JP4495749B2 - 熱伝導性シリコーングリース組成物 - Google Patents
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(A)下記平均組成式(1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基であり、aは1.8〜2.2の数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
(式中、R2は非置換または置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R3は独立に非置換または置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R4およびR5はおのおの、同一または異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R6は独立に水素原子、または非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R7は独立に非置換または置換のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、もしくはアシル基であり、mは0〜4の整数であり、nは2〜20の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物:0.1〜50容量部、および
(C)熱伝導性充填剤:100〜2500容量部
を含有してなる熱伝導性シリコーングリース組成物を提供する。
(A)成分は、下記平均組成式(1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基であり、aは1.8〜2.2の数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンである。(A)成分は、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物の粘度調整剤、粘着性付与剤等の、特性付与を目的とする成分として用いられるが、(A)成分の機能はこれに限定されるものではない。(A)成分は一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
(B)成分は、下記一般式(2):
(式中、R2は非置換または置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R3は独立に非置換または置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R4およびR5はおのおの、同一または異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R6は独立に水素原子、または非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R7は独立に非置換または置換のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、もしくはアシル基であり、mは0〜4の整数であり、nは2〜20の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物である。
反応式(A):
(式中、R3〜R7およびmは前記のとおりであり、Rは非置換または置換の、炭素原子数が好ましくは4〜28、より好ましくは6〜18、更により好ましくは8〜14のアルキル基、もしくはアルケニル基であり、R20はR−CH2−CH2−で表される非置換または置換の、炭素原子数が好ましくは6〜30、より好ましくは8〜20、更により好ましくは10〜16のアルキル基、もしくはアルケニル基であり、qは0または1である。)
オルガノハイドロジェンシロキサン(3)とビニルシラン(4)とをヒドロシリル化触媒存在下で反応させると、片末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノシロキサン(5)が合成される。
この反応は、溶媒の非存在下で行ってもよいし、トルエンなどの溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は、通常、70〜100℃、好ましくは70〜90℃である。反応時間は1〜3時間でよい。この反応において、ビニルシラン(4)の添加量は、オルガノハイドロジェンシロキサン(3)1モルに対して、好ましくは0.5〜1.0モル、より好ましくは0.5〜0.6モルである。
得られた片末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノシロキサン(5)とアルケン(6)とをヒドロシリル化触媒存在下で反応させることにより有機ケイ素化合物(7)が得られる。
反応温度は、通常、70〜100℃、好ましくは70〜90℃である。反応時間は1〜3時間でよい。この反応において、アルケン(6)の添加量は、片末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノシロキサン(5)1モルに対して、好ましくは1.0〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モルである。
反応式(B):
オルガノハイドロジェンシロキサン(3)とアルケニルトリオルガノオキシシラン(8)とをヒドロシリル化触媒存在下で反応させると、片末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノシロキサン(9)が合成される。
この反応は、溶媒の非存在下で行ってもよいし、トルエンなどの溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は、通常、70〜100℃、好ましくは70〜90℃である。反応時間は1〜3時間でよい。この反応において、アルケニルトリオルガノオキシシラン(8)の添加量は、オルガノハイドロジェンシロキサン(3)1モルに対して、好ましくは0.5〜1.0モル、より好ましくは0.5〜0.6モルである。
得られた片末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノシロキサン(9)とアルケン(6)とをヒドロシリル化触媒存在下で反応させることにより有機ケイ素化合物(10)が得られる。
反応温度は、通常、70〜100℃、好ましくは70〜90℃である。反応時間は1〜3時間でよい。この反応において、アルケン(6)の添加量は、片末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖オルガノシロキサン(9)1モルに対して、好ましくは1.0〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モルである。
反応式(C):
ジエン(11)とトリオルガノオキシシラン(12)とをヒドロシリル化触媒存在下で反応させると、アルケニルトリオルガノオキシシラン(8)が合成される。この反応は、溶媒の非存在下で行ってもよいし、トルエンなどの溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は、通常、70〜100℃、好ましくは70〜90℃である。反応時間は1〜3時間でよい。この反応において、トリオルガノオキシシラン(12)の添加量は、ジエン(11)1モルに対して、好ましくは0.5〜1.0モル、より好ましくは0.5〜0.6モルである。
上記の各工程で使用されるヒドロシリル化触媒は、一方の原料化合物中の脂肪族不飽和基(アルケニル基、ジエン基等)と他方の原料化合物中のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)とを付加反応させる触媒である。該ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金族の金属単体やその化合物などの白金族金属系触媒が挙げられる。白金族金属系触媒としては従来公知のものが使用でき、その具体例としては、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体上に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金族金属として白金を含むものが好ましい。ヒドロシリル化触媒は一種単独で使用しても二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分は、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物において熱伝導性充填剤として機能する。(C)成分は、一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
(C)成分の具体例としては、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせが挙げられる。
本発明の組成物には、更に、(D)成分として、(A)および(B)成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤を添加することができる。(D)成分は、(A)および(B)成分を溶解あるいは分散できる限り、如何なる溶剤でもよい。(D)成分は一種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。例えば、本発明の組成物はグリース状であることが特徴であるので、この性状を損なう添加剤は許容されない。添加できる任意成分として、例えば、通常使用される添加剤または充填剤等が挙げられる。具体的には、フッ素変性シリコーン界面活性剤;着色剤としてカーボンブラック、二酸化チタン、ベンガラなど;難燃性付与剤として白金化合物、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物、または金属水酸化物などを添加してもよい。更に、熱伝導性充填剤の高温時での沈降防止剤として、沈降性シリカまたは焼成シリカなどの微粉末シリカ、チクソ性向上剤等を添加することも任意である。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物の25℃における粘度は、好ましくは1000Pa・s以下(1〜1000Pa・s)であり、より好ましくは500Pa・s以下(10〜500Pa・s)である。該粘度がこの範囲内にあると、得られる組成物は、流動性が良好となりやすいためディスペンス性、スクリーンプリント性などの作業性が向上しやすく、該組成物を基材に薄く塗布することが容易になりやすい。なお、粘度は回転粘度計により測定することができる。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、グリース状であることが特徴であり、少なくとも−40〜120℃の範囲にわたってグリース状である。
また、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、レーザーフラッシュ法で測定した25℃における熱抵抗が、30mm2・K/W以下であることが好ましく、特に15mm2・K/W以下であることが好ましい。該熱抵抗がこの範囲内にあると、本発明組成物は、発熱量の大きい発熱体に適用した場合でも、該発熱体から発生する熱を効率よく放熱部品へ放散させることができる。なお、レーザーフラッシュ法による熱抵抗の測定は、ASTM E 1461に準拠して行うことができる。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、前述した成分をドウミキサー(ニーダー)、ゲートミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機器を用いて混合することによって調製される。このようにして得られた該組成物は、大幅な熱伝導率の向上と良好な作業性、耐久性、信頼性を有する。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は発熱体や放熱体に塗布される。発熱体としては、例えば、一般の電源;電源用パワートランジスタ、パワーモジュール、サーミスタ、熱電対、温度センサなどの電子機器;LSI、CPU等の集積回路素子などの発熱性電子部品などが挙げられる。放熱体としては、例えば、ヒートスプレッダ、ヒートシンク等の放熱部品;ヒートパイプ、放熱板などが挙げられる。塗布は、例えば、スクリーンプリントによって行うことができる。スクリーンプリントは、例えば、メタルマスクもしくはスクリーンメッシュを用いて行うことができる。本発明の組成物を発熱体および放熱体の間に介在させて塗布することにより、該発熱体から該放熱体へ効率よく熱を伝導させることができるので、該発熱体から効果的に熱を取り除くことができる。
1リットル丸形セパラブルフラスコに、四つ口セパラブルカバーを介して、攪拌機、温度計、蛇管冷却管、滴下ロートを備え付けた。このセパラブルフラスコに1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサンを250.0 g(1.2 mol)入れ、70℃まで加熱した。加熱後、塩化白金酸2質量%2-エチルヘキサノール溶液0.6 gを添加し、得られた混合物を70℃で30分間撹拌した。その後、トリメトキシビニルシラン88.9g(0.6 mol)を70-80℃で1時間かけて滴下して反応を開始させた。滴下後も70-80℃に保って反応を続行させた。反応中は、未反応のトリメトキシビニルシランを還流させた。反応の進行はガスクロマトグラフィーにて追跡し、トリメトキシビニルシランのピークが消失した時点で反応が終了したものとして、加熱を終了させた。反応終了後、セパラブルフラスコ内を減圧して、残存する1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサンを取り除き、溶液を得た。得られた溶液を蒸留して、目的物である1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン(13)を200.2 g(0.56 mol, 収率56%)得た。
29Si-NMR (C6D6) δ 8.33〜7.82ppm (CH2SiMe2O-),
-7.23〜-7.51ppm (HSiMe2O-),
-19.73〜-20.24ppm (-OSiMe2O-),
-42.56〜-42.97ppm (Si(OMe)3);
1H-NMR (CDCl3) δ 4.70-4.66ppm (m, 1H, HSi),
3.56ppm (s, 9H, Si(OCH3)3),
1.09-0.56ppm (m, 4H, Si(CH2)2Si),
0.17-0.02ppm (m, 18H, Si(CH3)2O).
1リットル丸形セパラブルフラスコに、四つ口セパラブルカバーを介して、攪拌機、温度計、蛇管冷却管、滴下ロートを備え付けた。このセパラブルフラスコに1-テトラデセンを235.6 g(1.2 mol)入れ、70℃まで加熱した。加熱後、塩化白金酸2質量%2-エチルヘキサノール溶液0.6 gを添加し、得られた混合物を70℃で30分間撹拌した。その後、合成例1で得られた1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン 356.71g(1.0 mol)を2時間かけて滴下して反応を開始させた。滴下後も70-80℃に保って反応を続行させた。反応中は、未反応の1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサンを還流させた。反応の進行はガスクロマトグラフィーにて追跡し、1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサンのピークが消失した時点で反応が終了したものとして、加熱を終了させた。反応終了後、セパラブルフラスコ内を減圧して、残存する1-テトラデセンを除去し、油状物を得た。得られた油状物を活性炭で洗浄して、目的物である1-テトラデカニル-3-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン(14)を492.2 g(0.9 mol, 収率89%)得た。
29Si-NMR (C6D6) δ 7.95〜6.93ppm (CH2SiMe2, OSiMe2CH2),
-21.39〜-21.89ppm (-OSiMe2O-),
-42.53〜-42.90ppm (Si(OMe)3);
1H-NMR (CDCl3) δ 3.56ppm (s, 9H, Si(OCH3)3),
1.24-0.48ppm (m, 33H, Si(CH2)2Si, CH2, CH3),
0.13-0.00ppm (m, 18H, Si(CH3)2O).
1リットル丸形セパラブルフラスコに、四つ口セパラブルカバーを介して、攪拌機、温度計、蛇管冷却管、滴下ロートを備え付けた。このセパラブルフラスコに1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを537.3 g(4.0 mol)入れ、70℃まで加熱した。加熱後、塩化白金酸2質量%2-エチルヘキサノール溶液1.0 gを添加し、得られた混合物を70℃で30分間撹拌した。その後、トリメトキシビニルシラン296.5g(2.0 mol)を70-80℃で2時間かけて滴下して反応を開始させた。滴下後も70-80℃に保って反応を続行させた。反応中は、未反応のトリメトキシビニルシランを還流させた。反応の進行はガスクロマトグラフィーにて追跡し、トリメトキシビニルシランのピークが消失した時点で反応が終了したものとして、加熱を終了させた。反応終了後、セパラブルフラスコ内を減圧して、残存する1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを取り除き、溶液を得た。得られた溶液を蒸留して、目的物である1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(15)を339.1 g(1.2 mol, 収率60%)得た。
29Si-NMR (C6D6) δ 10.19〜9.59ppm (CH2SiMe2O-),
-6.88〜-7.50ppm (HSiMe2O-),
-42.62〜-43.06ppm (Si(OMe)3);
1H-NMR (CDCl3) δ 4.66-4.59ppm (m, 1H, HSi),
3.52-3.48ppm (m, 9H, Si(OCH3)3),
1.04-0.48ppm (m, 4H, Si(CH2)2Si),
0.12-0.01ppm (m, 12H, Si(CH3)2O).
1リットル丸形セパラブルフラスコに、四つ口セパラブルカバーを介して、攪拌機、温度計、蛇管冷却管、滴下ロートを備え付けた。このセパラブルフラスコに1-ドデセンを202.0g(1.2mol)入れ、70℃まで加熱した。加熱後、塩化白金酸2質量%2-エチルヘキサノール溶液0.70gを添加し、得られた混合物を70℃で30分間撹拌した。その後、合成例3で得られた1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン282.6g(1.0mol)を2時間かけて滴下して反応を開始させた。滴下後も70-80℃に保って反応を続行させた。反応中は、未反応の1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを還流させた。反応の進行はガスクロマトグラフィーにて追跡し、1-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのピークが消失した時点で反応が終了したものとして、加熱を終了させた。反応終了後、セパラブルフラスコ内を減圧して、残存する1-ドデセンを除去し、油状物を得た。得られた油状物を活性炭で洗浄して、目的物である1-ドデカニル-3-トリメトキシシリルエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(16)を405.8g(0.9mol, 収率90%)得た。
29Si-NMR (C6D6) δ 7.85〜6.82ppm (CH2SiMe2O)
-42.52〜-42.81ppm (Si(OMe)3)
1H-NMR (CDCl3) δ 3.55ppm (s, 9H, Si(OCH3)3)
1.26-0.50ppm (m, 29H, CH3, CH2)
0.09-0.01ppm (m, 12H, Si(CH3)2O)
まず、本発明の組成物を形成する以下の各成分を用意した。
(A)オルガノポリシロキサン
A−1:下記式で表され、動粘度が220mm2/sのオルガノポリシロキサン
(B)ウェッター
B−1:下記式で表されるオルガノポリシロキサン
Me3SiO(SiMe2O)30Si(OMe)3
B−2:下記式で表されるアルコキシシラン
C10H21Si(OCH3)3
B−3:下記式で表される有機ケイ素化合物(合成例2で得られたもの)
(C)熱伝導性充填剤
C−1:アルミニウム粉末(平均粒径10.0μm、JIS Z 8801-1に規定の目開き32μmの篩下画分)
C−2:アルミニウム粉末(平均粒径1.5μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−3:アルミナ粉末(平均粒径10.0μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−4:アルミナ粉末(平均粒径0.7μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−5:酸化亜鉛粉末(平均粒径1.0μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
なお、(C)成分の平均粒径は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均径である。
(D)A−2およびB−3成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤
D−1:アイソゾール(登録商標)400(商品名、イソパラフィン系溶剤、沸点;210−254℃、日本石油化学株式会社製)
(A)〜(D)成分を以下のとおりに混合して実施例1〜7および比較例1〜4の組成物を得た。即ち、表1および表2に示す組成比(容量部)で5リットルプラネタリーミキサー(井上製作所株式会社製)に(A)〜(C)成分を量り取り、70℃で1時間混合した。得られた混合物を常温まで冷却した。(D)成分を添加する場合には、冷却した混合物に(D)成分を表1に示す配合量で加えて均一になるように混合した。
得られた組成物の特性を下記の試験方法で測定した。結果を表1および2に併記する。
得られた組成物を25℃の恒温室に24時間放置後、粘度計(商品名:スパイラル粘度計PC−1TL、株式会社マルコム製)を使用して回転数10rpmでの粘度(初期粘度)を測定した。
初期粘度測定後の上記組成物を125℃で500時間放置した後、再度、該組成物の粘度を該粘度計により測定した。
得られた組成物を3cm厚の型に流し込み、その上にキッチン用ラップを被せて、京都電子工業株式会社製の熱伝導率計(商品名:QTM−500)で該組成物の熱伝導率を測定した。
<試験片作製>
直径12.6mm、厚み1mmの円形アルミニウム板2枚で厚み75μmの組成物を挟み込み、0.15MPaの圧力を25℃で60分間掛けて試験片を作製した。
試験片の厚みをマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製)で測定し、予め測定してあったアルミニウム板2枚分の厚みを差し引いて、該組成物の厚みを算出した。
上記試験片を用いて、該組成物の熱抵抗(単位:mm2・K/W)をレーザーフラッシュ法に基づく熱抵抗測定器(ネッチ社製、キセノンフラッシュアナライザー;LFA447 NanoFlash)により25℃において測定した。
Claims (5)
- (A)下記平均組成式(1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の非置換もしくはハロゲン原子置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基であり、aは1.8〜2.2の数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
(式中、R2は非置換またはハロゲン原子置換の炭素原子数が8〜20のアルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R3は独立に非置換またはハロゲン原子置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R4およびR5はおのおの、同一または異種の非置換もしくはハロゲン原子置換の一価炭化水素基であり、R6は独立に水素原子、または非置換もしくはハロゲン原子置換の一価炭化水素基であり、R7は独立に非置換またはハロゲン原子置換のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、もしくはアシル基であり、mは0〜4の整数であり、nは2〜20の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物:0.1〜50容量部、および
(C)平均粒径が0.1〜50μmである熱伝導性充填剤:100〜2500容量部
を含有してなる熱伝導性シリコーングリース組成物であって、該組成物を発熱体および放熱体の間に介在させることにより該発熱体から該放熱体へ熱を伝導させたときに経時で流動性が保たれる前記熱伝導性シリコーングリース組成物。 - R 3、R4およびR5の炭素原子数が1〜8であることを特徴とする請求項1に係る組成物。
- 前記(C)成分がアルミニウム、銀、銅、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせである請求項1または2に係る組成物。
- 25℃における粘度が1000Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に係る組成物。
- (D)前記(A)および(B)成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤:前記(A)成分100容量部に対して100容量部以下
を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に係る組成物。
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