JP4496788B2 - 摩擦ダンパ - Google Patents

摩擦ダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP4496788B2
JP4496788B2 JP2004016413A JP2004016413A JP4496788B2 JP 4496788 B2 JP4496788 B2 JP 4496788B2 JP 2004016413 A JP2004016413 A JP 2004016413A JP 2004016413 A JP2004016413 A JP 2004016413A JP 4496788 B2 JP4496788 B2 JP 4496788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction
plate
damper according
friction damper
stainless steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004016413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005207538A (ja
Inventor
和央 長島
充 宮崎
明彦 沖村
剛 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oiles Corp
Original Assignee
Oiles Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Corp filed Critical Oiles Corp
Priority to JP2004016413A priority Critical patent/JP4496788B2/ja
Publication of JP2005207538A publication Critical patent/JP2005207538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4496788B2 publication Critical patent/JP4496788B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

本発明は、互いに相対的に変位する一対の部材間に取付けられて部材間の変位エネルギを摩擦により吸収して当該変位を可及的速やかに減衰させる摩擦ダンパ、特に、事務所ビル、集合住宅、戸建住宅、橋梁等の構造物に地震等で生じる振動エネルギを吸収して当該振動を可及的速やかに減衰させる摩擦ダンパに関する。
特公昭39−22444号公報 特開平5−248468号公報 実開昭63−115642号公報 実開平2−122235号公報 特開2003−278828号公報
構造物に地震等で生じる横揺れ等の振動を早く減衰させるダンパとしては、粘性体の粘性変形を用いたもの、鉛、鋼棒等の塑性変形を用いたもの、滑り部材の摩擦を用いたもの等が知られている。
粘性体を用いるダンパでは、粘性体の充填作業に多くの時間を要する上に漏出を防止するためにしっかりとしたシールを施す必要があり、鉛、鋼棒等を用いるダンパでは、鉛による環境汚染の虞がある上に、鉛、鋼棒等の両端を互いに相対的に変位する一対の部材の夫々にしっかりと保持することが要求される。
一方、滑り部材を用いるダンパでは、滑り部材の摩耗による特性劣化の虞がある上に、滑り部材の滑り層が剥離されてこれによっても特性劣化が生じる虞がある。
そこで、簡単な構成であってしかも摩耗及び滑り層の剥離を極力低減できて長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる摩擦ダンパが特許文献5において提案されているが、提案に係る摩擦ダンパでは、ロッドの表面と摩擦部材の滑り層とを摺動自在に接触させ、この摩擦抵抗により振動を可及的速やかに減衰させるようにしているために、製造されたそのままの鋼棒、鋼管をロッドとして用いると、摩擦部材の滑り層の表面との関連でロッドの表面が一応の滑らかさを有していないので、滑り層の摩耗を極力避け得て安定な摩擦を得ることが困難となる結果、製造された鋼棒、鋼管に対してその表面に研削、研磨を施し、斯かる研削、研磨を施した鋼棒、鋼管をロッドとして用いることになる。加えて、一応の滑らかさを有した表面をもった鋼棒、鋼管を用いても長期の使用で当該表面が腐食されると、上記と同様に安定な摩擦を得ることが困難となる。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、表面の研削、研磨工程をなくし得、しかも、一応の滑らかさを有した表面と滑り層とを摺動自在に接触させることができる結果、滑り層の摩耗を極力低減でき、加えて、腐食に影響されないようにでき、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる摩擦ダンパを提供することにある。
本発明の第一の態様の摩擦ダンパは、互いに相対的に変位する一対の部材のうちの一方の部材に取付けることができるようになっている基体と、この基体に固着されていると共に貫通孔を有した支持体と、この支持体の貫通孔を通って伸長していると共に支持体に対して軸方向に可動であって一対の部材のうちの他方の部材に取付けることができるようになっているロッドと、このロッドの外表面に被着されたステンレススチール板製円筒体と、支持体の貫通孔において支持体とステンレススチール板製円筒体との間に介在された円筒部を有していると共に基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定された摩擦部材とを具備しており、ここで、摩擦部材の円筒部は、ステンレススチール板製円筒体とその軸方向に摺動自在に接触する合成樹脂製の滑り面を有している。
第一の態様の摩擦ダンパによれば、ステンレススチール板製円筒体がロッドの外表面に被着されていると共に円筒部の合成樹脂製の滑り面がステンレススチール板製円筒体とその軸方向に摺動自在に接触するようになっているために、製造されたそのままの鋼棒、鋼管をその表面に対して研削、研磨作業を施さないでもロッドとして用いることができて、しかも、一応の滑らかさを有したステンレススチール板製円筒体の表面と円筒部の合成樹脂製の滑り面とを摺動自在に接触させることができる結果、滑り面の摩耗を極力低減でき、加えて、滑り面が摺動自在に接触する相手材が錆の発生しないステンレススチール板製円筒体であるために、仮にロッドの表面に錆が発生しても斯かる錆に影響されないようにでき、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる。
本発明の第二の態様の摩擦ダンパは、第一の態様の摩擦ダンパにおいて、摩擦部材の円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付ける締め付け手段を更に具備しており、ここで、支持体の貫通孔及び摩擦部材の円筒部は縮径自在であり、締め付け手段は、支持体の貫通孔の縮径を介して摩擦部材の円筒部を縮径させ、当該円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付けるようになっている。
第二の態様の摩擦ダンパによれば、締め付け手段により摩擦部材の円筒部をステンレススチール板製円筒体に最適に調節して締め付けることができるために、簡単な作業で相対変位する一対の部材に対して最適な摩擦抵抗を得ることができる。
支持体は、好ましくは本発明の第三の態様の摩擦ダンパのように、貫通孔に連通するスリットを有して縮径自在になっており、この場合、締め付け手段は、好ましくは本発明の第四の態様の摩擦ダンパのように、スリットの幅を縮小できるように支持体に螺合したボルトを有している。
また支持体は、好ましくは本発明の第五の態様の摩擦ダンパのように、二分割体にされて縮径自在になっており、この場合、締め付け手段は、好ましくは本発明の第六の態様の摩擦ダンパのように、二分割体間の隙間の幅を縮小できるように支持体に螺合したボルトを有している。
摩擦部材の円筒部は、好ましい例では、本発明の第七の態様の摩擦ダンパのように、軸方向のその一端面から他端面まで伸びたスリットを有して縮径自在になっているか、又は本発明の第八の態様の摩擦ダンパのように、二分割体にされて縮径自在になっている。
本発明において摩擦部材は、好ましくはその第九の態様の摩擦ダンパのように、円筒部に加えて、当該円筒部に一体形成された鍔部を具備しており、この鍔部において基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定されている。
なお、基体に固着される支持体の貫通孔において当該支持体の内周面に環状溝を形成して、この環状溝に摩擦部材を嵌合させ、これにより、上記に代えて又は上記と共に、基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して摩擦部材を不動に固定してもよい。
本発明の第十の態様の摩擦ダンパは、上記の第二から第九のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、軸方向に並んだ複数個の支持体を具備しており、各支持体に対して締め付け手段及び摩擦部材を具備している。
第十の態様の摩擦ダンパによれば、複数個の摩擦部材でもって変位エネルギを吸収するようになるために、各摩擦部材の負荷を低減できる結果、これによっても長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる。
本発明の摩擦ダンパは、斯かる複数個の支持体及び摩擦部材を具備したものに限定されず、一個の長尺の支持体と一個の長尺の摩擦部材とを具備したものであってもよく、この場合には、一個の長尺の支持体を介して複数個のボルト等からなる締め付け手段により一個の摩擦部材の長尺の円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付けるようにしてもよい。
本発明の第十一の態様の摩擦ダンパは、第二から第八のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、軸方向に並んだ複数個の支持体を具備しており、各支持体に対して締め付け手段及び摩擦部材を具備しており、ここで、各摩擦部材は、円筒部に加えて、当該円筒部に一体形成された鍔部を具備しており、この鍔部において隣接する支持体に挟まれて基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定されている。
本発明の第十一の態様の摩擦ダンパによれば、第十の態様の摩擦ダンパと同様に、複数個の摩擦部材でもって変位エネルギを吸収するようになるために、各摩擦部材の負荷を低減できる結果、これによっても長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる上に、各摩擦部材が鍔部において隣接する支持体に挟まれて基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定されているために、各摩擦部材をしっかりと固定できて、支持体に対して摩擦部材がずれるような不都合をなくし得る。
本発明の第十二の態様の摩擦ダンパでは、第二から第十一のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、支持体と摩擦部材の円筒部との間に介在されている少なくとも一つの可変形部材を更に具備しており、可変形部材は、その径方向の厚みの変更を弾性的に許容するようになっており、締め付け手段は、支持体の貫通孔の縮径に加えて、可変形部材の径方向の厚みの弾性的な変更を介して摩擦部材の円筒部を縮径させ、当該円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付けるようになっている。
本発明において第十二の態様の摩擦ダンパのように可変形部材を具備していると、摩擦部材の円筒部をステンレススチール板製円筒体に均一に接触させることができる。
可変形部材は、好ましくは、本発明の第十三の態様の摩擦ダンパのように、スリットを有して縮径自在になって円筒状であるか、本発明の第十四の態様の摩擦ダンパのように、二分割体にされて縮径自在になって円筒状である。
可変形部材は、本発明の第十五の態様の摩擦ダンパのように、特に、締め付け手段による摩擦部材の円筒部のステンレススチール板製円筒体への締め付けにおいて、その厚み方向の弾性的な変形性により摩擦部材の円筒部をステンレススチール板製円筒体に均一に接触させることができるゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板からなっているとよい。
可変形部材は、支持体と摩擦部材の円筒部との間に一個だけ介在されていてもよいが、これに代えて、本発明の第十六の態様の摩擦ダンパのように、複数の可変形部材が支持体と摩擦部材の円筒部との間に重ね合わされて介在されていてもよい。
本発明の第十七の態様の摩擦ダンパでは、第一から第十六のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、基体は、筒体と、この筒体の一端部に固着されていると共にロッドの外表面に被着されたステンレススチール板製円筒体が貫通する貫通孔を有した一方の蓋体と、筒体の他端部に固着されていると共に一方の部材に取付けるための取付具が取付けられる他方の蓋体とを具備しており、支持体は、筒体の内周面に固着されている。
ロッドは、好ましくは、本発明の第十八の態様の摩擦ダンパのように、中実の部材又は中空の部材からなっている。
上記のいずれの態様の発明においても、ステンレススチール板製円筒体は、一枚のステンレススチール製の平板又はシートを準備し、このステンレススチール製の平板又はシートをロッドに円筒状にして巻き付けて被着してなるものであっても、これに代えて、少なくとも一対のステンレススチール製の平板又はシートを準備し、この少なくとも一対のステンレススチール製の平板又はシートをロッドに半円筒状にして巻き付けて被着してなる本発明の第十九の態様の摩擦ダンパのような少なくとも一対のステンレススチール板製半円筒体を具備しているものであってもよい。
摩擦部材の円筒部は、全体が合成樹脂製であっても、薄鋼板に焼結された多孔質焼結層に合成樹脂を含浸させると共にこの多孔質焼結層の一方の面に合成樹脂滑り層を形成したもの又は薄鋼板に合成樹脂滑り層を形成したものであってあってもよく、また本発明の第二十の態様の摩擦ダンパのように、径方向の外周面側に配された網状体の基材と、この基材の網目を充填すると共に当該基材の一方の面に形成された合成樹脂製の滑り層とを具備していてもよく、この場合、滑り層は、ステンレススチール板製円筒体とその軸方向に摺動自在に接触するように円筒部の径方向の内周面側に配されている。
本発明の第二十一の態様の摩擦ダンパは、互いに相対的に変位する一対の部材のうちの一方の部材に取付けることができるようになっている基体と、この基体に一端で固着されていると共に互いに対向して配された一対の挟持板と、この一対の挟持板の間を通って伸長しているフランジ部を有すると共に一対の挟持板に対して一対の部材の相対的な変位に基づく変位方向に可動であって一対の部材のうちの他方の部材に取付けることができるようになっている長尺のH型状部材と、このH型状部材のフランジ部の対向する一対の外表面の夫々に被着されたステンレススチール製平板と、一対の挟持板の間において挟持板とステンレススチール製平板との間に介在されていると共に基体に対するH型状部材の変位方向の相対的な移動に対して不動に固定された板状の摩擦部材とを具備しており、ここで、摩擦部材は、ステンレススチール製平板と変位方向に摺動自在に接触する合成樹脂製の滑り面を有している。
第二十一の態様の摩擦ダンパでも、ステンレススチール製平板がフランジ部の対向する一対の外表面の夫々に被着されていると共に摩擦部材の合成樹脂製の滑り面がステンレススチール製平板と変位方向に摺動自在に接触するようになっているために、第一の態様の摩擦ダンパと同様に、製造されたそのままのH型鋼をそのフランジ部の表面に対して研削、研磨作業を施さないでもH型状部材として用いることができて、しかも、一応の滑らかさを有したステンレススチール製平板の表面と摩擦部材の滑り面とを摺動自在に接触させることができる結果、滑り面の摩耗を極力低減でき、加えて、滑り面が摺動自在に接触する相手材が錆の発生しないステンレススチール製平板であるために、第一の態様の摩擦ダンパと同様に、仮にH型状部材の表面に錆が発生しても斯かる錆に影響されないようにでき、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる。
本発明の第二十二の態様の摩擦ダンパは、本発明の第二の態様の摩擦ダンパと同様に、摩擦部材をステンレススチール製平板に締め付ける締め付け手段を更に具備しており、ここで、一対の挟持板は他端でその厚み方向に自由端となっており、締め付け手段は、一対の挟持板の間隔を狭めて摩擦部材をステンレススチール製平板に締め付けるようになっている。
斯かる第二十二の態様の摩擦ダンパでも、第二の態様の摩擦ダンパと同様に、締め付け手段により摩擦部材をステンレススチール製平板に最適に調節して締め付けることができるために、簡単な作業で相対変位する一対の部材に対して最適な摩擦抵抗を得ることができる。
締め付け手段は、好ましくは本発明の第二十三の態様の摩擦ダンパのように、一対の挟持板の間隔を狭めることができるように一対の挟持板を貫通したボルトと、このボルトに螺合したナットとの組み合わせ又は一対の挟持板のうちの一方の挟持板を貫通すると共に一対の挟持板のうちの他方の挟持板に螺合したボルトを有しており、この場合、本発明の第二十四の態様の摩擦ダンパのように、フランジ部はその変位方向に伸びる長孔を有しており、ボルトはフランジ部の長孔を貫通しているとよい。
本発明の第二十五の態様の摩擦ダンパは、第二十二から第二十四のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、挟持板と摩擦部材との間に介在されている少なくとも一つの可変形部材を更に具備しており、可変形部材は、その厚み方向に弾性変形可能であり、締め付け手段は、可変形部材の厚み方向の弾性変形を介して一対の挟持板の間隔を狭めて摩擦部材をステンレススチール製平板に締め付けるようになっている。
本発明において第二十五の態様の摩擦ダンパのように可変形部材を具備していると、第十二の態様の摩擦ダンパと同様に、摩擦部材をステンレススチール製平板に均一に接触させることができる。
第二十五の態様の摩擦ダンパにおいて、可変形部材は、第二十六の態様の摩擦ダンパのように、特に、締め付け手段による摩擦部材のステンレススチール製平板への締め付けにおいて、その厚み方向の弾性的な変形性により摩擦部材をステンレススチール製平板に均一に接触させることができるゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板からなっているとよい。
可変形部材は、挟持板と摩擦部材との間に一個だけ介在されていてもよいが、これに代えて、本発明の第二十七の態様の摩擦ダンパのように、複数の可変形部材が挟持板と摩擦部材との間に重ね合わされて介在されていてもよい。
本発明の第二十八の態様の摩擦ダンパでは、第二十一から第二十七のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、基体は他のH型状部材を具備しており、一対の挟持板は一端で他のH型状部材のフランジ部に固着されている。
長尺のH型状部材は、好ましくは本発明の第二十九の態様の摩擦ダンパのように、いわゆるH型鋼からなる。
第二十一から二十九のいずれかの態様の摩擦ダンパにおいて、摩擦部材は、全体が合成樹脂製であっても、薄鋼板に焼結された多孔質焼結層に合成樹脂を含浸させると共にこの多孔質焼結層の一方の面に合成樹脂滑り層を形成したもの又は薄鋼板に合成樹脂滑り層を形成したものであってあってもよく、また好ましくは本発明の第三十の態様の摩擦ダンパのように、その厚み方向の一方の外面側に配された網状体の基材と、この基材の網目を充填すると共に当該基材の一方の面に形成された合成樹脂製の滑り層とを具備していてもよく、この場合、滑り層は、ステンレススチール製平板と変位方向に摺動自在に接触するように摩擦部材の厚み方向の他方の外面側に配されている。
第二十又は三十の態様の摩擦ダンパにおいて、基材は、好ましくは本発明の第三十一の態様の摩擦ダンパのように、金属シート、好ましくは燐青銅製の金属シートに多数のスリットを切り込み、この多数のスリットが切り込まれた燐青銅製の金属シートを切り込み方向と直交する方向に引き伸ばしてなるエキスパンドメタル又はオーステナイト系のSUS304、SUS316、フェライト系のSUS430などのステンレス鋼線、鉄線(JIS−G−3532)、亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)、銅−ニッケル合金(白銅)線、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)線、黄銅線若しくはベリリウム銅線等からなる金属細線を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだりして形成される金網からなる。
滑り層は、好ましくは本発明の第三十二の態様の摩擦ダンパのように、ポリイミド樹脂を含んでおり、本発明の第三十三の態様の摩擦ダンパのように、四ふっ化エチレン樹脂を含んでいる。
本発明において、板状の摩擦部材としては、上記の多数の網目をもったエキスパンドメタル又は金網からなる金属シート(網状金属シート)の一方の面に、金属シートの網目を充填するようにして合成樹脂、好ましくはポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したものからなる滑り層を形成した後に、一方の面に斯かる滑り層が形成された金属シートを長尺の短冊状に切断したものが好ましく、円筒部を有している摩擦部材としては、上記の金属シートを短冊状に切断し、この短冊状の金属シートを滑り層が内周側になるようにして一回巻回して、金属シートの互いの突き合わせ端の間で形成される一端面から他端面まで伸びたスリットを有した円筒体を形成し、その後、この円筒体をプレス成形して円筒部と鍔部とを一体的に有したものが好適であるが、本発明は、これらに限定されず、板状の摩擦部材としては、ポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したもの等からなる全体が合成樹脂製の板状体又は薄鋼板に焼結した多孔質焼結層にポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したもの等からなる合成樹脂を含浸させると共にこの多孔質焼結層の一方の面に同じくポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したもの等からなる合成樹脂滑り層を形成した板状体等であってもよく、円筒部を有している摩擦部材としては、ポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したもの等からなる全体が合成樹脂製の円筒体又は薄鋼板に焼結した多孔質焼結層にポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したもの等からなる合成樹脂を含浸させると共にこの多孔質焼結層の一方の面に同じくポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したもの等からなる合成樹脂滑り層を形成した円筒体等であってもよい。
本発明によれば、表面の研削、研磨工程をなくし得、しかも、一応の滑らかさを有した表面と滑り層とを摺動自在に接触させることができる結果、滑り層の摩耗を極力低減でき、加えて、腐食に影響されないようにでき、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる摩擦ダンパを提供することができる。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図6において、本例の摩擦ダンパ1は、基体2と、夫々が、基体2の長尺部材35に固着されていると共に貫通孔3を有して軸方向Xに並んだ複数個、本例では三個の支持体4、5及び6と、支持体4、5及び6の夫々の貫通孔3を通って伸長していると共に支持体4、5及び6に対して軸方向Xに可動であると共に円柱状の本体部85を有したロッド7と、ロッド7の本体部85の外表面15に被着されたステンレススチール板製円筒体16と、夫々が、支持体4、5及び6の対応の貫通孔3において支持体4、5及び6の夫々とステンレススチール板製円筒体16との間に介在された円筒部8を有していると共に基体2に対するロッド7の軸方向Xの相対的な移動、換言すればロッド7の軸方向Xの相対的な移動によるステンレススチール板製円筒体16の同方向の移動に対して不動に固定されて、支持体4、5及び6の夫々に対して設けられた摩擦部材9、10及び11と、摩擦部材9、10及び11の夫々の円筒部8をステンレススチール板製円筒体16に締め付けるように支持体4、5及び6の夫々に対して設けられた締め付け手段12、13及び14とを具備している。
基体2は、軸方向Xに伸びた矩形状の筒体21と、筒体21の一端部22の内面にねじ23により固着されていると共にロッド7の本体部85に被着されたステンレススチール板製円筒体16が貫通する貫通孔24を有した一方の蓋体25と、筒体21の他端部26の内面にねじ27により固着されていると共にU字状の取付具28がボルト29により取付けられた他方の蓋体30とを具備しており、筒体21は、断面コ字状の長尺部材35と、長尺部材35の開口面を閉塞するように蓋体25及び蓋体30に両端でねじ36により取付けられた板部材37とを具備しており、互いに相対的に変位する一対の部材のうちの一方の部材、例えば図8に示すように構造物としての戸建住宅の下梁38に基体2を取付けるための取付具28は、軸挿通用の貫通孔39を有している。
基体2は、蓋体30により、取付具28の貫通孔39に挿通された軸部材40を介して下梁38に回動自在に取付けることができるようになっている。
支持体4、5及び6の夫々は、互いに同様に形成されているので、以下、支持体4について詳細に説明し、支持体5及び6については必要に応じて説明する。
概略直方体状の支持体4は、貫通孔3に加えて、特に図3に示すように、貫通孔3が縮径自在になるように貫通孔3に連通するスリット(切り込み)41を有しており、更に、支持体4は、雌ねじ孔42と、雌ねじ孔42に対面して雌ねじ孔42と一列に配されたねじ挿入孔43とを有して、筒体21の長尺部材35の内周面にねじ44により固着されている。
摩擦部材9、10及び11の夫々は、互いに同様に形成されているので、以下、摩擦部材9について詳細に説明し、摩擦部材10及び11については必要に応じて説明する。
摩擦部材9は、特に図4に示すように、円筒部8に加えて、円筒部8に一体形成された鍔部51を具備しており、鍔部51は、隣接する支持体5の貫通孔3において支持体5とステンレススチール板製円筒体16との間に介在された円筒部8を有した摩擦部材10の鍔部51と重ね合わされて支持体4及び5の互いに対面する側面52及び53間に当該側面52及び53に挟持されて配されており、こうして摩擦部材9は、鍔部51において基体2に対するロッド7の軸方向Xの相対的な移動、即ちステンレススチール板製円筒体16の軸方向Xの相対的な移動に対して不動に固定されている。
支持体6の貫通孔3において支持体6とステンレススチール板製円筒体16との間に介在された円筒部8を有した摩擦部材11は、支持体6と支持体6に隣接した蓋体25との互いに対面する側面54及び55間に当該側面54及び55に挟持されて配された鍔部51において基体2に対するロッド7及びステンレススチール板製円筒体16の軸方向Xの相対的な移動に対して不動に固定されている。
摩擦部材9は、図7に示すように、多数の網目61をもったエキスパンドメタル又は金網62からなる金属シート(網状金属シート)の一方の面に、金属シートの網目61を充填するようにしてポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したものからなる滑り層63を形成した後に、一方の面に斯かる滑り層63が形成された金属シートを短冊状に切断し、この短冊状の金属シートを滑り層63が内周側になるようにして一回巻回して、金属シートの互いの突き合わせ端64及び65の間で形成される一端面から他端面まで伸びたスリットを有した円筒体を形成し、その後、この円筒体をプレス成形することにより、径方向の外周面側に配された網状体の基材としてのエキスパンドメタル又は金網62と、この網状体の基材としてのエキスパンドメタル又は金網62の網目61を充填すると共に当該エキスパンドメタル又は金網62の一方の面に形成され且つ径方向の内周面側に配された合成樹脂製の滑り層63とを具備した円筒部8及び円筒部8に一体形成された鍔部51をもって製作される。
こうして製作された摩擦部材9の円筒部8は、軸方向Xのその一端面71から他端面72まで伸びたスリット73を有して縮径自在になっており、摩擦部材9の鍔部51もまた、スリット73と連続して径方向に伸びるスリット74を有しており、これにより円筒部8を縮径自在となるようにしている。
摩擦部材9において、ポリイミド樹脂及び四ふっ化エチレン樹脂のうちの少なくとも一方を含んでいる滑り層63は、その表面である合成樹脂製の滑り面がステンレススチール板製円筒体16とその軸方向Xに摺動自在に接触するように円筒部8の径方向の内周面側に配されている。
締め付け手段12、13及び14の夫々もまた、互いに同様に形成されているので、以下、締め付け手段12について詳細に説明し、締め付け手段13及び14については必要に応じて説明する。
締め付け手段12は、スリット41の幅を縮小できるように、ねじ挿入孔43を介して支持体4に挿入されて支持体4の雌ねじ孔42に螺合したボルト81を有しており、ボルト81を回して雌ねじ孔42との螺合状態を変えることにより、スリット41の幅を縮小して支持体4の貫通孔3を縮径し、この縮径を介して摩擦部材9の円筒部8を縮径させ、円筒部8をステンレススチール板製円筒体16に締め付けるようになっている。
鋼棒からなるロッド7は、円柱状の本体部85と、本体部85の軸方向Xの両端部に一体的に形成されたねじ部86及び87とを具備しており、ねじ部86には、抜け止め用のナット88が螺合されており、ねじ部87には、ねじ部87に螺合したナット89を介して軸部材挿通用の貫通孔90を有したU字状の取付具91が取付けられている。
ロッド7は、ねじ部87により、互いに相対的に変位する一対の部材のうちの他方の部材、例えば図8に示すように構造物としての戸建住宅の上梁92に取付具91の貫通孔90に挿通された軸部材93を介して回動自在に取付けることができるようになっている。
ステンレススチール板製円筒体16は、ステンレススチール製の平板又はシートを準備し、このステンレススチール製の平板又はシートを鋼棒からなる本体部85の外表面15に図5に示すように円筒状にして巻き付けて被着してなる。この場合、ステンレススチール製の平板又はシートを本体部85の長さ方向の全体に巻き付けてステンレススチール板製円筒体16を形成してもよいが、これに代えて、振動の振幅の大きさとの関連で摩擦部材9の円筒部8と摺動自在に接触する領域のみにステンレススチール製の平板又はシートを本体部85に巻き付けてステンレススチール板製円筒体16を形成してもよい。本体部85の外表面15にステンレススチール板製円筒体16を被着することにより本体部85の外表面15、即ち鋼棒の外表面を予め研削、研磨しなくてもよく、また研削、研磨しない鋼棒の外表面にステンレススチール製の平板又はシートを巻き付けてステンレススチール板製円筒体16を形成しているために、ステンレススチール板製円筒体16と本体部85の外表面15との間に、摩擦部材9の円筒部8とステンレススチール板製円筒体16との間における摩擦抵抗よりも大きな摩擦抵抗を得ることができる結果、ステンレススチール板製円筒体16を本体部85に対して軸方向Xに滑らないように本体部85の外表面15に保持できることになる。
以上の摩擦ダンパ1は、図8に示すように、基体2が取付具28、軸部材40及び取付板95を介して、柱96間に張設された下梁38に回動自在に、ロッド7が取付具91、軸部材93及び取付板97を介して、柱96間に張設された上梁92に回動自在に夫々取付けられて用いられる。
地震により下梁38に対して上梁92が横方向Hに相対的に変位すると、ロッド7は、基体2に対して軸方向Xに相対的に移動する。ロッド7の基体2に対する軸方向Xの相対的な移動において、摩擦部材9の円筒部8とステンレススチール板製円筒体16との間の摩擦により、斯かる相対的な移動エネルギ、換言すれば下梁38に対する上梁92の横方向Hの相対的な変位エネルギが吸収されて、早期に下梁38に対する上梁92の横方向Hの相対的な変位が減小されることになる。
摩擦ダンパ1によれば、ステンレススチール板製円筒体16が本体部85の外表面15に被着されていると共に滑り層63の表面である合成樹脂製の滑り面がステンレススチール板製円筒体16とその軸方向Xに摺動自在に接触するようになっているために、製造されたそのままの鋼棒をその表面に対して研削、研磨作業を施さないでもロッド7の本体部85として用いることができて、しかも、一応の滑らかさを有したステンレススチール板製円筒体16の表面と滑り層63の滑り面とを摺動自在に接触させることができる結果、滑り層63の滑り面の摩耗を極力低減でき、加えて、滑り層63の滑り面が摺動自在に接触する相手材が錆の発生しないステンレススチール板製円筒体16であるために、仮に本体部85の外表面15に錆が発生しても斯かる錆に影響されないようにでき、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる。
また摩擦ダンパ1によれば、摩擦部材9の基材がエキスパンドメタル又は金網62からなる網状体であって、摩擦部材9の滑り層63がエキスパンドメタル又は金網62の網目61を充填して当該エキスパンドメタル又は金網62の一方の面に形成され、斯かる滑り層63がステンレススチール板製円筒体16とその軸方向Xに摺動自在に接触するように円筒部8の径方向の内周面側に配されているために、ステンレススチール板製円筒体16との間での摩耗を極力避け得て安定なステンレススチール板製円筒体16と円筒部8との所望の摩擦を得ることができる上に滑り層63の剥離を避けることができ、而して、長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる。
更にまた摩擦ダンパ1によれば、締め付け手段12により摩擦部材9の円筒部8をステンレススチール板製円筒体16に最適に調節して締め付けることができるために、簡単な作業で横方向Hに相対変位する上梁92及び下梁38に対して最適な摩擦抵抗を得ることができる。
加えて摩擦ダンパ1によれば、三個の摩擦部材9、10及び11でもって変位エネルギを吸収するようになるために、摩擦部材9、10及び11の夫々の負荷を低減できる結果、これによっても長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる。
更に摩擦ダンパ1によれば、摩擦部材9、10及び11の夫々が鍔部51において隣接する支持体4及び5並びに支持体6及び蓋体25に挟まれて基体2に対するロッド7の軸方向Xの相対的な移動に対して不動に固定されているために、摩擦部材9、10及び11の夫々をしっかりと固定できて、支持体4、5及び6に対して摩擦部材9、10及び11がずれるような不都合をなくし得る。
なお、上記の支持体4は、貫通孔3とスリット41とを有して一体形成されているが、これに代えて、図9及び図10に示すように、貫通孔3を形成する半円孔101及び102を夫々が有する二分割体103及び104から支持体4を構成して、二分割体103及び104により貫通孔3を縮径自在になるようにしてもよい。図9及び図10に示す二分割体103及び104からなる支持体4では、一方の分割体103を基体2の長尺部材35にねじ105により固着し、他方の分割体104を、半円孔102が半円孔101に対面するようにして筒体21内に移動自在に配し、斯かる支持体4に対する締め付け手段12は、二分割体103及び104間の隙間106の幅を縮小できるように、分割体104の二つのねじ挿入孔43の夫々を介して支持体4の分割体104に挿入されて支持体4の分割体103の二つの雌ねじ孔42に夫々螺合した二つのボルト81を有している。
図9及び図10に示すような支持体4を具備した摩擦ダンパ1でも、前記と同様の効果を奏し得る。
上記の摩擦ダンパ1では、支持体4を直接に摩擦部材9の円筒部8に接触させて円筒部8をステンレススチール板製円筒体16に締め付けたが、これに代えて、図11及び図12に示すように、スリット111を有して縮径自在になっていると共にゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板からなる円筒状の可変形部材112を支持体4の二分割体103及び104と摩擦部材9の円筒部8との間に介在させて、支持体4を介する締め付け手段12による円筒部8のステンレススチール板製円筒体16への締め付けを更に可変形部材112を介して行うようにしてもよく、ゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板からなって径方向に対しての多少の変形、具体的には径方向の多少の厚みの変更を弾性的に許容する可変形部材112を支持体4と摩擦部材9の円筒部8との間に介在させることにより、摩擦部材9等のクリープ変形に対し、可変形部材112の弾性変形で対応させることができる結果、円筒部8をステンレススチール板製円筒体16に均一に押し付け接触させることができ、而して、全体的に亘って適切な摩擦抵抗を得ることができることになる。
図11及び図12に示す例では、一つの可変形部材112を支持体4と円筒部8との間に介在させているが、複数の可変形部材112を互いに重ね合わせて、斯かる複数の可変形部材112を支持体4と円筒部8との間に介在させてもよい。
また、上記の摩擦部材9は、円筒部8と鍔部51とを有すると共にスリット73により縮径自在になって一体に形成されているが、これに代えて、図13及び図14示すように、半円筒部121と半円筒部121に一体的に形成された半鍔部122とからなる分割体123及び半円筒部131と半円筒部131に一体的に形成された半鍔部132とからなる分割体133を有して摩擦部材9を構成し、半円筒部121と半円筒部131とで構成される円筒部8を斯かる二分割体123及び133にして縮径自在となるようにしてもよい。
可変形部材112もまた、図13及び図14示すように、二分割体141及び142から構成して、二分割体141及び142により縮径自在になるようにしてもよく、分割体141は分割体103と半円筒部121との間に、分割体142は分割体104と半円筒部131との間に夫々介在されている。
更にステンレススチール板製円筒体16もまた、摩擦部材9及び可変形部材112と同様に、半円筒状の二分割体を具備して構成されてもよい。
加えて図2、図9等に示すように、ロッド7の本体部85は、鋼棒を用いた外周面に円筒面を有した中実の部材からなっていてもよいが、これに代えて、図13に示すようにロッド7の本体部85は、鋼管等を用いた中空の部材、即ち管部材からなっていてもよい。
上記の摩擦ダンパ1では、ロッド7に鋼棒を用い、斯かる鋼棒からなる本体部85の外表面15にステンレススチール板製円筒体16を被着したが、これに代えて図15から図18に示すように、H型状部材及びステンレススチール製平板等を用いて摩擦ダンパ201を構成してもよい。即ち、図15から図18に示す摩擦ダンパ201は、H型状部材としてのH型鋼202を具備していると共に下梁38及び上梁92のうちの一方の部材である下梁38に取付けることができるようになっている基体203と、H型鋼202のフランジ部204及び205の夫々に一端206でボルト207及びボルト207に螺合されたナット208を介して固着されていると共に互いに対向して配された一対の挟持板209及び210と、各対の挟持板209及び210の間を通って伸長しているフランジ部221及び222を有すると共に各対の挟持板209及び210に対して下梁38及び上梁92の相対的な横方向Hの変位に基づく変位方向Y(軸方向Xに相当)に可動であって下梁38及び上梁92のうちの他方の部材である上梁92に取付けることができるようになっている長尺のH型状部材としてのH型鋼223と、H型鋼223のフランジ部221及び222の夫々の対向する一対の外表面226及び227の夫々に被着されたステンレススチール製平板228及び229と、一対の挟持板209及び210の間の夫々において挟持板209及び210の夫々とステンレススチール製平板228及び229の夫々との間に介在されていると共に基体203に対するH型鋼223の変位方向Yの相対的な移動に対して挟持板209及び210に不動に固定された板状の摩擦部材230及び231と、摩擦部材230及び231をステンレススチール製平板228及び229に締め付ける締め付け手段232と、一対の挟持板209及び210の夫々と摩擦部材230及び231の夫々との間に介在されている板状の可変形部材234及び235とを具備している。
基体203は、H型鋼202に加えて、H型鋼202の一端面に溶接されて当該H型鋼202の一端面に固着された矩形状の板体241と、板体241にボルト242により固着された補強板243と、補強板243に溶接されて当該補強板243に固着された取付具244とを具備しており、取付具28と同様に下梁38に基体203を取付けるための取付具244は、軸挿通用の貫通孔245を有しており、基体203は、取付具244の貫通孔245に挿通された軸部材40を介して下梁38に回動自在に取付けることができるようになっている。
H型鋼202は、フランジ部204及び205に加えて、当該フランジ部204及び205の中央部を橋絡する中央部251をフランジ部204及び205と共に一体的に具備している。フランジ部204及び205の夫々は、一方の外表面252と、外表面252に対向する他方の外表面253とを具備しており、外表面253の夫々は、中央部251で分断された一対の分断外表面254及び255からなり、外表面252の夫々には、当該外表面252に接してスペーサ板256が配されており、分断外表面254の夫々には、当該分断外表面254に接してスペーサ板片257が配されており、分断外表面255の夫々には、当該分断外表面255に接してスペーサ板片258が配されている。
H型鋼223の一端面には矩形状の板体261が溶接により固着されており、板体261にはボルト262により補強板263が固着されており、補強板263には溶接により取付具264が固着されており、取付具91と同様に上梁92にH型鋼223を取付けるための取付具264は軸挿通用の貫通孔265を有しており、H型鋼223の一端は、取付具264の貫通孔265に挿通された軸部材93を介して上梁92に回動自在に取付けることができるようになっている。
H型鋼223は、フランジ部221及び222に加えて、当該フランジ部221及び222の中央部を橋絡する中央部271をフランジ部221及び222と共に一体的に具備しており、フランジ部221及び222の夫々は、変位方向Yに伸びる一対の長孔272及び273を有している。外表面226の夫々に対向する外表面227の夫々は、中央部271で分断された一対の分断外表面274及び275からなる。
H型鋼202のフランジ部205側及びH型鋼223のフランジ部222側は、H型鋼202のフランジ部204側及びH型鋼223のフランジ部221側と同様に構成されているので、以下、H型鋼202のフランジ部204側及びH型鋼223のフランジ部221側について詳述する。
一対の長尺の挟持板209及び210のうちの一方の挟持板209は、フランジ部204及び221と略同幅をもって変位方向Yに長く伸びており、他方の挟持板210は、変位方向Yに長く伸びていると共に挟持板209と同長であって挟持板209よりも狭幅の一対の挟持板片281及び282からなり、挟持板209並びに挟持板片281及び282は、その他端280で厚み方向に関して自由端となっており、ステンレススチール製平板228及び229のうちの一方のステンレススチール製平板228は、挟持板209と同幅であってH型鋼223の一端面から他端面まで変位方向Yに長く伸びていると共に一対の長孔272及び273に対応して変位方向Yに伸びる一対の長孔283及び284を有しており、他方のステンレススチール製平板229は、H型鋼223の一端面から他端面まで変位方向Yに長く伸びていると共にステンレススチール製平板228と同長であってステンレススチール製平板228よりも狭幅であり、しかも、一対の挟持板片281及び282と同幅であって一対の長孔272及び273に対応した長孔285及び286を夫々有した一対のステンレススチール製平板片287及び288からなり、摩擦部材230及び231のうちの一方の摩擦部材230は、挟持板209と同幅であって同長をもって変位方向Yに長く伸びており、他方の摩擦部材231は、挟持板209と同長をもって変位方向Yに長く伸びていると共に摩擦部材230よりも狭幅であって一対の挟持板片281及び282と同幅である一対の摩擦部材片289及び290からなり、可変形部材234及び235のうちの一方の可変形部材234は、挟持板209と同幅であって同長をもって変位方向Yに長く伸びており、他方の可変形部材235は、挟持板209と同長をもって変位方向Yに長く伸びていると共に可変形部材234よりも狭幅であって一対の挟持板片281及び282と同幅である一対の可変形部材片291及び292からなる。
摩擦部材230並びに摩擦部材片289及び290の夫々は、図7に示すように、多数の網目61をもったエキスパンドメタル又は金網62からなる金属シート(網状金属シート)の一方の面に、金属シートの網目61を充填するようにしてポリイミド樹脂若しくは四ふっ化エチレン樹脂又はこれらの混合したものからなる滑り層63を形成した後に、一方の面に斯かる滑り層63が形成された金属シートを長尺の短冊状に切断したものを用いたものであり、摩擦部材230は、ポリイミド樹脂及び四ふっ化エチレン樹脂のうちの少なくとも一方を含んでいるその滑り層63の合成樹脂製の表面である滑り面でステンレススチール製平板228とその変位方向Yに摺動自在に接触するように配されており、摩擦部材片289は、ポリイミド樹脂及び四ふっ化エチレン樹脂のうちの少なくとも一方を含んでいるその滑り層63の合成樹脂製の表面である滑り面でステンレススチール製平板片287とその変位方向Yに摺動自在に接触するように配されており、摩擦部材片290は、ポリイミド樹脂及び四ふっ化エチレン樹脂のうちの少なくとも一方を含んでいるその滑り層63の合成樹脂製の表面である滑り面でステンレススチール製平板片288とその変位方向Yに摺動自在に接触するように配されており、こうして、厚み方向の一方の外面側に配された網状体の基材である金属シートとこの金属シートの網目を充填すると共に当該金属シートの一方の面に形成された合成樹脂製の滑り層63とを具備した摩擦部材230並びに摩擦部材片289及び290において、摩擦部材230の滑り層63は、その合成樹脂製の表面である滑り面がステンレススチール製平板228と変位方向Yに摺動自在に接触するように摩擦部材230の厚み方向の他方の外面側に配されており、摩擦部材片289の滑り層63は、その合成樹脂製の表面である滑り面がステンレススチール製平板片287と変位方向Yに摺動自在に接触するように摩擦部材片289の厚み方向の他方の外面側に配されており、摩擦部材片290の滑り層63は、その合成樹脂製の表面である滑り面がステンレススチール製平板片288と変位方向Yに摺動自在に接触するように摩擦部材片290の厚み方向の他方の外面側に配されている。
摩擦部材230は、その一端でスペーサ板256に対面接触するようにH型鋼202のフランジ部204まで伸びており、摩擦部材片289及び290の夫々もまた、その一端でスペーサ板片257及び258の夫々に対面接触するようにH型鋼202のフランジ部204まで伸びている。
可変形部材234並びに可変形部材片291及び292は、厚み方向に多少の弾性変形が可能なゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板、好ましくはゴム板又はエンボス板からなっており、可変形部材234は、挟持板209と摩擦部材230との間に配されており、可変形部材片291は、挟持板片281と摩擦部材片289との間に配されており、可変形部材片292は、挟持板片282と摩擦部材片290との間に配されている。
可変形部材234は、その一端で挟持板209の一端206と摩擦部材230の一端との間に配されるようにH型鋼202のフランジ部204まで伸びており、可変形部材片291及び292もまた、その一端で挟持板片281及び282の一端と摩擦部材片289及び290の一端との間に配されるようにH型鋼202のフランジ部204まで伸びている。
可変形部材234の複数枚を重ね合わせて挟持板209と摩擦部材230との間に介在させ、また可変形部材片291を複数枚重ね合わせて挟持板片281と摩擦部材片289との間に介在させ、同じく可変形部材片292を複数枚重ね合わせて挟持板片282と摩擦部材片290との間に介在させてもよい。
締め付け手段232は、挟持板209、可変形部材234、摩擦部材230、摩擦部材片289、可変形部材片291及び挟持板片281を貫通すると共に長孔283、272及び285を貫通する複数のボルト301の変位方向Yの列と、各ボルト301に螺合したナット302の列と、挟持板209、可変形部材234、摩擦部材230、摩擦部材片290、可変形部材片292及び挟持板片282を貫通すると共に長孔284、273及び286を貫通する複数のボルト303の変位方向Yの列と、各ボルト303に螺合したナット304の列とを具備しており、ボルト301及び303を回してナット302及び304との螺合状態を変えることにより、挟持板209と挟持板片281及び282との間隔を狭めて摩擦部材230をステンレススチール製平板228に、摩擦部材片289及び290を夫々ステンレススチール製平板片287及び288に締め付けるようになっている。
締め付け手段232としては、ナット302及び304を省いて、ボルト301を挟持板片281に螺合させ、ボルト303を挟持板片282に螺合させるようにしてもよい。
フランジ部204を貫通した複数のボルト207のうち一方のボルト207は、挟持板209、可変形部材234、摩擦部材230、摩擦部材片289、可変形部材片291及び挟持板片281の夫々の変位方向Yの一端並びにスペーサ板256及びスペーサ板片257を貫通しており、他方のボルト207は、挟持板209、可変形部材234、摩擦部材230、摩擦部材片290、可変形部材片292及び挟持板片282の夫々の変位方向Yの一端並びにスペーサ板256及びスペーサ板片258を貫通しており、これにより可変形部材234、摩擦部材230、摩擦部材片289及び可変形部材片291の夫々の変位方向Yの一端並びにスペーサ板256及びスペーサ板片257は、挟持板209並びに挟持板片281及び挟持板片282の変位方向Yの一端206と共にH型鋼202のフランジ部204に固着されている。
以上の摩擦ダンパ201では、地震により下梁38に対して上梁92が横方向Hに相対的に変位すると、H型鋼223は、基体203に対して変位方向Yに相対的に移動する。H型鋼223の基体203に対する変位方向Yの相対的な移動において、摩擦部材230とステンレススチール製平板228との摩擦、摩擦部材片289とステンレススチール製平板片287との摩擦及び摩擦部材片290とステンレススチール製平板片288との摩擦により、斯かる相対的な移動エネルギ、換言すれば下梁38に対する上梁92の横方向Hの相対的な変位エネルギが吸収されて、早期に下梁38に対する上梁92の横方向Hの相対的な変位が減小されることになる。
摩擦ダンパ1によれば、ステンレススチール製平板228がフランジ部221の外表面226に、ステンレススチール製平板片287及び288の夫々がフランジ部221の分断外表面274及び275の夫々に夫々被着されていると共に摩擦部材230の滑り層63がステンレススチール製平板228と変位方向Yに摺動自在に接触し、摩擦部材片289の滑り層63がステンレススチール製平板片287と変位方向Yに摺動自在に接触し、そして、摩擦部材片290の滑り層63がステンレススチール製平板片288と変位方向Yに摺動自在に接触するようになっているために、製造されたそのままのH型鋼をその表面(外表面226並びに分断外表面274及び275に対応する表面)に対して研削、研磨作業を施さないでもH型鋼223として用いることができて、しかも、一応の滑らかさを有したステンレススチール製平板228並びにステンレススチール製平板片287及び288の表面と摩擦部材230並びに摩擦部材片289及び290とを摺動自在に接触させることができる結果、各滑り層63の摩耗を極力低減でき、加えて、各滑り層63が摺動自在に接触する相手材が錆の発生しないステンレススチール製平板228並びにステンレススチール製平板片287及び288であるために、仮にフランジ部221の外表面226並びに分断外表面274及び275に錆が発生しても斯かる錆に影響されないようにでき、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる上に、その他摩擦ダンパ1と同様の効果を得ることができる。
なお、ステンレススチール製平板228並びにステンレススチール製平板片287及び288の板体261側での捲れあがり又は垂れ下がりを防止するために、板体261側でステンレススチール製平板228並びにステンレススチール製平板片287及び288をボルト、接着剤等を使用してフランジ部221又は板体261に固定するようにしてもよく、また、挟持板209と可変形部材234との間、可変形部材234と摩擦部材230との間、挟持板片281及び282と可変形部材片291及び292との夫々の間並びに可変形部材片291及び292と摩擦部材片289及び290との夫々の間に接着剤を適用して、ボルト303に加えて斯かる接着剤の接着作用によっても、可変形部材234及び摩擦部材230の挟持板209への位置固定、可変形部材片291及び292並びに摩擦部材片289及び290の夫々の挟持板片281及び282の夫々への位置固定を強固にしてもよい。
本発明の実施の形態の好ましい例の正面断面図である。 図1に示す例のII−II線矢視断面図である。 図1に示す例の支持体の断面説明図である。 図1に示す例の摩擦部材の斜視図である。 図1に示す例のステンレススチール板製円筒体の斜視図である。 図1に示す例の一部を破断した底面図である。 図1に示す例の摩擦部材の説明図である。 図1に示す例を戸建住宅に用いた例の説明図である。 図1に示す例において支持体の他の例を用いた断面説明図である。 図9に示す支持体の他の例の断面説明図である。 本発明の実施の形態の好ましい他の例の断面図である。 図11に示す可変形部材の斜視図である。 本発明の実施の形態の好ましい更に他の例の断面図である。 図13に示す摩擦部材及び可変形部材の斜視図である。 本発明の実施の形態の好ましい更に他の例の図16に示すXV−XV線矢視断面図である。 図15に示すXVI−XVI線矢視断面図である。 図16に示すXVII−XVII線矢視断面図である。 図16に示すXVIII−XVIII線矢視断面図である。
符号の説明
1 摩擦ダンパ
2 基体
3 貫通孔
4、5、6 支持体
7 ロッド
8 円筒部
9、10、11 摩擦部材
16 ステンレススチール板製円筒体

Claims (34)

  1. 互いに相対的に変位する一対の部材のうちの一方の部材に取付けることができるようになっている基体と、この基体に固着されていると共に貫通孔を有した支持体と、この支持体の貫通孔を通って伸長していると共に支持体に対して軸方向に可動であって一対の部材のうちの他方の部材に取付けることができるようになっているロッドと、このロッドの外表面に被着されたステンレススチール板製円筒体と、支持体の貫通孔において支持体とステンレススチール板製円筒体との間に介在された円筒部を有していると共に基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定された摩擦部材とを具備しており、摩擦部材の円筒部は、ステンレススチール板製円筒体とその軸方向に摺動自在に接触する合成樹脂製の滑り面を有している摩擦ダンパ。
  2. 摩擦部材の円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付ける締め付け手段を更に具備しており、支持体の貫通孔及び摩擦部材の円筒部は縮径自在であり、締め付け手段は、支持体の貫通孔の縮径を介して摩擦部材の円筒部を縮径させ、当該円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付けるようになっている請求項1に記載の摩擦ダンパ。
  3. 支持体は、貫通孔に連通するスリットを有して縮径自在になっている請求項2に記載の摩擦ダンパ。
  4. 締め付け手段は、スリットの幅を縮小できるように支持体に螺合したボルトを有している請求項3に記載の摩擦ダンパ。
  5. 支持体は、二分割体にされて縮径自在になっている請求項2に記載の摩擦ダンパ。
  6. 締め付け手段は、二分割体間の隙間の幅を縮小できるように支持体に螺合したボルトを有している請求項5に記載の摩擦ダンパ。
  7. 摩擦部材の円筒部は、軸方向のその一端面から他端面まで伸びたスリットを有して縮径自在になっている請求項2から6のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  8. 摩擦部材の円筒部は、二分割体にされて縮径自在になっている請求項2から6のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  9. 摩擦部材は、円筒部に加えて、当該円筒部に一体形成された鍔部を具備しており、この鍔部において基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定されている請求項2から8のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  10. 軸方向に並んだ複数個の支持体を具備しており、各支持体に対して締め付け手段及び摩擦部材を具備している請求項2から9のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  11. 軸方向に並んだ複数個の支持体を具備しており、各支持体に対して締め付け手段及び摩擦部材を具備しており、各摩擦部材は、円筒部に加えて、当該円筒部に一体形成された鍔部を具備しており、この鍔部において隣接する支持体に挟まれて基体に対するロッドの軸方向の相対的な移動に対して不動に固定されている請求項2から8のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  12. 支持体と摩擦部材の円筒部との間に介在されている少なくとも一つの可変形部材を更に具備しており、可変形部材は、その径方向の厚みの変更を弾性的に許容するようになっており、締め付け手段は、支持体の貫通孔の縮径に加えて、可変形部材の径方向の厚みの弾性的な変更を介して摩擦部材の円筒部を縮径させ、当該円筒部をステンレススチール板製円筒体に締め付けるようになっている請求項2から11のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  13. 可変形部材は、スリットを有して縮径自在になって円筒状である請求項12に記載の摩擦ダンパ。
  14. 可変形部材は、二分割体にされて縮径自在になって円筒状である請求項12に記載の摩擦ダンパ。
  15. 可変形部材は、ゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板からなる請求項12から14のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  16. 支持体と摩擦部材の円筒部との間に複数の可変形部材が重ね合わされて介在されている請求項12から15のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  17. 基体は、筒体と、この筒体の一端部に固着されていると共にロッドの外表面に被着されたステンレススチール板製円筒体が貫通する貫通孔を有した一方の蓋体と、筒体の他端部に固着されていると共に一方の部材に取付けるための取付具が取付けられる他方の蓋体とを具備しており、支持体は、筒体の内周面に固着されている請求項1から16のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  18. ロッドは、中実又は中空の部材からなる請求項1から17のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  19. ステンレススチール板製円筒体は、少なくとも一対のステンレススチール板製半円筒体を具備している請求項1から18のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  20. 摩擦部材の円筒部は、径方向の外周面側に配された網状体の基材と、この基材の網目を充填すると共に当該基材の一方の面に形成された合成樹脂製の滑り層とを具備しており、滑り層は、ステンレススチール板製円筒体とその軸方向に摺動自在に接触するように円筒部の径方向の内周面側に配されている請求項1から19のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  21. 互いに相対的に変位する一対の部材のうちの一方の部材に取付けることができるようになっている基体と、この基体に一端で固着されていると共に互いに対向して配された一対の挟持板と、この一対の挟持板の間を通って伸長しているフランジ部を有すると共に一対の挟持板に対して一対の部材の相対的な変位に基づく変位方向に可動であって一対の部材のうちの他方の部材に取付けることができるようになっている長尺のH型状部材と、このH型状部材のフランジ部の対向する一対の外表面の夫々に被着されたステンレススチール製平板と、一対の挟持板の間において挟持板とステンレススチール製平板との間に介在されていると共に基体に対するH型状部材の変位方向の相対的な移動に対して不動に固定された板状の摩擦部材とを具備しており、摩擦部材は、ステンレススチール製平板と変位方向に摺動自在に接触する合成樹脂製の滑り面を有している摩擦ダンパ。
  22. 摩擦部材をステンレススチール製平板に締め付ける締め付け手段を更に具備しており、一対の挟持板は他端でその厚み方向に自由端となっており、締め付け手段は、一対の挟持板の間隔を狭めて摩擦部材をステンレススチール製平板に締め付けるようになっている請求項21に記載の摩擦ダンパ。
  23. 締め付け手段は、一対の挟持板の間隔を狭めることができるように一対の挟持板を貫通したボルトと、このボルトに螺合したナットとの組み合わせ又は一対の挟持板のうちの一方の挟持板を貫通すると共に一対の挟持板のうちの他方の挟持板に螺合したボルトを有している請求項22に記載の摩擦ダンパ。
  24. フランジ部はその変位方向に伸びる長孔を有しており、ボルトはフランジ部の長孔を貫通している請求項23に記載の摩擦ダンパ。
  25. 挟持板と摩擦部材との間に介在されている少なくとも一つの可変形部材を更に具備しており、可変形部材は、その厚み方向に弾性変形可能であり、締め付け手段は、可変形部材の厚み方向の弾性変形を介して一対の挟持板の間隔を狭めて摩擦部材をステンレススチール製平板に締め付けるようになっている請求項22から24のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  26. 可変形部材は、ゴム板、銅板、アルミニウム板又はエンボス板からなる請求項25に記載の摩擦ダンパ。
  27. 挟持板と摩擦部材との間に複数の可変形部材が重ね合わされて介在されている請求項25又は26に記載の摩擦ダンパ。
  28. 基体は他のH型状部材を具備しており、一対の挟持板は一端で他のH型状部材のフランジ部に固着されている請求項21から27のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  29. 長尺のH型状部材はH型鋼からなる請求項21から28のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  30. 摩擦部材は、その厚み方向の一方の外面側に配された網状体の基材と、この基材の網目を充填すると共に当該基材の一方の面に形成された合成樹脂製の滑り層とを具備しており、滑り層は、ステンレススチール製平板と変位方向に摺動自在に接触するように摩擦部材の厚み方向の他方の外面側に配されている請求項21から29のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  31. 基材は、エキスパンドメタル又は金網からなる請求項20又は30に記載の摩擦ダンパ。
  32. 滑り層は、ポリイミド樹脂を含んでいる請求項20、30及び31のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  33. 滑り層は、四ふっ化エチレン樹脂を含んでいる請求項20及び30から32のいずれか一項に記載の摩擦ダンパ。
  34. 請求項1から33のいずれか一項に記載の摩擦ダンパに用いるための摩擦部材。
JP2004016413A 2004-01-23 2004-01-23 摩擦ダンパ Expired - Fee Related JP4496788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004016413A JP4496788B2 (ja) 2004-01-23 2004-01-23 摩擦ダンパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004016413A JP4496788B2 (ja) 2004-01-23 2004-01-23 摩擦ダンパ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005207538A JP2005207538A (ja) 2005-08-04
JP4496788B2 true JP4496788B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=34901568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004016413A Expired - Fee Related JP4496788B2 (ja) 2004-01-23 2004-01-23 摩擦ダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4496788B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4842594B2 (ja) * 2005-09-05 2011-12-21 清水建設株式会社 構造物減衰装置
WO2009075175A1 (ja) * 2007-12-13 2009-06-18 Oiles Corporation 壁型摩擦ダンパ
JP4915705B2 (ja) * 2009-01-26 2012-04-11 国立大学法人東北大学 フリクションダンパ
CN108999307B (zh) * 2018-09-29 2020-06-19 上海应用技术大学 一种可调节刚度多阶耗能减震构件

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0474751U (ja) * 1990-11-01 1992-06-30
JP2003278828A (ja) * 2002-01-16 2003-10-02 Oiles Ind Co Ltd 摩擦ダンパ
JP2005524809A (ja) * 2002-05-07 2005-08-18 ロード コーポレーション 磁気作動運動制御装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5870530U (ja) * 1981-11-06 1983-05-13 財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道車輌の台車回転抵抗装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0474751U (ja) * 1990-11-01 1992-06-30
JP2003278828A (ja) * 2002-01-16 2003-10-02 Oiles Ind Co Ltd 摩擦ダンパ
JP2005524809A (ja) * 2002-05-07 2005-08-18 ロード コーポレーション 磁気作動運動制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005207538A (ja) 2005-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8584821B2 (en) Friction damper
JPWO2009075175A1 (ja) 壁型摩擦ダンパ
JP5496703B2 (ja) 配管支持装置
JP4496788B2 (ja) 摩擦ダンパ
KR101000029B1 (ko) 배관용 방진 고무마운트
KR20090025326A (ko) 마찰 댐퍼
JP2020029925A (ja) 複合型制震装置
JP6564662B2 (ja) 配管固定構造体
CN111287075A (zh) 一种减震抗拔支座
JP2016061364A (ja) 摩擦ダンパ
JP4360272B2 (ja) 摩擦ダンパ
JP2015218846A (ja) 配管締結構造体、及び配管締結方法
JP3082031B2 (ja) ロープ材の衝撃吸収装置
KR20110133949A (ko) 유볼트/너트를 이용한 히팅배관 고정구조
GB2175667A (en) Pipe support
JP4286795B2 (ja) 制震装置および安全装置
US20160040737A1 (en) Device for protecting mechanical parts
CN116025797B (zh) 基于金属橡胶和颗粒阻尼的板簧支撑可变频动力吸振装置
JPH06337030A (ja) エネルギ吸収装置
JP6440969B2 (ja) 建物の床構造
CN116025797A (zh) 基于金属橡胶和颗粒阻尼的板簧支撑可变频动力吸振装置
JPS60192142A (ja) 耐震支持構造
JPH0723891U (ja) 配管保護ダクトの接続装置
JP2004204468A (ja) 耐震可撓継手
JP2017128885A (ja) 座屈補剛材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100323

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4496788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees