JP4496969B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、運転者のブレーキ操作に対して適度なストロークや反力を生成するストロークシミュレータを設ける場合、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時にブレーキ操作のストローク増加を抑制できる車両用ブレーキ装置の提供を課題としている。
図1は、ブレーキシステムの概略構成図である。運転者のブレーキ操作が入力されるブレーキペダル1は、インプットロッド1aを介してタンデム式のマスターシリンダ2に連結されている。
マスターシリンダ2には、セカンダリリターンスプリング2a、セカンダリピストン2b、プライマリリターンスプリング2c、プライマリピストン2dが順に挿入されており、このプライマリピストン2dにプッシュロッド1aの先端が接続されている。セカンダリリターンスプリング2aが介在されたセカンダリ圧力室2e、及びプライマリリターンスプリング2cが介在されたプライマリ圧力室2fは、夫々、リリーフポートを経てリザーバタンク2gに連通している。
プライマリ側の液圧系統では、マスターシリンダ2及びホイールシリンダ3RL・3RR間の流路を閉鎖可能なゲートバルブ4rと、ゲートバルブ4r及びホイールシリンダ3RL(3RR)間の流路を閉鎖可能なインレットバルブ5RL(5RR)と、インレットバルブ5RL(5RR)及びホイールシリンダ3RL(3RR)間とマスターシリンダ2のリザーバタンク2gとを連通した流路を開放可能なアウトレットバルブ6RL(6RR)と、アウトレットバルブ6RL・6RR及びリザーバタンク2g間に吸入側を連通し、且つゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL・5RR間に吐出側を連通したポンプ7rと、を備えている。
また、ポンプ7rは、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ピストンポンプ等、容積型のポンプで構成されている。
さらに、アウトレットバルブ6RL(6RR)を励磁して開放すると共に、ゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL(5RR)を励磁して夫々を閉鎖することで、ホイールシリンダ3RL(3RR)の液圧をリザーバタンク2gに開放して減圧することができる。
なお、セカンダリ側の液圧系統でも、プライマリ側と同様のゲートバルブ4f、インレットバルブ5FL・5FR、アウトレットバルブ6FL・6FR、及びポンプ7fを備えており、各動作に関してもプライマリ側と同様であるため、その詳細説明は省略する。
ここで、プライマリピストン2d及びセカンダリピストン2bが「第1のピストン」に対応し、シミュレータピストン10bが「第2のピストン」に対応し、ゲートバルブ4f・4rが「開閉バルブ」に対応している。
今、通常のブレーキバイワイヤを行っているとする。すなわち、ゲートバルブ4f・4rを閉鎖した状態で、インレットバルブ5FL〜5RR、アウトレットバルブ6FL〜6RR、及びポンプ7f・7rを駆動制御し、運転者のブレーキ操作に応じた目標ホイールシリンダ圧に調圧する。
ここで、プライマリピストン2dが押圧されると、プライマリ圧力室2fの液圧が上昇し、この液圧がストロークシミュレータ10に伝達される。これによって、シミュレータピストン10bが押圧され、図2に示すように、ストロークシミュレータ10の圧縮バネ10cが弾性収縮するときに、プライマリピストン2dが初期位置から前進する。
このように、ブレーキバイワイヤを行っている際には、ストロークシミュレータ10が弾性収縮して液圧を貯留することによって、運転者のブレーキ操作に対して適度なペダルストロークとペダル反力を生成することができる。
なお、運転者がブレーキ操作をしていない初期位置からのプライマリピストン2dの移動量と、運転者がブレーキ操作をしてない初期位置からのシミュレータピストン10bの移動量との関係は、下記(1)式で表される。
Xs=Ap・Xp/As ………(1)
Xp:プライマリピストン2dの初期位置からの移動量
Xs:シミュレータピストン10bの初期位置からの移動量
Ap:プライマリピストン2dの断面積
As:シミュレータピストン10bの断面積
ここで、プライマリピストン2dが押圧されると、プライマリ圧力室2fの液圧がホイールシリンダ3RL・3RRのみならずストロークシミュレータ10にも伝達される。これによって、前述したようにシミュレータピストン10bが押圧され、図3に示すように、ストロークシミュレータ10の圧縮バネ10cが弾性収縮することで液が貯留されるときに、プライマリピストン2dが初期位置から前進する。
しかしながら、このとき、プライマリピストン2dが押圧されると共に、セカンダリピストン2bも押圧されて初期位置から前進する。シミュレータピストン10bは、ロッド11の先端に当接するまでの前進が許容されるので、セカンダリピストン2bと共にロッド11が前進することで、シミュレータピストン10bの移動可能量を減少させる。
しかも、その後、ロッド11の先端がシミュレータピストン10bに当接してから更にセカンダリピストン2bが前進すると、図4に示すように、このロッド11によって、セカンダリピストン2bとシミュレータピストン10bとが当接した状態で、シミュレータピストン10bを押し返す。
ここで、プライマリピストン2dの移動量(ペダルストローク)と、ホイールシリンダ圧(制動力)との関係を図5に示す。但し、分かりやすく説明するためにストロークシミュレータやマスターシリンダの特性つまりシリンダサイズやバネ特性などが同一条件であるものとする。
この図5からも明らかなように、本実施形態ではシミュレータピストン10bの移動可能量を減少させることができるので(B点からA点まで)、ペダルストロークの無駄な増加を抑制しつつホイールシリンダ圧を増加させることができる。また、それ以後は、シミュレータピストン10bを押し返すことで、ロスしていたストロークを挽回するかのようにホイールシリンダ圧を増加させる(A点以降の傾きをB点以降の傾きよりも大きくする)ことができる。
また、マスターシリンダ2のピストン2b・2dよりも、ストロークシミュレータ10のシミュレータピストン10bの断面積を小さくしているので、ストロークシミュレータ10の貯留量の制限のみならず、ロッド11とシミュレータピストン10bが当接した後に更に運転者がブレーキペダル1を踏込むときに、シミュレータピストン10bを押し返し、ストロークシミュレータ10に流入していたブレーキ液を確実に排出することができる。
また、上記の第1実施形態では、液圧を伝達媒体にしたハイドロリックブレーキを採用しているが、これに限定されるものではなく、圧縮空気を伝達媒体にしたエアブレーキを採用してもよい。
また、上記の第1実施形態では、ストロークセンサで検出したブレーキ操作量に応じてブレーキバイワイヤを行っているが、これに限定されるものではなく、圧力センサで検出したペダル踏力やマスターシリンダ圧に応じてブレーキバイワイヤを行うようにしてもよい。
2 マスターシリンダ
2b セカンダリピストン
2d プライマリピストン
2e セカンダリ圧力室
2f プライマリ圧力室
3FL〜3RR ホイールシリンダ
4f・4r ゲートバルブ
5FL〜5RR インレットバルブ
6FL〜6RR アウトレットバルブ
7f・7r ポンプ
8 コントローラ
9 流路
10 ストロークシミュレータ
10a シリンダ
10b シミュレータピストン
10c 圧縮バネ
11 ロッド
Claims (3)
- 運転者のブレーキ操作に応じて第1のピストンが押圧されるときに流体圧を発生するマスターシリンダと、該マスターシリンダで発生した流体圧に応じて第2のピストンが押圧されることで当該流体を貯留すると共に、当該第2のピストンの押圧方向が前記第1のピストンの押圧方向と対向するように配置されたストロークシミュレータと、前記マスターシリンダで発生した流体圧が伝達されるときに制動力を発生するホイールシリンダと、前記マスターシリンダ及び前記ホイールシリンダ間で流体圧を伝達するための流路を開閉可能な開閉バルブと、前記第1及び前記第2のピストンの間に介在し当該第1及び第2のピストンの押圧方向に進退可能なロッドと、を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
- 前記ロッドは、一端側が前記第1及び第2のピストンの何れか一方に連結され他端側が他方に当接可能に構成される、又は両端側が夫々前記第1及び第2ピストンへ当接可能な状態で進退自在に構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記第1のピストンよりも前記第2のピストンの断面積を小さくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ブレーキ装置。
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- 2005-01-21 JP JP2005014396A patent/JP4496969B2/ja not_active Expired - Fee Related
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