JP4490647B2 - 燃料電池コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の住宅が集合した住宅群に導入される燃料電池コージェネレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電とその発電に伴う排熱を同時に利用するコージェネレーションシステムにおいて、家庭用では、例えば、燃料電池で電気を取り出すとともに燃料電池の排熱を給湯に利用する形態があり、さらに、近年では、燃料電池を効率よく運転することが可能なものまで提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−34161号公報(第6頁、第1図)
【0004】
もっとも、上記特許文献1は、個別住宅を対象とした燃料電池コージェネレーションシステムの一例であるが、近年では、複数の住戸で構成された集合住宅を対象した燃料電池コージェネレーションシステムも登場している。そこで、集合住宅に導入される従来の燃料電池コージェネレーションシステムについて、図7に基づいて説明する。
【0005】
図7に示すように、燃料電池コージェネレーションシステム101では、5戸の住戸111A,111B,111C,111D,111Eで構成された集合住宅の全体に対して、1台の燃料電池120及び1台の貯湯タンク131が設置されている。さらに、集合住宅の各住戸111A,111B,111C,111D,111Eにおいては、各バックアップバーナー112A,112B,112C,112D,112Eがそれぞれ設置されている。また、集合住宅の全住戸111A,111B,111C,111D,111Eに対して、電力線網103がぞれぞれ分配されている。さらに、電力線網103に対し、インバータ102が接続されている。
【0006】
この点、燃料電池120は、高分子電解質(PEFC)形で最高出力が5KWのものであり、PEFCスタック(発電モジュール)や、都市ガス等の化石燃料から水素リッチガスを生成する改質器、PEFCスタック及び改質器からの排熱をお湯として回収する熱交換器、PEFCスタック及び改質器などの運転を制御する制御装置105などから構成されている。また、貯湯タンク131は、その熱交換器からのお湯を貯めるものである。また、各バックアップバーナー112A,112B,112C,112D,112Eは、貯湯タンク131からの温水(お湯)を加熱するためのものである。
【0007】
また、インバータ102は、燃料電池120で発電された直流電流を交流電流に変換するものであり、さらに、集合住宅の各住戸111A,111B,111C,111D,111Eに対し、電力線網103を介して、各電力負荷113A,113B,113C,113D,113Eを燃料電池120と系統電力104とに接続するために必要な系統連系機能を有している。
【0008】
そして、図7の燃料電池コージェネレーションシステム101では、燃料電池120の発電電力は、インバータ102及び電力線網103を介して、集合住宅の各住戸111A,111B,111C,111D,111Eの電力負荷113A,113B,113C,113D,113Eで消費される。このとき、燃料電池120の発電電力が不足していると、その電力の不足分は、インバータ102を介して、系統電力104から買電される。一方、燃料電池120の余剰電力は、インバータ102を介した逆潮流により、電力系統104に売電される。
【0009】
尚、図7の燃料電池コージェネレーションシステム101では、燃料電池120などから回収された排熱は給湯して利用され、その余剰分は、貯湯タンク131に湯水として貯えられ、また、貯湯タンク131からの湯水の温度が要求温度に達していない場合には、集合住宅の各住戸111A,111B,111C,111D,111Eにおいて、各バックアップバーナー112A,112B,112C,112D,112Eで追い焚きするようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の燃料電池コージェネレーションシステム101では、通常、電力系統104を管轄する電力会社により逆潮流を厳しく制限されるので、集合住宅の各住戸111A,111B,111C,111D,111Eの電力負荷113A,113B,113C,113D,113Eの需要電力量を合計した総需要電力量に合わせた運転を行わなければならず、かかる総需要電力量が小さいときは、例えば、10%といった非常に低い負荷率で運転を行わなければならなかった。この点、非常に低い負荷率で運転を行われると、放熱や補機類のエネルギー消費割合が増加することなどによって、発電効率や排熱回収効率がともに大幅に低下するので、総合効率も非常に低いものとなり、ひいては、省エネルギーやCO2削減といった特性を十分に発揮することができなかった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、総需要電力量の変動があっても、発電効率や排熱回収効率が高い運転状態が維持されることにより、総合効率を向上させた燃料電池コージェネレーションシステムを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された発明は、燃料電池コージェネレーションシステムであって、住宅群に設置されるとともに独立運転可能な複数の発電モジュールで構成された燃料電池と、前記住宅群に設置されるとともに前記燃料電池の廃熱を前記住宅群の各住宅の給湯にそれぞれ利用するための貯湯タンクと、前記住宅群の全住宅の電力負荷にそれぞれ分配された電力線網と、前記電力線網を前記燃料電池の各発電モジュールと電力系統とに連係する連係手段と、を備えたこと、を特徴としている。
【0013】
このような特徴を有する本発明の燃料電池コージェネレーションシステムでは、燃料電池の発電電力が、連系手段及び電力線網で分電されて、住宅群の各住宅の電力負荷で消費される。このとき、燃料電池は、住宅群の各住宅の電力負荷の需要電力量を合計した総需要電力量に合わせた運転を行わなければならなくても、独立運転可能な複数の発電モジュールで構成されていることから、各発電モジュールの発電量と発電効率を考慮し、全入力原料に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュールの排熱回収量と排熱回収効率を考慮し、全入力原料に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュールの運転状態を決定することができる。
【0014】
すなわち、本発明の燃料電池コージェネレーションシステムでは、各発電モジュールの発電量と発電効率を考慮し、全入力原料に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュールの排熱回収量と排熱回収効率を考慮し、全入力原料に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュールの運転状態を決定することができるので、住宅群の総需要電力量の変動があっても、発電効率や排熱回収効率が高い運転状態が維持されることにより、総合効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明は、燃料電池コージェネレーションシステムであって、独立運転可能な複数の発電モジュールで構成された燃料電池と、前記燃料電池の排熱を給湯に利用するための貯湯タンクと、を備えたこと、を特徴としている。
【0016】
このような特徴を有する本発明の燃料電池コージェネレーションシステムでは、燃料電池は、総需要電力量に合わせた運転を行わなければならなくても、独立運転可能な複数の発電モジュールで構成されていることから、各発電モジュールの発電量と発電効率を考慮し、全入力原料に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュールの排熱回収量と排熱回収効率を考慮し、全入力原料に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュールの運転状態を決定することができる。
【0017】
すなわち、本発明の燃料電池コージェネレーションシステムでは、各発電モジュールの発電量と発電効率を考慮し、全入力原料に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュールの排熱回収量と排熱回収効率を考慮し、全入力原料に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュールの運転状態を決定することができるので、総需要電力量の変動があっても、発電効率や排熱回収効率が高い運転状態が維持されることにより、総合効率を向上させることができる。
【0018】
また、本発明は、上記に記載する燃料電池コージェネレーションシステムであって、前記燃料電池の各発電モジュールは、順次に運転が開始されるものであり、運転中の発電モジュールが最高出力状態になったことを条件として、未運転の発電モジュールの運転が開始されること、を特徴としている。
【0019】
また、本発明の燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池の各発電モジュールが、順次に運転が開始されるものであり、各発電モジュールの運転状態を決定するに際し、運転中の発電モジュールが最高出力状態になったことを条件として、未運転の発電モジュールの運転が開始されるようにすれば、運転中の発電モジュールの最高出力状態に維持される時間が長く確保され、運転中の発電モジュールを一定の負荷率で運転を行うことができるので、熱疲労を軽減差させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図1は、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムの一例を示した模式図である。図1に示すように、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1は、5戸の住戸11A,11B,11C,11D,11Eで構成された集合住宅に導入されたものであり、例えば、マンションの一つのフロアーに導入される。
【0021】
そして、図1に示すように、燃料電池コージェネレーションシステム1では、5戸の住戸11A,11B,11C,11D,11Eで構成された集合住宅の全体に対して、1台の燃料電池20及び1台の貯湯タンク31が設置されている。さらに、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eにおいては、各バックアップバーナー12A,12B,12C,12D,12Eがそれぞれ設置されている。また、集合住宅の全住戸11A,11B,11C,11D,11Eに対して、電力線網3がぞれぞれ分配されている。さらに、電力線網3に対し、インバータ2が接続されている。
【0022】
この点、燃料電池20は、高分子電解質(PEFC)形で最高出力が5KWのものであり、PEFCスタック(発電モジュール)や、都市ガス等の化石燃料から水素リッチガスを生成する改質器、PEFCスタック及び改質器からの排熱をお湯として回収する熱交換器、PEFCスタック及び改質器などの運転を制御する制御装置5などから構成されている。そして、燃料電池20は、最高出力が1KWの5つの発電モジュール21,22,23,24,25を有し、各発電モジュール21,22,23,24,25を制御装置5で独立に運転することができる。
【0023】
また、貯湯タンク31は、燃料電池20の熱交換器からのお湯を貯めるものである。また、各バックアップバーナー12A,12B,12C,12D,12Eは、貯湯タンク31からの温水(お湯)を加熱するためのものである。
【0024】
また、インバータ2は、燃料電池20で発電された直流電流を交流電流に変換するものであり、さらに、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eに対し、電力線網3を介して、各電力負荷13A,13B,13C,13D,13Eを燃料電池20と系統電力4とに接続するために必要な系統連系機能を有している。
【0025】
そして、図1の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20の発電電力は、インバータ2及び電力線網3を介して、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eの電力負荷13A,13B,13C,13D,13Eで消費される。このとき、燃料電池20の発電電力が不足していると、その電力の不足分は、インバータ2を介して、系統電力4から買電される。一方、燃料電池20の余剰電力は、インバータ2を介した逆潮流により、電力系統4に売電される。
【0026】
ところで、一般に、燃料電池コージェネレーションシステムでは、図1の燃料電池コージェネレーションシステム1も含めて、燃料電池の負荷率に応じて、放熱や補機類のエネルギー消費割合が増減することなどにより、発電効率や排熱回収効率が図2に示すような傾向にある。さらに、図3及び図4に示すように、燃料電池の発電モジュールの最高出力が大きくなれば、発電効率と排熱回収効率がともに高くなる傾向にある。
【0027】
従って、図3に示すように、例えば、2KWの発電を行う場合には、5KWの最高出力をもつ発電モジュールで発電すれば、発電効率は30%程度にとどまるが、各最高出力が1KWにある2台の発電モジュールを最高出力状態の運転で発電すれば、発電効率は最高の32%程度となる。
尚、前者(5KWの最高出力をもつ発電モジュールでの発電)は、従来技術の欄で説明した図7の燃料電池コージェネレーションシステム101で実施されるものであり、後者(各最高出力が1KWにある2台の発電モジュールを最高出力状態で運転する発電)は、本実施の形態の図1の燃料電池コージェネレーションシステム1で実施することができる。
【0028】
そこで、図1の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20を、各最高出力が1KWの5つの発電モジュール21,22,23,24,25で構成し、制御装置5により、各発電モジュール21,22,23,24,25を順次に運転する。
【0029】
具体的に言えば、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eの電力負荷13A,13B,13C,13D,13Eの需要電力量を合計した総需要電力量が0.8KWの場合は、例えば、一つの発電モジュール21を0.8KWで運転する。さらに、総需要電力量が0.8KWから1.8KWに上昇した場合は、運転中の発電モジュール21を1.0KWにまで上昇させて運転すると同時に、未運転中の発電モジュール22の運転を開始して0.8KWで運転する。さらに、総需要電力量が1.8KWから2.8KWに上昇した場合は、運転中の発電モジュール21を1.0KWで運転する一方、運転中の発電モジュール22を1.0KWにまで上昇させて運転すると同時に、未運転中の発電モジュール23の運転を開始して0.8KWで運転する。また、総需要電力量が2.8KWから3.8KWに上昇した場合は、運転中の発電モジュール21,22を1.0KWで運転する一方、運転中の発電モジュール23を1.0KWにまで上昇させて運転すると同時に、未運転中の発電モジュール24の運転を開始して0.8KWで運転する。また、総需要電力量が3.8KWから4.8KWに上昇した場合は、運転中の発電モジュール21,22,23を1.0KWで運転する一方、運転中の発電モジュール24を1.0KWにまで上昇させて運転すると同時に、未運転中の発電モジュール25の運転を開始して0.8KWで運転する。
【0030】
さらに、総需要電力量が4.8KWから5.0KWに上昇した場合は、運転中の発電モジュール21,22,23,24を1.0KWで運転する一方、運転中の発電モジュール25を1.0KWにまで上昇させて運転する。さらに、総需要電力量が5.0KWより大きい場合は、5つの発電モジュール21,22,23,24,25を1.0KWで運転すると同時に、電力の不足分を、インバータ2を介して、系統電力4から買電する。
【0031】
一方、総需要電力量が5.0KW以上から4.8KWに下降した場合は、例えば、4つの発電モジュール21,22,23,24を1.0KWで運転すると同時に、一つの発電モジュール25を0.8KWで運転する。さらに、総需要電力量が4.8KWから3.8KWに下降した場合は、発電モジュール25の運転を停止する一方、3つの発電モジュール21,22,23を1.0KWで運転すると同時に、一つの発電モジュール24を0.8KWで運転する。さらに、総需要電力量が3.8KW以上から2.8KWに下降した場合は、発電モジュール25,24の運転を停止する一方、2つの発電モジュール21,22を1.0KWで運転すると同時に、一つの発電モジュール23を0.8KWで運転する。さらに、総需要電力量が2.8KWから1.8KWに下降した場合は、発電モジュール25,24,23の運転を停止する一方、一つの発電モジュール21を1.0KWで運転すると同時に、一つの発電モジュール22を0.8KWで運転する。さらに、総需要電力量が1.8KWから0.8KWに下降した場合は、発電モジュール25,24,23,22の運転を停止する一方、一つの発電モジュール21を0.8KWで運転する。
尚、各発電モジュール21,22,23,24,25の運転の組合せは、これに限定されるものではない。
【0032】
そして、上述した具体例のように、各発電モジュール21,22,23,24,25を順次に運転すれば、図1の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電効率は、最高出力が1KWの5つの発電モジュール21,22,23,24,25を一つとして燃料電池20の負荷率を想定することにより、図5のように評価することができる。従って、燃料電池20の負荷率(総需要電力量)が低い領域でも、燃料電池20の負荷率(総需要電力量)が高い領域でも、最高又は最高に近い発電効率を維持することができる。
この点は、図1の燃料電池コージェネレーションシステム1の排熱回収効率についても、同様である。
【0033】
尚、図1の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20などから回収された排熱は給湯して利用され、その余剰分は、貯湯タンク31に湯水として貯えられ、また、貯湯タンク31からの湯水の温度が要求温度に達していない場合には、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eにおいて、各バックアップバーナー12A,12B,12C,12D,12Eで追い焚きするようになっている。
【0034】
ここで、一般的な家庭での実際の生活を想定した電力量・給湯量による、集合住宅の一住戸あたりの買電電力量とCO2排出量のシミュレーション結果を図6に示す。図6の上欄は、従来技術の欄で説明した図7の燃料電池コージェネレーションシステム101を5住戸で構成された集合住宅に導入した際の、一住戸あたりの買電電力量とCO2排出量を示すものである。一方、図6の下欄は、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1を5住戸で構成された集合住宅に導入した際の、一住戸あたりの買電電力量とCO2排出量を示すものである。
【0035】
但し、このシミュレーションでは、集合住宅の各住戸において、燃料電池の発電電力量が電力負荷の需要電力量に勝らないように、燃料電池コージェネレーションシステム1,101が制御されることを条件とした。さらに、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1では、制御装置5により、上述したように、各発電モジュール21,22,23,24,25が順次に運転される。
【0036】
図6の表によれば、従来技術の欄で説明した図7の燃料電池コージェネレーションシステム101における集合住宅の一住戸あたりの買電電力量を「100」とすると、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1における集合住宅の一住戸あたりの買電電力量は「81.8」になった。また、従来技術の欄で説明した図7の燃料電池コージェネレーションシステム101における集合住宅の一住戸あたりのCO2排出量を「100」とすると、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1における集合住宅の一住戸あたりのCO2排出量は「97.5」になった。
【0037】
従って、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1は、従来技術の欄で説明した図7の燃料電池コージェネレーションシステム101と比べて、集合住宅の一住戸あたりの買電電力量とCO2排出量を低く抑えることができる。
【0038】
尚、CO2排出量を低く抑えることができる点については、電力系統4を管轄する電力会社から連系装置2による逆潮流が厳しく制限される場合には、逆潮流を避けるために、燃料電池20の低出力運転を余儀なくされ、燃料電池20がその特性として持つCO2排出量の削減効果を発揮しにくい状況となるので、非常に有効である。
【0039】
以上詳細に説明したように、本実施の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20の発電電力が、インバータ2及び電力線網3で分電されて、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eの電力負荷13A,13B,13C,13D,13Eで消費される。このとき、燃料電池20は、独立運転可能な5つの発電モジュール21,22,23,24,25で構成されており、制御装置5によって、各発電モジュール21,22,23,24,25が順次に運転されるので、集合住宅の各住戸11A,11B,11C,11D,11Eの電力負荷13A,13B,13C,13D,13Eの需要電力量を合計した総需要電力量に合わせた運転が行われる際に、各発電モジュール21,22,23,24,25の発電量と発電効率を考慮し(図3参照)、都市ガス等の化石燃料の全入力量に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュール21,22,23,24,25の排熱回収量と排熱回収効率を考慮し(図4参照)、都市ガス等の化石燃料の全入力量に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュール21,22,23,24,25の運転状態を決定している。
【0040】
すなわち、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1では、各発電モジュール21,22,23,24,25の発電量と発電効率を考慮し(図3参照)、都市ガス等の化石燃料の全入力量に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュール21,22,23,24,25の排熱回収量と排熱回収効率を考慮し(図4参照)、都市ガス等の化石燃料の全入力量に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュール21,22,23,24,25の運転状態を決定しているので、5戸の住戸11A,11B,11C,11D,11Eで構成される集合住宅の総需要電力量の変動があっても、発電効率や排熱回収効率が高い運転状態が維持されることにより(図5参照)、総合効率を向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20の各発電モジュール21,22,23,24,25が、順次に運転が開始されるものであり、制御装置5によって、各発電モジュール21,22,23,24,25の運転状態を決定するに際し、運転中の発電モジュール21,22,23,24,25が最高出力状態になったことを条件として、未運転の発電モジュール21,22,23,24,25の運転が開始されるようにしており、運転中の発電モジュール21,22,23,24,25の最高出力状態に維持される時間が長く確保され、運転中の発電モジュール21,22,23,24,25を一定の負荷率(100%)で運転を行うことができるので、燃料電池20の熱疲労を軽減させることができる。
【0042】
また、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20は、独立運転可能な5つの発電モジュール21,22,23,24,25で構成されている。従って、5つの発電モジュール21,22,23,24,25のいずれかが故障しても、残りのもので対応することができるので、インバータ2を介して、系統電力4から買電する頻度が減少する。また、別の観点から言えば、5つの発電モジュール21,22,23,24,25のいずれかがメンテナンスのために運転できなくても、残りのもので対応することができる。
【0043】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステム1では、燃料電池20を、各最高出力が1KWにある5台の発電モジュール21,22,23,24,25で構成していたが、この点、各最高出力が異なる発電モジュールで構成してもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の燃料電池コージェネレーションシステムでは、各発電モジュールの発電量と発電効率を考慮し、全入力原料に対して発電量が最大となるように、また、各発電モジュールの排熱回収量と排熱回収効率を考慮し、全入力原料に対して排熱回収量が最大となるように、各発電モジュールの運転状態を決定することができるので、住宅群の総需要電力量の変動があっても、発電効率や排熱回収効率が高い運転状態が維持されることにより、総合効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による燃料電池コージェネレーションシステムを示した模式図である。
【図2】燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池の負荷率に対する発電効率や排熱回収効率の傾向を示した図である。
【図3】燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池の発電モジュールの最高出力が1KWと5KWのときの、燃料電池の負荷率に対する発電効率の傾向を示した図である。
【図4】燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池の発電モジュールの最高出力が1KWと5KWのときの、燃料電池の負荷率に対する排熱回収効率の傾向を示した図である。
【図5】本発明の一実施の形態による燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池の負荷率に対する見かけ上の発電効率を示した図である。
【図6】一般的な家庭での実際の生活を想定した電力量・給湯量による、集合住宅の一住戸あたりの買電電力量とCO2排出量のシミュレーション結果を示した図である。
【図7】集合住宅を対象とした従来の燃料電池コージェネレーションシステムの一例の模式図である。
【符号の説明】
1 燃料電池コージェネレーションシステム
2 インバータ
3 電力線網
4 電力系統
11A,11B,11C,11D,11E 集合住宅の住戸
13A,13B,13C,13D,13E 電力負荷
20 燃料電池
21,22,23,24,25 発電モジュール
31 貯湯タンク
Claims (2)
- 住宅群に設置されるとともに独立運転可能な複数の発電モジュールで構成された燃料電池と、
前記住宅群に設置されるとともに前記燃料電池の廃熱を前記住宅群の各住宅の給湯にそれぞれ利用するための共通の貯湯タンクと、
前記住宅群の全住宅の電力負荷にそれぞれ分配された電力線網と、
前記電力線網を前記燃料電池の各発電モジュールと電力系統とに連係する連係手段と、を備えたこと、
前記連係手段が、インバータであり、複数の前記発電モジュールおよび複数の前記住宅に対して共通の前記インバータが使用されていること、
前記燃料電池の各発電モジュールは、順次に運転が開始されるものであり、運転中の発電モジュールが最高出力状態になったことを条件として、未運転の発電モジュールの運転が開始されること、を特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。 - 請求項1に記載する燃料電池コージェネレーションシステムであって、
前記住宅群の各住宅にバックアップバーナーが設けられていること、を特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118348A JP4490647B2 (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 燃料電池コージェネレーションシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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