JP4495321B2 - 光レベル制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば波長多重光伝送システムに用いて好適な、光レベル制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速データ通信等は、著しく通信トラフィックが増大しており、長距離伝送をするために、波長多重光方式(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を用いた波長多重光伝送ネットワークシステム(以下、光伝送システムと称することがある)の需要が高まっている。この光伝送システムにおいては、しばしば、起点局から中継局、中継局から中継局又は中継局から終端局といった局同士の距離が、それぞれ、600kmを超える。そのため、光伝送路の損失による減衰を考慮し光の出力レベルを大幅に増幅させることによって、光伝送システムは、運用されている。
【0003】
この長距離の光伝送システムにおいて、光ファイバ(以下、単にファイバと称することがある)等の光伝送路に障害が生じた場合、光の出力レベルが大きいため、障害箇所にて漏洩する光が、障害復旧に従事する作業者に、不適切な影響を与える可能性がある。この不適切な影響を与えないようにする制御方式および制御方法は、レーザセーフティと呼ばれている。
【0004】
このレーザセーフティの意図は、ファイバ障害における人体への影響を最小限にとどめることであり、これを実現するため、APR(Automatic Power Reduction),ALS(Automatic Laser Shutdown),APSD(Automatic Power Shutdown)方式の3方式が採用されており、これらの各方式について図25〜図28を用いて説明する。
【0005】
図25は光伝送システムの構成図であり、この図25に示す光伝送システム200aは波長多重光を伝送するものであって、WDM端局100a,100dと、中継局100b,100cと、光伝送路110,112,114と、光伝送路111,113,115とをそなえて構成されている。
以下の説明において、上りとは図面の左側から右側に向かう方向とし、下りとは図面の右側から左側に向かう方向とする。また、この光伝送システム200aは、主信号光(波長多重された光であって、以下、WDM光と称することがある)とOSC光(Optical Supervisory Channel:副信号光)の2種類の光が伝送されるようになっている。
【0006】
このOSC光とは、監視制御用チャネル又はパイロット光として機能している。また、OSC光は、WDM光の伝送に影響を与えないように伝送され、かつ、光増幅器(以下、単にアンプと称することがある)を通過しないで伝送されるのでWDM光の出力レベルと比較して非常に小さな出力である。
ここで、WDM端局100aは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、そのWDM光を光伝送路110に出力するとともに、中継局100bから出力された下り光を分離し、その分離された波長(λ1〜λn)を有する光をそれぞれ出力するものである。
【0007】
また、中継局100bは、光伝送路110のWDM光を中継増幅して光伝送路112に出力するとともに、光伝送路113のWDM光を中継増幅して光伝送路111に出力するものである。中継局100cは、中継局100bと同様な中継増幅するものである。
さらに、WDM端局100dは、WDM端局100aと同様に、上りのWDM光を分離してその分離された波長(λ1〜λn)を有する光をそれぞれ出力するとともに、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、そのWDM光を光伝送路115に出力するものである。
【0008】
これにより、WDM端局100aの上りについては、図25の左側から波長(λ1〜λn)を有する光が、合波器(MUX)20において、波長多重されたWDM光がアンプ(TA−1;Transmission Amplifier-1)30にて増幅され、また、OSC光送信部10にてOSC光が出力される。さらに、合波器12にてその増幅されたWDM光とOSC光とが合波され、光伝送路110に出力されるのである。
【0009】
また、WDM端局100aの下りについては、図25に示す中継局100bから出力された下り光(WDM光およびOSC光)が、分波器13にて分波され、その分波されたOSC光がOSC光受信部15に入力され、また、他方の光は、WDM光がアンプ31(RA−1;Receiving Amplifier-1)にて増幅される。そして、その増幅されたWDM光は、分離部(DMUX)21にて分離されて各波長(λ1〜λn)がそれぞれ出力されるようになっている。
【0010】
以下、図26〜図28を用いて、光伝送路に障害が発生した場合に、その障害を各局がどのようにして検出するかを説明し、その後、その障害が回復し光伝送システム200a〜200cの運用が復旧する方式について、3種類の方式を例にして説明する。
併せて、これら図26〜図28に示す3種類の方式における復旧方式について説明する。上記3種類以外のレーザセーフティを用いて、光伝送システムにおける光出力を停止したり、あるいは、光出力レベルを低下させた後は、障害復旧後に正常な光出力レベルに戻す復旧動作が必要となる。
【0011】
図26はAPR方式を説明するための図である。この図26に示すWDM端局100aと中継局100bとの間のAと付した箇所にて、ファイバ障害が発生している。この障害の原因がファイバ断線の場合は、中継局100bは、障害箇所Aよりも下流にあるので、中継局100b内のアンプ(ILA1;In-Line Amplifier1)32と、OSC光受信部11とは、いずれも、WDM端局100aからのWDM光およびOSC光を受信できない。
【0012】
ここで、APR方式を用いたレーザセーフティは、次のように行なわれる。まず、中継局100bのアンプ32が、WDM光を受信できないことを表すWDM−LOL(Wavelength Division Multiplexing-Loss of Light)を受信する。このWDM−LOL受信に基づき、アンプ32は、制御信号(APR Control,LOL−detect)を出力することによって、下りファイバに接続されたアンプ(ILA2;In-Line Amplifier2)33の光出力レベルを低下させる。従って、WDM端局100aにおける下りファイバに接続されたアンプ31は、その下りWDM光の入力レベルを低下される。
【0013】
そして、アンプ31は、この下りWDM光のレベル低下(WDM−ILD[Input Level Down 又は Inputted-light Level Down])を検出し、このWDM−ILD検出に基づき、上りファイバに接続されたアンプ30のWDM−信号光出力レベルを低下させるのである。このように、障害箇所Aから漏洩する光出力レベルも低下する。また、このAPR方式における一連の動作によって、障害箇所Aから漏洩する光出力レベルが抑制されるのである。
【0014】
一方、ファイバが復旧した後のAPR制御復旧は2種類あり、一方は自動復旧によるものであり、他方は、作業者がその局に行なって、強制的にアンプ30からWDM光を出力させる手動復旧によるものである。
自動復旧について説明すると、所定時間が経過するとアンプ30から試験的にWDM光が出力され、ファイバ復旧すると、第2局のアンプ32がWDM−LOL復旧を検出し、アンプ32はアンプ33に対して制御信号を入力する。これにより、WDM光出力レベルが正常レベルに戻される。同様に、第1局のアンプ31のWDM−ILD復旧により、アンプ30に対して制御信号が出力され、WDM光出力レベルが正常レベルに戻る。また、ファイバ障害が依然復旧していない場合、アンプ30から出力される試験光は、後段のアンプ32に到達せず、予め設定した時間が経過した後においても、アンプ30はアンプ31からのAPR信号を受信し続けることとなり、アンプ30は、ファイバ障害が依然復旧していないと認識し、送信する光レベルを抑制する。
【0015】
図27はALS方式を説明するための図である。この図27に示すAと付した箇所にてファイバ障害が発生し、また、上述のAPR方式と同様に、Aでの障害がファイバ断線障害であるとする。
ここで、ALS方式を用いたレーザセーフティは次のようになる。まず、障害箇所Aよりも下流の中継局100b内の上りファイバに接続されたアンプ32が、WDM光を受信できないこと(WDM−LOL)を検出し、自局のWDM光出力を停止する。そして、中継局100bのアンプ32ではWDM−LOL検出により、次の中継局100cへのWDM光出力を停止する。
【0016】
さらに、下流の中継局100c内のアンプ(ILA3;In-Line Amplifier3)34も、光伝送路112のWDM光を受信できないこと(WDM−LOL)を検出すると、自局の上りWDM光出力を停止する。そして、最下流に位置するWDM端局100d内のアンプ(RA−2;Receiving Amplifier-2)36は、上りWDM光を受信できないこと(WDM−LOL)を検出すると、対向する光伝送路115(下りファイバ)に接続されたアンプ(TA−2;Transmission Amplifier-2)37の出力を停止させる。
【0017】
従って、WDM−LOLが、各局にて検出されて、段階的に下流局に伝わるようになっている。
また、下り光伝送路についても、上り光伝送路と同様に、中継局100cのアンプ35および中継局100bのアンプ33は、それぞれ、WDM−LOL検出により、自局の下りWDM光の出力を停止する。そして、下り光伝送路の最下流に設けられたWDM端局100aのアンプ31は、光伝送路上のアンプ30の出力を停止させる。
【0018】
このように、障害箇所Aから漏洩する光出力が遮断される。また、このALS方式の一連の動作により、障害箇所Aから漏洩するWDM光出力が遮断されるのである。
また、ファイバ復旧によるALS制御復旧も2種類であって、一方は自動復旧であり、他方は作業者がその局に行なって強制的にアンプ30からのWDM光を出力する手動復旧である。
【0019】
自動復旧に着目すると、所定時間経過した後に、アンプ30から試験的にWDM光が出力され、ファイバ復旧している場合、中継局100bのアンプ32にてWDM−LOL復旧により、中継局100cへのWDM光を正常レベルにして出力する。そして、WDM端局100dのアンプ36にてWDM−LOL復旧により、アンプ37に対する制御信号によりWDM光レベルが正常レベルになる。
【0020】
同様に、中継局100c,中継局100bおよびWDM端局100aが、それぞれ、WDM光を正常に出力し、WDM端局100aのアンプ30のWDM光が正常レベルになる。また、所定時間が経過すると、アンプ30からのWDM光出力レベルが低下し、ファイバ障害が依然復旧していない場合は、ALS制御復旧は行なわれない。
【0021】
このように、自動復旧は、この低下しているWDM光出力レベルを、一定時間経過後に一旦、試験的に正常な出力に戻すように動作する。そして、障害箇所が復旧された場合は、下流の中継局100bが有するアンプ32が、WDM光を受信するので、アンプ32は、中継局100bが有するアンプ33について制御されているWDM光出力レベル低下状態を解除する。
【0022】
この解除により、WDM端局100a内のアンプ31は正常出力レベルのWDM光を受信することが可能となり、WDM端局100a内のアンプ30の光出力レベルが正常レベルに復旧するのである。
図28はAPSD方式を説明するための図であり、この図28においても、ファイバ障害の箇所がAで表されており、また、その障害はファイバの断線による障害であるとする。
【0023】
APSD方式においては、障害箇所Aよりも上り下流の中継局100bが有する、上りファイバに接続されたアンプ32が、WDM−LOLを検出すると、アンプ32は、下りファイバに接続されたアンプ33のWDM光出力を停止させるようになっている。
従って、このAPSD方式は、ALS方式のように、次の局には波及せずにファイバ障害が発生した区間においてのみ、WDM光出力が停止する。
【0024】
これにより、WDM端局100aの下りファイバに接続されたアンプ31は、WDM−LOLを検出し、この検出に基づき、上りファイバに接続されたアンプ30を停止させるのである。そのため、障害箇所Aから漏洩するWDM光出力が遮断される。
このAPSD方式における一連の動作により、やはり、障害箇所Aから漏洩するWDM光出力が遮断されるのである。
【0025】
なお、ファイバ復旧によるAPSD制御復旧はAPR制御復旧と同じである。このように、自動復旧と手動復旧とのいずれも、上述した3種類のレーザセーフティ(APR,ALS,APSD方式)のそれぞれに適用できる。
また、特開平9−46297号公報(以下、引用文献と称する)には、光ケーブルに切断等が生じたときに安全確保のため出力光を切断する光出力遮断システムであって中継局を有する長距離光伝送に適したものを提供する技術が開示されている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、APR方式は、各アンプから出力されるWDM光の出力レベルを下げたり、受信側のアンプがWDM光の入力レベル低下を検出するときに、各局間の距離や収容している波長の数等によって、WDM光のレベルが変動してしまう。従って、光伝送システム200a〜200cの作業者は、適切なWDM光のレベルダウンの閾値を設定できないという課題がある。
【0027】
さらに、送信側のアンプが、WDM光のレベルを低減させて出力していても、受信側が受信してもILDを検出できないおそれがあり、そのような場合は、APR方式による制御が不能になる。
そのため、ファイバ障害によってAPR方式による制御が正常に動作しない場合には、ファイバ障害が発生していないのにもかかわらず、APR方式の制御が動作してしまうおそれがあるという課題がある。
【0028】
また、作業者は、各局が設けられた場所に赴いて、WDM光出力レベルを測定し、閾値をそれぞれ設定しなければならないが、この設定は、経年変化等による誤差を考慮する必要があり、設定値の選択は、非常に困難であるという課題がある。
加えて、上記3方式に共通であるが、光伝送路において障害が発生しているときに、自動復旧動作が開始されると、作業者は、直接光を照射されることがある。従って、レーザセーフティを維持することが困難であるという課題がある。また、光伝送システム200a〜200cは、基本的には、WDM光の出力を停止させずに、運用させていく必要がある。換言すれば、簡単に光伝送システム200a〜200cの運用が停止するのを回避する必要がある。
【0029】
さらに、従来の復旧時には、一定期間ごとに、強制的にWDM光を出力するようになっているため、やはり、ファイバ障害を修復する作業者は、WDM光を照射されるおそれがあるという課題がある。
加えて、上記の引用文献には、局内装置にてファイバのコネクタ等が抜けただけでも、アンプの出力が停止してしまうので、光伝送路における実際のファイバ断が発生していないのにもかかわらず、局内装置におけるコネクタ抜け等による擬似的なファイバ断に対して反応し、WDM光の伝送を停止してしまうおそれがあるという課題がある。
【0030】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、光レベル制御方法において、WDM光レベルの変動に対して柔軟に光出力レベルを制御でき、かつ、経年変化等により生ずる誤差によらずに設定値を選択でき、また、誤動作を回避することを第1の目的とする。
また、WDM光の出力を停止させずに運用すべく、光伝送路において障害が発生しているときに、その障害を修復している作業者がWDM光に照射される可能性を回避することを第2の目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の光レベル制御方法は、光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、第2局が、上り副信号光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、第2局が下り副信号光を調整して出力するフィードバックステップと、第1局が、フィードバックステップにて調整された下り副信号光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップと、第2局が、第1局復旧ステップにて得られた上り主信号光と上り副信号光とに基づいて上り主信号光の復旧を判定する第2局復旧判定ステップと、第2局が、第2局復旧判定ステップにおいて復旧と判定された場合は下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、復旧と判定されない場合は下り主信号光の出力を停止し続ける第2局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項1)。
【0032】
また、本発明の光レベル制御方法は、第2局が、上り副信号光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、第2局よりも上り下流側にある上り下流局が、前段の局から出力された上り副信号光の出力に基づき復旧を検出する上り下流局上り光検出ステップと、上り下流局が、上り下流局上り光検出ステップにおける検出により、上り主信号光,上り副信号光,下り主信号光および下り副信号光のうちの少なくとも一つを調整して出力する上り下流局折り返しステップと、第2局が、上り下流局折り返しステップにおける調整に基づき復旧を検出して下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号を付加して出力する第2局下り主信号光出力ステップと、第1局が、第2局下り主信号光出力ステップにて調整された下り副信号光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項2)。
【0033】
また、前記第1局復旧ステップが、第1局が、復旧を、下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号と下り副信号光の出力とに基づいて検出するように構成されてもよい(請求項3)。
さらに、本発明に関連する技術の光レベル制御方法は、第2局が、上り副信号光レベルと、上り副信号光に含まれる制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、光伝送路の障害を検出する第2局障害検出ステップと、第2局が、第2局障害検出ステップにおける検出により、下り副信号光と下り主信号光とのうちの少なくとも一方を調整して出力する第2フィードバックステップと、第1局が、第2フィードバックステップにおいて調整された下り副信号光と下り主信号光とのうちの少なくとも一方に基づいて、上り主信号光を調整して出力する第1局上り光調整ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0034】
そして、前記第2局障害検出ステップが、さらに、第2局が、検出を、第2局よりも上り下流側に設けられた上り下流局が出力した下り副信号光の受信断を認識することと、下り副信号光に含まれる下り制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、行なうように構成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係る光伝送システムの構成図である。この図1に示す光伝送システム200aは、波長多重光を伝送するものであって、WDM端局100a,100dと、中継局100b,100cと、光伝送路110,112,114と、光伝送路111,113,115とをそなえて構成されている。この光伝送システム200aは、主信号光(WDM光)と副信号光(OSC光)との2種類の光が合波されて伝送されるようになっている。
【0036】
また、光伝送路(上り光伝送路)110,112,114は上り用であり、光伝送路(下り光伝送路)111,113,115は下り用である。さらに、これらは、それぞれ、ファイバであって、このファイバが、各局に設けられたアンプと接続され、増幅された光が送受信されるようになっている。
また、WDM光とは、WDM端局100a,100d間および中継局100b,100cとの間において、線形中継伝送されるものであって、複数の異なる波長を有する光が多重されている。また、WDM光の出力の大きさは、OSC光のそれに比較して、非常に大きい。
【0037】
そして、OSC光とは、WDM端局100aおよび中継局100b間,中継局100bおよび中継局100c間,中継局100cおよびWDM端局100d間にて終端されるものであって、単一又は2波の光をいう(OSC光とWDM光とは別の領域の光波長を選択して割り当てられている)。このOSC光は、主信号光の伝送に影響を与えず、光増幅されずに、監視制御用又はパイロット光として用いられ、その制御フォーマットは、各局間において、同一のものが使用されている。
【0038】
以下の説明では、伝送方向については、上りは図1の左側から右側に向かう方向とし、下りは図1の右側から左側に向かう方向とする。これら以外の図面についても同様である。なお、これらの伝送形態については、後述する第2実施形態、第3実施形態および各変形例においても、同様である。
図1に示すWDM端局100aは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、その波長多重されたWDM光とOSC光とを光伝送路110に出力するとともに、中継局100bから出力された下り光を分離しその分離されたWDM光を分波し波長(λ1〜λn)をそれぞれ有する光を出力し分離された他方のOSC光を復調するものである。
【0039】
そして、このWDM端局100aは、上り伝送用として、多重部20と、光増幅器(TA−1)30と、OSC光送信部(OSC)10と、合波器12とをそなえ、下り伝送用として、OSC光受信部15と、分波器13と、光増幅器(RA−1)31と、分離部21とをそなえるとともに、APR制御部(APR Control Box(2))39をそなえて構成されている。
【0040】
さらに、中継局100bは、WDM端局100aにファイバにより、接続され、WDM端局100aから出力された上り光を受信し線形増幅して、その増幅した上り光を光伝送路112に出力するとともに、中継局100cから出力された下り光を受信し線形増幅して、その増幅した下り光を光伝送路111に出力するものである。
【0041】
そして、中継局100bは、上り伝送用として、分波器13と、OSC光受信部11と、光増幅器(ILA1)32と、合波器12とをそなえ、下り伝送用として、分波器13と、OSC光受信部(OSC)15と、光増幅器(ILA2)33と、OSC光送信部(OSC)14と、合波器12とをそなえるとともに、APR制御部(APR Control Box(1))38とをそなえて構成されている。
【0042】
これらWDM端局100aと中継局100bとの詳細について、図2を参照して説明する。図2は本発明の第1実施形態に係る2局のブロック図であり、この図2に示す符号で、図1に示すものと同一のものは、同一の機能又は同様の機能を有するものである。
まず、WDM端局100aのAPR制御部39は、OSC光受信部15,アンプ31,OSC光送信部10,アンプ30に接続され、下り光に含まれる制御信号に基づいて所定の制御信号を上り光に付加するものである。
【0043】
ここで、APR制御信号とは、光伝送システム200aにおいて、何らかの異常が発生したことを示すパイロット信号であり、このAPR制御信号がAPR制御部39から出力されている間は、光伝送路110におけるWDM光レベルは低下したままの状態にされる。
また、APR制御信号が、正常のOSC光に付加されたものが、OSC−APR信号光である。
【0044】
そして、APR制御部39は、OSC光受信部15から出力されるOSC−APR検出信号とアンプ31から出力されるWDM−ILD検出信号との2種類の信号を入力され、これらの信号を例えば論理積することにより、光伝送路の断を検出するのである。
また、多重部20は、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重するものである。光増幅器30(以下、単にアンプと称することがある)は、多重部20から出力されたWDM光を光増幅するものであり、例えばEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)により、その機能が実現される。また、このアンプ30は、光検波用のフォトダイオード(PD)50と、光出力用のレーザダイオード(LD)51とを有する。そして、多重部20から出力された上り光は、PD50にて検波されるとともに、LD51にて発光されるWDM光とカップリングされて出力されるようになっている。さらに、このLD51の出力は、APR制御部39から出力されるAPR制御信号により、そのレベルを可変にできる。なお、APSDと付されたものは、他の制御信号を表すものであって、後述する第3実施形態にて、説明する。
【0045】
次に、OSC光送信部10は、APR制御部39からのAPR制御信号を入力され、その制御信号をOSC光に付加してその付加されたOSC光を送信するものである。この機能は、光受信断検出をも行ないうる制御回路70と、この制御回路70に接続され制御回路70からの電気信号を光信号に変換する電気/光変換器(E/O Mod)71とによって実現される。すなわち、OSC光送信部10は、光信号情報や各種のオーバーヘッド(OH;Over Head)情報や装置内情報を伝達するようになっている。
【0046】
また、合波器(合波CPL)12は、アンプ30から出力されるWDM光とOSC光送信部10から出力されるOSC光とを合波して、その合波したWDM光を光伝送路110に出力するものである。
一方、下り伝送側については、分波器(分波CPL)13は、光伝送路111を伝送する下り光から、波長がそれぞれ異なるWDM光とOSC光とを分波して出力するものである。
【0047】
そして、OSC光受信部15は、分波器13から出力されたOSC光を受信し、このOSC光から制御信号を抽出して、OSC光に関する情報(OSC情報)をAPR制御部39に入力するものである。このOSC情報は、本実施形態では、OSC−APR検出信号(OSC−APR Detect)を意味し、後述する他の実施形態および各変形例では、別の制御信号として入力するようになっている。
【0048】
また、この機能は、光信号を電気信号に変換するとともに光入力断を検出する光/電気変換器(O/E Mod)73と、この光/電気変換器73に接続され光/電気変換器73により、変換された電気信号から制御信号を抽出しその制御信号をAPR制御部39に入力する制御回路72とによって実現される。
さらに、アンプ31は、分波器13から分波されたWDM光を増幅して出力するとともに、WDM光の受信レベルに関する情報(WDM情報)をAPR制御部39に入力するものであって、PD50およびLD51を有する。このWDM情報は、本実施形態では、WDM−ILD検出信号(WDM−ILD Detect)を意味し、後述する他の実施形態および各変形例では、別の制御信号として入力されることがある。
【0049】
ここで、WDM−ILD(Wavelength Division Multiplexing-ILD)は、WDM光レベルが所定値以下になった状態を意味し、本実施形態においては、WDM光が作業者に影響が無い程度のレベルまで低下した場合をWDM−ILDとする。
具体的には、アンプ31は、WDM光の受信レベルが、所定レベルよりも低下すると、WDM−ILDを検出したことを伝達すべく、WDM−ILD検出信号として、APR制御部39に入力するのである。すなわち、PD50にて検波した受信レベルによって、受信レベルが測定されるようになっている。また、分波器13からの出力は、2分岐されて、その一方が、LD51から出力されるWDM光と合波されて出力されるのである。
【0050】
従って、WDM端局100aにおいて、伝送されるWDM光が、アンプ30,31においてそれぞれ増幅されて出力される。そして、光伝送路上に設けられた他の局においても、それぞれ、独自にWDM光は、増幅されて出力されるようになっている。
また、アンプ31からのWDM情報と、OSC光受信部10からのOSC情報との双方ともにAPR制御部39に入力されなければ、アンプ30の出力は停止されないようになっている。換言すれば、片方だけの情報(WDM情報又はOSC情報のうちいずれか一方)だけでは、アンプ30の動作は停止されないので、この光伝送システム200aが容易に停止しないように保護されるのである。
【0051】
さらに、分離部21は、このアンプ31から出力されたWDM光を分波し、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を出力するものである。
これにより、図1において、WDM端局100aに入力された波長(λ1〜λn)を有する光のそれぞれは、多重部20において、波長多重され、その波長多重されたWDM光は、アンプ30において、増幅される。また、合波器12において、その増幅されたWDM光とOSC光送信部10から出力されたOSC光とが合波されて、その合波された光が、光伝送路110に出力される。また、アンプ30の出力レベルは、APR制御部39からのAPR制御信号により、制御され、OSC光送信部10は、APR制御部39からのAPR制御信号をOSC光に付加するようになっている。
【0052】
一方、下り光については、分波器13において、光伝送路111を伝送する下り光から、WDM光とOSC光とがそれぞれ分波され、WDM光は、アンプ31にて増幅されるとともに、出力レベルが所定レベルよりも下回った場合にはWDM−ILD検出信号が出力される。さらに、分離部21において、WDM光が分波されて波長(λ1〜λn)を有する光がそれぞれ出力される。
【0053】
また、OSC光受信部11において、その下りOSC光からOSC−APR信号光を受信すると、その受信を伝達すべく、OSC−APR検出信号を、APR制御部39に送信する。
そして、APR制御部39において、OSC光受信部11からのOSC−APR検出信号とアンプ31からのWDM−ILD検出信号とに基づいて、上りファイバ側のアンプ30と、上りファイバ側のOSC光送信部10とに対して、それぞれ、APR制御信号を出力する。
【0054】
続いて、図2の右側の中継局100bについて説明するが、中継局100b内のもので、上述したものと同一の符号を有するものは、同一のもの又は同様の機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
まず、中継局100bのAPR制御部38は、上り用のOSC光受信部11,アンプ32,OSC光送信部10と、下り用のOSC光受信部15,アンプ33,OSC光送信部14とにそれぞれ接続されている。このAPR制御部38は、上り光に含まれる制御信号に基づいてアンプ32,アンプ33の出力レベルを制御するとともに、OSC光送信部10,OSC光送信部14に付加する制御信号を出力するものである。すなわち、APR制御部38は、上り下りの両伝送路から到来する光を用いて、それぞれ、上り下りの両WDM光出力レベルと両OSC光の制御信号の付加とを行なえるようになっている。
【0055】
具体的には、APR制御部38は、上りについて、OSC光受信部11から出力されるOSC情報とアンプ32から出力されるWDM情報とを入力され、これらの情報を有する信号を例えば論理積することにより、制御信号をOSC光送信部14とアンプ33とにそれぞれ入力する論理ゲート38a(AND)を有する。
また、APR制御部38は、下りについて、OSC光受信部15から出力されるOSC情報とアンプ33から出力されるWDM情報とを入力され、これらの情報を有する信号を例えば論理積することにより、制御信号をOSC光送信部10とアンプ32とにそれぞれ入力する論理ゲート38b(AND)を有する。
【0056】
なお、これらの制御信号は、いずれも、本実施形態では、APR制御信号であるが、後述する他の実施形態および各変形例においては、別の制御信号が出力される。
従って、WDM端局100aが、多重部20,アンプ30,上りOSC光送信部10,上り合波器12,OSC光受信部15,上り分波器13,アンプ31,分離部21,APR制御部39をそなえ、中継局100bが、上り分波器13,OSC光受信部11,アンプ32,上り合波器12,下り分波器13,OSC光受信部15,アンプ33,OSC光送信部14,下り合波器12,APR制御部38をそなえて構成されている。
【0057】
さらに、アンプ32は、分波器13から分波されたWDM光を増幅して出力するとともに、WDM光の受信レベルに関する情報(WDM情報)をAPR制御部38に入力するものであって、PD50およびLD51を有する。このWDM情報は、本実施形態では、WDM−LOL検出信号(WDM−LOL Detect)を意味し、後述する他の実施形態および各変形例では、別の制御信号として入力されることがある。
【0058】
このWDM−LOL信号とは、WDM光が検出できない状態をいい、検出できない状態とは、全く光を受信できない場合およびほぼ零に近い受信レベルの場合をいう。
そして、OSC光受信部11は、分波器13から出力されたOSC光を受信し、このOSC光から制御信号を抽出して、OSC光に関する情報(OSC情報)をAPR制御部38に入力するものである。このOSC情報は、本実施形態では、OSC−LOL検出信号(OSC−LOL Detect)を意味し、後述する他の実施形態および各変形例では、別の制御信号として入力するようになっている。
【0059】
このOSC−LOL(Optical Supervisory Channel-Loss of Light)とは、OSC光が検出できない状態をいう。この検出できない状態とは、全く光を受信できない場合およびほぼ零に近い受信レベルの場合をいう。
一方、下り伝送側のOSC光送信部14は、APR制御部38からのAPR制御信号を入力され、その制御信号をOSC光に付加してその付加されたOSC光を送信するものであって、制御回路70と、電気/光変換器(E/O Mod)71とをそなえて構成されている。
【0060】
そして、OSC光受信部15は、分波器13から出力されたOSC光を受信し、このOSC光から制御信号を抽出して、OSC光に関する情報(OSC情報)をAPR制御部38に入力するものであって、光/電気変換器73と、制御回路72とをそなえて構成されている。
さらに、アンプ33は分波器13から分波されたWDM光を増幅して出力するとともに、WDM光の受信レベルに関する情報(WDM情報)をAPR制御部38に入力するものであって、PD50およびLD51を有する。このWDM情報は、本実施形態では、WDM−LOL検出信号を意味し、後述する他の実施形態および各変形例では、別の制御信号として入力されることがある。
【0061】
これらのアンプ32,33とは、それぞれ、上りについての中継機能と制御機能と、下りについての中継機能と制御機能とを有する。すなわち、図1において、中継局100bに入力された上り光のうちWDM光は、アンプ32において増幅され、また、下り光のうちWDM光は、アンプ33において増幅される。そして、上り下りの合波器12のそれぞれにおいて、その増幅されたWDM光とOSC光送信部10,14のそれぞれから出力されたOSC光とが合波されて、その合波された光が、光伝送路112,110にそれぞれ出力される。また、上りのアンプ32と下りのアンプ33とは、それぞれ、WDM光が受信できないと、WDM−LOL検出信号として、APR制御部39に入力する。
【0062】
同様に、アンプ33に、下り光に含まれるWDM光およびOSC光についても制御される。
加えて、アンプ32,33と、OSC光受信部11,15とのそれぞれが、協働することにより、上り光および下り光のレベル制御機能が発揮される。すなわち、アンプ32から出力されるWDM−LOL検出信号と、OSC光受信部11から出力されるOSC−LOL検出信号との双方が、それぞれ、APR制御部39に入力されて始めて、下りのアンプ33の出力レベルが制御され、かつ、OSC光送信部12にAPR制御信号が付加される。
【0063】
同様に、アンプ33からのWDM−LOL検出信号と、OSC光受信部15からのOSC−LOL検出信号との双方が、それぞれ、APR制御部39に入力され、上りアンプ32の出力レベルが制御され、かつ、OSC光送信部10にAPR制御信号が付加される。
従って、やはり、WDM−LOL検出信号と、OSC−LOL検出信号との双方が入力されないと、アンプ33の出力は停止されないので、この光伝送システム200aが容易に停止しないように保護されるのである。
【0064】
このように、WDM端局100aと中継局100bとのそれぞれが、受信したWDM光を分波器13によりWDM光とOSC光とに分波し、また、それぞれその光レベルを監視している。また、対向局側への送信アンプを制御し、光出力停止または光出力レベルダウンを行ない、またOSC光送信部10,14をも制御して、光出力停止または情報の伝達を行なうことにより、ファイバ障害となっている送信アンプの光出力の停止または光出力レベルダウンが確実に行なわれる。
【0065】
さらに、図1に示す中継局100cは、中継局100bとほぼ同様のものである。中継局100cは、中継局100bにファイバにより、接続され、中継局100bから出力された上り光を受信し線形増幅して、その増幅した上り光を光伝送路114に出力するとともに、WDM端局100dから出力された下り光を受信し線形増幅して、その増幅した下り光を光伝送路113に出力するものである。
【0066】
そして、中継局100cは、上り伝送用として、分波器13と、OSC光受信部11と、光増幅器(ILA3)34と、合波器12とをそなえ、下り伝送用として、分波器13と、OSC光受信部(OSC)15と、光増幅器(ILA4;In-Line Amplifier4)35と、OSC光送信部(OSC)14と、合波器12とをそなえるとともに、APR制御部39とをそなえて構成されている。
【0067】
このアンプ34は、中継局100bのアンプ32と同様のものであり、また、アンプ35も、中継局100bのアンプ33と同様であるので、重複した説明を省略する。ここで、上述したものと同一の符号を有するものは、同一のもの又は同様の機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
さらに、WDM端局100dは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、その波長多重されたWDM光とOSC光とを光伝送路115に出力するとともに、中継局100cから出力された上り光を分離しその分離されたWDM光を分波し波長(λ1〜λn)をそれぞれ有する光を出力し分離された他方のOSC光を復調するものである。
【0068】
そして、このWDM端局100dは、上り伝送用として、OSC光受信部11と、分波器13と、光増幅器(RA−2 以下、アンプという)36と、分離部22とをそなえるとともに、下り伝送用として、多重部23と、光増幅器(TA−2)37と、OSC光送信部(OSC)14と、合波器12とをそなえ、APR制御部39とをそなえて構成されている。
【0069】
ここで、アンプ36は、WDM端局100aのアンプ31と同様のものであり、また、アンプ37もWDM端局100aのアンプ30と同様であるので、重複した説明を省略する。なお、上述したものと同一の符号を有するものは、同一のもの又は同様の機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
上述の構成により、本実施形態における、光レベル制御方法について、障害検出方法と復旧方法とをそれぞれ、図1,図3,図4を参照しながら詳述する。以下、説明の便宜上、WDM端局100aを第1局、中継局100bを第2局と称し、また、中継局100cを第3局、WDM端局100dを第4局と称することがある。
【0070】
まず、正常時は、図1に示す最上流の第1局から上り光が送信され、第2局,第3局によって中継され、最下流の第4局に到達し、また、同様に、第4局からの下り光が、第2局,第3局をそれぞれ介して、第1局に送信される。
次に、障害発生時について、図3〜図5を参照して説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る障害発生時の動作を説明するための図であり、図4は本発明の第1実施形態に係る障害検出を説明するためのフローチャートである。
【0071】
本発明の光レベル制御方法は、光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局との間において、上り主信号光および上りOSC光を含む上り光と下り主信号光および下りOSC光を含む下り光とに関するものである。
まず、図4のステップA1において、第2局が、上りOSC光レベルと、上りOSC光に含まれる制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、光伝送路の障害を検出する(第2局障害検出ステップ)。
【0072】
ステップA2において、この第2局が、第2局障害検出ステップにおける検出により、下りOSC光と下り主信号光とのうちの少なくとも一方を調整して出力する(第2フィードバックステップ)。
ステップA3において、第1局が、第2フィードバックステップにおいて調整された下りOSC光と下り主信号光とのうちの少なくとも一方に基づいて、上り主信号光を調整して出力する(第1局上り光調整ステップ)。また、この第1局上り光調整ステップでは、第1局が、検出を、上り制御信号,上り主信号光の出力レベルおよび上りOSC光の出力レベルの2つを用いて行なうようになっている。
【0073】
具体的には、図3に示す第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、上りWDM光および上りOSC光のいずれもが伝送が遮断される。アンプ32がWDM−LOL検出と、第1局からのOSC−LOL検出とにより、APR制御部39が、アンプ33とOSC光送信部10とにAPR制御信号を入力する。また、このAPR制御信号により、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを低下させると同時に、OSC光にOSC−APR信号を付加する。
【0074】
第1局のアンプ31はWDM−ILD検出と第2局からのOSC−APR検出とにより、光伝送路110の断を知ることができ、APR制御部38にてWDM−ILDとOSC−APRにより、アンプ30にAPR制御信号を入力する。このAPR制御信号により、アンプ30は、WDM光出力レベルを低下させて、以後、このAPR制御信号が削除されるまで、低下させ続けるのである。従って、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力レベルが低下する。
【0075】
一方、上りファイバ側のOSC信号送信部10は、APR制御部39から送信されたAPR制御信号の受信により、上りOSC光にAPR制御信号を付加し、OSC−APR信号光として出力し続ける。
従って、上記第2局上り光断検出ステップにおいて、第2局が、検出を、下りOSC光の受信断を認識することと、下りOSC光に含まれる下り制御信号を認識することとにより行なうように構成されたことになる。
【0076】
このように、上述した一連の光出力レベルの制御により、自動でWDM光のレベルを低下させることができる。
次に、ファイバ障害復旧時について、図5を参照して説明する。図5は本発明の第1実施形態に係る復旧方法を説明するためのフローチャートである。本発明の光レベル制御方法は、光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上りOSC光を有する上り光と下り主信号光および下りOSC光を有する下り光とに関するものである。
【0077】
まず、ステップB1において、第2局が、上りOSC光の出力を受信する(第2局上り光受信ステップ)。
そして、ステップB2において、第2局が下りOSC光を調整して出力する(フィードバックステップ)。
続いて、ステップB3において、第1局が、フィードバックステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する(第1局復旧ステップ)。また、この第1局復旧ステップにおいて、第1局が、復旧を、下り主信号光のレベルが所定レベルを示す閾値信号(WDM−ILD)と、下りOSC光の復旧(OSC−APR)とに基づいて検出する。
【0078】
さらに、ステップB4において、第2局が,第1局復旧ステップにて得られた上り主信号光と上りOSC光とに基づいて上り主信号光の復旧を判定する(第2局復旧判定ステップ)。
そして、ステップB5にて、第2局が、第2局復旧判定ステップにおいて復旧と判定された場合は下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに(ステップB5x)、復旧と判定されない場合は、ステップB5yにて、下り主信号光の出力を停止し続ける(第2局復旧ステップ)。
【0079】
具体的には、ファイバ障害が復旧すると、第2局は、第1局からのWDM光とOSC光の受信信号とが得られる。まず、第2局における上りファイバ側のアンプ32は、第1局からのWDM光を自動的に受信し、WDM−LOLではなくなったことを検出することにより、APR制御部38へ出力しているWDM−LOL検出信号を停止する。このWDM光は、第1局において、APR制御信号により、アンプ30からの出力レベルが抑制されているものの、出力は停止していないため、障害復旧後、第2局が自動的にWDM光を受信できるのである。
【0080】
また、ファイバ障害が復旧すると、第2局における上りファイバ側のOSC光受信部11は、第1局からの上りOSC光を自動的に受信し、OSC−LOLではなくなったことを検出することにより、APR制御部38へ出力しているOSC−LOL検出信号を停止する。
このOSC光は、第1局において、APR制御信号により、OSC−APR信号となっているものの、出力は停止していないため、障害復旧後、第2局が自動的にOSC光を受信できるのである。
【0081】
そして、APR制御部39が、WDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とをそれぞれ検出することにより、APR制御信号を削除する。このAPR制御信号の削除により、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルが正常レベルに戻されると同時にOSC−APRが削除される。
第1局のアンプ31はWDM−ILD復旧と第2局からのOSC−APR削除とを検出し、APR制御部39が、APR制御信号を削除する。このAPR制御信号の削除により、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻る。
【0082】
従って、このファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光の出力レベルが自動復旧する。また、上記2つのLOL検出信号が停止することにより、APR制御部38は、下りファイバ側のアンプ33およびOSC光送信部14に対して出力していたAPR制御信号を停止し、APR制御信号を受信しなくなった下りファイバ側のアンプ33は、WDM光出力レベルを正常レベルに回復させる。
【0083】
一方、APR制御信号を受信しなくなった下りファイバ側のOSC光送信部14は、OSC光にAPR信号を付加することを停止し、正常のOSC光に回復する。
また、受信光から分波されたWDM光を受信した、下りファイバ側のアンプ31は、正常レベルに回復したWDM光を受信することにより、WDM−ILDの検出ができなくなる。これにより、APR制御部39に対して出力していたWDM−ILD検出信号を停止する。
【0084】
一方、受信光から分波されたOSC光を受信した、下りファイバ側のOSC光受信部11は、OSC−APRからAPRが削除された、正常のOSC光を受信することにより、APR制御部39に対して出力していたOSC−APR検出信号を停止する。
このように、本実施形態の制御は、APR方式において、ファイバ障害時に受信局でOSC光の受信LOLが検出された場合に、対向局へのアンプ出力レベルを低下させ、さらに、対向局のOSC光送信部14に対してAPR制御信号を付加して、対向局送信元のアンプ出力レベルを低下させている。すなわち、受信局がOSC光の受信LOLとアンプの受信LOLとの両方を検出した場合に、対向局送信元のアンプ出力レベルを低下させるように制御される。
【0085】
また、このように、上記2つの検出信号、WDM−ILD検出信号と、OSC−APR検出信号が停止することにより、APR制御部39は、上りファイバ側のアンプ30およびOSC光送信部10に対して出力していたAPR制御信号が停止される。これにより、OSC光だけを受信しただけで自動復旧を再開することを回避できる。
【0086】
さらに、このように、APR制御信号を受信しなくなった上りファイバ側のアンプ30は、WDM光出力レベルを正常レベルに回復させるとともに、APR制御信号を受信しなくなった上りファイバ側のOSC光送信部10は、OSC光にAPR信号を付加することを停止し、正常のOSC光に回復する。
そして、上述した一連の信号光レベル制御により、ファイバ障害箇所Aより漏洩する(出力される)WDM光のレベルを低下させ、その後、ファイバ障害が復旧した際には、自動的にWDM光のレベルを正常レベルに回復させることが可能となる。
【0087】
このようにして、APR制御部38,39は、それぞれ、片方の検出信号を受信した場合は、APR制御信号を削除しないので、光伝送システム200aの運用がより安全に行なえる。
(A1)本発明の第1実施形態の第1変形例の説明
上記第1実施形態の変形例を、第1変形例から第3変形例にて説明する。
【0088】
図6は本発明の第1実施形態の第1変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図6に示す光伝送システム200aは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。さらに、第1局はWDM端局100aを、第2局は中継局100bを、第3局は中継局100cを、第4局はWDM端局100dをそれぞれ表す。
【0089】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32はWDM−LOL検出信号と第1局からのOSC−LOL検出信号とを、APR制御部38に出力する。
そして、APR制御部38は、これらの信号により、対向側送信用のアンプ33とOSC光送信部14とにそれぞれ、APR制御信号を出力する。このAPR制御信号により、アンプ33は、そのWDM光出力レベルを低下させると同時に、下りOSC光の送信を停止する。
【0090】
第1局においては、アンプ31によるWDM−ILD検出と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−LOL検出とが、それぞれ、APR制御部39に入力される。また、APR制御部39は、アンプ30にAPR制御信号を出力し、アンプ30はこのAPR制御信号により上りWDM光出力レベルを低下させる。従って、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力レベルが低下する。
【0091】
次に、ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りWDM光と、上りOSC光とをそれぞれ受信できるため、WDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とが得られる。そして、第2局のAPR制御部38は、WDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とにより、APR制御信号を削除する。このAPR制御信号により、APR制御部38は、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルと下りOSC光の出力レベルとを正常レベルに戻す。
【0092】
一方、第1局のアンプ31は、WDM−ILDの検出と第2局からのOSC−LOL復旧の検出とを行ない、これらの検出信号をそれぞれ、APR制御部39に入力する。そして、APR制御部39は、WDM−ILD復旧とOSC−LOL復旧とに基づき、APR制御信号を削除する。また、アンプ30とOSC光送信部10とは、それぞれ、このAPR制御信号の削除により、WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。
【0093】
従って、ファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
このように、受信局でOSC光の受信LOLとアンプの受信LOLとの両方を検出した場合に、対向局へのOSC光を出力停止することにより、対向局送信元のアンプ出力レベルを低下させるように制御される。
【0094】
このようにして、APR制御部38,39が、それぞれ、2系統の検出信号を受信したときに始めて、APR制御信号を削除するので、光伝送システム200aの運用がより安全に行なえる。
(A2)本発明の第1実施形態の第2変形例の説明
本変形例においては、第1局および第2局のそれぞれが、WDM光とOSC光との双方を用いて制御する代わりに、OSC光のみを用いて制御する方法について説明する。
【0095】
図7は本発明の第1実施形態の第2変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図7に示す光伝送システム200aは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。さらに、第1局はWDM端局100aを、第2局は中継局100bを、第3局は中継局100cを、第4局はWDM端局100dをそれぞれ表す。ここで、障害箇所から下流は、点線で表示されておりファイバ断を表している。なお、実線は、光が伝送していることを表す。また、各局の光出力は、それぞれ、独立して行なわれている。
【0096】
なお、本変形例は、OSC光のみを用いて制御するため、第1実施形態および第1変形例にて説明したAPR制御部38,39は、設けられていない。
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生する。
この場合、第2局は、第1局からの上りOSC光の受信ができず、入力断(OSC−LOL)を検出する。そして、第2局は、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを低下させると同時に、下りOSC光にAPR制御信号(OSC−APR)を付加する。
【0097】
一方、第1局において、OSC光受信部15は第2局からのOSC−APRを検出し、APR制御信号をアンプ30とOSC光送信部10とにそれぞれ出力する。これにより、アンプ30のWDM光出力レベルが低下し、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力レベルが低下する。
従って、本発明の光レベル制御方法は、第2局が、上りOSC光の受信断を認識することにより、光伝送路の障害を検出する(第2局障害検出ステップ)。
【0098】
そして、第2局が、第2局障害検出ステップにおける検出により、下りOSC光を調整して(OSC−APRを付加して)出力する(フィードバックステップ)。
さらに、第1局が、フィードバックステップにおいて調整された下りOSC光に基づいて、上り主信号光を調整して(低下させて)出力する(第1局上り光調整ステップ)。
【0099】
ファイバ障害復旧時は、第2局は第1局からの上りOSC光を受信できるため、OSC−LOL復旧を検出し、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを正常レベルに戻すと同時に、下りOSC光に含まれるOSC−APRを削除する。
一方、第1局は、第2局から出力された下りOSC光からOSC−APRが削除されていることを検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻す。
【0100】
このファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
すなわち、第2局が、上りOSC光に含まれる光レベルに関する制御信号(OSC−LOL復旧)を検出し、上りWDM光を正常レベルに戻して出力する(第2局復旧ステップ)。
【0101】
そして、第2局が下りOSC光を調整して(OSC−APRを削除して)出力する(フィードバックステップ)。
続いて、第1局が、フィードバックステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する(第1局復旧ステップ)。
このようにして、WDM光の出力レベルの代わりに、OSC光を用いて制御しているので、閾値の設定等の煩雑な作業が不要になる。
【0102】
(A3)本発明の第1実施形態の第3変形例の説明
本変形例も、第1局および第2局のそれぞれが、OSC光のみを用いて制御する方法について説明する。
図8は本発明の第1実施形態の第3変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図8に示す光伝送システム200aは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。さらに、第1局はWDM端局100aを、第2局は中継局100bを、第3局は中継局100cを、第4局はWDM端局100dをそれぞれ表す。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0103】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、第2局は第1局からのOSC−LOLを検出し、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを低下させると同時に下りOSC光の送信出力を停止する。
また、第1局は、第2局からのOSC−LOLを検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを低下させて、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力レベルが低下する。
【0104】
従って、本発明の光レベル制御方法は、第2局が、上りOSC光の受信断を認識することにより、光伝送路の障害を検出し(第2局障害検出ステップ)、第2局が、第2局障害検出ステップにおける検出により、下りOSC光にOSC−APRを付加して出力し(フィードバックステップ)、さらに、第1局が、フィードバックステップにおいて調整された下りOSC光に基づいて、上り主信号光を低下させて出力している(第1局上り光調整ステップ)。
【0105】
ファイバ障害復旧時は、第1局からの上りOSC光の受信とが得られるため、OSC−LOL復旧検出し対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを正常レベルに戻すと同時にOSC光の送信出力を正常レベルに戻す。第2局からのOSC−LOL復旧を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常にすることにより、ファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間のWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0106】
従って、本発明の光レベル制御方法は、第2局が、上りOSC光に含まれる光レベルに関する制御信号(OSC−LOL復旧)を検出し、上りWDM光を正常レベルに戻して出力し(第2局復旧ステップ)、第2局が下りOSC光を調整して(OSC−APRを削除して)出力し(フィードバックステップ)、さらに、第1局が、フィードバックステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する(第1局復旧ステップ)。
【0107】
このように、対向局へのOSC光の出力を停止することにより、対向局送信元のアンプ出力レベルを低下させるように制御される。
このようにして、WDM光の出力レベルの代わりに、OSC光を用いて制御しているので、閾値の設定等の煩雑な作業を行なう必要がなくなり、また、光伝送システム200aの運用がより安全に行なえる。
【0108】
(B)本発明の第2実施形態の説明
本実施形態は、レーザセーフティの制御方式として、ALS方式を用いている。このALS方式は、下流局がWDM−LOLを検出すると、自局の上りWDM光出力を停止し、これにより、WDM−LOLが、各下流局にて次々に検出されて段階的に下流局に伝わるようになっている。そして、最下流に位置するWDM端局110dが、WDM−LOLを検出すると、対向側のアンプ37の出力を停止させるのである。
【0109】
図9は本発明の第2実施形態に係る光伝送システムの構成図である。この図9に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、WDM端局110a,110dと、中継局110b,110cと、光伝送路110,112,114と、光伝送路111,113,115とをそなえて構成されている。また、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0110】
そして、図9に示すWDM端局110aは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、その波長多重されたWDM光とOSC光とを光伝送路110に出力するとともに、中継局110bから出力された下り光を分離しその分離されたWDM光を分波し波長(λ1〜λn)をそれぞれ有する光を出力し分離された他方のOSC光を復調するものである。このWDM端局110aは、上記のWDM端局100aとほぼ同一であるが、上記のAPR制御部39の代わりにALS制御部(ALS Control Box(2))41を有する。
【0111】
このALS制御部41は、OSC光受信部15,アンプ31,OSC光送信部10,アンプ30に接続され、下り光に含まれる制御信号に基づいて所定の制御信号を上り光に付加するものである。
ここで、ALS制御信号とは、光伝送システム200aの下流局に対してWDM光の停止を通知する信号である。そして、障害箇所よりも下流局の光増幅器が、WDM光を受信できないこと(WDM−LOL)を検出し、自局のWDM光出力を停止する。また、ALS制御信号が、正常のOSC光に付加されたものが、OSC−ALS信号光である。
【0112】
そして、ALS制御部41は、OSC光受信部15から出力されるOSC−ALS検出信号とアンプ31から出力されるWDM−LOL検出信号との2種類の信号を入力され、これらの信号を例えば論理積することにより、光伝送路の断を検出する。
さらに、中継局110bは、WDM端局110aにファイバにより、接続され、WDM端局110aから出力された上り光を受信し線形増幅して、その増幅した上り光を光伝送路112に出力するとともに、中継局110cから出力された下り光を受信し線形増幅して、その増幅した下り光を光伝送路111に出力するものである。
【0113】
この中継局110bが、第1実施形態における中継局100bと異なる点は、上り側のOSC光受信部11およびOSC光送信部10の対と、下り側のOSC光受信部15およびOSC光送信部12の対とが、それぞれ、独立している。従って、中継局110bは、上り光を受信して、障害発生を検出しても、自局の対向側送信用のアンプ33の出力レベルを調整せずに、WDM端局110dが送信した下り光により、制御されるようになっている。
【0114】
同様に、中継局110cは、中継局110bとほぼ同様のものであって、中継局110bにファイバにより接続され、中継局110bから出力された上り光を受信し線形増幅して、その増幅した上り光を光伝送路114に出力するとともに、WDM端局110dから出力された下り光を受信し線形増幅して、その増幅した下り光を光伝送路113に出力するものである。
【0115】
さらに、WDM端局110dは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、その波長多重されたWDM光とOSC光とを光伝送路115に出力するとともに、中継局110cから出力された上り光を分離しその分離されたWDM光を分波し波長(λ1〜λn)をそれぞれ有する光を出力し分離された他方のOSC光を復調するものである。
【0116】
図10は本発明の第2実施形態に係る3局のブロック図であり、この図10に示す符号で、上述したものと同一のものは、同一の機能又は同様の機能を有する。
この図10に示すWDM端局110aのOSC光受信部15は、OSC光に関する情報(OSC情報)をALS制御部41に入力する。このOSC情報は、本実施形態では、OSC−ALS検出信号を意味する。また、アンプ31は、WDM光の受信レベルに関する情報(WDM情報)として、WDM−LOL検出信号をALS制御部41に入力するようになっている。
【0117】
そして、ALS制御部41は、OSC光受信部15から出力されるOSC−ALS検出信号とアンプ31から出力されるWDM−LOL検出信号との2種類の信号を入力され、これらの信号を例えば論理積することにより、光伝送路の断を検出する。
また、図10に示す中継局110bのOSC光受信部15は、ALS制御信号を抽出し、OSC光送信部14とアンプ33とのそれぞれに対してそのALS制御信号を受信したことを通知するようになっている。なお、中継局110cも、この中継局110bと同一の構成であり、重複した説明を省略する。
【0118】
さらに、図10に示すWDM端局110dのOSC光受信部11は、OSC光に関する情報(OSC情報)をALS制御部40に入力する。このOSC情報は、やはり、OSC−ALS検出信号である。また、アンプ33は、WDM光の受信レベルに関する情報(WDM情報)として、WDM−LOL検出信号をALS制御部40に入力する。
【0119】
そして、ALS制御部40は、OSC光受信部11から出力されるOSC−ALS検出信号とアンプ33から出力されるWDM−LOL検出信号との2種類の信号を入力され、これらの信号を例えば論理積することにより、光伝送路の断を検出する。
これにより、図10の上りについて、光伝送路110が正常の場合には、WDM端局110aが波長多重したWDM光とOSC光とからなる上り光は、中継局110bの分波器13において、WDM光とOSC光とに分波される。
【0120】
そして、OSC光は、OSC光受信部11において検波され制御信号が抽出され、その制御信号は、再度、OSC光送信部10に入力される。また、アンプ32において、WDM光が増幅され、合波器12において、アンプ32から出力されるWDM光とOSC光送信部10から出力されるOSC光とが合波されて、その合波されたWDM光が光伝送路114に出力される。
【0121】
次に、その出力された上り光は、中継局110cにて、中継局110bと同様な処理されてから、WDM端局110dに入力されるのである。
上り光は、WDM端局110dの分波器13において、WDM光とOSC光とに分波され、OSC光は、OSC光受信部11において受信され、WDM光は、アンプ33において増幅されてから分離部22を介して出力される。
【0122】
さらに、OSC光受信部11からのOSC情報と、アンプ33からのWDM情報とは、それぞれ、ALS制御部40にて論理積されて、その結果が、OSC光送信部14とアンプ37とのそれぞれに対して出力される。
一方、下りについても、上りと同様である。
従って、やはり、ALS制御部40,41は、WDM情報と、OSC情報との双方が入力されないと、アンプ37,31の出力は停止されないので、この光伝送システム200aが容易に停止しないように保護されるのである。
【0123】
上述の構成により、本実施形態における、光レベル制御方法について、障害検出方法と復旧方法とを、図11,図12を参照しながらそれぞれ詳述する。
図11は本発明の第2実施形態に係る障害発生時の動作を説明するための図である。また、第1局はWDM端局110aを、第2局は中継局110bを、第3局は、中継局110cを、第4局はWDM端局110dをそれぞれ表す。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0124】
障害が発生したときの障害検出については、第1実施形態(図4参照)における内容と同様である。具体的には、図11に示す第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局のアンプ32に対して、ILA1−WDM光出力(アンプ32によるWDM光出力)を停止し、OSC−ALSを上りOSC光に付加する。
【0125】
同様に、第3局は、第2局からのOSC−ALSを検出し、第4局に対して、ILA3−WDM光出力(アンプ34によるWDM光出力)を停止し、OSC−ALSを上りOSC光に付加する。
第4局のアンプ36は、WDM−LOLと第3局からのOSC−ALSとを双方とも検出し、ALS制御部40は、これらWDM−LOLとOSC−ALSとを入力され、ALS制御信号を、対向側送信用のアンプ37とOSC光送信部14とにそれぞれ、出力する。
【0126】
そして、このALS制御信号を入力されたアンプ37は、下りWDM光出力を停止し、また、ALS制御信号を入力されたOSC光送信部14は、下りOSC光にOSC−ALSを付加する。
第3局は、第4局からのOSC−ALSを検出し、第2局へのILA4−WDM光出力(アンプ35によるWDM光出力)を停止し、OSC−ALSを下りOSC光に付加する。また、第2局も同様に動作する。
【0127】
第1局において、アンプ31はWDM−LOLを検出し、OSC光受信部15は第2局からのOSC−ALSを検出する。また、ALS制御部41は、これらWDM−LOLとOSC−ALSとにより、ALS制御信号をアンプ30に出力する。このALS制御信号により、アンプ30は、WDM光出力を停止し、これにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0128】
次に、ファイバ障害復旧時を、図12を参照して説明する。図12は本発明の第2実施形態に係る復旧方法を説明するためのフローチャートである。
本発明の光レベル制御方法は、光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上りOSC光を有する上り光と下り主信号光および下りOSC光を有する下り光とに関するものである。
【0129】
まず、ステップC2にて、第2局が、上りOSC光の出力を受信する(第2局上り光受信ステップ)。
そして、ステップC3にて、第2局よりも上り下流側にある上り下流局が、前段の局から出力された上りOSC光の出力に基づき復旧を検出する(上り下流局上り光検出ステップ)。ここで、上り下流局とは、例えば第3局のことをいい、また、前段の局とは、この場合、第2局のことをいう。
【0130】
続いて、ステップC4にて、上り下流局が、上り下流局上り光検出ステップにおける検出により、上り主信号光,上りOSC光,下り主信号光および下りOSC光のうちの少なくとも一つを調整して出力する(上り下流局折り返しステップ)。
また、この上り下流局折り返しステップにおいて、上り下流局が、復旧を、下り主信号光の出力と下りOSC光に含まれる光レベルに関する制御信号とに基づいて下りOSC光を出力する。
【0131】
さらに、ステップC5にて、第2局が、上り下流局折り返しステップにおける調整に基づき復旧を検出して下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、下りOSC光に含まれる光レベルに関する制御信号を付加して出力する(第2局下り主信号光出力ステップ)。
そして、ステップC6にて、第1局が、第2局下り主信号光出力ステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する(第1局復旧ステップ)。さらに、この第1局復旧ステップにおいて、第1局が、復旧を、制御信号としての光出力の遮断を示す自動光遮断信号(ALS)が削除されていることと、下り主信号光の出力とに基づいて検出するとともに、自動光遮断信号を削除して上り主信号光を正常レベルに戻して出力するようになっている。
【0132】
具体的には、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局へのILA1−WDM光の出力を再開すると同時に上りOSC光からOSC−ALSを削除する。
第3局において同様の動作が行なわれ、第4局はアンプ36によりWDM−LOL復旧を検出し、かつ、OSC光受信部11により第3局からのOSC−ALS削除を検出し、これらの検出信号が、それぞれ、ALS制御部40に入力される。そして、このALS制御部40は、これらWDM−LOL復旧とOSC−ALS復旧との双方を例えば論理積を用いて、両方が入力されたときにだけ、ALS制御信号が削除される。
【0133】
このALS制御信号の削除により、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルが正常レベルに戻され、かつ、下りOSC光のOSC−ALSが削除される。
さらに、第3局は、第4局からのOSC−ALS削除を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においても同様の動作が行なわれる。
【0134】
そして、第1局において、アンプ31がWDM−LOL復旧を検出し、また、OSC光受信部15が第2局からのOSC−ALS削除を検出し、これらの検出信号が、ALS制御部41に入力される。
そして、このALS制御部41は、これらWDM−LOL復旧とOSC−ALS復旧とにより、例えば論理積を用いて、双方が入力されたときに始めてALS制御信号を削除する。
【0135】
このように、送信最終局および対向局送信元でアンプの受信LOL検出条件を付加することにより、対向側送信用の元のアンプ出力が停止するように制御される。
また、このように、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻され、また、ファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間のWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
【0136】
このようにして、2箇所以上のファイバ障害において、片方のみ復旧した場合でも安全に自動復旧させることができる。
(B1)本発明の第2実施形態の第1変形例の説明
本変形例においても、ALS方式により、WDM−LOLが、各下流局にて次々に検出されて段階的に下流局に伝わるようになっている。
【0137】
図13は本発明の第2実施形態の第1変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図13に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。さらに、第1局はWDM端局110aを、第2局は中継局110bを、第3局は、中継局110cを、第4局はWDM端局110dをそれぞれ表す。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0138】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対してILA1−WDM光出力と上りOSC光の出力とを停止する。
同様に、第3局は、第2局からのOSC−LOLを検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力と上りOSC光の出力とをいずれも停止する。
【0139】
また、第4局はアンプ36のWDM−LOLと第3局からのOSC−LOLとを双方とも検出し、ALS制御部40は、WDM−LOLとOSC−LOLとにより、ALS制御信号を対向側送信用のアンプ37と、OSC光送信部14とに出力する。このALS制御信号により、アンプ37の下りWDM光出力と、OSC光送信部14の下りOSC光の出力がいずれも停止される。
【0140】
第3局は、第4局からのOSC−LOLを検出し、第2局に対するILA4−WDM光出力を停止し、OSC光出力を停止する。第2局においても同様の動作が行なわれる。
第1局において、アンプ31によるWDM−LOL検出と、OSC光送信部15による第2局からのOSC−LOL検出とに基づき、ALS制御部41は、これらWDM−LOLとOSC−LOLにより、ALS制御信号をアンプ30に出力する。アンプ30は、このALS制御信号により、その上りWDM光出力を停止し、これにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力される上りWDM光出力が停止する。
【0141】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光の受信が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力レベルとOSC−LOL光出力レベルとをそれぞれ正常レベルに戻す。第3局において同様の動作が行なわれる。
第4局は、アンプ36によるWDM−LOL復旧と、OSC光受信部11による第3局からのOSC−LOL復旧とをそれぞれ検出し、ALS制御部40は、WDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とにより、ALS制御信号を削除する。従って、上り下流局上り光検出ステップにおいて、上り下流局が、復旧を、上り主信号光の出力と上りOSC光の出力とに基づいて検出するように構成されていることになる。
【0142】
このALS制御信号により、ALS制御部40は、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルと、OSC−LOL光出力レベルとをそれぞれ正常レベルに戻す。
第3局は、第4局からのOSC−LOL復旧を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においては同様の動作が行なわれる。
【0143】
第1局は、アンプ31によるWDM−LOL復旧と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−LOL復旧とをそれぞれ検出し、ALS制御部41は、これらWDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とにより、ALS制御信号を削除する。
このALS制御信号により、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻される。このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0144】
このように、送信最終局および対向局送信元でアンプの受信LOL検出条件を付加することにより、対向側送信用の元のアンプ出力が停止するように制御される。
また、このように、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻され、また、ファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間のWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
【0145】
(B2)本発明の第2実施形態の第2変形例の説明
図14は本発明の第2実施形態の第2変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図14に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。さらに、第1局はWDM端局110aを、第2局は中継局110bを、第3局は、中継局110cを、第4局はWDM端局110dをそれぞれ表す。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0146】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力を停止し、上りOSC光にOSC−ALSを付加する。
同様に、第3局は、第2局からのOSC−ALSを検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力を停止し、上りOSC光にOSC−ALSを付加する。
【0147】
第4局はアンプ36によるWDM−LOLと、OSC光受信部11による第3局からのOSC−ALSとをそれぞれ検出し、ALS制御部40は、これらWDM−LOLとOSC−ALSとにより、ALS制御信号を、対向側送信用のアンプ37とOSC光送信部14に出力する。このALS制御信号により、アンプ37のWDM光出力と上りOSC光の出力とがそれぞれ停止する。
【0148】
第3局は、第4局からのOSC−ALSを検出し、第2局に対するILA4−WDM出力とOSC光の出力とをそれぞれ停止する。第2局においても同様の動作が行なわれる。
第1局は、アンプ31によるWDM−LOL検出と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−LOL検出とに基づき、ALS制御部41は、WDM−LOLとOSC−LOLとにより、ALS制御信号をアンプ30に出力する。このALS制御信号により、アンプ30のWDM光出力が停止し、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0149】
ファイバ障害復旧時は、第2局は第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力を停止し、上りOSC光からOSC−ALSを削除する。第3局においても同様に動作する。
第4局はアンプ36によるWDM−LOL復旧とOSC光受信部11による第3局からのOSC−ALS削除を検出し、ALS制御部40は、WDM−LOL復旧とOSC−ALS復旧とにより、ALS制御信号を削除する。このALS制御信号により、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルと下りOSC光の出力とがいずれも正常レベルに戻される。
【0150】
従って、上り下流局上り光検出ステップにおいて、上り下流局が、復旧を、上り主信号光の出力と、上り下流側から出力された下りOSC光に含まれる光出力の遮断を示す自動光遮断信号が削除されたこととに基づいて検出するとともに、上り下流局折り返しステップにおいて、上り下流局が、上り下流局検出ステップの後、下り主信号光のレベルと下りOSC光のレベルとを正常レベルに戻して出力するように構成されたことになる。
【0151】
第3局は、第4局からのOSC−LOL復旧を検出し、ILA4−WDM光出力レベルと下りOSC光の出力とを正常に戻す。第2局においては同様の動作が行なわれる。
第1局は、アンプ31によるWDM−LOL復旧と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−LOL復旧とをそれぞれ検出する。そして、ALS制御部41は、これらWDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とにより、ALS制御信号を削除し、このALS制御信号により、アンプ30の上りWDM光出力レベルが正常レベルに戻される。このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0152】
このように、送信最終局および対向局送信元でアンプの受信LOL検出条件を付加することにより、対向側送信用の元のアンプ出力が停止するように制御される。
また、このように、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻され、また、ファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間のWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
【0153】
(B3)本発明の第2実施形態の第3変形例の説明
図15は本発明の第2実施形態の第3変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図15に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0154】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力と上りOSC光出力とをいずれも停止する。
同様に、第3局は第2局からのOSC−LOLを検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力と上りOSC光出力とをいずれも停止する。第4局は第3局からのOSC−LOLを検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力を停止し、かつ、下りOSC光にOSC−ALSを付加する。
【0155】
第3局は第4局からのOSC−ALSを検出し、第2局に対するILA3−WDM光出力を停止し、下りOSC光にOSC−ALSを付加する。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は第2局からのOSC−ALSを検出し、アンプ30のWDM光出力を停止する。これにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0156】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力レベルと上りOSC光の送信出力とを正常レベルに戻す。第3局においても同様の動作が行なわれ、第4局においては、第3局からのOSC−LOL復旧を検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルを正常に戻し、かつ、OSC−ALSを削除する。
【0157】
第3局は第4局からのOSC−ALS削除を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は第2局からのOSC−ALS削除を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻す。
従って、上り下流局上り光検出ステップにおいて、上り下流局が、復旧を、上り主信号光の出力と上りOSC光に含まれる光出力の遮断を通知する自動光遮断信号が削除されたこととに基づいて検出するとともに、上り下流局折り返しステップにおいて、上り下流局が、自動光遮断信号を削除して下りOSC光を出力するように構成されたことになる。
【0158】
このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
このように、ALS方式において、ファイバ障害時に受信局でOSC光の受信LOLを検出した場合に、次の中継(下流)局へのOSC光の送信出力を停止することにより、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。
【0159】
また、このように、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻され、また、ファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間のWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(B4)本発明の第2実施形態の第4変形例の説明
図16は本発明の第2実施形態の第4変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図16に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0160】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力を停止し、上りOSC光にOSC−ALSを付加する。同様に、第3局は、第2局からのOSC−ALSを検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力を停止し、かつ、上りOSC光にOSC−ALSを付加する。
【0161】
第4局は、第3局からのOSC−ALSを検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力を停止し、かつ、OSC−ALSを付加する。第3局は第4局からのOSC−ALSを検出し、第2局に対するILA4−WDM出力を停止し、かつ、下りOSC光にOSC−ALSを付加する。第2局においても同様の動作が行なわれる。
【0162】
第1局は第2局からのOSC−ALSを検出し、アンプ30のWDM光出力を停止することにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力を停止する。
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力レベルを元に戻し、かつ、上りOSC光からOSC−ALSを削除する。第3局においても同様の動作が行なわれる。
【0163】
第4局は第3局からのOSC−ALS削除を検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルを正常レベルに戻して、OSC−ALSを削除する。第3局は第4局からのOSC−ALS削除を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においても同様の動作が行なわれる。
第1局は第2局からのOSC−ALS削除を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻す。このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0164】
このように、受信局でOSC光の受信LOLを検出した場合に次中継局へのOSC光送信出力にALS制御信号付加することにより、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(B5)本発明の第2実施形態の第5変形例の説明
図17は本発明の第2実施形態の第5変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図17に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0165】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力と上りOSC光出力とを停止する。同様に、第3局は、第2局からのOSC−LOL検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力と上りOSC光出力を停止する。
【0166】
第4局は、第3局からのOSC−LOLを検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力を停止し、かつ、下りOSC光出力を停止する。第3局は、第4局からのOSC−LOLを検出し、第2局に対するILA4−WDM出力を停止し、かつ、下りOSC光出力を停止する。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は、第2局からのOSC−LOLを検出し、かつ、アンプ30のWDM光出力を停止する。これにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0167】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA3−WDM光出力レベルと上りOSC光出力レベルとをいずれも正常レベルに戻す。第3局においても同様の動作が行なわれ、第4局は、第3局からのOSC−LOL復旧を検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルと下りOSC光の出力レベルとをいずれも正常レベルに戻す。
【0168】
第3局は、第4局からのOSC−LOL復旧を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は、第2局からのOSC−LOL復旧を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻す。このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0169】
このように、送信最終局でOSC光送信出力が停止することにより、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(B6)本発明の第2実施形態の第6変形例の説明
図18は本発明の第2実施形態の第6変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図18に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0170】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力を停止し、上りOSC光にOSC−ALSを付加する。同様に、第3局は、第2局からのOSC−ALSを検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力を停止し、かつ、上りOSC光にOSC−ALS信号を付加する。
【0171】
第4局は、第3局からのOSC−ALSを検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力を停止し、かつ、下りOSC光出力を停止させる。第3局は、第4局からのOSC−LOLを検出し、第2局に対するILA4−WDM出力を停止し、かつ、下りOSC光出力を停止させる。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は、第2局からのOSC−LOLを検出し、アンプ30のWDM光出力が停止することにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0172】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA3−WDM光出力を再開し、かつ、上りOSC光からOSC−ALSを削除する。第3局においても同様の動作が行なわれ、第4局は、第3局からのOSC−ALS削除を検出し、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルとOSC光出力レベルとのそれぞれのレベルを正常レベルに戻す。
【0173】
第3局は、第4局からのOSC−LOL復旧を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は、第2局からのOSC−LOL復旧を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻す。このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルを自動復旧する。
【0174】
このように、送信最終局でOSC光の送信出力が停止することにより、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(B7)本発明の第2実施形態の第7変形例の説明
図19は本発明の第2実施形態の第7変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図19に示す光伝送システム200bは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0175】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、アンプ32は、第1局からのOSC−LOLを検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力と上りOSC光出力とのそれぞれを停止させる。同様に、第3局は、第2局からのOSC−LOLを検出し、第4局に対するILA3−WDM光出力と、上りOSC光出力が停止させる。
【0176】
第4局において、アンプ36のWDM−LOLと、第3局からのOSC−LOLとのそれぞれが検出される。そして、ALS制御部40は、これらWDM−LOLとOSC−LOLとにより、ALS制御信号をアンプ37とOSC光送信部14とのそれぞれに出力する。また、このALS制御信号を受信すると、対向側送信用のアンプ37はWDM光出力を停止し、かつ、OSC光送信部14は下りOSC光にOSC−ALSを付加する。
【0177】
第3局は、第4局からのOSC−ALSを検出し、第2局に対するILA4−WDM出力を停止し、かつ、下りOSC光にOSC−ALSを付加する。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は、アンプ31によるWDM−LOL検出と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−ALS検出とを行なう。ALS制御部41は、これらWDM−LOLとOSC−ALSとにより、ALS制御信号をアンプ30へ送信する。このALS制御信号により、アンプ30のWDM光出力が停止する。このファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0178】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し、第3局に対するILA1−WDM光出力レベルと上りOSC光出力レベルとをいずれも正常レベルに戻す。第3局においても同様の動作が行なわれる。
第4局は、アンプ36によるWDM−LOL復旧検出と、OSC光受信部11による第3局からのOSC−LOL復旧検出とを行なう。ALS制御部40は、これらWDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とにより、ALS制御信号を削除する。このALS制御信号により、対向側送信用のアンプ37のWDM光出力レベルが正常に戻されて、下りOSC光のOSC−ALSが削除される。
【0179】
第3局は、第4局からのOSC−ALS削除を検出し、ILA4−WDM光出力レベルを正常レベルに戻す。第2局においても同様の動作が行なわれ、第1局は、アンプ31によるWDM−LOL復旧と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−ALS削除とをそれぞれ検出し、ALS制御部41は、これらWDM−LOL復旧とOSC−ALS復旧とにより、ALS制御信号を削除する。このALS制御信号により、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻される。このファイバ障害復旧により、第1局から第4局までの間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0180】
このように、送信最終局および対向局送信元でアンプの受信LOL検出条件を付加することにより、対向側送信用の元のアンプ出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(C)本発明の第3実施形態の説明
本実施形態は、レーザセーフティの制御方式として、APSD方式が用いられており、障害箇所よりも下流の中継局のアンプが、WDM−LOLを検出すると、そのアンプが、下り対向用のアンプのWDM光出力を停止させるようになっている。このAPSD方式は、ALS方式のように、次の局には波及せずにファイバ障害が発生した区間においてのみ、WDM光出力が停止する。
【0181】
図20は本発明の第3実施形態に係る光伝送システムの構成図である。この図20に示す光伝送システム200cは、波長多重光を伝送するものであって、WDM端局120a,120dと、中継局120b,120cと、光伝送路120,112,114と、光伝送路111,113,115とをそなえて構成されている。また、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0182】
この図20に示すWDM端局120aは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、その波長多重されたWDM光とOSC光とを光伝送路120に出力するとともに、中継局120bから出力された下り光を分離しその分離されたWDM光を分波し波長(λ1〜λn)をそれぞれ有する光を出力し分離された他方のOSC光を復調するものである。このWDM端局120aは、第1実施形態に示すWDM端局100aとほぼ同一であるが、上記のAPR制御部39の代わりにAPSD制御部(APSD Control Box(2))43を有する。
【0183】
また、第3実施形態において、WDM端局120aの詳細は、第1実施形態(図2参照)にて説明したWDM端局100aとほぼ同一の構成である。
このAPSD制御部43は、OSC光受信部15,アンプ31,OSC光送信部10,アンプ30に接続され、下り光に含まれる制御信号に基づいて所定の制御信号を上り光に付加するものである。
【0184】
ここで、APSD制御信号とは、光伝送システム200cの下流局に対してWDM光出力の停止を通知する信号である。そして、障害箇所よりも下流局の光増幅器が、WDM光を受信できないこと(WDM−LOL)を検出し、自局のWDM光出力を停止する。また、APSD制御信号が、正常のOSC光に付加されたものが、OSC−APSD信号光である。
【0185】
そして、APSD制御部43は、OSC光受信部15から出力されるOSC−APSD検出信号とアンプ31から出力されるWDM−LOL検出信号との2種類の信号を入力され、これらの信号を例えば論理積することにより、光伝送路の断を検出する。
さらに、中継局120bは、WDM端局120aにファイバにより、接続され、WDM端局120aから出力された上り光を受信し線形増幅して、その増幅した上り光を光伝送路112に出力するとともに、中継局120cから出力された下り光を受信し線形増幅して、その増幅した下り光を光伝送路111に出力するものである。また、中継局120bは、第1実施形態の中継局100bとほぼ同一である。
【0186】
同様に、中継局120cは、中継局120bとほぼ同様のものであって、中継局120bとにファイバにより接続され、中継局120bから出力された上り光を受信し線形増幅して、その増幅した上り光を光伝送路114に出力するとともに、WDM端局120dから出力された下り光を受信し線形増幅して、その増幅した下り光を光伝送路113に出力するものである。
【0187】
さらに、WDM端局120dは、複数の異なる波長(λ1〜λn)を有する光を波長多重し、その波長多重されたWDM光とOSC光とを光伝送路115に出力するとともに、中継局120cから出力された上り光を分離しその分離されたWDM光を分波し波長(λ1〜λn)をそれぞれ有する光を出力し分離された他方のOSC光を復調するものである。
【0188】
上述の構成によって、本実施形態における、光レベル制御方法について、障害検出方法と復旧方法とを、図21を用いてそれぞれ詳述する。また、第1局はWDM端局120aを、第2局は中継局120bを、第3局は、中継局120cを、第4局はWDM端局120dをそれぞれ表す。また、点線は光が出力されていることを表し、実線は光が断になっていることを表す。
【0189】
図21は本発明の第3実施形態に係る光制御方法を説明するための図であり、障害検出については、上記第1実施形態(図3参照)にて説明した内容と同様である。具体的には、図21にて、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、第2局は、アンプ32によるWDM−LOL検出と、第1局からのOSC−LOL検出とに基づき、APSD制御部42にてこれらWDM−LOLとOSC−LOとにより、アンプ33とOSC光送信部14とのそれぞれにAPSD制御信号を出力する。そして、このAPSD制御信号により、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力が停止すると同時に、上りOSC光にOSC−APSDを付加する。
【0190】
第1局のアンプ31はWDM−ILD検出と第2局からのOSC−APSD検出とに基づき、APSD制御部43にて、WDM−ILDとOSC−APSDとにより、アンプ30にAPSD制御信号を出力する。このAPSD制御信号により、アンプ30のWDM光出力が停止する。これにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0191】
ファイバ障害復旧時は、第2局は第1局からのWDM光及び上りOSC光が得られるため、WDM−LOLとOSC−LOLとの復旧をそれぞれ検出し、APSD制御部43にてWDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧により、APSD制御信号を削除する。このAPSD制御信号により、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルが正常にされ、OSC−APSDが削除される。
【0192】
従って、本発明の光レベル制御方法は、光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上りOSC光を有する上り光と下り主信号光および下りOSC光を有する下り光とに関するものである。
まず、第2局が、少なくとも上りOSC光の出力を受信して下り主信号光を出力し(第2局復旧ステップ)、第2局が下りOSC光を調整して出力し(第2フィードバックステップ)、次に、第1局が、第2フィードバックステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する(第1局復旧ステップ)。
【0193】
第1局のアンプ31はWDM−ILDを検出し、かつ、第2局からのOSC−LOL復旧を検出し、下りOSC光に含まれるAPSD制御信号の削除を検出する。従って、上記の第2局復旧ステップが、第2局が、復旧を、第1局により、出力された下りOSC光に含まれる下りOSC光の復旧と、上り主信号光の出力とに基づいて検出するとともに、第2局が、下りOSC光に含まれる自動パワー遮断信号(APSD)を削除するように構成されたことになる。
【0194】
そして、APR制御部38は、これらWDM−ILD復旧とOSC−APSD削除とにより、APSD制御信号を削除する。従って、第1局復旧ステップが、第1局が、復旧を、下り主信号光のレベルが所定レベルを示す閾値信号(WDM−ILD)と、自動パワー遮断信号(APSD)が削除されていることとに基づいて検出するように構成されたことになる。
【0195】
この制御信号により、第1局は、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻し、ファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光信号の光出力レベルを自動復旧する。
このように、APSD方式において、受信局でOSC光の受信LOLを検出した場合に、対向局へのアンプ出力を停止し、対向局へのOSC光送信部14にAPSD制御信号を付加して、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。
【0196】
また、このように、受信局でOSC光の受信LOLおよびアンプの受信LOLの両方を検出した場合に、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
このようにして、2箇所以上のファイバ障害において、片方のみ復旧した場合でも安全に自動復旧させることができる。従って、このようにして、システム運用の確実性が向上する。
【0197】
(C1)本発明の第3実施形態の第1変形例の説明
図22は本発明の第3実施形態の第1変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図22に示す光伝送システム200cは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0198】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、WDM−LOL検出と第1局からのOSC−LOLの検出とにより、APSD制御部42にてWDM−LOLとOSC−LOLとに基づいて、アンプ33とOSC光送信部14とにそれぞれAPSD制御信号を出力する。このAPSD制御信号により、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力が停止すると同時に、下りOSC光出力が停止する。
【0199】
第1局のアンプ31は、アンプ31によるWDM−ILD検出と、OSC光受信部15による第2局からのOSC−LOL検出とを行なう。そして、APSD制御部43は、これらWDM−ILDとOSC−LOLとにより、アンプ30にAPSD制御信号を出力する。このAPSD制御信号によって、アンプ30のWDM光出力が低下される。このファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0200】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からのWDM光と上りOSC光とが得られるため、WDM−LOL復旧とOSC−LOL復旧とをそれぞれ検出し、APSD制御部42にてWDM−LOLとOSC−LOLとのそれぞれの復旧により、APSD制御信号を削除する。
このAPSD制御信号により、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルとOSC光の送信出力を正常レベルに戻す。第1局のアンプ31はWDM−ILDを検出し、かつ、第2局からのOSC−LOL復旧を検出し、APSD制御部43にてWDM−ILD復旧とOSC−LOL復旧とにより、APSD制御信号が削除される。このAPSD制御信号により、アンプ30のWDM光出力レベルが正常レベルに戻される。このファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光信号の光出力レベルを自動復旧する。
【0201】
このように、受信局でOSC光の受信LOLおよびアンプの受信LOLの両方を検出した場合に、対向局へのOSC光を出力停止することにより、対向局送信元のアンプ出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(C2)本発明の第3実施形態の第2変形例の説明
図23は本発明の第3実施形態の第2変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図23に示す光伝送システム200cは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0202】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、第2局は第1局からの上りOSC光の受信と入力断(OSC−LOL)とを検出し、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力を停止させると同時に、OSC光送信部14にAPSD制御信号(OSC−APSD)を付加する。第1局は第2局からのOSC−APSDを検出しかつ、アンプ30のWDM光出力を停止させることにより、ファイバ障害のために切断されたファイバから出力されるWDM光出力が停止する。
【0203】
ファイバ障害復旧時は、第2局は第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを正常レベルに戻すと同時に、OSC−APSDを削除する。さらに、第1局は、第2局からのOSC−APSD削除を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルに戻す。このファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
【0204】
(C3)本発明の第3実施形態の第3変形例の説明
図24は本発明の第3実施形態の第3変形例に係る光制御方法を説明するための図である。この図24に示す光伝送システム200cは、波長多重光を伝送するものであって、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0205】
このような構成によって、第1局のアンプ30と第2局のアンプ32との間において、ファイバ障害(Aと付したところ)が発生すると、第2局は第1局からのOSC−LOLを検出し、対向側送信用のアンプ33のWDM光出力を停止させると同時に、上りOSC光出力を停止させる。第1局は、第2局からのOSC−LOLを検出し、アンプ30のWDM光出力を停止する。これにより、ファイバ障害のために切断されたファイバからのWDM光出力が停止する。
【0206】
ファイバ障害復旧時は、第2局は、第1局からの上りOSC光が得られるため、OSC−LOL復旧を検出し対向側送信用のアンプ33のWDM光出力レベルを正常レベルに戻すと同時に、下りOSC光出力レベルを正常レベルに戻す。第1局は、第2局からのOSC−LOL復旧を検出し、アンプ30のWDM光出力レベルを正常レベルにする。このファイバ障害復旧により、第1局と第2局との間におけるWDM光信号の光出力レベルが自動復旧する。
【0207】
このように、対向局へのOSC光を出力停止することにより、対向局送信元のアンプ出力出力が停止するように制御される。従って、システムの運用等において、作業者の安全性が維持される。
(D)その他
上記の第1実施形態〜第3実施形態における復旧動作については、OSC光が遮断されない状態を説明したが、このOSC光は、第1局と第2局との間において、片側のみを遮断させたり、あるいは、両側を遮断させるようにすることができる。
【0208】
すなわち、OSC光を遮断しない場合は、上述したように、次の(1−1)〜(1−10)に示すようになる。
(1−1)上流局と下流局との間(下り回線)にてファイバ障害が発生する。
(1−2)下流局がWDM光の受信不可(WDM−LOL)を検出する。
(1−3)下流局がOSC光の受信不可(OSC−LOL)を検出する。
【0209】
(1−4)上記2種類のLOL検出により、上り回線のWDM光のみが出力を遮断又はレベルダウンされる。
(1−5)障害箇所の修復完了
(1−6)下流局において、OSC光の受信が可能となる。
(1−7)下流局において、上り回線のWDM光が自動復帰する。
【0210】
(1−8)下流局において、OSC光に含まれる情報により、WDM光の出力復帰要求が付加される。
(1−9)OSC情報により、送信用アンプがWDM光の出力を再開する。
(1−10)その結果、下り回線の信号出力が再開する。
次に、OSC光を片側のみを遮断させて、伝送する場合は、次の(2−1)〜(2−9)に示すようになる。
【0211】
(2−1)上流局と下流局との間(下り回線)にてファイバ障害が発生する。
(2−2)下流局がWDM光の受信不可(WDM−LOL)を検出する。
(2−3)下流局がOSC光の受信不可(OSC−LOL)を検出する。
(2−4)上記2種類のLOL検出により、上り回線のWDM光とOSC光との双方の光出力を遮断又はレベルダウンされる。
【0212】
(2−5)その結果、下り回線のWDM光のみについてその出力が遮断される。
(2−6)障害箇所の修復完了
(2−7)下流局は、OSC光を受信できるようになる。
(2−8)下流局は、上り回線のWDM光とOSC光との双方の出力を自動再開する。
【0213】
(2−9)その結果、下り回線の信号出力が復帰する。
さらに、OSC光について、両側を遮断させて、伝送する場合は、次の(3−1)〜(3−9)に示すようになる。
(3−1)上流局と下流局との間(下り回線)にてファイバ障害が発生する。
(3−2)下流局がWDM光の受信不可(WDM−LOL)を検出する。
【0214】
(3−3)下流局がOSC光の受信不可(OSC−LOL)を検出する。
(3−4)上記2種類のLOL検出により、上り回線のWDM光とOSC光との双方の光出力を遮断又はレベルダウンされる。
(3−5)その結果、下り回線のWDM光とOSC光との総称の出力が遮断される。
【0215】
(3−6)障害箇所の修復完了
(3−7)下流局は、OSC光を受信できるようになる。
(3−8)下流局は、上り回線のWDM光とOSC光との双方の出力を自動再開する。
(3−9)その結果、下り回線の信号出力が復帰する。
【0216】
なお、本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば上記のAPR制御部39等は、論理積を用いていたが、これを他のロジック回路や、その他必要な信号を入力するようにして、別の論理を使用するようにしてもよい。
【0217】
上り下りの定義は便宜上のものであって、これらが異なることにより、本発明の優位性が損なわれることがないのは、言うまでもない。
第2実施形態において、上り下流局は、WDM端局120dが選択されていたが、APSD制御信号の折り返し機能は、WDM端局に限定されずに、設計上必要な局であって、光伝送路上の他の局を用いても、折り返しを実施することが可能である。
【0218】
なお、上記のWDM端局100a,100d,中継局100b,100c等は、NE(Network Element)と称されることがある。
(E)付記
(付記1) 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
該第2局が、該上り副信号光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、
該第2局が該下り副信号光を調整して出力するフィードバックステップと、
該第1局が、該フィードバックステップにて調整された該下り副信号光に基づき復旧を検出して該上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップと、
該第2局が、該第1局復旧ステップにて得られた該上り主信号光と該上り副信号光とに基づいて該上り主信号光の復旧を判定する第2局復旧判定ステップと、
該第2局が、該第2局復旧判定ステップにおいて復旧と判定された場合は該下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、復旧と判定されない場合は該下り主信号光の出力を停止し続ける第2局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
【0219】
(付記2) 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
該第2局が、該上り副信号光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、
該第2局よりも上り下流側にある上り下流局が、前段の局から出力された該上り副信号光の出力に基づき復旧を検出する上り下流局上り光検出ステップと、
該上り下流局が、該上り下流局上り光検出ステップにおける該検出により、該上り主信号光,該上り副信号光,該下り主信号光および該下り副信号光のうちの少なくとも一つを調整して出力する上り下流局折り返しステップと、
該第2局が、該上り下流局折り返しステップにおける調整に基づき復旧を検出して該下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、該下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号を付加して出力する第2局下り主信号光出力ステップと、
該第1局が、該第2局下り主信号光出力ステップにて調整された該下り副信号光に基づき復旧を検出して該上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
【0220】
(付記3) 該第1局復旧ステップが、
該第1局が、該復旧を、該下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号と該下り副信号光の出力とに基づいて検出するように構成されたことを特徴とする、付記1又は付記2記載の光レベル制御方法。
(付記4) 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局との間において、上り主信号光および上り副信号光を含む上り光と下り主信号光および下り副信号光を含む下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
該第2局が、該上り副信号光レベルと、該上り副信号光に含まれる制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、該光伝送路の障害を検出する第2局障害検出ステップと、
該第2局が、該第2局障害検出ステップにおける該検出により、該下り副信号光と該下り主信号光とのうちの少なくとも一方を調整して出力する第2フィードバックステップと、
該第1局が、該第2フィードバックステップにおいて調整された該下り副信号光と該下り主信号光とのうちの少なくとも一方に基づいて、該上り主信号光を調整して出力する第1局上り光調整ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
【0221】
(付記5) 該第2局障害検出ステップが、さらに、
該第2局が、該検出を、該第2局よりも上り下流側に設けられた上り下流局が出力した該下り副信号光の受信断を認識することと、該下り副信号光に含まれる下り制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、行なうように構成されたことを特徴とする、付記4記載の光レベル制御方法。
【0222】
(付記6) 該第1局復旧ステップが、
該第1局が、該制御信号として、該下り副信号光に含まれる光出力遮断を通知する自動パワー遮断信号を用いるように構成されことを特徴とする、付記3記載の光レベル制御方法。
(付記7) 該第1局復旧ステップが、
該第1局が、該復旧を、該制御信号としての光レベルの低下を示す自動レベル低下信号が削除されていることと、該下り主信号光のレベルが所定レベルを示す閾値信号とに基づいて検出するように構成されたことを特徴とする、付記3記載の光レベル制御方法。
【0223】
(付記8) 該第1局復旧ステップが、
該第1局が、該復旧を、該制御信号としての光出力の遮断を示す自動光遮断信号が削除されていることと、該下り主信号光の出力とに基づいて検出するとともに、該自動光遮断信号を削除して該上り主信号光を正常レベルに戻して出力するように構成されたことを特徴とする、付記3記載の光レベル制御方法。
【0224】
(付記9) 該第1局復旧ステップが、
該第1局が、該復旧を、該下り主信号光のレベルが所定レベルを示す閾値信号と、該下り副信号光の復旧とに基づいて検出するように構成されたことを特徴とする、付記3記載の光レベル制御方法。
(付記10) 該上り下流局上り光検出ステップが、
該上り下流局が、該復旧を、該上り主信号光の出力と該上り副信号光の出力とに基づいて検出するように構成されたことを特徴とする、付記2記載の光レベル制御方法。
【0225】
(付記11) 該上り下流局上り光検出ステップが、
該上り下流局が、該復旧を、該上り主信号光の出力と、上り下流側から出力された該下り副信号光に含まれる光出力の遮断を示す自動光遮断信号が削除されたこととに基づいて検出するとともに、
該上り下流局折り返しステップが、
該上り下流局が、該上り下流局検出ステップの後、該下り主信号光のレベルと該下り副信号光のレベルとを正常レベルに戻して出力するように構成されたことを特徴とする、付記2記載の光レベル制御方法。
【0226】
(付記12) 該上り下流局上り光検出ステップが、
該上り下流局が、該復旧を、該上り主信号光の出力と該上り副信号光に含まれる光出力の遮断を通知する自動光遮断信号が削除されたこととに基づいて検出するとともに、
該上り下流局折り返しステップが、
該上り下流局が、該自動光遮断信号を削除して該下り副信号光を出力するように構成されたことを特徴とする、付記2記載の光レベル制御方法。
【0227】
(付記13) 該上り下流局折り返しステップが、
該上り下流局が、該復旧を、該下り主信号光の出力と該下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号とに基づいて該下り副信号光を出力するように構成されたことを特徴とする、付記2記載の光レベル制御方法。
(付記14) 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
該第2局が、少なくとも該上り副信号光の出力を受信して該下り主信号光を出力する第2局復旧ステップと、
該第2局が該下り副信号光を調整して出力する第2フィードバックステップと、
該第1局が、該第2フィードバックステップにて調整された該下り副信号光に基づき復旧を検出して該上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
【0228】
(付記15) 該第2局復旧ステップが、
該第2局が、該復旧を、該第1局により、出力された該下り副信号光に含まれる下り副信号光の復旧と、該上り主信号光の出力とに基づいて検出するとともに、
該第2局が、該下り副信号光に含まれる該自動パワー遮断信号を削除するように構成されたことを特徴とする、付記14記載の光レベル制御方法。
【0229】
(付記16) 該第1局復旧ステップが、
該第1局が、該復旧を、該下り主信号光のレベルが所定レベルを示す閾値信号と、該自動パワー遮断信号が削除されていることとに基づいて検出するように構成されたことを特徴とする、付記14記載の光レベル制御方法。
(付記17) 該第1局上り光調整ステップが、
該第1局が、該検出を、該上り制御信号,該上り主信号光の出力レベルおよび該上り副信号光の出力レベルのうちの少なくとも2つを用いて行なうように構成されたことを特徴とする、付記4記載の光レベル制御方法。
【0230】
(付記18) 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
該第2局が、該上り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号と該上り副信号光の断とのうちの一方を検出し、少なくとも該上り主信号光を正常レベルに戻して出力する第2局復旧ステップと、
該第2局が該下り副信号光を調整して出力するフィードバックステップと、
該第1局が、該フィードバックステップにて調整された該下り副信号光に基づき復旧を検出して該上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
【0231】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光レベル制御方法によれば、第2局が、上りOSC光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、第2局が下りOSC光を調整して出力するフィードバックステップと、第1局が、フィードバックステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップと、第2局が、第1局復旧ステップにて得られた上り主信号光と上りOSC光とに基づいて上り主信号光の復旧を判定する第2局復旧判定ステップと、第2局が、第2局復旧判定ステップにおいて復旧と判定された場合は下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、復旧と判定されない場合は下り主信号光の出力を停止し続ける第2局復旧ステップとをそなえて構成されているので、WDM光入力レベルダウンの設定を不要にでき、また、ファイバ復旧により、人の手を煩わせずに安全に自動復旧させることが可能となる利点がある(請求項1)。
【0232】
また、本発明の光レベル制御方法は、第2局が、上りOSC光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、第2局よりも上り下流側にある上り下流局が、前段の局から出力された上りOSC光の出力に基づき復旧を検出する上り下流局上り光検出ステップと、上り下流局が、上り下流局上り光検出ステップにおける検出により、上り主信号光,上りOSC光,下り主信号光および下りOSC光のうちの少なくとも一つを調整して出力する上り下流局折り返しステップと、第2局が、上り下流局折り返しステップにおける調整に基づき復旧を検出して下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、下りOSC光に含まれる光レベルに関する制御信号を付加して出力する第2局下り主信号光出力ステップと、第1局が、第2局下り主信号光出力ステップにて調整された下りOSC光に基づき復旧を検出して上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップとをそなえて構成されているので、2箇所以上のファイバ障害において、片方のみ復旧した場合でも安全に自動復旧させることができる利点がある(請求項2)。
【0233】
さらに、本発明に関連する技術の光レベル制御方法は、第2局が、上りOSC光レベルと、上りOSC光に含まれる制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、光伝送路の障害を検出する第2局障害検出ステップと、第2局が、第2局障害検出ステップにおける検出により、下りOSC光と下り主信号光とのうちの少なくとも一方を調整して出力する第2フィードバックステップと、第1局が、第2フィードバックステップにおいて調整された下りOSC光と下り主信号光とのうちの少なくとも一方に基づいて、上り主信号光を調整して出力する第1局上り光調整ステップとをそなえて構成されているので、ファイバ障害となっている送信アンプの光出力の停止又は光出力レベルダウンが確実に行なわれる利点がある。
【0234】
また、前記第1局復旧ステップが、第1局が、復旧を、下りOSC光に含まれる光レベルに関する制御信号と下りOSC光の出力とに基づいて検出するように構成されてもよく、前記第2局障害検出ステップが、さらに、第2局が、検出を、第2局よりも上り下流側に設けられた上り下流局が出力した下りOSC光の受信断を認識することと、下りOSC光に含まれる下り制御信号を認識することとのうちの少なくとも一つにより、行なうように構成することもでき、このようにすれば、システム運用の確実性が向上する利点がある(請求項3)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光伝送システムの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る2局のブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る障害発生時の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る障害検出を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る復旧方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態の第2変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図8】本発明の第1実施形態の第3変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る光伝送システムの構成図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る3局のブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る障害発生時の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る復旧方法を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第2実施形態の第2変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第2実施形態の第3変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図16】本発明の第2実施形態の第4変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図17】本発明の第2実施形態の第5変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図18】本発明の第2実施形態の第6変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図19】本発明の第2実施形態の第7変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係る光伝送システムの構成図である。
【図21】本発明の第3実施形態に係る光制御方法を説明するための図である。
【図22】本発明の第3実施形態の第1変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図23】本発明の第3実施形態の第2変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図24】本発明の第3実施形態の第3変形例に係る光制御方法を説明するための図である。
【図25】光伝送システムの構成図である。
【図26】APR方式を説明するための図である。
【図27】ALS方式を説明するための図である。
【図28】APSD方式を説明するための図である。
【符号の説明】
10,14 OSC光送信部
11,15 OSC光受信部
12 合波器
13 分波器
20,23 多重部
21 分離部
22 分波部
30〜37 アンプ
38,39,40,41 APR制御部
38a,38b 論理ゲート
40,41 ALS制御部
42,43 APSD制御部
50,53,55,57 レーザーダイオード
51,52,54,56 フォトダイオード
70,72 制御回路
71 E/O変換器
73 O/E変換器
100a,110a,120a,100d,110d,120d WDM端局
100b,100c,110b,110c,120b,120c 中継局
110〜115 光伝送路
200,200a,200b,200c 光伝送システム

Claims (3)

  1. 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
    該第2局が、該上り副信号光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、
    該第2局が該下り副信号光を調整して出力するフィードバックステップと、
    該第1局が、該フィードバックステップにて調整された該下り副信号光に基づき復旧を検出して該上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップと、
    該第2局が、該第1局復旧ステップにて得られた該上り主信号光と該上り副信号光とに基づいて該上り主信号光の復旧を判定する第2局復旧判定ステップと、
    該第2局が、該第2局復旧判定ステップにおいて復旧と判定された場合は該下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、復旧と判定されない場合は該下り主信号光の出力を停止し続ける第2局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
  2. 光伝送路における障害区間の両側にある第1局と第2局とにおいて、上り主信号光および上り副信号光を有する上り光と下り主信号光および下り副信号光を有する下り光とに関する、光レベル制御方法であって、
    該第2局が、該上り副信号光の出力を受信する第2局上り光受信ステップと、
    該第2局よりも上り下流側にある上り下流局が、前段の局から出力された該上り副信号光の出力に基づき復旧を検出する上り下流局上り光検出ステップと、
    該上り下流局が、該上り下流局上り光検出ステップにおける該検出により、該上り主信号光,該上り副信号光,該下り主信号光および該下り副信号光のうちの少なくとも一つを調整して出力する上り下流局折り返しステップと、
    該第2局が、該上り下流局折り返しステップにおける調整に基づき復旧を検出して該下り主信号光を正常レベルに戻して出力するとともに、該下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号を付加して出力する第2局下り主信号光出力ステップと、
    該第1局が、該第2局下り主信号光出力ステップにて調整された該下り副信号光に基づき復旧を検出して該上り主信号光の出力を開始する第1局復旧ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、光レベル制御方法。
  3. 該第1局復旧ステップが、
    該第1局が、該復旧を、該下り副信号光に含まれる光レベルに関する制御信号と該下り副信号光の出力とに基づいて検出するように構成されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の光レベル制御方法
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