JP4225817B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
ポジ型レジスト組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4225817B2 JP4225817B2 JP2003095805A JP2003095805A JP4225817B2 JP 4225817 B2 JP4225817 B2 JP 4225817B2 JP 2003095805 A JP2003095805 A JP 2003095805A JP 2003095805 A JP2003095805 A JP 2003095805A JP 4225817 B2 JP4225817 B2 JP 4225817B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin
- repeating unit
- embedded image
- positive resist
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CC(*1CC1)(C(*)(*)CO1)C1=O Chemical compound CC(*1CC1)(C(*)(*)CO1)C1=O 0.000 description 16
- DLWYXTIRYZGYTO-UHFFFAOYSA-N CC(C)(C)CC(C(O)OC(C)(C)C1(C2)CC(C3)CC2C3C1)C(C)(C)C Chemical compound CC(C)(C)CC(C(O)OC(C)(C)C1(C2)CC(C3)CC2C3C1)C(C)(C)C DLWYXTIRYZGYTO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- FFDXTDCBAVVWDC-SVTOJWQZSA-N CC(C)C(OC(C1[C@H](C)C2C3C1)C2OC3=O)=O Chemical compound CC(C)C(OC(C1[C@H](C)C2C3C1)C2OC3=O)=O FFDXTDCBAVVWDC-SVTOJWQZSA-N 0.000 description 1
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K97/00—Accessories for angling
- A01K97/06—Containers or holders for hooks, lines, sinkers, flies or the like
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遠紫外線に感応する半導体素子等の微細加工用ポジ型フォトレジスト組成物に関するものであり、更に詳しくは、遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路はその集積度を益々高めており、超LSI等の半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外線の中でも短波長のエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArF等)を用いることが検討されるまでになってきている。
この波長領域におけるリソグラフィーのパターン形成に用いられるものとして、化学増幅系レジストがある。
【0003】
ArF光源用のフォトレジスト組成物としては、ドライエッチング耐性付与の目的で脂環式炭化水素部位が導入された樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この脂環式炭化水素部位が導入された樹脂のフォトレジスト組成物としての適用に関しては、未だ不十分な点も多く改善が望まれている。その一つに、露光後の後加熱時間の変動によって得られるパターンが変動するというPEB時間依存性の問題があった。半導体用レジストは様々な用途で用いられることから、いかなる条件下でも、一定の性能が発現することが望まれる。PEB時間依存性は、デバイスの生産性維持、得率向上の観点から重要であり、PEB時間依存性が小さいことが望まれている。
【特許文献1】
特開2002−341541号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、遠紫外光、とくにArFエキシマレーザー光を使用する上記ミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向上技術における課題を解決するポジ型フォトレジスト組成物を提供することにあり、PEB時間依存性が小さい遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ポジ型化学増幅系レジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結果、下記の構成によって、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
【0007】
(1)すべての繰り返し単位がアクリル単位であり、脂環基を有し、芳香族基を有しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が向上する樹脂(A)、繰り返し単位としてアクリル単位とメタクリル単位を含有し、芳香族基を有しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が向上する樹脂(B)、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(C)を含有するポジ型レジスト組成物。但し、樹脂(A)が下記樹脂(a)であるとき、樹脂(B)が下記樹脂(b)であることはない。樹脂(a)及び(b)は、それぞれ、下記に示す繰り返し単位の構成からなる樹脂である。
【化3】
【0008】
(2) 樹脂(B)のアクリル単位の割合が全繰り返し単位中20〜80モル%であることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0009】
(3) 樹脂(A)及び樹脂(B)のガラス転移温度がいずれも120℃以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0010】
(4) 樹脂(A)及び樹脂(B)のガラス転移温度の差が5℃未満であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0011】
(5) 樹脂(A)及び樹脂(B)の少なくとも一方が下記一般式で表される構造を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0012】
【化2】
【0013】
式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R14は、各々独立に、炭素数1〜4個のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する成分について詳細に説明する。
〔1〕酸の作用により現像液に対する溶解性が向上する樹脂
本発明のレジスト組成物は、酸の作用により現像液に対する溶解性が向上する樹脂(酸分解性樹脂)として、樹脂(A)及び(B)を含有する。
樹脂(A)は、すべての繰り返し単位がアクリル単位であり、脂環基を有し、芳香族基を有しない酸分解性樹脂であり、樹脂(B)は、繰り返し単位としてアクリル単位とメタクリル単位を含有し、芳香族基を有しない酸分解性樹脂である。
ここで、アクリル単位とは、アクリル酸又はアクリル酸エステルから形成される繰り返し単位、メタアクリル単位とは、メタクリル酸又はメタクリル酸エステルから形成される繰り返し単位を意味する。
【0015】
樹脂(A)およひ(B)は、芳香族基を有しないが、芳香族基とは、ベンゼン環、ナフタレン、アントラセンなどの化合物であって、電子平面の上下に非局在化した環状のπ電子雲を有する残基であり、そのπ電子雲には合計で4n+2(nは0又は自然数)個のπ電子が含まれるという特徴を有する。
【0016】
樹脂(A)及び樹脂(B)のガラス転移温度がいずれも120℃以上であることが好ましく、また、樹脂(A)及び樹脂(B)のガラス転移温度の差が5℃未満であることが好ましい。
【0017】
樹脂(A)が有する脂環基としては、特に限定されないが、後述の式(pII)におけるR12〜R14としての脂環式炭化水素基として説明するものが挙げられる。
脂環基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、20〜70モル%が好ましく、より好ましくは24〜65モル%、更に好ましくは28〜60モル%である。
【0018】
樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは、4,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が3,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、100,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる場合がある。
【0019】
また、樹脂(A)の分散度(Mw/Mn)としては、1.3〜4.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.4〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5である。
【0020】
樹脂(B)を構成する繰り返し単位は、アクリル単位とメタクリル単位のみからなり、樹脂(B)を構成する全繰り返し単位に対し、アクリル単位が20〜80モル%が好ましく、30〜70モル%がより好ましい。
【0021】
樹脂(B)における酸分解性基を含有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、総量として、20〜55モル%が好ましく、より好ましくは24〜50モル%、更に好ましくは28〜45モル%である。
樹脂(B)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは、4,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が3,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、100,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
【0022】
樹脂(B)の分散度(Mw/Mn)としては、1.3〜4.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.4〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5である。
【0023】
樹脂(A)及び(B)は、ガラス転移点が100℃以上であることが好ましく、120〜180℃であることがより好ましい。
樹脂(A)及び(B)の少なくとも一方は、ガラス転移点が120℃以上であることが好ましい。
樹脂(A)及び(B)の両者のガラス転移点が120℃以上であることが好ましく、プロセスウインドウ、疎密依存性、サイドローブマージンの観点から130℃以上であることが好ましい。
樹脂(A)及び(B)のガラス転移温度(Tg)は、走査カロリメトリー(Differential Scanning Calorimeter) により測定することができる。
【0024】
樹脂(A)は、すべての繰り返し単位がアクリル繰り返し単位であり、脂環構造を有する繰り返し単位を含有することにより、ガラス転移点110〜170℃の樹脂を得ることができる。尚、ガラス転移点110〜170℃、好ましくは130〜160℃の樹脂は、疎密依存性の低減、サイドローブマージンの向上の点で好ましい。ガラス転移点が高い樹脂を使用することによりプロセスウインドウも向上する。
【0025】
ガラス転移点を上記特定範囲内に制御するためには、脂環構造を有する繰り返し単位を導入するだけでなく、分子量や分散度(Mw/Mn)を制御する必要がある。
樹脂(A)の重量平均分子量としては、通常5000〜30000、好ましくは6000〜25000、より好ましくは7000〜20000とすることが望ましい。
樹脂(A)の分散度は、通常3.5以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である。
重量平均分子量が5000未満や分散度が3.5を超える場合、Tgの低下をまねくとともに疎密依存性やサイドローブマージンの点で性能か低下する場合がある。
重量平均分子量、分散度を制御するためには、上記反応条件を選択するだけでなく、反応モノマー溶液及びラジカル重合開始剤の溶液を、一定温度に加熱した溶媒等に滴下、あるいは分割添加する滴下重合法が望ましい。
また、分別再沈法により重合により得られ樹脂のより低分子量側を除くことで、更に本発明の効果を高めることが可能である。分別再沈法とは、例えば、樹脂溶液を樹脂の貧溶媒に対して投入すること、あるいは、樹脂の貧溶媒を樹脂溶液に対して注ぎ込むことにより、溶剤溶解性の高い低分子量オリゴマーを除去する方法である。
樹脂(A)の貧溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエンなどの炭化水素溶媒、炭化水素溶媒と酢酸エチル等のエステル溶媒との混合溶媒、蒸留水、メタノール、エタノールなどのアルコール類の単独あるいは混合溶媒を挙げることができる。
一方、樹脂を溶解する溶媒としては上記反応溶媒などを用いることができる。ここで、低分子オリゴマーとは、例えば、重量平均分子量4000以下のものである。
【0026】
樹脂(A)と(B)の添加率(質量比)((A)/(B))は、通常3/97〜90/10、好ましくは5/95〜85/15、より好ましくは10/90〜80/20である。
樹脂(A)と(B)の総量は、組成物の全固形分に対し、通常40〜99.99質量%、好ましくは50〜99.97質量%である。
【0027】
以下、樹脂(A)及び(B)が含有しうる繰り返し単位についての説明を行うが、樹脂(B)については、アクリル単位であってもメタアクリル単位であってもよいが、樹脂(A)については、アクリル単位に限定されるものである。
【0028】
樹脂(A)及び(B)は、いずれも酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が向上する樹脂(酸分解性樹脂)であり、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基(酸分解性基)を有する繰り返し単位を含有する。
樹脂(A)及び(B)は、酸分解性基をいかなる繰り返し単位中に含有していてもよい。
酸分解性基としては、−COOA0 、−O−B0 基で示される基を挙げることができる。更にこれらを含む基としては、−R0 −COOA0 、又は−Ar −O−B0 で示される基が挙げられる。
ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)、−C(R04)(R05)−O−R06基もしくはラクトン基を示す。B0 は、−A0 又は−CO−O−A0 基を示す。
R01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基、環状アルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R0 は単結合もしくは、置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0029】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜30個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。環状のアルキル基としては、炭素数3〜30個のものが挙げられ、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基、ステロイド残基等を挙げることができる。アラルキル基としては、炭素数7〜20個のものが挙げられ、置換基を有していてもよい。ベンジル基、フェネチル基、クミル基等が挙げられる。
【0030】
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フツ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
また、上記ラクトン基としては、下記構造のものが挙げられる。
【0031】
【化3】
【0032】
上記式中、Ra 、Rb、Rcは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基を表す。nは、2から4の整数を表す。
【0033】
露光用の光源としてArFエキシマレーザーを使用する場合には、酸の作用により分解する基として、−C(=O)−X1−R0で表される基を用いることが好ましい。ここで、R0 としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基、上記ラクトン基等を挙げることができる。X1は、酸素原子、硫黄原子を表すが、好ましくは酸素原子である。
【0034】
酸分解性基を有する繰り返し単位として、脂環式炭化水素構造を有する下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0035】
【化4】
【0036】
一般式(I)において、R2は水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは下記一般式(pI)〜(pV)で示される脂環式炭化水素を含む基である。(但し、樹脂(A)が一般式(I)で表される繰り返し単位を有する場合は、R2は水素原子を表す。)
【0037】
Aの連結基は、アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。上記Aにおけるアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rb )(Rc )〕r −
式中、Rb 、Rc は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
【0038】
【化5】
【0039】
式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0040】
一般式(pI)〜(pV)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0041】
R11〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
本発明においては、上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
【0046】
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。
置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0047】
尚、樹脂(A)及び(B)の少なくとも一方が、Aが単結合であり、ALGが一般式(pI)又は(pII)で表される基である式(I)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
尚、走査型電子顕微鏡で観察時のパターンサイズの変動が少ない点(SEM耐性)から、一般式(I)において、Aが単結合であり、ALGが下記で表される基である繰り返し単位が特に好ましい。
【0048】
【化9】
【0049】
R26及びR27は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。
【0050】
以下、一般式(I)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示す。
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
また、樹脂(A)及び(B)は、一般式(II)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0058】
【化16】
【0059】
一般式(II)において、R3は水素原子又はメチル基を表す。
(但し、樹脂(A)が一般式(II)で表される繰り返し単位を有する場合は、R3は水素原子を表す。)
A3は単結合又は2価の連結基を表す。
Z3はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
pは1〜3の整数を表す。
即ち、−Z3−(OH)pは、脂環式炭化水素基に水酸基がp個置換した基を表す。
【0060】
A3の2価の連結基としては、一般式(I)におけるAと同様のものを挙げることができ、好ましい基についても同様である。
Z3の脂環式炭化水素基としては、一般式(I)におけるALGについてのR11〜R25としての脂環式炭化水素基を挙げることができ、好ましい基についても同様である。
p個の水酸基は、Z3の脂環式炭化水素基自体、及び、脂環式炭化水素が有する置換基部分のいずれで置換していてもよい。
【0061】
尚、アンダー露光によるラインパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(II)で表される繰り返し単位として、下記一般式(IIa)で表される繰り返し単位が好ましい。
【0062】
【化17】
【0063】
一般式(IIa)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
R31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表し、但し少なくとも一つは水酸基を表す。
(但し、樹脂(A)が一般式(IIa)で表される繰り返し単位を有する場合は、R30は水素原子を表す。)
【0064】
また、アンダー露光によるホールパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(IIa)で表される繰り返し単位において、R31〜R33のうちの二つが水酸基であることが更に好ましい。
【0065】
以下に一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0066】
【化18】
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】
樹脂(A)及び(B)は、エッチング時のホール変形を抑制する点で、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、例えば、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を挙げることができる。
【0070】
例えば、ノルボルナンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(a−1)〜(a−3)で表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位、シクロヘキサンラクトンを有する繰り返し単位としては下記一般式(a−4)及び(a−5)で表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位、アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位を挙げることができる。
特に、下記一般式(a−1)〜(a−3)のいずれかで表される基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位が特に好ましい。
【0071】
【化21】
【0072】
一般式(a−1)〜(a−5)において、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を表す。R1〜R6の内の2つは、結合して環を形成してもよい。
尚、R1〜R6の各々について、水素原子である場合とは、無置換であることを意味する。例えば、一般式(a−1)における環状構造は、R1〜R5として、最大で5つの置換基(アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基)を有しうる。
【0073】
R1〜R6としてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、直鎖又は分岐アルキル基である。
直鎖又は分岐アルキル基としては、炭素数1〜12個の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。
【0074】
R1〜R6としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものが好ましい。
R1〜R6としてのアルケニル基は、置換基を有していてもよく、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のものが好ましい。また、R1〜R6の内の2つが結合して形成する環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の3〜8員環が挙げられる。
なお、一般式(a−1)〜(a−5)におけるR1〜R6は、環状骨格を構成している炭素原子のいずれに連結していてもよい。
【0075】
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が有してもよい好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0076】
一般式(a−1)〜(a−5)で表される基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(V)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0077】
【化22】
【0078】
一般式(V)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。(但し、樹脂(A)が一般式(V)で表される繰り返し単位を有する場合は、Rb0は水素原子を表す。)
Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1bとしてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
A’は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
B2は、一般式(V−1)〜(V−4)のうちのいずれかで示される基を表す。A’において、該組み合わせた2価の基としては、例えば下記式のものが挙げられる。
【0079】
【化23】
【0080】
上記式において、Rab、Rbbは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。 アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
r1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
【0081】
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0082】
【化24】
【0083】
【化25】
【0084】
【化26】
【0085】
【化27】
【0086】
【化28】
【0087】
【化29】
【0088】
【化30】
【0089】
【化31】
【0090】
アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0091】
【化32】
【0092】
一般式(VI)において、A6は単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
R6aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を表す。(但し、樹脂(A)が一般式(VI)で表される繰り返し単位を有する場合は、R6aは水素原子を表す。)
【0093】
一般式(VI)において、A6のアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rnf)(Rng)〕r−
上記式中、Rnf、Rngは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数である。
【0094】
一般式(VI)において、A6のシクロアルキレン基としては、炭素数3から10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0095】
Z6を含む有橋式脂環式環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜5)、アシル基(例えば、ホルミル基、ベンゾイル基)、アシロキシ基(例えば、プロピルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、水酸基、アルキルスルホニルスルファモイル基(−CONHSO2CH3等)が挙げられる。尚、置換基としてのアルキル基は、更に水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等で置換されていてもよい。
【0096】
一般式(VI)において、A6に結合しているエステル基の酸素原子は、Z6を含む有橋式脂環式環構造を構成する炭素原子のいずれの位置で結合してもよい。
【0097】
以下に、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
【化33】
【0099】
【化34】
【0100】
樹脂(A)及び(B)は、更に下記一般式(IV)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することができる。
【0101】
【化35】
【0102】
一般式(IV)中、R1aは、水素原子又はメチル基を表す。
(但し、樹脂(A)が一般式(IV)で表される繰り返し単位を有する場合は、R1aは水素原子を表す。)
W1は、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
Ra1,Rb1,Rc1,Rd1,Re1は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。m,nは各々独立に0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下である。
【0103】
Ra1〜Re1の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
【0104】
一般式(IV)において、W1のアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rf)(Rg)〕r1−
上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
r1は1〜10の整数である。
【0105】
上記アルキル基における更なる置換基としては、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アセチルアミド基、アルコキシカルボニル基、アシル基が挙げられる。
ここでアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の低級アルキル基を挙げることができる。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。置換アルコキシ基の置換基としては、アルコキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0106】
以下、一般式(IV)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例
を示すが、これらに限定されるものではない。
【0107】
【化36】
【0108】
【化37】
【0109】
【化38】
【0110】
上記一般式(IV)の具体例において、露光マージンがより良好になるという点から(IV−17)〜(IV−36)が好ましい。
【0111】
樹脂(A)及び(B)が含有しうる他のアクリル酸エステル類としては、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルアクリレートであり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
【0112】
樹脂(B)が含有しうる他のメタクリル酸エステル類としては、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルメタアクリレートであり、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
【0113】
樹脂(A)及び(B)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような、各種モノマーを溶解させ得る溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
【0114】
樹脂(A)中、酸分解性基を有するアクリル繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、20〜70モル%が好ましく、より好ましくは24〜65モル%、更に好ましくは28〜60モル%である。
一般式(I)で表されるアクリル繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、20〜70モル%が好ましく、より好ましくは24〜65モル%、更に好ましくは28〜60モル%である。
一般式(II)で表されるアクリル繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、20〜70モル%が好ましく、より好ましくは24〜60モル%、更に好ましくは28〜60モル%である。
脂環ラクトン構造を有するアクリル繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜55モル%、更に好ましくは15〜50モル%である。
上記3種の繰り返し単位の総量は、全繰り返し単位中、通常60〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%である。
側鎖にラクトン構造を有するアクリル繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜45モル%である。
【0115】
樹脂(B)中、一般式(I)で表される(メタ)アクリル繰り返し単位などの酸分解性基を含有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、総量として、20〜55モル%が好ましく、より好ましくは24〜50モル%、更に好ましくは28〜45モル%である。
一般式(II)で表される(メタ)アクリル繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは10〜20モル%である。
脂環ラクトン構造を有する(メタ)アクリル繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜55モル%、更に好ましくは15〜50モル%である。
側鎖にラクトン構造を有する(メタ)アクリル繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜45モル%である。
【0116】
〔3〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B成分)
本発明のレジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有する。
【0117】
本発明で使用される光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0118】
また、その他の本発明に用いられる光酸発生剤としては、たとえばジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物を用いることができる。
【0119】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0120】
上記活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に併用される他の光酸発生剤について以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0121】
【化39】
【0122】
式中、R201は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3を示す。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0123】
【化40】
【0124】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0125】
【化41】
【0126】
ここで式Ar1、Ar2は、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。
R203、R204、R205は、各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。
【0127】
Z-は、対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0128】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0129】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
【化42】
【0131】
【化43】
【0132】
【化44】
【0133】
【化45】
【0134】
【化46】
【0135】
【化47】
【0136】
【化48】
【0137】
【化49】
【0138】
【化50】
【0139】
【化51】
【0140】
【化52】
【0141】
【化53】
【0142】
【化54】
【0143】
【化55】
【0144】
【化56】
【0145】
上記において、Phはフェニル基を表す。
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えば、米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0146】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0147】
【化57】
【0148】
式中、Ar3、Ar4は、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
【0149】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0150】
【化58】
【0151】
【化59】
【0152】
【化60】
【0153】
【化61】
【0154】
【化62】
【0155】
(4)下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0156】
【化63】
【0157】
ここでRは、直鎖、分岐又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0158】
【化64】
【0159】
【化65】
【0160】
これらの光酸発生剤の添加量は、組成物中の固形分を基準として、通常0.01〜30質量%の範囲で用いられ、好ましくは0.3〜20質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%の範囲で使用される。
光酸発生剤の添加量が、0.001質量%より少ないと感度が低くなる傾向になり、また添加量が30質量%より多いとレジストの光吸収が高くなりすぎ、プロファイルの悪化や、プロセス(特にベーク)マージンが狭くなる傾向がある。尚、本発明においては、活性光線又は放射線の照射により分解してスルホン酸を発生する化合物が好ましい。
【0161】
〔4〕その他の添加剤
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じて更に界面活性剤、有機塩基性化合物、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
【0162】
(a)界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、界面活性剤、好ましくはフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有する。
本発明のポジ型レジスト組成物は、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記酸分解性樹脂と上記界面活性剤とを含有することにより、パターンの線幅が一層細い時に特に有効であり、現像欠陥が一層改良される。
【0163】
これらのフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0164】
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0165】
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、特に好ましくは0.01質量%〜1質量%である。
【0166】
上記の他に使用することのできる界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
【0167】
(b)有機塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、有機塩基性化合物を含有することが好ましい。好ましい有機塩基性化合物としては、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましく、例えば下記(A)〜(E)で表される構造が挙げられる。
【0168】
【化66】
【0169】
ここで、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。
【0170】
【化67】
【0171】
(式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す)
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0172】
含窒素塩基性化合物の好ましい具体例として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ベンジルモルホリン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア(CHMETU)等の3級モルホリン誘導体、特開平11−52575号公報に記載のヒンダードアミン類(例えば該公報〔0005〕に記載のもの)等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0173】
特に好ましい具体例は、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、4,4−ジメチルイミダゾリン、ピロール類、ピラゾール類、イミダゾール類、ピリダジン類、ピリミジン類、CHMETU等の3級モルホリン類、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート等のヒンダードアミン類、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、トリオクチルアミン、トリフェニルイミダゾール、アンチピリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等を挙げることができる。
中でも、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、CHMETU、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、トリオクチルアミン、トリフェニルイミダゾール、アンチピリン、2,6−ジイソプロピルアニリンが好ましい。
【0174】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、本発明のレジスト組成物の全組成物の固形分に対し、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。0.001質量%未満では上記含窒素塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0175】
〔5〕溶剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレンカーボネート、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
【0176】
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
【0177】
各成分を溶剤に溶解し、調製されるレジスト組成物は、全固形分の濃度として、3〜25質量%であることが好ましく、5〜22質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることが更に好ましい。
【0178】
本発明のこのようなポジ型レジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗膜の膜厚は0.2〜1.2μmが好ましい。
使用することができる基板としては、通常のBareSi基板、SOG基板、あるいは次に記載の無機の反射防止膜を有する基板等を挙げることができる。
また、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。
【0179】
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
【0180】
上記レジスト液を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上に(必要により上記反射防止膜を設けられた基板上に)、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは150nm〜250nmの波長の光である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
【0181】
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液(通常0.1〜10質量%)を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0182】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の合成例において、特に断りがないかぎり、比及び%は、質量比及び質量%を意味する。
【0183】
合成例(1)樹脂(A−1−1)の合成
2−アダマンチル−2−プロピルアクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、ノルボルナンラクトンアクリレートを40/20/40の割合で仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40に溶解し、固形分濃度22%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製V−601を1mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=7/3の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(A−1−1)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=40/21/39あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9200、分散度は1.9であった。また、DSC (示差走査熱量計)による 測定を行った結果、樹脂(A−1−1)のガラス転移点は130℃であった。
【0184】
合成例(2)樹脂(A−1−2)の合成
樹脂(A−1−1)10gをテトラヒドロフラン100mLに攪拌、溶解し、ヘプタン90mLを投入した。投入後1時間静置した後、上層を廃棄、下に沈んだ粘調物を析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(A−1−2)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=39/21/40あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は10370、分散度は1.7であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−1−2)のガラス転移点は152℃であった。
【0185】
合成例(3)樹脂(A−2−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−2)を合成し、得られた樹脂(A−2)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−2−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=38/21/41あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は11130、分散度は1.7であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−2−1)のガラス転移点は146℃であった。
【0186】
合成例(4)樹脂(A−3−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−3)を合成し、得られた樹脂(A−3)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−3−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=42/21/37あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は12080、分散度は1.6であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−3−1)のガラス転移点は142℃であった。
【0187】
合成例(5)樹脂(A−4−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−4)を合成し、得られた樹脂(A−4)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−4−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=38/22/40あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は10740、分散度は1.7であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−4−1)のガラス転移点は127℃であった。
【0188】
合成例(6)樹脂(A−5−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−5)を合成し、得られた樹脂(A−5)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−5−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=42/21/37あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は10210、分散度は1.7であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−5−1)のガラス転移点は124℃であった。
【0189】
合成例(7)樹脂(A−6−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−6)を合成し、得られた樹脂(A−6)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−6−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=38/29/23あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は11990、分散度は1.6であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−6−1)のガラス転移点は141℃であった。
【0190】
合成例(8)樹脂(A−7−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−7)を合成し、得られた樹脂(A−7)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−7−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c/d=31/20/39/10あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は11340、分散度は1.7であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−7−1)のガラス転移点は155℃であった。
【0191】
合成例(9)樹脂(A−8−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−8)を合成し、得られた樹脂(A−8)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−8−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=44/21/35あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は10890、分散度は1.8であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−8−1)のガラス転移点は136℃であった。
【0192】
合成例(10)樹脂(A−9−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−9)を合成し、得られた樹脂(A−9)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−9−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=41/21/38あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は10730、分散度は1.9であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−9−1)のガラス転移点は153℃であった。
【0193】
合成例(11)樹脂(A−10−1)の合成
合成例(1)と同様の方法で重合を行い、樹脂(A−10)を合成し、得られた樹脂(A−10)を合成例(2)と同様の方法で更に溶剤分画を行い、目的物である樹脂(A−10−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=41/21/38あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は11070、分散度は1.8であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(A−10−1)のガラス転移点は145℃であった。
【0194】
合成例(12)樹脂(B−1−1)の合成
2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、ノルボルナンラクトンアクリレートを40/25/35の割合で仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40に溶解し、固形分濃度22%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製V−601を2mol%加え、これを窒素雰囲気下、8時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=70/30の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘプタン5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(B−1−1)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=38/26/36あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8600、分散度は2.2であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−1−1)のガラス転移点は156℃であった。
【0195】
合成例(13)樹脂(B−2−1)の合成
2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、ノルボルナンラクトンアクリレートを40/20/40の割合で仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=70/30に溶解し、固形分濃度22%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製V−601を4mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(B−2−1)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=42/20/38あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は7900、分散度は2.1であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−2−1)のガラス転移点は163℃であった。
【0196】
合成例(14)樹脂(B−3−1)の合成
合成例(13)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−3−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=41/21/38あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9100、分散度は2.2であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−3−1)のガラス転移点は153℃であった。
【0197】
合成例(15)樹脂(B−4−1)の合成
合成例(13)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−4−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=48/22/30あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8200、分散度は2.3であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−4−1)のガラス転移点は169℃であった。
【0198】
合成例(16)樹脂(B−5−1)の合成
合成例(12)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−5−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=36/33/31あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9400、分散度は2.4であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−5−1)のガラス転移点は137℃であった。
【0199】
合成例(17)樹脂(B−6−1)の合成
合成例(12)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−6−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=41/20/39あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8900、分散度は2.2であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−6−1)のガラス転移点は150℃であった。
【0200】
合成例(18)樹脂(B−7−1)の合成
合成例(13)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−7−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c=48/23/29あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9700、分散度は2.5であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−7−1)のガラス転移点は163℃であった。
【0201】
合成例(19)樹脂(B−8−1)の合成
合成例(13)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−8−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c/d=32/19/39/10あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は7500、分散度は1.9であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−8−1)のガラス転移点は161℃であった。
【0202】
合成例(20)樹脂(B−9−1)の合成
合成例(13)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−9−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c/d=20/20/21/39あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8100、分散度は2.0であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−9−1)のガラス転移点は157℃であった。
【0203】
合成例(21)樹脂(B−10−1)の合成
合成例(13)と同様の方法で重合を行い、目的物である樹脂(B−10−1)を得た。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b/c/d=38/21/36/5あった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8100、分散度は2.0であった。また、DSC測定を行った結果、樹脂(B−10−1)のガラス転移点は137℃であった。
【0204】
【化68】
【0205】
【化69】
【0206】
【化70】
【0207】
【化71】
【0208】
実施例1〜20及び比較例1及び2
(ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
表1におけるように、上記合成例で合成した樹脂(2g)、
光酸発生剤(配合量は表1に示した)、
有機塩基性化合物(4mg)、
必要により界面活性剤(10mg)
を配合し、固形分11質量%となるように表1に示す溶剤に溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過し、実施例1〜20と比較例1及び2のポジ型レジスト組成物を調製した。尚、表1における各成分について複数使用の際の比率は質量比である。
【0209】
【表1】
【0210】
表1における各成分の記号は以下を示す。
〔酸発生剤〕
表1における記号は、先に例示した酸発生剤(PAG)の具体例に対応している。
〔界面活性剤〕
1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素及びシリコーン系)
3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
5:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
【0211】
〔塩基性化合物〕
1:N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
2:N,N−ジブチルアニリン
3:トリオクチルアミン
4:トリフェニルイミダゾール
5:アンチピリン
6:2,6−ジイソプロピルアニリン
を表す。
【0212】
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S3:γ−ブチロラクトン
S4:シクロヘキサノン
S5:乳酸エチル
S6:酢酸ブチル
【0213】
(評価試験)
初めにBrewer Science社製ARC−29A−8をスピンコーターを利用してシリコンウエハー上に78nm塗布、乾燥した後、その上に得られたポジ型フォトレジスト組成物を塗布し、表1に示す温度(SB)で90秒間乾燥、約0.3μmのポジ型フォトレジスト膜を作製し、それにArFエキシマレーザー(波長193nm、NA=0.6のISI社製ArFステッパー)で1/2ピッチのコンタクトホールパターン(マスクサイズ0.18μm)により露光した。露光後の加熱処理を表1に示す温度(PEB)で90秒間行い、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像、蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得た。
【0214】
〔PEB時間依存性〕
マスクサイズ0.18μmのコンタクトホールパターンを露光し、時間を45秒、90秒と変化させ後加熱を行い、現像後、形成したパターンを走査型電子顕微鏡で観察、0.14μmが再現する露光量(E45及びE90)を各々測定した後、以下の式に従って算出した。得られた値が小さいほど好ましい。
PEB時間依存性=(|E45−E90|/E90)×100
【0215】
結果を表2に示す。
【0216】
【表2】
【0217】
本発明の組成物は、明らかにPEB時間依存性に優れていることがわかる。
【0218】
【発明の効果】
本発明により、露光後の加熱処理時間の変動の影響を受けないレジスト組成物を提供することができる。
Claims (6)
- 樹脂(B)のアクリル単位の割合が全繰り返し単位中20〜80モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 樹脂(A)及び樹脂(B)のガラス転移温度がいずれも120℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 樹脂(A)及び樹脂(B)のガラス転移温度の差が5℃未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095805A JP4225817B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | ポジ型レジスト組成物 |
KR1020040022197A KR101064921B1 (ko) | 2003-03-31 | 2004-03-31 | 포지티브 레지스트 조성물, 레지스트 패턴의 형성방법 및 레지스트 패턴 프로파일의 형성방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095805A JP4225817B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | ポジ型レジスト組成物 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004302199A JP2004302199A (ja) | 2004-10-28 |
JP2004302199A5 JP2004302199A5 (ja) | 2005-09-22 |
JP4225817B2 true JP4225817B2 (ja) | 2009-02-18 |
Family
ID=33408041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003095805A Expired - Fee Related JP4225817B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | ポジ型レジスト組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4225817B2 (ja) |
KR (1) | KR101064921B1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005031233A (ja) | 2003-07-09 | 2005-02-03 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | レジスト組成物、積層体、及びレジストパターン形成方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4124978B2 (ja) | 2001-04-05 | 2008-07-23 | 富士フイルム株式会社 | ポジ型レジスト組成物 |
JP4187949B2 (ja) | 2001-06-21 | 2008-11-26 | 富士フイルム株式会社 | ポジ型レジスト組成物 |
TW581941B (en) * | 2001-06-21 | 2004-04-01 | Fuji Photo Film Co Ltd | Positive resist composition |
JP4149148B2 (ja) | 2001-08-03 | 2008-09-10 | 富士フイルム株式会社 | ポジ型レジスト組成物 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003095805A patent/JP4225817B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-03-31 KR KR1020040022197A patent/KR101064921B1/ko active IP Right Grant
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004302199A (ja) | 2004-10-28 |
KR20040088373A (ko) | 2004-10-16 |
KR101064921B1 (ko) | 2011-09-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3841399B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4102032B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4187949B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4149154B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4452608B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP4439270B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP4149153B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4149148B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4360836B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP2005234449A (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP4031327B2 (ja) | レジスト組成物 | |
JP4073266B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP2007086514A (ja) | レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
US20040185373A1 (en) | Photosensitive composition | |
JP4296033B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP2005189501A (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP4355591B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP3860044B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP3907171B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4448780B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP2004341062A (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4031334B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4491503B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP2005234451A (ja) | ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JP2007086515A (ja) | レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050420 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050420 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060325 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070822 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071022 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071108 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071115 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080331 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20080424 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080702 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080901 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081105 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081125 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4225817 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |