JP4491503B2 - ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は遠紫外線に感応する半導体素子等の微細加工用ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
近年、集積回路はその集積度を益々高めており、超LSI等の半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外線の中でも短波長のエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArF等)を用いることが検討されるまでになってきている。
この波長領域におけるリソグラフィーのパターン形成に用いられるものとして、化学増幅系レジストがある。
ArF光源用のレジスト組成物としては、ドライエッチング耐性付与の目的で脂環式炭化水素部位が導入された樹脂が提案されている。
特許文献1には、脂環式基を含む構造で保護されたアルカリ可溶性基と、そのアルカリ可溶性基が酸により脱離して、アルカリ可溶性とならしめる構造単位を含む酸感応性化合物を用いたレジスト材料が記載されている。
特許文献2および特許文献3には、メタクリル酸もしくはアクリル酸繰り返し単位と、酸分解性繰り返し単位とを含む共重合体を含有するレジスト組成物が記載されている。
特許文献4および特許文献5には、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含む共重合体を含有するレジスト組成物が記載されている。
特許文献6及び特許文献7には、水酸基が置換された脂環基を有する繰り返し単位を含む共重合体を含有するレジスト組成物を記載している。
特許文献8及び特許文献9には、酸分解性繰り返し単位、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位、および水酸基が置換された脂環基を有する繰り返し単位を組み合わせることが記載されている。
以上のような遠紫外線露光用フォトレジストに用いられる、酸分解性基を含有する樹脂は、分子内に同時に脂肪族の環状炭化水素基を含有することが一般的である。
これら従来の脂環式炭化水素部位が導入された樹脂のレジスト組成物としての適用に関しては、様々な性能において更なる改善が望まれている。その中でも、コンタクトホール用レジストのプロセスウインドウの更なる拡大が求められていた。
また、フォトリソグラフィーに用いられる露光これまでレジスト光(g線、i線、KrFエキシマレーザー光)による縮小投影露光法が利用されている。一般に、レンズの解像度Rは、Rayleighの理論式により、以下の式で表される。
R=k[λ/(N.A.)]
ここで、λは露光波長、N.A.はレンズの開口数(Numerical Aparture)で、ウエハーに対して入射する開き角度をθとした場合、N.A. =sinθである。kはレジストにより異なった値を示し、レジストの性能を示す特性パラメータとして使われることも多い。i線用レジストまでの経験ではレジストを改良しても0.5程度までしか小さくならない。
解像力を高めるということは、上記式から明らかなように、Rを小さくすることであり、そのためにはN.A.を大きくするか、λを小さくするが、kを小さくことが必要である。ところが、現在ではN.A.も0.8に迫る値まで大きくなり、kも0.5という限界に到達している。波長を更に短くする観点からKrFエキシマレーザー光の248nmからArFエキシマレーザー光の193nmが検討されているが、このArFエキシマレーザー光をもってしても、理論上100nm以下のパターン形成は難しくなってきている。
そこで、現状の露光装置でさらに微細なパターンを形成できるレジスト材料やパターン形成方法が望まれていた。上記方法に対応する技術として、特許文献10で開示されている真空中で紫外線(UV)を照射しながらウエハーを加熱(フローベーク)して、レジスト形状を変化(フロー)させて、レジストパターンの寸法を小さくすることができる半導体装置のコンタクトホール径の調整方法は有望であるが、それに適したレジスト材料の開発が不十分であった。また、真空中でUV照射しながらウエハーをフローベークするというプロセスは煩雑であるため、空気中のフローベークのみで同じ効果が得られるレジスト材料が望まれていた。しかしこれまで知られているレジスト材料に対してフローベークプロセスを適用すると、フロー速度が速くホールサイズの制御し難いという問題や、実用的なフロー温度(180℃以下)でも十分フローしない等の問題があった。
さらに最近、フローベーク段階で膜中にピットが頻繁に生じることが解ってきた。このピット形成はその後のエッチング工程に悪影響(エッチング後のパターン転写性劣化、エッチング耐性劣化等)が懸念されるため、ピット発生を防止することが望まれていた。
特開平9−73173号公報 特開2000−214588号公報 特開2000−321771号公報 特開2001−188351号公報 特開2000−26446号公報 特開平7−252324号公報 特開平11−109632号公報 特開2001−109154号公報 特開2002−296783号公報 特開平6-37071号公報
本発明の目的は、遠紫外光、とくにArFエキシマレーザー光を使用する上記ミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向上技術における課題を解決するポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにあり、コンタクトホール形成において広いプロセスウインドウをもち、かつフローベーク時のピット形成を抑制出来るポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明者等は、ポジ型化学増幅系レジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結果、下記の構成によって、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
(1) 酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)、下記一般式(V1)で表される脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b1)、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)、及び、メタクリル酸繰り返し単位(d)
を含有し、メタクリル酸繰り返し単位(d)の割合が全繰り返し単位中5〜18モル%である、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A1)、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Figure 0004491503
一般式(V1)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。
A'は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
2は、下記一般式(a−1)〜(a−3)のうちのいずれかで示される基を表す。
Figure 0004491503
一般式(a−1)〜(a−3)において、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又は−COORaを表す。ここでRaはアルキル基を表す。R1〜R6の内の2つは、結合して環を形成してもよい。
(2) 樹脂(A1)に於いて、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)の含有率が、全繰り返し単位中23〜45モル%であることを特徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(3) 樹脂(A1)に於いて、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)が、下記一般式(IIa)で表される繰り返し単位(c1)であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 0004491503
一般式(IIa)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表す。但し、R31〜R33のうちの二つは、水酸基を表す。
(4) 樹脂(A1)の酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)が、脂環構造を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(5) 樹脂(A1)の酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする(4)に記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 0004491503
一般式(I)中、
2は水素原子又はメチル基を表す。
Aは単結合又は連結基を表す。
ALGは下記一般式(pI)〜(pV)で示される脂環式炭化水素を含む基である。
Figure 0004491503
式(pI)〜(pV)中、
11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
(6) 樹脂(A1)の酸価が0.2〜0.9meq/gであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
(8) (1)〜(6)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするコンタクトホールパターン形成方法。
本発明により、コンタクトホール形成において広いプロセスウインドウをもち、かつフローベーク時のピット形成を抑制出来るレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明に使用する成分について詳細に説明する。
本発明において、基(原子団)の表記において、置換、無置換を特に記していない場合は、置換及び無置換の両方を含む。例えば、単に「アルキル基」と記した場合、無置換のアルキルであってもよいし、置換基を有するアルキル基であってもよい。
〔1〕酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂
本発明のポジ型レジスト組成物は、
酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)、
一般式(V1)で表される脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b1)、
水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)、及び、
メタクリル酸繰り返し単位(d)
を含有し、メタクリル酸繰り返し単位(d)の割合が全繰り返し単位中5〜18モル%である、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A1)を含有する。
樹脂(A1)は、芳香族基を有さないことが好ましい。芳香族基とは、ベンゼン環、ナフタレン、アントラセンなどの化合物であって、電子平面の上下に非局在化した環状のπ電子雲を有する残基であり、そのπ電子雲には合計で4n+2(nは0又は自然数)個のπ電子が含まれるという特徴を有する。
(a)酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位
樹脂(A1)は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(酸分解性樹脂)であり、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基(酸分解性基)を有する繰り返し単位(a)を含有する。
露光用の光源としてArFエキシマレーザーを使用する場合には、酸の作用により分解
する基として、−C(=O)−X1−R0で表される基を用いることが好ましい。ここで、R0としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基、上記ラクトン基等を挙げることができる。X1は、酸素原子、硫黄原子を表すが、好ましくは酸素原子である。
酸分解性基を有する繰り返し単位(a)として、脂環式炭化水素構造を有することが好ましい。脂環式炭化水素構造(脂環構造)としては、後述する式(pI)〜(pV)で表される構造が好ましい。
より好ましくは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 0004491503
一般式(I)において、R2は水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは下記一般式(pI)〜(pV)で示される脂環式炭化水素を含む基である。
Aの連結基は、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。上記Aにおけるアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rb )(Rc )〕r
式中、Rb 、Rc は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
Figure 0004491503
式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキ
ル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(pI)〜(pV)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
11〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環部分(脂環構造)の構造例を示す。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
本発明においては、上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
尚、Aが単結合であり、ALGが一般式(pI)又は(pII)で表される基である式(I)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
尚、走査型電子顕微鏡で観察時のパターンサイズの変動が少ない点(SEM耐性)から、一般式(I)において、Aが単結合であり、ALGが下記で表される基である繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 0004491503
26及びR27は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。
以下、一般式(I)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示す。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
(b)脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位
樹脂(A1)は、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位として、前記一般式(V1)で表される脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b1)を含有する。
一般式(V1)で表される脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b1)は、後述の一般式(V)におけるB2が一般式(a−1)〜(a−3)のうちのいずれかで示される基を表す場合の一般式(V)で表される繰り返し単位である。
なお、樹脂(A1)は、他の脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することにより、パターン倒れ抑止性能の向上やSEMシュリンク(走査型電子顕微鏡で観察時のパターンサイズの収縮)を抑制する効果が期待できる。
脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、例えば、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を挙げることができる。
例えば、ノルボルナンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(a−1)
〜(a−3)で表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位、シクロヘキサンラクトンを有する繰り返し単位としては下記一般式(a−4)及び(a−5)で表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位、アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位を挙げることができる。
特に、下記一般式(a−1)〜(a−3)のいずれかで表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 0004491503
一般式(a−1)〜(a−5)において、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又は−COORaを表す。ここでRaはアルキル基を表す。R1〜R6の内の2つは、結合して環を形成してもよい。
尚、R1〜R6の各々について、水素原子である場合とは、無置換であることを意味する。例えば、一般式(a−1)における環状構造は、R1〜R5として、最大で5つの置換基(アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基)を有しうる。
1〜R6またはRaとしてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、直鎖又は分岐アルキル基である。
直鎖又は分岐アルキル基としては、炭素数1〜12個の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。
1〜R6としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものが好ましい。
1〜R6としてのアルケニル基は、置換基を有していてもよく、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のものが好ましい。
また、R1〜R6の内の2つが結合して形成する環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の3〜8員環が挙げられる。
なお、一般式(a−1)〜(a−5)におけるR1〜R6は、環状骨格を構成している炭素原子のいずれに連結していてもよい。
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が有してもよい好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
一般式(a−1)〜(a−5)で表される基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(V)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0004491503
一般式(V)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。
b0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(a−1)〜(a−5)におけるR1としてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
b0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
A'は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
2は、一般式(a−1)〜(a−5)のうちのいずれかで示される基を表す。A'において、該組み合わせた2価の基としては、例えば下記式のものが挙げられる。
Figure 0004491503
上記式において、Rab、Rbbは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。r1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明の内容がこ
れらに限定されるものではない。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0004491503
一般式(VI)において、A6は単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
6aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を表す。
一般式(VI)において、A6のアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rnf)(Rng)〕r−
上記式中、Rnf、Rngは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数である。
一般式(VI)において、A6のシクロアルキレン基としては、炭素数3〜10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げることができる。
6を含む有橋式脂環式環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜5)、アシル基(例えば、ホルミル基、ベンゾイル基)、アシロキシ基(例えば、プロピルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、水酸基、アルキルスルホニルスルファモイル基(−CONHSO2CH3等)が挙げられる。尚、置換基としてのアルキル基は、更に水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等で置換されていてもよい。
一般式(VI)において、A6に結合しているエステル基の酸素原子は、Z6を含む有橋式脂環式環構造を構成する炭素原子のいずれの位置で結合してもよい。
以下に、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
(c)水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位
樹脂(A1)は、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)を含有する。繰り返し単位(c)としては、一般式(II)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0004491503
一般式(II)において、R3は水素原子又はメチル基を表す。
3は単結合又は2価の連結基を表す。
3はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
pは1〜3の整数を表す。
即ち、−Z3−(OH)pは、脂環式炭化水素基に水酸基がp個置換した基を表す。
3の2価の連結基としては、一般式(I)におけるAと同様のものを挙げることができ、好ましい基についても同様である。
3の脂環式炭化水素基としては、一般式(I)におけるALGについてのR11〜R25としての脂環式炭化水素基を挙げることができ、好ましい基についても同様である。
p個の水酸基は、Z3の脂環式炭化水素基自体、及び、脂環式炭化水素が有する置換基部分のいずれで置換していてもよい。
尚、アンダー露光によるラインパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(II)で表される繰り返し単位として、下記一般式(IIa)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0004491503
一般式(IIa)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表し、但し少なくとも一つは水酸基を表す。
また、アンダー露光によるホールパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(IIa)で表される繰り返し単位において、R31〜R33のうちの二つが水酸基であることが更に好ましい。
以下に一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
(d)メタクリル酸繰り返し単位
本発明の樹脂(A1)は、メタクリル酸繰り返し単位を含有する。本発明における、メタクリル酸繰り返し単位とは、下記式で示される繰り返し単位である。
Figure 0004491503
樹脂(A1)は、更に下記一般式(IV)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することができる。
Figure 0004491503
一般式(IV)中、R1aは、水素原子又はメチル基を表す。
1は、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
a1,Rb1,Rc1,Rd1,Re1は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。m,nは各々独立に0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下である。
a1〜Re1の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
一般式(IV)において、W1のアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rf)(Rg)〕r1
上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。r1は1〜10の整数である。
上記アルキル基、アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基における更なる置換基としては、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アセチルアミド基、アルコキシカルボニル基、アシル基が挙げられる。
以下、一般式(IV)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
上記一般式(IV)の具体例において、露光マージンがより良好になるという点から(IV−17)〜(IV−36)が好ましい。
樹脂(A1)は、更に、他のアクリル酸エステル類による繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A1)が有しうる他のアクリル酸エステル類による繰り返し単位としては、好ま
しくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルアクリレートによる繰り返し単位であり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等による繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A1)は、更に、他のメタクリル酸エステル類による繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A1)が有しうる他のメタクリル酸エステル類による繰り返し単位としては、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルメタアクリレートによる繰り返し単位であり、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等による繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A1)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような、各種モノマーを溶解させ得る溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
樹脂(A1)中、
酸分解性基を有する繰り返し単位(a)の含有率は、全繰り返し単位中、総量として、18〜55モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは23〜45モル%である。
一般式(V1)で表される脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b1)の含有率は、全繰り返し単位中15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜55モル%、更に好ましくは25〜50モル%である。
水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)の含有率は、全繰り返し単位中、5〜40モル%が好ましく、より好ましくは10〜35モル%、更に好ましくは15〜30モル%である。
メタクリル酸繰り返し単位(d)の含有率は、全繰り返し単位中、5〜18モル%であり、好ましくは7〜17モル%、更に好ましくは8〜16モル%である。
上記4種の繰り返し単位の総量は、全繰り返し単位中、通常70モル%以上であり、好ましくは80〜100、より好ましくは90〜100である。
側鎖にラクトン構造を有する式(IV)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返
し単位中1〜30モル%が好ましく、より好ましくは3〜20モル%、更に好ましくは5〜10モル%である。
樹脂(A1)の添加量は、通常、ポジ型レジスト組成物全固形分中の50〜99質量%であり、好ましくは60〜98質量%である。
本発明において、(A1)成分の樹脂の酸価は、0.2〜0.9meq/gであることが好ましい。より好ましくは0.3〜0.8meq/gである。酸価は、樹脂の溶液をアルカリ溶液により滴定することにより算出することができる。滴定に際してはフェノールフタレインなどの滴定指示薬や電位差測定により中和点を求めることが一般的である。
〔2〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B成分)
本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤、B成分)を含有する。
光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている好ましくは150nm〜250nmの波長の光(具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm))、X線、電子ビーム等の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
特に好ましくは、スルホニウム塩であり、トリアリールスルホニウム塩、フェナシルスルホニウム塩、2−オキソアルキル基を有するスルホニウム塩が最も好ましい。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3、849、137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3、779、778号、欧州特許第126、712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で特に好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004491503
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンは、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル部位はアルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜5)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル部位としては、アルキルスルホン酸アニ
オンにおけるアルキル基及びシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基と同様のものを挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換されたアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換されたアリールスルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、特に好ましくは炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、最も好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、(Z1−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、及び(Z1−3)を挙げることができる。
化合物(Z1−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(Z1−2)について説明する。
化合物(Z1−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
化合物(Z1−3)とは、以下の一般式(Z1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0004491503
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基と同様のものを挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)、(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基及びシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
光酸発生剤の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
これらの光酸発生剤の添加量は、組成物中の固形分を基準として、通常0.001〜30質量%の範囲で用いられ、好ましくは0.3〜20質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%の範囲で使用される。
光酸発生剤の添加量が、0.001質量%以上とすることは感度の点で好ましく、また添加量を30質量%以下とすることはレジストの光吸収を低く保ち、プロファイルや、プロセス(特にベーク)マージンの点で好ましい。
尚、本発明においては、活性光線又は放射線の照射により分解してスルホン酸を発生する化合物が好ましい。
〔3〕その他の添加剤
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じて更に界面活性剤、有機塩基性化合物、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
(a)界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、界面活性剤、特にフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記界面活性剤を含有することにより、パターンの線幅が一層細い時に特に有効であり、現像欠陥が一層改良される。
これらのフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、特に好ましくは0.01質量%〜1質量%である。
上記の他に使用することのできる界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
(b)有機塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、有機塩基性化合物を含有することが好ましい。好ましい有機塩基性化合物としては、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましく、例えば下記(A)〜(E)で表される構造が挙げられる。
Figure 0004491503
ここで、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。R251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。置換基を有するシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基を挙げることができる。
Figure 0004491503
式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
含窒素塩基性化合物の好ましい具体例として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ベンジルモルホリン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア(CHMETU)等の3級モルホリン誘導体、特開平11−52575号公報に記載のヒンダードアミン類(例えば該公報〔0005〕に記載のもの)等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
特に好ましい具体例は、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、4,4−ジメチルイミダゾリン、ピロール類、ピラゾール類、イミダゾール類、ピリダジン類、ピリミジン類、CHMETU等の3級モルホリン類、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート等のヒンダードアミン類、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、トリオクチルアミン、トリフェニルイミダゾール、アンチピリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等を挙げることができる。
中でも、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、CHMETU、ビス(1
,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、トリオクチルアミン、トリフェニルイミダゾール、アンチピリン、2,6−ジイソプロピルアニリンが好ましい。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、本発明のレジスト組成物の全組成物の固形分に対し、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。上記範囲とすることは、含窒素塩基性化合物の添加の効果充分に得られ、かつ感度や非露光部の現像性とのバランスの面から好適である。
〔4〕溶剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレンカーボネート、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
各成分を溶剤に溶解し、調製されるレジスト組成物は、全固形分の濃度として、3〜25質量%であることが好ましく、5〜22質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることが更に好ましい。
本発明のこのようなポジ型レジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗膜の膜厚は0.2〜1.2μmが好ましい。
使用することができる基板としては、通常のBareSi基板、SOG基板、あるいは次に記載の無機の反射防止膜を有する基板等を挙げることができる。
また、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメ
チロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
上記レジスト液を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上に(必要により上記反射防止膜を設けられた基板上に)、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布し、乾燥させてレジスト膜を形成させた後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは150nm〜250nmの波長の光である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液(通常0.1〜10質量%)を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の合成例において、特に断りがないかぎり、比及び%は、質量比及び質量%を意味する。
合成例(1)樹脂(1)の合成
2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、ノルボルナンラクトンアクリレート、メタクリル酸を30/20/40/10の割合で仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=70/30(質量比)に溶解し、固形分濃度22%の溶液450gを調製した。この溶液に重合開始剤として和光純薬製V−601を1mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて100℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=70/30の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(1)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)は2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート/3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート/ノルボルナンラクトンアクリレート/メタクリル酸=32/21/37/10(質量比)、酸価は0.45であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は7800、分散度は2.0であった。
合成例(1)と同様の方法で、樹脂(1’)、樹脂(1’’)、樹脂(2)〜(15)、(比較1A)および(比較1B)を合成した。樹脂(1’)、樹脂(1’’)、(比較
1A)および(比較1B)は、樹脂(1)と同じ繰り返し単位を有するが、組成比等が異なるものである。
各樹脂の構造、モノマー組成比、重量平均分子量、分散度および酸価を以下に示す。
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
Figure 0004491503
実施例1〜9、12〜21、参考例10及び11、及び比較例1〜2
(ポジ型レジスト組成物の調製と評価)
表2に示すように、
上記合成例で合成した樹脂(2g)、
酸発生剤(配合量は表2に示した)、
有機塩基性化合物(4mg)、
界面活性剤(10mg)
を配合し、固形分10質量%となるように表2に示す溶剤に溶解した後、0.1μmのポリエチレン製フィルターで濾過し、実施例1〜9、12〜21、参考例10及び11と比較例1及び2のポジ型レジスト組成物を調製した。尚、表2における各成分について複数使用の際の比率は質量比である。
〔評価〕
初めに反射防止膜としてBrewer Science社製ARC−29をスピンコーターを利用してシリコンウエハー上に厚さ85nmに塗布、乾燥した後、その上に得られたポジ型レジスト組成物を塗布し、表2に示す温度(PB)で90秒間乾燥、膜厚280nmのポジ型レジスト膜を形成し、それにArFエキシマレーザー((ASML社製PAS5500/1100ステッパー(NA0・75))で露光した。露光後の加熱処理を表2に示す温度(PEB)で90秒間行い、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像、蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得た。
〔プロセスウインドウ〕
透過率6%のハーフトーン位相差シフトマスクを用い、マスクサイズ140nm(280nmピッチ)のラインパターンが120nmに再現する露光量を最適露光量E0として露光した。ベストフォーカスに対して±0.3μmデフォーカスした条件で、120nm±10%の線幅を再現する最高露光量をE1、最低露光量をE2としたとき、プロセスウインドウを以下のように定義した。
プロセスウインドウ(%)=(E1−E2)×100/E0
結果を表2に示す。
〔フローベーク時のピット形成〕
Hole/Duty比1/2のコンタクトホールパターン(マスクサイズ140nm)を用い、ホールサイズ120nmのパターンを形成した。
各ウエハーを8分割し、それぞれ150℃、155℃、160℃、165℃、170℃、175℃、180℃、185℃に加熱したホットプレートで90秒間加熱し、コンタクトホールの断面を走査型電子顕微鏡で観察、ピット形成の有無を確認した。ピット形成が無いことが最も好ましく、ピット形成が確認できたものの中ではピット形成開始温度が高い方が好ましい。各実施例における8個ずつの試料のうち、ピット形成の見られた最低温度を表2に記載した。尚、全てのフローベーク条件でピット形成が見られなかった例については、表2に「なし」と記載した。
Figure 0004491503
表2における各成分の記号は以下を示す。
〔酸発生剤〕
表2における記号は、先に例示した酸発生剤(PAG)の具体例に対応している。
〔界面活性剤〕
1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素及びシリコーン系)
3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
5:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔塩基性化合物〕
1:N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
2:N,N−ジブチルアニリン
3:トリオクチルアミン
4:トリフェニルイミダゾール
5:アンチピリン
6:2,6−ジイソプロピルアニリン
を表す。
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S3:γ−ブチロラクトン
S4:シクロヘキサノン
S5:乳酸エチル
S6:酢酸ブチル
表2により、本発明の組成物は、コンタクトホール形成において広いプロセスウインドウをもち、かつフローベーク時のピット形成が抑制されていることがわかる。

Claims (8)

  1. 酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)、下記一般式(V1)で表される脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b1)、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)、及び、メタクリル酸繰り返し単位(d)を含有し、メタクリル酸繰り返し単位(d)の割合が全繰り返し単位中5〜18モル%である、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A1)、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004491503

    一般式(V1)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。
    A'は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
    2は、下記一般式(a−1)〜(a−3)のうちのいずれかで示される基を表す。
    Figure 0004491503
    一般式(a−1)〜(a−3)において、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又は−COORaを表す。ここでRaはアルキル基を表す。R1〜R6の内の2つは、結合して環を形成してもよい。
  2. 樹脂(A1)に於いて、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)の含有率が、全繰り返し単位中23〜45モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 樹脂(A1)に於いて、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c)が、下記一般式(IIa)で表される繰り返し単位(c1)であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004491503

    一般式(IIa)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
    31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表す。但し、R31〜R33のうちの二つは、水酸基を表す。
  4. 樹脂(A1)の酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)が、脂環構造を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  5. 樹脂(A1)の酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a)が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項4に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004491503

    一般式(I)中、
    2は水素原子又はメチル基を表す。
    Aは単結合又は連結基を表す。
    ALGは下記一般式(pI)〜(pV)で示される脂環式炭化水素を含む基である。
    Figure 0004491503

    式(pI)〜(pV)中、
    11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
    Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
    12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
    17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
    22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
  6. 樹脂(A1)の酸価が0.2〜0.9meq/gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするコンタクトホールパターン形成方法。
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