JP4495255B2 - 多発性嚢胞腎臓疾患遺伝子 - Google Patents

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Description

産業上の利用分野
本発明はヒトPKD1遺伝子に由来するDNA配列およびその遺伝子によってコードされるタンパク質およびタンパク質群を用いたヒト多発性嚢胞腎臓疾患(polycystic kidney disease)の診断および治療に関するものである。
背景技術
常染色体優性多発性嚢胞腎臓疾患(APKD)は成人性多発性嚢胞腎臓疾患とも呼ばれるが、約千人に一人が冒されており、人における最も起こりやすい遺伝病の一つである。合衆国における流布は500,000人を越え、毎年6,000から7,000人の新規の患者が検出されている(Striker et al.,Am.J.Nephrol.,6:161-164, 1986; Iglesias et al.,Am.J.Kid.Dis., 2:630-639, 1983)。この病気は全身に及ぶものであると考えられ、腎臓、肝臓、および膵臓などの導管性の器官における胞嚢の形成、および、結腸岐腸、漿果状動脈瘤、ヘルニアおよび僧帽弁脱出症を含む、消化管、心臓血管および骨格筋の異常が特徴である(Gabow et al., Adv. Nephrol., 18: 19-32, 1989; Gabow, New Eng. J. Med., 329:332-342, 1993)。
しかし、APKDの最も流布しており、また顕著な症候は腎臓の胞嚢の形成であり、これは腎臓の巨大な肥大化および腎臓の濃縮能力の減少をもたらす。APKD患者には高血圧および内分泌の異常も広く見られ、腎臓の不十分性の症候より以前にさえ現れる。APKD患者の約半数においてこの病気は末期の腎臓疾患へと進行し、それゆえ、APKDは合衆国および欧州における腎臓透析および移植患者のうちの4-8%の原因となっている(Proc.European Dialysis and Transplant Assn., Robinson and Hawkins, eds., 17:20, 1981)。このように、当該技術分野においてこの病気の発病および重病性を減少させるための診断および治療の手段が必要である。
APKDは常染色体優性遺伝の典型的な伝達形態を示し、すなわち患者の子供は50%の可能性で原因遺伝子を受け継ぐ。連鎖解析によって原因遺伝子は第16染色体の短腕のα-グロビンのクラスター近傍に存在することが示されており、この遺伝子座はPKD1と命名された(Reeders et al., Nature, 317: 542, 1985)。例えばPKD2のような他のPKD関連遺伝子も存在するが、患者の家族の約85-90%においてはPKD1の欠陥がAPKDの原因であると思われる(Parfrey et al., New Engl. J. Med., 323:1085-1090, 1990; Peters et al., Contrib. Nephrol., 97:128-139, 1992)。
PKD1遺伝子は染色体位置16p13.3に位置している。新規のマーカーの同定および制限酵素解析と共に大規模な連鎖解析を用いて、さらにこの遺伝子がマーカーであるATPLおよびCMM65(D16S84)の間の約600kbの間に位置していることが分かった。その領域は側方に転写された配列であると考えられるCpG島に富んでおり、またこの間隔には少なくとも20の遺伝子が含まれることが推測されている。PKD1遺伝子の正確な位置はEuropean PKD Consortium, Cell, 77:881, 1994において報告されたように、患者がこの領域に相当する14kbのRNA転写産物を分断させる転座を持つようなPKDの家族の発見により正確に示された。この記事は推定されるPKD1 cDNA配列の3’末端に対応する約5kbのDNA配列を記載している。
PKD1 3’cDNA配列の知見があるにも関わらず、PKD1遺伝子の全配列の決定に至るにはいくつかの重大な障害が存在する。この障害は大部分はPKD1遺伝子座の複雑な構成に起因するものである。一つの重大な障害はPKD1転写産物に関連する配列が第16染色体のPKD1遺伝子座の近傍において少なくとも3回複製されていてPKD1相同物を形成している点である。もう一つの障害はPKD1のゲノム間隔が他のゲノム上の領域にも存在するような反復因子を含む点である。これらの配列複製の両方の種類ともゲノムDNAの同定に広く利用されている「染色体のウォーキング」技術を妨げるものである。これは、これらの技術がゲノムDNAに重なる断片を含むクローンを同定するためにハイブリッド形成に頼るためであり、本来のPKD1遺伝子に由来するクローンのかわりにPKD1相同物(homologue)に由来するクローンへの「ウォーキング」の高い類似性があるためである。同様の方法で、複製および第16染色体特異的反復もまた、PKD1タンパク質をコードする完全なcDNA配列の正確な決定を妨げる。このように、当該技術分野において本来のPKD1遺伝子に対応するゲノムおよびcDNA配列が必要である。これは、発現されるPKD1に唯一存在し、第16染色体に存在する複製された相同配列には存在しない部分の同定も含まれる。
発明の概要
本発明は、図1に示す単離された正常なヒトPKD1遺伝子、図2に示すPKD1 cDNAを有する、単離されたイントロンを含まない核酸、およびそれらに由来する配列を含む。PKD1遺伝子はその変化、欠陥、または非機能性の発現により成人性多発性嚢胞腎臓疾患を導くゲノムDNA配列である。本発明はまたこれらの核酸を含むDNAベクター、そのベクターにより形質転換された細胞、およびPKD1タンパク質またはその断片を産生する方法も含む。
別の側面において、本発明は本来の発現PKD1遺伝子にのみハイブリッド形成してPKD1相同物にはハイブリリッド形成しない単離されたオリゴヌクレオチドを含む。
また別の側面において、本発明は、正常PKD1遺伝子と比較してヌクレオチド配列に変化を含み、およびヒトのゲノムに1またはそれ以上のコピー数が存在することで成人性多発性嚢胞腎臓疾患に結び付く、単離された変異型PKD1遺伝子およびそのcDNA対応物を含む。
さらに別の側面において、本発明は正常と変異型のPKD1遺伝子とを識別する単離されたオリゴヌクレオチドを含む。
さらに別の側面において本発明は、
a)患者から生体物質の試料を獲得し、そして
b)変異型の遺伝子またはそのタンパク質産物の存在を検出する
ことを含む、患者における変異型PKD1遺伝子を持つヒト患者を同定するための方法を含む。
さらに別の側面において本発明は、APKDまたはAPKDの特徴を持つ病気の状態を治療するための方法および組成物を含む。それらの方法は、治療上有効な量のPKD1タンパク質全体またはその部分の発現を起こす条件下で、単離されたヒトPKD1遺伝子またはその遺伝子の断片を投与することを含む。本発明はまた図1のPKD1 DNAまたは図1のDNAによってコードされるPKD1タンパク質の全部またはその一部を含む、APKDの治療のための組成物も含む。
【図面の簡単な説明】
図1は正常なヒトPKD1遺伝子を含む53,577塩基のDNA配列を示す。
図2は正常なヒトPKD1 cDNAの5’領域内の894塩基の部分的DNA配列を示す。
図3Aは本来のPKD1遺伝子およびPKD1相同物に由来するcDNAの5’領域のDNA配列の比較を示す。2つの配列を並べるためには本来の遺伝子の配列に29塩基対の間隔を導入しなければならない。さらに、本来のPKD1 cDNAおよびPKD1相同物のcDNAはこの図の418の位置が異なっている。図3Bは本来のPKD1遺伝子とPKD1相同物とを識別するために使用できるオリゴヌクレオチドのDNA配列を示す。星印は重合阻害の修飾を表す。
図4は第16染色体のPKD1遺伝子座を含む領域を示す。上の図はNot I制限酵素部位とともに、この領域において既に同定されていた遺伝学的マーカーを示す。下の図はこの領域を含むP1クローンを示す。
図5は本来のPKD1遺伝子を含む91.8Bと命名されたP1クローンの制限酵素地図を示す。
図6は既に報告されていた部分的PKD1 cDNA配列と本明細書に報告されている配列との比較を示す。上の配列はcDNAとして報告されていたものであり、下の配列は本発明のゲノム配列である。相違点はcDNA配列については小文字で、ゲノム配列については箱で強調してある。
図7はGRAIL2によって予想されたPKD1ゲノム構造の挿絵である。予想されるエクソンはゲノム配列に沿った箱で表してある。報告されていたcDNAは右上である。2.5kbのGCに富んだ領域の位置は下に縞模様の箱で示してある。
図8はPKD1遺伝子における、GRAIL2によって予想されるエクソンとSwiss ProtおよびPIRデータベースに存在するタンパク質との相同領域を示す。PKD1配列が共通配列と対合する位置は影をつけてある。
図9はPKD1遺伝子座内のエクソン・トラッピングの結果を示す。
発明の詳細な説明
本明細書に引用されている全ての特許出願、特許、および参考文献はその全てが参考文献として援用される。矛盾または不一致の場合、定義を含む本記載は管理される。
定義:
1. 本明細書に使用されている”APKD”は、腎臓の胞嚢の発達および最終的には腎臓の衰弱、および選択的にまたは追加的に消化管、心臓血管、および骨格筋の異常と同様に肝臓および脾臓を含むほかの器官における胞嚢を含む成人性多発性嚢胞腎臓疾患を表す。
2. 用語”PKD1遺伝子”は染色体位置16p13.3に位置しPKD1タンパク質をコードするメッセンジャーRNA分子を産生するゲノムDNA配列を指す。PKD1遺伝子は図1に示す、イントロンおよび推定される制御配列を含む。用語”本来の”は本明細書中で、この位置におけるゲノム配列、およびそれに由来する配列を表すために使用され、およびこれらの本来の配列を”PKD1相同物”(以下を参照)と区別するために使用される。
3. ”PKD1相補鎖DNA(cDNA)”は本明細書中で、本来のPKD1遺伝子に由来する一本鎖または二本鎖のイントロンの無いDNA分子として定義され、そしてその配列またはその相補物はPKD1タンパク質をコードする。
4. ”正常な”PKD1遺伝子は本明細書中で、その変化した、欠陥のある、または非機能性の発現が成人性多発性嚢胞腎臓疾患を引き起こすようなPKD1遺伝子として定義される。正常なPKD1遺伝子はその疾患とは関連性がなく、およびこのため野生型版の遺伝子として考えられる。この範疇に含まれるものとしては、PKD1遺伝子の対立遺伝子的変異体(対立遺伝子多型とも呼ばれる)、即ち、疾患とは関係しないPKD1遺伝子の別型もあるが、これは集団においてある頻度で生じ得る。さらに、発現またはPKD1遺伝子産物の機能に明確な影響を与えないような、組換えまたは自然に起こるDNA配列における変化も含まれる。
5. ”変異型”PKD1遺伝子は本明細書中で、その配列が転位(transition)、転換(transversion)、欠失、挿入、あるいは発現もしくはPKD1遺伝子産物の機能において、疾患も含めた検知可能な変化を引き起こすような正常PKD1遺伝子に関するその他の修飾によって修飾されているPKD1遺伝子として定義される。これらの修飾は1から数千ヌクレオチドに及ぶものも含まれ、例えば発現速度の低下または上昇、または欠陥のあるRNA転写産物またはタンパク質産物の発現などの、一またはそれ以上の種類のPKD1遺伝子発現の変化を起こす。変異型PKD1遺伝子は、ヒト一人のゲノム中に1またはそれ以上のコピー数が存在することでAPKDと関連があるような遺伝子を含む。
6. 「PKD1相同物」はPKD1と密接に関連しているが、本来発現しているPKD1遺伝子産物をコードしない配列である。染色体位置16p13.1に位置するこのような相同物のいくつかの例は、本発明によって同定され、配列を決定された。
7. 本明細書において、「PKD1保因者」とは、少なくとも1コピーの病原性の変異型PKD1遺伝子を有する個体として定義される。この疾患は、一般的に常染色体優性遺伝を示すため、PKD1保因者はPKD1の症状のいくつかを発症する高い可能性を有する。従って、PKD1保因者は「PKD1患者」になりやすい。
8. 本明細書において、「contig」とは、複数の重なり合ったクローンまたは配列によって代表され得る、連続的な一つながりのDNAまたはDNA配列を指す。
9. 本明細書において、「コスミド」とは、およそ30kbから45kbまでの長さの、大きな挿入DNA配列を有する、細菌細胞内で複製し得るDNAプラスミドを指す。
10. 「P1クローン」という用語は、P1ファージの複製機構に基づくベクターにクローン化されたゲノムDNAを指す。これらのベクターは一般的に、およそ70kbから105kbまでの挿入配列を有する(Pierce et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:2056-2060,1992)。
11. 本明細書において用いられる場合、「エキソントラッピング」という用語は、RNAプロセシングのための供与および受容スプライス部位によってはさまれた、ゲノムのDNA配列を単離する方法を指す。
12. 「一本鎖配位多型解析(SSCP)」という用語は、2つのDNA間の配列の差異を検出する方法であり、2種類のDNAのハイブリッド形成および続くゲル電気泳動による偽対合の検出を含むものを指す(Ravnik-Glavac et al.,Hum.Mol.Genet.,3:801,1994)。
13. 「HOT cleavage」とは、本明細書において2つのDNA間の配列の差異を検出する方法であり、2種類のDNAのハイブリッド形成および続く化学的切断による偽対合の検出を含むものを指す(Cotton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:4397,1988)。
14. 「変性勾配ゲル電気泳動(DDGE)」とは、同一の長さの2つのDNA断片を、濃度の変化する変性体を含むゲル中で電気泳動することによって、1塩基対の小さい配列の差異に基づいて分離する方法を指す(Guldberg et al.,Nuc.Acids Res.,22:880,1994)。
15. 本明細書で用いる「配列特異的オリゴヌクレオチド」とは、PKD1遺伝子の対立遺伝子間の多様性または変異を検出するために用いられ得る、関連した一群のオリゴヌクレオチドを指す。
16. 本明細書で用いる「PKD1特異的オリゴヌクレオチド」とは、本来発現されているPKD1遺伝子中に存在する配列とハイブリッド形成し、PKD1相同物およびその他の配列とはハイブリッド形成しないものを指す。
17. 本明細書で用いるDNAの「増幅」は、複数のDNA配列の混合物中の特定のDNAの濃度を増大させるように働く反応を指す。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR;Saiki et al.,Science 239:487,1988)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸特異性増幅(NSBA)、または当該技術分野において既知の任意の技術を用いて行われ得る。
18. 本明細書で用いる「RT-PCR」とは、逆転写反応とポリメラーゼ連鎖反応が共役したものを指す。この増幅方法は、特異的なオリゴヌクレオチド、オリゴdT、またはランダムプライマーの混合物がRNAから一本鎖cDNAへの逆転写の開始に用いられる最初の段階を用い、このcDNAは例えばPCRのような標準的な増幅技術によって増幅される。
19. 特定の配列に対応するPKD1遺伝子またはPKD1 cDNAは、正常でも変異型でも、特定の配列内にその配列の本来の性質を変化させない変異を含むことが理解される。組換えDNA操作の常法で、図1に示すようにPKD1遺伝子の5’末端および/または3’末端に、または図2に示すようにPKD1 cDNAの5’末端および/または3’末端に、付加的なヌクレオチドが付加され得ることが理解されよう。さらに、保存的なDNAの置換、すなわちタンパク質をコードする領域内での、コードされるアミノ酸を変化させないような配列の変化も含まれ得る。
本発明は、ヒトのPKD1遺伝子を含む。この遺伝子内の変異は、成人に発症する多嚢胞性腎臓症に関連する。PKD1遺伝子の5’末端53,577塩基に対応する正常な型のゲノム配列を図1に示す。
PKD1遺伝子の配列は、実施例1に記載した方法を用いて決定した。簡単には、PKD1遺伝子を含むことが知られている16番染色体の750kbの断片を併せて有する、重複したヒトのゲノム配列を含む一連のコスミドおよびP1 DNAクローンを収集した。この750kbの断片内のPKD1をコードする配列を含む、被転写配列を同定するため、エキソントラッピングおよびcDNA選択技術の両者を用いた。同時に、ゲノムクローンに含まれるヒトのDNA配列を直接決定することを、当該技術分野においてよく知られた方法によって行った。これらは、特定のコスミドまたはP1クローンからサブクローンを単離することを含む。選択されたサブクローンから、入れ子型欠失分子を作製し、これらの欠失分子をALF(登録商標)自動シーケンサー(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を用いて直接的に塩基配列決定した。
PKD1 cDNAの部分的な配列を図2に示す。この5’末端cDNA断片は、894塩基からなり、図1に示す配列の4378番目から5271番目までである。
本発明は、本来発現するPKD1遺伝子とPKD1相同物もしくはその他の繰返し配列とを区別するために、単独でまたは組み合わせて用いられ得る、PKD1遺伝子内またはPKD1 cDNA配列内の配列に対応する単離されたオリゴヌクレオチドを含む。これらのオリゴヌクレオチドは、およそ12から60のヌクレオチドの長さであり得、望ましくはおよそ18ヌクレオチドであり、一本鎖でも二本鎖でもよく、そして次のように標識または修飾され得る。このように用いられ得るオリゴヌクレオチドの例を図3Bに示す。このオリゴヌクレオチドの認識能は、本来のPKD1遺伝子の配列とPKD1相同物由来の3つのcDNAとの比較に基づくものであり、この比較により相同物cDNAが本来のPKD1配列に比べて29塩基の挿入配列を有することが明らかになった(図3A)。図3Bに示すオリゴヌクレオチドは、重合化の反応を助長しないように3’末端を修飾されており、相同物の配列と特異的にハイブリッド形成し、本来のPKD1配列とはハイブリッド形成しないように設計されている。このオリゴヌクレオチドが増幅反応に含まれる場合、PKD1相同物の増幅が選択的に阻害される。すなわち、本来のPKD1配列が選択的に増幅され、PKD1相同物は増幅されない。従って、これらのオリゴヌクレオチドまたはその機能的等価物は、ヒトの罹患者の本来のPKD1遺伝子に変異があることを調べるための原理を提供する(下記の実施例3参照)。
本発明は、図1、2、および3に示す配列に由来する、主鎖または相補鎖の配列を含む、単離されたDNAおよびRNA配列を含む。特定の配列には、多様な対立遺伝子を含む「正常な」PKD1遺伝子の対立遺伝子、または疾患の症状の原因である「変異型」対立遺伝子を含まれ得る。PKD1由来の配列は、プロモーター、エンハンサー、応答因子、シグナル配列、ポリアデニル化配列、およびそれらの類似物を含む多様な配列と関連し得る。さらに、安定性、溶解度、結合親和性および特異性を変化させるように修飾され得る。例えば、PKD1由来の配列が選択的にメチル化され得る。
DNAにはアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ得、さらにヌクレアーゼ抵抗性のホスホロチオエート、ホスホルアミダイト、およびホスホン酸メチル誘導体、並びにNielsen et al.,1991,Science,254:1497に記載されたように、塩基がアミノ酸の骨格に結合して形成された「タンパク質核酸(PNA)」が含まれ得る。a-アノマーヌクレオチドによる結合、またはメチル若しくはエチルホスホトリエステル、またはアルキルホスホロアミダイト結合の形成によってDNAを誘導体化することもできる。さらに、本発明の核酸配列は、直接的または間接的に検出可能な信号を供給することのできる標識によっても修飾され得る。標識の例には、放射性同位元素、蛍光分子、ビオチン、およびその類似物が含まれる。
一般的に、本発明に準拠した核酸の操作は、例えばMolecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版, Sambrook, Fritsch and Maniatis, Cold Spring Harbor)、またはCurrent Protocols in Molecular Biology(編集者: Aufubel, Brent, Kingston, More, Feidman, Smith and Stuhl, Greene Publ. Assoc. Wiley-Interscience, NY, NY,1992)に記載されたような、当該技術分野においてよく知られた方法を用いる。
本発明はまた、PKD1またはPKD1関連配列を有する核酸を含むベクターを提供する。プラスミドおよび菌類のベクターを含む多数のベクターが、多様な真核生物および原核生物宿主での発現のために記載されており、タンパク質発現のためのみならず、遺伝子診断のためにも用いられ得る。特に、PKD1をコードする部分が図2に示すcDNAまたはその誘導体またはその断片を含む場合、PKD1をコードする部分に機能可能なように連結されたプロモーターが、都合よくベクタ-に含まれ得る。コードされたPKD1は、pREP4、pREP8、またはpCEP4(In Vitrogen, San Diego, Ca)のような適切な任意のベクター、および任意の適切な宿主細胞を用いて、本明細書に記載または引用する、または当該技術者に知られた方法を用いて発現され得る。ベクター/宿主の特定の選択は、本発明の操作にとって重要でない。
組換えクローニングベクターは、多くの場合、クローン化若しくは発現のための1つ若しくは複数の複製系、例えば抗生物質耐性のような宿主内での選択のための1つ若しくは複数のマーカー、並びに1つまたは複数の発現単位を含む。例えば、挿入されたPKD1をコードする配列は合成されるか、天然物から単離されるか、あるいはハイブリッドとして調製され得る。PKD1をコードする配列の、転写制御因子および/または他のアミノ酸をコードする配列への連結は、既知の方法によってなされ得る。適切な宿主細胞は、電気穿孔法、CaCl2によるDNAの取り込み、菌類による感染、マイクロインジェクション、マイクロ発射、またはその他の確立された方法によって、形質転換/形質導入/感染させられ得る。
適切な宿主細胞には、細菌、古細菌、真菌類(特に酵母)、および植物および同物細胞(特に哺乳類細胞)が含まれる。その中で特に関係を有するのは、E,coli、B.Subrilis、Saccharomyces cerevisiae、SF9細胞、C129細胞、293細胞、Neurospora、およびCHO細胞、COS細胞、Hela細胞、不死化した哺乳類骨髄細胞系列およびリンパ系細胞系列である。望ましい複製系は、M13、ColE1、SV40、バキュロウィルス、ラムダ、アデノウィルス、人工染色体およびそれらの類似物である。多数の転写開始および終結調節領域が単離され、多様な宿主内での様々の転写および翻訳に有効であることが示されている。これらの領域の例、単離法、操作法などは当該技術分野において知られている。適切な発現条件下では、宿主細胞は組換えによって作製されたPKD1の供給源として利用され得る。
本発明はまた、遺伝子組換えによって作製されたPKD1タンパク質またはそれに由来するペプチドを得るために、任意の適切な方法でPKD1遺伝子を導入することによって、そのゲノムが形質導入または形質転換された、単細胞または多細胞生物の利用を考慮する。
PKD1ポリペプチドをコードする核酸はまた、組換えによって受容細胞のゲノム中に取り込まれ得る。例えば、そのような配列は細胞にマイクロインジェクションされ、それによって内在するPKD1をコードする遺伝子、その類似物または偽遺伝子、またはPKD1をコードする遺伝子と実質的に同一性を有する配列の部位での相同組換えを実現する。特に、多能性細胞での非相同組換えまたは相同組換えによる内在性の遺伝子の欠失のような、その他の組換えに基づく方法がまた、用いられ得る。
本発明にはまた、天然のPKD1遺伝子によってコードされる配列を有する単離したポリペプチド、並びにそのペプチド由来の6またはそれ以上のアミノ酸からなるペプチドが含まれる。このポリペプチドは生検あるいは解剖によって得られるヒトの組織から単離されるか、または上記の組換えDNA法によって異種細胞内で生産される。限定されるわけではないが、例えば、界面活性剤抽出、および分子ふるい法やイオン交換、PKD1特異的抗体若しくはリガンドなどを用いたアフィニティ−クロマトグラフィ−を含む標準的なタンパク質精製法が、PKD1関連ポリペプチドの単離に用いられ得る。精製すべきPKD1ポリペプチドが組換え系で生産される場合、組換え発現ベクタ−は付加的なN末端またはC末端をコ−ドする付加配列を含む;これらの余分なアミノ酸は、固定抗体を用いたイムノアフィニティ−精製または固定リガンドを用いたアフィニティ−精製のための「標識」として働く。
PKD1特異的配列からなるペプチドは、上述した単離された長いポリペプチドから、当該技術分野においてよく知られた、トリプシンなどのようなプロテア−ゼなどを用いたタンパク質分解切断法と、臭化シアンのような化学処理によって誘導される。または、60残基までの長さのペプチドは、商業的に入手できるペプチド合成機を用いてミリグラム単位で慣用的に合成することが可能である。
本発明は図1に示す遺伝子または図2に示すcDNAによってコードされるPKD1ポリペプチド、および/またはその断片または一部を、特異的に認識する抗体を含む。この抗体はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、上述した天然のPKD1ポリペプチドまたは合成ペプチドに応答して生産され得る。このような抗体はHarlow and Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988、その他の本明細書で引用する参考文献中で発表された方法および組成物と、当該技術者によく知られた免疫学およびハイブリド−マ技術を用いて簡便に生産される。天然または合成のPKD1由来ペプチドがPKD1特異的免疫応答を誘導するために用いられる場合、このペプチドはKLHのような適当な担体に簡便に結合され、フロインドのアジュバントのような適当な補助剤の中で処理される。好ましくは、選択されたペプチドはTam, Proc. Natl. Acad. Sci, USA 85:5409-5413, 1988の方法に実質的に基づいたリジンのコア担体に結合される。その結果生じる抗体は、例えばFab、Fab2、FAB、またはFVのような一価の形に修飾され得る。抗遺伝子型抗体がまた、既知の方法を用いて調製され得る。
ある態様において、正常なまたは変異型PKD1ポリペプチドを、マウスを免疫するのに使用し、その後膵臓を除去し、当該技術分野において標準的な技術に従って、膵臓細胞を骨髄種細胞と細胞のハイブリッドを作製するのに使用して抗体を分泌する細胞のクローンを得る。得られたモノクローナル抗体は、PKD1タンパク質またはPKD1関連ペプチドに対する結合特異性をもとに選別される。
別の態様において、抗体は、正常なまたは変異型PKD1配列への選択的な結合をもとに選別される。正常なPKD1および変異型PKD1を区別可能な抗体は、ELISA,EMIT,CEDIA,SLIFAなどのような臨床試験(下記参照)において使用される。抗PKD1抗体はまた、サブ細胞および組織化学的な局在の研究を行う際にも使用される。最後に、抗体は、正常または変異型であるかどうかにかかわらず、PKD1ポリペプチドの機能を阻害するために、あるいは機能的な阻害剤を同定および試験するための薬剤を開発する研究を行うために使用できる(例えば、抗イデオタイプ抗体の手法を使用して)。
病気の原因となるPKD1の変異型の同定
本発明の1つの実践方法において、単離して塩基配列を決定したPKD1遺伝子を、これまで知られていないまたは変異型のPKD1遺伝子を同定するために使用する。第一に、遺伝性多発性嚢胞腎臓疾患の患者を、標準的な診断学的基準および質問形式を使用して、臨床試験、家系解析、およびリンケージ解析によって同定し、および患者からDNAまたはRNA試料を入手する(以下参照)。
それから、新規の変異型配列の位置を正確に示すために、様々な技術を使用する。第一に、PKD1DNAを、当該技術分野において標準的な方法を使用して、直接DNA配列を決定する。さらに、1対のオリゴヌクレオチドを用いて増幅反応を行い、そして、増幅産物の大きさをコントロールの産物の大きさと比較するPCR反応によって、欠失を検出することができる。別の有用な技術は、一本鎖構造多型性解析(SSCP)、HOT切断、変性勾配ゲル電気泳動、および二次元ゲル電気泳動を含む。
PKD1突然変異を検出することを混乱させて複雑にする要因は、転写される遺伝子に近接した第16染色体のいくつかの場所にPKD1相同物が存在することである。PKD1内の変異型の解析において、本来のPKD1遺伝子由来の配列と、相同物由来の配列を区別することが重要である。従って、本発明の重要な特色は、本来のPKD1と相同物を識別するオリゴヌクレオチドプライマーを提供することである。本来のPKD1遺伝子と相同物の配列を詳細に比較すると、本来のPKD1遺伝子またはcDNAと、相同物を識別するためのプライマーを考え出すことが可能である。図3Bに記載したようにこの基準に適合するプライマーを、以下に記載した解析方法と組み合わせて使用できる。
SSCP用に、PKD1遺伝子の重複していないおよそ250bpから300bpの長さの部分のDNA産物を増幅するプライマーを作製する。それぞれの増幅産物について、1つのゲルシステムおよび2つの泳動条件を使用する。それぞれの増幅産物は、10%グリセロールを含む10%ポリアクリルアミドゲルで泳動する。増幅産物の分離画分は、室温にて16時間8W、および4℃にて5.4時間30Wにて電気泳動を行った。これらの条件は、CFTR遺伝子内の既知の突然変異を98%同定することが既に示されている(ラブニック-グラバックら、Hum.Mol.Genet.3:801,1994)。
”HOT”切断用に、増幅反応は、放射性標識をしたPKD1特異的なプライマーを使用して行う。それからそれぞれの放射性標識された増幅産物を、同一のプライマーおよびAPKDにかかっているまたはかかっていない患者から抽出したDNAを使用して作製した10倍から100倍モル過剰の標識していない増幅産物と共に混合する。それから、ヘテロ二量体の形成、化学切断、およびゲル解析を記載したように行う(コットンら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:4397,1988)。ヘテロ二量体よりも小さいゲル上のバンドは、シチジンまたはチミジンを含む不適合塩基対部分のヘテロ二量体の化学的な切断の結果生じる。一度この手法によって突然変異が同定されれば、不適合部分の正確な位置を直接的なDNA塩基配列決定によって決定する。
変異型はまた、”広範囲”DDGEによっても同定される(グルドバーグら、Nuc.Acids.Res.,22:880,1994)。GCを豊富に持つPCRプライマーおよび非常に広範囲にわたる変性剤の勾配を使用して、変異型配列を効率的に検出することが可能である。この方法は、また、二次元システムにおける変性剤を用いない大きさによる画分化と組み合わせることも可能である。自動二次元電気泳動装置を使用でき、二次元は変異部位の解析をかなり上昇させる。
上述した技術のいずれかによって変異の存在を検出した後に、変異を含む特定の核酸置換を、直接的なDNA配列解析により同定する。この方法において、これまで同定されなかったPKD1の突然変異を決定できる。
これまで同定されなかったPKD1の変異を一旦決定すると、別の患者における特定の変異を検出する方法を、当該技術分野において標準的なさまざまな方法を使用して考案することが可能である。例えば、特定の変異を検出して確定するためのオリゴヌクレオチドプライマーを調製できる。このようなプローブは変異型配列そのもの、または変異型配列に近接する配列を含む。さらに、オリゴヌクレオチド配列は、変異型アミノ酸配列を含む免疫源ペプチドを作製するのに使用可能である。それから、これらのペプチドを、正常なPKD1ポリペプチドと変異型PKD1ポリペプチドとを区別する抗体を作製するのに使用する。
PKD1突然変異の臨床試験
上述した方法または別の方法によって同定された変異型PKD1遺伝子は、臨床試験の考案および施行において使用できる。以下および実施例3において記載したことを含む、突然変異が導入されたPKD1遺伝子の存在を検出するための試験は、以下の方法において適応される:
(1)腎臓移植に適した供与者の決定。
一般的に、移植片受容者の親族のものを使用することが望ましい。受容者が家族性APKDの患者である場合には、供与者である親族もまた家族性の変異型であるPKD1遺伝子を持たないことを確認することが重要である。
(2)APKDを持つ家系における発病する危険性のある個人の探索。
APKDを発病する可能性の高い、症状が出る前の個人を同定すれば、彼らの状態を追って病気を防ぐための治療を施すことが可能である。
(3)高血圧の患者に抗高血圧処置をすること。
高血圧もまた、APKDに関連している。高血圧の患者について突然変異型のPKD1遺伝子が存在するかについての検討は、のちに生ずる腎臓傷害を防ぐために血圧をあらかじめ制御することを必要とする患者を同定するために、行うことが可能である。
(4)出生前診断の施行。
ほとんどのPKD1に関連したPKDは、大人になってから発病する型の病気である。しかし、PKD1遺伝子に突然変異を持っている家系の一部では、幼少期に発病が起こり、これはこの病気のより重症な形態を意味している。これらの家系では、遺伝学的な助言を行う目的で出生前診断が有用である可能性がある。
一般に、本発明に従った臨床試験は、患者から生体試料を入手すること、本発明のPKD1遺伝子のすべてまたは一部を使用して、PKD1遺伝子またはそのタンパク質産物中に1つまたはそれ以上の変異が存在するかを調べる目的で試料を調査することを含む。患者は、まだ子宮内の胎児またはどのような年齢の患者でもよい。
ある態様において、ゲノムDNAの試料を、患者から入手して病気に関連したPKD1の突然変異が1つまたはそれ以上存在するかについて解析する。このDNAは、どのような細胞または体液から入手してもよい。臨床において入手可能な細胞の例は、血液細胞、口内細胞、顎膣細胞、尿から抽出した上皮細胞、胎児細胞、またはバイオプシーによって入手した組織に存在するいかなる細胞をも含むが、これに限らない。体液は、血液、尿、顎膣液、羊水、および感染または炎症部位の組織浸出液を含む。DNAは、当該技術分野において標準的なさまざまな方法のいずれかを使用して細胞または体液より抽出する。DNAを抽出するために使用する特定の方法は細胞の特性に依存することは理解されるであろう。本発明において使用するために抽出するDNAの最小量は、およそ25pgである(ゲノムの大きさが4X109塩基対のおよそ5細胞当量に相当する)。
この態様において、突然変異を検出するために使用する方法は、制限酵素消化、直接的なDNA配列決定、配列特異的なオリゴヌクレオチドによるハイブリダイゼーション、PCRによる増幅、一本鎖構造多型性解析、変性勾配ゲル電気泳動(DDGE)、二次元ゲル電気泳動、in situハイブリダイゼーション、およびこれらの組み合わせを含む。
好適な態様において、Applied Biosystems,Inc.(フォスターシティー、カリフォルニア州)によって販売されているような自動化されているシステムを含む標準的な技術を使用して、PKD1を発現する細胞または組織、好適にはリンパ細胞からRNAを単離する。それからRNAを一連の逆転写およびPCR増幅(RT-PCR)にかける。これによって生じたDNAについて、上記に概略を示したいずれかの方法によって変異型配列の存在を調べる(以下の実施例3を参照)。
上記に論じたように、PKD1突然変異部位を探索する核酸に基づいた方法は、染色体座位16p13.3に存在する本来のPKD1遺伝子と16p13.1および他の座位に存在するPKD1相同物とを区別可能でなければならない。図3に示したオリゴヌクレオチドは、本来の配列および相同配列を区別するプライマーの例であり、これらのオリゴヌクレオチドまたはそれに相当するものは、このような臨床試験のなかで重要な位置を占める。さらに、図1のPKD1配列のヌクレオチド43,818番から52,882番は、本来のPKD1遺伝子に特異的な配列であり、相同物には存在しない。従って、この領域由来のオリゴヌクレオチドを探索に使用して、本来のPKD1遺伝子を検出し、相同物は検出しないことを確証することができる。
他の態様において、変異型PKD1遺伝子の存在を検出するために使用する方法は、例えば放射性免疫測定、ELISA,免疫蛍光などのような当該技術分野において既知のさまざまな方法のうちの1つを使用して免疫学的方法により突然変異が起きた遺伝子産物を試験することを含む。この態様において、生体試料は、好適には腎臓のようなPKD1を発現している組織由来である。PKD1ポリペプチドは、試料から抽出することができる。または、例えば、凍結切断後に免疫蛍光染色を行う等の、in situにおいて特異的に結合する抗体の検出または可視化を可能にするような処理を試料に施すことができる。
抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよく、無傷のPKD1タンパク質あるいは、PKD1の天然のまたは合成ペプチドに対して作製する。好適な態様において、抗体は“正常な”PKD1配列と“変異型”PKD1配列とを区別し、日常的な解析に使用可能なようにPKD1ポリペプチドに対して十分に高い親和性を有する。
使用した特定の方法または方法の組み合わせは、特定の適用に依存していることは理解されるであろう。例えば大量に行う探索方法は、好適には容易に入手可能な組織からDNAまたはRNAを抽出し、それから特定のPKD1配列を増幅し、特異的なオリゴヌクレオチドで増幅産物をハイブリダイゼーションすることを含む。
治療への応用
本発明は、本明細書中に記載した方法および組成物を使用したPKD治療を含む。上記に記載した正常なPKD1遺伝子の全長または一部は、例えば、リポソーム、ウイルスベクター、組換えベクターなどを含むさまざまな既知の方法を使用して腎臓細胞または他の患部の細胞に輸送することができる。遺伝子は、PKDの発現が組織特異的な様式になるように組織特異的な制御因子を含むDNAベクター中に取り込むことが可能である。この手法は、特定のPKD1突然変異対立遺伝子が、1コピーのみ存在する場合に、PKD1タンパク質の量を正常な機能に必要な閾値を下回る程度に減少させることがめったになければ、可能である;この場合には、正常なPKD1遺伝子を供給することにより遺伝子の量を上昇させて機能的な欠失を相補しなければならない。別の態様において、図2に示し少なくとも正常なPKD1遺伝子の一部であるような単離した核酸の混合物を、APKDを治療するために腎臓または患部の細胞に輸送することができる。または、例えば、アンチセンス配列を使用して変異型のPKD1遺伝子の発現を制御することが望ましい。この態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、腎臓または他の細胞に輸送することができる。
治療のための使用には、PKD1に関連したDNAを、例えばリン酸塩緩衝液、塩水、脱イオン水などのような生理的に受容可能な担体中における非経口投与といった慣用化されたいかなる方法によっても投与できる。典型的には、組成物は、血液または髄液のような保持される生理的な溶液に添加する。安定化剤、殺細菌剤などのような他の添加物を、慣用化されている量で含めることもできる。
本発明はまた、タンパク質の置換によるAPKD治療も含む。ある態様において、本発明のPKD1ポリペプチドをコードするDNAで形質転換または形質導入した宿主細胞により作製されるタンパク質を、PKD1遺伝子の変化、欠陥、または機能しない発現に苦しむ患者の細胞に導入する。この手法は、機能的なPKD1タンパク質を加えることによりPKD1タンパク質の欠失、または欠陥しているPKD1タンパク質の存在を相補する。添加に使用したPKD1タンパク質は、細胞断片若しくは画分、または部分的または実質的に精製したものを含む。いずれの場合にしても、PKD1タンパク質は、慣用化されているキャリヤー、補形剤、安定化剤などをさらに含む例えばリポソームのような、適切なビヒクルの中に処方される。
本発明の治療組成物はそれ自身で効果的な量を構成する必要なない。なぜなら、効果的な量はそのような治療組成物を多数投与することにより到達可能だからである。
以下の実施例は、その視野に限らずに、本発明について例示したものである。
実施例1:ヒトPKD1遺伝子のクローニングおよび塩基配列決定
A.方法:
正しい制限断片を、pBLUEscript(Stratagene,ラジョラ、カリフォルニア州)またはpGEM(Promega,マディソン、ウィスコンシン州)のいずれかにサブクローニングした。プラスミドを、臭化エチジウム存在下においてCsCl密度勾配遠心によって精製した。入れ子型失産物は、ExoIII(ヘニコフ、S.,Method Enzymol.155:156-165,1987)およびErase-A-Baseキット(Promega,マディソン、ウィスコンシン州)により提供された酵素試薬を使用してそれぞれのプラスミドより作製した。生じた入れ子型欠失クローンは、適切な制限酵素消化の後に電気泳動を行って解析し、塩基配列決定用の入れ子型鋳型とした。それぞれ結合しているクローンが隣のクローンからおよそ250bp異なる、全体を網羅する最小限のプラスミドを同定し、塩基配列決定に使用した。
プラスミドDNAは、2種類の方法のうちの1つの方法で塩基配列決定用に調製した。はじめに、必要なすべてのクローンを37℃で20時間2mLのSuper Broth(タルトフら、BRL Focus9:12,1987)中で培養した。12-24の組を同時に、改変したアルカリSDS法を使用して処理した後に、製造業者によって記載されたようにイオン交換クロマトグラフィーを行った(Easy-Prep,Pharmacia、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)。プラスミドDNAは、2.5から25μgの範囲で得られる。増殖の遅いクローンまたは大腸菌に受容されない特性の配列を生産するプラスミドを持つ株は、100mLのLuria Brothに再び培養して、プラスミドDNAをキアゲンカラムを使用して単離した(Qiagen、サンディエゴ、カリフォルニア州)。
ダイデオキシ塩基配列決定反応は、Auto-Read Sequencingキット(Pharmacia、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)および蛍光で標識したベクタープライマー(一般のM13、逆方向のM13,T3,T7およびSP6)を使用して欠失したクローンについて行った。反応産物は、ALF DNA Sequencer(Pharmacia、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)を使用して6%変性アクリルアミドゲル上にて分離した。第二の鎖の塩基配列決定は、反対側の一群の欠失産物あるいはプライマーウォーキングのいずれかを使用して行った。プライマーウォーキング用に、250bpごとにずれている作製した17マーを、商品供給者より購入した(Protogene,パロアルト、カリフォルニア州)。キアゲンまたはCsCl密度勾配により調製した鋳型DNAは、製造業者(Pharmacia、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)によって記載されたように、標識していない17マーを使用して塩基配列決定反応液中の蛍光dATP標識混合物を取り込むことによって塩基配列を決定した。2.5kbのGCが豊富に存在する領域を除くすべての場合において、一本鎖DNAを、製造業者による記載に従ってヘルパーファージVCSM13(Stratagene)を使用して欠失クローンより回収した。2.5kbのGCが豊富に存在する領域由来の一本鎖鋳型は、蛍光標識一般プライマーおよびSequitherm Long Read Cycle Sequencingキット(Epicentre Technologics,マディソン、ウィスコンシン州)を使用して塩基配列を決定した(ジマーマンら、Biotechnigues 17:303-307,1994)。塩基配列決定を行ったすべてのデータをQuadra700Macintoshコンピューターに移して塩基配列結合プログラムであるSEQUENCHER(Gene Codes,アンアーバー、ミズーリ州)を使用して結合した。クロマトグラムを調べることによって解析できない相違については、鋳型を再びシーケンスするまたは暖昧な部分に隣接したプライマーを作製して配列の相違についての解析に使用した。サイクルシーケンスは、製造業者によって記載されたようにSequitherm cycle sequenceキット(Epicentre Technologics,マディソン、ウィスコンシン州)を使用して行った。反応産物は、変性アクリルアミドゲル上で分離し、オートラジオグラフィーによって検出した。
B.塩基配列決定の方法:
PKD1座位を含む第16染色体の700kbpの領域を、図4に示す(上のパネル)。この領域をカバーする断片は、重複するP1クローンから集めた(真ん中のパネル参照)。contigは、領域の端(ATPLおよびD16S84)からの一方向性染色体ウォーキングおよびいくつかの内側の位置(D16S139およびKG8)からの二方向性ウォーキングによって集めた。クローンの一つ91.8Bは、PKD1領域全体に亙ると思われ、コスミドcDEB11,cGGG10.2およびおよびコスミド2H2および325A11の実質的な部分を含む(スタリング、R.L.ら、Genomics 13:1031,1992)。このP1クローン(図5に図解的に示した)は、報告されたcDNA配列とコスミドに由来するゲノム配列間の不一致を確認するための第二のゲノムの鋳型として使用した。
予備的な実験により、cGGG10.2コスミドには多数の繰り返し要素が存在することが明らかになった。それゆえ、ランダムなショットガンサブクローニングよりもむしろ、入れ子型欠失産物に基づいた正攻法を、PKD-1遺伝子の塩基配列を決定するために使用した。cGGG10.2およびcDEB11の両方のインサート由来の制限断片を入れ子型欠失産物を作製するための予備的な段階として多コピープラスミドにサブクローニングした。一方向性の欠失産物を調製して、ALFTM自動塩基配列決定システム(Pharmacia,ウプサラ、スウェーデン)を使用して塩基配列を決定した。
読む長さは平均して350ヌクレオチドであり、泳動は500ヌクレオチド以上行うものが一般的であった。この手法により、1,200個のシーケンス反応を使用して53,577ヌクレオチドの一次配列をすばやく正確に塩基配列を決定することが可能であった。この解析に基づくと、累積倍重複性はおよそ7倍である。最小重複性(3倍)の領域は、オーバーラップする鋳型間で完全に配列が一致した。二本鎖塩基配列決定を完了させる例外は、4kbのBamHI-SacI断片中の2.5kbのGCが豊富に存在する領域、および近接するSacI-BamHI断片中の繋ぎ目の150bpのGCが豊富に存在する領域であった。これらの断片は、この領域内の繰り返し配列の特性から生じた複雑性のために非コード鎖の塩基配列を決定した。
この方法において、図1に示したPKD1ゲノムDNA配列を得た。
C.PKD座位の一次構造:
PKD1遺伝子を含む領域の一次配列は、53,577bpの長さである。この座位はGCが豊富に存在し(62.4%)、CpG/GpCのジヌクレオチド比は0.485である。この領域と以前に報告された部分的なcDNA配列の比較により、3つの座位の相違が明らかになった(図6)。第一の最も有意な相違は、報告された遺伝子のプラス鎖の4566座位に2つのシトシン残基が付加されていることである。この配列の相違は、異なるヒトに由来するcDNAから得られた配列を使用して確認した。さらに、報告された配列と本発明の配列のいずれにも相同的な対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチド群(ASOs)は、ゲノムおよびcDNAクローンにハイブリダイゼーションした。すべての場合において、一塩基を区別する条件を使用したドットブロット解析により、シトシン残基を付加したASOのみがすべてのクローン化したDNAにハイブリダイゼーションすることが示された。これらの2つのシトシン残基が存在する結果、予想されるタンパク質コード配列中の読み枠がずれて、カルボキシ末端の92個のアミノ酸が新規の12個のカルボキシ末端アミノ酸に置換していた。新規のカルボキシ末端の12個のアミノ酸のうち7個が電荷を帯びているまたは極性を持っている。さらに別の配列の相違は、報告された配列の3639-3640および3708-3709座位に位置している(図6)。GC塩基対は本発明の配列中のこれらの座位のそれぞれに存在する一方、報告された配列にはCG対がみられる。どちらの場合においても、ヒスチジンおよびバリン残基が、それぞれこれまでに予測されていたグルタミンおよびロイシン残基と置換していた。これらの相違は、報告された配列の対立遺伝子であるのか、または間違いを表しているのかについては現在のところ明らかではない。
これまでに報告されたcDNA配列は、間違った読み枠の間違った配列を提供していたことは明らかである。したがって、先の部分的な配列にコードされるどのようなタンパク質も機能的ではなく、本発明の配列によりコードされるタンパク質または配列そのものを示していない。従って、先の配列またはこれによってコードされるタンパク質を治療または臨床的に使用するのでは成功しないということになる。
全配列をGRAIL2(ウバーバッチャー、E.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:1126-1,1991)およびXGrailクライアントサーバー(サーら、GRAILおよびGENQUESTの使用の手引、クライアントサーバーシステム、ファイルマニュアルgrail-genquestに従って、pub/xgrailまたはpub/xgenquestディレクトリーより匿名のftpによりarthur.epm.omi.gov(128.219.9.76)あてで入手可能である1994)を使用して転写要素およびCpG島を解析した。10個のCpG島が同定された(図7)。GRAILプログラムにより、コード鎖には48個のエキソンが予測された。48個のエキソンのうち39個の質は“優秀な(excellent)”、6個は“良い(good)”と考えられ、そして3個は”重要でない”と思われた。これらのデータはGRAIL2の遺伝子モデルを使用して解析した。最終的な遺伝子のモデルには、46個のエキソンが含まれた。報告されたcDNAと比較して遺伝子モデルの正確性を調べたところ、報告されたcDNA中の23個のエキソンのうち22個はモデルにおいて予測されたものであった。遺伝子モデルに存在する22個のエキソンのうち、16個は正確にスプライシングされ、4個はモデルに含まれていたが間違った5’または3’スプライス部位を使用し、そして1つの場合には、2個のエキソンがモデルでは単一のエキソンに結合されていた(プログラムが小さなイントロンを除去し忘れた)。報告されたcDNA中のただ1つのエキソンのみが、遺伝子モデルにみられないだけだった。
D.タンパク質コード領域の同定
GRAIL2プログラムによって”優秀な”スコアであると予想されたエキソンを、BLASTPプログラムを利用してSwissProtおよびPIRデータベースの検索に用いた。遺伝子モデルのエキソン3および4は、タンパク質-タンパク質間相互作用に関与するロイシンに富んだ反復配列(LRR)を有する多くのタンパク質に相同性を有するペプチドをコードしていると予想された(図8)。LRR自身に加えて、LRRのアミノ基側およびカルボキシル基側に隣接する配列もまた、ロイシンに富んだ糖タンパク質(LRG)ファミリーのタンパク質において、単独で、または連続して保存されているようである。エキソン3は、フォン ウィルブランド因子受容体を含むGP1b.IX複合体の一員である、ロイシンに富んだα2糖タンパク質由来のLRR、並びにDrosophilaのタンパク質であるカオプチン、toll、およびslitと相同性のある残基をコードしている。後者は各々、接着、背側-腹側の極性、および形態形成に関与している。GRAIL2によりエキソン4によってコードされると予想された配列は、LRRのカルボキシル末端側の保存された領域に対して、この保存領域を欠くカオプチン以外の上記の全てのタンパク質において相同性を有していることが判明した。エキソン4にコードされる配列と、神経増殖因子の受容体をコードしているtrk原癌遺伝子との間にも相同性が認められた。予想されたPKD1ペプチドのさらなる解析により、trkチロシンキナーゼドメインの保存領域により低い相同性がある付加的な領域の存在が明らかになった。遺伝子モデル内のより近いエキソンで、LRRを含むタンパク質集団に見られる保存されたアミノ基側の隣接領域に相同性のあるペプチドをコードすると思われるものは存在しなかった。
エキソン・トラップ法、RT-PCR、およびノザン・ブロット解析により、GRAIL2で予測されたエキソン3および4は発現された配列中に存在することが明らかになった。ゲノムのP1、およびPKD1座位由来のコスミドクローンを用いた最初のエキソン・トラップ実験では、これらのエキソンの両方を含むエキソン・トラップが同定された。別の実験では、胎児の腎臓、および成人の脳由来のRNAを鋳型として用いたRT-PCRにより、LRRのカルボキシル基側に隣接するモチーフが転写された配列中に存在することが確認された。ノザン・ブロットでは、このモチーフを含むRT-PCR断片は、14kbのPKD1転写産物、および21kb、17kb、および8.5kbの他の数種の転写産物を検出した。
相同性のある領域はまた、GRAIL2により予想されたペプチドとヒトのgp100/Pmel 17遺伝子産物との間、さらに牛のRPE1との愛だにも見られた。gp100/Pmel 17遺伝子は、7アミノ酸のみが異なる選択的スプライシング産物(gp10およびPmel 17)をコードしている。より詳細な解析により、この相同性領域はGRAILで予想された3つの別々のエキソンによりコードされる配列中に存在することが示された;しかしながら、このモチーフの最初の部分を含むエキソンのみが最終的な遺伝子モデルに完全に含まれる。
GRAIL2により予想された、3’cDNAの上流にあるエキソン9、22、および28は、EST T03080(85%、255bp)、EST T04943(98%、189bp)、およびEST T05931(94%、233bp)に高い相同性を示した。さらに、GRAIL2により予想されたイントロン1のヌクレオチド10378-10625は、Apo CII遺伝子の領域と高い相同性を示した(81%、263bp)。
E. 反復配列:
Jurkaら(J. Mol. Evol. 35:286-291, 1992)の反復配列データベースに対するFASTAの比較により、既知の反復DNA類をPKD1座位で検索した。この検索により、23のAlu反復配列が同定されたが、他の反復要素は同定されなかった。Alu反復配列は、4つまたはそれ以上のAlu反復配列からなる3つの集団、2つのAlu反復配列からなる3つの集団、および2つの単一Alu反復配列で構成される(図7)。1kb当たりの平均のAlu反復配列の密度は0.4である。4つまたはそれ以上のAlu反復配列からなる集団3つは、最初の20,000ヌクレオチド以内に存在し(0.85Alu/kb)、主に逆の鎖に存在する(17のうち15)。20,000-40,000および47,000-54,000の間にはAlu反復配列は存在しない。
介在する配列は、2つのジヌクレオチド反復配列(>(TG)8)および1つのテトラヌクレオチド反復配列((TTTA)6)を含んでいた。TGジヌクレオチド反復配列は209-224位、および52,693-52,708位に存在する。テトラヌクレオチド反復配列は7795-7810位に位置している。5つを越えるトリヌクレオチド反復配列は同定されなかった。TG8反復のみが多型として知られている。
より一般的な反復要素に加えて、PKD1遺伝子は既存のデータベースには存在しないか、またはこの座位で見られる極端な形には存在しない、数種の反復配列を含んでいる。もっとも顕著な反復配列は、4kbのBamHI-SacI断片内の2.5kbの部分である。有意に短いC-Tに富んだ領域もまた、隣接する1.8kbのSacI-BamHI断片に見られる。これらの領域は、明らかに高いGC含量(65%)、各鎖に関するプリンの非対称性、および反復配列の長さのために、配列を決定するのは非常に困難であることが判明した。この領域内のコード鎖は、96%がC-Tであるという極端なピリミジンの偏りがあり、T7 DNAポリメラーゼまたはシークエナーゼを用いては配列を決定できなかった。これは鋳型の種類(プラスミド、一本鎖ファージ、または鎖を分離した一本鎖DNA)にかかわらず事実であった。どちらの場合でも、G-Aに富んだ非コード鎖は、読み進めた長さが配列を決定した他の全ての領域と比較して顕著に短かったが、T7 DNAポリメラーゼおよびシークエナーゼのどちらを用いても配列を決定することができた。非コード鎖に対する圧縮は、一本鎖鋳型を用いた慣用のシークエンシングおよびサイクル・シークエンシングにより分析した。この部分の鎖の極端なプリンの非対称性は、適当な条件下(pH、二価性カチオン、スーパーコイル化)で局所的な三重鎖の形成を促進させ、この部分の配列の決定における主要な障壁の原因となっているのであろう。
他の一般的な反復配列は7.6kbのXhoI断片に存在していた。この反復配列は長さが459bpであり、完全な27bpの反復配列が17回並んで繰り返されているものから構成されている。
実施例2:エキソン・トラップ法およびcDNA選択法により得られたPKD1のcDNA配列
PKD1遺伝子を含む第16番染色体の700kbpの区間は特にCpG島に富んでいるように思われ、関連により発現される配列にも富んでいるように思われる。発現されたPKD1配列を精製して配列を決定するために、スプライス受容部位およびスプライス供与部位の両方を含むコスミドから配列を得るのにエキソン回収ベクター、pSPL3を用いた;この方法は”エキソン・トラップ法”と呼ばれている。一般的なサブクローニング、増幅、およびDNA配列決定法とともに、この方法を適用することにより、図2に示されているようにPKD1のcDNA配列を決定することができた。
エキソン・トラップ法はゲノムDNAから発現された配列を単離するための非常に効率の良い方法である。その工程では、HIV-tat遺伝子の一部分により分割されたウサギのβ-グロビンをコードする配列を含むpSPL3プラスミド、または潜在性の(阻害的な)スプライス部位を欠いたSPL3の改良型誘導体を使用する。クローン化したPKD1のゲノムDNA断片はtat遺伝子のイントロンにクローン化し、生じたサブクローンをCOS-7細胞にトランスフェクションした。ベクター中のSV40配列は、トランスフェクションされたベクターの自由な染色体外での複製、並びにクローン化したゲノムDNAの転写の双方を可能にする。グロビン/tatの転写産物へとスプライシングされたサブクローン化したゲノムDNA中のエキソンを、tatのスプライス供与配列および受容配列を含むプライマーを用いて、RT-PCRを利用して回収した。エキソン・トラップ法の主要な利点は、クローン化したDNAの発現がウィルスのプロモーターによって誘導されることであり;このため、発生または組織特異的な遺伝子産物の発現は問題にならないのである。
コスミドまたはP1 DNAのどちらの形であれ、PKD1を含むゲノムクローンはBamHIおよびBglIIで二重消化するか、またはSau3Aで部分消化し、BamHIで消化して脱リン酸化したpSPL3(GIBCO BRL, Bethesda, MD)またはその誘導体にショットガン・クローニングした。プラスミド少量調製物をCOS-7細胞にエレクトロポレーションし、トラップされたエキソンをRT-PCRにより回収した後、標準的な技法を用いてサブクローン化した。
PKD1座位よりトラップされたエキソンが図9(下部)に示されている。トラップされたエキソンは上記のように自動DNAシークエンスにかけ、その結果、ゲノムPKD1 DNAとの比較が可能になった。
実施例3:PKD1変異の診断テスト
高濃度グルコースACD VacutainersTM(黄色上部)に回収された全血液試料を遠心し、軟膜を回収した。白血球を14mM NH4Clおよび1mM NaHCO3の10:1(v/v)の混合物の二回の洗浄で溶解し、その核を核溶解緩衝液(10mM Tris, pH8.0, 0.4M NaCl, 2mM EDTA, 0.5% SDS, 500μg/mlプロテイナーゼK)に再懸濁して37℃で一終夜反応させた。次に試料を4分の1容量の飽和NaClで抽出し、DNAをエタノールで沈澱させた。次にDNAを70%エタノールで洗浄し、乾燥させて、TE緩衝液(10mM Tris-HCl, pH7.5, 1mM EDTA)に溶解させた。続いて0.2-1μgのDNA(1-2μl中)を以下の成分を含むPCR反応混合物に加えた:
10×Taq緩衝液 8μl
dNTPs(各2mM) 7μl
順方向プライマー(100μM) 1.5μl
逆方向プライマー(100μM) 1.5μl
ブロック用オリゴ(2mM) 1.5μl
Taq DNAポリメラーゼ 1μl
水 80μlまで
続いて標準的なDNA温度サイクラーを用いてそれぞれのサイクルを以下のプロトコル;94℃,30秒;55℃,30秒;および72℃,30秒、で30サイクルの増幅を行った。上記の反応で用いた酵素およびヌクレオチドは、GIBCO-BRL、Promega、New England Biolabs等のような製造業者から入手可能であることが分かるだろう。
上記の反応において使用した順方向プライマーは、本来のPKD1およびPKD1の相同配列の両方にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含んでいる。そのようなプライマーの例は以下のようなものである:5’-CAGGACCTGTCCCAGGCAT-3’。逆方向プライマーは本来のPKD1遺伝子の3’領域に由来する配列を含み、その配列はPKD1の相同物に存在するするものであっても、存在しないものであってもよい。適当な逆方向プライマーの例は以下のようなものである:
5’-CTGGCGGGCGAGGAGAT-3’,5’-CTTTGACAAGCACATCT-3’,および5’-CAACTGGCTGGACAACA-3’。
ブロック用オリゴヌクレオチドは以下を含む:5’-AGGACCTGTCCAGGCATC-3’。重要なことだが、このオリゴヌクレオチドは重合を続けることが不可能でなければならない。一つの例は、3’末端のヌクレオチドがジデオキシヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドである。この効果に至るどのような修飾も、本発明を実行する際に用いることができることは理解されるであろう。適当な条件下において、ブロック用オリゴヌクレオチドはPKD1の相同物に効率良くハイブリダイズするが、本来のPKD1配列には僅かしかハイブリダイズしない。こうして、本診断テストにおける増幅産物は本来のPKD1遺伝子からのみ生じるのである。
上記で得られたRT-PCR産物に対し、以下のようにして特異的なPKD1の突然変異の存在を分析する:
上記のようにして調製した8μlの増幅産物を、50μlの変性溶液(0.5mM NaOH, 2.0M NaCl, 25mM EDTA)に加え、ナイロン膜フィルター(INC Biotrans)上にスポットする。次に真空状態で15分間80℃でフィルターをベーキングすることにより、DNAを膜に固定する。
PKD1突然変異を検出するオリゴヌクレオチドは自動合成機を用いて化学的に合成し、当該技術分野では標準的な方法を用いてポリヌクレオチドキナーゼにより32Pで標識する。
ハイブリダイゼーションは上記の実施例1Dのようにして調製したフィルターの入ったプラスチック・バッグで行い、それにハイブリダイゼーション緩衝液(3.0M塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC), 0.6% SDS, 1mM EDTA, 10mMリン酸ナトリウムpH6.8, 5×デンハルト溶液,および40μg/ml酵母RNA)に混合した、一つまたはそれ以上の標識したオリゴヌクレオチドを加えた。その溶液中のオリゴヌクレオチド濃度は0.03-0.15pmol/mlハイブリダイゼーション溶液の範囲である。
ハイブリダイゼーションは振とうさせながら52℃で一終夜行うことができる。続いて膜をバッグから取り出し、洗浄緩衝液(3.0M TMAC, 0.6% SDS, 1mM EDTA, 10mMリン酸ナトリウムpH6.8)で室温で20分間洗浄した後、同一の緩衝液で20分間52℃で二回目の洗浄を行う。続いて膜を乾燥させ、Kodak社のX-OMATフィルムに感光させる。
本発明は目下のところ好ましい態様と考えられることに関して記述されているが、本発明が開示された態様には限定されていないことが理解されるべきである。それとは逆に、本発明は添付した請求の範囲の思想および範囲内に含まれるさまざまな修飾および均等の取り合わせを含むように意図されている。以下の請求の範囲は、そのような修飾および均等の構造および機能を全て含むように、もっとも広い解釈を与えられるべきである。

Claims (1)

  1. 図1に記載されたDNA配列からなる、単離されたヒトのPKD1遺伝子。
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