JP4493969B2 - Phormidiumtenueの同定法並びにこの方法に用いるプライマー - Google Patents

Phormidiumtenueの同定法並びにこの方法に用いるプライマー Download PDF

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Description

本発明はPhormidium tenueの遺伝子検出法並びにPhormidium tenueの同定法、およびそれに用いられるプライマーに関する。
Phormidium tenue (P. tenue)は、藍藻類(シアノバクテリア)の一種でユレモ目ユレモ科に属する。P. tenueは湖やダムなどの水道貯水地で発生し、代表的かび臭物質である2-メチルイソボルネオール(2-MIB)を2次代謝産物として産生する。かび臭物質が水道水に数十ng/L混入すると人々に不快感をもたらすため、かび臭対策が実施されている。しかし現状は、都市部においてはオゾンと活性炭による高度処理によってかび臭原因物質の除去が可能になっているが、高度処理設備を持たない地方においては未だ完全な処理が行われているとはいえない状況である。このため、日本全国の平成13年度かび臭被害人口は350万人以上にのぼっている。このようなかび臭問題の根本的解決のためには、かび臭原因藻類の早期特定、発生状況の把握、および原因藻類に対応した適切な処理対策が必要である。その実現化のために、迅速で正確なかび臭原因藍藻類の同定および計数法、並びにかび臭物質産生量の測定法の開発が求められている。
従来、かび臭原因藍藻類の同定および計数法は、顕微鏡観察による形態的分類法によってのみ行われている。具体的には、試料水を採取した後、希釈または遠心濃縮して試料とし、50μLの試料を界線入りスライドグラスに取り、カバーグラスで覆った後、検鏡する。検鏡の際は界線に沿って視野を移動させながら、カバーグラス内の生物名と数を記録する。生物の分類は、1993年版上水試験法(日本水道協会)の水道生物分類の項、水道障害生物写真の項、生物図鑑の項に記されている写真やイラストを参照して実施される。菌数は、検鏡回数で割った平均値を1mL量に換算して算出する。
顕鏡による藍藻類の同定では、臭いの有無がある種や、また、トリコームが類似しているにもかかわらず細胞の色が藍色や褐色であったりする種の存在が度々報告されている。従来この相違について、同じ種の藍藻類の突然変異や、環境適応のために一時的に代謝系や遺伝子発現度を変化させているためであるとする見解がされていた。P. tenueは、かび臭を産生する株もかび臭を産生しない株も同じ株として分類されてきた。
最近本発明者らは、釜房湖生息のPhormidium tenue(P. tenue) 16SリボソーマルRNA(16S-rRNA)遺伝子(16S-rDNA)塩基配列の解析を実施し、上記相違は環境適応のための一時的変化等ではなく、系統的に異なるものであることを明らかにした(及川栄作他 (2000) かび臭および毒素産生藍藻類の系統発生的分類, 土木学会環境工学研究論文集, 37:183-191.)。この解析によって、釜房湖生息のP. tenueは3つのグループに分類されることが示された。3つのグループとは、藍色で2-MIBを産生し、冬季発生する株を含む釜房湖においてのみ生息が確認されているグループ1、藍色で2-MIBを産生し、名古屋城のお掘りから単離されたNIES-512株を含むグループ2、褐色で2-MIBを産生せず、琵琶湖から単離されたNIES-611株を含むグループ3である。これまでP. tenueは、かび臭を産生する藍藻として、除去の対象となってきた。しかし、かび臭対策の観点においては、かび臭産生株の発生状況を把握してかび臭物質の除去対策ができればよく、かび臭物質非産生株であれば、発生状況を把握やかび臭物質の除去対策の必要はない。すなわち、本発明者らの知見は、株またはグループによって除去対策の必要性が異なることが明らかにした。ところが、従来の顕微鏡による形態学的同定法ではこれら3グループの区別ができないため、これらを一つの株として分類しており、従来法ではかび臭対策実施の必要性の的確な判断は困難である。また、従来法は1試料ずつ顕微鏡で同定することから多数の試料を同定するには時間を要し、迅速性向上を図ったとしても限界があるといえる。
及川栄作他 (2000) かび臭および毒素産生藍藻類の系統発生的分類, 土木学会環境工学研究論文集, 37:183-191. 及川栄作、石橋良信 「報文」釜房湖におけるかび臭産生藍藻類の多様性―系統的に異なるかび臭産生株と非産生株及び藍色株と褐色株―,水道協会雑誌,2003年5月号、第72巻第5号(第824号)
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的はPhormidium tenueの簡便かつ迅速な検出または同定手段を提供することである。また、従来法の顕微鏡観察では不可能であったPhormidium tenueのグループレベル、株レベルの判別をも可能とする手段を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、分子生物学の分野で公知であるPolymerase chain reaction (以下PCR)法をP. tenueの検出に利用できないかと考えた。しかしながら、用いるプライマーの設定いかんによっては、検出の感度及び/または再現性について必ずしも満足できる結果を得られない。そこで本発明者らは、鋭意研究を行い、高検出感度及び高再現性を備えたプライマーを設計した。すなわち、P. tenueの株の16S-rDNAの配列を比較して特異性の高い配列に着目した上で、種々のフォワードプライマーおよびリバースプライマーを設計し、これらのいずれかを用いて被検試料中の測定すべきかび臭産生藍藻類16S-rRNA遺伝子を鋳型としてPCRを行い、PCR産物をアガロースゲル電気泳動等分析装置にかけ、プライマーの組み合わせごとのPCR産物の有無を調べたところ、高感度かつ高再現性をもってP. tenueの遺伝子を正確に検出することができるプライマーを見出し、本発明を完成した。
本発明のプライマーはP. tenue株またはグループ間の16S-rRNA遺伝子の塩基配列の違いに着目して設計されているため、本発明プライマーを用いて核酸増幅法による検査をすれば、他のかび臭産生藍藻や毒素藍藻類に反応することなく、増殖しているP. tenueを株またはグループのレベルで特定できる。また、トータルDNAの調製や塩基配列の解読も必要なく、培養液や環境水から直接に短時間で分類同定することが可能であり、一度に多数の試料を処理できる。さらに本発明プライマーを用いたPCRにおける検出限界を検討したところ、藻体34個/mLの高感度であることが明らかになった。
したがって、本発明はPhormidium tenueの検出法および検出に利用できるプライマーの発明であり、より具体的には
(1)配列番号1から11のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチド、
(2)P. tenueの菌株の同定または検出方法であって、配列番号1から6のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとして用い、かつ配列番号7から11のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして用いることを特徴とするP. tenueの16S-rDNA断片を増幅する工程を含む、P. tenueの菌株の同定または検出方法、
(3)フォワードプライマーとして配列番号1から6のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドと、リバースプライマーとして配列番号7から11のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、P. tenueの16S-rDNA断片増幅用のプライマーセットまたは検出用キット、
を提供するものである。
本発明により、P. tenueの検出のみならずグループ、株レベルまで同定可能なP. tenueの同定方法並びにそれに用いられるプライマーが提供されたことから、本発明によれば、P. tenueによるかび臭産生の有無などについて、的確に知ることが可能となる。本発明のプライマーを用いた核酸増幅法による検査は、高感度かつ高再現性であることが実証された。また、P. tenueの検出を行うにあたり、顕微鏡観察による従来法のように一試料ずつ行わなくてもよく、多数の被験試料について同時に簡便に実施することができる。したがって本発明は、湖沼水やダム水や河川水等の品質検査およびその後のかび臭対策において、大いに貢献するものと期待される。
本発明は、P. tenueの同定・検出に利用可能なオリゴヌクレオチドを提供する。本発明のオリゴヌクレオチドは、P. tenueの株またはグループによって際立って異なる配列を選択しているため、P.tenneの株またはグループレベルの検出を可能とする配列となっている。
P.tenneは、国内の湖水、河川等で観察される藍藻類の一つである。本発明のオリゴヌクレオチドにより同定・検出可能なP. tenueは、グループ1からグループ3の3つのグループに分けられる。
グループ1は、KG-1株、D株、A株で構成される。現時点において、これらは釜房湖のみにおいて生息が確認されている。また、A株は冬場に発生する。グループ1のいずれの株も藍色で2-MIBを産生する。P. tenue D株の16S-rRNA遺伝子の部分塩基配列は公知であり、日本DNAデータバンク(DDBJ)のAccession no. AB042984で登録されている。同様に、A株はDDBJのAccession no. AB042971で登録されている。
グループ2は、S株、T株、Y株、NIES-512株から構成される。藍色で2-MIBを産生するグループである。NIES-512株は、名古屋城のお堀でも単離が報告されている。P. tenue S株の16S-rRNA遺伝子の部分塩基配列はDDBJのAccession no.AB042970、T株はAccession no.AB047105、Y株はAccession no.AB047105、NIES-512株はAccession no.AB042838で登録されている。
グループ3は、C株、KB-1株、NIES-611株から構成される。褐色で2-MIBを産生しないグループであり、NIES-611株は、琵琶湖での単離報告もある株である。P. tenue C株の16S-rRNA遺伝子の部分塩基配列はDDBJのAccession no.AB042972、NIES-611株はAccession no.AB042842で登録されている。
グループ1からグループ3を構成する各株の16S-rRNA遺伝子の配列は、配列番号55-80、480-520、720-800近辺に株またはグループに特異的な配列が存在する。したがってP. tenueの16S-rRNA遺伝子に株またはグループ特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドは、この近辺の配列に着目して設計することができる。
本発明の上記オリゴヌクレオチドとしては、具体的には、配列番号:1から11のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。配列番号1に記載された配列からなるオリゴヌクレオチド(「配列番号1のオリゴヌクレオチド」と記載、以下同様)は、P. tenue NIES-512株、Y株、S株、T株の16SリボソームRNA(16S-rRNA)遺伝子の第58番目から第77番目のヌクレオチド(以下、「58 nt-77 nt」のように記載)に相当する。また、配列番号2のオリゴヌクレオチドはP. tenue A株の16S-rRNA遺伝子の59 nt-76 ntに、配列番号3のオリゴヌクレオチドはP. tenue D株の16S-rRNA遺伝子の58 nt- 79 ntに、配列番号4のオリゴヌクレオチドはP. tenue NIES-512株の16S-rRNA遺伝子の485 nt-507 ntに、配列番号5のオリゴヌクレオチドはP. tenue Y株、S株、T株の16S-rRNA遺伝子の485 nt-513 ntに、配列番号6のオリゴヌクレオチドはP. tenue A株の16S-rRNA遺伝子の485 nt-507 ntに、配列番号7のオリゴヌクレオチドはP. tenue NIES-512株、Y株、S株、T株の16S-rRNA遺伝子の774 nt-795 ntに、配列番号8のオリゴヌクレオチドはP. tenue A株、C株、NIES-611株の16S-rRNA遺伝子の726 nt-751 ntに、配列番号9のオリゴヌクレオチドはP. tenue D株の16S-rRNA遺伝子の725 nt-750 ntに、配列番号10のオリゴヌクレオチドはP. tenue A株、D株、NIES-512株、Y株、S株、T株、C株、NIES-611株の16S-rRNA遺伝子の774 nt-795 ntに、配列番号11のオリゴヌクレオチドはP. tenue D株の16S-rRNA遺伝子の774 nt-798 ntに、それぞれ相当する。P. tenue各株の配列について、これら配列番号1から11のオリゴヌクレオチドが相当する近辺の部分を、図3、4、5に示す。
なお、上記のほか、上記配列番号1から11のオリゴヌクレオチドに相補的配列であるオリゴヌクレオチドも本発明に含まれる。該相補的配列オリゴヌクレオチドは、上記配列番号1から11のオリゴヌクレオチドと同様に、二本鎖DNAであるP. tenue16S-rRNA遺伝子に株またはグループ特異的に結合可能である。さらに、上記配列番号1から11のオリゴヌクレオチド及びその相補的配列のヌクレオチドに1または複数のヌクレオチドが付加、欠失、置換、挿入した配列/ストリンジェントな条件でハイブリダイズする配列も、本発明に含まれる。
また、本発明のオリゴヌクレオチドは修飾されていてもよい。例えば、検出のために標識されていてもよい。さらに、フィルターやチップ等の固相に固定化されていてもよい。
本発明のオリゴヌクレオチドの使用の第一の態様としては、下記に詳述するように、核酸増幅法におけるプライマーとしての使用を挙げることができる。本発明のオリゴヌクレオチドは下記に記載する特定の組み合わせにより、特定株またはグループの検出が可能であることから、該オリゴヌクレオチドを組み合わせて、特定株検出用プライマーセットまたはキットとして使用することもできる。
本発明のオリゴヌクレオチドの使用の別の態様として、P. tenueの16S-rRNA遺伝子を検出するためのプローブとしても使用することが考えられる。本発明のオリゴヌクレオチドをプローブとして用いる場合は、適宜標識して用いることが好ましい。標識する方法としては、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、オリゴヌクレオチドの5'端を32Pでリン酸化することにより標識する方法、およびクレノウ酵素等のDNAポリメラーゼを用い、ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチド等をプライマーとして32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を取り込ませる方法(ランダムプライム法等)を例示することができる。また上述したように、プローブとして使用するときには、本発明のオリゴヌクレオチドを固相に固定化して使用することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、自動DNA合成装置等により化学合成法によって調整することができる。また、P. tenueから調製することも可能である。
また本発明は、P. tenue の菌株の同定法または検出法を提供する。本発明による同定又は検出法は、上記オリゴヌクレオチドをプライマーとする核酸増幅工程を含むため、株またはグループレベルでの同定または検出が可能である。
核酸増幅のためのフォワードプライマーは、上記オリゴヌクレオチドのうち、配列番号1から配列番号6のオリゴヌクレオチドのなかから選択することができ、また、リバースプライマーは配列番号7から11のオリゴヌクレオチドの中から選択することができる。これらフォワードプライマーとリバースプライマーを特定の組み合わせにおいて使用すると、P. tenueの特定の株またはグループのP. tenue16S-rRNA遺伝子断片のみを増幅することが可能となる。以下、プライマーとして使用するオリゴヌクレオチドの組み合わせ及び該特定組み合わせにより16S-rRNA遺伝子断片が増幅可能な株を記載する。
(ア)フォワードプライマー:配列番号2のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号8から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、P. tenue A株、
(イ)フォワードプライマー:配列番号3のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号7、9、10、11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、D株またはKG1株、
(ウ)フォワードプライマー:配列番号1のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号7から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、NIES-512株、Y株、S株、T株、
(エ)フォワードプライマー:配列番号6のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号9のオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、P. tenue A株、NIES-512株、NIES-611株、KB1株またはC株
(オ)フォワードプライマー:配列番号4のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号7から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株、
(カ)フォワードプライマー:配列番号5のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号7のオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株、
(キ)フォワードプライマー:配列番号5のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号8から11のいずれかに記載されたオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、P. tenue A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株
(ク)フォワードプライマー:配列番号6のオリゴヌクレオチド、リバースプライマー:配列番号7,8,10,11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株、
について、それぞれ核酸増幅法による増幅が可能であり、ひいては核酸増幅法を利用して該株の同定、検出が可能である。また、それぞれ定量も可能と考えられる。
上記のとおり、(ア)から(ク)の組み合わせによる検出のうち、(ア)の組み合わせはA株のみを検出するため、単独の使用でA株の同定まで可能である。(イ)および(ウ)は、それぞれ同じグループに属する株のみを検出することができる。さらに、上記組み合わせのプライマーによる核酸増幅法を、(ア)から(ク)の複数の組み合わせを用いて行うことにより、株またはグループレベルの判別が可能となる。一例をあげれば、(ウ)の配列番号1と配列番号7の組み合わせ、(ア)の配列番号2と配列番号8の組み合わせ、(イ)の配列番号3と配列番号7の組み合わせ、(オ)の配列番号4と配列番号8の組み合わせ、(キ)の配列番号5と配列番号8の組み合わせ、(エ)の配列番号6と配列番号9の組み合わせを用いて核酸増幅法を行い解析することにより、A株、D株、NIES-512株、Y株、およびかび臭非産生の褐色株の検出・同定を行うことができる。
核酸増幅は、種々の公知核酸増幅法から選択することができる。例えば、PCR法による増幅が可能である。PCRは、当業者においては反応条件等を適宜選択して行うことができる。
PCRを行う場合、ゲノム上の16S-rDNAを鋳型とすることができる。また、16S-rRNAを鋳型にすることもでき、この場合は逆転写酵素によってRNA鎖をDNA鎖に置き換えてから増幅を行う。
核酸増幅後の検出を容易にするために、PCRの際に、32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識したプライマーを用いることにより、増幅DNA産物を標識することができる。あるいはPCR反応液に32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を加えてPCRを行うことにより、増幅DNA産物を標識することも可能である。さらに、PCR反応後にクレノウ酵素等を用いて、32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を、増幅DNA断片に付加することによっても標識を行うことができる。
増殖した標識DNA断片の検出は、当業者に公知の様々な手法で行うことができる。一例をあげれば、標識DNA断片を、熱を加えること等により変性させ、尿素などの変性剤を含まないポリアクリルアミドゲルによって電気泳動を行う。電気泳動後、バンドをX線フィルムを用いたオートラジオグラフィーや、蛍光を検出するスキャナー等で検出する。また、標識したDNAを使わない場合においても、電気泳動後のゲルをエチジウムブロマイドや銀染色法などによって染色することによって、バンドを検出することができる。ある組み合わせのプライマーを使用してバンドが検出されれば、該組み合わせと対応する特定の株のP. tenueが、被験試料に存在していたことを意味する。
本発明の同定または検出法の被検試料としては、P. tenueが存在する可能性のあるものであればいずれでもよく、例えば湖沼水、ダム水、河川水などを挙げることができるが、これらに限定されるものでない。必要に応じて、本発明の同定または検出法を実施する前に、上記被験試料中のP. tenueのRNAやDNAを調製する目的で、試料に対し過熱による溶菌処理やプロティナーゼKのようなタンパク質分解酵素処理を施してもよい。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]供試菌株および試料の調製
供試菌株は釜房湖から単離し塩基配列決定済みの、A株, B株, C株, D株, KG-1株, KB-1株, S株, T株, Y株 とNIES-512株, NIES-611株である。また、他の藍藻類の識別も可能であることを確認するために、Anabaena 属やOscillatria 属のかび臭産生藍藻類やCylindrospermopsis rachiborskiiなどの毒素産生藍藻類も供した。PCRに用いたDNA試料は藍藻類培養液から調製したトータルDNAまたはPCR増幅によってプラスミドにクローン化した16S-rDNAである。また、分類同定や藻体数のPCR検出限界を調べるために用いた試料は培養液の過熱溶菌液である。
[実施例2]プライマーの設計
はじめに3つのグループの塩基配列それぞれに特異性の高い部位の検索を遺伝情報解析ソフトウエアGenetic MAC ver.9を用いて行った。得られた相同性結果を整理し、異なる塩基配列のみを抜き出した。さらに、異なる塩基配列の集中する3箇所について、GC含量、塩基配列の片寄り、塩基数などを考慮に入れて20塩基長の長さのフォワードプライマー(F)6種類とリバースプライマー(R)5種類の計11種類のPCRプライマーを合成した。プライマーの化学合成はタカラバイオ株式会社に依頼して行った。
[実施例3]プライマーの検討
合成したプライマーF-Rの30通りの組み合わせの良否について検討した。 PCRの条件は94℃ 45秒, 65℃ 45秒, 72℃ 2 分を25サイクル行った。酵素はTaq DNA polymeraseを用いた。反応溶液量は20μL系で行い、この内の2μLをPCR後にアガロースゲル電気泳動に供してPCR産物の有無の確認に用いた。
実験の結果、以下の知見が得られた。1)30通りのPCRプライマーF-Rの組み合わせの中で、5通りのNIES-512株を含むグループのみを検出することができる組み合わせを同定することができた。また、釜房湖に特異的な藍藻類のうちD株や冬場に発生するA株のみを識別することができるプライマー配列を同定することができた。2)同定したプライマーは他のかび臭や毒素藍藻類には反応しないことも確認でき、これらのプライマーは2-MIBを産するP. tenueのみを検出することができるプライマーであることが示された。
[実施例4]釜房湖発生藍色株の同定
作製した6通りのプライマーF-Rを組み合わせて、2002年に釜房湖に発生した藍色株の同定を試みた。
(1)被検試料の調製
湖水を採取し、100 μLを0.2 mL容のマイクロチューブに移した。このチューブをthermal cycler personal(商品名, タカラバイオ株式会社)を用いて99℃で10分過熱し、P. tenueを溶菌させた。これを被検試料とした。一方では採取した湖水を寒天培地に塗沫し、増殖した単一の藍体を液体培養した。この培養液100 μL を同様過熱溶菌させ、被検試料として用いた。
(2)PCR
上記のように調製した被検試料および表1のプライマーを用い、市販の耐熱性DNAポリメラーゼEX-Taq DNA polymerase(商品名, タカラバイオ株式会社)、dNTPs Mix(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)を加えてPCRを行った。なお、反応液の組成を下記表2に示す。
PCR反応は、いずれの場合も変性工程94℃、45秒、アニーリング工程65℃、45秒、伸長工程72℃、2分で行い、25サイクル行った。
Figure 0004493969
Figure 0004493969
*1:dATP、dCTP、dGTP、dTTP
*2:耐熱性DNAポリメラーゼ
(3)結果
PCR後のアガロースゲル電気泳動の結果、配列番号1のフォワードプライマーと、配列番号7のリバースプライマーの組み合わせ、配列番号4のフォワードプライマーと、配列番号8のリバースプライマーの組み合わせ、配列番号5のフォワードプライマーと、配列番号8のリバースプライマーの組み合わせ、配列番号6のフォワードプライマーと、配列番号9のリバースプライマーの組み合わせでRNAが検出され、配列番号2のフォワードプライマーと、配列番号8のリバースプライマーの組み合わせ、配列番号3のフォワードプライマーと、配列番号7のリバースプライマーの組み合わせではDNAが検出されなかった。このPCR結果と予めすでに同定されているP. tenueに対して行った予備実験で試みられた結果をまとめた、図1および図2の分類のための早見表を参照して、分類を試みたところ、本検体中に検出された株は藍色でかび臭を産生し、名古屋城のお掘りから単離されたNIES-512株を含むグループのNIES-512株と同定できた。同定結果が正しいことは、塩基配列決定によって確認した。
本発明で作製した各15組みのプライマーの組み合わせで3グループ10株のP. tenue のPCRを行った結果をまとめた図である。表中の○はDNAが検出されたことを示し、×はDNAが検出されなかったことを示し、△は弱く検出されたことを示す。*1:Fはフォワードプライマー、Rはリバースプライマー、番号は配列表の番号を示す。 本発明で作製した各15組みのプライマーの組み合わせで3グループ10株のP. tenue のPCRを行った結果をまとめた図である。表中の○はDNAが検出されたことを示し、×はDNAが検出されなかったことを示し、△は弱く検出されたことを示す。*1:Fはフォワードプライマー、Rはリバースプライマー、番号は配列表の番号を示す。 P. tenue の各株の配列第1位-118位を示す図である。 P. tenue の各株の配列第419位-535位を示す図である。 P. tenue の各株の配列第716位-834位を示す図である。

Claims (2)

  1. 配列番号1から6のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとして用い、かつ配列番号7から11のいずれかに記載された配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして用いてP. tenueの16S-rDNA断片を増幅する工程を含む、P. tenueの菌株の同定または検出方法であって、
    (ア)フォワードプライマーとして配列番号2のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号8から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、P. tenue A株を同定または検出し、
    (イ)フォワードプライマーとして配列番号3のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7、9、10、11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、D株またはKG1株を同定または検出し、
    (ウ)フォワードプライマーとして配列番号1のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、NIES-512株、Y株、S株またはT株を同定または検出し、
    (エ)フォワードプライマーとして配列番号6のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号9のオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、P. tenue A株、NIES-512株、NIES-611株、KB1株またはC株を同定または検出し、
    (オ)フォワードプライマーとして配列番号4のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株を同定または検出し、
    (カ)フォワードプライマーとして配列番号5のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7のオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株を同定または検出し、
    (キ)フォワードプライマーとして配列番号5のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号8から11のいずれかに記載されたオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、P. tenue A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株を同定または検出し、または、
    (ク)フォワードプライマーとして配列番号6のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7、8、10、11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせにより、A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株を同定または検出する方法。
  2. 以下の(ア)〜(ク)のいずれかに記載のP. tenueの16S-rDNA断片増幅用のプライマーセットまたは検出用キット。
    (ア)フォワードプライマーとして配列番号2のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号8から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせからなる、P. tenue A株の16S-rDNA断片増幅用のプライマーセットまたは検出用キット
    (イ)フォワードプライマーとして配列番号3のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7、9、10、11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせからなる、D株またはKG1株の同定または検出用キット
    (ウ)フォワードプライマーとして配列番号1のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせからなる、NIES-512株、Y株、S株またはT株の同定または検出用キット
    (エ)フォワードプライマーとして配列番号6のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号9のオリゴヌクレオチドの組み合わせからなる、P. tenue A株、NIES-512株、NIES-611株、KB1株またはC株の同定または検出用キット
    (オ)フォワードプライマーとして配列番号4のオリゴヌクレオチド、リバースプライマーとして配列番号7から11のいずれかのオリゴヌクレオチドの組み合わせからなる、A株、NIES-512株、Y株、S株、T株、NIES-611株、KB1株またはC株の同定または検出用キット
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