JP4497072B2 - 油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置 - Google Patents

油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置 Download PDF

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本発明は油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置に係り、特に油で汚染された土壌地盤を原位置で浄化する方法及び装置に関する。
油で汚染された土壌地盤の浄化方法としては、掘削した汚染土壌を場外で浄化する方法と、掘削せずに原位置の土壌地盤のままで浄化する方法がある。建物等の構造物の直下にある汚染土壌地盤は、掘削が困難であるため、原位置で浄化する方法が望まれる。原位置浄化方法としては、微生物処理法(バイオレメディエーション)が一般的に知られている。
特許文献1には、油汚染土壌地盤に注入井戸を設置し、微生物活性剤が添加された水を油汚染土壌地盤に注入する方法が開示されている。注入した液体を揚水井戸から地上に汲み上げ、油水分離によって油分が除去された水に微生物活性剤を添加して再び注入井戸から油汚染土壌地盤に注入,循環させる。このような方法によって、油汚染土壌地盤の土壌粒子間および土壌粒子表面に捕捉された油の大半を、水の流れによる洗浄作用によって物理的に除去する。また、この物理的な洗浄処理の後に土壌粒子間および土壌粒子表面に付着して残存する油分を、微生物活性剤により活性化した微生物で生分解し、浄化の仕上げを行うようにしている。すなわち、特許文献1に開示された方法は、油汚染土壌地盤に水を循環させる物理的洗浄処理と、微生物活性剤を含む水の循環によって当該微生物活性剤を油汚染土壌地盤に浸透させることによる微生物処理を組み合わせた方法であり、従来の微生物処理法に比べて一歩進んだ方法といえる。
特開2005−52733号公報
しかしながら、油汚染は通常、地下水面よりも上層の不飽和の土壌地盤に多く存在している。このような不飽和の土壌地盤に対して、特許文献1に記載されたように水を循環させようとしても、水が土壌地盤に十分に行き渡らず浄化効率が著しく低くなるという問題点がある。図7はこのような問題点をモデル化して示した側断面図である。油汚染土壌地盤は地下水面よりも下層の飽和層1と地下水面よりも上層の不飽和層2に分けられる。油は水よりも比重が小さいので地下水面に浮きながら、地下水面の上下変動に追随して土壌粒子間を上下する。したがって、地下水面がある時期に大きく上がり、W.L−hまで達した後に、元の標準的な地下水面に引いた場合には、地下水面に追随して浮上した油がW.L−hレベルの不飽和層2の土壌地盤に高濃度に残存する。一方、地下水面がある時期に大きく下がり、W.L−lまで達した後に、元の標準的な地下水面に上昇した場合には、W.L−lレベルは常に飽和層であり、土壌に付着した油が地下水によって洗われ、又は土壌から離脱して水面に浮上し易い状態にある。したがって、W.L−lレベルの飽和層1の土壌地盤では油の汚染度合いが低い。このため、油汚染は通常、地下水面よりも上層の不飽和層2の土壌地盤に多く存在することになる。
このような状況下において、特許文献1に記載されたように水を循環させるために土壌地盤に対して注水井戸3と揚水井戸4とを設置し、注水井戸3から水を注水すると大部分の水は飽和層1に直接流れて、不飽和層2には水が十分に行き渡らない。図示のように注水井戸3内の水位を上昇させて、注水井戸3の上部からも注水を行うようにしても、注水された水は自重により下方に向けて流れる。このため、斜線で示した土壌地盤5には注水した水がほとんど届かない。このことは、特許文献1に記載されたように水を循環させても油の汚染度合いが高い不飽和層2には注水した水が届かないデッドゾーンが多く存在し、浄化効率を著しく低下させることを意味している。
このような欠点を改善するために注水井戸3と揚水井戸4の設置間隔Dを十分に小さくする方法が考えられる。しかしながら、この方法は井戸の設置数が膨大となり、建設費と運転費の高騰を招くので実用的ではない。
本発明の目的は上記従来技術の問題点を改善し、油の汚染度合いが高い不飽和の土壌地盤に対しても浄化効果が大きい油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る油で汚染された土壌地盤の浄化方法は、油で汚染された不飽和の土壌地盤に注水することによって地下水位が設定水位となるように制御し、前記土壌地盤の少なくとも一部を水面下に浸す第1工程と、前記水面下に浸された土壌地盤から油含有水を揚水する第2工程と、揚水した油含有水を地上部で油水分離処理する第3工程と、油水分離後の分離水を前記第1工程の注水に用いる第4工程を含み、前記第1工程から前記第4工程までを繰り返し実施する毎に前記第1工程における設定水位を上昇させることを特徴とする。
上記構成の油で汚染された土壌地盤の浄化方法においては、前記第2工程で前記土壌地盤の地下水位を一定にしながら、揚水する方法がある。また、前記第2工程では前記土壌の地下水位を複数回上下に変動させながら、揚水する方法を採用することもできる。
上記目的を達成するための本発明に係る油で汚染された土壌の浄化装置は、油で汚染された不飽和の土壌地盤に配置された注水井戸と、この注水井戸と離間して前記土壌地盤に配置された揚水井戸と、前記土壌地盤の水位が設定値となるように前記注水井戸からの注水量及び/又は揚水井戸からの揚水量を制御する制御手段と、前記揚水井戸で揚水した油含有水から油を分離する油水分離手段と、前記油水分離手段を経た分離水を一時的に貯留し前記注水井戸用の注水に供するバッファ槽とを具備したことを特徴とする。
本発明の油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置によれば、不飽和の油汚染土壌地盤に注水することによって地下水位を制御し、当該土壌地盤を水面下に浸すとともに、この水面下に浸された土壌地盤から油含有水を揚水する。そして、揚水した油含有水を地上部で油水分離処理し、油水分離後の分離水を再び注水に用いるようにした。このため、油の汚染度合いが高い不飽和の油汚染土壌地盤を確実に水面下に浸し、水流による油の洗浄を油汚染土壌地盤の全層にわたって万遍なく実施することができる。このため、不飽和の油汚染土壌地盤に対する浄化効果が大きい。
図1は本発明に係る油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置の第1実施形態を示す模式側断面図である。油汚染土壌地盤10はボーリング調査によって予め特定される。油汚染土壌地盤10を取り囲むようにして、まず、矢板12を打ち込む。矢板12の下端は不透水層14に達するまで打ち込まれる。この矢板12によって形成された地中壁によって油汚染土壌地盤10は非汚染地盤16とほぼ完全に遮断され、非汚染地盤16との地下水の往来もほとんどなくなる。したがって、矢板12による地中壁が形成された後には、油汚染土壌地盤10内の地下水面は周囲の非汚染地盤16の地下水面とは無関係に管理できる。
油汚染土壌地盤10には注水井戸18と揚水井戸20が所定の間隔を置いて配置されている。注水井戸18及び揚水井戸20の下端は当初の標準的な地下水面W.L1よりも深い位置に達している。注水井戸18及び揚水井戸20の側壁はほぼ全長にわたって透水構造とされている。このため、注水井戸18では内部の水位を地下水面よりも高く維持することによって、油汚染土壌地盤10に対して水位差に対応した量の注水を行うことができる。揚水井戸20内には下端が井戸の底部に開口した揚水管22が配設されており、揚水管22の上端が地上に設置された揚水ポンプ24の吸引側に接続している。したがって、揚水井戸20では揚水ポンプ24を駆動し、内部の水位を地下水面よりも低く維持することによって、油汚染土壌地盤10から水位差に対応した量の揚水を行うことができる。
揚水ポンプ24の吐出側には管路26を介して油水分離器28が配置されている。油水分離器28によって分離された油は管路30から回収される。分離水は管路32を介してバッファ槽34に送られ、一時的に貯留される。バッファ槽34には補給水管36が接続されている。バッファ槽34の出口側には管路38を介して注水ポンプ40が接続しており、注水ポンプ40によって注水井戸18への注水が行われる。なお、管路38には薬品注入管41が接続されており、この薬品注入管41から界面活性剤などを注入することができる。
揚水井戸20には図示しないレーザ光式の水位センサが取り付けられており、この水位センサの検出値が制御器42に送信される。制御器42は水位センサの検出値に基づいて、地下水位が設定値となるように注水井戸18からの注水及び/又は揚水井戸20からの揚水を制御する。
上記構成の浄化装置によって当初の地下水面W.L1よりも上層の不飽和の油汚染土壌地盤10を浄化する手順を以下に説明する。図1に示した状態から、バッファ槽34に水を張り込んだ後に、揚水ポンプ24を停止させたまま、注水ポンプ40のみを駆動することによって、注水井戸18から油汚染土壌地盤10への注水が行われる。前記したように油汚染土壌地盤10は矢板12によって形成された地中壁によって周囲と縁が切られているので、注水された水は周囲の非汚染地盤16に逃げることがない。このため、当該地中壁で囲われたエリアの地下水位が注水井戸18からの注水によって徐々に上昇する。なお、この注水操作の過程ではバッファ槽34内の水が一方的に使われるので、補給水管36から必要量の水を補給する。この補給水の補給源としては図示のように非汚染地盤16に補給水用の揚水井戸44を設置し、この揚水井戸44から汲み上げた地下水を補給水ポンプ46によってバッファ槽34に送り込むようにすることが望ましい。
図2は注水が一段落した状態を示す模式側断面図である。この段階では元の地下水位W.L1に対して水位がhだけ上昇し、地下水位がW.L2になっている。この地下水位W.L2の状態は揚水井戸20に設けた水位センサによって容易に検出することができる。この状態では以前には地下水位W.L1の上層にあった厚さh分の不飽和の油汚染土壌層10Aが、地下水位W.L2の水面下に浸された結果になる。
制御器42では地下水位が予め設定したW.L2に達した時に、注水ポンプ40の駆動を継続させつつ、揚水ポンプ24の駆動を開始させる。そして、補給水管36からバッファ槽34への補給水の供給を停止するとともに、バッファ槽34の水位が一定となるように注水ポンプ40と揚水ポンプ24の駆動を制御する。その結果、注水井戸18からの注水量と揚水井戸20からの揚水量がバランスして、地下水位を一定のW.L2に維持した運転が行われる。その結果、油汚染土壌層10Aには、注水井戸18から揚水井戸20に向かう水平流が生じる。この水平流によって油汚染土壌層10Aの土壌粒子間に滞留していた油や土壌粒子の表面に付着していた油が洗浄され、油汚染土壌層10Aは次第に浄化される。
洗浄によって油汚染土壌層10Aから油を離脱させた油含有水は揚水井戸20によって揚水され、地上部の油水分離器28に送り込まれる。油水分離器28では流入した油含有水が例えば浮上分離の原理によって油と分離水に分離される。分離した油は管路30から回収する。分離水は管路32を介してバッファ槽34に送られ、注水用の水として再利用される。
この注水井戸18からの注水量と揚水井戸20からの揚水量がバランスさせ、地下水位を一定にした水平流による油汚染土壌層10Aの浄化運転を継続する。そして、揚水井戸20によって揚水される油含有水の油分濃度が所定レベル以下なった時点で油汚染土壌層10Aの浄化処理を完了させる。図3はこの時点の状態を示す模式側断面図である。
次に油汚染土壌層10Aの上層の油汚染土壌層10Bに対する浄化処理に移行する。すなわち、図3に示した状態からバッファ槽34に対する補給水の供給を再開するとともに、揚水ポンプ24を停止し、注水ポンプ40のみを駆動することによって、注水井戸18から油汚染土壌層10Bへの注水を行う。
図4は油汚染土壌層10Bへの注水が完了した状態を示す模式側断面図である。この段階では元の地下水位W.L2に対して水位がさらに上昇し、地下水位がW.L3になっている。図4に示した状態から制御器42では注水ポンプ40の駆動を継続させつつ、揚水ポンプ24の駆動を再開させる。そして、補給水管36からのバッファ槽34への補給水の供給を停止し、注水量と揚水量をバランスさせて地下水位を一定のW.L3に維持した運転を行う。その結果、前記と同様に油汚染土壌層10Bの浄化運転が進行する。揚水井戸20によって揚水される油含有水の油分濃度が所定レベル以下なった時点で油汚染土壌層10Bの浄化処理が完了し、油汚染土壌地盤10全体の浄化処理が終了する。
上記の油汚染土壌層10A及び油汚染土壌層10Bの浄化運転時には、薬品注入管41から界面活性剤を注入し、注水井戸18から注水する水に界面活性剤を含ませることができる。すると、注水した水による油の洗浄作用が活発になり、浄化効率を向上させることができる。ただし、界面活性剤を過剰に注入すると残存した界面活性剤自体が地下水の汚染を招き、また、前記油水分離器での油水分離作用が低下する場合がある。したがって、前記注水によって油汚染土壌地盤10の地下水位を上げる時にのみ薬品注入管41から適量の界面活性剤を注入し、その後の水平流による洗浄時には界面活性剤の注入を行わない運転方法が推奨される。
なお、前掲図1〜図4は本実施形態の原理を説明するための模式側断面図である。通例は油汚染土壌地盤10が広い面積にわたって分布しており、油汚染土壌地盤10に対しては、注水井戸18や揚水井戸20が複数本,設置される。図5はこの場合の模式平面図である。広い面積の油汚染土壌地盤10に対して複数本の注水井戸18と複数本の揚水井戸20が所定間隔で設置される。図中、破線の矢印で示したように、注水井戸18からは井戸の周りに放射状に注水が行われ、揚水井戸20には複数の注水井戸18から注水された水が集水される。このため、注水された水は広い面積の油汚染土壌地盤10に対して万遍なく行き渡る。複数の注水井戸18に対しては共通の注水ポンプ40から注水用の水が分配される。複数の揚水井戸20からの揚水は共通の揚水ポンプ24によって行われる。
ただし、特に揚水井戸20については、個々の井戸の底部にそれぞれ水中ポンプを配置し、各水中ポンプによって揚水した水を共通の管路に合流させて共通の油水分離器28に送り込むようにしてもよい。また、制御器42による油汚染土壌地盤10の地下水位の制御は、複数の揚水井戸20の内いずれか一本の揚水井戸20に取り付けた水位センサからの信号に基づいて、注水ポンプ40や揚水ポンプ24を制御すれば十分である。
上述のとおり、本実施形態の油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置によれば、不飽和の油汚染土壌地盤10に注水することによって地下水位を制御し、当該土壌地盤を水面下に浸すとともに、この水面下に浸された土壌地盤から油含有水を揚水する。そして、揚水した油含有水を地上部で油水分離処理し、油水分離後の分離水を再び注水に用いるようにした。そして、地下水位を一定にしながら、油汚染土壌地盤に対して注水井戸18から揚水井戸20に向かう水平流を循環させるようにした。このため、油の汚染度合いが高い不飽和の油汚染土壌地盤を確実に水面下に浸し、水流による油の洗浄を油汚染土壌地盤の全層にわたって万遍なく実施することができる。このため、不飽和の油汚染土壌地盤に対する浄化効果が大きい。
図6は本発明に係る油で汚染された土壌地盤の浄化方法の第2実施形態を示す模式側断面図である。第2実施形態を実施するための装置構成は第1実施形態と同様であり、図1と同一の符号を各要素に付することによって、その説明を省略する。図6(1)は第1実施形態と同様の手順によって図2と同一の状態にまで進んだ段階を示している。本実施形態では図6(1)に示した段階で、注水ポンプ40を停止し、揚水ポンプ24のみを駆動する。すると、揚水井戸20からの揚水によって、油汚染土壌地盤10の地下水位が徐々に低下し,図6(2)に示したように、地下水位がW.L1になる。この図6(2)に示した段階で、注水ポンプ40を駆動し、揚水ポンプ24を停止する。すると、注水井戸18からの注水によって、油汚染土壌地盤10の地下水位が徐々に上昇し、図6(1)に示したように地下水位がW.L2になる。以降このような、地下水位をW.L1とW.L2との間で上下に変動させるサイクルを数回繰り返す。
すると、油汚染土壌層10Aには注水井戸18から揚水井戸20に向かう水平流に加えて地下水位の変動による鉛直流が複合した流れが繰り返し作用する。このため、油汚染土壌層10Aの土壌粒子間に滞留している油や土壌粒子の表面に付着している油が効果的に洗い出される。油汚染土壌層10Aの洗浄が終了すると、次に油汚染土壌地盤10の地下水位を引き上げ、上記と同様の方法で油汚染土壌層10Bの洗浄を行い、油汚染土壌地盤10全体の浄化処理が終了する。
上記各実施形態では油汚染土壌地盤10に対する洗浄を下層の油汚染土壌層10Aと上層の油汚染土壌層10Bの2段階に分けて実施する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、3段階以上に分けて実施することができる。又は、油汚染土壌地盤10全体の洗浄を1段階で一気に実施することもできる。また、必要に応じて上記一連の操作を複数回、繰り返して油汚染土壌地盤10をより一層綿密に浄化処理することもできる。
上記各実施形態では油汚染土壌地盤10への注水手段として注水井戸18を用いる構成を説明した。しかしながら、本発明に係る注水手段として地表面に掘削した注水溝を用いることもできる。この注水溝に供給した水の重力を利用して油汚染土壌地盤に水を浸透させつつ注水を行う。
上記各実施形態では油汚染土壌地盤10を水流洗浄する浄化方法について説明した。しかしながら、本発明では水流洗浄に加えて微生物処理法(バイオレメディエーション)を併用することができる。すなわち、図1に示した薬品注入管41から微生物処理法に必要な各種の物資を注入することによって、注水井戸18からこれらの物資を油汚染土壌地盤10に対して広く分布させることができる。微生物処理法に必要な各種の物資としては、もともと油汚染土壌地盤10に生息している油分解菌を活性化させる活性化剤、分解菌が好気性である場合の酸素供給剤などが挙げられる。また、これらの物資に加えて油分解菌自体を薬品注入管41から注入することもできる。これらの物資の注入タイミングは、上記の水流洗浄が一区切り完了した後半に行うことが望ましい。
本発明に係る油で汚染された土壌地盤の浄化方法及び装置の第1実施形態を示す模式側断面図である。 油汚染土壌層10Aへの注水が完了した状態を示す模式側断面図である。 油汚染土壌層10Aの浄化処理が完了した状態を示す模式側断面図である。 油汚染土壌層10Bへの注水が完了した状態を示す模式側断面図である。 油汚染土壌地盤10に対して注水井戸と揚水井戸を複数本,設置した場合の模式平面図である。 本発明に係る油で汚染された土壌地盤の浄化方法の第2実施形態を示す模式側断面図である。 従来技術の問題点をモデル化して示した側断面図である。
符号の説明
10……油汚染土壌地盤、12……矢板、14……不透水層、16……非汚染地盤、18……注水井戸、20……揚水井戸、22……揚水管、24……揚水ポンプ、28……油水分離器、34……バッファ槽、40……注水ポンプ、41………薬品注入管、42…………制御器、44……(補給水用の)揚水井戸、46……補給水ポンプ。

Claims (4)

  1. 油で汚染された不飽和の土壌地盤に注水することによって地下水位が設定水位となるように制御し、前記土壌地盤の少なくとも一部を水面下に浸す第1工程と、前記水面下に浸された土壌地盤から油含有水を揚水する第2工程と、揚水した油含有水を地上部で油水分離処理する第3工程と、油水分離後の分離水を前記第1工程の注水に用いる第4工程を含み、前記第1工程から前記第4工程までを繰り返し実施する毎に前記第1工程における設定水位を上昇させることを特徴とする油で汚染された土壌地盤の浄化方法。
  2. 前記第2工程では前記土壌地盤の地下水位を一定にしながら、揚水することを特徴とする請求項1に記載の油で汚染された土壌地盤の浄化方法。
  3. 前記第2工程では前記土壌の地下水位を複数回上下に変動させながら、揚水することを特徴とする請求項1に記載の油で汚染された土壌地盤の浄化方法。
  4. 油で汚染された不飽和の土壌地盤に配置された注水井戸と、この注水井戸と離間して前記土壌地盤に配置された揚水井戸と、前記土壌地盤の水位が設定値となるように前記注水井戸からの注水量及び/又は揚水井戸からの揚水量を制御する制御手段と、前記揚水井戸で揚水した油含有水から油を分離する油水分離手段と、前記油水分離手段を経た分離水を一時的に貯留し前記注水井戸用の注水に供するバッファ槽とを具備したことを特徴とする油で汚染された土壌地盤の浄化装置。
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