JP4492942B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、主には生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、医療用パッド、トイレタリー等に使用される吸収性物品であって、詳しくは体液を速やかに吸収し、表面シートにドライ感、さらっと感を維持し続けるとともに、経時における逆戻りを低減した吸収性物品に関する。
従来より、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
前記吸収性物品において、肌に対するドライタッチ感を満足するとともに、体液の吸収速度を速めるために、前記透液性表面シートとして熱融着性の疎水性多孔プラスチックシート(所謂メッシュシート)を使用し、前記透液性表面シートと吸収体との間にセカンドシートと言われる親水性シートを介在し、所定のエンボスパターンにより前記メッシュシートとセカンドシートとを不連続に接合したものが提案されている。かかる構成を採用した吸収性物品としては、例えば下記特許文献1〜3等に記載されるものを挙げることができる。
しかし、シート素材がプラスチックシートである場合には、表面がフィルム光沢を呈し、肌にフィルム感を与える。また、肌にぴったりと付着してべた付き感を与えるとともに、肌と表面シート間の通気性や、皮膚呼吸を妨げるなどの問題点に鑑み、下記特許文献4では、図8に示されるように、シート基材50が熱可塑性フィルム層50Bおよび該フィルム層の上面に溶融接合されている熱可塑性繊維50Aを含有する繊維層からなり、前記シート基材には開孔が所定間隔で配列されているとともに、該開孔の周縁に連続して該シート基材の下面から下方向に延出し内周面に前記繊維層が位置する毛細管51が形成されている衛生物品用表面シートが提案されている。
また、下記特許文献5では、凸状の曲面からなる頂部52と、凹状曲面からなる底部53と、該頂部52及び底部53を連結する曲面状の壁部54とを具備し、該頂部52、該壁部54及び底部53により形成された無数の孔部55を有し、かつ前記壁部54及び底部53は繊維密度が高く液透過性が殆ど無いフィルム状構造に形成されている吸収性物品の表面材が提案されている。
特開平7−328060号公報 特開平8−117277号公報 特開平10−272152号公報 特開平2−193663号公報 特開平5−228173号公報
しかしながら、上記特許文献4に係る衛生物品用表面シートの場合は、シート基材を熱可塑性フィルム層と繊維層とからなる複層構造のシート材とすることにより、プラスチックフィルムを表面材として用いた場合の欠点を解消することができるが、毛細管壁部の繊維密度が高くなっており、毛細管壁部に体液が滞留し下層のセカンドシートや吸収体へ移行しずらい問題があり、べた付き感が感じられるようになるとともに、圧力を受けた際に前記滞留した体液が逆戻りし易いなどの問題があった。
前記特許文献5に係る表面材も同様に、底部が繊維密度が高くフィルム状の構造となっていることから、表面張力によって孔部の孔壁に体液が滞留することがあり、べた付き感が感じられるようになるとともに、圧力を受けた際に前記滞留した体液が逆戻りすることがあった。
そこで本発明の課題は、肌当接面側が不織布からなるとともに、前記不織布の裏面側にプラスチックフィルム層が積層された表面シートを用いた吸収性物品において、前記表面シートの開孔壁部における毛細管現象や表面張力による体液の滞留を低減し、速やかに下層の親水性セカンドシートや吸収体側に移行させることで、表面のドライ感、さらっと感を維持し、かつ経時における逆戻りを防止することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、液透過性の表面シートと、裏面シートと、両シート間に介在された吸収体とを有する吸収性物品において、
前記表面シートは、肌当接面側が不織布からなるとともに、前記不織布の裏面側にプラスチックフィルム層が積層され、かつ前記表面シートと吸収体との間に親水性のセカンドシートを備え、
前記表面シートは、多数の開孔が千鳥状配置パターンで形成された構造を成すとともに、該表面シートと前記セカンドシートとを積層した状態で、エンボスを表面側から或いは表面側及び裏面側から同時に千鳥状配置パターンで付与することにより肌当接面側に多数の凸部及び凹部が形成され凹凸表面性状を成すようにし、前記エンボスと開孔との相対的位置関係は、エンボスと開孔とが重ならず、前記エンボスによって形成される凸部頂部又はその近傍に前記開孔が位置する配置パターンとし、
前記開孔は、前記表面シートの面に対して垂直方向に、1個当たりの開孔面積が0.35〜0.60mm、開孔率10〜19%の割合で形成され、かつ開孔形状は角折れ隅部を有しない楕円形状とされることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明においては、表面シートとして、肌当接面側が不織布からなるとともに、前記不織布の裏面側にプラスチックフィルム層が積層されたシート基材を用いるようにするため、肌にべた付き感や湿潤感を与えることがなく、逆戻りを少なくできる。また、肌当接面側に多数の凸部及び凹部を有する凹凸表面性状を成すため、肌との接触面積が低減され、肌にドライ感、さらっと感を与えるようになる。また、周期的に前記表面シートの凸部頂部又はその近傍に前記開孔が位置する孔配置パターンとしているため、表面シートの頂部に残留する体液を無くし、ドライ感やさらっと感が向上できるようになる。
前記表面シートに形成される開孔は、1個当たりの開孔面積が0.35〜0.60mm、開孔率10〜19%の割合で形成され、かつ開孔形状は角折れ隅部を有しない楕円形状とされる。すなわち、従来の物よりも、開孔率を減らし、開孔面積を上げ、そして毛細管現象や表面張力を断ち切り易い角折れ隅部を有しない孔形状とすることで、開孔壁面に滞留する体液の低減化を図り得るようになる。
従って、体液が開孔壁部に滞留することなく、速やかに下層の親水性セカンドシートや吸収体側に移行するようになり、表面のドライ感、さらっと感を維持し、かつ経時における逆戻りを防止できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記楕円形状の開孔は、短径が0.7〜1.3mm、長径/短径の比率は1.1〜1.9としてある請求項1記載の吸収性物品が提供される。前記楕円開孔形状は、短径が0.7〜1.3mm、長径/短径の比率が1.1〜1.9とすることにより、毛細管現象や表面張力を断ち切り、体液が通過し易いものとなる。
請求項3に係る本発明として、前記セカンドシートに開孔を形成してある請求項1〜2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の本発明では、前記セカンドシートに開孔を形成するようにしている。セカンドシートは吸収速度を上げるために、体液を拡散した上で、吸収体に吸収させる機能を担うものであるが、多量の体液を吸収した場合、セカンドシートに滞留した体液が逆戻りの原因となるため、吸収速度を若干擬制にしながらも、セカンドシートの開孔を通して直に吸収体に体液を吸収させることで、体液の吸収能力が上がり、逆戻りを効果的に防止できるようになる。
請求項4に係る本発明として、前記セカンドシートに形成された開孔と、前記表面シートに形成された開孔とが周期的に一致する孔配置パターンとしてある請求項3記載の吸収性物品が提供される。
前記セカンドシートに形成された開孔と、前記表面シートに形成された開孔とが周期的に一致する孔配置パターンとすることにより、セカンドシートに滞留される体液の量を所定割合で低減できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記表面シートは、不織布/プラスチックフィルム/不織布の3層構造としてある請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、肌当接面側が不織布からなるとともに、前記不織布の裏面側にプラスチックフィルム層が積層された表面シートを用いた吸収性物品において、前記表面シートの開孔壁部における毛細管現象や表面張力による体液の滞留を低減し、速やかに下層の親水性セカンドシートや吸収体側に移行させることで、表面のドライ感、さらっと感を維持し、かつ経時における逆戻りを防止できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る薄型生理用ナプキン1の一部破断斜視図である。
〔吸収性物品の構造〕
生理用ナプキン1は、主にはパンティライナー、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッドなどの用途に供されるもので、例えば図1に示されるように、不透液性裏面シート2と、透液性表面シート3(以下、単に表面シートという。)との間に、吸収体4または同図に示されるように、クレープ紙5によって囲繞された吸収体4が介在されるとともに、前記表面シート3と吸収体4との間に親水性のセカンドシート6を配置した構造となっている。前記吸収体4の周囲においては、前記不透液性裏面シート2と表面シート3とがホットメルト接着剤等の接着手段によって接合されている。
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
前記表面シート3として、本発明では特に、肌当接面側が不織布からなるとともに、少なくとも前記不織布の裏面側にプラスチックフィルム層が積層され、かつ肌当接面側に多数の凸部及び凹部が形成されるとともに、多数の開孔が形成された構造を有する表面シートが用いられる。
具体的には、図2(A)に示されるように、疎水性不織布3A/プラスチックフィルム3Bからなる2層構造のシートや、図2(B)に示されるように、疎水性不織布3A/プラスチックフィルム3B/疎水性不織布3Cからなる3層構造のシート基材、或いは疎水性不織布3A/プラスチックフィルム3B/親水性不織布3Cからなる3層構造のシート基材を用いることができる。そして、これら表面シートに細かいパターンでドット状エンボスを与えることにより表面性状を多数の凸部と凹部とが形成され凹凸表面性状を成すようにするとともに、多数の開孔を表面側から裏面に貫通するように形成したものが用いられる。
前記不織布3A、3Cを構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、エアスルー法、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、エアスルー法、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を好適に用いることもできる。
一方、前記プラスチックシート3Bの素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステル、ナイロン等のポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などを使用することができる。
本表面シート3では、図3(A)(B)に示されるように、これらのシート基材に対して、特定形状のエンボス7,7…、図示例では縦長状の矩形エンボス7、7…を付与すると共に、多数の特定形状の開孔8,8…が形成され、吸収性物品1の表面材として使用される。なお、前記開孔8を形成するには、合成樹脂シートを軟化温度付近に軟化させて、多数の開孔を有する支持体の上面に位置させた状態で、支持体の下方から吸引したり、支持体の上面から空気圧で加圧し開孔を形成する方法、加熱針を突き刺す方法が好適に採用される。
前記エンボス7のパターン及び開孔8のパターンは、図3(A)に示される例では、エンボス7,7…が千鳥状に配置されるとともに、前記開孔8,8…が同じく千鳥状に配置され、これらのエンボス7,7…と開孔8,8…との相対的位置関係は規則性を有しないパターンで配置されている。また、図3(B)に示される例では、エンボス7,7…が千鳥状に配置されるとともに、前記開孔8,8…が同じく千鳥状に配置され、これらのエンボス7,7…と開孔8,8…との相対的位置関係は、エンボス7,7…と開孔8,8…とが重ならず、前記エンボス7,7…によって形成される凸部頂部又はその近傍に、前記開孔8が位置する配置パターンとしてある。前記エンボス7の形状は、表面に凹凸が表出し易いように、縦寸法と横寸法とが大きく異なり、細長く短い線状エンボスとするのが望ましい。この線状エンボスの形状は例えば縦寸法3mm、横寸法1mmとし、横方向ピッチPが3〜8mm、縦方向ピッチP3〜5mm程度で配置するのがよい。
前記表面シート3に形成される開孔8の形状は、表面シート3の開孔壁部における毛細管現象や表面張力による体液の滞留を低減するために、角折れ隅部を有しない孔形状、具体的には図4に示されるような、円形、楕円形、まゆ型、異形まゆ型などの形状を挙げることができる。なお、孔形状に角折れ隅部を有する、例えば正方形、六角形等の偶数多角形などの孔形状は、角折れ隅部に表面張力によって体液が滞留し易く、本発明から除かれる。角折れ隅部を有しない開孔形状の内、特には楕円形とするのが望ましい。楕円形の場合には、短径と長径とを有し、それぞれで表面張力度合が異なるため、体液が開孔壁部に滞留しようとしても、表面張力バランスの不均衡によって水膜が破壊され易く、開孔8を体液が抜けやすくなる。この場合、前記短径は0.7〜1.3mm、長径/短径の比率は1.1〜1.9、好ましくは1.6〜1.8とするのが望ましい。
また、前記開孔8は1個当たりの開孔面積が0.35〜0.60mm、好ましくは0.47〜0.54mmとし、開孔率10〜19%、好ましくは11〜14%の割合で形成する。前記開孔面積が0.35mm未満の場合には、開孔面積が小さすぎて表面張力や毛細管現象を断ち切ることができなくなり、開孔壁部に体液が滞留するようになる。また、開孔面積が0.60mmを超える場合には、開孔を通して体液の逆戻りが発生するようになるため好ましくない。一方、開孔率が10%未満の場合には、開孔率が小さ過ぎて表面に排出された体液を速やかに透過させることができなくなる。また、19%を超える場合には、体液の逆戻りが発生するようになり好ましくない。
なお、開孔8のシート貫通方向の形状は、ストレート形状の他、開孔面積が漸次拡大するようにテーパー状に形成してもよく、また、開孔面積が漸次縮小するように逆テーパー状に形成してもよい。
前記不透液性裏面シート2と表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばパルプ中に高吸水性樹脂を混入したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂を混入したものが使用される。前記吸収体4は、図示のように、形状保持、および経血等を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した経血等の逆戻りを防止するためにクレープ紙5によって囲繞するのが望ましい。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。前記高吸水性樹脂の含有率は10〜60%とするのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が10%未満の場合には、十分な吸収能を与えることができず、60%を超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなる。
前記透液性表面シート3と吸収体4との間に配置される親水性セカンドシート6は、体液に対して親水性を有するものであればよい。具体的には、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。
前記親水性セカンドシート6としては、図6に示されるように、開孔6aを所定のパターンで形成したものを用いるのが良い。この場合、セカンドシート6に形成された開孔6aと、表面シート3に形成された開孔8とは必ずしも完全に一致させる必要はないが、前記セカンドシート6に形成された開孔6aと、前記表面シート3に形成された開孔8とが少なくとも周期的に一致する孔配置パターンとするのが望ましい。
また、前記セカンドシート6は、表面シート3とホットメルト又は熱融着(エンボス)により不連続に接合されるのが望ましく、かつエンボス加工は両シートを積層状態としたまま表面側(透液性表面シート3側)から或いは裏面側(セカンドシート6側)から施してもよく、場合によっては表面側及び裏面側から同時に施すようにしてもよい。両シートを積層状態としたままエンボスを施すことにより、表面により強く凹凸を表出できるようになるとともに、ふんわり感がでるようになる。
〔体液の吸収メカニズム〕
次いで、本吸収性物品における吸収メカニズムについて詳述する。
先ず、図5に示される例は、2層構造からなる表面シート3の下層にセカンドシート6を設けた構造例である。表面シート3に排出された体液9は、開孔8を通過しセカンドシート6に達し、ここで拡散した後、吸収体4に吸収される。前記開孔8では、表面張力や毛細管現象によって体液9が開孔壁面に滞留することなく通り抜け、セカンドシート6に達することにより、体液9は高い吸収速度でセカンドシート6に吸収され、その後に吸収体4に吸収される。
図6に示される例は、セカンドシート6に形成した開孔6aと、表面シート3に形成した開孔8とを一致させた場合の構造例である。通常、セカンドシート6を有する場合には、このセカンドシート6によって体液9が速やかに吸収され、かつ拡散され、僅かの時間差をおいて吸収体4に吸収されるが、表面シート3の開孔8に臨んでいるセカンドシート6部分には徐々に体液9が滞留し、ある程度体液9が貯留した状態になると、逆戻りが発生し易い状態となる。本例のように、セカンドシート6の開孔6aと表面シート3の開孔8を一致させた場合には、体液9が開孔8に流入した直後の吸収速度は落ちるようになるものの、所定の時間が経過したならば、セカンドシート6よりも格段に高い吸収能力及び保持能力を持つ吸収体4に吸収されるため、多量の体液9が吸収されたとしても逆戻りが生じ難くなる。
次いで、図7に示される例は、表面シート3とセカンドシート6との接合を、両シートを積層状態としたままエンボス加工を表面側から行い、両者を一体とした構造の例である。この場合も、前記図5に示される吸収メカニズムと同様の吸収態様により、体液9がセカンドシート6を介して吸収体4に吸収される。
下表1に示されるように、実施例1、実施例2および比較例に係る3種類の表面シートを準備し、同表に示される仕様で開孔を形成し、人工経血3ccを注入し、吸収速度試験および逆戻り試験を行った。
吸収速度試験は、人工経血3ccが吸収されるまでの時間(s)で評価し、逆戻り試験は、各サンプルシートを用いたナプキンに、人工経血3cc注入後に、100g荷重下で濾紙をおき、10秒経過した時点、及び5分経過した時点のそれぞれのケースについて逆戻り量を測定するようにした。
Figure 0004492942
本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断斜視図である。 透液性表面シート3の基材断面構造を示す図である。 エンボス及び開孔パターンを示す要部平面図である。 角折れ隅部を有しない開孔8の形状例を示す図である。 体液の吸収メカニズムの説明図(その1)である。 体液の吸収メカニズムの説明図(その2)である。 体液の吸収メカニズムの説明図(その3)である。 従来例(その1)に係る表面シートの開孔断面形状を示す図である。 従来例(その2)に係る表面シートの開孔断面形状を示す図である。
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…クレープ紙、6…親水性セカンドシート、7…エンボス、8…開孔、9…体液

Claims (5)

  1. 液透過性の表面シートと、裏面シートと、両シート間に介在された吸収体とを有する吸収性物品において、
    前記表面シートは、肌当接面側が不織布からなるとともに、前記不織布の裏面側にプラスチックフィルム層が積層され、かつ前記表面シートと吸収体との間に親水性のセカンドシートを備え、
    前記表面シートは、多数の開孔が千鳥状配置パターンで形成された構造を成すとともに、該表面シートと前記セカンドシートとを積層した状態で、エンボスを表面側から或いは表面側及び裏面側から同時に千鳥状配置パターンで付与することにより肌当接面側に多数の凸部及び凹部が形成され凹凸表面性状を成すようにし、前記エンボスと開孔との相対的位置関係は、エンボスと開孔とが重ならず、前記エンボスによって形成される凸部頂部又はその近傍に前記開孔が位置する配置パターンとし、
    前記開孔は、前記表面シートの面に対して垂直方向に、1個当たりの開孔面積が0.35〜0.60mm、開孔率10〜19%の割合で形成され、かつ開孔形状は角折れ隅部を有しない楕円形状とされることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記楕円形状の開孔は、短径が0.7〜1.3mm、長径/短径の比率は1.1〜1.9としてある請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記セカンドシートに開孔を形成してある請求項1〜2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記セカンドシートに形成された開孔と、前記表面シートに形成された開孔とが周期的に一致する孔配置パターンとしてある請求項3記載の吸収性物品。
  5. 前記表面シートは、不織布/プラスチックフィルム/不織布の3層構造としてある請求項1〜いずれかに記載の吸収性物品。
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