JP4495933B2 - 容器と塗布具のユニット - Google Patents

Description

本発明は請求項１の上位概念、所謂プレアンブル部分に係る容器と塗布具（アプリケーター）のユニットに関するものである。

以下に例を挙げて言及する化粧品分野において、まゆ毛にマスカラを、あるいは爪にマニキュアを塗布するためのユニットが広く知られている。マニキュア・ユニットは通常、ガラス製の瓶を備えて成っており、この瓶の上に塗布具として刷毛（ブラシ）、又は別の繊維の束を備えたキャップをネジ止め可能である。マスカラ・ユニットは同様に、マスカラ液のための容器を備えて成り、ネジ式キャップが、２本の捻じり合わされたワイヤー片の間に保持された多数のブラシ毛から形成された小型ブラシを有する軸を備えている。更に、容器と塗布具の他の多数の実施形態が公知である。例えば塗布具に関しては、型取りされた発泡プラスチック（in form of molded parts）形状のものが知られている。

この種の容器と塗布具のユニットの塗布行為の均一性に関しては、使用可能な塗布具の塗布面について、とりわけ、比較的小さな及び／又はテスト用のセット（包装）への市場の需要がますます増大しているという観点から見ると、まだまだ改善する必要がある。

従って本発明の根底をなす課題は、冒頭に述べた種類の容器と塗布具のユニットを、化粧品を可能な限り均一に塗布出来るように改良することにある。

この課題は本発明に従い、請求項１の特徴部分を備えた容器と塗布具のユニットにより解決される。

中央通路に加えて設けられ得る少なくとも１つの、中心を外れた（非集中的な）通路により、塗布具の中心を外れた領域へも化粧品を行き渡すことが可能となり、その結果、化粧品をまんべんなく塗布するために、全体として塗布具のより広い塗布面を利用することが出来る。通路の数、グループ分け、横断面形状は塗布具の形状に応じて具現化可能である。

複数の通路が互いに一列に並んでいれば好都合である。これは塗布具の比較的広い面への化粧品の供給を促し、またそれが更に塗布の均一性を改良する。

塗布具は更に、比較的柔らかい素材、例えばゴム又は熱可塑性のエラストマーで夫々ショア硬さＡが５〜１００のもの；孔数が約４０〜１００ｐｐｉのポリウレタン又はポリエチレンの発泡素材（PU/PE foam material）；あるいは人絹、レーヨン、又はポリアミドでフロック加工を施したゴム、ＴＰＥ又はＰＶＣで造られていても良い。この種の素材は均一な塗布に適していることが既に証明されている。

少なくとも１つの通路が供給（補給）路として形成されていても良い。該供給路は塗布具の側面に通じ、塗布具最上部の上へ突き出し、また特に塗布具の前面端部領域で終わっている。この種の通路を用いて、塗布具の塗布されるべき面と向かい合った領域に化粧品を充填することが出来る。これにより、塗り広げるために塗布具により消費された化粧品を直ちに再び補給することが出来るので、塗布工程において中断が生じることはない。

少なくとも１つの通路の端部が、塗布具に向かって斜めに傾斜した排出口を備えていても良い。これにより、少なくとも１つの通路が塗布具の可能な限り近くへ引かれているので、化粧品が最適に充填され得る。

更に、少なくとも１つの通路が、特に傾斜した形状の先端部を用いて、塗布具最上部の管状の内部の中に注でいても良い。塗布具頂上部から発した、初めは中央の通路が、後に複数の、少なくとも一部が中心を外れて（非集中的に）配置された通路へと分かれ、中心から外れた複数の排出口に注いでいても良い。塗布具の斜めに延びる先端は、特に、塗布具を塗布されるべき面に角度を付けて置くという塗布技術を助長する。中心を外して配置された複数の通路は、化粧品を塗布具へ均一に充填することを容易にする。

排出口がプラスチック製の薄膜、又は、例えば高温融解接着剤（ホットメルト接着剤、hot-melt adhesive）などのシール剤により覆われていても良い。ユニットを使用する際には、特に引き剥がしたり切り取ったりなどして、これを取り除くことが出来る。本実施形態の場合、塗布具最上部は、最初の使用以前は、密封されたユニットとしてデザインされている。

更に、塗布具が多数の中空の繊維を備えて成り、該繊維が通路として利用され、中心を外して（分散して）設けられた複数の排出口を備えていれば好都合である。塗布具のこの種の形状もまた化粧品の均一な分配を促す。

更に、中央の通路が、ブラシ型の塗布具のための複数の排出口を備えた分配通路（distribuion passage）の中に注いでいても良い。本実施形態中では中心を外して配置された通路である該分配通路は、ブラシ型の塗布具へ化粧品を均一に充填することを可能にする。

排出口が塗布具のブラシの芯（コア）からＵ字型に曲がっていても良い。この種の形状は、特にマスカラ・ユニットとして容器と塗布具を使用する際に好適である。

更に別の実施形態では、塗布具が多数の個々の繊維を備えて成り、少なくともその自由端がテフロン（登録商標：ＰＴＦＥ）などの耐粘着性層（antiadhesive layer）により処理、又はコーティングされていても良い。これにより塗布具がくっつき合うのを防止する。

以下に、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。

（実施例１）
図１乃至３は、化粧品あるいは医薬品、例えばまゆ毛へマスカラやヘアダイを、あるいは爪にマニキュアを塗り広げるための塗布具（アプリケーター）２を備えた塗布具最上部１の第１の実施例を示している。使用するために、塗布具最上部１は容器（図示せず）の上に置かれる。

塗布具２は２つの塗布具先端部３を備えて成る。該塗布具先端部はそれ自体公知のやり方で塗布具最上部１と連結され、またスタジアム形（長円形乃至馬蹄形）の横断面を有する繊維の束の形状を成している。更に、塗布具先端部３は、塗布具最上部１の基部３ｂから突き出ている、楕円形の横断面を有する突起部３ｃ内に設けられた盲孔（非貫通孔）３ａの中に、接着剤により接合され、又は打ち込まれている。塗布具先端部３は、多数の個々の繊維４により構成されている。塗布具先端部３の表面は、例えばテフロン（ＰＴＦＥ）などの耐粘着性層により処理、又はコーティングされていても良い。

個々の繊維４は突起部３ｃから、図２では一点鎖線で表わされている主延長方向４ａ（principal sense of extension）へと突き出ている。塗布具２は、主延長方向４ａと平行な、又はこれと一致する、中央軸線又は対称軸に関し、２つの塗布具先端部３に基づき二重に対称である（dually symmetric）。

図１乃至図３には、個々の繊維４が突起部３ｃから延在するその場所において、塗布具先端部３が互いに距離を置いて離れていることが図示されている。２つの塗布具先端部３のこの隙間の間、突起部３ｃの中に、３つの平行な通路５，６，７が設けられている。外側の通路５，７は、対称軸４ａに関して外れて（非集中的に）配置されている。通路５，６，７は互いに並んで列を成し、この列を結んだ線は、塗布具先端部３のスタジアム形の横断面の縦軸線に対し平行に延びている。

通路５，６，７は円形の横断面を有し、主延長方向４ａに対し平行に延在している。塗布具最上部１が容器の上に置かれた場合、該通路が容器の内部を塗布具先端部３の間の隙間に連結する。通路５，６，７が容器の方向へ注いでいる場所には、基部３ｂと一体となって接合されている、２つの楔形の切断エッジ８が塗布具最上部１に設けられている。

図１乃至図３の塗布具２を備えた塗布具最上部１は以下のように挿入される。

まず、塗布具最上部１はその基部３ｂを用いて、まだ密封されたままの容器の上に置かれる。切断エッジ８は、これと対応して穴があけられる容器の上部壁を貫通し、その結果、容器内部と通路５〜７が連結される。その後で、化粧品、例えばマニキュアを、塗布具２によって塗布することが出来る。この場合、塗布具最上部１は、化粧品が通路５，６，７を通って塗布具先端部３の間の隙間へ到達する位置に保持される。続いて、化粧品が塗布具先端部３全体に均一に分配される。

（実施例２）
図４乃至図９に関連して、塗布具を備えた塗布具最上部の別の実施例について以下に述べる。対応する、既に言及した実施例に関連して既述済みのブラシの構成要素には同一の符号が付されているので、もう一度個別に説明はしない。

図４乃至図６は容器と塗布具のユニットの第２の実施例を示している。実施例２は実施例１と塗布具先端部３の形状および素材において異なっている。図６は塗布具先端部３の自由端が楔形に斜めに切られていること、その結果、塗布具先端部の最大長をもって通路５，６，７と隣接していることを示している。

実施例２において、塗布具先端部３はショア硬さＡの５のゴム製で、人絹によるフロック加工（flock coating）が施されている。これに代えて、レーヨン又はポリアミドによるフロック加工も想定され得る。ショア硬さ５の代わりに、５〜１００の範囲での別のショア硬さＡも想定され得る。塗布具先端部３はゴム製ではなく、同じショア硬さの範囲の熱可塑性のエラストマーＴＰＥ、あるいは孔数が約４０〜１００ｐｐｉのポリウレタン又はポリエチレンの発泡プラスチック、あるいは柔らかいＰＶＣから出来ていても良い。フロック加工はなくても構わない。

（実施例３）
図７乃至図９は容器と塗布具のユニットの第３の実施例を示している。繊維の束の形状の塗布具先端部３が１つだけ設けられていて、その他の点では実施例１の個々の塗布具先端部３と一致している。実施例３では、３つの通路の代わりに１つの通路９が設けられている。該通路は塗布具側で、塗布具先端部３近傍の、楔形の、通路部分１０へと注いでいる。通路部分１０はその最大長が塗布具先端部３と直接隣接するように傾斜している。該通路部分は、通路９が塗布具先端部３の個々の繊維４のほぼ半分の長さの辺りで終わるように、突起部３ｃから突き出している。突起部３ｃと基部３ｂの中を通る間に、通路９はＳ字型に湾曲し、基部３ｂの内部中央で、２つの切断エッジ８の間に注いでいる。図７に図示されるように、通路９は通路部分１０の領域でＤ字型の横断面を有する。

本実施例３を用いる場合、物質（媒体）はまず通路９を介して、個々の繊維４の自由端部領域に排出される。これにより、物質を個々の繊維４の先端に均一に分配することが可能となる。

個々の繊維から構成される代わりに、塗布具先端部３が実施例２に関連して上述された素材から出来ていても良い。

（実施例４）
図１０乃至図１２は容器と塗布具のユニットの第４の実施例を示している。本実施例では、基部３ｂと突起部３ｃの中央に設けられた主通路１１は通路部分１２を備えて成り、該通路部分は実施例３の場合と同様に、突起部３ｃから突き出し、楔形の自由端を有する。実施例４では、塗布具２は通路部分１２の上に差し込まれている。塗布具２の表面は、例えばテフロン（ＰＴＦＥ）のような耐粘着性層により処理、又はコーティングされていても良い。

塗布具２は、主通路１１の斜めに切られた端部を補完する傾斜端面壁１３を備えたスリーブとして形成されている。端面壁１３には、これを貫いて主通路１１を外側へと延在させる多数の個別の通路１４が設けられている。中央に位置する通路１４は別として、個別の通路１４は、塗布具２の筒形外壁の縦軸線と一致する塗布具２の中央軸線４ａを外して配置されている。

実施例４では、塗布具２は塗布具頂上部側のカラー（凸部）１５を用いて、突起部３ｃの対応する溝に嵌め込まれている。塗布具は実施例２に関連して既述した素材で出来ている。個別の通路の数は２〜２０の間で変化可能である。実施例４の変化例においては、容器と塗布具のユニットの使用を始める前にユーザーによって除去可能な、薄いプラスチックで、通路が塞がれていても良い。

（実施例５）
図１３乃至図１５は容器と塗布具のユニットの第５の実施例を示している。本実施例において、主通路１１は多数の水平な、切り込み（side cuts）の形状をした個別の通路１４へと枝分れしている。該個別の通路は、塗布具最上部１に向かって、カラー（凸部）１７を用いて、突起部３ｃの対応する溝の中に挿入されている通路頂上部１６中に形成されている。

通路頂上部１６はＵ字型に曲がった塗布具２と、突起部３ｃの対応する袋孔１９に挿入された、Ｕ字型に曲がったワイヤー芯１８と、ここから放射状に突き出した個々の繊維とにより覆われているので、個別の通路１４は個々の繊維４の方向へ注ぎ出ている。この種の形状により均一な塗布が保証される。

（実施例６）
図１６乃至図１９は容器と塗布具のユニットの第６の実施例を示している。本実施例では、塗布具先端部３は中実な個々の繊維４に代えて、多数の中空繊維２０により形成され、該中空繊維２０が、主通路１１を継承する個別の通路を構成している。中空繊維の先端の表面は、例えばテフロン（ＰＴＦＥ）のような耐粘着性層により処理、又はコーティングされていても良い。図１７には個々の中空繊維２０の円形の横断面が示されている。他の実施形態では、個々の中空繊維２０が別の横断面を備えていても良い。例えば、３本の細い管状の通路が縦軸線方向に延在し、且つ対応する、回転対称に配設された複数の隔壁により互いに分離されてても良い。１本の中空繊維当たりの細い管状の通路の数を違う数にしても良い。中空繊維２０が楕円形の横断面を有していても良い。閉じた外壁を備える中空繊維に代えて、個々の繊維が横断面がＳ字型に湾曲したシート状の素材から成り、塗布されるべき物質のために、その湾曲に基づき、狭い隙間以外は閉ざされた、２つの平行な通路が設けられることが想定され得る。実施例６において、塗布具先端部３は円形であるが、平ら、長方形、スタジアム形であっても良い。別の、あるいは追加の形態では、実施例４に関連して記述したように、塗布具先端部が楔形に傾斜していても良い。

化粧品又は医薬品の容器と塗布具のユニットの塗布具最上部の塗布具側から見た平面図である。 図１の線II−IIの断面図である。 図１の線III−IIIの断面図である。 図１と同様の、別の容器と塗布具のユニットの図である。 図４の線V−Vの断面図である。 図４の線IV−IVの断面図である。 図１と同様の、別の容器と塗布具のユニットの図である。 図９の線VIII−VIIIの断面図である。 図７の線IX−IXの断面図である。 図１と同様の、別の容器と塗布具のユニットの図である。 図１２の線XI−XIの断面図である。 図１０の線XII−XIIの断面図である。 図１と同様の、別の容器と塗布具のユニットの図である。 図１３の線XIV−XIVの断面図である。 図１３の線XV−XVの断面図である。 図１と同様の、別の容器と塗布具のユニットの図である。 図１６の部分拡大図である。 図１６の線XVIII−XVIIIの断面図である。 図１６の線XIX−XIXの断面図である。

符号の説明

１ 塗布具最上部
２ 塗布具
３ 塗布具先端部
３ｂ 塗布具の基部
３ｃ 塗布具の突起部
４ａ 主延長方向
５，６，７；９；１１，１４；１１，２０ 通路

Claims (2)

1. 容器と塗布具のテスト用のユニットであって、化粧品のための容器と；該容器の上にあり、そこから主延長方向（４ａ）に突き出した塗布具（２）を備える塗布具最上部（１）と；上記容器から塗布具（２）へ続く少なくとも１つの通路（１１，２０）とを備えて成り、上記塗布具が夫々主延長方向（４ａ）と平行な対称軸又は中央軸線（４ａ）に関し、少なくとも部分的に回転対称であるか又は多重対称（plurally symmetrical）であるような容器と塗布具のユニットにおいて、
   上記少なくとも１つの通路（１１，２０）が少なくとも部分的に、塗布具（２）の対称軸又は中央軸線（４ａ）を外して配置され、塗布具（２）が、主通路である通路（１１）を継承する通路（２０）として利用される中空の繊維であって中心を外して設けられた複数の排出口を備えた多数の中空の繊維を備えて成ること、
   塗布具最上部（１）の基部（３ｂ）と一体となって接合されている２つの楔形の切断エッジ（８）が、塗布具最上部（１）の基部（３ｂ）から延びていること、及び、
   塗布具最上部（１）がその基部（３ｂ）を介して容器上に置かれた場合に、２つの楔形の切断エッジ（８）が容器の上部壁を貫通し、容器の内部から当該貫通した上部壁を通って中空の繊維までが連結されることを特徴とする容器と塗布具のユニット。
2. 塗布具（２）が多数の個々の中空の繊維を備えて成り、少なくとも個々の中空の繊維の自由端がテフロン（登録商標）（ＰＴＦＥ）のような耐粘着性層により処理又はコーティングされていることを特徴とする請求項１に記載の容器と塗布具のユニット。

Images