JP4380507B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者のブレーキ操作量を吸収可能なストロークシミュレータを備えた車両用ブレーキ装置に関するものである。
一般に、油圧回路を用いたブレーキバイワイヤは、通常時には、マスターシリンダからホイールシリンダへの液圧経路を遮断した状態でブレーキ操作に応じた液圧をポンプ等によってホイールシリンダへ伝達し、フェールセーフ時には、マスターシリンダからホイールシリンダへの液圧経路を開放し、ブレーキ操作に応じた液圧をマスターシリンダからホイールシリンダへ伝達するように構成されている。
このようなブレーキバイワイヤでは、マスターシリンダからホイールシリンダへの液圧経路を遮断した通常時に、運転者のブレーキ操作に対して適度なペダルストロークやペダル反力を演出しブレーキ操作量を吸収するために、ブレーキペダルとマスターシリンダとの間に、ストロークシミュレータとして機能するスプリングを介装したものがある(特許文献1参照)。
特開平11−157439号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例のように、ブレーキペダルとマスターシリンダとの間に介装されたスプリングは、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時にもストロークシミュレータとして圧縮されながらマスターシリンダを加圧することになるので、マスターシリンダからホイールシリンダへの液圧経路を遮断してマスターシリンダの加圧を阻止した通常時よりも、ペダルストロークが増加してしまう。そのため、運転者のシートポジションによっては十分な制動力を発生させる位置までブレーキペダルを踏込めなくなるとか、十分な制動力を発生しないままブレーキペダルがストロークエンドに達してしまうといった問題が発生し得る。
そこで、本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、運転者のブレーキ操作に対して適度な反力やストロークを演出しブレーキ操作量を吸収するストロークシミュレータを設ける場合、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時にブレーキ操作のストローク増加を抑制できる車両用ブレーキ装置の提供を課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明に係る車両用ブレーキ装置は、運転者のブレーキ操作に応じてインプットロッドを前進させるブレーキ操作子と、インプットロッドの前進によってプッシュロッドが前進するときに流体圧を発生させるマスターシリンダと、インプットロッドとプッシュロッドとの間に介装されブレーキ操作量を吸収可能な弾性部材を有するストロークシミュレータとを備えたものであり、このストロークシミュレータは、インプットロッドが初期位置から所定位置まで前進するときに、プッシュロッドの前進を抑制し、且つインプットロッドが所定位置を超えて前進するときに、インプットロッドよりもプッシュロッドを多く前進させる差動機構を有することを特徴としている。
本発明に係る車両用ブレーキ装置によれば、ブレーキ操作子から入力されるブレーキ操作量が増加するときに、ストロークシミュレータがプッシュロッドの前進を抑制することにより、通常どおり運転者のブレーキ操作に対してストローク及び反力を発生しブレーキ操作量を吸収することができる。また、その後にインプットロッドよりもプッシュロッドを多く前進させることにより、ストロークシミュレータの弾性部材が収縮していない状態、つまりストロークシミュレータが無いのと同じ状態にできるので、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時にブレーキ操作のストロークが増加することを抑制することができる。その結果、運転者のシートポジションによっては十分な制動力を発生させる位置までブレーキ操作子を操作しづらいとか、十分な制動力を発生しないままブレーキ操作子がストロークエンドに達してしまうといった事態を回避することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ブレーキシステムの概略構成図である。ブレーキペダル1(ブレーキ操作子)に入力される運転者のペダル踏力を液圧に変換するマスターシリンダ2は、プライマリ側がリア左右のホイールシリンダ3RL・3RRに連通され、セカンダリ側がフロント左右のホイールシリンダ3FL・3FRに連通されている。ここでは、ブレーキ系統を前後輪で分割する前後スプリット方式を採用しているが、勿論、前左と後右そして前右と後左で分割するダイアゴナルスプリット方式を採用してもよい。
各ホイールシリンダ3FL〜3RRは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵されている。
プライマリ側の液圧系統では、マスターシリンダ2及びホイールシリンダ3RL・3RR間の流路を閉鎖可能なゲートバルブ4rと、ゲートバルブ4F及びホイールシリンダ3RL(3RR)間の流路を閉鎖可能なインレットバルブ5RL(5RR)と、インレットバルブ5RL(5RR)及びホイールシリンダ3RL(3RR)間とマスターシリンダ2のリザーバタンク2aとを連通した流路を開放可能なアウトレットバルブ6RL(6RR)と、アウトレットバルブ6RL・6RR及びリザーバタンク2a間に吸入側を連通し、且つゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL・5RR間に吐出側を連通したポンプ7rと、を備えている。
ここで、ゲートバルブ4r、インレットバルブ5RL・5RR、及びアウトレットバルブ6RL・6RRは、夫々、2ポート2ポジション切換、スプリングオフセット式の電磁操作弁であって、ゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL・5RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ6RL・5RRは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成されている。なお、各バルブは、流路の開閉を行うことができればよいので、ゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL・5RRが、励磁したオフセット位置で流路を開放し、アウトレットバルブ6RL・6RRが、励磁したオフセット位置で流路を閉鎖するようにしてもよい。
また、ポンプ7rは、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプ等、容積型のポンプで構成されている。
以上の構成により、インレットバルブ5RL(5RR)、及びアウトレットバルブ6RL(6RR)を非励磁のノーマル位置にしたまま、ゲートバルブ4rを励磁して閉鎖すると共に、ポンプ7rを駆動することで、リザーバタンク2aのブレーキ液を吸入し、その吐出圧によって、ホイールシリンダ3RL(3RR)の液圧を増圧することができる。
また、アウトレットバルブ6RL(6RR)を非励磁のノーマル位置にしたまま、ゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL(5RR)を励磁して夫々を閉鎖することで、ホイールシリンダ3RL(3RR)からリザーバタンク2a及びポンプ7rへの各流路を遮断し、ホイールシリンダ3RL(3RR)の液圧を保持することができる。
さらに、アウトレットバルブ6RL(6RR)を励磁して開放すると共に、ゲートバルブ4r及びインレットバルブ5RL(5RR)を励磁して夫々を閉鎖することで、ホイールシリンダ3RL(3RR)の液圧をリザーバタンク2aに開放して減圧することができる。
さらに、ゲートバルブ4r、インレットバルブ5RL(5RR)、及びアウトレットバルブ6RL(6RR)の全てを非励磁のノーマル位置にすることで、マスターシリンダ2からの液圧がホイールシリンダ3RL(3RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
なお、セカンダリ側の液圧系統でも、プライマリ側と同様のゲートバルブ4f、インレットバルブ5FL・5FR、アウトレットバルブ6FL・6FR、及びポンプ7fを備えており、各動作に関してもプライマリ側と同様であるため、その詳細説明は省略する。
上記のゲートバルブ4f・4r、インレットバルブ5FL〜5RR、アウトレットバルブ6FL〜6RR、及びポンプ7f・7rは、コントローラ8によって駆動制御され、通常時には、ゲートバルブ4f・4rを閉鎖し、ストロークセンサ9で検出した運転者のブレーキ操作量に応じて制動力制御(ブレーキバイワイヤ)を行い、またポンプ故障等のフェールセーフ時には、ゲートバルブ4f・4rを開放し、マスターシリンダ2からの液圧をホイールシリンダ3FL〜3RRに伝達して通常ブレーキとする。ここで、ゲートバルブ4f・4r、インレットバルブ5FL〜5RR、アウトレットバルブ6FL〜6RR、ポンプ7f・7r、及びコントローラ8が「制動力制御手段」に対応している。
ところで、ゲートバルブ4f・4rを閉鎖してブレーキバイワイヤを行うときに、運転者のブレーキ操作に対して適度なペダルストロークやペダル反力を演出するために、プライマリ側におけるマスターシリンダ2とゲートバルブ4rとの間に第1ストロークシミュレータ10が接続されると共に、ブレーキペダル1とマスターシリンダ2との間に第2ストロークシミュレータ11が介装されている。
第1ストロークシミュレータ10は、シリンダの底部とピストンとの間に圧縮バネ10aを介装したバネ形のアキュムレータで構成されており、液圧の上昇に伴って圧縮バネ10aが圧縮されるときにブレーキ液の流入が許容される。したがって、ストロークシミュレータ10へブレーキ液が流入するときにペダルストロークが発生し、またこのときの圧縮バネ10aの弾性力によってペダル反力が発生することにより、ブレーキ操作量を吸収する。但し、この圧縮バネ10aは、ペダル反力を実現するため、摩擦力に打ち勝ってプライマリピストンを戻すためのマスターシリンダ2のプライマリ側のリターンスプリング2bよりも高いバネ定数(弾性係数)に設定されている。
第2ストロークシミュレータ11は、図2に示すように、ブレーキペダル1と連動して進退するインプットロッド12が初期位置から所定位置まで前進するときに、マスターシリンダ2を押圧するプッシュロッド13の前進を抑制するように収縮し、且つインプットロッド12が所定位置を超えて前進するときに、このインプットロッド12よりもプッシュロッド13を多く前進させるように伸長する差動機構で構成されている。
先ず、プッシュロッド13の基端側は、この基端が開放された略円筒状に形成され、インプットロッド12の先端側は、平行に3本並んで分岐した略フォーク状に形成されている。分岐された中央部12Cの先端は、プッシュロッド13の基端側に摺動可能に挿入され、インプットロッド12はプッシュロッド13に内蔵されたコイルスプリング14(弾性部材)によって初期位置まで後退する。また、分岐された両側部12Sには、プッシュロッド13の外周に軸方向に沿って形成されたラック15と噛合するピニオン16が回転自在に支持されている。そして、マスターシリンダ2の躯体には、インプットロッド12が所定位置を超えた位置にあるときに、ラック15と対向し不動状態でピニオン16と噛合する不動ラック17が形成されている。
上記の構成により、第2ストロークシミュレータ11は、運転者のペダル踏力が入力されインプットロッド12が初期位置から前進するときに、コイルスプリング14が圧縮されると共に、ピニオン16が回転してラック15上を転動することによって、プッシュロッド13の前進を抑制して収縮する。また、第2ストロークシミュレータ11は、インプットロッド12が所定位置に到達したときに、ピニオン16が不動ラック17とも噛合し、更にインプットロッド12がこの所定位置を超えて前進するときに、ピニオン16が逆回転して不動ラック17上を転動し、このピニオン16の逆回転によってプッシュロッド13を押出すことによって、インプットロッド12よりもプッシュロッド13を多く前進させて伸長する。このプッシュロッド13の前進度合は、ピニオン16とラック15(不動ラック17)との速度伝達比によって定まる。なお、ブレーキ解除操作がなされるときには、逆の動作でインプットロッド12が初期位置に復帰する。
したがって、インプットロッド12が初期位置と所定位置との間にある場合には、インプットロッド12の前進に対してプッシュロッド13の前進が抑制されるときにペダルストロークが発生し、またこのときのコイルスプリング14の弾性力やピニオン16とラック15との摩擦抵抗によってペダル反力が発生することにより、ブレーキ操作量を吸収する。また、インプットロッド12が所定位置を超えている場合には、インプットロッド12よりも多くプッシュロッド13が前進するときに、インプットロッド12が初期位置から所定値まで前進したときに発生したペダルストロークが減少し、最終的にはインプットロッド12とプッシュロッド13との相対的な位置関係が初期状態に復帰したときに消失する。その結果、第2ストロークシミュレータ11が収縮してない状態、つまり第2ストロークシミュレータ11が無いのと同じ状態になる。
そして、コイルスプリング14は、運転者のブレーキ踏力が伝達される同一経路に存在し運転者のブレーキ操作に応じて圧縮される他の弾性体、つまりマスターシリンダ2のプライマリ側のリターンスプリング2b、及び第1ストロークシミュレータ10の圧縮バネ10aよりも低いバネ定数(弾性係数)に設定されている。すなわち、バネ定数は、コイルスプリング14、リターンスプリング2b、圧縮バネ10aの順に大きな値に設定される。
また、第2ストロークシミュレータ11は、運転者のペダル踏力が入力されたときに、このペダル踏力が伝達される同一経路に存在する他の弾性体、つまり圧縮バネ10aとリターンスプリング2bとが圧縮されてから、インプットロッド12が所定位置に到達するように設定されている。
また、第2ストロークシミュレータ11は、ブレーキバイワイヤを実行している際にインプットロッド12が進退する定常区間を前進側に超えるときの位置が、前述した所定位置として設定されている。この定常区間とは、コイルスプリング14、及びリターンスプリング2bが圧縮されることで発生したペダルストローク区間のことである。
また、第2ストロークシミュレータ11は、運転者のペダル踏力が入力されたときに、ブレーキペダル1がストロークエンドに到達する前までに収縮した状態から伸長した初期状態へと復帰するように設定されている。
次に、上記第1実施形態の動作や作用効果について説明する。
今、通常のブレーキバイワイヤを行っているとする。すなわち、ゲートバルブ4f・4rを閉鎖した状態で、インレットバルブ5FL〜5RR、アウトレットバルブ6FL〜6RR、及びポンプ7f・7rを駆動制御し、運転者のブレーキ操作に応じた目標ホイールシリンダ圧に調圧する。
ここで、ペダル踏力が入力されると、コイルスプリング14、リターンスプリング2b、及び圧縮バネ10aの中で、コイルスプリング14のバネ定数が最も低いので、リターンスプリング2b及び圧縮バネ10aによって前進が阻止されたプッシュロッド13に対してインプットロッド12が前進する。
一般的なマスターシリンダ2は、リターンスプリング2bのバネ定数が高いことやプッシュロッド13の摺動抵抗が大きいこと等によってブレーキペダル1の踏み始めが重いという問題があるが、上記のように、リターンスプリング2bよりも低いバネ定数に設定されたコイルスプリング14によって、ブレーキペダル1の初期ストロークを発生させることができるので、ブレーキペダル1の操作フィーリングを向上させることができる。
その後、ペダル踏力を液圧に変換するプッシュロッド13によってマスターシリンダ2及びゲートバルブ4r間の液圧が上昇し、第1ストロークシミュレータ10の圧縮バネ10aが徐々に圧縮されると、これに応じてマスターシリンダ2のリターンスプリン2bも縮むことができるので、このときプッシュロッド13が前進を始める。
このように、ブレーキバイワイヤを行っている際には、コイルスプリング14、及びリターンスプリング2bが圧縮されることによって、適度なペダルストロークとペダル反力を演出することができる。また、このときのペダルストローク区間がインプットロッド12の進退する定常区間となる。
そして、ブレーキバイワイヤを行っている状態から、例えばポンプ故障等が発生したときには、フェールセーフによってゲートバルブ4f・4rを開放し、マスターシリンダ2の液圧によって制動力を発生させる。
ここで、ブレーキ操作がなされるときのインプットロッド12とプッシュロッド13との位置関係を図3に基づいて説明する。前述したように、ペダル踏力が入力されると、リターンスプリング2b及び圧縮バネ10aによって前進が阻止されたプッシュロッド13に対してインプットロッド12が前進する。
その後、ペダル踏力がプライマリ側リターンスプリング2bとセカンダリ側リターンスプリング2cの弾性力を上回るときに、プッシュロッド13が前進を始め、これによってリターンスプリング2b、2cが圧縮されるので、プライマリ側系統とセカンダリ側系統の液圧が上昇して制動力が発生する。
このように、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時には、セカンダリ側のリターンスプリング2cも圧縮されるので、ブレーキバイワイヤを行っているときよりも、ペダルストロークが増加してしまう。
しかしながら、インプットロッド12がブレーキバイワイヤ時に進退する定常区間を超えて前進するとき、つまり所定位置を超えて前進するときに、ピニオン16と不動ラック17とが噛合してインプットロッド12よりもプッシュロッド13が多く前進する。
これにより、インプットロッド12とプッシュロッド13との相対的な位置関係が初期状態へと復帰してゆき、最終的に第2ストロークシミュレータ11が収縮してない状態、つまり図3に点線で示したような第2ストロークシミュレータ11が無いのと同じ状態になる。
以上のように、ブレーキペダル1のストロークが増加するときに、第2ストロークシミュレータ11が一旦は収縮することにより、通常どおり運転者のブレーキ操作に対してペダルストロークとペダル反力を発生することができる。また、その後に第2ストロークシミュレータ11が伸長することにより、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時にペダルストロークが増加することを抑制することができる。その結果、運転者のシートポジションによっては十分な制動力を発生させる位置までブレーキペダル1を踏込めないとか、十分な制動力を発生しないままブレーキペダル1がストロークエンドに達してしまうといった事態を回避することができる。
また、第2ストロークシミュレータ11は、インプットロッド12が初期位置から前進するときに、プッシュロッド13の前進を抑制することにより収縮し、且つインプットロッド12が所定位置を超えて前進するときに、このインプットロッド12よりもプッシュロッド13を多く前進させることにより伸長する差動機構によって構成されているので、高い剛性を維持し、安心感のある操作フィーリングを達成することができる。また、ブレーキ操作によって大きな力がかかるため油圧機構を用いるとシール部の摺動抵抗が大きくなってしまうが、差動機構を採用することによってメカニカルロスの増大を抑制することもできる。
また、差動機構は、インプットロッド12に回転自在に支持されたピニオン16と、プッシュロッド13に軸方向に沿って形成されピニオン16と噛合するラック15と、インプットロッド12が所定位置を超えて前進した位置にあるときに、ラック15と対向してピニオン16と噛合する不動ラック17とで構成されているので、上記の作用効果を容易に得ることができる。
また、第2ストロークシミュレータ11のコイルスプリング14は、運転者のブレーキ操作力が伝達される同一経路に存在するリターンスプリング2bや圧縮バネ10aよりも低いバネ定数に設定されるので、ブレーキバイワイヤを行うときも、またフェールセーフによってブレーキバイワイヤを中止するときにも、ペダル踏力が入力されるとコイルスプリング14が真先に収縮することで、ストロークシミュレータとしての機能を失うことがない。
また、第2ストロークシミュレータ11は、ペダル踏力が入力されたときに、このペダル踏力が伝達される同一経路に存在する圧縮バネ10aとリターンスプリング2bとが圧縮されてから、インプットロッド12が所定位置に到達するように設定されているので、図3に示したように、インプットロッド12に対するプッシュロッド13の前進度合が徐々に大きくなり、ブレーキペダル1の操作フィーリングを向上させることができる。
また、第2ストロークシミュレータ11は、ブレーキバイワイヤを行う際にインプットロッド12が進退する定常区間を超えるときの位置が所定位置として設定されているので、ブレーキバイワイヤを行っている通常時には、第2ストロークシミュレータ2の伸長を抑制しておき、主にペダルストロークが増加してしまうブレーキバイワイヤのフェールセーフ時に、第2ストロークシミュレータ11を効果的に伸長させることができる。
また、第2ストロークシミュレータ11は、ペダル踏力が入力されたときに、ブレーキペダル1がストロークエンドに到達する前までに収縮した状態から伸長した初期状態へと復帰するように構成されているので、ブレーキペダル1のストローク範囲を増やすための設計変更を行わなくとも、ブレーキバイワイヤのフェールセーフ時にブレーキペダル1がストロークエンドに達してしまうことを回避できる。
なお、上記の第1実施形態では、マスターシリンダ2とプライマリ側のゲートバルブ4rとの間に第1ストロークシミュレータ10を介装しているが、これに限定されるものではなく、マスターシリンダ2とセカンダリ側のゲートバルブ4fとの間に第1ストロークシミュレータ10を介装してもよい。
また、上記の第1実施形態では、不動ラック17をマスターシリンダ2の躯体に形成しているが、これに限定されるものではなく、不動ラック17の不動状態を維持できればよいので、例えば他の車体部材に形成してもよい。
また、上記の第1実施形態では、液圧を伝達媒体にしたハイドロリックブレーキを採用しているが、これに限定されるものではなく、圧縮空気を伝達媒体にしたエアブレーキを採用してもよい。
また、上記の第1実施形態では、ストロークセンサ9で検出したブレーキ操作量に応じてブレーキバイワイヤを行っているが、これに限定されるものではなく、圧力センサで検出したペダル踏力やマスターシリンダ圧に応じてブレーキバイワイヤを行うようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
この第2実施形態では、図4に示すように、第2ストロークシミュレータ11における差動機構の変形例を示すものであり、前述した第1実施形態と同様の部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
第2ストロークシミュレータ11は、プッシュロッド13のラック15と対向して常にピニオン16と噛合すると共に、マスターシリンダ2の躯体に連結された筒状ハウジング18の内壁面を摺動可能なスライドラック19を備えている。スライドラック19は、インプットロッド12が初期位置にあるときに、ペダル踏力の入力側で停止させられる最後退位置と、インプットロッド12が所定位置に到達するときに、ペダル踏力の出力側で停止させられる最前進位置との区間を進退するように構成されている。
したがって、第2ストロークシミュレータ11は、運転者のペダル踏力が入力されインプットロッド12が初期位置から前進するときに、コイルスプリング14が圧縮されると共に、ピニオン16が回転してラック15上を転動することによって、プッシュロッド13の前進を抑制して収縮する。このとき、ピニオン16の回転によってスライドラック19は、最後退位置からインプットロッド12の前進よりも多く押出される。そして、第2ストロークシミュレータ11は、インプットロッド12が所定位置に到達したときに、スライドラック19が最前進位置で停止させられ不動状態となるので、更にインプットロッド12がこの所定位置を超えて前進するときに、ピニオン16が逆回転してスライドラック19上を転動し、このピニオン16の逆回転によってプッシュロッド13を押出すことでインプットロッド12よりもプッシュロッド13を多く前進させて伸長する。
したがって、インプットロッド12が初期位置と所定位置との間にある場合には、インプットロッド12の前進に対してプッシュロッド13の前進が抑制されるときにペダルストロークが発生し、またこのときのコイルスプリング14の弾性力、ピニオン16とラック15との摩擦抵抗、スライドラック19の摺動抵抗などによってペダル反力が発生する。また、インプットロッド12が所定位置を超えている場合には、インプットロッド12よりも多くプッシュロッド13が前進するときに、インプットロッド12が初期位置から所定値まで前進したときに発生したプッシュロッド13に対するインプットロッド12の相対的なストロークが減少し、最終的にはインプットロッド12とプッシュロッド13との相対的な位置関係が初期状態に復帰したときに消失する。その結果、第2ストロークシミュレータ11が収縮してない状態、つまり第2ストロークシミュレータ11が無いのと同じ状態になる。ここで、スライドラック19が「不動ラック」に対応している。
以上のように、プッシュロッド13のラック15に対向してピニオン16に噛合するラックを、最後退位置と最前進位置との間を進退可能なスライドラック19で構成しても、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。要は、インプットロッド12が初期位置を超えて前進した位置にあるときに、プッシュロッド13のラック15と対向し不動状態でピニオン17と噛合するラックであれば、他の如何なる構造を採用してもよい。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
ブレーキシステムの概略構成図である。 第1実施形態の第2ストロークシミュレータの詳細図である。 ブレーキ操作がなされるときのインプットロッドとプッシュロッドとの相対的な位置関係を示したグラフである。 第2実施形態の第2ストロークシミュレータの詳細図である。
符号の説明
1 ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
2 マスターシリンダ
2b、2c リターンスプリング
3FL〜3RR ホイールシリンダ
4f・4r ゲートバルブ
5FL〜5RR インレットバルブ
6FL〜6RR アウトレットバルブ
7f・7r ポンプ
8 コントローラ
9 ストロークセンサ
10 第1ストロークシミュレータ
10a 圧縮バネ
11 第2ストロークシミュレータ
12 インプットロッド
13 プッシュロッド
14 コイルスプリング(弾性部材)
15 ラック
16 ピニオン
17 不動ラック
18 筒状ハウジング
19 スライドラック(不動ラック)

Claims (5)

  1. 運転者のブレーキ操作に応じてインプットロッドを前進させるブレーキ操作子と、前記インプットロッドの前進によってプッシュロッドが前進するときに流体圧を発生させるマスターシリンダと、前記インプットロッドと前記プッシュロッドとの間に介装されブレーキ操作量を吸収可能な弾性部材を有するストロークシミュレータとを備え、
    前記ストロークシミュレータは、前記インプットロッドが初期位置から所定位置まで前進するときに、前記プッシュロッドの前進を抑制し、且つ前記インプットロッドが前記所定位置を超えて前進するときに、当該インプットロッドよりも前記プッシュロッドを多く前進させる差動機構を有し、
    前記差動機構は、前記インプットロッドに回転自在に支持されたピニオンと、前記プッシュロッドに軸方向に沿って形成され前記ピニオンと噛合するラックと、前記インプットロッドが前記所定位置を超えて前進した位置にあるときに、前記ラックと対向し不動状態で前記ピニオンと噛合する不動ラックと、で構成されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記弾性部材は、運転者のブレーキ操作力が入力されていないときに前記インプットロッドを前記初期位置まで後退させ運転者のブレーキ操作力が伝達される同一経路に存在し運転者のブレーキ操作に応じて圧縮される他の弾性体よりも低い弾性係数に設定されることを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記ストロークシミュレータは、運転者のブレーキ操作力が入力されたときに、当該ブレーキ操作力が伝達される同一経路に存在する他の弾性体が圧縮されてから、前記インプットロッドが前記所定位置に到達するように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記マスターシリンダ及び当該マスターシリンダからの流体圧によって制動力を発生可能なホイールシリンダ間の流体圧経路を遮断し、運転者のブレーキ操作に応じた制動力制御を行う制動力制御手段を備え、
    前記制動力制御手段で行う制動力制御の際に、前記弾性体、及び前記他の弾性体が圧縮されることで発生した前記インプットロッドのストローク区間を定常区間とし、
    前記ストロークシミュレータは、前記インプットロッドが前記定常区間を前進側に超えるときの位置が前記所定位置として設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記ストロークシミュレータは、運転者のブレーキ操作力が入力されたときに、前記ブレーキ操作子がストロークエンドに到達する前までに、前記インプットロッドと前記プッシュロッドとの相対的な位置関係が、前記弾性体の収縮していない初期状態へと復帰するように構成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
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