JP4496628B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、高い電池特性を得られることに加え、小型軽量化が容易であることから、電気自動車等の移動車両や、小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用化が期待されている。現在検討されている固体高分子型燃料電池は、その作動温度領域が低くその排熱を利用しにくいので、水素等のアノード反応ガス利用率及び空気等のカソード反応ガス利用率の高い作動条件下において、高い発電効率、高い出力密度を得ることのできる性能が要求されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池に使用されるガス拡散電極は、触媒層と、ガス拡散層とからなり、触媒層内には、イオン交換樹脂で被覆された触媒担持カーボン微粒子の二次粒子間或いは三次粒子間に形成される微少な細孔からなる空隙部が存在し、当該空隙部が反応ガスの拡散流路として機能している。
【0004】
しかし、上記のような電池反応の反応速度が比較的高い作動条件のもとでは、アノードからカソードに向けて高分子電解質膜中を移動するプロトンに伴って移動する水(以下、プロトン同伴水という)の量と、カソードの電極反応により生成し凝縮する生成水の量とが多くなる。そのため、これらの水がカソードから外部に速やかに排出されず、カソードの触媒層内に形成された空隙部がこれらの水により閉塞されてしまう現象、いわゆるフラッディングの現象が起こり易かった。このようなフラッディングが起こると、触媒層の反応サイトへのカソード反応ガスの供給が妨げられ、所望の電池出力を安定的に得られなくなる。そこで、フラッディングの発生を防止して所望の電池出力を長期間にわたり安定して得るためには、カソードの良好な排水性の確保が必要となる。
【0005】
そのため、特開平5−36418号公報には、撥水化剤として、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等の含フッ素重合体等を、カソード触媒層中に含有させた固体高分子型燃料電池が提案されている。なお、本明細書中において、「A/B共重合体」とは、Aに基づく重合単位とBに基づく重合単位とからなる共重合体を示す。
【0006】
また、特開平7−211324号公報には、PTFEと共にフッ化ピッチをカソード触媒層中に含有させた固体高分子型燃料電池が提案されている。更に、特開平7−192738号公報には、触媒を担持したカーボン表面をフッ素化被膜によりコーティング処理し、これを用いて固体高分子型燃料電池のカソード触媒層を形成する方法が提案されている。また、特開平9−213350号公報には、触媒担持カーボン微粒子を被覆するイオン交換樹脂のイオン交換容量(以下、ARという)をアノードの触媒層に含有させるものよりもカソードに含有させるもののほうを低くする方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−36418号公報に記載の固体高分子型燃料電池のように触媒層中に撥水化剤を含有させると、撥水化剤の絶縁性によるカソードの電気抵抗の増大や、触媒層の層厚の増大による触媒層のガス拡散性の低下により、起動初期のカソードの分極特性がかえって低くなり、従って、高い電池の出力特性を長期間にわたり得ることができなくなるという問題があった。また、触媒層中の撥水化剤の含有量を低減させて起動初期の電極の出力特性を高くしようとすると起動から比較的短時間で電極の分極特性が低下し、更にはカソード触媒層におけるフラッディングが発生してしまうという問題があった。
【0008】
また、特開平7−211324号公報や特開平7−192738号公報に記載の固体高分子型燃料電池においては、触媒層に含有される触媒の表面をイオン交換樹脂により均一に被覆することは困難であるため、カソード触媒層に含有されている触媒の量に見合う十分な反応サイトを確保できず、高い電池の出力特性を起動初期から長期間にわたり得ることができないという問題があった。
【0009】
更に、固体高分子型燃料電池から高出力を得るためには、触媒層に含有されるイオン交換樹脂のARはその導電性及びガス透過性の観点から高い方が有利であるが、特開平9−213350号公報に記載の固体高分子型燃料電池のように、カソードの触媒層に含有されるイオン交換樹脂のARが低いと、カソードの電気抵抗をアノードと同等の水準に十分に低減できず、高い電池の出力特性を起動初期から長期間にわたり得ることが困難でできないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、起動初期において大電流を流す場合であってもフラッディングの発生が十分に防止され、高い電池出力を起動初期から長期間にわたり安定して得ることのできる固体高分子型燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、カソードの触媒層のガス流路の入口近傍の領域とガス流路の出口近傍の領域とにおいて、それぞれ分子量の異なるイオン交換樹脂を含有させることにより、触媒層内の反応サイトを十分に確保しつつ触媒層の排水性を向上させることができることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
そこで、本発明は、アノードと、ガス拡散層及び触媒層を有するカソードと、アノードとカソードの間に配置された高分子電解質膜と、カソードの外側に配置されたカソードと接する面に入口と出口とを有するガス流路が形成されたセパレータとを有する固体高分子型燃料電池であって、
触媒層は、触媒と、−SO2F基を有する重合体からなる前駆体を加水分解し酸型化してなる2種以上のスルホン酸基を有する含フッ素重合体とを含有しており、かつ、
触媒層におけるガス流路の入口近傍領域と出口近傍領域とでは異なる含フッ素重合体が含有されており、入口近傍領域に含有される含フッ素重合体は、その前駆体の溶融押し出し温度が出口近傍領域に含有される含フッ素重合体の前駆体の溶融押し出し温度よりも5〜200℃低い樹脂であること、を特徴とする固体高分子型燃料電池を提供する。
【0013】
ここで、−SO2F基を有する重合体(以下、前駆体という)の溶融押し出し温度(以下、TQという)とは、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、30kg/cm2の押出し圧力の条件で前駆体の溶融押出しを行った際、押出し量が100mm3/秒となる温度を示す。TQは、樹脂の分子量の目安となる数値であり、一般にTQが高いほど分子量は大きくなる。そして、得られるスルホン酸基を有する含フッ素重合体(以下、スルホン酸型含フッ素重合体という)は、分子量が小さいほど結晶状態における分子鎖の絡みが少なく膨潤し易くなり、一方で、分子量が大きいほど結晶状態における分子鎖の絡みが多く膨潤しにくくなる。
【0014】
本発明の固体高分子型燃料電池は、スルホン酸型含フッ素重合体を上記の条件を満たすようにカソード触媒層に含有させることにより、触媒層内に多数の反応サイトを確保でき、カソード触媒層のガス流路の出口近傍領域の排水性を効果的に向上させることができるので、フラッディングの発生を十分に防止し、高い電池出力を起動初期から長期間にわたり安定して得ることが可能になる。
【0015】
すなわち、カソードに供給されるカソード反応ガスはガス流路を進行しながら触媒層内に拡散して電極反応を開始するので、カソード反応ガスがガス流路内を進行するに従い反応生成水やプロトン同伴水等が徐々にカソード反応ガスに付加される。そのため、ガス拡散層を介してこのガス流路から反応ガスを供給されるカソード触媒層も、ガス流路の入口近傍領域に比べてガス流路の出口近傍領域の方において水分がより停滞し易く、フラッディングが起こり易い。これに対して本発明の固体高分子型燃料電池は、反応生成水やプロトン同伴水の累積量が多いカソード触媒層のガス流路の出口近傍領域には、前駆体のTQが高く含水時に膨潤しにくい高分子量のスルホン酸型含フッ素重合体を分布させているので優れた排水性を持たせることができる。一方、反応生成水やプロトン同伴水の累積量が少ないカソード触媒層のガス流路の入口近傍領域には、前駆体のTQが低く含水時に膨潤しやすい低分子量のスルホン酸型含フッ素重合体を分布させているので多数の反応サイトを持たせ、高い電池出力を発生させることができるようになる。そして、カソード触媒層内に保持される水分量を当該触媒層のガス流路に沿う面方向についてほぼ均一化させることが可能となる。
【0016】
本発明では、上記のガス流路の入口近傍領域に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体のTQと、ガス流路の出口近傍領域に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体のTQとの温度差を5〜200℃としている。上記温度差が5℃よりも低いと、上記の異なる領域に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体の含水率の差を十分に確保することが困難となり、触媒層の面方向において良好な排水性を有する領域と反応サイトを増大させた領域とを差別化して形成することが困難となり、上記の触媒層内に保持される水分量を均一化させる効果が十分に得られなくなる。また、上記温度差が200℃を超えると、出口近傍領域の樹脂は分子量が大きくなりすぎて溶媒に溶解又は良好に分散させることができなくなり、触媒層を形成するための均一な塗工液が得られなくなる。なお、上記と同様の観点から、この温度差は30〜150℃がであることがより好ましい。
【0017】
また、本発明の固体高分子型燃料電池は、カソードの触媒層のガス拡散層に接する面において、入口近傍領域に含有される含フッ素重合体が含まれる領域(以下、低TQ領域という)の面積及び出口近傍領域に含有される含フッ素重合体が含まれる領域(以下、高TQ領域という)の面積は、何れも前記面の全面積に対して5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、20%以上であることが更に好ましい。低TQ領域の面積が前記面の全面積に対して5%未満であると、触媒層1内に十分な反応サイトを確保できず高い電池出力を得られなくなる傾向が大きくなる。また、高TQ領域の面積の割合が前記面の全面積に対して5%未満であると、触媒層内の水を十分に排出することが困難となる傾向が大きくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の固体高分子型燃料電池の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の固体高分子型燃料電池の好適な一実施形態を示す模式断面図である。また、図2(a)は、図1に示すセパレータをカソードのガス拡散層側からみた平面図であり、図2(b)は、図1に示すカソード触媒層をカソードのガス拡散層側からみた平面図である。
【0019】
この燃料電池FCは、矩形平板状の単位セルUCと、単位セルUCの両側に配置された2つの矩形状のセパレータSP1とセパレータSP2とから構成されている。また、単位セルUCは、カソード3と、アノード6と、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜PEMとから構成されている。この燃料電池は、例えばメタノールや天然ガス等の燃料を水蒸気改質して得られる水素含有ガス(燃料ガス)がアノード反応ガスとして用いられ、例えば空気等の酸素含有ガスがカソード反応ガスとして用いられる。
【0020】
図1及び図2(a)に示すように、カソード3側に配置されているセパレータSP1のガス拡散層2に接する面F1側には、ガス供給口11と、ガス排出口12と、ガス供給口11に接続されたガス分岐用溝M1と、ガス排出口12に接続されたガス合流用溝M2と、複数の直線状の溝9とが形成されている。
【0021】
図2(a)の場合、ガス供給口11とガス排出口12とは、セパレータSP1の面F1の外周縁の一組の対角部分にそれぞれ形成されている。また、ガス分岐用溝M1とガス合流用溝M2とは、外周縁の一組の対辺部分にそれぞれ互いに平行に形成されている。更に、複数の溝9は、それぞれ一端がガス分岐用溝M1に接続され、他端がガス合流用溝M2に接続されており、互いに平行となるように並列に形成されている。そして、複数の溝9はガス拡散層2と共に複数のカソード反応ガス流路7を画成する。
【0022】
ガス供給口11から供給されたカソード反応ガスは、このガス分岐用溝M1を介して複数のカソード反応ガス流路7に供給されガス合流用溝M2に向けて進行しつつ、同時にカソード3内のガス拡散層2を通過して更に触媒層1内に拡散し、アノード6から水を伴って移動してくるプロトンと外部回路から流入した電子と反応して水を生成する。そして、カソード3内のガス拡散層2から排出される未反応のカソード反応ガスや反応生成水などを含む排ガスは、再び各カソード反応ガス流路7に戻され、ガス合流用溝M2を介してガス排出口12から外部に排出される。
【0023】
また、アノード側6に配置されているセパレータSP2にも以上説明したカソード3側のセパレータSP1と同様の溝10が形成されており、アノード6側のガス拡散層4とアノード反応ガス流路8を形成する。なお、セパレータSP1とセパレータSP2とには、作動中の燃料電池FCを冷却するための冷却水用の流通路に使用する溝(図示せず)が別途形成されている。また、これらのセパレータSP1とセパレータSP2とは、導電性を有し、かつガス不透過性の緻密なカーボン材料や金属材料等から製造される。
【0024】
図1に示すように、ガス拡散電極であるカソード3及びアノード6は、それぞれガス拡散層2及びガス拡散層4と、これらのガス拡散層上に形成された触媒層1及び触媒層5とからなる。
【0025】
ガス拡散層2及びガス拡散層4は、単セルUCに供給された各ガスを触媒層側に円滑かつ均一に供給すると共に、触媒層1及び触媒層5における電極反応によって生じる電荷を単セルUCの外部に放出させる役割や反応生成水や未反応ガス等を外部に放出する役割を担うものである。ガス拡散層2及びガス拡散層4の構成材料としては、例えば、電子伝導性を有する多孔質体(例えば、撥水化剤とカーボン粉末とからなる層が表面に形成されたカーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンとフッ素樹脂からなるカーボン層をカーボン繊維織布上に形成したシート等)が使用される。
【0026】
また、カソード3の触媒層1は、スルホン酸型含フッ素重合体で被覆した表面積の大きな触媒担持カーボン微粒子を主体として構成されている。このような触媒としては白金又は白金合金が好ましい。また、触媒の担体は特に限定されないが、その比表面積が30〜1600m2/gのカーボン材料が好ましい。例えば、カーボンブラックや活性炭などが好ましく使用される。
【0027】
触媒層1は、図2(b)に示すように、ガス拡散層2に接する面F2において、先に述べた各ガス流路7のガス供給口11の側の領域に形成される低TQ領域Aと、ガス排出口12の側の領域に形成される高TQ領域Bとに分割されている。そして、先に述べたように低TQ領域Aに含有されるスルホン酸型含フッ素重合体は、その前駆体のTQが高TQ領域Bに含有されるスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体のTQよりも5〜200℃低い樹脂である。更に、低TQ領域Aの面積及び高TQ領域Bの面積は、何れも触媒層1のガス拡散層2に接する面F2の全面積に対して5%以上となるように形成されている。これにより、触媒層1は、作動中にガス供給口11に近い低TQ領域Aよりもガス排出口12に近い高TQ領域Bに多量の水が蓄積しても、水による内部の細孔の閉塞が防止される。なお、図2(b)においては、低TQ領域Aと高TQ領域Bとの面積比がほぼ1:1となる場合を図示しているが、上記の面F2の全面積に対する面積の割合の条件を満たしていれば、低TQ領域Aと高TQ領域Bとの面積比は特に限定されない。
【0028】
また、触媒層1に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体はいずれもその前駆体のTQが100〜300℃であることが好ましい。前駆体のTQが100℃未満の場合、当該前駆体から得られるスルホン酸型含フッ素重合体は分子量が非常に小さく、その結晶性が著しく低下し、実質的に固体状態を維持するのが困難となる。そのため、電極反応中に触媒層中のスルホン酸型含フッ素重合体が触媒層から溶出したり、触媒層の構造自体を維持することが困難となる。一方、前駆体のTQが300℃を超えると、スルホン酸型含フッ素重合体は分子量が著しく大きくなるため溶媒に溶解しにくくなり、触媒層を形成するための混合液を調製しにくくなる。また、上記と同様の観点から、前駆体のTQは150〜280℃であることがより好ましい。
【0029】
更に、カソード3の触媒層1に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体の含有量については、触媒層1内の導電性を十分に確保する観点と触媒層1内に十分な反応サイトを確保する観点から、触媒とスルホン酸型含フッ素重合体との比率(質量比)の範囲が、触媒の質量:スルホン酸型含フッ素重合体の質量=0.40:0.60〜0.95:0.05であることが好ましく、触媒の質量:スルホン酸型含フッ素重合体の質量=0.60:0.40〜0.80:0.20であることがより好ましい。なお、ここでいう触媒は、触媒担持カーボンなどの担体に担持された担持触媒の場合にはその担体の質量も含むものとする。
【0030】
また、触媒層1内のプロトン伝導性を確保する観点と、触媒層1を形成するための溶液の調製の容易性の観点と、スルホン酸型含フッ素重合体の結晶性を適度に保持する観点とから、触媒層1に含有されているスルホン酸型含フッ素重合体のARは0.7〜1.8[ミリ当量/g乾燥樹脂](以下、meq./gとする)であることが好ましく、0.85〜1.4meq./gであることがより好ましい。
【0031】
更に、触媒層1に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体は、いずれもその前駆体のTQをスルホン酸型含フッ素重合体のARにて除した値(以下、TQ/ARという)が50〜270[℃・g乾燥樹脂/ミリ当量](以下、℃・g/meq.とする)であることが好ましく、150〜270℃・g/meq.であることがより好ましい。このTQ/ARの値が50℃・g/meq.未満であると、スルホン酸型含フッ素重合体の含水率が著しく高くなり触媒層内においてフラッディングが生じ易くなる傾向がある。また、このTQ/ARの値が270℃・g/meq.を超えると、スルホン酸型含フッ素重合体の含水率が著しく低下してイオン伝導率が低下し、カソードにおける過電圧が著しく増大してしまう傾向がある。
【0032】
触媒層1に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体は、触媒層1内において長期間化学的に安定であり速やかなプロトン伝導を可能にする。このスルホン酸型含フッ素重合体は、下記式(A)で表されるパーフルオロビニル化合物に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とからなる共重合体であることが好ましい。なお、下記式(A)中、mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。
CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3H…(A)
【0033】
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(i)〜(iii)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2)qSO3H …(i)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)rSO3H …(ii)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2SO3H…(iii)
【0034】
なお、上記共重合体には、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィン又はパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位が、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位の25質量%以下であればテトラフルオロエチレンに基づく重合単位と置き換わって含まれていてもよい。
【0035】
また、触媒層1の空隙率は、通常のガス拡散電極と同等であればよく、20〜95%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。更に、触媒層1の層厚も、通常のガス拡散電極と同等であればよく、1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。
【0036】
一方、燃料電池FCのアノード6の触媒層5の構造は特に限定されず、例えば、以上説明したカソード3の触媒層1と同様の構造を有していてもよい。また、高分子電解質膜PEMは、湿潤状態下で良好なイオン伝導性を示すイオン交換膜であれば特に限定されない。高分子電解質膜PEMを構成する固体高分子材料としては、例えば、スルホン酸型含フッ素重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。中でも、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体が好ましく、具体的には上述の式(i)〜(iii)で表される化合物が好ましい。
【0037】
以下、図1に示す燃料電池FCの製造方法の一例について説明する。先ず、カソード3の触媒層1に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体を得るために、前駆体を加水分解し、次いで酸型化処理する。前駆体の−SO2F基の部分の加水分解処理は、例えば、NaOHやKOH等の水溶液を使用して行なう。また、酸型化処理は、例えば、塩酸や硫酸等の水溶液を使用し、−SO3Na基、−SO3K基等に変換する。なお、加水分解と酸型化は同時に行ってもよい。
【0038】
次に、例えば、スルホン酸型含フッ素重合体を溶媒に溶解させて溶液を調製し、更にこの溶液に触媒を分散させて触媒分散液を調製する。ここで、本発明においては、カソード3の触媒層1に前述した低TQ領域と高TQ領域を形成するため、少なくとも2種類の触媒分散液を調製する。このとき前述したように、各触媒分散液にはTQの温度差が5〜200℃となる前駆体から得た分子量の異なるスルホン酸型含フッ素重合体を含有させる。すなわち、低TQ領域を形成するための触媒分散液には、TQの低い方のスルホン酸型含フッ素重合体を含有させ、高TQ領域には、TQの高い方のスルホン酸型含フッ素重合体を含有させる。また、スルホン酸型含フッ素重合体を溶解させるための溶媒としては、例えば、アルコール類、フルオロカーボン類、ヒドロフルオロカーボン類、ヒドロクロロフルオロカーボン類、水等が使用される。
【0039】
次に、例えばガス拡散層2上に各触媒分散液を塗布又は噴霧する等し、更に乾燥させてカソード3の触媒層1を形成する。このとき、低TQ領域を形成するための触媒分散液をカソード3の触媒層5の入口近傍領域の所定の部分に塗布し、高TQ領域を形成するための触媒分散液をカソードの触媒層5の出口近傍領域の所定の部分に塗布するようにする。更にこのとき、低TQ領域又は高TQ領域の何れか一方の領域を形成するための触媒分散液を塗布又は噴霧しているときには、もう一方の領域を形成するための触媒分散液を塗布又は噴霧する所定の部分はマスキングしておくようにする。
【0040】
その後、例えば、カソード3と同様にして作製したアノード6との間に高分子電解質膜PEMを配置し、ホットプレスすることにより、電極と高分子電解質膜PEMとを接着させていわゆる電極・膜接合体として単位セルUCを得る。そして、このようにして単位セルUCを完成させ、更に単位セルUCの両側にセパレータSP1とSP2を配置させることにより燃料電池FCが完成する。この場合、プレス温度は、使用する高分子電解質膜PEM及び各触媒層に含有されるスルホン酸型含フッ素重合体のガラス転移温度以上であればよく、通常120〜250℃である。また、プレス圧力は、0.5〜10MPa程度が好ましい。
【0041】
また、触媒分散液には必要に応じて増粘剤、撥水化剤、希釈溶媒を添加してもよい。ただし、撥水化剤は排水性を向上させることができるが、絶縁体であるためその量は少量である方が望ましく、その添加量は0.01〜30質量%が好ましい。また、触媒分散液の粘度は電極の形成方法により好ましい範囲が異なり、数十cP程度の分散液状のものから2万cP程度のペースト状のものまで、広い粘度範囲のものが使用できる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0043】
例えば、上記の実施形態においては、図2(b)に示すように、触媒層1が面F2について、異なるスルホン酸型含フッ素重合体をそれぞれ含む低TQ領域Aと高TQ領域Bとの2つの領域に分割されている場合について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池のカソードの触媒層の構造は、低TQ領域の面積及び高TQ領域の面積は、何れも触媒層のガス拡散層に接する面の全面積に対して5%以上であれば特に限定されるものではない。更に、低TQ領域と高TQ領域の面の形状も特に限定されず、ガス流路の形状に応じて適宜設定してよい。例えば、図2(b)において低TQ領域Aと高TQ領域Bとの間に、更に異なる前駆体のTQの値を有するスルホン酸型含フッ素重合体を含有する少なくとも1つの領域を更に設けてもよい。この場合、例えば、新たに設ける領域に含有されているスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体のTQが低TQ領域Aに近い部分から高TQ領域Bに近い部分にかけて徐々に高くなるようにしてもよい。
【0044】
また、本発明の固体高分子型燃料電池のカソード側に配置されるセパレータに形成される溝は、図2(a)において説明したものに限られず、例えば、図3(a)に示す溝9のようにいわゆるジグザグ状に往復する形状を有する1本の溝でもよい。この場合にも、カソードの触媒層1は、図3(b)に示すように、触媒層1が面F2について低TQ領域Aと高TQ領域Bの2つに分割されていてもよく、上記説明したように図3(b)に示す低TQ領域Aと高TQ領域B以外に、更に異なる前駆体のTQの値を有するスルホン酸型含フッ素重合体を含有する少なくとも1つの領域を設けてもよい。
【0045】
更に、上記の実施形態においては、種類の異なる触媒分散液を用いてカソード3の触媒層1を形成する場合にガス拡散層2上に各触媒分散液を塗布又は噴霧する場合について説明したが、本発明においては、例えば、触媒分散液を図1に示す高分子電解質膜PEM上に直接スクリーン印刷等で塗工し、乾燥後、ホットプレスして高分子電解質膜PEMに圧着させて高分子電解質膜PEMと触媒層との接合体を作製し、その後ガス拡散層2を配置してもよい。また、別途用意したPTFE製等の平板上に触媒層1を塗布や噴霧する等して形成しておき、これを高分子電解質膜PEM(又はガス拡散層2)上に転写してもよい。
【0046】
また、上記の実施形態においては、単位セルのみの構成を有する固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池は、例えば、単位セルを複数積層したいわゆるスタック構造を有するものであってもよい。また、上記の実施形態においては、単位セルとしていわゆる電極・膜接合体の固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池は、例えば、高分子電解質膜をアノードとカソードとで挟持させ、外側から力学的に加圧した状態で使用するものであってもよい。更に、上記の実施形態においては、アノード反応ガスとして水素を主成分とするガスを用いる場合の固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池は、例えば、アノード反応ガスとしてメタノールガスをアノードに直接導入する構成のものであってもよい。
【0047】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の固体高分子型燃料電池の内容を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下に示す実施例及び比較例の固体高分子型燃料電池について、各々のカソードの触媒層の構造の特徴を示すスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体のTQ、スルホン酸型含フッ素重合体のARを表1に示す。
【0048】
(実施例1)
実施例1の単位セルは、以下に説明する手順により作製した。先ず、触媒層内に含有させるスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体を調製した。すなわち、ステンレス鋼製オートクレーブに、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシカーボネートと、CF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2SO2Fとを仕込んだ。次に、このオートクレーブ内の気体を液体窒素で十分にパージした後、CF2=CF2を仕込み、オートクレーブ内の温度を40℃に保持して、バルク重合を開始した。なお、重合反応中のオートクレーブ内の圧力は、系外からCF2=CF2を追加導入することにより一定に保持した。次に、重合開始から10時間後に未反応のCF2=CF2をパージして重合を終了させ、得られたポリマー溶液をメタノールで凝集し、洗浄、乾燥させてスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体となるCF2=CF2/CF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2SO2F共重合体を得た。
【0049】
次に、上記のスルホン酸型含フッ素重合体の前駆体を、ジメチルスルホキシド30質量%及びKOHを15質量%含む混合水溶液中に混入させて加水分解させ、水洗後、1mol/Lの塩酸中に浸漬することでスルホン酸型含フッ素重合体を得た。ここで、重合開始剤の量、重合時の圧力を調整することにより、ARが1.1meq./gであり、前駆体のTQが180℃と230℃と異なる2種類のスルホン酸型含フッ素重合体を合成した。なお、これらのスルホン酸型含フッ素重合体のTQは、合成後の樹脂のTQを測定して確認したものである。
【0050】
触媒分散液は次のようにして調製した。すなわち、触媒分散液LAとして、40質量%白金担持カーボン微粒子と、TQが180℃のスルホン酸型含フッ素重合体とを質量比で2:1となるようにして、エタノール/水の混合溶媒(質量比で1:1)に分散させた液を調製した。また、触媒分散液LBとして、TQを230℃としたスルホン酸型含フッ素重合体を使用した以外の調製条件は触媒分散液LAと同様とした液を調製した。
【0051】
電極のガス拡散層は、アノード、カソードともに撥水性カーボンクロス(繊維織布)を撥水性カーボン粉末層(カーボンブラックとPTFEの混合物)で目詰めした厚さ350μmのものを用いた。
【0052】
次に、触媒分散液LAと触媒分散液LBとを用いて図2(b)に示したものと同様の2つの低TQ領域Aと高TQ領域Bとを有するカソード触媒層を以下の手順により形成した。すなわち、先ず、ガス拡散層の撥水性カーボン粉末層側の表面の低TQ領域Aとなる部分に、白金担持量が0.6mg/cm2となるように触媒分散液LAを塗布して乾燥させた。次に、ガス拡散層の撥水性カーボン粉末層側の表面の高TQ領域Bとなる部分に、白金担持量が0.6mg/cm2となるように触媒分散液LBを塗布して乾燥させた。ここで、全電極面積(領域Aの面積と領域Bの面積との和)に対する低TQ領域Aの面積及び高TQ領域Bの面積の割合(%)はそれぞれ、50%とした。また、この触媒層の厚みは20μmであった。一方、アノードの触媒層は、触媒分散液LAを白金の担持量が0.6mg/cm2となるように塗布、乾燥させて形成した。また、作製したガス拡散電極は、アノード、カソードともに、有効電極面積が25cm2となるように切り出した。
【0053】
次に、高分子電解質膜としてスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体(商品名:「フレミオンHR」、旭硝子社製、AR=1.10meq./g、乾燥膜厚50μm)を使用し、この高分子電解質膜の両側に上記のアノード、カソードを触媒分散液が塗布された面を向けてそれぞれ配置し、ホットプレスを行い接合させていわゆる電極・膜接合体(単位セル)を作製した。
【0054】
(比較例1)
カソード触媒層を触媒分散液LAのみを用いて形成した以外は、実施例1と同様にして電極・膜接合体を作製した。
【0055】
(比較例2)
カソード触媒層を触媒分散液LBのみを用いて形成した以外は、実施例1と同様にして電極・膜接合体を作製した。
【0056】
[電池特性試験]
上記の実施例1、比較例1及び比較例2の各単位セル(電極・膜接合体)にセパレータを装着して測定セルとし、電子負荷と直流電源(高砂製作所社製,FK400L及びEX750L)を用いて電流電圧特性の測定試験を行った。測定条件は、水素出口圧力;0.15MPa、空気出口圧力;0.15MPa、測定セルの作動温度;80℃とし、出力電流密度を0.5A/cm2、1.0A/cm2、1.5A/cm2と変化させた場合における測定セルのセル電圧(端子間電圧)を測定した。これらの各測定セルの試験結果を表2に示す。
【0057】
【表1】
【表2】
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の固体高分子型燃料電池によれば、カソードの触媒層の反応サイトを十分に確保しつつ触媒層のガス流路の出口近傍領域の排水性を向上させ、ガス流路の入口近傍領域の含水率を向上させることが可能となる。そのため、大電流を流した場合であってもフラッディングの発生が十分に防止され、高い電池出力を起動初期から長期間にわたり安定して得ることのできる固体高分子型燃料電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体高分子型燃料電池の好適な一実施形態を示す模式断面図である。
【図2】図2(a)は、図1に示すセパレータをカソードのガス拡散層側からみた平面図であり、図2(b)は、図1に示すカソード触媒層をカソードのガス拡散層側からみた平面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の固体高分子型燃料電池の他の実施形態のセパレータをカソードのガス拡散層側からみた平面図であり、図2(b)は、図1に示すカソード触媒層をカソードのガス拡散層側からみた平面図である。
【符号の説明】
1…カソードの触媒層、2…カソードのガス拡散層、3…カソード、4…アノードのガス拡散層、5…アノードの触媒層、6…アノード、7…カソード反応ガス流路、8…アノード反応ガス流路、9,10…溝、11…ガス供給口、12…ガス排出口、A…低TQ領域、B…高TQ領域、FC…燃料電池、M1…ガス分岐用溝、M2…ガス合流用溝、PEM…高分子電解質膜、SP1,SP2…セパレータ、UC…単位セル。
Claims (5)
- アノードと、ガス拡散層及び触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードの間に配置された高分子電解質膜と、前記カソードの外側に配置された前記カソードと接する面に入口と出口とを有するガス流路が形成されたセパレータとを有する固体高分子型燃料電池であって、
前記触媒層は、触媒と、−SO2F基を有する重合体からなる前駆体を加水分解し酸型化してなる2種以上のスルホン酸基を有する含フッ素重合体とを含有しており、かつ、
前記触媒層における前記ガス流路の入口近傍領域と出口近傍領域とでは異なる前記含フッ素重合体が含有されており、前記入口近傍領域に含有される前記含フッ素重合体は、その前記前駆体の溶融押し出し温度が前記出口近傍領域に含有される前記含フッ素重合体の前記前駆体の溶融押し出し温度よりも5〜200℃低い樹脂であること、を特徴とする固体高分子型燃料電池。 - 前記触媒層に含有される前記含フッ素重合体はいずれもその前記前駆体の前記溶融押し出し温度が100〜300℃であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記触媒層に含有される前記含フッ素重合体はいずれもその前記前駆体の溶融押し出し温度をイオン交換容量[ミリ当量/g乾燥樹脂]にて除した値が、50〜270[℃・g乾燥樹脂/ミリ当量]であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記触媒層の前記ガス拡散層に接する面において、前記入口近傍領域に含有される前記含フッ素重合体が含まれる領域の面積及び前記出口近傍領域に含有される前記含フッ素重合体が含まれる領域の面積は、何れも前記面の全面積に対して5%以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記含フッ素重合体が、下記式(A)で表されるパーフルオロビニル化合物に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とからなる共重合体であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の固体高分子型燃料電池。
CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3H …(A)
[式(A)中、mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。]
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