JP4492343B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は、画素ずらしにより、カラー撮像装置の解像度を擬似的に向上させる技術に関するものである。
現在、撮像素子の解像度を向上させる手法として、「画素ずらし」と呼ばれる技術が知られている。
図8は、画素ずらしを用いた高解像度化の概念説明図である。図8(a)に示すように、撮像素子には光を電気信号に変換する光電変換部801a(以下、光電変換部)と、転送電極などの、光を電気信号に変換することができない無効部分801b(以下、無効部分)が存在し、この光電変換部と無効部分を一体として1画素としている。また一般的に、撮像素子の画素はある一定のピッチで規則正しく形成されている。
ここでまず、図8(a)に示す撮像素子の位置で撮影を行なう。次に、各画素に対して、光電変換部を無効部分に移動させるように、例えば水平方向に1/2ピッチ撮像素子を移動させ撮影を行なう(図8(b))。その後、撮像素子の移動量を考慮の上、これら2枚の撮影画像を電気的に画像合成処理する(図8(c))。
この方法により、本来信号としてとり得ることのできなかった無効部分を含め、図8(c)に示すように、実際のセル数と比較して2倍の光電変換部を有する、すなわち2倍の画素数の撮像素子を用いて撮影した事と等価な解像度を有する画像を得ることができる。
以上に述べたように、撮像素子に入射する光線と撮像素子との相対的な位置関係を、例えば1/2画素ずらし、それぞれの位置で撮影した画像を合成することで相対的に高解像度化された画像を得ることができる。この高解像度化の方法は一般的に「画素ずらし」と呼ばれる。なお、例示したように水平方向にずらした場合に限らず、垂直方向、斜め方向にずらした場合にも同様な効果が得られる。また、1/2画素ずらす場合に限らず、無効部分を補完するようにずらすことにより効果が得られる。また、画素ずらしの回数を増やすことにより、さらなる高解像度化が可能となる。
上述した例では、撮像素子と入射光線の相対的な位置関係を、撮像素子を直接ずらすことにより変化させたが、別の方法として、平行平板を用いた方法が考案されている。平行平板を用いて画素ずらしを行なう原理について図9を用いて簡単に説明する。
図9において平行平板901が破線で示す第1の位置901aにあるとする。光路ABの光が点Bで平行平板901aに垂直に入射した場合、光は平行平板内では光路BC、さらに平行平板外では光路CDに沿って直進する。
次に、平行平板が角度θだけ傾斜して実線で示す第2の位置901bとなるとき、平行平板内では角度θ1の屈折が発生して、光は光路EFに沿って進み、さらに平行平板外では、光路CDと平行な光路FGに沿って進む。
ここで、空気中の屈折率を等価的に1とし、平行平板の屈折率をn、平行平板の厚さをtとすると、光路ずれ量dは(数1)で表すことができる。
Figure 0004492343
なお、上述の説明では平行平板に垂直に入射する光について説明したが、(数1)は、平行平板に対する光の入射角度に係わらず成立し、同一方向に同じずれ量dだけずれる。
以上に説明したように、平行平板を傾斜させることにより、光線を平行に移動させることができ、もって撮像素子と光線との相対的な位置関係を所定量ずらすことができる。この方法を用いれば、平行平板の厚さt、屈折率n、傾斜角度θを制御することで画素ずらしを行なうことができる。
このような平行平板を用いた画素ずらしを行なう撮像装置の従来例としては、例えば、特許文献1に示されているものがある。
特許文献1における発明では、3板式の撮像素子において平板状の透光板を用いた画素ずらしを行なっている。特許文献1における実施の形態の概略図を図10に示す。
レンズ1001を通った光が、ガラス板1002を通ってダイクロイックプリズム1003で分光された後、撮像素子1004、1005、1006に入射する。その際、ガラス板を所定の角度で傾斜させると、光軸がdだけずれる。このずれ量dはダイクロイックプリズムを通った後も保たれ、赤(R)、緑(G)、青(B)それぞれの撮像素子1006、1005、1004に元の光線よりdだけずれた光線が入射することになる。これをもって画素ずらしを行なっている。
特開平6−261236号公報
ところで、カラー用撮像素子では、図11に示すようなベイヤー配列と呼ばれるものが主に使用されている。
ここで、先述の平行平板を用いた方法で、全体の画素をずらすことを考える。
図11に示すように、撮像素子上では一定間隔のピッチで光電変換部が形成されており、正しく画素ずらしを行なうためには、そのずれ量をそれぞれの波長成分、すなわち色成分に対して揃える必要がある。
しかしながら、前記従来の構成では、平行平板の分散(屈折率の波長依存性)については何ら考慮されていなかった。
即ち、平行平板に用いる材料には分散が存在するため、同じ材料を用い、同じ傾斜角度で光線をずらした際、波長すなわちR、G、Bなどの色によって厳密には図12に示すように光線のずれ量が異なる。このことは、(数1)において、光の波長によって屈折率nが変化した際、ずれ量dが異なることから明らかである。
このため、画素ずらしを行なう際、異なる色成分の間でずれ量dが異なり、この状態で画像合成を行なうと色むらなどが生じていた。
なお、このことはベイヤー配列の撮像素子に限らない。特許文献1に示したような3板式の撮像装置においても、単一の平行平板を用いていれば、平行平板の屈折率の波長依存性により、R、G、Bそれぞれの撮像素子においてずれ量dが厳密には異なり、色むらが存在してしまっていた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、平行平板を用いた画素ずらしにおいて、各波長域に応じてずらし量を独立して調整でき、精度良く画素ずらしによる高解像度化を行なえる撮像装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の撮像装置は、複数の光学系と、前記複数の光学系に1対1に対応する複数の撮像領域を有する撮像素子と、前記複数の光学系のそれぞれの光軸上に配置され、互いに異なる波長域の光を透過する色フィルタと、前記複数の光学系のそれぞれの光軸上に配置された平行平板状の透明部材と、前記透明部材の前記光軸に対する傾斜角度を変化させる傾斜手段とを有し、前記色フィルタと同じ光軸上に配置された前記透明部材または前記透明部材の傾斜角度変化量が、前記色フィルタの透過波長域に応じて互いに異なる。
本構成によって、各波長域に応じてずらし量を独立して調整でき、精度良く画素ずらしによる高解像度化を行なうことが可能となる。特に、波長域に係わらず同じ量だけ被写体像を画素ずらしされるように調整した場合には、簡単な構成で色にじみのない高精細画像を得ることが可能となる。
本発明の撮像装置において、前記透明部材は前記複数の光学系に1対1に対応する複数の透明部材からなり、前記複数の透明部材の傾斜角度変化量が異なることが好ましい。これにより、それぞれの透明部材を独立に傾斜させることができ、同じ透明部材を用いてもずれ量の制御を行なうことができる。
また、前記透明部材の厚みが異なることが好ましい。これにより、同じ材料の透明部材および同じ角度で傾斜する傾斜手段を用いても、あらかじめ厚みを所定の値に加工しておくことで、簡単にずれ量の制御を行なうことができる。
また、前記透明部材の屈折率が異なることが好ましい。これにより、同じ厚みの透明部材および同じ角度で傾斜する傾斜手段を用いても、あらかじめ透明部材の屈折率を所定の値に制御しておくことで、簡単にずれ量の制御を行なうことができる。
また、前記透明部材は一体物であることが好ましい。これにより、透明部材を傾斜させる際に一体的に傾斜させることができるため、傾斜手段が簡略化できる。
また、前記透明部材は無色透明であることが好ましい。これにより、透明部材を用いることで、光の量が減衰することなく撮像素子上で結像することができる。なお、透明部材としては、赤外線フィルタなどを兼ねることも可能である。
また、前記透明部材は前記色フィルタを兼ねることが好ましい。例えば、透明部材としては色ガラス等を用いることが可能である。これにより、色フィルタが別途必要ではなくなるため、装置構成が簡略化できる。
また、前記複数の光学系は4つの光学系からなり、その内2つの光学系の光軸上に配置された前記色フィルタは緑色光を透過し、1つの光軸上に配置された前記色フィルタは赤色光を透過し、1つの光軸上に配置された前記色フィルタは青色光を透過することが好ましい。これにより、フルカラーの撮像装置において効果的に画素ずらしによる高解像度化を行なうことが可能となる。
なお、色フィルタの位置としては、光学系よりも被写体側、光学系と透明部材との間、透明部材と撮像素子との間のいずれに配置しても同様の効果が得られる。また、光学系や撮像素子と一体化して形成されていても同様な効果が得られる。
本発明の撮像装置によれば、透明部材または傾斜角度変化量が波長域に応じて互いに異なることにより、各波長域に応じてずらし量を調整でき、高精度に画素ずらしによる高解像度化を行なうことが可能となる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、透明部材の厚さを変化させた場合について図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における撮像装置の構成斜視図である。図2はY軸方向に画素ずらしを行なった際の構成断面図である。図3は傾斜手段の構成概略図である。なお、図2では傾斜手段を省略している。
図1において、101は撮像素子であり、それぞれの画素は光電変換部および無効部分からなる。本実施の形態において撮像素子の画素ピッチは3μmで形成されている。撮像素子は、波長λaに対応する領域101a、波長λbに対応する領域101b、波長λcに対応する領域101c、波長λdに対応する領域101dに分割され、それぞれの領域で結像した画像を合成することにより複数の色を合成した画像を得ることができる。102は平行平板状の透明部材(以下、平行平板と記す)であり、1個の平行平板上に、波長λaに対応する厚さtaの領域102a、波長λbに対応する厚さtbの領域102b、波長λcに対応する厚さtcの領域102c、波長λdに対応する厚さtdの領域102dが一体となって形成されている。なお、平行平板102は、幅(図1中、X軸方向)1cm、高さ1cm(同Y軸方向)、厚さ(同Z軸方向)500μmの光学ガラスであるBK7を用い、エッチングにより上記各領域を形成した。103は光学系としてのレンズである。本実施の形態では、色フィルタを兼ねたレンズを用い、波長λa近傍の光を透過するレンズ103a、波長λb近傍の光を透過するレンズ103b、波長λc近傍の光を透過するレンズ103c、波長λd近傍の光を透過するレンズ103dからなる。また、それぞれのレンズの光軸は図1におけるZ軸と一致しており、撮像素子101、平行平板102、レンズ103はそれぞれ図1においてXY平面と平行に設置されている。
本実施の形態では、それぞれのレンズが透過する波長域の中心値は、λa=656.3nm、λb=λc=546.1nm、λd=404.7nmである。すなわちレンズ103aは赤色光、レンズ103b、103cは緑色光、レンズ103dは青色光を透過する。
それぞれのレンズ103を透過した光は、平行平板102を通じて、撮像素子101上にそれぞれ結像される。そして、結像したそれぞれの波長域の画像を合成することによってフルカラーの画像を得ることができる。
さて、画素ずらしにおいては、平行平板102を傾斜させることにより、撮像素子に入射する光線を所定量平行移動させることができる。概念図については、図2を参照されたい。
本実施例では平行平板の傾斜手段として圧電装置を用いた。図3において、104は傾斜部材である。104aは圧電素子、104bは平行平板を傾斜させる際の回転機構である。105は圧電素子の移動量を測定するセンサ、106は圧電素子の駆動回路である。センサ105を用いて圧電素子の移動量を測定し、駆動回路106を用いて適当な電圧をフィードバック印加することにより所定量だけ圧電素子104aを変位させ、もって所定の角度だけ平行平板を傾斜させることができる。
従来例として、平行平板の厚さおよび傾斜角度変化量を一定とした場合の、それぞれの波長における光線のずれ量を(数1)を用いて計算した。結果を(表1)に示す。なお、BK7を用いた平行平板102の屈折率は、一般に波長によって(表1)に示す値となることが知られている。
Figure 0004492343
(表1)に示したように、平行平板の分散を考慮せず、それぞれの波長域に対して同じ厚さで平行平板を形成して、同じ角度0.5°で傾斜させた場合、光線のずれ量の誤差は約30nmとなる。撮像素子の画素ピッチの1/2である1.5μmずらす場合において、この30nmの誤差は約2%に相当する。このため、この誤差を補正しないで画素ずらし処理を行なうと、色むらなどが発生してしまう。
本実施の形態では、このずれ量の誤差を低減するために、(表2)に示すようにそれぞれの平行平板の厚さを変更した。平行平板の厚さを波長域に応じて変更することによって、分散により平行平板の屈折率nが変化しても、(表2)に示すようにそれぞれの平行平板でずらした光線のずれ量を補正することができた。傾斜角度変化後のずれ量の誤差は、上記従来例の約2%から約0.07%にまで低減した。
Figure 0004492343
このように平行平板の厚さを波長域に応じて変更することによって正しく画素ずらしを行なうことができ、それぞれの波長に相当する画像をさらに合成することによって、色むらなどのない、フルカラーの高解像度画像を得ることができた。
なお、本実施の形態において、光学系の数を4つとして説明したが、本発明においては、光学系の数が2つ以上であれば、平行平板における分散を考慮した厚さの最適化を行なうことができるため効果がある。
また本実施の形態では、波長分離手段として色フィルタを兼ねたレンズを用いたが、レンズの前またはレンズと撮像素子の間にそれぞれの波長を扱うレンズの波長に合う色フィルタを施す場合でも同様な効果が得られる。
また、本実施の形態においては、1枚の平行平板状のガラスを、エッチングにより4つの異なる厚さを有する領域として形成しているが、4枚の厚さの異なる平行平板状のガラスを張り合わせて一体として形成した場合でも同様の効果が得られる。また、異なる厚さを有する4つの平行平板状のガラスを用いた場合でも同様の効果が得られる。
また、本実施例では平行平板状の透明部材としてガラスを用いているが、ガラス以外にも、例えば透明なプラスチックなどを用いることで同様な効果が得られる。
また、本実施の形態においては撮像素子を1個用い、それぞれのレンズが結像する領域を撮像素子内で分割して結像を行なっているが、それぞれのレンズに対応する特定の色成分のみを扱う複数の撮像素子を用いてもよい。
また、平行平板の傾斜手段として圧電素子を用いているが、所定量の角度を精度よく傾斜させる機構であれば、どのような機構を用いても何ら問題はない。例えば、電磁石を用いたアクチュエータを用いることができる。また、形状記憶合金を用いることで、所定の移動量だけ平行平板を傾斜させることもできる。
また、本実施の形態においては、1軸方向に平行平板を傾斜させY方向における高解像度化を実現しているが、平行平板を本実施の形態と直交する方向に傾斜させることにより、X方向に高解像度化することが可能である。また、これらの平行平板を2枚組み合わせることにより、X方向、Y方向の2方向に画素ずらしを行なうことが可能となり、さらに高解像度化された画像を得ることができる。
また、本実施の形態では、波長域に応じて撮像領域上におけるずらし量を一致させるように平行平板の厚みを調整したが、波長域ごとに画素ピッチや特性などの異なる撮像素子を用いた場合などにおいては、波長域ごとに各撮像素子に適合したずらし量になるように、各平行平板の厚みをそれぞれ個別に調整することも可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、透明部材の屈折率を変化させた場合について図4、図5を用いて説明する。なお、前述の実施の形態1と同様な構成については詳細な説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態2における撮像装置の構成斜視図である。図5は、Y軸方向に画素ずらしを行なった際の構成断面図である。なお、図4、図5では傾斜手段を省略している。
図4において、401は撮像素子であり、画素ピッチが2μmである以外は実施の形態1と同様のものを用いた。402は透明部材である着色された平行平板であり、波長λaに対応する屈折率naの平行平板402a、波長λbに対応する屈折率nbの平行平板402b、波長λcに対応する屈折率ncの平行平板402c、波長λdに対応する屈折率ndの平行平板402dからなる4つの平行平板を用いた。また、各平行平板は、幅(図4、X軸方向)250mm、高さ250mm(同Y軸方向)であり、それぞれ上記した各波長を中心値とする波長域の光を透過するように着色した光学ガラスを用いた。403はレンズであり、レンズ403a、レンズ403b、レンズ403c、レンズ403dからなる。レンズ403は、色フィルタを具備していない点で実施の形態1とは異なるが、その他の点においては同様のものを用いた。なお、本実施の形態では、平行平板を4つ用いているため、傾斜手段はそれぞれの平行平板に対し1組、計4組用いたが、構成、原理などについては実施の形態1と同様のものを用いた。
ここで、平行平板402a、402b、402c、402dを透過する波長域の中心値は、それぞれλa=656.3nm、λb=λc=546.1nm、λd=404.7nmとした。
従来例として、平行平板402a、402b、402c、402dの材料として、同じ屈折率1.5143で厚さ(図4、Z軸方向)340μmの光学ガラスBK7を用い、圧電素子を用いて平行平板を0.5°傾斜変化させた場合について、それぞれの波長における光のずれ量を(数1)を用いて計算した。結果を(表3)に示す。なお、平行平板を0.5°傾斜させるのに必要な圧電素子の移動量は、250mm×tan0.5°=21.8μmである。
Figure 0004492343
(表3)に示したように、平行平板の分散を考慮せず、それぞれの波長域に対して同じ屈折率の材料BK7を用いて平行平板を形成した場合、光線のずれ量の誤差は約30nm程度存在する。画素ずらしとして撮像素子の画素ピッチの1/2である1μmずらす場合では、この30nmの誤差は約3%に相当する。このため、誤差を補正しないで画素ずらし処理を行なうと、色むらなどが発生してしまう。
本実施の形態では、このずれ量の誤差を低減するために、(表4)に示すように、それぞれの平行平板の屈折率を波長域に応じて異ならせた。即ち、透明部材である平行平板の材料として、光学ガラスであるSK5、LF5、BaK4を波長域に応じて組み合わせて用いた。具体的には、平行平板402aとして赤色に着色したSK5を、平行平板402b、402cとして緑色に着色したLF5を、平行平板402dとして青色に着色したBaK4を用いた。なお、それぞれの平行平板の厚さ(図2、Z軸方向)は311μmと一定に揃えた。
Figure 0004492343
(表4)に示すように、それぞれの波長域に対して平行平板の材料を変更し、屈折率を異ならせることによって、平行平板でずらした光線のずれ量を補正することができた。即ち、平行平板の傾斜角度変化後のずれ量の誤差は、上記従来例の約3%から約0.2%にまで低減した。
このように平行平板の屈折率を波長域に応じて異ならせることによって正しく画素ずらしを行なうことができ、それぞれの波長域の画像をさらに合成することによって、色むらなどのない、フルカラーの高解像度画像を得ることができた。
なお、本実施の形態においては、屈折率を異ならせるために異なる屈折率を有するガラス材料を用いたが、この方法に限らない。例えば、同一の光学ガラスからなる平行平板の表面に、異なる屈折率を有する色フィルタを所定の厚さで形成したものでも同様の効果が得られる。
また、本実施の形態においては光学系を4つとしたが、光学系の数は2つ以上であれば、平行平板における分散を考慮した厚さの最適化を行なうことができるため効果がある。
また、本実施の形態においては、撮像素子を1個用い、それぞれの光学系が結像する領域を分割して撮像を行なっているが、それぞれの光学系に対応する複数の撮像素子を用いてもよい。
また、平行平板の傾斜手段として圧電素子を用いたが、所定量の角度を精度よく傾斜させる機構であれば、どのような機構を用いてもよい。例えば、電磁石を用いたアクチュエータを用いることができる。また、形状記憶合金を用いることで、所定の移動量だけ平行平板を傾斜させることもできる。
また、本実施の形態においては、1軸方向に平行平板を傾斜させ、Y方向における高解像度化を実現しているが、平行平板を直交する方向に傾斜させることにより、X方向に高解像度化することが可能である。また、これらの平行平板を2枚組み合わせることにより、X方向、Y方向の2方向に画素ずらしを行なうことが可能となり、さらに高解像度化された画像を得ることができる。
また、本実施の形態では、各光学系に1対1に対応する4つの平行平板を用い、傾斜手段により、それぞれ個別に傾斜角度を変化させる構成としたが、これら4つの平行平板を一体化し、一体的に傾斜角度を変化させる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、波長域に応じて撮像領域上におけるずらし量を一致させるように平行平板の屈折率を設定したが、波長域ごとに画素ピッチや特性などの異なる撮像素子を用いた場合などにおいては、波長域ごとに各撮像素子に適合したずらし量になるように、各平行平板の屈折率をそれぞれ個別に設定することも可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、透明部材の傾斜角度を変化させた場合について図6、図7を用いて説明する。なお、前述の実施の形態1、2と同様な構成については詳細な説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態3における撮像装置の構成斜視図である。図7はY軸方向に画素ずらしを行なった際の構成断面図である。なお、図6、図7では傾斜手段を省略している。
図6において、601は撮像素子であり、それぞれの光学系により被写体像が結像される領域に、色フィルタ604(604a〜604d)が形成されている。また、画素ピッチは1.5μmのものを用いた。602は平行平板であり、602a、602b、602c、602dの4つからなる。また、603は光学系としてのレンズであり、実施の形態2と同様なものを用いた。
本実施の形態では、平行平板を4つ用いているため、傾斜手段はそれぞれの平行平板に対し1組、計4組用いた。傾斜手段の構成、原理などについては実施の形態1と同様のものを用いた。
透明部材としての平行平板602a〜602dは、幅(X軸方向)250mm、高さ250mm(Y軸方向)、厚さ(Z軸方向)179μmの光学ガラスであるSFS1を用いた。
ここで、それぞれの色フィルタが透過する波長域の中心値は、λa=656.3nm、λb=λc=546.1nm、λd=404.7nmとした。
本実施の形態において、傾斜手段により、それぞれの透明部材を0.5°傾斜させる場合、傾斜手段である圧電素子を用いてZ軸方向に移動させる移動量は、0.25cm×tan0.5°=21.8μmとなる。
従来例として、平行平板602a〜602dを同じ角度で傾斜させた場合の、それぞれの波長における光線のずれ量を(数1)を用いて計算した。結果を(表5)に示す。
Figure 0004492343
(表5)に示すように、分散を考慮していない場合、光線のずれ量の誤差は約40nm程度存在する。画素ずらしとして、撮像素子の画素ピッチの1/2である0.75μmずらす場合において、40nmの誤差は約5.3%に相当する。このため、誤差を補正しないで画素ずらし処理を行なうと、色むらなどが発生してしまう。
本実施の形態では、このずれ量の誤差を低減するために、(表6)に示すように、それぞれの平行平板の傾斜角度を波長域に応じて異ならせた。なお、それぞれの傾斜角度とするための圧電素子による平行平板の移動量は、平行平板のサイズを考慮すると(表6)に示すようになる。
Figure 0004492343
(表6)に示すように、平行平板602a〜602dの傾斜角度を、それぞれの波長域に応じて異ならせることにより、それぞれの波長域に対する光線のずれ量をそろえることができる。本実施の形態では、傾斜角度変更後のずれ量の誤差は、上記従来例の約5.3%から約0.1%にまで低減した。
このように平行平板の傾斜角度を波長に応じて変更することによって、正しく画素ずらしを行なうことができ、それぞれの波長域の画像をさらに合成することによって、色むらなどのない、フルカラーの高解像度画像を得ることができた。
なお、本実施の形態において、光学系の数を4つとしたが、光学系の数は、2つ以上であれば平行平板における分散を考慮した傾斜角度の最適化を行なうことができるため効果がある。
また、本実施の形態においては、撮像素子を1個用い、それぞれの光学系が結像する領域を分割して撮像を行なっているが、それぞれの光学系に対応する複数の撮像素子を用いてもよい。
また、平行平板の傾斜手段として圧電素子を用いているが、所定量の角度を精度よく傾斜させる機構であれば、どのような機構を用いても何ら問題はない。例えば、電磁石を用いたアクチュエータを用いることができる。また、形状記憶合金を用いることで、所定の移動量だけ平行平板を傾斜させることもできる。
また、本実施の形態においては、1軸方向に平行平板を傾斜させY方向における高解像度化を実現しているが、平行平板を直交する方向に傾斜させることにより、X方向に高解像度化することが可能である。また、これらの平行平板を2枚組み合わせることにより、X方向、Y方向の2方向に画素ずらしを行なうことが可能となり、さらに高解像度化された画像を得ることができる。
また、本実施の形態では、波長域に応じて撮像領域上におけるずらし量を一致させるように各平行平板の傾斜角度を調整したが、波長域ごとに画素ピッチや特性などの異なる撮像素子を用いた場合などにおいては、各波長域に応じて各撮像素子に適合したずらし量になるように、各平行平板の傾斜角度をそれぞれ個別に調整することも可能である。
本発明は、デジタルカメラやカメラ付携帯電話などに用いるカラー撮像装置として有用である。
本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成斜視図 本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成断面図 本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の傾斜手段の構成概略図 本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の構成斜視図 本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の構成断面図 本発明の実施の形態3にかかる撮像装置の構成斜視図 本発明の実施の形態3にかかる撮像装置の構成断面図 画素ずらしを用いた高解像度化の概念説明図 平行平板を用いた画素ずらしの原理を示す図 従来の撮像装置の構成を示す図 ベイヤー配列の撮像素子を示す図 平行平板を用いた画素ずらし量のずれを示す図
符号の説明
101 401,601 撮像素子
102,402,602 平行平板
103,403,603 レンズ
104 圧電装置
104a 圧電素子
104b 回転機構
105 センサ
106 駆動回路
801a 光電変換部
801b 無効部分
901a 第1の傾斜位置における平行平板
901b 第2の傾斜位置における平行平板
1001 レンズ
1002 ガラス板
1003 ダイクロイックプリズム
1004 青色を処理する撮像素子
1005 緑色を処理する撮像素子
1006 赤色を処理する撮像素子
1101 赤色の波長領域を処理する光電変換部
1102 緑色の波長領域を処理する光電変換部
1103 青色の波長領域を処理する光電変換部
1104 無効部分

Claims (4)

  1. 複数の光学系と、
    前記複数の光学系に1対1に対応する複数の撮像領域と、
    前記複数の光学系のそれぞれの光軸上に配置され、互いに異なる波長域の光を透過する色フィルタと、
    前記複数の光学系のそれぞれの光軸上に配置された平行平板状の透明部材と、
    前記透明部材の前記光軸に対する傾斜角度を変化させる傾斜手段と、を有し、
    前記透明部材は一体化されており、一体として傾斜角度が変化し、
    前記透明部材の傾斜角度の変化により前記撮像領域に入射する光線が同じ量だけ平行移動するように、同じ光軸上にある前記色フィルタの透過波長域に応じて、前記透明部材の厚みまたは屈折率が設定されている、撮像装置。
  2. 前記透明部材は前記色フィルタを兼ねる請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記複数の光学系は4つの光学系からなり、その内2つの光学系の光軸上に配置された前記色フィルタは緑色光を透過し、1つの光軸上に配置された前記色フィルタは赤色光を透過し、1つの光軸上に配置された前記色フィルタは青色光を透過する請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記複数の撮像領域に結像された画像を合成する画像合成手段をさらに有し、
    前記画像合成手段は、前記透明部材の傾斜角度を変化させる前後で得られた画像を合成する請求項1に記載の撮像装置。
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