JP4497873B2 - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

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本発明は、超音波のドプラ効果を利用して、生体内の血流の流速情報や組織の移動情報などの計測を行なう超音波ドプラ診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された圧電振動子から発生する超音波パルスを被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる超音波反射波を前記圧電振動子によって受信してモニタ上に表示するものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの2次元画像が容易に観察できるため、生体の各種臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。生体内の組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、これらの技術を用いて得られるBモード画像とカラードプラ画像は、今日の超音波画像診断において不可欠のものとなっている。
一方、被検体の任意の位置における血流速度を定量的且つ正確に得る方法としてドプラスペクトラム法がある。このドプラスペクトラム法では、被検体の同一部位に対して一定間隔で複数回の超音波送受波を行ない、血球などの移動反射体において反射した超音波反射波に対し、超音波送受波に使用した圧電振動子の共振周波数と略等しい周波数の基準信号を用いて直交位相検波しドプラ信号を検出する。そして、このドプラ信号の中から所望部位におけるドプラ信号をレンジゲートによって抽出し、更に、抽出したドプラ信号をFFT分析することによってドプラスペクトラムデータを生成する。
このような手順により、被検体の所望部位から得られたドプラ信号に対してドプラスペクトラムデータを連続的に生成し、生成した複数のドプラスペクトラムデータを順次配列することによって、所謂ドプラスペクトラム画像データを生成する。尚、一般には、レンジゲートを被検体における所望の観測部位に正確に設定するために、レンジゲートの設定はBモード画像観測下において行なわれ、レンジゲートの位置はBモード画像上に表示される。
この超音波ドプラ診断装置によって得られるドプラスペクトラムデータは、一般に、縦軸に周波数(f)、横軸に時間(t)、各周波数成分のパワー(強さ)を輝度(階調)として生成され、このドプラスペクトラムデータに基づいて、各種の診断パラメータの計測を行なっている。
即ち、この計測法においては、まず、時間的に連続して得られるドプラスペクトラムデータの各々に対して、その周波数軸方向に分布するドプラ周波数成分の最大周波数fpに対応する最大流速Vp、あるいは平均周波数fcに対応する平均流速Vcの位置を設定し、これら最大流速Vp及び平均流速Vcの位置の時間変化を示すトレース波形を生成する。次いで、このトレース波形において、心拍区間の1区間毎に心臓収縮期において生ずる波形ピークPS(Peak of Systolic)及び心臓拡張期において生ずる波形ピークED(End of Diastolic)の検出を行なう。そして、これらのPSあるいはEDの位置情報に基づいて、血管内血流のHR(Heart Rate:心拍数)を計測し、更には、PSあるいはEDによって設定された心拍区間におけるトレース波形から末梢血管の診断パラメータであるPI(Pulsatility Index)やRI(Resistance Index)等の計測を行なう。
尚、上述のVpやVcのトレース波形の生成、PS/EDの検出、PIやRI等の診断パラメータの計測は、従来、フリーズされたドプラスペクトラム画像を対象としたマニュアル操作が基本であったが、近年では、リアルタイム表示されたドプラスペクトラム画像を対象としたVpやVcの自動トレースやHR,PIあるいはRIの自動計測が可能となってきている(例えば、特許文献1参照。)。
米国特許第5628321号明細書(第7−9頁、第5−8図)
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、自動生成されたVpあるいはVcのトレース波形において検出されたPS及びEDの位置情報に基づいて、自動計測された診断パラメータの計測値をモニタに表示する際、操作者は、前記診断パラメータが計測された心拍区間と、同じモニタ上に表示された複数心拍分のトレース波形における当該心拍区間との対応付けを容易に行なうことができなかった。
即ち、自動計測によって得られた各種診断パラメータの値が、正確に生成されたトレース波形あるいは正確に設定されたPSやEDに基づいているか否かを把握することが出来なかったため、得られた診断パラメータの計測値における信頼性に問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドプラスペクトラム画像データにおけるVpあるいはVcのトレース波形からPIやRI等の診断パラメータを自動計測する際、計測区間あるいは計測タイミングを前記トレース波形において明示することが可能な超音波ドプラ診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の超音波ドプラ診断装置は、被検体に対し超音波送受波を行なって得られた受信信号に対してドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、前記ドプラ信号に基づいて時系列的な複数のドプラスペクトラムデータを生成するスペクトラムデータ生成手段と、前記ドプラスペクトラムデータの各々において所望の特徴量を検出し、この特徴量の時間的変化をトレース波形データとして生成するトレース波形生成手段と、前記トレース波形データに対して複数の心拍区間を検出するPS/ED検出手段と、前記複数の心拍区間の中の所定心拍区間におけるトレース波形データに基づいて診断パラメータを計測するパラメータ計測手段と、計測された前記診断パラメータの計測値及び前記トレース波形データの少なくとも何れかを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、前記診断パラメータが計測された前記所定心拍区間の前記トレース波形データをスクロールバック表示することを特徴としている。
本発明によれば、ドプラスペクトラムデータに基づいて得られたトレース波形から各種診断パラメータを計測する際に、前記診断パラメータの計測区間が前記トレース波形において強調表示されるため、診断パラメータの計測結果と当該計測区間におけるトレース波形との関連の把握が容易となり、前記計測結果に対する信頼性が向上する。
ドプラスペクトラム画像データにおいて自動設定された最大流速Vpのトレース波形に基づいて、HRやPI,更にはRIなどの診断パラメータを自動計測すると共に、このときの計測区間を、モニタ上に静止表示された前記トレース波形において明示する。
(装置の構成)
以下では、本発明の実施例における超音波ドプラ診断装置の構成と各ユニットの動作につき図1乃至図7を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における超音波ドプラ診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波ドプラ診断装置を構成する送受信部及びデータ生成部のブロック図を示す。
図1に示す超音波ドプラ診断装置100は、被検体に対して超音波の送受波を行なう超音波プローブ20と、超音波プローブ20に対して電気信号の送受信を行なう送受信部40と、送受信部40から得られた受信信号からBモード画像データやカラードプラ画像データ、更には、ドプラスペクトラムデータを得るための信号処理を行なうデータ生成部50と、前記データ生成部50において時間方向に連続して得られる複数のドプラスペクトラムデータに基づいて最大血流速Vpあるいは平均血流速Vcのトレース波形を生成し、更に、このトレース波形に基づいて血流動態診断に関する各種診断パラメータを計測する血流評価部30と、データ生成部50において得られた各データ、あるいは血流評価部30において得られたトレース波形や各種診断パラメータの計測結果などを保存するデータ記憶部8を備えている。
更に、超音波ドプラ診断装置100は、送受信部40、あるいはデータ生成部50に対して、例えば、超音波パルスの中心周波数(fo)とほぼ等しい周波数の連続波あるいは矩形波を発生する基準信号発生部1と、データ生成部50において生成される画像データやドプラスペクトラムデータ、更には、血流評価部30で生成されるトレース波形や診断パラメータの計測値などを表示する表示部15と、操作者によって患者情報、画像表示モード、超音波データ収集条件、更には種々のコマンド信号などが入力される入力部16と、被検体の心電波形を別途収集するECGユニット60と、上記超音波ドプラ診断装置100の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部17を備えている。
超音波プローブ20は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受波を行なうものであり、1次元に配列された複数個(N個)の微小な圧電振動子をその先端部に有している。この圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルスを超音波パルス(送信超音波)に変換し、また受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。そして、超音波画像の解像度や感度に大きな影響を与える超音波パルスの中心周波数(fo)は圧電振動子の厚みによってほぼ決定される。この超音波プローブ20は小型、軽量に構成されており、ケーブルを介して送受信部40の送信部2及び受信部3に接続されている。超音波プローブ20にはセクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等があり、診断部位に応じて任意に選択される。以下では頚動脈等の血管診断を目的とし、セクタ走査対応の超音波プローブ20を用いた場合について述べるが、この方法に限定されるものではなく、リニア走査対応、あるいはコンベックス走査対応であってもよい。
次に、図2に示した送受信部40は、超音波プローブ20から送信超音波を放射するための駆動信号を生成する送信部2と、前記超音波プローブ20からの受信超音波を受信する受信部3を備えている。
そして、送信部2は、レートパルス発生器41と、送信遅延回路42と、パルサ43を備え、レートパルス発生器41は、被検体内に放射する送信超音波の繰り返し周期(Tr)を決定するレートパルスを、基準信号発生部1から供給される連続波あるいは矩形波を分周することによって生成し、このレートパルスを送信遅延回路42に供給する。
又、送信遅延回路42は、送信に使用される圧電振動子と同数(Nチャンネル)の独立な遅延回路から構成されており、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに送信超音波を収束するための遅延時間と所定の方向に送信超音波を放射するための遅延時間をレートパルスに与え、このレートパルスをパルサ43に供給する。一方、パルサ43は、送信に使用される圧電振動子と同数(Nチャンネル)の独立な駆動回路を有し、超音波プローブ20に内蔵された圧電振動子を駆動するための駆動パルスを前記レートパルスに基づいて生成する。
そして、受信部3は、プリアンプ44と、受信遅延回路45と、加算器46とを備えている。プリアンプ44は、圧電振動子によって電気信号(受信信号)に変換された微小信号を増幅し十分なS/Nを確保する。又、受信遅延回路45は、細い受信ビーム幅を得るため所定の深さからの受信超音波を収束するための遅延時間と、所定方向からの受信超音波に対して強い受信指向性を設定するための遅延時間をプリアンプ44の出力に与え、次いで、所定の遅延時間が与えられた受信遅延回路45の出力は加算器46に送られて加算合成される。
次に、データ生成部50は、受信部3の加算器46から出力された受信信号に対してBモード画像データを生成するためのBモードデータ生成部4と、前記受信信号に対して直交検波を行なってドプラ信号の検出を行なうドプラ信号検出部5と、検出されたドプラ信号に基づいてカラードプラ画像データの生成を行なうカラードプラデータ生成部6と、前記ドプラ信号の周波数スペクトラムを計測するスペクトラムデータ生成部7を備えている。
そして、Bモードデータ生成部4は、対数変換器51と包絡線検波器52とA/D変換器53とを備えている。Bモードデータ生成部4の入力信号、即ち、受信部3の加算器46から出力された受信信号は、対数変換器51において、その振幅が対数変換されて弱い信号が相対的に強調される。次いで、包絡線検波器52は、対数変換された上記受信信号に対して包絡線検波を行ない、超音波周波数成分を除去して振幅情報のみを検出する。又、A/D変換器53は、この包絡線検波器52の出力信号をデジタル信号に変換し、Bモード画像データを生成する。
一方、図2のドプラ信号検出部5は、π/2移相器54、ミキサ55−1及び55−2、LPF(低域通過フィルタ)56−1及び56−2を備えており、後述する動作により送受信部40の受信部3から供給された受信信号に対して直交位相検波を行なってドプラ信号を検出する。
次に、カラードプラデータ生成部6は、2チャンネルから構成されるA/D変換器57、ドプラ信号記憶回路58、MTIフィルタ59、自己相関演算器60を備えている。そして、A/D変換器57は、ドプラス信号検出部5のLPF56−1及び56−2から出力されたドプラ信号、即ち、直交位相検波されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、ドプラ信号記憶部58に保存する。次いで、高域通過用のデジタルフィルタであるMTIフィルタ59は、ドプラ信号記憶部58に一旦保存された前記ドプラ信号を読み出し、このドプラ信号に対して臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。又、自己相関演算器60は、MTIフィルタ59によって血流情報のみが抽出されたドプラ信号に対して自己相関値を算出し、更に、この自己相関値に基づいて血流の平均流速値や分散値などを算出する。
一方、スペクトラムデータ生成部7は、SH(サンプルホールド回路)61と、HPF(高域通過フィルタ)62と、A/D変換器63と、FFT(Fast-Fourier-Transform)分析器64を備えている。そして、ドプラ信号検出部5において得られたドプラ信号に対してFFT分析を行なう。尚、前記SH61、HPF62、及びA/D変換器63は何れも2チャンネルで構成され、夫々のチャンネルにはドプラ信号検出部5から出力されるドプラ信号の複素成分、即ち実成分(I成分)と虚成分(Q成分)が供給される。
次に、本発明のドプラスペクトラムデータの生成において重要な構成要素となるドプラ信号検出部5とスペクトラムデータ生成部7の基本動作につき、図3のタイムチャートを参照して更に詳しく説明する。
図3において、図3(a)は、基準信号発生器1から出力される基準信号、図3(b)は、送受信部40のレートパルス発生器41から出力される周期Trのレートパルス、図3(c)は、受信部3の加算器46から得られる受信信号を示している。
又、図3(d)は、ドプラ信号検出部5のLPF56から出力される直交位相検波出力、図3(e)は、スペクトラムデータ生成部7におけるSH61のサンプリング(レンジゲート)位置を決定するためにシステム制御部17供給されるサンプリングパルス、図3(f)は、SH61によってサンプルホールドされたドプラ信号、そして、図3(g)は、HPF62によって平滑化された前記レンジゲートにおけるドプラ信号を示している。
即ち、図2の受信部3から出力された受信信号(図3(c))は、ドプラ信号検出部5のミキサ55−1及び55−2の第1の入力端子に入力される。一方、この受信信号の中心周波数とほぼ等しい繰り返し周波数foをもった基準信号発生部1の基準信号(図3(a))は、ミキサ55−1の第2の入力端子に直接供給され、π/2移相器54において90度位相がシフトした基準信号はミキサ55−2の第2の入力端子に送られる。そして、ミキサ55−1及び55−2による乗算出力は、LPF56−1及び56−2に送られ、ドプラ信号検出部5の入力信号の周波数と基準信号発生部1から供給される基準信号の繰り返し周波数(fo)との和の成分(2fo近傍の成分)が除去され、差の成分(零周波数近傍の成分)のみがドプラ信号として抽出される(図3の(d))。
次に、SH61には、上記LPF56−1及び56−2から出力されたドプラ信号と、システム制御部17が基準信号発生部1の基準信号を分周して生成したサンプリングパルス(レンジゲートパルス)が供給され(図3の(e))、このサンプリングパルスによって所望の距離からのドプラ信号がサンプルホールドされる(図3の(f))。尚、このサンプリングパルスは、送信超音波が放射されるタイミングを決定するレートパルス(図3の(b))から遅延時間Ts後に発生し、この遅延時間Tsは入力部16において任意に設定可能である。
即ち、操作者は、サンプリングパルスの遅延時間Tsを変更することによって超音波プローブ20から所望の距離Lgにおけるドプラ信号を抽出することが可能となる。尚、このとき、遅延時間Tsと所望距離Lgは、被検体の音速度をCとすれば、2Lg/C=Tsの関係にある。
次に、SH61から出力された所望距離Lgのドプラ信号に重畳した階段状のノイズ成分は、HPF62によって除去され(図3の(g))、更に、平滑化された上記ドプラ信号は、A/D変換器63によってデジタル信号に変換された後、FFT分析器64に供給されて周波数スペクトラムデータ(ドプラスペクトラムデータ)が生成される。
FFT分析器64は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、A/D変換器63から出力されるドプラ信号は記憶回路に一旦保存され、演算回路は、この記憶回路に保存された一連のドプラ信号の所定区間においてFFT分析を行なう。
図4は、FFT分析器64におけるFFT分析方法を示したものであり、図4(a)は、FFT分析器64に入力されるドプラ信号Ax、図4(b)は、このドプラ信号Axの所定区間をFFT分析して得られたドプラスペクトラムデータBx(x=1、2、・・・)を示す。そして、スペクトラムデータ生成部7のA/D変換器63から出力された離散的なドプラ信号(図4(a))のうち、例えば、q1乃至qmのm個のドプラ信号成分に対してFFT分析が行なわれ、スペクトラム成分p1乃至pmに対する最初のドプラスペクトラムデータB1が生成される。次いで、時間ΔT後のm個のドプラ信号成分q1+j乃至qm+jがFFT分析されて新たなドプラスペクトラムデータB2が生成される。尚、図4(a)ではj=3の場合について示している。
以下、同様にして、時間2ΔT後のq1+2j乃至qm+2j、時間3ΔT後のq1+3j乃至qm+3j・・・のm個のドプラ信号成分に対しても順次FFT分析が行なわれてスペクトラム成分p1乃至pmに対するドプラスペクトラムデータB3、B4、・・・・が生成される。(図4(b))。
次に、図1に戻って、血流評価部30は、トレース波形生成部9と、PS/ED検出部10と、パラメータ計測部11を備えている。そしてトレース波形生成部9は、スペクトタムデータ生成部7においてΔT間隔で得られた複数のドプラスペクトラムデータ(B1,B2、B3・・・)の各々に対して最大周波数fp(即ち最大流速Vp)や平均周波数fc(即ち平均流速Vc)を算出し、更に、最大周波数fpに対応した最大血流速Vpあるいは平均周波数fcに対応した平均血流速Vcの時間的変化を示すトレース波形を生成する。
図5は、上述の最大周波数fp及び平均周波数fcの算出方法を示したものであり、最大周波数fpは、予め設定された周波数スペクトル閾値S0とドプラスペクトラムデータBxとの交点に基づいて得られる。一方、平均周波数fcは、例えば、下式(1)によって算出することができる。
Figure 0004497873
但し、S(fs)はFFT分析器64によって得られる周波数fsにおけるスペクトラムパワーを示す。
尚、以下の説明では、説明を簡単にするためにドプラスペクトラムデータの最大周波数fpに対応した最大血流速Vpはドプラスペクトラムデータの最大流速Vp、同様にして、平均周波数fcに対応した平均血流速Vcはドプラスペクトラムデータの平均流速Vcと呼ぶ。
次に、血流評価部30のPS/ED検出部10は、トレース波形生成部9にて生成された最大流速Vp、あるいは平均流速Vcのトレース波形に対して、心臓の収縮期を示すPS(Peak of Systolic)と拡張期を示すED(End of Diastolic)の位置を設定する。尚、PS/ED検出部10は、トレース波形におけるPSあるいはEDの設定が困難な場合には、別途設けられたECGユニット60から供給される心電波形に基づいて同様な心拍区間の設定が行なわれる。
そして、パラメータ計測部11は、PS/ED検出部10において設定された、例えばED−ED区間の心拍区間において、前記最大流速Vpあるいは平均流速Vcのトレース波形に基づいて、血行動態の診断パラメータである心拍数(HR:Heat Rate)やPI(Palusatility Index),更には、RI(Resistance Index)などの計測を行なう。
図6は、ドプラスペクトラムデータとトレース波形との関係を示したものであり、左端部に時刻t=T0におけるドプラスペクトラムデータBxを、又、このドプラスペクトラムデータBXから計測された最大流速Vp及び平均流速Vcの時間的変化を示すトレース波形Cp及びCcを前記ドプラスペクトラムデータBxに対応付けて示している。そして、最大流速Vpのトレース波形CpにはPSS及びEDが設定されている。このPSやEDを自動設定する場合には、例えば、トレース波形Cpを平滑化した後行なわれる変曲点検出のための1次微分演算、あるいは2次微分演算によって、1心拍中に1つのPSと複数のED候補点を検出し、更に、これらのED候補点の中から、前記PSに対して所定範囲にあるED候補点を1つ選択してEDとして設定する。
このようにして得られたEDからED−ED間隔を心拍区間として設定し、このED−ED間隔において上述の診断パラメータの計測と表示を行なう。即ち、HRについては、まず前記ED−ED間隔の時間を計測し、この計測結果から毎分の心拍数を算出することによって求めることができる。一方、PI、あるいはRIは通常、以下に示す式(2)に基づいて算出される。
Figure 0004497873
但し、図6に示すように、h1及びh2は、ED−ED区間におけるトレース波形Cpの最大値(maximal systolic frequency)及び最小値(maximal end-diastolic frequency)であり、h0は、前記区間におけるトレース波形の平均値(time averaged frequency)である。
次に、図1のデータ記憶部8は、データ生成部50において生成されるBモード画像データやカラードプラ画像データ、更にはスペクトラムデータの保存を行なう。又、前記スペクトラムデータに基づいて血流評価部30において生成されたトレース波形データやトレース波形上に設定されたPSあるいはEDの位置(時間)情報、更には、前記トレース波形データのED−ED周期において計測される診断パラメータHR,PI,及びRI等の計測値についても保存を行なう。
一方、表示部15は、図示しない表示用データメモリと、変換回路と、モニタを備えており、Bモード画像データやカラードプラ画像データ、ドプラスペクトラムデータ、VpあるいはVcのトレース波形データ、更には、診断パラメータHR,PI,RIなどの計測結果は、前記表示用データメモリで所定フォーマットに従って合成され、次いで、変換回路においてD/A変換とテレビフォーマット変換が行われた後CRTあるいは液晶などのモニタに表示される。
図7は、表示部15のモニタにおける表示方法の具体例を示す。このモニタ上には、例えば、Bモード画像データとカラードプラ画像データが合成されて表示される画像データ表示領域200と、ドプラスペクトラムデータにトレース波形データが重畳して表示されるトレース波形表示領域300と、PIやRIなどの診断パラメータの計測値が一覧表として表示される計測値表示領域400が設けられている。
そして、画像データ表示領域200に表示されるBモード画像及びカラードプラ画像において、ドプラ信号の検出方向を示すドプラマーカ201と、このドプラマーカ201と血管画像202の交叉領域に設定されるドプラ信号検出用のレンジゲート位置203が表示される。
一方、トレース波形表示領域300の、最大流速Vpのトレース波形Cpには、例えば、PSマーカ(×)及びEDマーカ(+)が重畳して表示される。そして、上述のトレース波形Cpや平均流速Vcのトレース波形Ccはリアルタイム表示と静止表示(以下、フリーズ表示と呼ぶ)を行なうことが可能である。又、フリーズ表示では、診断パラメータが最終計測された区間(ED−ED区間)におけるトレース波形のハイライト表示、あるいはスクロールバック表示が自動的に行なわれる。このような表示方法によれば、計測値表示領域400に表示されている診断パラメータの最終計測値と、最終計測が行なわれたトレース波形上の区間とを対応付けることができる。
又、トレース波形表示領域300においてフリーズ表示されるドプラスペクトラムデータやトレース波形データは、入力部16に備えられたトラックボールなどの入力デバイスにより、時間方向に任意にスクロールすることが可能である。尚、上述のハイライト表示あるいはスクロールバック表示は本実施例の特徴であり、これらの詳細は後述の診断パラメータ計測手順の説明において行なう。
次に、入力部16は、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン等の入力デバイスを備え、患者情報、画像表示モード、超音波データ収集条件、表示条件等の設定や種々のコマンド信号の入力を行なう。特に、ドプラ信号の収集におけるレンジゲート位置の設定、トレース波形の表示におけるリアルタイム表示とフリーズ表示の選択、フリーズ表示におけるハイライト表示とスクロールバック表示の選択、トレース波形のマニュアルスクロールなどは上記入力デバイスを用いた操作者によって行なわれる。
そして、システム制御部17は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作者によって入力部16から予め入力される患者情報、画像表示モード、超音波データ収集条件、表示条件、レンジゲート位置などの設定値や表示方法に関する選択情報は前記記憶回路に保存される。一方、CPUは、入力部16から入力されたこれらの情報に基づいて、超音波ドプラ診断装置100の上記各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行なう。
又、ECGユニット60は、被検体の心電波形を収集するために備えられ、このECGユニット60で得られた心電波形は血流評価部30のPS/ED検出器10に供給される。そして、PS/ED検出部10によるトレース波形のPSあるいはEDの設定が困難な場合には、ECGユニット60から得られる心電波形に基づいて心拍区間の設定が行なわれる。
(診断パラメータの計測手順)
次に、図1乃至図10を用いて本実施例における診断パラメータの計測手順について説明する。尚、図8は、本実施例における診断パラメータの計測手順を示すフローチャートである。
超音波データの収集に先立って、操作者は、入力部16にて患者情報、画像表示モード、超音波データ収集条件、表示条件、そして最大流速Vpを求めるためのスペクトラム閾値S0などを設定し、これらの設定情報は、システム制御部17の図示しない記憶回路に送られ保存される。本実施例においては、画像表示モードとしてBモード画像データ及びカラードプラ画像データ及びドプラスペクトラムデータの表示を選択し、更に、図2に示すように、ドプラ信号を収集するための超音波送受信方向(θD)とレンジゲート位置(Lg)の初期設定を行なう(図8のステップS1)。
これらの初期設定が終了したならば、操作者は、超音波プローブ20の先端(超音波送受信面)を被検体体表面の所定の位置に固定し、最初の超音波送受波方向(θ1方向)に対してBモードデータ及びカラードプラデータを得るための超音波送受波を行なう。即ち、図2のレートパルス発生器41は、基準信号発生部1から供給される基準信号を分周することによって、被検体内に放射される超音波パルスの繰り返し周期Trを決定するレートパルスを生成し、このレートパルスを送信遅延回路42に供給する。
次いで、送信遅延回路42は、所定の深さに超音波を集束するための集束用遅延時間と、第1の走査方向(θ1)に超音波を送信するための偏向用遅延時間をレートパルスに与え、このレートパルスをパルサ43に供給する。そして、パルサ43は、レートパルスの駆動によって生成される駆動信号を、ケーブルを介して超音波プローブ20におけるN個の圧電振動子に供給し、被検体の前記第1の走査方向に対して超音波パルスを放射する。
被検体に放射された超音波パルスの一部は、音響インピーダンスの異なる臓器間の境界面あるいは組織にて反射する。又、この超音波が心臓壁や血球などの動きのある反射体で反射する場合、その超音波周波数はドプラ偏移を受ける。
被検体の組織や血球にて反射した超音波反射波(受信超音波)は、超音波プローブ20の圧電振動子によって受信されて電気信号(受信信号)に変換され、この受信信号は、受信部3におけるNチャンネルの独立なプリアンプ44にて増幅されてNチャンネルの受信遅延回路45に送られる。
受信遅延回路45は、所定の深さからの超音波を収束するための集束用遅延時間と、前記第1の走査方向に強い受信指向性をもたせて受信するための偏向用遅延時間を前記受信信号に与えた後、加算器46に送る。そして、加算器46は、受信遅延回路45から出力されるNチャンネルの受信信号を加算合成し、1つの受信信号に纏めた後、Bモードデータ生成部4に供給する。
Bモードデータ生成部4に供給された加算器46の出力信号は、対数変換、包絡線検波、A/D変換がなされた後、図1のデータ記憶部8におけるBモード画像データ記憶領域に保存される。
一方、カラードプラ画像データの生成においては、受信信号のドプラ偏移を求めるために上述と同様な手順によって、前記第1の走査方向に連続して複数回(L回)の超音波送受信を行ない、このとき得られた受信信号に対して周波数解析を行なう。
即ち、送受信部40によって第1の走査方向に対してカラードプラ用の最初の超音波送受信を行なって得られた受信信号は、前記加算器46からドプラ信号検出部5に供給され、ミキサ55−1、55−2及びLPF56−1、56−2によって直交位相検波されて2チャンネルの複素信号に変換される。そして、この複素信号の実成分、及び虚成分の各々は、カラードプラデータ生成部6のA/D変換器57にてデジタル信号に変換された後、ドプラ信号記憶部58に保存される。前記第1の走査方向に対する2回目乃至L回目の超音波送受波によって得られた受信信号についても同様な処理を行なって複素信号を収集し、ドプラ信号記憶回路225に保存する。
第1の走査方向に対するL回の超音波送受信によって得られた複素信号のドプラ信号記憶部58への保存が終了したならば、システム制御部17は、ドプラ信号記憶部58に保存されている複素信号の中から所定位置(深さ)に対応した複素信号成分を順次読み出し、MTIフィルタ59に供給する。そして、MTIフィルタ59は、供給された複素信号成分に対してフィルタ処理を行ない、例えば心筋などの組織の運動によって生ずる組織ドプラ成分(クラッタ成分)を排除し、血流の流れに起因する血流ドプラ成分のみを抽出する。
血流ドプラ成分が抽出された前記複素信号の供給を受けた自己相関演算器60は、この複素信号を用いて自己相関処理を行ない、更に、自己相関処理結果に基づいて血流の平均速度値や分散値、あるいはパワー値などを算出する。このような演算を、超音波送受波方向の他の位置(深さ)に対しても行ない、算出された第1の走査方向における、血流の平均速度値、分散値あるいはパワー値などを図1のデータ記憶部8におけるカラードプラ画像データ記憶領域に保存する。
次いで、システム制御部17は、第2の走査方向(θ2)乃至第Mの走査方向(θM)に対しても同様な超音波送受波を行なう。そして、このとき得られたBモード画像データ及びカラードプラ画像データは、データ記憶部8におけるBモード画像データ領域、及びカラードプラ画像データ領域に保存される。
一方、上述の第1の走査方向乃至第Mの走査方向に対するBモード用あるいはカラードプラ用の超音波送受波と交互して、ドプラスペクトラムデータを収集するための超音波送受波が初期設定された方向(θD)に対して、例えば周期2Trで順次行なわれる。この場合も、カラードプラ用の超音波送受波と同様の手順によってθD方向に対して超音波送受信を行ない、加算器46の出力信号(受信信号)をドプラ信号検出部5に供給する。
そして、ドプラ信号検出部5は、既に図3において述べたように、前記受信信号に対して直交位相検波を行なって得られる複素信号をスペクトラムデータ生成部7のSH61に供給する(図8のステップS2)。一方、SH61には、初期設定されたレンジゲート位置Lgに対応したサンプリングパルスがシステム制御部17より供給され、このサンプリングパルスに基づいて上記複素信号がサンプルホールドされる。そして、走査方向θDに対して周期Trで複数回行なわれる超音波送受波によって得られたSH61の出力は、HPF62において平滑化された後、A/D変換器63においてデジタル信号に変換され、FFT分析器64の図示しない記憶回路に保存される。
そして、FFT分析器64の図示しない演算回路は、図4において述べたように、連続して収集されるドプラ信号に対して所定時間(ΔT)づつシフトした区間を複数設定し、これらの区間におけるドプラ信号に対してFFT分析を行なってドプラスペクトラムデータを生成する(図8のステップS3)。
即ち、FFT分析器64の演算回路は、図4(a)に示すように、レートパルス周期Trの2倍の周期で得られた離散的なドプラ信号に対して、例えばq1乃至qmのm個の信号成分を読み出してFFT分析を行ない、スペクトラム成分p1乃至pmから構成されるドプラスペクトラムデータB1を算出する。そして、算出されたドプラスペクトラムデータB1は、データ記憶部8に供給されて保存されると共に、血流評価部30のトレース波形生成部9に供給され、図5に示した方法によって最大周波数fp(最大流速Vp)と平均周波数fc(平均流速Vc)が算出される。そして、前記最大流速Vpと平均流速Vcはデータ記憶部8に保存される(図8のステップS4)。
以下、同様にして、図4に示した時間ΔT後、時間2ΔT後、時間3ΔT後・・・のm個のドプラ信号成分に対して、スペクトラムデータ生成部7のFFT分析器64はドプラスペクトラムデータB2,B3,B4・・・の算出を行ない、血流評価部30のトレース波形生成部9は、これらのドプラスペクトラムデータに対して最大流速Vpと平均流速Vcを算出する。そして、算出されたドプラスペクトラムデータB2,B3,B4・・と、その最大流速Vpあるいは平均流速Vcはデータ記憶部8に保存される。
従って、データ記憶部8のドプラスペクトラムデータ記憶領域では、ドプラスペクトラムデータの時間的変化を2次元データとして示したドプラスペクトラム画像データと、前記ドプラスペクトラムデータに対して算出された最大流速Vpあるいは平均流速Vcの時間的変化を示すトレース波形データCp及びCcが逐次保存される(図8のステップS5)。
次いで、血流評価部30のPS/ED検出部10は、データ記憶部8から、例えば、トレース波形データCpを読み出し、このトレース波形データCpに対してPS及びEDを設定する。そして、設定されたPS及びEDの位置情報をデータ記憶部8に保存すると共に、トレース波形データCpと共にパラメータ計測部11に供給する(図8のステップS6)。
一方、パラメータ計測部11は、トレース波形Cpにおいて次々に設定されるEDの間隔(ED−ED間隔)の長さからHRを、又、ED−ED間隔におけるトレース波形において得られる最大値h1、最小値h2、及び平均値h0を式(2)に代入することによって、PI及びRIを逐次計測し、これらの計測結果をデータ記憶部8に保存する(図8のステップS7)。
従って、データ記憶部8には、リアルタイムで生成されるBモード画像データ、カラードプラ画像データ、及びドプラスペクトラム画像データの他に、前記ドプラスペクトラム画像データに対応したトレース波形データやPS/EDの位置情報、更には診断パラメータの計測結果が所定期間分保存される。
以上述べた手順によって、データ記憶部8に保存された上述の各データは、合成されて表示部15に表示される。即ち、データ記憶部8のBモード画像データ記憶領域に保存されているBモード画像データと、カラードプラ画像データ記憶領域に保存されているカラードプラ画像データは合成され、図7に示したモニタの画像表示領域200に表示される。又、ドプラスペクトラム画像データにはトレース波形データとPS/EDの位置を示すマーカが重畳されてトレース波形表示領域300に表される。更に、診断パラメータのHRやPI、更にはRI等の最新計測値は計測値表示領域400に表示される。
即ち、システム制御部17は、所定の時間間隔でデータ記憶部8の各データを読み出して表示部15の表示用データメモリに供給し、予め定められた表示フォーマットに従って合成する。そして、これらのデータを変換回路に供給し、D/A変換やTVフォーマット変換などを行なってモニタに表示する(図8のステップS6)。
次に、データ記憶部8に一旦保存されたトレース波形の表示部15におけるフリーズ表示方法につき図9及び図10を用いて説明する。但し、これらの図では説明を簡単にするために最大流速Vpのトレース波形Cpのみについて示しているが、実際の場合には、図7のトレース波形表示領域300に示すように、ドプラスペクトラム画像Dsにトレース波形Cpあるいはトレース波形Ccを重畳表示することが好適である。
図9(a)は、ムービングバーMBを用いたトレース波形のリアルタイム表示方法であり、例えば、左端から右端に向かって所定の速度で移動するムービングバーMBの位置において古いトレース波形データは新しいトレース波形データに更新される。例えば、ムービングバーMBの移動に伴って、リアルタイム計測された最大流速Vpのトレース波形CpとPSマーカ及びEDマーカがPS1,ED1、PS2,ED2,PS3の順に表示される。そして、PS3の時点で右端部に到達したムービングバーMBは左端部に戻り、引き続いて右端部に向かって移動しながら既に表示されているトレース波形とPSマーカ及びEDマーカを、PS3以降に新たに計測されるトレース波形とPSマーカ及びEDマーカに更新する。
一方、血流評価部30のパラメータ計測部11は、トレース波形Cpにおいて最新EDであるED2が表示された時点で、このED2とED1の区間で決定される1心拍区間においてHR,PI、あるいはRI等の診断パラメータを計測する。そして、データ記憶部8に既に保存されている古い計測値、即ち、ED1と図示しないED0との区間で計測された診断パラメータの値を上記の新しい計測値に更新し、更新されたHR,PI、あるいはRI等は、図7に示した診断パラメータの計測値表示領域400において新たに表示される。
このようにして、パラメータ計測部11は、ムービングバーMBの移動に伴って新しいEDが得られたならば、このEDから1心拍区間溯ったED−ED区間において診断パラメータの最新計測を行ない、診断パラメータの計測値表示領域400において既に表示されている旧計測値を前記最新計測値に更新する。
次に、図9(b)は、上述のリアルタイム表示されるトレース波形を静止(フリーズ)させて観測する場合の第1の表示方法を示しており、この表示方法は、診断パラメータの計測値表示領域400において表示される診断パラメータの最新計測値が計測されたED−ED区間のトレース波形を高輝度表示(ハイライト表示)することを特徴としている。
トレース波形のフリーズ表示に際して、操作者は、リアルタイム表示されるトレース波形の観察中に、所望のタイミングでフリーズ表示コマンドを入力部16より入力し(図8のステップS8)、更に、ハイライト表示コマンドを同じ入力部16より入力する(図8のステップS9)。これらのコマンド信号を受信したシステム制御部17は、表示部15の表示用データメモリに対して制御信号を供給し、MBの位置を基準として表示部15のモニタに同時表示可能な心拍区間数のトレース波形データ(例えば、図9(b)におけるPS1からMBまでのトレース波形)をデータ記憶部8から読み出し、表示部15の表示用データメモリのトレース波形データ記憶領域に保存する。
次いで、得られた前記トレース波形データにおいて最新EDであるED2から1心拍区間溯ったED1−ED2区間(即ち、診断パラメータの最新計測が行なわれた区間)のトレース波形データにおける輝度信号の大きさを変更する。
上述の手順によって生成されたトレース波形データを表示部15の変換回路を介してモニタに表示することによって、図8(b)に示すように、診断パラメータの最新計測が行なわれたED−ED区間のトレース波形がハイライト表示される(図8のステップS10)。
次に、図10(a)は、図9(a)と同様にムービングバーMBを用いたトレース波形のリアルタイム表示方法であるため、その説明を省略する。一方、図10(b)は、このリアルタイム表示されたトレース波形を静止(フリーズ)させて観測する場合の第2の表示方法を示しており、この表示方法は、最新の診断パラメータが計測されたED−ED区間が、トレース波形表示領域300の右端部に位置するような表示(スクロールバック表示)が自動的に行なわれることを特徴としている。
この場合、操作者は、リアルタイム表示されるトレース波形の観察中に、所望のタイミングでフリーズ表示コマンドを入力部16より入力し(図8のステップS7)、更に、スクロールバック表示コマンドを同じ入力部16より入力する(図8のステップS8)。これらのコマンド信号を受信したシステム制御部17は、表示部15の表示用データメモリに対して制御信号を供給して、最新のEDが設定された位置を基準として表示部15のモニタに同時表示可能な複数心拍区間数のトレース波形データをデータ記憶部8から読み出し、表示部15の表示用データメモリのトレース波形データ記憶領域に保存する。
上述の手順によって生成されたトレース波形データを表示部15の変換回路を介してモニタに表示することによって、図10(b)に示すように、診断パラメータの最新計測が行なわれたED−ED区間が常にトレース波形表示領域300の右端部になるようなトレース波形が表示される(図8のステップS10)。
以上述べたように、本実施例によれば、トレース波形を静止して詳細な観察を行なう場合、診断パラメータが最新計測された区間がハイライト表示あるいはスクロールバック表示により容易に認識できるため、診断パラメータの計測における信頼性を当該トレース波形から容易に把握することができ、診断効率を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は上記の実施例に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、本実施例では、診断パラメータとしてHR、PI、及びRIを例に説明したが、他の診断パラメータであってもよい。又、これらの診断パラメータの計測においてドプラスペクトラムの最大流速Vpのトレース波形Cpを主に用いたが、平均流速Vcのトレース波形Cc、あるいは他のトレース波形であってもよい。
一方、トレース波形に表示されるPS及びEDは、上述のマーカに限定されるものではなく、例えば、文字や記号を用いて識別することも可能である。更に、トレース波形表示領域300では、ドプラスペクトラム画像上にトレース波形データが重畳される場合について述べたが、トレース波形データのみの表示やトレース波形データとドプラスペクトラム画像データを分離して表示する方法であってもよい。
更に、上述の実施例における心拍区間の設定はED−ED間隔で行なったが、例えばPS−PS間隔など他の設定方法であってもよい。
又、図1に示したように、心電計や脳波計などの生体信号計測装置などを別途備え、PS/ED検出器10における心拍区間の計測が困難な場合には、前記生体信号計測装置などが供給する生体信号から心拍区間の区間を設定し、このとき設定された区間に基づいて診断パラメータの計測や、トレース波形のハイライト表示あるいはスクロールバック表示を行なってもよい。
更に、上述のハイライト表示やスクロールバック表示は、トレース波形データのフリーズ表示に限定されるものではなく、リアルタイム表示において行なってもよい。
本発明の実施例における超音波ドプラ診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における送受信部及びデータ処理部の構成を示すブロック図。 同実施例におけるドプラ信号検出部と、スペクトラムデータ生成部の基本動作を示すタイムチャート。 同実施例のFFT分析方法を示す図。 同実施例におけるドプラスペクトラムの最大周波数成分及び平均周波数成分の算出方法を示す図。 同実施例におけるドプラスペクトラムデータとトレース波形の関係を示す図。 同実施例の表示部における表示方法の具体例を示す図。 同実施例における診断パラメータの計測手順を示すフローチャート。
トレース波形のリアルタイム表示法と第1のフリーズ表示法を示す図。
同実施例におけるトレース波形のリアルタイム表示法と第1のフリーズ表示法を示す図。 同実施例におけるトレース波形のリアルタイム表示法と第2のフリーズ表示法を示す図。
符号の説明
1…基準信号発生部
2…送信部
3…受信部
4…Bモードデータ生成部
5…ドプラ信号検出部
6…カラードプラデータ生成部
7…スペクトラムデータ生成部
8…データ記憶部
9…トレース波形生成部
10…PS/ED検出部
11…パラメータ計測部
15…表示部
16…入力部
20…超音波プローブ
30…血流評価部
40…送受信部
50…データ生成部
60…ECGユニット
100…超音波ドプラ診断装置

Claims (5)

  1. 被検体に対し超音波送受波を行なって得られた受信信号に対してドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、
    前記ドプラ信号に基づいて時系列的な複数のドプラスペクトラムデータを生成するスペクトラムデータ生成手段と、
    前記ドプラスペクトラムデータの各々において所望の特徴量を検出し、この特徴量の時間的変化をトレース波形データとして生成するトレース波形生成手段と、
    前記トレース波形データに対して複数の心拍区間を検出するPS/ED検出手段と、
    前記複数の心拍区間の中の所定心拍区間におけるトレース波形データに基づいて診断パラメータを計測するパラメータ計測手段と、
    計測された前記診断パラメータの計測値及び前記トレース波形データの少なくとも何れかを表示する表示手段を備え、
    前記表示手段は、前記診断パラメータが計測された前記所定心拍区間におけるトレース波形データをスクロールバック表示することを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
  2. 前記トレース波形データのフリーズ表示を選択するフリーズ表示選択手段を備え、前記表示手段は、前記フリーズ表示選択手段の選択情報に基づいてフリーズ表示された前記トレース波形データにおいて、前記診断パラメータが計測された前記所定心拍区間におけるトレース波形データをスクロールバック表示することを特徴とする請求項記載の超音波ドプラ診断装置。
  3. ECG計測手段を備え、前記ECG計測手段は、前記PS/ED検出手段による前記心拍区間の検出が困難な場合、前記被検体から収集された心電波形に基づいて前記心拍区間を検出することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記表示手段は、前記PS/ED検出手段あるいは前記ECG計測手段によって検出された前記トレース波形データの最新心拍区間において計測された診断パラメータの計測値を表示することを特徴とする請求項記載の超音波ドプラ診断装置。
  5. 前記表示手段は、前記所定心拍区間におけるトレース波形データと前記診断パラメータの計測値を同一画面上に表示することを特徴とする請求項1記載の超音波ドプラ診断装置。
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