JP4496544B2 - 屋根上の構造物の支持装置、自在支柱体及び支持構造 - Google Patents

屋根上の構造物の支持装置、自在支柱体及び支持構造 Download PDF

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Description

本発明は、主に屋根上の構造物の支持装置に関し、特に、傾斜面上あるいは傾斜状態で上部構造物を設置する際に用いて好適な屋根上の構造物の支持装置、自在支柱体及び支持構造に関する。
ある構築物の上に、さらに他の構築物を設置して占有空間を有効利用することは、住居の複数階構造、多層構造ビル等においてその着想は実現されている。これらの占有空間の有効利用の発想は、建物に限らず、物品を設置したり整理、収納する台や棚部分その他の場面において生じる。人の住空間を仕切る住居建物や、工場、倉庫、体育館、公共建築物等では、屋根部分の上にさらに簡単な物置空間を増設したり、屋上ベランダ、ロフト構造物その他の上部構造物を付設させたい要望が強い。例えば折板屋根構造の建築物について、それらの折板屋根の上部に他の折板屋根を葺設する着想が特許第3066482号において開示されている。
特許第3066482号公報
上記の従来の特許文献1の二重葺き屋根の構造では、折板屋根のそれぞれの流れ方向が直交するように下地屋根の上方に表屋根を設置したものであり、下地屋根の谷部内にH鋼等の基台を配置し、この基台上に表屋根の山型部の下面側に挿嵌する支持フレームを取り付けた構造である。しかしながら、この二重葺き屋根の構造では、屋根の下方からのあおり風に対して強度が高く、しかも施工時間を短縮し意匠的にも優れた屋根構造を提供するものの、下地屋根の上面に鋼鉄製のH型鋼を数条にわたって載置させるから、該H型鋼の屋根上への運搬や固定作業に手間がかかり、同時に屋根上の重量物の取り付け作業であるから危険を伴うものであった。また、この二重葺き屋根の構造では、H鋼を土台としてその上面にタイトフレームを固定し、このタイトフレームに支持させて他の金属折板を流れ方向を直交方向とするように葺設するだけであり、下地屋根の傾斜に沿って表屋根を取り付けなければならず、例えば下地屋根の上部に屋上ベランダ、簡易の収納庫あるいは倉庫、屋上庭園等の構造物を設置することは困難であった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、建物の屋根の上方離隔位置に任意の上部構造物を安定して設置し得る屋根体上の構造物の支持装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、折板屋根のような傾斜状態で葺設された屋根面の上に水平な床面を直接に設置して支持可能なように上部構造物の支持高さを個別に設定しうる複数の自在支柱体を介して高精度の水平面出しで上部構造物を支持し得る屋根上の構造物の支持装置、自在支柱体並びにそれによる支持構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、建物の屋根部12の上方離隔位置に上部構造物80を配置支持させる支持装置10であり、屋根部12に着脱可能に固定させる固定部16と、上部構造物80を受ける受部18と、固定部16に接続され縦に対向配置された第1側板部921,922を有する第1構造体92と、受部18に接続され第1側板部921,922に密着当接しながら係合するように対向配置される第2側板部941,942を有する第2構造体94と、第1構造体921,922と第2構造体941,942とを連結し、かつ受部18の高さ位置及び横軸周りの揺動変位を可変させつつ、その高さ及び揺動位置で固定するピン係止連結構造と、を有する複数の自在支柱体14aを備え、ピン係止連結構造は、第1、第2側板部のいずれか一方に設けられた縦長孔98と、他方の側板部の上下離隔位置に設けられ受部の揺動方向に長い2つの孔(100,102)と、該縦長孔98(981)と該2つのそれぞれの孔(100,102)とを横方向に貫通して上下離隔位置に配置され第1、第2構造体92,94どうしを連結する2つのピン(104,106)と、縦長孔98の孔981に連続して該縦長孔98(981)から左右に凹設され縦長孔98(981)の長手方向に沿って複数段に設けられた係止凹部982と、を含み、それぞれのピン(104,106)をいずれかの係止凹部982に同時に係止させることにより第1構造体92に対して第2構造体94を支持することを特徴とする屋根上の構造物の支持装置から構成される。受部の縦軸周り回転変位を含む動きで設定される位置で受部を支持するように設けられた構成とするとよい。受部の変位動作の範囲すなわち、上下動、縦軸周り回動、横軸周り揺動の具体的な範囲は、上部構造物の支持強度として適当な範囲で任意の範囲大きさに設定し得る。自在支柱体は基盤体の平面大きさに対して規則的、あるいは不規則的な間隔で配列設置されていてもよい。隣り合う自在支柱体と規則的な間隔で配置されているほうが、上部構造物の勾配や位置調整を行うに際して見当がつきやすいので、施工現場においては有利である。上部構造物は、緑化屋上、屋上ベランダ、倉庫、納戸、簡易事務所、工場、その他の任意用途、任意構造の構造物であってよい。面的に上部構造物を支持する際の分散配置される点状の自在支柱体の支持位置において、高さ位置調整を自在支柱体の個々について行うようにすることで、上部構造物の姿勢、勾配、面出し等を高精度に行える。
また、屋根部は、山形部121と平坦部とを交互に形成して連設させた折板屋根からなり、固定部16は、山形部121を左右両側から挟みつけて折板屋根に着脱可能に固定させる脚板222を有することとしてもよい。新設あるいは既設の建物の上に簡単な施工と、精度の高い勾配や姿勢設定により上部構造物を設置することが可能である。
また、第1、第2構造体92,94のいずれか一方は、その一部が固定部16又は受部18に固定され、対向配置された第1側板部921、922とその上下両端を接続する上下板部923、924とで4面を囲む閉鎖枠体96からなることとしてもよい
また、係止凹部982は、縦長孔の左右両側に互い違いに設けられたこととしてもよい
また、受部18は、上部構造物80の底部構造材82を下面から嵌合支持する枠体23からなるようにするとよい。
また、本発明は、それらの支持装置10に用いられる自在支柱体14から構成される。
さらに、本発明は、上記の支持装置10により支持される上部構造物80の支持構造から構成される。
本発明の屋根上の構造物の支持装置によれば、基盤体の上方離隔位置に上部構造物を配置支持させる支持装置であり、基盤体上に設置され、それぞれ基盤体への固定部と上部構造物を受ける受部とを有して一体化された複数の自在支柱体を含み、自在支柱体は、受部側を所定の範囲で変位させその変位状態で上部構造物を支持させる変位支持機構を有する構成であるから、既設あるいは新設の構造物、設備、施設等の基盤体の離隔上方位置に水平面に沿うような高精度の面出しを保持した上部構造物を簡単に設置することができる。また、任意の上部構造物を微調整を加えながら簡易に設置し得る。また、その際、自在支持体により基盤体と上部構造物とが離隔して設置できるから、それらの間隙の空気断熱層を利用した種々の用途の上部構造物を構築できる。さらに、折板屋根に対して上部構造物を安定的かつ精度高く設置することができるから、折板屋根を利用した安価で短工期のしかも屋上設置物の自由度の高い上部構造物を施工することが可能である。さらに、底部あるいは上面側の床面部分を水平状とした上部構造物を安定支持状態で設置できるから、屋根部の一部を切り欠いて戸付きの出入り口とし、さらに上部構造物の一部を切り欠いて開閉蓋付きの開口を設け、それらを連通状に設置することにより屋根部に室内側から直接に出て上部構造物内で種々の目的、用途での活動を行える。また、そのような構築物を形成し得る。
また、変位支持機構は、少なくとも受部の高さ位置を可変設定する構成とすることにより、自在支柱体による個別の支持位置における支持高さ調整を行えるから、高精度の水平面出しを含む上部構造物側の姿勢や位置設定を自在に行えるばかりでなく、上部構造材との組み付けや具体的な部材間の嵌合を確実に行える。しかも、作業自体は自在支柱体の個別調整作業であるからジャッキ等を使用して簡易に調整が可能である。
また、変位支持機構は、受部の縦軸周り回転変位及び/又は横軸周りの揺動変位を含む動きで設定される位置で受部を支持するように設けられた構成とすることにより、3次元的に自在に受部側の変位調整が可能であり、高精度の上部構造物の組み付け位置設定や姿勢の調整を実現し得る。
また、自在支柱体は、複数の部材どうしをルーズな係合状態で連結して構成させることにより、ボルトナット、フックによるロック、差込式のロックその他の固定手段を介して所要の移動範囲の確保と、調整後の状態でのロック固定を簡易に実現でき、自在支柱体の受部の上下動、縦軸周り回動、横軸周り揺動等の動作を簡易な構成で実現し得る。
自在支柱体は、複数の部材どうしの連通可能な孔に対するルーズなピン係止連結構造を含む構成とすることにより、所要の移動範囲の確保と、調整後の状態でのロック固定を簡易に実現でき、自在支柱体の受部の上下動、横軸周り揺動等の動作を簡易な構成で実現し得る。
係止連結構造が、縦長孔と、この縦長孔を横方向に貫通して配置された複数のピンを含む構成とすることにより、所要の移動範囲の確保と、調整後の状態でのロック固定を簡易に実現でき、自在支柱体の受部の上下動、横軸周り揺動等の動作を簡易な構成で実現し得る。
さらに、複数のピンは軸径が異なるものを含む構成とすることにより、横軸周り揺動の際の揺動範囲をある程度大きくとることができる。
自在支柱体は、複数の部材どうしの縦軸方向に螺進退する縦方向螺合構造を含む構成であるから、自在支柱体を一体的に組み付け構成し、自在支柱体の支柱機能を行いつつその縦軸周り回動変位構成を実現し得る。
また、連結される複数の部材は、固定部に接続され縦に対向配置された第1側板部を有する第1構造体と、受部に接続され第1側板部に密着当接しながら係合するように対向配置される第2側板部を有する第2構造体と、を含み、第1側板部と第2側板部とがピン係止連結構造で連結された構成とすることにより、対向配置されて密着当接される側板部を含む構造体を連結させて、自在支柱体にかかる縦方向又は横方向を含む種々の方向から加わる力に対する強度が高い構成を実現できる。その結果、上部構造体の荷重又は横揺れや振動にも十分耐えうるように安定に支持できる。特に、例えば、人が行き来するベランダや居住空間や物置などの耐荷重性を強く要求される上部構造体にも有効に利用できる。また、自在支柱体自身の強度が高いので、支持装置に用いられる自在支柱体の総数を比較的少なくさせても強度を保持でき、支持装置の施工時の労力低下、及び施工コストの低廉化を図れる。
また、第1、第2構造体のいずれか一方は、その一部が固定部又は受部に固定される閉鎖枠体からなる構成であるから、一体的に形成される閉鎖枠体により、構造体の強度を向上させ、自在支柱体の強度を大幅に向上させる。
縦長孔は、ピンを貫通させた状態で縦方向に移動させる縦方向連通部と、縦方向連通部に連通しつつ、ピンを縦方向連通部からその貫通方向と交差する横方向に移動させて該ピンを上下に移動させないように係止させる1段又は複数段の係止凹部と、を有する構成とすることにより、例えばボルトを縦方向連通部内で縦方向に移動させて受部側を上下方向に移動して受部を高さ調整できると同時に、高さ調整させた後にボルトを係止凹部に係止させることで、強風や地震による揺れなどでボルトナット連結が緩んでもボルトが下方にずれるのを防止でき、受部側の高さ調整位置を良好に保持することができる。
また、固定部が基盤体に対して着脱自在に固定させる着脱固定部材を有する構成とすることにより、既設の建物や構造物の上部に対して上部構造物を簡易に設置できる。
また、基盤体が建物の屋根部からなる構成とすることにより、建物の上部に他の上部構造物の設置を具体的に行える。
また、基盤体が山形部を含む折板屋根からなり、固定部が山形部に着脱可能に固定される着脱固定部材を有する構成とすることにより、折板屋根を有する建物の上部に他の上部構造物を簡易に設置でき、特に、住居用の建物などでは屋根構造材を簡素化でき、材料、設備コストの大幅な削減を達成しうるばかりでなく、工期短縮、施工の簡素化を実現し得る。
また、固定部が山形部を左右両側から脚板を挟みつけて基盤体に固定される構造を有する構成とすることにより、折板屋根について上下に貫通する孔を設けずに施工し得るから、折板屋根の耐久性を保持しつつ同時にその上部への上部構造物の高精度、かつ簡易な設置を実現し得る。
また、受部は、上部構造物の底部構造材を下面から嵌合支持する枠体からなる構成とすることにより、底部構造材としての例えば梁材などを直接に受けて支持することができ、上部構造物の支持構成を簡素化できて、材料、施工コスト低減、施工時間を短いものとすることができる。
上記同様に、支持装置を構成する自在支柱体は上記の支持装置を具現化しうる。また、支持装置により支持させた上部構造物の支持構造を得ることができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1ないし図8は、本発明の参考例に係る屋根上の構造物の支持装置並びにそれに適用される自在支柱体、さらにはその支持構造を示している。本発明の屋根上の構造物の支持装置は、二次元的あるいは面的に広がりを持った基盤体の上方離隔位置に同じく二次元的あるいは面的に広がりを持った他の構造物である上部構造物を設置施工する際に用いられる装置であり、例えば、図7、8に示すように建物の屋根面の上方位置に屋上ベランダや屋上庭園等のフラットな床部を有する構造物を設置する場合の例を示している。なお、上部構造物は、この例に限らず、簡易収納庫、倉庫、室、その他の任意の構造物を設置するようにしてもよい。
参考例において、例えば図5に示すように建物屋根面を金属折板屋根から構成したものを基盤体とした例を示す。図5において、基盤体12は、山形部121と、平坦部122を交互に形成して連設させた公知の金属折板屋根であり、この金属折板屋根は梁材123上に立設された支持フレーム124(タイトフレーム)により上方からの圧接嵌合により固定されている。支持フレーム124は金属折板屋根の断面形状よりやや小さい形状でほぼ同じ正面形状の曲げ帯板部材からなり、金属折板屋根を下面側から支持する。支持フレーム124の山部の頂部には堅いブロック状の可動頭部125(図2)が取り付けられており、折板屋根の取り付けの際にある程度動いて嵌合を確実に生じさせるようにする。支持フレーム124への金属折板屋根の取り付け固定に際しては、ボルト等による金属板の貫通孔への貫通による固定は使用されておらず、単に上方からの圧接嵌合固定のみにより、雨水等の浸入による漏水、錆付き等のない耐久性を有する構造となっている。金属折板屋根の山形部121は、図2に示すように、平坦部から接続する両斜面部のやや上部寄り位置に戻り凹部126を有している。
参考例において、支持装置10は、図5、6、7に示すように基盤体12上に設置される複数の自在支柱体14を含む。自在支柱体14は、下部側に位置する基盤体12上に複数個分散設置されて基盤体12の離隔上方位置に上部構造物80を下部から点状に支持させる支持手段であり、支柱体として上部構造物の底面側を面全体に対して点状となる位置で個別に支持する。この自在支柱体は、上部構造物を下面側から受ける部分を所定の範囲で変位させ、特に上下高さ方向の支持位置を変更させて上部構造物の水平面出しを高精度にかつ安全、確実に行える。
参考例において、自在支柱体14は、基盤体12へそれ自体を固定させるための固定部16と、上部構造物80を受ける受部18と、変位支持機構20と、を備えている。図1において、自在支柱体14は、複数の部材を組み合わせ連結させて構成されている。本参考例では縦長状の支柱となるように連結されているが、その連結の形態は限定されず、単に短い柱状としたものやその他の任意の組み付け形態であってもよい。
参考例において、詳細には図1のように、自在支柱体14は、相互にルーズな係合状態で連結した複数の部材どうしの連結構造により一体的に組み付けられて構成されている。すなわち、図において、自在支柱体14は固定部としての取付金具22と、受部としてのコ字枠体23と、取付金具との接続部位に設けられた第1ルーズ連結部24と、コ字枠体との接続部位に設けられた第2ルーズ連結部25と、第1、第2ルーズ連結部とのそれぞれと、両端側で連結させた縦方向螺合構造26と、を含む。
より詳細には、取付金具22は、図2、図5に示すように、上部平坦部221を相互に重ね合わせられこれら上部平坦部に連設される脚板222の下端部に、折板屋根の戻り凹部126に係着するところの左右の対向フック部223を有する一対の組み合わせ金具からなり、上部平坦部221を重ね合わせた状態でボルト28固定することによりフック部223を折板屋根の戻り凹部126に強固に加締め付けられて図2のような状態で該取付金具22が折板屋根の山形部121に連結固定される。このとき、取付金具22はその脚板222を折板屋根の山形部121の両側から挟みつけるようにして基盤体としての折板屋根に固定される。
取付金具の上部平坦部を重ね合わせた状態の上部側の上部平坦部221上には、図2のように縦方向長さが横方向よりも長い長孔30付きL型金具32が固定されている。L型金具32は上方に立ち上がる縦長板部に2個の孔30、31(例えば丸孔)が離隔位置に穿孔されている。このL型金具32は、縦長板部321にL字状に屈曲されて一体化された横板部322を重ね合わせられた上部平坦部221の上面に面を密着させるようにしてボルト28により2枚の上部平坦部221と該横板部322とを孔貫通させてナットを介して締め付け固定されている。したがって、固定部としての取付金具22は折板屋根に対して着脱可能とされ、着脱固定部材を構成する。
一方、図1ないし図4において、受部としてのコ字枠体23は、断面コ字状に屈曲させた金属板からなり、上部構造物80の例えば底部構造材82を下面から嵌合支持しやすいようになっている。なお、受部の構造は、このようにコ字枠体構成に限ることなく、単なる上下に面を有する平板、上部開口の容器構造、溝付き底板材、その他任意の構造物の部位を受けるものであってもよい。参考例において、コ字枠体23の下面中央部には縦に垂下して受部接続板としての受部金具34が上端部をコ字枠体23の下面に溶接固定されて取り付けられている。この受部金具34には、長孔36が縦長で穿孔されている。
上記した上下の受部金具34及びL型金具32に対し、それらの孔30、31、36と貫通孔となる孔を有する中間連結体38が設けられ、この中間連結体38と受部金具34並びにL型金具32とが連結されることにより、それらに連結固定される受部18(コ字枠体23)と固定部16(取付金具22)とが一体化されて自在支柱体14を構成している。
中間連結体38は、受部金具34及びL型金具32の中間にあって両者を連結接続するとともに、本参考例において、受部金具34及びL型金具32とともに、自在支柱体14の受部18の上下高さ調整設定構成並びに横軸周り回転変位構成を実現している。さらに、本参考例において、この中間連結体38はそれ自身が縦方向を螺合進退方向とするように中間で螺合連結されており、これによって、固定部16の固定状態で受部18のみを縦軸周りに回転変位させることができるようになっている。
図1、2において、中間連結体38は、長ナット40と、その両端に縦長状に連結接続された第1、第2連結板42、44と、を含む。第1連結板42は、L型金具32の縦長板部321とほぼ同様のサイズの縦長金属板からなり、該縦長板部321と面合わせされて密着され、最終的に連結固定される。第1連結板42にはL型金具の孔30、31と同時に連通しうる縦長と幅サイズの縦長孔46が穿孔されており、第1連結板42とL型金具32とが面合わせ密着させられたときにL型金具の孔30,31と同時に貫通する。孔30,31には、それぞれ縦長孔46を横方向に向けて貫通して上下位置に2個のボルト48,50が貫通配置されている。また、これらは、それぞれ座金49,51を介してナット52,54により貫通裏面側において、締着固定される。この第1連結板42の上端には第1のボルト軸体56が溶接固定されて先端側を上方に向けて配置されている。ここで、2個のボルト48,50の軸径は、L型金具32の孔30,31を貫通した状態である程度のガタツキを有する程度の大きさに設定されている。また、同様に、ボルト48,50の軸径はそれらのボルトが第1連結板42の長孔46を貫通した際に長孔の横幅方向にガタツキをもってある程度移動しうる程度の大きさに設定されている。この2個のボルト48,50の中心軸が第1横軸X1、第2横軸X2となり、L型金具に対して中間連結体を複数の横軸X1,X2周りに揺動方向に移動させるようになっている。さらに、上部のボルト48の軸径V1は、下部のボルト50の軸径V2よりも小さく設定されている。下側のボルト軸のほうが上側のそれよりも大きく設定することにより、横軸周りの揺動変位の範囲をより広く設定し得る。これによって、中間連結体38とL型金具32とは複数の部材どうしの連通可能な孔に対するルーズなピン係止連結構造で連結され、これによって両者は相互に高さ位置調整及び設定高さ位置での固定を自在に行えると同時に、この下部側のピン係止連結構造部分より上方部分を揺動方向に移動可能とし、その移動位置で固定させることができる。特に、上下に配置した2個のボルト48,50を締め付け、あるいは緩めることが自在であり、揺動方向の微調整を確実に行えるとともに、上下離隔した2個のボルトにより揺動方向の移動と設定位置での固定を容易な操作により実現させている。なお、2個のボルト48,50の軸径は、同じものを用いてもよい。
第2連結板44は、受部金具34とほぼ同様のサイズの縦長金属板からなり、受部金具34と面合わせされて密着され、最終的に連結固定される。第2連結板44には受部金具34と同時に連通しうる縦長と幅サイズの縦長孔58が穿孔されており、第2連結板44と受部金具34とが面合わせ密着させられたときに受部金具34の長孔36と貫通する。そして、受部金具34の長孔36と第2連結板44の縦長孔58とを貫通して上下位置に2個のボルト60,62が貫通配置されている。また、これらは、それぞれナット64,66により貫通裏面側において、座金68,70を介して締着固定される。この第2連結板44の下端には第2のボルト軸体72が溶接固定されて先端側を下方に向けて配置されている。ここで、2個のボルト60,62の軸径は、受部金具34の長孔36を貫通した状態である程度のガタツキを有する程度の大きさに設定されている。また、同様に、ボルト60,62の軸径はそれらのボルトが第2連結板44の縦長孔58を貫通した際に長孔の横幅方向にガタツキをもってある程度移動しうる程度の大きさに設定されている。この2個のボルト60,62の中心軸が第3横軸X3、第4横軸X4となり、中間連結体に対してコ字枠体側を複数の横軸X3,X4周りに揺動方向に移動させうるようになっている。これによって、中間連結体38と受部金具34とは複数の部材どうしの連通可能な孔に対するルーズなピン係止連結構造で連結され、これによって両者は相互に高さ位置調整及び設定高さ位置での固定を自在に行えると同時に、中間連結体に対してその上方部分を揺動方向に移動可能とし、その移動位置で固定させることができる。そして、この場合においても、上下に配置した2個のボルト60,62を締め付け、あるいは緩めることが自在であり、揺動方向の微調整を確実に行えるとともに、上下離隔した2個のボルトにより揺動方向の移動と設定位置での固定を容易な操作により実現させている。また、2個のボルト60,62の軸径は、例えば下側のボルト軸のほうが上側のそれよりも小さく設定して、横軸周りの揺動変位の範囲をある程度広く設定してもよいのは、上記の固定部側の場合と同様である。また、横方向に長孔46,58を貫通するボルトはそれぞれ2個以上であってもよい。
長ナット40は、第1、第2連結板42,44の中間位置に設置されて両者に連結され、中間連結体38の本体部分を構成する装置であり、本参考例では特に、固定部16に対して相対的に受部18を縦軸周りに回転変位させ、受部が支持する上部構造体の梁材等の姿勢や位置等に対応して調整変更可能な縦軸周り回転変位装置の一部を構成している。縦軸周り回転変位装置は、具体的には、複数の部材どうしの縦軸方向に螺進退する縦方向螺合構造26を含み、長ナット40の両端にそれぞれ第1、第2のボルト軸体をねじ回し操作することにより受部18の縦軸周り微調整移動ができるようになっている。すなわち、長ナット40は、中空内径部にねじ溝を螺刻した縦長のナットであり、上下両端開口側から第1、第2のボルト軸体をねじこみして螺合連結される。そして、長ナット40及び第1、第2ボルト軸体の縦方向の中心軸が縦軸Zとなっており(図2参照)、この縦軸Z周りに受部18が回転変位できる。本参考例では、第1、第2ボルト軸体は緩み防止ナット74,76を介してそれぞれ長ナットの上下両端に螺着固定されている。なお、本参考例では、コ字枠体23が折板屋根の流れ方向に(山形の形状連続方向に)対して上部構造体の底部構造材82の長手方向が平面視直交方向になるように縦軸周りに調整されている。すなわち、折板屋根の流れ方向と底部構造材を直交に配置させて構造全体の強度を保持している。なお、必要に応じて、コ字枠体を縦軸Z周りに回転調整して、底部構造材82を折板屋根の山形又は谷部の連続方向に対して平行方向にしてもよく、所要の交差方向に自在に設定して固定することもできる。
ここに、変位支持機構20は、第1、第2連結板42,44と、L型金具32、受部金具34との貫通孔に対するボルトあるいはピン係止のナット連結構造を含む。さらに、これによる高さ受部の高さ調整機構を含む。さらに、横向きに貫通孔を挿通し突出側をナット固定連結された複数のボルト48,50,60,62を含む。固定部側のボルト孔30,31、縦長孔46とこれを貫通するボルト48,50は横軸周りの揺動変位機構を構成する。さらに、L型金具32と中間連結体38の第1連結板42との、孔30,31、長孔46、ボルト48,50、ナット52,54等のルーズな連結による第1ルーズ連結部24を構成する。この場合、上下に2個貫通したボルト48,50により揺動範囲が規制され、かついずれのボルトも揺動軸としての横軸X1,X2として機能する。また、受部側の長孔36、縦長孔58と、これを貫通するボルト60,62もまた横軸周りの揺動変位機構を構成する。そして、受部金具34と中間連結体38の第2連結板44との、長孔36、58、ボルト60,62、ナット64,66等のルーズな連結による第2ルーズ連結部25を構成する。この場合、上下に2個貫通したボルト60,62により揺動範囲が規制され、かついずれのボルトも揺動軸としての横軸X3,X4として機能する。
上記のように、自在支柱体14は、複数の部材同士のルーズな係合状態連結構造、ルーズなピン係止連結構造を有するとともに、縦軸方向に螺進退する縦方向螺合構造を有している。これによって、固定部16を下部の基盤体12に固定支持させた状態で、上部構造物80を受ける受部18側を高さ調整、縦軸周り調整、横軸周り調整自在とし、さらにその状態で支柱を固定保持させるから、例えば基盤体がゆるい傾斜面を有するような構造体の上部に他の構造物を設置したいような場合に、確実かつ高精度に面出しと施工を行なうことが可能である。本参考例では、図1,2,4,5に示すように、受部18は、上部構造物80の梁材等の底部構造材82を下面から嵌合支持する枠体から構成されている。このような、底部構造材を直接に受部18で受けさせて施工ができ、かつその変位を自在に行えるから高精度の面出し施工を具現化できる。
次に、図3ないし図7も参照しつつ参考例の基盤体上の構造物の支持装置等の作用について説明する。本支持装置10を用いて上部構造物の支持を行うに際し、装置を構成する各自在支柱体14は、それぞれ中間連結体38と、受部18、固定部16とは緩い係合状態で連結しておく。すなわち、中間連結体38の第2連結板44と受部金具34との長孔36,58どうしを貫通して緩い締め付け状態でボルト、ナット連結60,62,64,66を行っておくとともに、第1連結板42とL型金具32との長孔46とボルト孔30,31とを貫通して緩い締め付け状態でボルト、ナット連結48,50,52,54を行っておく。施工に際しては、まず固定部16の取付金具22の対向フック部223を折板屋根の戻り凹部126に係着させてボルト28を締め付け固定する。この作業を図5〜図7のように、すべての自在支柱体14について行って固定する。なお、固定作業後にも折板屋根の水流れ方向に固定位置を移動させることはボルトを緩めることにより簡単に行って調整や修正作業を行える。そして、予め設計された梁材123を受部18のコ字枠体に嵌合させる。一般に、折板屋根の場合には、図7のように、雨水が屋根表面側に滞留して荷重をかけたり、あるいは漏水、錆付き等を生じさせないように例えば5度以上程度の勾配を設けて設置することが通常であり、このような場合に、離隔上方位置に設置する上部構造物80は、その底部を勾配のない水平面に沿うような面で構成する必要がある場合が通常である。すなわち、図7の例では、折板屋根は左から右方向に向けて右下がり状に屋根面が設置されているとともに、上方の上部構造物80の底部は水平状に設置してある。
仮止め状の自在支柱体14の高さ調整を含む受部18の変位調整は変位支持機構20を介して簡単に行える。本参考例では、前述のように、図3に示すように、高さ調整、縦軸周り位置調整、横軸周り位置あるいは揺動位置調整を自在に行える。すなわち、固定部側のボルト48,50、ナット52,54の締め付け、緩め操作によりL型金具32の縦長板部321と中間連結体38の第1連結板42との上下の接合位置を調整し、受部18の高さ位置調整(K1方向調整)を行える。また、受部側のボルト60、62、ナット64、66の締め付け、緩め操作により受部金具34と中間連結体38の第2連結板44との上下の接合位置を調整し、受部18の高さ位置調整(K1方向調整)を行える。また、中間連結体38の長ナット40と第1、第2連結体42,44の第1、第2ボルト軸体46,72との螺合位置を調整し、その任意回動位置でWナットとして機能する固定用の緩み防止ナット74,76で固定できる。これによって、受部18は固定部16に対して任意の縦軸周り(L方向調整)位置に変位可能となっている。さらに、固定部側となる第1連結板の長孔46にガタツキを有する軸径のボルト48,50が複数個、つまり2個横方向を軸方向として設けたルーズな係合状態で係止されるから、図3上揺動方向(M1方向)に受部側が移動可能である。また、受部側となる第2連結板44の長孔58および受部金具の長孔36にガタツキを有する軸径のボルト60、62が複数個、つまり2個横方向を軸方向として設けたルーズな係合状態で係止されるから、図3上揺動方向(M2方向)に受部側が移動可能である。これらの変位調整はすべてボルト、ナットの締め付け緩め操作により行われ、締め付け状態で強固な支柱構造を構成しうる。また、それらの調整移動操作は個別の自在支柱体ごとにできるから、調整作業も簡単で労力も少ない。これによって、例えば図8に示すように、金属折板屋根R上に上部構造物80としての屋外ベランダを設置することができる。この装置を用いると、図のように、建物Cの屋根を折板屋根で構成でき、屋根部の構造が極めて簡単となり、材料コストならびに施工コストを低廉とし、かつ工期を大幅に短縮できる。また、金属の折板屋根としても図7に示すように、基盤体12である折板屋根と上部構造物80との間には空隙層Sが形成されるから、断熱効果を有し夏季の室内空調用電力コストの節約にも貢献し得る。上部構造物の構築については、上記のように、底部を水平面に沿った構造で設置できるから、テラス、床、棚、倉庫、簡易作業場、事務所、その他の任意の構造物を構築しうる。なお、支持装置10は、上述のような一方に傾斜させる金属折板屋根を基盤体とするものに限らず、例えば、切妻、寄棟、片流れ、蒲鉾型屋根等、その他傾斜状、水平状の種々の既設、新設の基盤体上に、底部が水平面の又は所要の勾配で傾斜する上部構造物を構築することができる。例えば、所要勾配の傾斜に設けられる切妻屋根の上に、底部を水平面又は、屋根と平行な傾斜面、屋根の勾配よりも緩やかな傾斜面、急な傾斜面、屋根の傾斜と逆の傾斜面等任意の面を有する上部構造体を構築することもできる。
図9ないし図12は、支持装置10の自在支柱体の第1の実施形態を示している。以下、図を参照しつつ自在支柱体の第2実施形態について説明するが、上述の参考例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。本実施形態において、自在支柱体14aは、固定部16と、受部18と、変位支持機構20と、を備えおり、複数の部材どうしをルーズな係合状態で組み合わせて一体的に連結されて構成されている。本実施形態では、自在支柱体14aは連結される複数の部材の構成が上記実施形態とは異なっており、自在支柱体14aは、固定部16としての取付金具22と、受部20としてのコ字枠体23と、取付金具22に接続されつつ第1側板部921,922を有する第1構造体92と、コ字枠体23に接続されつつ第1側板部921,922に密着当接しながら係合する第2側板部941,942を有する第2構造体94と、を有している。そして、第1側板部921,922と第2側板部941,942とがピン係止連結構造で連結されている。すなわち、後述のように第1、第2側板部にはそれらを貫通するボルト貫通用の孔が形成され、ボルトナットにより一体的に連結されている。
本実施形態では、第1構造体92は、図9、図10に示すように、側面視で上下左右の4面を囲むように4枚の金属板を対向2面を開口した箱型に一体接続させた縦長の閉鎖枠体96からなる。閉鎖枠体96は、縦方向に対向配置された一対の第1側板部921,922と、該側板部の上下両端を横方向に一体的に接続する上下板部923、924と、を有している。閉鎖枠体96は、例えば、横長矩形状の金属板を側面視矩形状になるように数個所で直角に折り曲げて閉鎖矩形枠を形成し、その端部どうしを溶接接合することにより形成されている。閉鎖枠体96は、複数の板部を閉鎖枠状で立体的かつ一体的に組みつけられた構造体の構成であるから、高い強度を有している。この閉鎖枠体96は、その下板部924を取付金具22の重ね合わせた上部平坦部221の上部側に密着させるように配置されており、ボルト28により2枚の上部平坦部21と下板部924とを孔貫通させてナットを介して締め付け固定されている。ボルト28ナットを少し緩めることで、閉鎖枠体96及びその上方側は、ボルト28の中心軸を縦軸Zaとして該縦軸Za周りに回転変位できるようになっており、取付金具22に対して任意の回転変位状態でナットを締め付けて固定される。第1側板部921、922の正面視での左右略中央には、異形形状で縦方向に長い異形縦長孔98が穿孔されている。
第2構造体94は、図9、図10、図11に示すように、下向きにコ字開口させた断面コ字状に金属板を屈曲して形成された連結コ字枠体97を含む。すなわち、連結コ字枠体97は、縦に対向配置される板部分を第2側板部941,942としている。連結コ字枠体97は、閉鎖枠体96に上方側から、略嵌合状に、第2側板部941,942が閉鎖枠体96の第1側板部921,922を外面側から挟むように配置され、該第2側面板の対向内面を第1側板部の対向外面に密着当接させた状態で係合されている。本実施形態では、受部18としてのコ字枠体23と連結コ字枠体97は同一の金属板部材から一体的に形成されている。本実施形態では、例えば、上下左右方向に十字状に突設させた突設板部を含む十字金属板を、十字交差の矩形部分をコ字枠体23の下面板となるように、対向一対の突設板部を上方側に屈曲し、もう一方の対向一対の突設板部を下方側に屈曲して、上方側にコ字枠体23が、下方側に第2側板部が形成されている。受部18と連結コ字枠体97とが一体的な構造となっているので、これらの連結強度が高く、自在支柱体の強度を向上させうる。
図9、図10、図11にも示すように、それぞれの第2側板部941,942の下寄り側には、上下に円弧内側を対向させた2個の円弧孔100、102が穿孔されている。これらの円弧孔100、102は、第1、第2側板部を密着当接して係合させた際に、それぞれ第1側板部921,922の異形縦長孔98に貫通され、かつそれらを同時に貫通するように上下の円弧孔に一本ずつ、計2個のボルト104,106が貫通配置されている。これらのボルト104,106は、ナット108,110により貫通裏面側において締着固定される。なお、ボルトナットの座と第2側板部と締付部の間には、座金112、114が介装されている。ボルト104,106の径は、円弧孔100,102、異形縦長孔98に対してある程度ガタツキを有する程度の大きさに設定されている。さらに、上部のボルト104の軸径は、下部のボルト106の軸径よりも小さく設定されている。なお、2個のボルトの軸径は、同じものを用いてもよい。ボルト104,106が円弧孔100,102の円弧に略沿うように移動しうることにより、2個のボルト104,106の軸をそれぞれ横軸Xa、Xbとして、第2側板部の第1側板部に対する横軸周りの回転変位を実現している。この際、円弧孔の弧長さによって揺動範囲が規制される。これによって、第1、第2構造体の第1、第2側板部どうしの連通可能な孔(異形縦長孔、円弧孔)に対するルーズなピン係止連結構造で連結され、その結果、この固定部側に対して受部側となるコ字枠体23を横軸周りの揺動方向(図13上、M3方向)に移動可能とし、その移動位置で固定させることができる。特に、上下に配置した2個のボルト104,106を締め付け、あるいは緩めることが自在であり、揺動方向の微調整を確実に行えるとともに、上下離隔した2個のボルトにより揺動方向の移動と設定位置での固定を容易な操作により実現させている。
一方、異形縦長孔98は、図9、図12、図13に示すように、2個の貫通配置されたボルト104,106を縦方向に移動させる縦方向連通部981と、縦方向連通部981に連通しつつ該連通部の横幅からさらに横方向に凹設された複数段の係止凹部982と、を含む。縦方向連通部981は、例えば、異形縦長孔の縦方向に略直線状に連通された縦長孔部分であり、ボルトを上下に移動可能とさせて、第1、第2側板部の上下の接合位置を調整し、受部18としてのコ字枠体23の高さ位置を調整(図13上、K1方向調整)可能としている。係止凹部982は、例えば、縦方向連通部981の左右両側に段違いで縦方向連通部からその貫通方向に対して横方向に交互に略半円状にその貫通方向から横方向に凹設されている。係止凹部982は、少なくともボルトの径よりも大きな径で設定されており、ボルト104,106を係止凹部内に横移動させうるとともに、係止凹部内では該ボルト104,106が上下に移動されないように係止される。これにより、コ字枠体23の高さ調整位置でボルトが係止凹部に係止されることで、例えば、台風や地震等でボルトナット連結が緩んだ場合でもボルトが下にずれるのを防止できる。すなわち、受部の高さ調整位置を良好に保持でき、自在支柱体の縦方向に対する耐久力を向上させ、支持装置全体による上部構造体の支持強度を向上させる。図13においては、上部側のボルト104を右側の係止凹部側に係止され、下部側のボルト106は左側の係止凹部側に係止させて、2個のボルトを互い違いに係止させている。なお、2本のボルトを同時に又はいずれか一本のボルトのみを右側又は左側の係止凹部に係止させることとしてもよい。
本実施形態では、変位支持機構20は、第1、第2側板部に設けられた異形縦長孔98、円弧孔100,102と、ボルト104,106と、を含み、これらのボルトナット連結構造を含む。そして、これらの貫通孔とボルトとの構成により、第1、第2側板部がピン係止連結構造で連結され、受部側の高さ位置調整構造及び横軸周りの回転変位構造を実現している。さらに、変位支持機構20は、閉鎖枠体96と取付金具22とのボルトナット構造を含む。そして、閉鎖枠体の取付金具に対する縦軸周り構成により、受部の縦軸周りの回転変位構造を実現し、受部18を取付金具22に対して縦軸Za周り(図13上、L方向)に回転変位させて、その変位位置で固定させることができる。
自在支柱体14aを上述のように構成することにより、本実施形態においても、固定部16の固定状態で受部18側を高さ調整、縦軸周り回転変位、横軸周り回転変位自在とするとともに、その状態で固定保持することができる。よって、例えば、図5ないし図8に示すような屋根上の構造物の支持装置10における自在支柱体として用いることができる。特に、上記参考例に比べて、本実施形態に係る自在支柱体14aは部材どうしの連結構成の強度が高いので、上部構造体からの荷重又は横揺れや振動にも十分耐えて該上部構造体を安定して支持できる。また、例えば、支持装置10に用いられる自在支柱体の総数を減らしても強度を保持でき、支持装置の施工時の労力低下、及び施工コストの低廉化を図れる点で有利である。
以上説明した本発明の屋根上の構造物の支持装置、自在支柱体及び支持構造は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の屋根上の構造物の支持装置、自在支柱体及び支持構造は、基盤体となる既設,新設の構造物あるいは構築物の離隔上方位において、人の住居用室、工場、倉庫、体育館、公共建築物、作業場等、棚、テラス、ベランダその他の種々の構造物の設置に好適に用いることができる。
本発明の参考例に係る一部に基盤体及び上部構造物とともに示す屋根上の構造物の支持装置を構成する自在支柱体の拡大正面図である。 図1の自在支柱体の側面説明図である。 図1の自在支柱体の作用説明図である。 図1の自在支柱体の受部の拡大作用説明図である。 図1の自在支柱体を用いた支持装置の一部省略斜視説明図である。 図5の支持装置の一部省略断面説明図である。 図1の自在支柱体を用いた支持装置による基盤体と上部構造体を同時に示す概略側面説明図である。 図7の構築物の斜視説明図である。 自在支柱体の第1の実施形態の拡大正面図である。 図9の自在支柱体の側面説明図である。 図9の自在支柱体の受部と第2構造体側の分解正面図である。 図9のA−A線の要部断面説明図である。 図9の自在支柱体の作用説明図である。
10 支持装置
12 基盤体
14 自在支柱体
16 固定部
18 受部
20 変位支持機構
24 第1ルーズ連結部
25 第2ルーズ連結部
26 縦方向螺合構造
30,31 ボルト孔
32 L型金具
34 受部金具
38 中間連結体
40 長ナット
42,44 第1、第2連結板
46 縦長孔
48,50 ボルト
51,52 ナット
60,62 ボルト
64,66 ナット
80 上部構造物
82 底部構造材
92 第1構造体
921、922 第1側板部
94 第2構造体
941,942 第1側板部
96 閉鎖枠体
98 異形縦長孔
100、102 円弧孔
104,106 ボルト
108,110 ナット

Claims (7)

  1. 建物の屋根部の上方離隔位置に上部構造物を配置支持させる支持装置であり、
    屋根部に着脱可能に固定させる固定部と、
    上部構造物を受ける受部と、
    固定部に接続され縦に対向配置された第1側板部を有する第1構造体と、
    受部に接続され第1側板部に密着当接しながら係合するように対向配置される第2側板部を有する第2構造体と、
    第1構造体と第2構造体とを連結し、かつ受部の高さ位置及び横軸周りの揺動変位を可変させつつ、その高さ及び揺動位置で固定するピン係止連結構造と、を有する複数の自在支柱体を備え、
    ピン係止連結構造は、第1、第2側板部のいずれか一方に設けられた縦長孔と、
    他方の側板部の上下離隔位置に設けられ受部の揺動方向に長い2つの孔と、
    該縦長孔と該2つのそれぞれの孔とを横方向に貫通して上下離隔位置に配置され第1、第2構造体どうしを連結する2つのピンと、
    縦長孔の孔に連続して該縦長孔から左右に凹設され縦長孔の長手方向に沿って複数段に設けられた係止凹部と、を含み、
    それぞれのピンをいずれかの係止凹部に同時に係止させることにより第1構造体に対して第2構造体を支持することを特徴とする屋根上の構造物の支持装置。
  2. 屋根部は、山形部と平坦部とを交互に形成して連設させた折板屋根からなり、
    固定部は、山形部を左右両側から挟みつけて折板屋根に着脱可能に固定させる脚板を有する請求項1記載の屋根上の構造物の支持装置。
  3. 第1、第2構造体のいずれか一方は、その一部が固定部又は受部に固定され、対向配置された第1側板部とその上下両端を接続する上下板部とで4面を囲む閉鎖枠体からなる請求項1又は2記載の屋根上の構造物の支持装置。
  4. 係止凹部は、縦長孔の左右両側に互い違いに設けられた請求項1ないし3のいずれかに記載の屋根上の構造物の支持装置。
  5. 受部は、上部構造物の底部構造材を下面から嵌合支持する枠体からなる請求項1ないし4のいずれかに記載の屋根上の構造物の支持装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかの支持装置に用いられる自在支柱体。
  7. 請求項1ないし5のいずれかの支持装置により支持される上部構造物の支持構造。
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