JP4492154B2 - 光電子集積素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光電子集積素子およびその製造方法に関する。
フォトダイオードを光通信用トランシーバの受信モジュールなどに組み込んで使用する際に、フォトダイオードの後段に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを含むTIA(Trans Impedance Amplifier)などの増幅器を設けて、光電流を増幅させる場合がある。この場合、フォトダイオードと、ヘテロ接合バイポーラトランジスタとを同一半導体基板上に形成する、いわゆるモノリシック集積を行うことができる。
モノリシック集積を行う場合には、フォトダイオードの光吸収層と、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのコレクタ層とを同一工程により形成することができる。この場合に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを高速駆動するためにコレクタ層の膜厚を小さくすると、フォトダイオードの光吸収層の膜厚も小さくなり、十分な受光感度が得られなくなる場合がある。そこで、フォトダイオードの光吸収層の下にDBR(分布ブラッグ反射型)ミラーを設けることにより、入射光を光吸収層内で多重反射させて、受光感度を向上させる場合がある(たとえば、特許文献1参照)。
特開平8−264741号公報
本発明の目的は、フォトダイオードと、ヘテロ接合バイポーラトランジスタと、を含む、高周波特性の良好な光電子集積素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明にかかる光電子集積素子は、
基板の上方に、該基板側から配置された、第1半導体多層膜と、光吸収層と、コンタクト層と、を含むフォトダイオードと、
前記基板の上方に、該基板側から配置された、第2半導体多層膜と、コレクタ層と、ベース層と、エミッタ層と、を含むヘテロ接合バイポーラトランジスタと、を含み、
前記第1半導体多層膜は、分布ブラッグ反射型ミラーとして機能し、
前記フォトダイオードを駆動するための第1電極は、前記第1半導体多層膜の上面に接しており、
前記へテロ接合バイポーラトランジスタを駆動するための第2電極は、前記第2半導体多層膜の上面に接している。
本発明にかかる光電子集積素子において、特定のもの(以下、「A」という)の「上方」に配置された他の特定のもの(以下、「B」という)とは、A上に直接配置されたBと、A上に、A上の他のものを介して配置されたBと、を含む。この「上方」の定義については、本発明にかかる光電子集積素子の製造方法においても同様である。
この光電子集積素子によれば、前記第1電極は、前記第1半導体多層膜の上面に接しており、前記第2電極は、前記第2半導体多層膜の上面に接している。すなわち、この光電子集積素子によれば、前記第1電極および前記第2電極が前記基板の上面に接している場合にくらべ、高周波特性が良好である。
本発明にかかる光電子集積素子において、
前記第1半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなり、
少なくとも前記第1電極の形成されている領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さく、
前記第2半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなり、
少なくとも前記第2電極の形成されている領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さいことができる。
この光電子集積素子によれば、前記第1電極の形成領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さいことができる。これにより、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成が、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より大きい場合に比べ、前記第1電極と、前記第1半導体多層膜の最上層との接触抵抗を低くすることができる。
また、同様に、この光電子集積素子100によれば、前記第2電極の形成領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さいことができる。これにより、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成が、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より大きい場合に比べ、前記第2電極と、前記第2半導体多層膜の最上層との接触抵抗を低くすることができる。
なお、本発明にかかる光電子集積素子およびその製造方法において、AlGaAs層のAl組成とは、ガリウム(Ga)に対するアルミニウム(Al)の組成である。本発明にかかる光電子集積素子およびその製造方法において、AlGaAs層のAl組成は、0から1までである。すなわち、AlGaAs層は、GaAs層(Al組成が0の場合)およびAlAs層(Al組成が1の場合)を含む。
本発明にかかる光電子集積素子の製造方法は、
フォトダイオードと、ヘテロ接合バイポーラトランジスタと、を含む光電子集積素子の製造方法において、
基板の上方に、少なくとも、第1半導体多層膜および第2半導体多層膜、光吸収層およびコレクタ層、コンタクト層およびベース層、ならびにエミッタ層を構成するための半導体層を積層する工程と、
前記半導体層をパターニングすることにより、前記エミッタ層を形成する工程と、
前記半導体層をパターニングすることにより、前記コンタクト層、前記ベース層、前記光吸収層、および前記コレクタ層を形成する工程と、
前記半導体層をパターニングすることにより、前記第1半導体多層膜、および前記第2半導体多層膜を形成する工程と、
前記第1半導体多層膜の上面に接するように、前記フォトダイオードを駆動するための第1電極を形成する工程と、
前記第2半導体多層膜の上面に接するように、前記ヘテロ接合バイポーラトランジスタを駆動するための第2電極を形成する工程と、を含み、
前記第1半導体多層膜は、分布ブラッグ反射型ミラーとして機能するように形成する。
この光電子集積素子の製造方法によれば、前記第1半導体多層膜の上面に接するように前記第1電極を形成し、前記第2半導体多層膜の上面に接するように前記第2電極を形成する。すなわち、この光電子集積素子の製造方法によれば、前記第1電極および前記第2電極が前記基板の上面に接している場合にくらべ、高周波特性が良好な光電子集積素子を提供することができる。
この光電子集積素子の製造方法において、
前記第1電極を形成する工程と、前記第2電極を形成する工程とは、同一のプロセスで行われることができる。
この光電子集積素子の製造方法によれば、製造工程を簡素化することができる。
本発明にかかる光電子集積素子の製造方法において、
前記第1半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなるように形成し、
少なくとも前記第1電極の形成領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように形成し、
前記第2半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなるように形成し、
少なくとも前記第2電極の形成領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように形成することができる。
この光電子集積素子の製造方法によれば、前記第1電極の形成領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように形成することができる。これにより、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成が、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より大きい場合に比べ、前記第1電極と、前記第1半導体多層膜の最上層との接触抵抗が低い光電子集積素子を提供することができる。
また、同様に、この光電子集積素子100の製造方法によれば、前記第2電極の形成領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように形成することができる。これにより、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成が、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より大きい場合に比べ、前記第2電極と、前記第2半導体多層膜の最上層との接触抵抗が低い光電子集積素子を提供することができる。
本発明にかかる光電子集積素子の製造方法において、
前記第1半導体多層膜の少なくとも前記第1電極の形成領域を表面処理する第1表面処理工程と、
前記第2半導体多層膜の少なくとも前記第2電極の形成領域を表面処理する第2表面処理工程と、を有し、
前記第1表面処理工程によって露出する、前記第1半導体多層膜の前記最上層のAl組成は、前記第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように表面処理し、
前記第2表面処理工程によって露出する、前記第2半導体多層膜の前記最上層のAl組成は、前記第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように表面処理することができる。
この光電子集積素子の製造方法によれば、前記第1電極の形成領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように表面処理することができる。これにより、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成が、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より大きい場合に比べ、前記第1電極と、前記第1半導体多層膜の最上層との接触抵抗が低い光電子集積素子を提供することができる。
また、同様に、この光電子集積素子100の製造方法によれば、前記第2電極の形成領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるように表面処理することができる。これにより、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成が、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より大きい場合に比べ、前記第2電極と、前記第2半導体多層膜の最上層との接触抵抗が低い光電子集積素子を提供することができる。
本発明にかかる光電子集積素子の製造方法において、
前記第1表面処理工程および前記第2表面処理工程のうち少なくとも一方は、フッ化水素水溶液またはフッ化水素酸系緩衝溶液を用いたウェットエッチング法により行われることができる。
この光電子集積素子の製造方法によれば、前記第1電極の形成領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるようにウェットエッチングすることができる。また、同様に、前記第2電極の形成領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の第2層のAl組成より小さくなるようにウェットエッチングすることができる。
本発明にかかる光電子集積素子の製造方法において、
前記第1表面処理工程と、前記第2表面処理工程とは、同一のプロセスで行われることができる。
この光電子集積素子の製造方法によれば、製造工程を簡素化することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.光電子集積素子の構造
図1は、本発明を適用した実施の形態に係る光電子集積素子100を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1に示す光電子集積素子100を模式的に示す平面図である。
本実施の形態に係る光電子集積素子100は、図1に示すように、フォトダイオード110およびヘテロ接合バイポーラトランジスタ120を含む。以下、フォトダイオード110、およびヘテロ接合バイポーラトランジスタ120について説明する。
1−1.フォトダイオード
フォトダイオード110は、半導体基板(本実施形態では半絶縁性GaAs基板)10上に設けられている。フォトダイオード110は、入射面80を有する。フォトダイオード110は、たとえば、n型Al0.15Ga0.85As層とn型Al0.9Ga0.1As層とを交互に積層した15ペアの第1半導体多層膜(以下、「第1多層膜」ともいう)20と、不純物がドーピングされていないGaAs層からなる光吸収層22と、p型GaAsからなるコンタクト層24と、が順次積層されて構成されている。第1多層膜20は、分布ブラッグ反射型ミラーとして機能することができる。なお、第1多層膜20を構成する各層の組成および層数はこれに限定されるわけではない。
第1多層膜20は、たとえばケイ素(Si)またはセレン(Se)などがドーピングされることによりn型にされ、コンタクト層24は、たとえば炭素(C)または亜鉛(Zn)などがドーピングされることによりp型にされている。したがって、p型のコンタクト層24、不純物がドーピングされていない光吸収層22、およびn型の第1多層膜20により、pinダイオードが構成される。
第1多層膜20は、半導体基板10上に形成された柱状の半導体堆積体である。第1多層膜20は、図2に示すように、矩形の平面形状を有する。なお、このフォトダイオード110では、第1多層膜20の平面形状を矩形としたが、この形状は任意の形状をとることができる。
光吸収層22およびコンタクト層24は、第1多層膜20上に形成された柱状の半導体堆積体である。光吸収層22と、コンタクト層24とは、図2に示すように、同一の平面形状を有する。光吸収層22およびコンタクト層24は、円形の平面形状を有する。なお、このフォトダイオード110では、光吸収層22およびコンタクト層24の平面形状は、同一であるが、異なることもできる。また、このフォトダイオード110では、光吸収層22およびコンタクト層24の平面形状を円形としたが、この形状は任意の形状をとることができる。
第1多層膜20は、光吸収層22に接している。さらに、このフォトダイオード110においては、図1および図2に示すように、半導体基板10の表面10aと平行な面で切断した場合、第1多層膜20の断面積が、光吸収層22の断面積よりも大きい。また、フォトダイオード110において、第1多層膜20と、光吸収層22およびコンタクト層24と、によって段差が形成されている。すなわち、光吸収層22およびコンタクト層24は、第1多層膜20の上面20aの一部に設けられている。
さらに、フォトダイオード110には第1電極50および第3電極52が設けられている。この第1電極50および第3電極52は、フォトダイオード110に電圧を印加して駆動させるために使用される。具体的には、第1電極50は、図1に示すように、フォトダイオード110の第1多層膜20の上面20aに設けられている。より具体的には、第1電極50は、第1電極50の形成されている領域における第1多層膜20の最上層40と接している。第1電極50は、第1多層膜20の最上層40とオーミック接触することができる。図2に示すように、第1電極50は、矩形の平面形状を有する。第1電極50は、図1および図2に示すように、第1多層膜20上であって、光吸収層22の側方に形成されている。
フォトダイオード110のコンタクト層24の上面24aには、第3電極52が設けられている。図2に示すように、第3電極52は、円形のリング状の平面形状を有する。第3電極52には開口部82が設けられている。この開口部82によって露出したコンタクト層24の上面24aが入射面80である。したがって、開口部82の平面形状および大きさを適宜設定することにより、入射面80の形状および大きさを適宜設定することができる。本実施の形態においては、図2に示すように、出射面80が円形である場合を示す。
第1電極50には、第1電極50の形成されている領域における第1多層膜20の最上層40と、オーミック接触する材料を用いることができる。第1電極50は、たとえば、クロム(Cr)と、金(Au)およびゲルマニウム(Ge)の合金と、ニッケル(Ni)と、金との積層膜からなることができる。また、第3電極52は、たとえば、白金(Pt)と、チタン(Ti)と、白金と、金との積層膜からなることができる。第1電極50と第3電極52とによって光吸収層22に電圧が印加される。なお、第1電極50および第3電極52を形成するための材料は、前述したものに限定されるわけではない。第3電極52は、たとえば、クロムと、金および亜鉛(Zn)の合金と、金との積層膜、または、クロムと、マンガン(Mn)と、金との積層膜などからなることができる。
1−2.ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(以下、「バイポーラトランジスタ」ともいう)120は、半導体基板10上に設けられている。バイポーラトランジスタ120は、たとえば、n型Al0.15Ga0.85As層とn型Al0.9Ga0.1As層とを交互に積層した15ペアの第2半導体多層膜(以下、「第2多層膜」ともいう)30と、不純物がドーピングされていないGaAs層からなるコレクタ層32と、p型GaAsからなるベース層34と、n型AlGaAs層からなるエミッタ層36と、n型GaAsからなるキャップ層38とが順次積層されて構成されている。なお、第2多層膜30を構成する各層の組成および層数はこれに限定されるわけではない。
第2多層膜30、エミッタ層36、およびキャップ層38は、たとえばケイ素(Si)またはセレン(Se)などがドーピングされることによりn型にされ、ベース層34は、たとえば炭素(C)または亜鉛(Zn)などがドーピングされることによりp型にされている。したがって、n型のエミッタ層36、p型のベース層34、不純物がドーピングされていないコレクタ層32、およびn型の第2多層膜30により、npin構造を有するバイポーラトランジスタが構成される。
第2多層膜30は、半導体基板10上に形成された柱状の半導体堆積体である。第2多層膜30は、図2に示すように、矩形の平面形状を有する。なお、このバイポーラトランジスタ120では、第2多層膜30の平面形状を矩形としたが、この形状は任意の形状をとることができる。
コレクタ層32およびベース層34は、第2多層膜30上に形成された柱状の半導体堆積体である。コレクタ層32と、ベース層34とは、図2に示すように、同一の平面形状を有する。コレクタ層32およびベース層34は、矩形の平面形状を有する。なお、このバイポーラトランジスタ120では、コレクタ層32およびベース層34の平面形状は、同一であるが、異なることもできる。また、このバイポーラトランジスタ120では、コレクタ層32およびベース層34の平面形状を矩形としたが、この形状は任意の形状をとることができる。
第2多層膜30は、コレクタ層32に接している。さらに、このバイポーラトランジスタ120においては、図1および図2に示すように、半導体基板10の表面10aと平行な面で切断した場合、第2多層膜30の断面積が、コレクタ層32の断面積よりも大きい。また、バイポーラトランジスタ120において、第2多層膜30と、コレクタ層32およびベース層34と、によって段差が形成されている。すなわち、コレクタ層32およびベース層34は、第2多層膜30の上面30aの一部に設けられている。
エミッタ層36およびキャップ層38は、ベース層34上に形成された柱状の半導体堆積体である。エミッタ層36と、キャップ層38とは、図2に示すように、同一の平面形状を有する。エミッタ層36およびキャップ層38は、矩形の平面形状を有する。なお、このバイポーラトランジスタ120では、エミッタ層36およびキャップ層38の平面形状は、同一であるが、異なることもできる。また、このバイポーラトランジスタ120では、エミッタ層36およびキャップ層38の平面形状を矩形としたが、この形状は任意の形状をとることができる。
ベース層34は、エミッタ層36に接している。さらに、このバイポーラトランジスタ120においては、図1および図2に示すように、半導体基板10の表面10aと平行な面で切断した場合、ベース層34の断面積が、エミッタ層36の断面積よりも大きい。また、バイポーラトランジスタ120において、ベース層34と、エミッタ層36およびキャップ層38と、によって段差が形成されている。すなわち、エミッタ層36およびキャップ層38は、ベース層34の上面34aの一部に設けられている。
バイポーラトランジスタ120には、第2電極60、第4電極62、および第5電極64が設けられている。この第2電極60、第4電極62、および第5電極64は、バイポーラトランジスタ120を駆動するために使用される。具体的には、第2電極60は、図1に示すように、バイポーラトランジスタ120の第2多層膜30の上面30aに設けられている。より具体的には、第2電極60は、第2電極60の形成されている領域における第2多層膜30の最上層42と接している。第2電極60は、第2電極60の形成されている領域における第2多層膜30の最上層42と、オーミック接触することができる。
バイポーラトランジスタ120のベース層34の上面34aには、第4電極62が設けられている。バイポーラトランジスタ120のキャップ層38の上面38aには、第5電極64が設けられている。また、図2に示すように、第2電極60、第4電極62、および第5電極64は、矩形の平面形状を有する。第2電極60は、図1および図2に示すように、第2多層膜30上であって、コレクタ層32の側方に形成されている。第4電極62は、ベース層34上であって、エミッタ層36の側方に形成されている。このバイポーラトランジスタ120においては、図1および図2に示すように、半導体基板10の表面10aと平行な面で切断した場合、第5電極64の断面積を、キャップ層38の断面積よりも小さく形成することができる。
第2電極60には、第2電極60の形成されている領域における第2多層膜30の最上層42と、オーミック接触する材料を用いることができる。具体的には、第2電極60は、第1電極50と同じ材質にて形成することができる。また、第4電極62は、第3電極52と同じ材質にて形成することができ、第5電極64は、第1電極50と同じ材質にて形成することができる。
2.光電子集積素子の動作
本実施の形態にかかる光電子集積素子100の一般的な動作について、図1〜図3を参照して説明する。図3は、図1および図2に示す光電子集積素子100の駆動回路(要部)の一例を模式的に示す図である。なお、下記の光電子集積素子100の駆動方法は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
まず、図3に示すように、光信号Pinがフォトダイオード110に入力される。具体的には、図1に示すように、フォトダイオード110において、光は、フォトダイオード110の入射面80からコンタクト層24へと入射される。コンタクト層24へ入射した光は、次に光吸収層22へと入射する。この入射光の一部が光吸収層22にて吸収される結果、光吸収層22において光励起が生じ、電子および正孔が生じる。そして、素子外部から印加された電界により、電子は第1電極50に、正孔は第3電極52にそれぞれ移動する。その結果、フォトダイオード110において、第1電極50から第3電極52の方向に電流(光電流)が生じる。
次に、この光電流による信号(光電流信号)が、バイポーラトランジスタ(以下、「第1バイポーラトランジスタ」ともいう)120のベースに入力される。光電流信号は、この第1バイポーラトランジスタ120によって増幅されてコレクタから出力される。次に、第1バイポーラトランジスタ120のコレクタから出力された信号は、第2バイポーラトランジスタ122のベースに入力される。次に、第2バイポーラトランジスタ122のベースに入力された信号は、エミッタから出力される。第2バイポーラトランジスタ122のエミッタから出力された信号は、帰還抵抗Rを通じて負帰還が行われる。その結果、光電子集積素子の周波数特性が安定する。また、第2バイポーラトランジスタ122のエミッタから出力された信号は、第3バイポーラトランジスタ124を含むエミッタフォロア回路160に入力される。次に、エミッタフォロア回路160から出力信号Voutが出力される。
なお、第2バイポーラトランジスタ122および第3バイポーラトランジスタ124のうち少なくとも一方をモノリシックに集積して、光電子集積素子を形成することができる。
3.光電子集積素子の製造方法
次に、本発明を適用した実施の形態にかかる光電子集積素子100の製造方法の一例について、図4〜図9を用いて説明する。図4〜図9は、図1および図2に示す光電子集積素子100の一製造工程を模式的に示す断面図であり、それぞれ図1に示す断面図に対応している。
(1)まず、半絶縁性GaAsからなる半導体基板10の表面10aに、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、図4に示すように、半導体層90が形成される。ここで、半導体層90は、たとえば、n型Al0.15Ga0.85As層とn型Al0.9Ga0.1As層とを交互に積層した15ペアの第1多層膜20および第2多層膜30と、不純物がドーピングされていないGaAs層からなる光吸収層22およびコレクタ層32と、p型GaAsからなるコンタクト層24およびベース層34と、n型AlGaAs層からなるエミッタ層36と、n型GaAsからなるキャップ層38とからなる。これらの層を順に半導体基板10上に積層させることにより、半導体層90が形成される。
エピタキシャル成長を行う際の温度は、成長方法や原料、半導体基板10の種類、あるいは形成する半導体層90の種類、厚さ、およびキャリア密度などによって適宜決定されるが、一般に、450℃〜800℃であるのが好ましい。また、エピタキシャル成長を行う際の所要時間も、温度と同様に適宜決定される。また、エピタキシャル成長させる方法としては、有機金属気相成長(MOVPE:Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy)法や、MBE法(Molecular Beam Epitaxy)法、あるいはLPE法(Liquid Phase Epitaxy)を用いることができる。
(2)次に、半導体層90を所定の形状にパターニングして、キャップ層38およびエミッタ層36が形成される(図5参照)。具体的には、まず、半導体層90上にレジストを塗布する。次に、リソグラフィ法により該レジストをパターニングすることにより、所定のパターンのレジスト層R1が形成される。
ついで、レジスト層R1をマスクとして、たとえばドライエッチング法またはウェットエッチング法により、半導体層90をエッチングする。これにより、キャップ層38と、キャップ層38と同じ平面形状を有するエミッタ層36とが形成される。その後、レジスト層R1が除去される。
(3)次いで、半導体層90(図4参照)を所定の形状にパターニングして、コンタクト層24、光吸収層22、ベース層34、およびコレクタ層32が形成される(図6参照)。具体的には、まず、少なくともコンタクト層24、ベース層34、およびキャップ層38上にレジストを塗布した後、リソグラフィ法により該レジストをパターニングすることにより、所定のパターンのレジスト層R2が形成される。
次いで、レジスト層R2をマスクとして、たとえばドライエッチング法またはウェットエッチング法により、半導体層90をエッチングする。以上の工程により、図6に示すように、コンタクト層24、光吸収層22、ベース層34、およびコレクタ層32が形成される。また、平面視において、ベース層34およびコレクタ層32の平面形状の面積は、キャップ層38およびエミッタ層36の平面形状の面積よりも大きく形成することができる。その後、レジスト層R2が除去される。
(4)次いで、半導体層90(図4参照)を所定の形状にパターニングして、第1多層膜20および第2多層膜30が形成される(図7参照)。具体的には、まず、少なくとも第1多層膜20、コンタクト層24、第2多層膜30、ベース層34、およびキャップ層38上にレジストを塗布する。次に、リソグラフィ法により該レジストをパターニングすることにより、所定のパターンのレジスト層R3が形成される。
次いで、レジスト層R3をマスクとして、たとえばドライエッチング法またはウェットエッチング法により、半導体層90をエッチングする。これにより、図7に示すように、第1多層膜20および第2多層膜30が形成される。その後、レジスト層R3が除去される。
なお、本実施の形態においては、まず、キャップ層38およびエミッタ層36を形成し、次に、コンタクト層24、光吸収層22、ベース層34、およびコレクタ層32を形成し、次に、第1多層膜20および第2多層膜30を形成する場合について説明したが、これらの形成順番は特に限定されない。すなわち、たとえば、第1多層膜20および第2多層膜30を形成し、次に、コンタクト層24、光吸収層22、ベース層34、およびコレクタ層32を形成し、次に、キャップ層38およびエミッタ層36を形成することができる。
(5)次に、第1多層膜20の上面20aにおける第1電極50(図9参照)の形成領域、および、第2多層膜30の上面30aにおける第2電極60(図9参照)の形成領域を表面処理する。具体的には、まず、半導体基板10上の全面にレジストを塗布する。次に、リソグラフィ法により該レジストをパターニングすることにより、所定のパターンのレジスト層R4が形成される。
次に、レジスト層R4をマスクとして、たとえばウェットエッチング法により、第1多層膜20の上面20aにおける第1電極50の形成領域、および、第2多層膜30の上面30aにおける第2電極60の形成領域を表面処理する。これにより、第1電極50の形成領域において、第1多層膜20を構成する層のうち、Al組成の小さな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.15Ga0.85As層が露出する。言い換えるならば、露出する第1多層膜50の最上層40のAl組成は、第1多層膜50の第2層42(最上層40の直下の層)のAl組成より小さくなるようにエッチングを行うことができる。より具体的には、以下の通りである。
たとえば、上述のコンタクト層24および光吸収層22を形成する工程(図6参照)において、半導体層90(図4参照)をエッチングする際に、第1多層膜20をエッチングしないこともできるし、第1多層膜20の一部をエッチングすることもできる。すなわち、コンタクト層24および光吸収層22の形成工程において、半導体層90をエッチングすることによって、Al組成の大きな方のAl0.9Ga0.1As層を露出させることもできるし、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層を露出させることもできる。たとえば、図6では、Al組成の大きな方のAl0.9Ga0.1As層を露出させる例について示している。
たとえば、半導体層90をエッチングしてAl0.9Ga0.1As層が露出している場合には、上述の表面処理を行うことによって、Al0.9Ga0.1As層はエッチングされる。その結果、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層を露出させることができる。また、たとえば、半導体層90をエッチングしてAl0.15Ga0.85As層が露出している場合には、上述の表面処理では、Al0.15Ga0.85As層のエッチングを抑制することができる。その結果、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層を露出させたままにすることができる。
したがって、半導体層90をエッチングしてAl0.9Ga0.1As層を露出させた場合、あるいは、Al0.15Ga0.85As層を露出させた場合のいずれの場合においても、上述の表面処理を行うことによって、確実にAl組成の小さな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.15Ga0.85As層を露出させることができる。
また、上述の表面処理により、第2電極60の形成領域において、第2多層膜30を構成する層のうち、Al組成の小さな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.15Ga0.85As層が露出する。言い換えるならば、露出する第2多層膜30の最上層42のAl組成は、第2多層膜30の第2層46(最上層42の直下の層)のAl組成より小さくなるようにエッチングを行うことができる。より具体的には、以下の通りである。
たとえば、上述のベース層34およびコレクタ層32を形成する工程(図6参照)において、半導体層90(図4参照)をエッチングする際に、第2多層膜30をエッチングしないこともできるし、第2多層膜30の一部をエッチングすることもできる。すなわち、ベース層34およびコレクタ層32の形成工程において、半導体層90をエッチングすることによって、Al組成の大きな方のAl0.9Ga0.1As層を露出させることもできるし、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層を露出させることもできる。たとえば、図6では、Al組成の大きな方のAl0.9Ga0.1As層を露出させる例について示している。
たとえば、半導体層90をエッチングしてAl0.9Ga0.1As層が露出している場合には、上述の表面処理を行うことによって、Al0.9Ga0.1As層はエッチングされる。その結果、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層を露出させることができる。また、たとえば、半導体層90をエッチングしてAl0.15Ga0.85As層が露出している場合には、上述の表面処理では、Al0.15Ga0.85As層のエッチングを抑制することができる。その結果、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層を露出させたままにすることができる。
したがって、半導体層90をエッチングしてAl0.9Ga0.1As層を露出させた場合、あるいは、Al0.15Ga0.85As層を露出させた場合のいずれの場合においても、上述の表面処理を行うことによって、確実にAl組成の小さな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.15Ga0.85As層を露出させることができる。
ウェットエッチング法は、たとえばフッ化水素水溶液、または、いわゆるフッ化水素酸系緩衝溶液などを用いることができる。たとえば、エッチャントとしてフッ化水素酸系緩衝溶液を用いることにより、第1多層膜20および第2多層膜30の表面でのエッチャントのPH変化を和らげることができる。その結果、エッチング速度の制御を容易に行うことができる。フッ化水素酸系緩衝溶液としては、たとえば、フッ化水素水溶液(HF)と、弱アルカリのフッ化アンモニウム(NHF)との混合溶液を用いることができる。
また、本実施の形態においては、第1多層膜20の上面20aにおける第1電極50の形成領域、および、第2多層膜30の上面30aにおける第2電極60の形成領域の表面処理を、同一のプロセスによって行う例について説明したが、第1電極の形成領域50の表面処理と、第2電極60の形成領域の表面処理とは、異なるプロセスによって行うこともできる。また、本実施の形態においては、第1多層膜20の上面20aにおける第1電極50の形成領域、および、第2多層膜30の上面30aにおける第2電極60の形成領域の表面処理を、図8の状態で行う例について説明したが、図6の状態、または図6の状態からレジストR2を除去した状態で行うこともできる。
(6)次に、図9に示すように、第1多層膜20の上面20a上に第1電極50が形成され、第2多層膜30の上面30a上に第2電極60が形成され、キャップ層の上面38a上に第5電極が形成される。具体的には、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、またはメッキ法などにより、たとえば、クロムと、金およびゲルマニウムの合金と、ニッケルと、金との積層膜(図示せず)を形成する。次いで、たとえばリフトオフ法、またはドライエッチング法などにより、所定の位置以外の積層膜を除去することにより、第1電極50、第2電極60、および第5電極64が形成される。
なお、前記工程においては、第1電極50、第2電極60、および第5電極64を同時にパターニングしているが、たとえば、第1電極50、第2電極60、および第5電極64を個々に形成することができる。また、第1電極50、第2電極60、および第5電極64のうち、少なくとも2つの電極を同時にパターニングすることができる。
上述では、クロムと、金およびゲルマニウムの合金と、ニッケルと、金との積層膜を形成する例について説明したが、第1電極50、第2電極60、および第5電極64を形成するための材料は、上述したものに限定されるわけではない。次いで、アニール処理を行う。アニール処理の温度は電極材料に依存する。本実施の形態で用いる電極材料の場合は、通常400℃前後で行う。
(7)次に、同様の方法で、たとえば白金と、チタンと、白金と、金との積層膜をパターニングすることで、フォトダイオード110のコンタクト層24上に第3電極52が形成され、バイポーラトランジスタ120のベース層34上に第4電極62が形成される(図1参照)。次いで、アニール処理を行う。アニール処理の温度は電極材料に依存する。本実施の形態で用いる電極材料の場合は、通常300〜330℃程度で行う。以上の工程により、第3電極52および第4電極62が形成される。
ここで、第3電極52および第4電極62を同時にパターニングして形成してもよいし、あるいは第3電極52および第4電極62を個々に形成してもかまわない。上述では、白金と、チタンと、白金と、金との積層膜を形成する例について説明したが、たとえば、クロムと、金および亜鉛の合金と、金との積層膜、または、クロムと、マンガンと、金との積層膜などを形成することもできる。
なお、上述では、第1〜第5電極の形成工程において、熱処理を行う例について説明したが、熱処理を行わないこともできる。たとえば、n型GaAs層からなるキャップ層38上にInGaAs層を形成して、該InGaAs層上にノンアロイ金属、たとえば、タングステンシリサイド(WSix)などを用いて、第5電極64を形成することができる。この場合、第5電極64は、InGaAs層とオーミック接触することができる。
以上の工程により、フォトダイオード110およびバイポーラトランジスタ120を含む光電子集積素子100が得られる(図1および図2参照)。
4.作用効果
本実施の形態にかかる光電子集積素子100は、以下に示す作用および効果を有する。
本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、第1電極50は、第1多層膜20の上面20aに接しており、第2電極60は、第2多層膜30の上面30aに接している。すなわち、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、第1電極50および第2電極60が半導体基板10の上面10aに接している場合にくらべ、高周波特性が良好である。具体的な理由は、以下の通りである。
第1電極50が半導体基板10の上面10aに接している場合、フォトダイオード110を駆動する際に、第1多層膜20の全層が寄生抵抗となる。同様に、第2電極60が半導体基板10の上面10aに接している場合、バイポーラトランジスタ120を駆動する際に、第2多層膜30の全層が寄生抵抗になる。これに対し、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、第1電極50は、第1多層膜20の上面20aに接している。すなわち、フォトダイオード110を駆動する際に、第1電極50が形成されている領域における第1多層膜20の最上層40を、第1電極50のコンタクト層として用いることができる。したがって、フォトダイオード110を駆動する際に、第1多層膜20の全層が寄生抵抗になることはない。
同様に、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、バイポーラトランジスタ120を駆動する際に、第2電極60が形成されている領域における第2多層膜30の最上層42を第2電極60のコンタクト層として用いることができる。したがって、バイポーラトランジスタ120を駆動する際に、第2多層膜30の全層が寄生抵抗になることはない。
したがって、第1電極50および第2電極60が半導体基板10の上面10aに接している場合にくらべ、より寄生抵抗の低い光電子集積素子100を得ることができる。その結果、光電子集積素子100をより高速に駆動させることができる。すなわち、高周波特性の良好な光電子集積素子100を得ることができる。
また、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、上述したように、第1電極50および第2電極60が半導体基板10に接している場合にくらべ、より寄生抵抗の低い光電子集積素子100を得ることができる。その結果、フォトダイオード110のダイオード特性、および、バイポーラトランジスタ120の電流−電圧特性の良好な光電子集積素子100を得ることができる。すなわち、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、第1電極50および第2電極60が半導体基板10の上面10aに接している場合にくらべ、フォトダイオード110の感度が向上し、バイポーラトランジスタ120の低消費電力化が可能である。
また、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、上述したように、第1電極50および第2電極60が半導体基板10の上面10aに接している場合にくらべ、より寄生抵抗の低い光電子集積素子100を得ることができる。その結果、光電子集積素子100の素子温度の上昇を抑えることができる。
また、本実施の形態にかかる光電子集積素子100によれば、フォトダイオード110の光吸収層22の直下に、分布ブラッグ反射型ミラーとして機能する第1多層膜20が形成されている。すなわち、フォトダイオード110の光吸収層22は、第1多層膜20と接している。これにより、フォトダイオード110に入射する光は、光吸収層22の直下で反射される。その結果、フォトダイオード110は、良好な受光特性を有することができる。
本実施の形態にかかる光電子集積素子100の製造方法によれば、第1多層膜20の上面20aにおける第1電極50の形成領域を表面処理する。これにより、第1電極50の形成領域において、第1多層膜20を構成する層のうち、Al組成の小さな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.15Ga0.85As層が露出する。そして、この第1電極50の形成領域に第1電極50を形成することによって、第1多層膜20を構成する層のうち、Al組成の大きな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.9Ga0.1As層に接して第1電極50を形成する場合に比べ、第1電極50と、第1多層膜20の最上層40との接触抵抗を低くすることができる。
また、同様に、本実施の形態にかかる光電子集積素子100の製造方法によれば、第2多層膜30の上面30aにおける第2電極60の形成領域を表面処理する。これにより、第2電極60の形成領域において、第2多層膜30を構成する層のうち、Al組成の小さな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.15Ga0.85As層が露出する。そして、この第2電極60の形成領域に第2電極60を形成することによって、第2多層膜30を構成する層のうち、Al組成の大きな方のAlGaAs層、すなわち、Al0.9Ga0.1As層に接して第2電極60を形成する場合に比べ、第2電極60と、第2多層膜30の最上層42との接触抵抗を低くすることができる。
また、第1多層膜20および第2多層膜30を構成する層のうち、Al組成の大きな方のAl0.9Ga0.1As層が露出する場合に比べ、Al組成の小さな方のAl0.15Ga0.85As層が露出する場合の方が、露出面の酸化を抑制することができる。その結果、この露出面が酸化することによって起こる素子特性の悪化および素子の信頼性の低下などを防止することができる。
5.実験例
次に、実験例について説明する。まず、図10に示すように、本実施の形態にかかる光電子集積素子100の構造を有するフォトダイオード110を作製した。また、比較例として、図11に示すように、第1電極50が半導体基板10に接しているフォトダイオード210を作製した。図10は、本実験例にかかるフォトダイオード110を模式的に示す断面図であり、図11は、比較例にかかるフォトダイオード210を模式的に示す断面図である。
本実験例においては、第1多層膜20は、n型Al0.15Ga0.85As層と、第1グレーデッドインデックス層と、n型Al0.9Ga0.1As層と、第2グレーデッドインデックス層とからなる積層構造(1ペア)を15ペア積層した。なお、第1グレーデッドインデックス層とは、積層方向に、Al組成を0.15から0.9へと連続的に変化させたAlGaAs層である。また、第2グレーデッドインデックス層とは、積層方向に、Al組成を0.9から0.15へと連続的に変化させたAlGaAs層である。
n型Al0.15Ga0.85As層の膜厚は、39.45nmとし、第1グレーデッドインデックス層の膜厚は、20.00nmとし、n型Al0.9Ga0.1As層の膜厚は、48.78nmとし、第2グレーデッドインデックス層の膜厚は、20.00nmとした。
図12は、本実験例と比較例における電流−電圧特性の測定結果である。比較例に比べ、本実験例の方が、良好な電流−電圧特性を有することを確認することができた。なお、上述の実験例は、本発明の一例であり、本発明はこの実験例に特に限定されるわけではない。
以上、本発明の好適な実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されず、各種の態様を取りうる。たとえば、上記実施の形態において、各半導体層におけるp型とn型とを入れ替えても本発明の趣旨を逸脱するものではない。
また、たとえば、複数の光電子集積素子100がアレイ化されている場合、複数のフォトダイオード110がアレイ化されている場合、あるいは、複数のバイポーラトランジスタ120がアレイ化されている場合でも、同様の作用および効果を有する。
また、たとえば、上記実施の形態では、AlGaAs系のものについて説明したが、発振波長に応じてその他の材料系、たとえば、AlGaP系、GaInP系、ZnSSe系、InGaN系、AlGaN系、InGaAs系、GaInNAs系、GaAsSb系の半導体材料を用いることも可能である。なお、InGaAs系のものなどに比べ、AlGaAs系のものは、バイポーラトランジスタ120のコレクタ耐圧を高くすることができる。
実施の形態にかかる光電子集積素子を模式的に示す断面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子を模式的に示す平面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の駆動回路(要部)の一例を模式的に示す図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の一製造工程を模式的に示す断面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の一製造工程を模式的に示す断面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の一製造工程を模式的に示す断面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の一製造工程を模式的に示す断面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の一製造工程を模式的に示す断面図。 実施の形態にかかる光電子集積素子の一製造工程を模式的に示す断面図。 実験例にかかるフォトダイオードを模式的に示す断面図。 比較例にかかるフォトダイオードを模式的に示す断面図。 本実験例と比較例における電流−電圧特性の測定結果。
符号の説明
10 半導体基板、20 第1半導体多層膜、22 光吸収層、24 コンタクト層、30 第2半導体多層膜、32 コレクタ層、34 ベース層、36 エミッタ層、38 キャップ層、40 最上層、42 最上層、44 第2層、46 第2層、50 第1電極、52 第3電極、60 第2電極、62 第4電極、64 第5電極、80 入射面、82 開口部、90 半導体多層膜、100 光電子集積素子、110 フォトダイオード、120 バイポーラトランジスタ、122 第1バイポーラトランジスタ、124 第2バイポーラトランジスタ、160 エミッタフォロア、210 フォトダイオード

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板の上方に、該基板側から配置された、第1半導体多層膜と、光吸収層と、フォトダイオードの入射面が設けられたコンタクト層と、を含むフォトダイオードと、
    前記基板の上方に、該基板側から配置された、前記第1半導体多層膜と同一層から形成された第2半導体多層膜と、
    前記光吸収層と同一層から形成されたコレクタ層と、
    前記コンタクト層と同一層から形成されたベース層と、
    エミッタ層と、を含むヘテロ接合バイポーラトランジスタと、
    前記フォトダイオードを駆動するための第1電極と、
    前記へテロ接合バイポーラトランジスタを駆動するための第2電極と、を含み、
    前記第1半導体多層膜は、分布ブラッグ反射型ミラーとして機能し、
    前記第1電極は、前記第1半導体多層膜の上面に接しており、
    前記第2電極は、前記第2半導体多層膜の上面に接している、光電子集積素子。
  2. 請求項1において、
    前記第1半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなり、
    少なくとも前記第1電極の形成されている領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の前記2層の内、Al組成が他方の層より小さい層で形成され、
    前記第2半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなり、
    少なくとも前記第2電極の形成されている領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の前記2層の内、Al組成が他方の層より小さい層で形成されていることを特徴とする光電子集積素子。
  3. フォトダイオードと、ヘテロ接合バイポーラトランジスタと、を含む光電子集積素子の製造方法において、
    基板の上方に、該基板側から、少なくとも、第1半導体多層膜および第2半導体多層膜を同一層で積層し、光吸収層およびコレクタ層を同一層で積層しフォトダイオードの入射面を有するコンタクト層およびベース層を同一層で積層し、ならびにエミッタ層を構成するための半導体層を積層する工程と、
    前記半導体層をパターニングすることにより、前記エミッタ層を形成する工程と、
    前記半導体層をパターニングすることにより、前記コンタクト層、前記ベース層、前記光吸収層、および前記コレクタ層を形成する工程と、
    前記半導体層をパターニングすることにより、前記第1半導体多層膜、および前記第2半導体多層膜を形成する工程と、
    前記第1半導体多層膜の上面に接するように、前記フォトダイオードを駆動す第1電極を形成する工程と、
    前記第2半導体多層膜の上面に接するように、前記ヘテロ接合バイポーラトランジスタを駆動するための第2電極を形成する工程と、を含み、
    前記第1半導体多層膜は、分布ブラッグ反射型ミラーとして機能するように形成する、光電子集積素子の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記第1半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなるように形成し、
    少なくとも前記第1電極の形成領域における、前記第1半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第1半導体多層膜の前記2層の内、Al組成が他方の層より小さい層で形成し、
    前記第2半導体多層膜は、Al組成の異なる少なくとも2層のAlGaAs層からなるように形成し、
    少なくとも前記第2電極の形成領域における、前記第2半導体多層膜の最上層のAl組成は、該第2半導体多層膜の前記2層の内、Al組成が他方の層より小さい層で形成することを特徴とする光電子集積素子の製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記第1半導体多層膜の少なくとも前記第1電極の形成領域をエッチングする第1表面処理工程と、
    前記第2半導体多層膜の少なくとも前記第2電極の形成領域をエッチングする第2表面処理工程と、を有し、
    前記第1表面処理工程によって露出する、前記第1半導体多層膜の前記最上層のAl組成は、前記第1半導体多層膜の前記2層の内、Al組成が他方の層より小さくなるように表面処理し、
    前記第2表面処理工程によって露出する、前記第2半導体多層膜の前記最上層のAl組成は、前記第2半導体多層膜の前記2層の内、Al組成が他方の層より小さくなるように表面処理する、光電子集積素子の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記第1表面処理工程および前記第2表面処理工程のうち少なくとも一方は、フッ化水素水溶液またはフッ化水素酸系緩衝溶液を用いたウェットエッチング法により行われる、光電子集積素子の製造方法。
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