JP4208422B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造等の超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケ−ションプロセスに使用するポジ型レジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外線の中でも短波長のエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)を用いることが検討されるまでになってきている。
この波長領域におけるリソグラフィーのパターン形成に用いられるものとして、化学増幅系レジストがある。
【0003】
一般に化学増幅系レジストは、通称2成分系、2.5成分系、3成分系の3種類に大別することができる。2成分系は、光分解により酸を発生する化合物(以後、光酸発生剤という)とバインダー樹脂とを組み合わせている。該バインダー樹脂は、酸の作用により分解して、樹脂のアルカリ現像液中での溶解性を増加させる基(酸分解性基ともいう)を分子内に有する樹脂である。2.5成分系はこうした2成分系に更に酸分解性基を有する低分子化合物を含有する。3成分系は光酸発生剤とアルカリ可溶性樹脂と上記低分子化合物を含有するものである。
【0004】
上記化学増幅系レジストは紫外線や遠紫外線照射用のフォトレジストに適しているが、その中でさらに使用上の要求特性に対応する必要がある。
ArF光源用のフォトレジスト組成物としては、ドライエッチング耐性付与の目的で脂環式炭化水素部位が導入された樹脂が提案されているが、脂環式炭化水素部位導入の弊害として系が極めて疎水的になるがために、従来レジスト現像液として幅広く用いられてきたテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下TMAH)水溶液での現像が困難となったり、現像中に基板からレジストが剥がれてしまうなどの現象が見られる。
このようなレジストの疎水化に対応して、現像液にイソプロピルアルコールなどの有機溶媒を混ぜるなどの対応が検討され、一応の成果が見られるものの、レジスト膜の膨潤の懸念やプロセスが煩雑になるなど必ずしも問題が解決されたとは言えない。レジストの改良というアプローチでは親水基の導入により疎水的な種々の脂環式炭化水素部位を補うという施策も数多くなされている。
【0005】
特開平10−10739号公報には、ノルボルネン環等の脂環式構造を主鎖に有するモノマー、無水マレイン酸、カルボキシル基を有するモノマーを重合して得られる重合体を含むエネルギー感受性レジスト材料を開示している。特開平10−111569号公報には、主鎖に脂環式骨格を有する樹脂と感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物が開示されている。特開平11−109632号公報には、極性基含有脂環式官能基と酸分解性基を含有する樹脂を放射線感光材料に用いることが記載されている。
特許第3042618号には、ラクトン構造を有する(メタ)アクリレート誘導体を他の重合性化合物と共重合させて得られた重合体を含有するフォトレジスト組成物について記載されている。
【0006】
上記のように、遠紫外線露光用フォトレジストに用いられる、酸分解性基を含有する樹脂は、分子内に同時に脂肪族の環状炭化水素基を含有することが一般的である。このため樹脂が疎水性になり、それに起因する問題点が存在した。それを改良する上記のような種々の手段が種々検討されたが、上記の技術では未だ不十分な点が多く、改善が望まれている。
【0007】
特開2000−292917号公報には特定のスルホニウム塩(アニオンの炭素数1〜15)とトリアリールスルホニウム塩との混合酸発生剤、特開2000−275845号公報には炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸のトリフェニルスルホニウム塩と2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートとの組合せ、EP1041442A号には特定のスルホニウム塩(アニオンの炭素数1〜8)と炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸のトリフェニルスルホニウム塩又はヨードニウム塩との混合酸発生剤が記載されている。
【0008】
また、更なるパターンの微細化に対応するために、変形照明法や位相シフトマスクを用いるのが一般的であり、ラインアンドスペースパターンには輪帯照明、コンタクトホールにはハーフトーン位相シフトマスクが多く使用されている。
輪帯照明を用いた際の高解像力であり、デフォーカスラチチュードが広いことが望まれていた。デフォーカスラティチュードが広いとは、焦点ずれに伴うラインの幅の変動が小さいことを言う。
ハーフトーン位相シフトマスクを用いた場合、僅かな透過光によりパターン部が溶解してしまうサイドローブの問題があり、この解決が望まれていた。
【0009】
またホールピッチ依存性、露光マージン、経時保存による感度変動といった問題を有していた。更に、照射装置内あるいは装置外の経時での安定性(PED)についても悪化し、パターン寸法が変動してしまうという問題も生じた。
ここでPED(Post Exposure Delay)安定性とは、照射後に過熱操作を行なうまでの間照射装置内あるいは装置外で放置した場合の塗膜安定性である。
更に、樹脂をオキサイドエッチングしたときの膜減り均一性についても問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のフォトレジスト組成物の公知技術では、ハーフトーン露光適性、ホールピッチ依存性、露光マージン、経時保存による感度変動あるいはPED安定性に問題があり、更に樹脂をオキサイドエッチングしたときの膜減り均一性について問題があったため、更なる改良が望まれていた。
従って、本発明の目的は、ハーフトーン露光適性、ホールピッチ依存性、露光マージンが優れ、経時保存による感度変動を防止でき、またPED安定性が優れ、更に樹脂をオキサイドエッチングしたときの膜減り均一性についても優れたポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ポジ型化学増幅系レジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結果、特定の酸分解性樹脂、特定の酸発生剤及び特定の溶剤を用いることにより、本発明の目的が達成されることを知り、本発明に至った。
即ち、上記目的は下記構成によって達成される。
【0012】
(1)(A)下記一般式(pI)〜一般式(pVI)のいずれかで示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II)で示される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種、及び、下記一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂、及び、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
を含有し、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、トリアリールスルフォニウム塩、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物及び芳香環を有さないスルホニウム塩の群から選択される少なくとも2種含有する混合物(但し、下記一般式(I)で示されるスルホニウム塩及び下記一般式(I’)で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種と一般式(IIa)で示されるトリフェニルスルホニウム塩との組み合わせを除く)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【0013】
【化6】
【0014】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bは、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形成してもよい。
【0016】
【化7】
【0017】
(式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0018】
【化8】
【0019】
式(II)中:
R11',R12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有していてもよい脂環式構造を形成するための原子団を表す。
【化7】
式(I)中、Q1、Q2は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。Q3は、水素原子を表し、Q4は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を表すか、又はQ3とQ4が隣接するCHC(O)基と一緒になって2−オキソシクロアルキル基を表す。Q5SO3 -は有機スルホナートイオンを表す。但し、Q5が炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す場合は、Q3とQ4が隣接するCHC(O)基と一緒になって2−オキソシクロヘキシル基を表す場合を除く。
式(I‘)中、Qは、記載のS+とともに環を完成する炭素数3〜7の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基は、ケトン基を有していてもよく、また該脂環式炭化水素基の少なくとも1個の−CH2−が酸素原子もしくは硫黄原子に置換されていてもよい。
Q3は、水素原子を表し、Q4は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を表すか、又はQ3とQ4が隣接するCHC(O)基と一緒になって2−オキソシクロアルキル基を表す。Q5SO3 -は有機スルホナートイオンを表す。
式(IIa)中、P1〜P3は、互いに独立に、水素、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、P6SO3 -は、有機スルホナートイオンを表す。
(2)(A)の樹脂が有する一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位が、一般式(V−2)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位であることを特徴とする前記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0020】
(3) 前記一般式(II)におけるZ'が、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有していてもよい有橋式脂環式構造を形成するための原子団を表すことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0021】
(4) 前記一般式(II)が、下記一般式(II−A)又は一般式(II−B)であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0022】
【化9】
【0023】
式(II−A)、(II−B)中:
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、又は置換基を有していてもよいアルキル基あるいは環状炭化水素基を表す。
ここで、R5は、置換基を有していてもよい、アルキル基、環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は単結合又は2価の連結基を表す。
また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を表す。
R6は、置換基を有していてもよい、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。−Y基;
【0024】
【化10】
【0025】
(−Y基中、R21'〜R30'は、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。a,bは1又は2を表す。)
【0026】
以下に、好ましい態様を記載する。
(5)更に(C)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0027】
(6) 更に(D)下記溶剤A群から選択される少なくとも1種と下記溶剤B群から選択される少なくとも1種を含有する混合溶剤、もしくは溶剤A群から選択される少なくとも1種と下記溶剤C群から選択される少なくとも1種とを含有する混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
A群:プロピレングリコールモノアルキルエーテルアルコキシレート
B群:プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル及びアルコキシプロピオン酸アルキル
C群:γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート
【0028】
(7) 更に(D)下記溶剤A群から選択される少なくとも1種と下記溶剤B群から選択される少なくとも1種、及び下記溶剤C群から選択される少なくとも1種とを含有する混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
A群:プロピレングリコールモノアルキルエーテルアルコキシレート
B群:プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル及びアルコキシプロピオン酸アルキル
C群:γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート
【0029】
(8) 更に(D)乳酸アルキルのうち少なくとも1種と、エステル溶剤及びアルコキシプロピオン酸アルキルのうち少なくとも1種とを含有する混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(9)(D)の溶剤が、更にγ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートのうち少なくとも1種を含有することを特徴とする前記(8)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0030】
(10) 更に(D)下記溶剤D群から選択される少なくとも1種と下記溶剤E群から選択される少なくとも1種を含有する混合溶剤、もしくは溶剤D群から選択される少なくとも1種と下記溶剤F群から選択される少なくとも1種とを含有する混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
D群:ヘプタノン
E群:プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル及びアルコキシプロピオン酸アルキル
F群:γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート
【0031】
(11) 更に(D)下記溶剤D群から選択される少なくとも1種と下記溶剤E群から選択される少なくとも1種、及び下記溶剤F群から選択される少なくとも1種とを含有する混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
D群:ヘプタノン
E群:プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル及びアルコキシプロピオン酸アルキル
F群:γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する成分について詳細に説明する。
〔1〕(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂(「酸分解性樹脂」ともいう)。
【0033】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bは、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形成してもよい。
【0034】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状のアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。
直鎖状、分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜12個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。
【0035】
R1b〜R5bにおけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものが好ましい。
R1b〜R5bにおけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のものが好ましい。
また、R1b〜R5bの内の2つが結合して形成する環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の3〜8員環が挙げられる。
なお、一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1b〜R5bは、環状骨格を構成している炭素原子のいずれに連結していてもよい。
【0036】
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が有してもよい好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0037】
一般式(V−1)〜(V−4)で表される基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが上記一般式(V−1)〜(V−4)で表される基を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(V−1)〜(V−4)で表される基を表す)、又は下記一般式(AI)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
【0038】
【化11】
【0039】
一般式(AI)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1bとしてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
A’は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
B2は、一般式(V−1)〜(V−4)のうちのいずれかで示される基を表す。A’において、該組み合わせた2価の基としては、例えば下記式のものが挙げられる。
【0040】
【化12】
【0041】
上記式において、Rab、Rbbは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。r1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
【0042】
以下に、一般式(AI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
本発明の(A)酸分解性樹脂としては、上記一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位、及び他に脂肪族環状炭化水素基を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂であれば、何れでもよいが、上記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II)で示される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種を含有する樹脂であることが好ましい。
【0051】
一般式(pI)〜(pVI)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0052】
R11〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
本発明においては、上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。
【0057】
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0058】
上記樹脂における一般式(pI)〜(pVI)で示される構造は、アルカリ可溶性基の保護に使用することができる。アルカリ可溶性基としては、この技術分野において公知の種々の基が挙げられる。
具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、フェノール基、チオール基などが挙げられ、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基である。
上記樹脂における一般式(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性基としては、好ましくは下記一般式(pVII)〜(pXI)で表される基が挙げられる。
【0059】
【化23】
【0060】
ここで、R11〜R25ならびにZは、それぞれ前記定義に同じである。
上記樹脂において、一般式(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(pA)で示される繰り返し単位が好ましい。
【0061】
【化24】
【0062】
ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
Raは、上記式(pI)〜(pVI)のいずれかの基を表す。
【0063】
以下、一般式(pA)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示す。
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
上記一般式(II)において、R11'、R12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有していてもよい脂環式構造を形成するための原子団を表す。
【0071】
上記R11'、R12'におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
上記R11'、R12'、R21'〜R30'におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
【0072】
上記のアルキル基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができ、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキシ基等を挙げることができる。
【0073】
上記Z'の脂環式構造を形成するための原子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素の繰り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂環式構造を形成するための原子団が好ましい。
形成される脂環式炭化水素の骨格としては、下記構造で示すもの等が挙げられる。
【0074】
【化31】
【0075】
【化32】
【0076】
好ましい有橋式の脂環式炭化水素の骨格としては、上記構造のうち、(5)、(6)、(7)、(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、(23)、(28)、(36)、(37)、(42)、(47)が挙げられる。
【0077】
上記脂環式炭化水素の骨格には置換基を有していてもよい。そのような置換基としては、上記一般式(II−A)あるいは(II−B)中のR13'〜R16'を挙げることができる。
上記有橋式の脂環式炭化水素を有する繰り返し単位の中でも、上記一般式(II−A)あるいは(II−B)で表される繰り返し単位が更に好ましい。
【0078】
上記一般式(II−A)あるいは(II−B)において、R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5 、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、又は置換基を有していてもよいアルキル基あるいは環状炭化水素基を表す。
R5は、置換基を有していてもよい、アルキル基、環状炭化水素基又は前記の−Y基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は、単結合または2価の連結基を表す。
また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5 、−CN、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、−CO−NH−R6 、−CO−NH−SO2 −R6又は下記の−Y基を表す。
R6は、置換基を有していてもよい、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。
前記−Y基において、R21'〜R30'は、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、a、bは1又は2を表す。
【0079】
本発明に係わる樹脂において、酸分解性基は、上記−C(=O)−X−A'−R17'に含まれてもよいし、一般式(II)のZ'の置換基として含まれてもよい。
酸分解性基の構造としては、−C(=O)−X1−R0 で表される。
式中、R0 としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、3−オキソアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、2−メチル−2−アダマンチル基、メバロニックラクトン残基等を挙げることができる。X1は、上記Xと同義である。
【0080】
上記R13'〜R16'におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0081】
上記R5、R6、R13'〜R16'におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
【0082】
上記R5、R6、R13'〜R16'における環状炭化水素基としては、例えば環状アルキル基、有橋式炭化水素であり、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等を挙げることができる。
上記R13'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して形成する環としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の炭素数5〜12の環が挙げられる。
【0083】
上記R17'におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0084】
上記アルキル基、環状炭化水素基、アルコキシ基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基、アルキル基、環状炭化水素基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものが挙げることができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキシ基等を挙げることができる。
また、アルキル基、環状炭化水素基は、上記で挙げたものが挙げられる。
【0085】
上記A'の2価の連結基としては、アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせが挙げられる。
上記A'におけるアルキレン基、置換アルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Ra )(Rb )〕r −
式中、Ra 、Rb は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
【0086】
本発明に係る樹脂においては、酸の作用により分解する基は、前記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び後記共重合成分の繰り返し単位のうち少なくとも1種の繰り返し単位に含有することができる。
【0087】
上記一般式(II−A)あるいは一般式(II−B)におけるR13'〜R16'の各種置換基は、上記一般式(II)における脂環式構造を形成するための原子団ないし有橋式脂環式構造を形成するための原子団Zの置換基ともなるものである。
【0088】
上記一般式(II−A)あるいは一般式(II−B)で表される繰り返し単位の具体例として次の[II−1]〜[II−175]が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0089】
【化33】
【0090】
【化34】
【0091】
【化35】
【0092】
【化36】
【0093】
【化37】
【0094】
【化38】
【0095】
【化39】
【0096】
【化40】
【0097】
【化41】
【0098】
【化42】
【0099】
【化43】
【0100】
【化44】
【0101】
【化45】
【0102】
【化46】
【0103】
【化47】
【0104】
【化48】
【0105】
【化49】
【0106】
【化50】
【0107】
【化51】
【0108】
本発明の酸分解性樹脂は、更に下記一般式(IV)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することができる。
【0109】
【化52】
【0110】
一般式(IV)中、R1aは、水素原子又はメチル基を表す。
W1は、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
Ra1,Rb1,Rc1,Rd1,Re1は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。m,nは各々独立に0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下である。
【0111】
Ra1〜Re1の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
【0112】
一般式(IV)において、W1のアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rf)(Rg)〕r1−
上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。r1は1〜10の整数である。
【0113】
上記アルキル基における更なる置換基としては、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アセチルアミド基、アルコキシカルボニル基、アシル基が挙げられる。
ここでアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の低級アルキル基を挙げることができる。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。置換アルコキシ基の置換基としては、アルコキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0114】
以下、一般式(IV)で示される繰り返し構造単位に相当するモノマーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0115】
【化53】
【0116】
【化54】
【0117】
【化55】
【0118】
上記一般式(IV)の具体例において、露光マージンがより良好になるという点から(IV−17)〜(IV−36)が好ましい。
更に一般式(IV)の構造としては、エッジラフネスが良好になるという点からアクリレート構造を有するものが好ましい。
【0119】
また、本発明の酸分解性樹脂は、更に下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を含有することができる。
【0120】
【化56】
【0121】
一般式(VI)において、A6は単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
R6aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を表す。
【0122】
一般式(VI)において、A6のアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rnf)(Rng)〕r−
上記式中、Rnf、Rngは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数である。
一般式(VI)において、A6のシクロアルキレン基としては、炭素数3から10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0123】
Z6を含む有橋式脂環式環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜5)、アシル基(例えば、ホルミル基、ベンゾイル基)、アシロキシ基(例えば、プロピルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、水酸基、アルキルスルホニルスルファモイル基(-CONHSO2CH3等)が挙げられる。尚、置換基としてのアルキル基は、更に水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等で置換されていてもよい。
【0124】
一般式(VI)において、A6に結合しているエステル基の酸素原子は、Z6を含む有橋式脂環式環構造を構成する炭素原子のいずれの位置で結合してもよい。
【0125】
以下に、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
【化57】
【0127】
【化58】
【0128】
更に、下記一般式(VII)で表される基を有する繰り返し単位を含有してもよい。
【0129】
【化59】
【0130】
一般式(VII)中、R2c〜R4cは、各々独立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。
【0131】
一般式(VII)で表される基は、好ましくはジヒドロキシ体、モノヒドロキシ体であり、より好ましくはジヒドロキシ体である。
【0132】
一般式(VII)で表される基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが上記一般式(VII)で表される基を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(V−1)〜(V−4)で表される基を表す)、又は下記一般式(AII)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
【0133】
【化60】
【0134】
一般式(AII)中、R1cは、水素原子又はメチル基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。
【0135】
以下に、一般式(AII)で表される構造を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
【化61】
【0137】
更に、下記一般式(VIII)で表される基を有する繰り返し単位を含有してもよい。
【0138】
【化62】
【0139】
一般式(VIII)中:
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。ここでR41は、水素原子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基、又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。
【0140】
上記一般式(VIII)に於いて、Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。ここでR41は、水素原子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基、又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。
【0141】
上記R41及びR42におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
上記R41及びR42におけるハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基、ナノフルオロブチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、トリクロロメチル基等を挙げることができる。上記R42におけるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。
【0142】
R41及びR42としてのアルキル基及びハロアルキル基、R42としてのシクロアルキル基又は樟脳残基は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜5、例えば、ホルミル基、アセチル基等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜5、例えばアセトキシ基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14、例えばフェニル基)等を挙げることができる。
【0143】
上記一般式(VIII)で表される繰り返し単位の具体例として次の[I'−1]〜[I'−7]が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0144】
【化63】
【0145】
【化64】
【0146】
(A)成分である酸分解性樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有することができる。
【0147】
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0148】
具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルアクリレート):
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等。
【0149】
メタクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルメタアクリレート):
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等。
【0150】
アクリルアミド類:
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基等がある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等。
【0151】
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基等がある)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等。
【0152】
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等。
【0153】
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等。
【0154】
ビニルエステル類:
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等。
【0155】
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等。
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類;ジブチルフマレート等。
【0156】
その他クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等。
【0157】
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
【0158】
酸分解性樹脂において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
【0159】
本発明の酸分解性樹脂の好ましい態様としては、以下のものが挙げられる。
(1) 一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位と一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を含有するもの(側鎖型)
(2) 一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位と一般式(II)で表される繰り返し単位を含有するもの(主鎖型)
但し、(2)においては例えば、更に以下のものが挙げられる。
(3) 一般式(II)で表される繰り返し単位、無水マレイン酸誘導体及び一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位を有するもの
【0160】
酸分解性樹脂中、一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中2〜50モル%が好ましく、より好ましくは5〜40モル%、更に好ましくは10〜30モル%である。
酸分解性樹脂中、一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中30〜70モル%が好ましく、より好ましくは35〜65モル%、更に好ましくは40〜60モル%である。
酸分解性樹脂中、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜55モル%、更に好ましくは20〜50モル%である。
【0161】
また、上記更なる共重合成分の単量体に基づく繰り返し構造単位の樹脂中の含有量も、所望のレジストの性能に応じて適宜設定することができるが、一般的に、上記一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位と上記一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し構造単位と上記一般式(II)で表される繰り返し単位の合計した総モル数に対して99モル%以下が好ましく、より好ましくは90モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下である。
【0162】
本発明に用いる酸分解性樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20重量%以上であり、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
【0163】
本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000である。重量平均分子量が1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、200,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
【0164】
本発明のポジ型レジスト組成物において、本発明に係わる全ての樹脂の組成物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99重量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97重量%である。
【0165】
〔2〕(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、(B)成分又は酸発生剤ともいう)
本発明で用いられる酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、トリアリールスルフォニウム塩、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物及び芳香環を有さないスルホニウム塩の群から選択される少なくとも2種含有する混合物である。
【0166】
活性光線又は放射線の照射により酸を発生するトリアリールスルホニム塩とは、トリアリールスルホニウムをカチオンとする塩である。
トリアリールスルホニウムカチオンのアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。トリアリールスルホニムカチオンが有する3つのアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
【0167】
各アリール基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数4以上のアルキル基、炭素数4以上のアルコキシ基であり、最も好ましくはt−ブチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は3つのアリール基のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
【0168】
トリアリールスルホニウム塩のアニオンとしてはスルホン酸アニオンであり、好ましくは2位がフッ素原子によって置換されたアルカンスルホン酸アニオン、電子吸引性基で置換されたベンゼンスルホン酸であり、さらに好ましくは炭素数1〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオンであり、最も好ましくはパーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオンである。これら用いることにより酸分解性基の分解速度が向上し、感度が優れ、また発生酸の拡散性が制御され解像力が向上する。
【0169】
トリアリールスルホニウム構造は、−S−等の連結基により他のトリアリールスルホニウム構造と結合し複数のトリアリールスルホニウム構造を有してもよい。
電子吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基等を挙げることができる。
【0170】
以下に、本発明で使用できるトリアリールスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0171】
【化65】
【0172】
【化66】
【0173】
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物とは、例えば、以下の一般式(III)で表される化合物を挙げることができる。
【0174】
【化67】
【0175】
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
X-は、スルホン酸、カルボン酸、又はスルホニルイミドのアニオンを表す。
【0176】
R1c〜R5cとしてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)、炭素数3〜8の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
【0177】
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐、環状アルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
【0178】
R6c及びR7cとしてアルキル基については、R1c〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。アリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基)を挙げることができる。
Rx及びRyとしてのアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
【0179】
X-は、好ましくはスルホン酸アニオンであり、より好ましくは1位がフッ素原子によって置換されたアルカンスルホン酸アニオン、又は電子吸引性基で置換されたベンゼンスルホン酸である。
アルカンスルホン酸アニオンのアルカン部分は、アルコキシ基(例えば炭素数1〜8)、パーフルオロアルコキシ基(例えば炭素数1〜8)等の置換基で置換されていてもよい。また、電子吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基等を挙げることができる。
【0180】
X-は、さらに好ましくは炭素数1〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオンであり、より好ましくはパーフロロオクタンスルホン酸アニオン、最も好ましくはパーフロロブタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオンである。これら用いることにより酸分解性基の分解速度が向上し、感度が優れ、また発生酸の拡散性が制御され解像力が向上する。
【0181】
以下に、本発明で使用できるフェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0182】
【化68】
【0183】
【化69】
【0184】
芳香環を有さないスルホニウム塩とは、次式(II)で表されるスルホニウムをカチオンとする塩である。
【0185】
【化70】
【0186】
式中、R1b〜R3bは、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R1b〜R3bとしての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R1b〜R3bは、各々独立に、好ましくはアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
【0187】
R1b〜R3bとしてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基)を挙げることができる。
R1b〜R3bとしての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
【0188】
R1b〜R3bとしてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R1b〜R3bは、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1b〜R3bのうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R1b〜R3bの内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
【0189】
光反応性の観点から、R1b〜R3bのうちいずれか1つが炭素−炭素2重結合、あるいは炭素−酸素2重結合を有する基が好ましい。
芳香環を有さないスルホニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオンであり、好ましくは1位がフッ素原子によって置換されたアルカンスルホン酸アニオン、電子吸引性基で置換されたベンゼンスルホン酸であり、さらに好ましくは炭素数1〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオンであり、最も好ましくはパーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオンである。これら用いることにより酸分解性基の分解速度が向上し、感度が優れ、また発生酸の拡散性が制御され解像力が向上する。
尚、電子吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基等を挙げることができる。
【0190】
一般式(II)で表される化合物のR1b〜R3bの少なくともひとつが、一般式(II)で表される他の化合物のR1b〜R3bの少なくともひとつと結合する構造をとってもよい。
【0191】
以下に、本発明で使用できる芳香環を有さないスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0192】
【化71】
【0193】
【化72】
【0194】
本発明の組成物は、上記のトリアリールスルフォニウム塩、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物及び芳香環を有さないスルホニウム塩の群から選択される少なくとも2種を含有するが、以下の条件を満足することが好ましい。
【0195】
(1)トリアリールスルホニウム塩の添加量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、0.1重量%〜4重量%、好ましくは0.5重量%〜3.5重量%、更に好ましくは1重量%〜3重量%である。
(2)芳香環を有さないスルホニウム塩の添加量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、2重量%以上、好ましくは2.5重量%〜15重量%、更に好ましくは3重量%〜12重量%である。
(3)フェナシルスルホニウム塩の添加量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、1重量%以上、好ましくは2重量%〜12重量%、更に好ましくは3重量%〜8重量%含有する。
【0196】
本発明において、(1)トリアリールスルホニウム塩(以下(1)の酸発生剤という)と(2)芳香環を有さないスルホニウム塩(以下(2)の酸発生剤という)を組合わせて使用する場合、2つの酸発生剤の添加量の合計は、本発明の組成物中の固形分を基準として、2.1重量%以上であり、好ましくは2.5重量%〜20重量%、更に好ましくは3〜15重量%である。
上記(1)の酸発生剤と(2)の酸発生剤の使用重量比率((1):(2))は、3:97〜80:20が好ましく、より好ましくは5:95〜75:25であり、更に好ましくは8:92〜60:40である。
【0197】
本発明において、(1)の酸発生剤と(3)フェナシルスルホニウム塩(以下(3)の酸発生剤という)を組合わせて使用する場合、2つの酸発生剤の添加量の合計は、本発明の組成物中の固形分を基準として、1.1重量%以上であり、好ましくは1.5重量%〜12重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。
上記(1)の酸発生剤と(3)の酸発生剤の使用重量比率((1):(3))は、90:10〜15:85が好ましく、より好ましくは85:15〜20:80であり、更に好ましくは80:20〜25:75である。
この使用重量比率の範囲を外れると、サイドローブマージンに影響を及ぼすことがある。
【0198】
本発明において、(2)の酸発生剤と(3)の酸発生剤を組合わせて使用する場合、2つの酸発生剤の添加量の合計は、本発明の組成物中の固形分を基準として、3重量%以上であり、好ましくは4.5重量%〜20重量%、更に好ましくは6〜15重量%である。
上記(2)の酸発生剤と(3)の酸発生剤の使用重量比率((2):(3))は、3:97〜90:10が好ましく、より好ましくは5:95〜80:20であり、更に好ましくは8:92〜70:30である。
【0199】
本発明において、(1)の酸発生剤と(2)の酸発生剤及び(3)の酸発生剤を組合わせて使用する場合、3つの酸発生剤の添加量の合計は、本発明の組成物中の固形分を基準として、1.8重量%以上であり、好ましくは2重量%〜20重量%、更に好ましくは3〜15重量%である。
【0200】
(B)成分以外の併用しうる酸発生化合物
本発明においては、成分(B)以外に、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物を併用してもよい。
本発明の成分(B)と併用しうる光酸発生剤の使用量は、モル比(成分(B)/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜20/80、好ましくは100/0〜40/60、更に好ましくは100/0〜50/50である。
そのような併用可能な光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0201】
たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物を挙げることができる。
【0202】
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038 号、特開昭63-163452 号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0203】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0204】
上記併用可能な活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0205】
【化73】
【0206】
式中、R201は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3をしめす。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0207】
【化74】
【0208】
【化75】
【0209】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0210】
【化76】
【0211】
ここで式Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0212】
R203、R204、R205は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示し、少なくとも1個は置換もしくは未置換のアルキル基であり、少なくとも1個は置換もしくは未置換のアルール基である。アリール基としては、好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。
好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0213】
Z-は対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0214】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0215】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0216】
【化77】
【0217】
【化78】
【0218】
【化79】
【0219】
【化80】
【0220】
【化81】
【0221】
【化82】
【0222】
【化83】
【0223】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えば米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53-101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0224】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0225】
【化84】
【0226】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。
R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
【0227】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0228】
【化85】
【0229】
【化86】
【0230】
【化87】
【0231】
【化88】
【0232】
【化89】
【0233】
(4)下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0234】
【化90】
【0235】
ここでRは、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0236】
【化91】
【0237】
本発明における、特に好ましい併用酸発生剤としては、次のものを挙げることができる。
【0238】
【化92】
【0239】
〔3〕(C)フッ素系及び又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物には、好ましくはフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有する。
本発明のポジ型レジスト組成物には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記酸分解性樹脂と上記界面活性剤とを含有することにより、ホールピッチ依存性が小さくなり、露光マージンが良好になる。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-230165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9-5988号、米国特許5405720号、同5360692号、同5529881号、同5296330号、同5436098号、同5576143号、同 5294511号、同5824451号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
【0240】
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製)等フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0241】
界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、通常0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0242】
上記の他に使用することのできる界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの他の界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0243】
〔4〕(D)混合溶剤
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、(D)成分として混合溶剤を含有する。この混合溶剤として、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートのうち少なくとも1種(A群の溶剤ともいう)と、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル及びアルコキシプロピオン酸アルキルのうち少なくとも1種(B群の溶剤ともいう)及び/又はγ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート(C群の溶剤ともいう)とを含有する混合溶剤を挙げることができる。
即ち、(D)成分としては、A群の溶剤とB群の溶剤との組み合わせ、A群の溶剤とC群の溶剤との組み合わせ、A群の溶剤とB群の溶剤とC群の溶剤との組み合わせを用いる。A群の溶剤とB群の溶剤との組み合わせを用いると、コンタクトホールの解像において感度が優れ、レジスト液における初期のパーティクル発生が改善される。A群の溶剤とC群の溶剤との組み合わせにより、レジスト液の経時でパーティクルの増加及び感度変動が抑制され、経時安定性に優れたレジストが得られる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネートを好ましく挙げることができる。
【0244】
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げることができる。乳酸アルキルとしては、乳酸メチル、乳酸エチルを好ましく挙げることができる。アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルを好ましく挙げることができる。
【0245】
上記A群の溶剤とB群の溶剤の使用重量比率(A:B)は、90:10〜15:85が好ましく、より好ましくは85:15〜20:80であり、更に好ましくは80:20〜25:75である。
上記A群の溶剤とC群の溶剤の使用重量比率(A:C)は、99.9:0.1〜75:25が好ましく、より好ましくは99:1〜80:20であり、更に好ましくは97:3〜85:15である。
【0246】
この3種の溶剤を組み合わせる場合には、C群の溶剤の使用重量比率は、全溶剤に対して0.1〜25重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜17重量%である。
本発明において、上記各成分を含むレジスト組成物の固形分を、上記混合溶剤に固形分濃度として3〜25重量%溶解することが好ましく、より好ましくは5〜22重量%であり、更に好ましくは7〜20重量%である。
【0247】
本発明におけるプロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレー
トを含有する混合溶剤の好ましい組み合わせとしては、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル+プロピレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル+プロピレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート+プロピレンカーボネート
である。
【0248】
特に好ましい溶剤の組み合わせとしては、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート+γ−ブチロラクトン
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート+エチレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+プロピレングリコールモノメチルエーテル+プロピレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+乳酸エチル+プロピレンカーボネート
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート+3−エトキシエチルプロピオネート+プロピレンカーボネート
である。
【0249】
また、本発明の(D)成分としては、乳酸アルキルのうち少なくとも1種((1)の溶剤ともいう)と、エステル溶剤及びアルコキシプロピオン酸アルキル
のうち少なくとも1種((2)の溶剤ともいう)とを含有する混合溶剤である。(1)の溶剤への(2)の溶剤の添加により、コンタクトホールの解像において感度が優れ、レジスト液における初期のパーティクル発生が改善される。乳酸アルキルとしては、好ましくは乳酸メチル、乳酸エチルを挙げることができる。
【0250】
エステル溶剤としては酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ブチルを好ましく挙げることができ、より好ましくは酢酸ブチルである。アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルを好ましく挙げることができる。
【0251】
上記(1)の溶剤と(2)の溶剤の使用重量比率((1):(2))は、90:10〜15:85が好ましく、より好ましくは85:15〜20:80であり、更に好ましくは80:20〜25:75である。
【0252】
本発明においては、(D)の混合溶剤に、更にγ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートのうち少なくとも1種((3)の溶剤ともいう)を含有することが好ましい。(3)の溶剤を添加することにより、レジスト液の経時でパーティクルの増加及び感度変動が抑制され、経時安定性に優れたレジストが得られる。
(3)の溶剤の使用重量比率は、全溶剤に対して0.1〜25重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましく、より好ましくは3〜15%である。
本発明において、上記各成分を含むレジスト組成物の固形分を、上記混合溶剤に固形分濃度として3〜25重量%溶解することが好ましく、より好ましくは5〜22重量%であり、更に好ましくは7〜20重量%である。
【0253】
本発明における乳酸アルキルを含有する混合溶剤の好ましい組み合わせとしては、乳酸エチル+酢酸ブチル、乳酸エチル+酢酸ブチル+γ−ブチロラクトン、乳酸エチル+酢酸ブチル+エチレンカーボネート、乳酸エチル+酢酸ブチル+プロピレンカーボネート、乳酸エチル+3−エトキシプロピオン酸エチル+γ−ブチロラクトン、乳酸エチル+3−エトキシプロピオン酸エチル+エチレンカーボネート、乳酸エチル+3−エトキシプロピオン酸エチル+プロピレンカーボネートが挙げられ、更に好ましくは乳酸エチル+酢酸ブチル+γ−ブチロラクトン、乳酸エチル+酢酸ブチル+エチレンカーボネート、乳酸エチル+酢酸ブチル+プロピレンカーボネート、乳酸エチル+3−エトキシプロピオン酸エチル+γ−ブチロラクトン、乳酸エチル+3−エトキシプロピオン酸エチル+エチレンカーボネート、乳酸エチル+3−エトキシプロピオン酸エチル+プロピレンカーボネートである。
【0254】
更に、本発明の(D)成分としてはヘプタノンのうち少なくとも1種(D群の溶剤ともいう)と、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル及びアルコキシプロピオン酸アルキルのうち少なくとも1種(E群の溶剤ともいう)及び/又はγ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート(F群の溶剤ともいう)とを含有する混合溶剤を挙げることができる。
即ち、(D)成分としては、D群の溶剤とE群の溶剤との組み合わせ、D群の溶剤とF群の溶剤との組み合わせ、D群の溶剤とE群の溶剤とF群の溶剤との組み合わせを用いる。
D群の溶剤とE群の溶剤との組み合わせを用いると、コンタクトホールの解像において感度が優れ、レジスト液における初期のパーティクル発生が改善される。D群の溶剤とF群の溶剤との組み合わせにより、レジスト液の経時でパーティクルの増加及び感度変動が抑制され、経時安定性に優れたレジストが得られる。
【0255】
ヘプタノンとしては、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンを挙げることができ、好ましくは2−ヘプタノンである。
【0256】
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げることができる。乳酸アルキルとしては、乳酸メチル、乳酸エチルを好ましく挙げることができる。アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルを好ましく挙げることができる。
【0257】
上記D群の溶剤とE群の溶剤の使用重量比率(D:E)は、90:10〜15:85が好ましく、より好ましくは85:15〜20:80であり、更に好ましくは80:20〜25:75である。
上記D群の溶剤とF群の溶剤の使用重量比率(D:F)は、99.9:0.1〜75:25が好ましく、より好ましくは99:1〜80:20であり、更に好ましくは97:3〜85:15である。
【0258】
この3種の溶剤を組み合わせる場合には、F群の溶剤の使用重量比率は、全溶剤に対して0.1〜25重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜17重量%である。
本発明において、上記各成分を含むレジスト組成物の固形分を、上記混合溶剤に固形分濃度として3〜25重量%溶解することが好ましく、より好ましくは5〜22重量%であり、更に好ましくは7〜20重量%である。
【0259】
本発明におけるヘプタノンを含有する混合溶剤の好ましい組み合わせとしては、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン+乳酸エチル、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヘプタノン+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+プロピレンカーボネート、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+乳酸エチル+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+乳酸エチル+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル+プロピレンカーボネート、2−ヘプタノン+乳酸エチル+プロピレンカーボネート、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル+プロピレンカーボネートである。さらに好ましくは、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+乳酸エチル+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル+γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+乳酸エチル+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル+エチレンカーボネート、2−ヘプタノン+プロピレングリコールモノメチルエーテル+プロピレンカーボネート、2−ヘプタノン+乳酸エチル+プロピレンカーボネート、2−ヘプタノン+3−エトキシプロピオン酸エチル+プロピレンカーボネートである。
【0260】
本発明の上記の各混合溶剤は、本発明の効果を妨げない範囲で、必須でない他の溶剤を添加してもよい。このような他の溶剤の添加量は、一般的には、本発明の各混合溶剤100重量部に対し、30重量部以下である。他の溶剤としては、上記の各混合溶剤に必須な溶剤として例示した溶剤に加え、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0261】
〔4〕その他の添加剤
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じて更に酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、有機塩基性化合物、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
【0262】
本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物は、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
【0263】
【化93】
【0264】
ここで、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。
【0265】
【化94】
【0266】
(式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す)
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0267】
含窒素塩基性化合物の好ましい具体例として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ベンジルモルホリン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア(CHMETU)等の3級モルホリン誘導体、特開平11−52575号公報に記載のヒンダードアミン類(例えば該公報〔0005〕に記載のもの)等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0268】
特に好ましい具体例は、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、4,4−ジメチルイミダゾリン、ピロール類、ピラゾール類、イミダゾール類、ピリダジン類、ピリミジン類、CHMETU等の3級モルホリン類、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート等のヒンダードアミン類等を挙げることができる。
中でも、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、CHMETU、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲートが好ましい。
【0269】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、感光性樹脂組成物の全組成物の固形分に対し、通常、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。0.001重量%未満では上記含窒素塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10重量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0270】
本発明のこのようなポジ型レジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗膜の膜厚は0.2〜1.2μmが好ましい。
本発明において使用することができる無機基板とは、通常のBareSi基板、SOG基板、あるいは次に記載の無機の反射防止膜を有する基板等を挙げることができる。
また、本発明においては、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。
【0271】
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
【0272】
上記レジスト液を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上に(必要により上記反射防止膜を設けられた基板上に)、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは150nm〜250nmの波長の光である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
【0273】
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0274】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0275】
合成例(1) 樹脂(1)の合成(アクリル型)
2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート、ブチロラクトンメタクリレート、本発明の単量体を48/22/30の割合で仕込み、メチルエチルケトン/テトラヒドロフラン=9/1に溶解し、固形分濃度35%の溶液100mLを調製した。この溶液に和光純薬製V−65を2mol%、メルカプトエタノール2mol%加え、これを窒素雰囲気下、4時間かけて65℃に加熱したメチルエチルケトン10mLに滴下した。滴下終了後、反応液を4時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、メタノール/ISOプロピルアルコール=3/1の混合溶媒1.2Lに晶析、析出した白色粉体を瀘取した後、得られた粉体をメタノール1Lでリスラリーし目的物である樹脂(1)を回収した。
NMRから求めたポリマー組成比は49/22/29であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8900であった。
【0276】
上記合成例(1)と同様の操作で樹脂(2)〜(10)を合成した。
以下に上記樹脂(2)〜(10)の組成比、分子量を示す。(繰り返し単位1、2、3は構造式の左からの順番である。)
【0277】
【表1】
【0278】
また、以下に上記樹脂(1)〜(10)の構造を示す。
【0279】
【化95】
【0280】
【化96】
【0281】
【化97】
【0282】
合成例(2) 樹脂(11)の合成
ノルボルネンカルボン酸tブチルエステル、無水マレイン酸、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、本発明のアクリレートモノマーをモル比で30/30/20/20で反応容器に仕込み、メチルエチルケトン/テトラヒドロフラン=8/2混合溶媒に溶解し、固形分60%の溶液を調製した。これを窒素気流下65℃で加熱した。反応温度が安定したところで和光純薬社製ラジカル開始剤V−601を(4mol%)のメチルエチルケトン20%溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後4時間加熱した後、反応混合物を5倍量のヘキサン/メチルtブチルエーテル=3/1混合溶液に投入し白色粉体を析出させた。析出した粉体を再度テトラヒドロフランに溶解させ5倍量のヘキサンに投入し白色粉体を析出させ、濾過取り出した。この作業を再度繰り返し、乾燥、目的物である樹脂(11)を得た。
得られた樹脂(11)のGPCによる分子量分析(RI分析)を試みたところ、ポリスチレン換算で9700(重量平均)、残留モノマーの量は0.2%であった。また、NMRスペクトルより樹脂(1)の組成は本発明のノルボルネン/無水マレイン酸/2−メチル−2−アダマンチルアクリレート/本発明のアクリレートモノマーをモル比で22/30/25/23であった。
【0283】
合成例(2)と同様の方法で以下、樹脂(12)〜(29)を合成した。
以下に上記樹脂(12)〜(29)の組成比、分子量を示す。(脂環オレフィン、一般式(VIII)モノマー(無水物等)、アクリルモノマーは構造式の左からの順番である。)
【0284】
【表2】
【0285】
また、以下に上記樹脂(11)〜(29)の構造を示す。
【0286】
【化98】
【0287】
【化99】
【0288】
【化100】
【0289】
【化101】
【0290】
【化102】
【0291】
【化103】
【0292】
実施例1〜60及び比較例1〜2
(ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
上記合成例で合成した表3〜5に示す樹脂をそれぞれ2g
光酸発生剤、
有機塩基性化合物(アミン)5mg、
必要により界面活性剤(10mg)
を表3〜5に示すように配合し、それぞれ固形分14重量%の割合で表3〜5に示す溶剤に溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過し、実施例1〜60と比較例1〜2のポジ型レジスト組成物を調製した。
【0293】
尚、比較例1の樹脂としては、特許第3042618号の実施例10で合成した下記に示す構造の樹脂(以下樹脂Aという)を使用した。
【0294】
【化104】
【0295】
比較例2の樹脂としては、特開2000−159758号の下記に示す構造のPolymer12(以下樹脂Bという)を使用した。
【0296】
【化105】
【0297】
【表3】
【0298】
【表4】
【0299】
【表5】
【0300】
界面活性剤としては、
W1:メガファックF176(大日本インキ(株)製)(フッ素系)
W2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)(フッ素及びシリコーン系)
W3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
W4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
W5:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
を表す。
【0301】
アミンとしては、
1は、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)を表し、
2は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート
3は、トリn−ブチルアミン
4は、トリフェニルイミダゾール
5は、アンチピリン
6は、2,6−ジイソプロピルアニリン
を表す。
【0302】
溶剤としては、
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S2:乳酸エチル
S3:酢酸ブチル
S4:2−ヘプタノン
S5:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S6:エトキシプロピオン酸エチル
S7:γ−ブチロラクトン
S8:エチレンカーボネート
S9:プロピレンカーボネート
を表す。
【0303】
化合物(A)は下記の構造である。
【0304】
【化106】
【0305】
(評価試験)
初めにBrewer Science社製ARC−25をスピンコーターを利用してシリコンウエハー上に30nm塗布、乾燥した後、その上に得られたポジ型レジスト組成物溶液をスピンコータを利用して塗布し、樹脂1〜10を使用した系は130℃、それ以外は140℃で90秒間乾燥、約0.4μmのポジ型フォトレジスト膜を作成し、それにArFエキシマレーザー(193nm)で露光した。露光後の加熱処理を樹脂1〜10を使用した系は120℃、それ以外は130℃で90秒間行い、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像、蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得た。
このようにして得られたシリコンウエハーのレジストパターンを走査型顕微鏡(SEM)で観察し、レジストを下記のように評価した。
これらの評価結果を表6〜9に示す。
【0306】
〔PED安定性〕:0.13μmのラインパターンを再現する露光量でPED後(露光後23℃で60分間放置)の線幅が変動する変動率を下記式により評価し、得られた値をPED安定性として評価した。
PED安定性(%)= │(露光後経時したパターン(0.13μm)の線幅)−(露光後直ちに加熱処理した際の線幅)│/(0.13μm)×100
【0307】
〔PED経時変動〕:経時保存させた(4℃で1週間放置)ポジ型レジスト組成物溶液について、再度上記のようにPED安定性を評価し、経時前後での線幅変動率がどの様に変化しているかについて、下記式により評価し、得られた値をPED経時変動として評価した。
PED経時変動(%)= │(経時前のPED安定性(%)−(経時後のPED安定性(%)│/(経時前のPED安定性(%))×100
【0308】
〔経時保存前後の感度変動〕: このようにしてポジ型レジスト組成物溶液(塗液)の調液直後の感度(保存前の露光量)を評価し、また上記組成物溶液を4℃で1週間放置した後の感度(保存後の露光量)を評価し、下記式により感度変動率を評価した。
感度変動率(%)= │(保存前の露光量)−(保存後の露光量)│/(保存前の露光量)×100
【0309】
〔サイドローブ耐性〕: サイドローブ耐性の評価は、ハーフトーン位相シフトマスクを使用して、0.22μmを0.20μmに解像させ、0.18μmでのパターン上を観察し、サイドローブの発現が認められず良好なものを○、若干サイドローブの兆候が認められるものを△、サイドローブがはっきり確認されるものを×として示した。
【0310】
〔ホールピッチ依存性〕: 0.16μmのコンタクトホールパターン(密パターン)と孤立コンタクトホールパターン(疎パターン)において、それぞれ0.20μm±10%を許容する焦点深度の重なり範囲を求めた。この範囲が大きい程疎密依存性が良好なことを示す。
【0311】
〔露光マージン〕: 0.16μmのコンタクトホールを再現する露光量を最適露光量とし、0.16±10%の線幅を再現する露光量幅を最適露光量で割った値を100分率(%)で表した。数字が大きいほど露光量変化に対して線幅変化が少ない。
【0312】
〔膜減り均一性〕: 上記で得た0.16μmのコンタクトホールパターンをCHF3/O2=8/2プラズマで60秒間エッチングを行い、得られたサンプルの断面、及び表面をSEMで観察し、ピンホール状の欠陥(非加工予定部位の下層がエッチングされてしまう)を生じるものを×、表面荒れは生じるが欠陥が生じず、但し、ホールの変形があるものを△、表面荒れが小さく、ホールの変形のない良好なものを○とした。
【0313】
【表6】
【0314】
【表7】
【0315】
【表8】
【0316】
【表9】
【0317】
表6〜9の結果から明らかなように、本発明のポジ型レジスト組成物は、ハーフトーン露光適性、ホールピッチ依存性、露光マージンが優れ、経時保存による感度変動を防止でき、またPED安定性及び経時でのPED安定性が優れ、経時でのPED変動を防止でき、更に樹脂をオキサイドエッチングしたときの膜減り均一性についても優れていることが判る。
【0318】
【発明の効果】
本発明のポジ型レジスト組成物は、遠紫外光、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光に好適で、ハーフトーン露光適性、ホールピッチ依存性、露光マージンが優れ、経時保存による感度変動を防止でき、またPED安定性が優れ、経時でのPED変動を防止でき、更に樹脂をオキサイドエッチングしたときの膜減り均一性についても優れている。
従って、ArFエキシマレーザー露光を始めとする遠紫外線を用いたリソグラフィーに好適に用いられる。
Claims (5)
- (A)下記一般式(pI)〜一般式(pVI)のいずれかで示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II)で示される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種、及び、下記一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂、及び、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
を含有し、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、トリアリールスルフォニウム塩、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物及び芳香環を有さないスルホニウム塩の群から選択される少なくとも2種含有する混合物(但し、下記一般式(I)で示されるスルホニウム塩及び下記一般式(I’)で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種と一般式(IIa)で示されるトリフェニルスルホニウム塩との組み合わせを除く)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11',R12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有していてもよい脂環式構造を形成するための原子団を表す。
式(I‘)中、Qは、記載のS+とともに環を完成する炭素数3〜7の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基は、ケトン基を有していてもよく、また該脂環式炭化水素基の少なくとも1個の−CH2−が酸素原子もしくは硫黄原子に置換されていてもよい。
Q3は、水素原子を表し、Q4は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を表すか、又はQ3とQ4が隣接するCHC(O)基と一緒になって2−オキソシクロアルキル基を表す。Q5SO3 -は有機スルホナートイオンを表す。
式(IIa)中、P1〜P3は、互いに独立に、水素、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、P6SO3 -は、有機スルホナートイオンを表す。 - (A)の樹脂が有する一般式(V−1)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位が、一般式(V−2)〜(V−4)のいずれかで表される基を有する繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記一般式(II)におけるZ'が、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有していてもよい有橋式脂環式構造を形成するための原子団を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記一般式(II)が、下記一般式(II−A)又は一般式(II−B)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、又は置換基を有していてもよいアルキル基あるいは環状炭化水素基を表す。
ここで、R5は、置換基を有していてもよい、アルキル基、環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は単結合又は2価の連結基を表す。
また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を表す。
R6は、置換基を有していてもよい、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。
−Y基;
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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