。また、先幕と後幕の駆動は、シャッタ制御回路88によって行われる。これらシャッタチャージ機構87及びシャッタ制御回路88は、Bμcom100によって制御される。
シャッタ部81を通過した光束は、シャッタ部81の後方に配置された撮像ユニット82内部の撮像素子83に入射する。この撮像素子83は、該撮像素子83と撮影光学系61との間に配設された防塵フィルタ84によって保護されている。この防塵フィルタ84は、例えばガラス等の透明部材で構成されている。また、防塵フィルタ84の周縁部には、該防塵フィルタ84を所定の振動周波数で振動させるための圧電素子85が取り付けられている。圧電素子85は、2つの電極を有しており、防塵フィルタ駆動回路89によって駆動される。また、防塵フィルタ84の制御は、Bμcom100によって行われる。防塵フィルタ駆動回路89によって圧電素子85を振動させることによって、防塵フィルタ84が振動する。これによって、防塵フィルタ84の表面に付着した塵埃が払い落とされる。
ここで、撮像素子83と圧電素子85とは、防塵フィルタ84を一面とするケース内に一体的に収納されている。これにより、撮像素子83への塵埃の付着を確実に防止することができる。
また、撮像ユニット82の近傍には、温度測定回路102が設けられている。通常、温度はガラス製の物材の弾性係数に影響する。つまり、温度の変化は、防塵フィルタ84の固有振動数を変化させる要因の1つとなるため、防塵フィルタ84を振動させる際には、常にその周辺温度が計測されるようにしている。尚、温度測定回路102の温度測定ポイントは、防塵フィルタ84の振動面の極近傍に設定することが好ましい。このように、温度の変化を考慮しながら防塵フィルタ84の振動を制御することにより、常に最適な条件で防塵フィルタ84を振動させることが可能である。
上記撮像素子83で得られた電気信号(画像信号)は、所定タイミング毎に撮像インターフェイス回路91を介して読み出されてデジタル化される。撮像インターフェイス回路91でデジタル化されて得られた画像データは、画像処理コントローラ92を介して、SDRAM等で構成されたバッファメモリ93に格納される。ここで、バッファメモリ93は、画像データ等のデータの一時保管用メモリであり、画像データに各種処理が施される際のワークエリア等に利用される。
また、電子ビューファインダ(EVF)表示が行われる時には、撮像インターフェイス回路91を介して読み出され、バッファメモリ93に格納された画像データが画像処理コントローラ92によって読み出される。この画像処理コントローラ92によって読み出された画像データは、EVF表示用のホワイトバランス補正等の画像処理が施された後、バッファメモリ93に格納される。その後、バッファメモリ93に格納された画像データは、フレーム単位で画像処理コントローラ92によって読み出されてビデオ信号に変換される。このビデオ信号は、表示用の所定のサイズにリサイズされた後、表示手段としての液晶モニタ53に表示される。尚、EVF表示は、メインミラー71がアップ位置にある場合に行われる。
また、撮影終了後には、撮像インターフェイス回路91を介して読み出され、バッファメモリ93に格納された画像データが画像処理コントローラ92によって読み出される。画像処理コントローラ92によって読み出された画像データは、ホワイトバランス補正や、階調補正、色補正等の周知の画像処理が施された後、バッファメモリ93に格納される。その後、バッファメモリ93に格納された画像データが画像処理コントローラ92によって読み出されてビデオ信号に変換され、表示用の所定のサイズにリサイズされた後、液晶モニタ53に出力表示される。ユーザは、液晶モニタ53に表示された画像により、撮影した画像を確認することができる。
また、画像記録時には、画像処理コントローラ92によって処理された画像データが、JPEG方式等の周知の圧縮方式によって圧縮される。JPEG圧縮によって得られたJPEGデータは、バッファメモリ93に格納された後、所定のヘッダ情報が付加されたJPEGファイルとして、FlashROM94や記録メディア95に記録される。ここで、FlashROM94はカメラ1に内蔵のメモリを想定しており、記録メディア95はカメラ1の外部に装着されるものを想定している。記録メディア95としては、例えばカ、メラ1に着脱自在に構成されたメモリカードやハードディスクドライブ等が用いられる。
また、FlashROM94や記録メディア95に記録されたJPEGファイルから画像を再生する際には、FlashROM94や記録メディア95に記録されたJPEGデータが、画像処理コントローラ92によって読み出されて伸長される。その後、この伸長データがビデオ信号に変換された後、表示用の所定のサイズにリサイズされ、液晶モニタ53に出力表示される。
更に、Bμcom100には、動作表示用LCD52と、不揮発性メモリ103と、カメラ操作スイッチ(SW)105と、電源回路106が接続されている。
上記動作表示用LCD52は、当該カメラ1の動作状態を表示出力によってユーザに告知するためのものである。上記不揮発性メモリ103は、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶するもので、Bμcom100とアクセス可能に接続されている。この不揮発性メモリ103は、例えば、書き換え可能なEEPROMで構成されている。
更に、カメラ操作スイッチ105は、当該カメラ1の各種操作部材の操作状態を検出するための各種スイッチにより構成されている。上記電源回路106には、電源としての電池107が接続されている。電源回路106では、電池107の電圧が、当該カメラシステムの各部が必要とする電圧に変換され、当該カメラシステムの各部に供給される。
次に、図6のフローチャートを参照して、上述した構成のカメラ1の撮影時の動作について説明する。尚、この図6のフローチャートの処理は、ユーザによってレリーズ釦22が半押しされた時点で開始される。
先ず、ステップS1にて、ユーザによってレリーズ釦22が半押しされると、第1レリーズスイッチがオンされる。これに応じて、測光回路101に於いて測光処理が行われる。この結果は、Bμcom100に送信され、Bμcom100に於いて露光量が演算される。次に、ステップS2にて、AFセンサユニット77に於いて検出された信号が、AFセンサ駆動回路79を介してBμcom100へ送信される。これに応じて、Bμcom100に於いて測距処理が行われて、撮影光学系61の焦点状態が演算される。そして、この焦点状態に応じてLμcom65にて焦点調節に必要な撮影光学系61の駆動量が演算される。更に、ここで演算された駆動量に基づいて、撮影光学系61の駆動が行われる。
その後、ステップS3に於いて、ユーザによって第2レリーズスイッチがオンされたか否か、すなわち、レリーズ釦22が全押しされたか否かが判定される。ここで、第2レリーズスイッチがオンされていない場合には、ステップS4に移行して、第1レリーズスイッチがオンのままであるか否かが判定される。そして、ステップS4に於いて、第1レリーズスイッチがオンのままである場合には、上記ステップS3に移行する。一方、ステップS4に於いて、第1レリーズスイッチがオフにされた場合には、本ルーチンを抜けて、図示されないカメラ1のメインの処理に復帰する。
また、ステップS3に於いて、第2レリーズスイッチがオンされた場合には、ステップS5に移行してメインミラー71がアップ位置に移動される。次に、ステップS6に於いて、カメラ1の動作モードがブラケット連写モードであるか否かが判定される。ここで、動作モードがブラケット連写モードであった場合はステップS7へ移行し、そうでない場合はステップS20へ移行する。
連写モードの処理が開始されると、先ず、ステップS7にて、適正露光になる全ての組み合わせ(例えば、9つ)が算出される。続いて、ステップS8にて、上記ステップS7で算出された組み合わせの数が“n”として設定される。
ステップS9では、適正露光となるべく演算された露光量に基づいて絞り62が設定される。次いで、ステップS10に於いて、撮像素子83による撮像動作が開始される。その後、ステップS11にて、上記ステップS1で演算された露光量に基づいて、シャッタ部81の開閉駆動が行われる。シャッタ部81が閉じられた後は、ステップS12に於いて、撮像素子83の撮像動作が停止される。
次に、ステップS13にて、撮像素子83で得られた画像信号に基づいてEVF表示が開始される。ここで、メインミラー71がアップ位置に移動されている間は、ファインダ装置による被写体観察を行うことができない。連写モードの場合には、メインミラー71がアップ位置に移動されている状態で複数回の撮影が行われるため、連写の間にも被写体観察を行うことができるように、このようなEVF表示が行われるようになっている。
その後、ステップS14にて、撮像素子83で得られた画像信号に基づく画像データが、バッファメモリ93に格納される。尚、バッファメモリ93は、高速連写によって撮影される多数の画像データを一時格納するのに十分な容量を有しているものである。
次に、ステップS15に於いて、上記ステップS8にて設定された枚数“n”の撮影が終了したか否かが判定される。ここで、まだ撮影枚数がn枚に達していない場合は、上記ステップS9へ移行してステップS9〜S15の処理が繰り返される。一方、ステップS15に於いて、撮影枚数がn枚に到達した場合は、ステップS16へ移行して、連写撮影が終了される。
すなわち、先ず、ステップS16にてEVF表示が終了される。次いで、ステップS17にて絞り62が開放され、ステップS18にてメインミラー71がダウン位置に移動される。そして、ステップS19にて、バッファメモリ93に格納された画像データが、例えばJPEG形式でFlashROM94や記録メディア95に記録される。その後、本ルーチンを抜けて、カメラ1のメインの処理に復帰する。
一方、上記ステップS6にて、カメラ1の動作モードがブラケット連写モードでない場合には、単写モードの処理が開始される。先ず、ステップS20に於いて、プログラム線図等に基づいて最適な組み合わせが算出される。次いで、ステップS21にて、上記ステップS1で演算された露光量に基づいて絞り62の絞りが設定される。更に、ステップS22にて、撮像素子83による撮像動作が開始される。その後、ステップS23にて、上記ステップS1で演算された露光量に基づいてシャッタ部81の開閉駆動が行われる。そして、シャッタ部81が閉じられた後、ステップS24にて撮像素子83の撮像動作が停止される。更に、ステップS25では、撮像素子83より得られた画像データが、例えばJPEG形式でFlashROM94や記録メディア95に記録される。
次に、ステップS26にて絞り62が開放され、続くステップS27に於いて、メインミラー71がダウン位置に移動される。そして、ステップS28に於いて、ユーザによって第1レリーズスイッチがオフされたか否かが判定される。このステップS28の判定は、第1レリーズスイッチがオフにされるまで繰り返される。ステップS28に於いて、第1レリーズスイッチがオフにされた場合には、本ルーチンを抜けて、カメラ1のメインの処理に復帰する。
図7は、上述したブラケット連写モードに於ける適正露光の組み合わせの一例を示した図である。この場合、シャッタ秒時の短い順に、9駒の連続撮影動作が実行されるようになっていることが表されている。
次に、図8のフローチャートを参照して、ブラケット連写モードによってFlashROM94や記録メディア95に記録された画像データが再生される際の処理について説明する。尚、図8の処理は、Bμcom100及び画像処理コントローラ92とによって行われる。
ユーザによって、再生モード釦43が押され、カメラ1の動作モードが再生モードに切り替えられると、図8のフローチャートに従った処理が開始される。先ず、ステップS31にてFlashROM94または記録メディア95に記録されている複数の画像の中から、液晶モニタ53に表示されるべく最新の画像が選択される。続くステップS32では、ブラケット連写モードで撮影された画像であるのか単写モードで撮影された画像であるのかが判定される。
ここで、最新の画像とは、単写撮影の場合は最後に撮影された画像のことであるが、連写撮影によって得られた一連の画像の中の最後の画像の場合には、連写撮影の最初の画像が最新の画像として表示される。したがって、上記ステップS32にて、ブラケット連写画像であると判定された場合は、ステップS33に移行して、連写撮影の最初の画像が最新の画像として液晶モニタ53に表示される。尚、このステップS33のサブルーチン「連写画像表示」の詳細な処理動作については後述する。一方、上記ステップS32にて単写撮影であると判定された場合は、ステップS34に移行して最後に撮影された画像が液晶モニタ53に表示される。
上記ステップS33またはS34にて、最新の画像が液晶モニタ53に表示された後、ステップS35に於いて、再生モードを終了するか否かが判定される。ここで、再生モードが終了する場合はステップS38へ移行するが、終了しない場合はステップS36へ移行する。ステップS36では、十字釦49が押されたか否かが判定される。ここで、十字釦49の操作が無い場合は上記ステップS35へ移行する。一方、ステップS36にて十字釦49の操作があった場合は、続くステップS37にて、十字釦49の操作に応じた画像が選択される。その後、上記ステップS32へ移行する。
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のフローチャートのステップS33に於けるサブルーチン「連写画像表示」の動作について説明する。
本サブルーチンに入ると、先ずステップS41にて、当該連写画像のマルチインデックス表示がなされる。これは、例えば、図10(a)に示されるように、液晶モニタ53の左上から撮影順に、図7に示される適正露光の組み合わせによる画像110a〜110iが、整列して表示される。次いで、ステップS42にて、液晶モニタ53に表示されている画像のうち、先ず左上の画像110aが選択される。ここでは、モニタ画面上で選択された画像をユーザが識別することができるようにするために、枠(図示せず)が付けられる。
次に、ステップS43に於いて、十字釦49が操作されたか否かが判定される。ここで、十字釦49が操作されたならば、ステップS44に移行して、その十字釦49の操作に応じた画像が選択される。つまり、上述した枠によって、選択された画像が画像110a〜110iの中から選択される。そして、上記ステップS44にて画像が選択された場合、及び上記ステップS43で十字釦49が操作されない場合は、ステップS45に於いてOK釦50の状態が判定される。ここで、OK釦50がオンされていればステップS46へ移行し、オフであれば上記ステップS43へ移行する。
ステップS46では、上記ステップS42若しくはS44にて選択された画像が、液晶モニタ53に拡大表示される。例えば、図10(b)に示される画像111は、上記ステップS41で表示されている図10(a)のマルチインデックス画像のうち、画像110cが拡大表示された例を示している。そして、ステップS47にてOK釦49がオンされると、本サブルーチンを抜けて図8のフローチャートのステップS35へ移行する。
このように、本実施形態によれば、適正露光値に於いて、絞りとシャッタ秒時の組み合わせを変化させて得られた一連の画像の中から、簡単で、且つ迅速にユーザの所望とする駒の画像を探し出すことができる。
尚、上述した第1の実施形態では、連写の速度を速めるために、連写撮影が行われる前にメインミラーをアップし、連写撮影が終了すると該メインミラーをダウンさせるようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、露光毎に開放→絞り込み→開放→…の動作が行われてメインミラーのアップ、ダウンが繰り返されるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、マルチインデックス画像として表示されるのは、適正露光値の組み合わせによる駒だけであった。これに対し、本第2の実施形態では、適正露光値の組み合わせによる駒に加えて、それぞれの露光値の±1EVの駒をマルチインデックス画像として表示できるようにしている。
以下、本発明の第2の実施形態の動作ついて説明する。
尚、第2の実施形態に於けるカメラの構成及び基本的な動作については、図1乃至図7に示される第1の実施形態のカメラの構成及び動作と同じであるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図11は、第2の実施形態に於いてブラケット連写モードに於ける適正露光の組み合わせの一例を示した図である。この場合、シャッタ秒時の短い順に、それぞれ適正露光値の画像とその同一絞りのオーバー画像及びアンダー画像の27駒の連続撮影動作が実行されるようになっていることが表されている。
次に、第2の実施形態に於けるブラケット連写モードによってFlashROM94や記録メディア95に記録された画像データが再生される際の処理について説明する。尚、本第2の実施形態に於ける画像データの再生動作は、図8のフローチャートのステップS33に於けるサブルーチン「連写画像表示」の動作が異なるだけである。したがって、サブルーチン「連写画像表示」についてのみ説明するものとし、その他の動作については図8に示されるフローチャートの各処理動作と同じであるので、ステップS31、S32及びS34〜S38の処理動作を参照してその説明は省略する。
図12は、図8のフローチャートのステップS33に於けるサブルーチン「連写画像表示」の第2の実施形態に於ける動作について説明するフローチャートである。
以下、図12のフローチャートを参照して説明する。
本サブルーチンに入ると、先ずステップS51にて、当該連写画像に於いて、適正露光の画像のみマルチインデックス表示がなされる。これは、例えば、図13(a)に示されるように、液晶モニタ53の左上から撮影順に、図11に示される適正露光の組み合わせのうち露出が±0EVの画像112a〜112iが、整列して表示される。次いで、ステップS52にて、液晶モニタ53に表示されている画像のうち、先ず左上の画像112aが選択される。ここでは、モニタ画面上で選択された画像をユーザが識別することができるようにするために、枠(図示せず)が付けられる。
次に、ステップS53に於いて、十字釦49が操作されたか否かが判定される。ここで、十字釦49が操作されたならば、ステップS54に移行して、その十字釦49の操作に応じた画像が選択される。つまり、上述した枠によって、選択された画像が画像112a〜112iの中から選択される。そして、上記ステップS54にて画像が選択された場合、及び上記ステップS53で十字釦49が操作されない場合は、ステップS55に於いてOK釦50の状態が判定される。ここで、OK釦50がオンされていればステップS56へ移行し、オフであれば上記ステップS53へ移行する。
そして、ステップS56では、OK釦50によって確定(選択)された画像と、当該画像と同一の絞りのオーバー画像とアンダー画像が、液晶モニタ53に並べて表示される。例えば、図13(a)に示される画像112cが選択されたとすると、図13(b)に示されるように、適正露光値で絞り:F2.8の画像113bを中心に、アンダー画像113a及びオーバー画像113cが、それぞれ左右に並べて表示される。
次に、ステップS57に於いて、十字釦49が操作されたか否かが判定される。ここで、十字釦49が操作されたならば、ステップS58に移行して、その十字釦49の操作に応じた画像が選択される。つまり、上述した枠によって、選択された画像が画像113a〜113cの中から選択される。一方、十字釦49が操作されない場合は、適正露光値の画像113bが選択されたことになる。そして、上記ステップS58にて画像が選択された場合、及び上記ステップS57で十字釦49が操作されない場合は、ステップS59に於いてOK釦50の状態が判定される。ここで、OK釦50がオンされていればステップS60へ移行し、オフであれば上記ステップS57へ移行する。
ステップS60では、上記ステップS52、S54若しくはS58にて選択された画像が、液晶モニタ53に拡大表示される。例えば、図13(c)に示される画像114は、上記ステップS56で表示されている図13(b)のマルチインデックス画像のうち、画像113aが拡大表示された例を示している。そして、ステップS61にてOK釦49がオンされると、本サブルーチンを抜けて図8のフローチャートのステップS35へ移行する。
このように、第2の実施形態によれば、適正露光値及び当該露光値の±1EVの駒をマルチインデックス画像として表示できるようにしたので、絞りとシャッタ秒時の組み合わせを変化させて得られた、更に多くの一連の画像の中から、簡単で、且つ迅速にユーザの所望とする駒の画像を探し出すことができる。
また、上述した第2の実施形態では、適正露光値の駒をマルチインデックス表示した後、適正露光値及び当該露光値の±1EVの駒をマルチインデックス画像として表示できるようにしていた。しかしながら、これに限られずに、適正露光値の駒をマルチインデックス表示した後に、適正露光値及び当該露光値の±1EVの駒と、更に上記適正露光値の駒に対して1段階異なる絞り値に於ける適正露光値及び当該露光値の±1EVの駒の画像をもマルチインデックス画像として表示するようにしてもよい。
図14は、こうした第2の実施形態の変形例によるマルチインデックス表示の例を説明する図である。例えば、図14(a)に示される画像112a〜112iから画像112cが選択されたとする。すると、液晶モニタ53の中央に適正露光値で絞り:F2.8の画像116e、その左右にアンダー画像116d及びオーバー画像116fが、並べて表示される。更に、絞りF:2.8より1段開放側の絞りF:2の適正露光値の画像116bと、そのアンダー画像116a及びオーバー画像116cと、絞りF:2.8より1段小さい絞りF:4の適正露光値の画像116hと、そのアンダー画像116g及びオーバー画像116iが、図14(b)に示されるように、液晶モニタ53の同一の画面にマルチインデックス表示される。
このマルチインデックス表示の画像から、ユーザが所望の駒の画像を選択すると、液晶モニタに当該画像が拡大表示される。例えば、図14(b)に示されるマルチインデックス画像のうち、画像116gが選択されると、図14(c)に示されるように、液晶モニタ53に画像117として拡大表示される。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
1…デジタルカメラ(カメラ)、10…レンズ鏡筒、20…カメラ本体、22…レリーズ釦、43…再生モード釦、48…メニュー釦、49…十字釦、50…OK釦、52…動作表示用LCD、53…液晶モニタ、55…通信コネクタ、61…撮影光学系、62…絞り、63…レンズ駆動機構、64…絞り駆動機構、65…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lμcom)、71…メインミラー、72…フォーカシングスクリーン、73…ペンタプリズム、74…接眼レンズ、76…サブミラー、77…AFセンサユニット、78…ミラー駆動機構、79…AFセンサ駆動回路、81…シャッタ部、82…撮像ユニット、83…撮像素子、84…防塵フィルタ、85…圧電素子、87…シャッタチャージ機構、88…シャッタ制御回路、89…防塵フィルタ駆動回路、91…撮像インターフェイス回路、92…画像処理コントローラ、93…バッファメモリ、94…FlashROM、95…記録メディア、100…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)、101…測光回路、102…温度測定回路、103…不揮発性メモリ、105…カメラ操作スイッチ(SW)、106…電源回路。