複数ページを連続して印刷する動作を実行する場合、ユーザからのプリント要求を受け付けたCPUによるプリント開始信号をマスクする期間は、一般に、ページの用紙サイズの違いによる設定変更や、紙すべりの発生による再印字に伴う設定変更など、複数の要素から適切に算出することが必要である。しかしながら、従来技術のように、次のプリント開始指示を受け付けるまでのマスク期間を一意に固定してしまうと、ノイズが十分に取り切れずに、次のページの画像の印字が誤動作したり、あるいは、マスク期間が終了するまでの間、正規の次のプリント開始指示を受け付けなくなる、という問題が生じる。
図12は、かかる状況を説明するためのタイミングチャートであり、従来のLSUコントローラにおけるプリント開始信号のマスク期間を説明するためのタイミングチャートである。図12(A)は、通常の用紙サイズに印刷する場合のタイミングチャートを示している。図12(A)は、用紙位置カウンタ16aの終了値を示す第1の閾値に「5」、印字位置カウンタ16cの終了値を示す第2の閾値に「9」を設定した場合のタイミングチャートである。プリント開始信号が入力されると、用紙位置カウンタ16aがプリント開始信号受信後のライン同期信号の個数をカウントする動作を開始する。用紙位置カウンタ16aは予め設定された第1の閾値「5」をカウントするまでLSUユニット17が出力するライン同期信号をカウントする。用紙位置カウンタ16aがライン同期信号を5本カウントすると、用紙位置カウンタ16aは印字位置カウンタ16cに対して印字開始信号を出力する。
印字位置カウンタ16cは印字開始信号を受信すると、印字開始信号受信後のライン同期信号の個数をカウントする動作を開始する。印字位置カウンタ16cは予め設定された第2の閾値「9」をカウントするまで、LSUユニット17が出力するライン同期信号をカウントする。印字位置カウンタ16cがライン同期信号を9本カウントすると、印字動作は終了する。
図12(A)に示すように、CPU13による1ページ目のプリント開始信号を出力した直後からライン同期信号を9個カウントするまでの間、次のプリント開始信号の出力はマスクされ、次のページのプリント開始信号が出力可能になるのは、現在印字中のページに関するプリント開始信号を出力してから10個目のライン同期信号のカウント時点、即ち、用紙位置カウンタ16aが第1の閾値「5」までカウントした後、印字位置カウンタ16cが動作を開始して「4」のカウントを開始した時点である。従って、2ページ目のプリント開始信号により用紙位置カウンタ16aが動作を開始してその終了値である第1の閾値「5」をカウントし印字開始信号を印字位置カウンタ16cに対して出力した時点で、丁度、1ページ目の印字動作が終了する終了値の第2の閾値「9」のカウントが終了して、次の用紙の印字が可能になっている。
次に、用紙サイズが大きい場合の印字動作について図12(B)を用いて説明する。図12(B)は、図12(A)に示したタイミングチャートの場合よりも大きな用紙サイズの印刷を行なった場合のタイミングチャートを示している。用紙サイズが図12(A)の場合よりも大きいので、印字位置カウンタの終了値即ち印字位置カウンタ16cの第2の閾値として、図12(A)に示すタイミングチャートよりも大きな値を設定する必要がある。
図12(B)では、図12(A)に示すタイミングチャートの場合における印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値「9」に対して、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値に「11」が設定されている。このように、用紙サイズが大きい場合には、それに伴い、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値が大きい値に設定されているので、図12(A)と同様にプリント開始信号のマスク期間をライン同期信号「9」本に一意に固定していた場合、プリント開始信号に対するマスクに不足期間が発生し、マスク不足期間中にノイズによる誤動作が発生した場合、誤った偽プリント開始信号が出力されて、2ページ目の用紙への印字を誤って開始してしまうという問題が生じる。
図12(B)では、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値の図12(A)の場合からの増加分である2ライン分のマスク不足期間が発生し、その間に発生するノイズした場合を示しており、発生した該ノイズによって2ページ目の用紙への印字位置カウンタ16cが誤って2ライン分早く動作を開始している。その結果、図12(B)では、1ページ目の用紙への印刷をカウントしている印字位置カウンタ16cの動作が終了する前に、2ページ目の印字位置カウンタ16cの動作を開始している。而して、前ページ(1ページ目)の印字領域に次ページ(2ページ目)の画像が重なって印字されてしまう事態が生じる。
次に、印刷を中止して再印刷を開始する場合の印字動作について図12(C)を用いて説明する。図12(C)は、図12(A)と同じ通常の用紙に対する印字動作を途中でリセットして、再印字を開始した場合のタイミングチャートを示している。一度、プリント開始指示を受信した後であっても用紙が紙すべりを起こした場合などにおいては、通常、再印字動作を行なうが、図12(C)では、該再印字動作を高速化するために用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値を小さい値に設定して、再度、プリント開始指示を受信するようにしている。
図12(C)では、用紙位置カウンタ16aが「1」の時に、プリントリセットが入力され、しかる後、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値に、通常印字動作よりも小さい値の「3」が再設定されている例を示している。ここで、用紙位置カウンタ16aの終了値が小さい値に再設定されているので、図12(A)と同様にプリント開始信号のマスク期間をライン同期信号「9」本に一意に固定していた場合、マスク期間が終了するまで正規のプリント開始信号を受け付けなくなるという問題が生じる。
図12(C)では、プリント開始信号のマスク期間を、図12(A)と同様に、「9」に固定しているため、たとえ、再印刷時における用紙位置カウンタ16aの第1の閾値を小さく設定しても、再印刷時における用紙位置カウンタ16aの第1の閾値の減少分である2ライン分のマスク延長時間が発生してしまうので、マスク延長時間経過後に漸く次のページ(2ページ目)のプリント開始信号を入力することが必要であった。
即ち、1ページ目のプリント開始指示としてプリント開始信号を出力後に用紙位置カウンタ16aが「1」までカウントした時点で用紙の紙すべりを検出した場合、印刷を再度し直すために、プリントリセットを一旦行ない、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値を「3」に変更設定して再度のプリント開始指示をして用紙位置カウンタ16aのカウント動作を起動する。用紙位置カウンタ16aが再起動すると、第1の閾値として変更設定した「3」に到達するまで、ライン同期信号のカウントを行なう。第1の閾値として変更設定した「3」に到達した時点で、印字位置カウンタ16cのカウント動作を起動することにより、印字領域を示す印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値「9」までカウントする間、垂直方向有効領域信号を画像生成ブロック16eに出力して画像データをLSUユニット17へ出力することになる。
一方、2ページ目の用紙へのプリント開始指示は、プリント開始信号受信後ライン同期信号を「9」までカウントしてマスク期間が終了する時点、即ち、1ページ目の用紙に対する印字動作中であることを示す印字位置カウンタ16cが「5」をカウントするまで抑止されており、マスクが解除された時点で漸く次のプリント開始信号が出力可能とされる。このため、この2ページ目の用紙に関しては、用紙位置カウンタ16aが次のページの用紙に対する終了値である第1の閾値「5」をカウントするまで、印字開始信号を印字位置カウンタ16cに対して出力しなくなる。その結果、次のページのプリント開始信号を用紙位置カウンタ16aに対して入力するまでに不要な待ち時間が発生し、迅速な印刷を妨げる場合が生じる。
また、ノイズ発生による誤動作を防止する方策として、以上のようなプリント開始信号に対するマスク期間を設ける方法の他に、前述のように、プリント開始信号を伝達する電気回路にコンデンサを追加してノイズを除去する方法もあるが、コンデンサの追加による追加コストが発生する上、コンデンサ挿入による印刷指示信号の伝達時間の遅延が発生し、正規のプリント開始信号の発行タイミングが遅れるという問題が生じてしまう。
即ち、従来の印刷装置においては、電気的なノイズの発生に伴い、動作開始タイミングを制御するプリント開始信号が誤認識され、LSUコントローラが誤動作する場合を防止するための工夫が提案されているものの、プリント開始信号の入力タイミングは、前述したように、出力ページの用紙サイズ、紙すべりによる設定変更などの複数の要素から算出されるものであり、プリント開始指示から一意に固定した一定時間経過するまでの間、次のページのプリント開始信号を受け付けないという方法では、ノイズではない正規のプリント開始指示についても、この一定時間経過するまでの間受け付けなくなるという問題を伴うものであった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、連続して複数のページを印刷する場合であっても、前のページの用紙サイズや、紙すべりによる設定変更に応じて、印刷動作のタイミングを調整することにより、ノイズによるプリント開始信号の誤認識を防止すると共に、正規のプリント開始信号の受付を妨げない機構を備えた印刷装置を提供することを目的としている。
第1の技術手段は、出力用紙へのプリントの開始を指示するプリント開始信号を受信した後ライン同期信号の個数をカウントする用紙位置カウンタと、該用紙位置カウンタのカウント値と出力用紙が印字可能な領域に移動したことを示す第1の閾値とを比較し、該カウント値が該第1の閾値に到達した際に印字開始信号を出力する第1の比較器と、該第1の比較器からの印字開始信号により起動して、出力用紙が印字可能な領域に移動した以降のライン同期信号の個数をカウントする印字位置カウンタと、該印字位置カウンタのカウント値と入力された画像データの印字が終了するまでのタイミングとして予め設定された第2の閾値とを比較し、該カウント値が該第2の閾値に到達するまでの間、該印字位置カウンタの該カウント値が示す出力用紙の印字位置への印字動作が実行中であり、該印字位置カウンタが動作中であることを示す垂直方向有効領域信号を出力する第2の比較器と、該第2の比較器から前記垂直方向有効領域信号が出力されている間、該印字位置カウンタの該カウント値が示す出力用紙の印字位置へ入力画像データを印字するための画像データとして生成する画像生成手段と、前記第2の比較器からの前記垂直方向有効領域信号の出力の有無に基づいて、出力有りのときは出力が停止するまで前記第1の比較器から出力される印字開始信号の前記印字位置カウンタに対する入力を抑止し、一方、出力無しのときは前記第1の比較器から出力される印字開始信号を前記印字位置カウンタに入力する印字開始信号のマスク回路と、を有する誤トリガ防止回路を備えている印刷装置を特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の印刷装置において、前記マスク回路が、前記第2の比較器からの前記垂直方向有効領域信号の出力の有無に基づいて、出力有りのときは出力が停止するまで前記印字位置カウンタを起動するための印字開始信号を無効にする無効状態と同一の信号を出力し、一方、出力無しのときは前記印字位置カウンタを起動するための印字開始信号を出力する選択器を備えていることを特徴とする。
第3の技術手段は、出力用紙へのプリントの開始を指示するプリント開始信号を受信した後ライン同期信号の個数をカウントする用紙位置カウンタと、該用紙位置カウンタのカウント値と出力用紙が印字可能な領域に移動したことを示す第1の閾値とを比較し、該カウント値が該第1の閾値に到達した際に印字開始信号を出力する第1の比較器と、該第1の比較器からの印字開始信号により起動して、出力用紙が印字可能な領域に移動した以降のライン同期信号の個数をカウントする印字位置カウンタと、該印字位置カウンタのカウント値と入力された画像データの印字が終了するまでのタイミングとして予め設定された第2の閾値とを比較し、該カウント値が該第2の閾値に到達するまでの間、該印字位置カウンタの該カウント値が示す出力用紙の印字位置への印字動作が実行中であり、該印字位置カウンタが動作中であることを示す垂直方向有効領域信号を出力する第2の比較器と、該第2の比較器から前記垂直方向有効領域信号が出力されている間、該印字位置カウンタの該カウント値が示す出力用紙の印字位置へ入力画像データを印字するための画像データとして生成する画像生成手段と、前記第2の比較器の前記第2の閾値から前記印字位置カウンタの現在のカウント値を減じた印字位置残りカウント値を算出する減算手段と、該減算手段が算出した前記印字位置残りカウント値と前記第1の比較器の前記第1の閾値とを比較した結果に基づいて、前記印字位置残りカウント値が前記第1の比較器の前記第1の閾値よりも大きい間、前記用紙位置カウンタへの次のプリント開始信号の入力を抑止し、一方、前記印字位置残りカウント値が前記第1の閾値以下になった際に、次のプリント開始信号を前記用紙位置カウンタへ入力するプリント開始信号のマスク回路と、を有する誤トリガ防止回路を備えている印刷装置を特徴とする。
第4の技術手段は、前記第3の技術手段に記載の印刷装置において、前記マスク回路が、前記第2の比較器の前記第2の閾値から前記印字位置カウンタの現在のカウント値を減じた印字位置残りカウント値を算出する減算手段と、該減算手段が算出した前記印字位置残りカウント値と前記第1の比較器の前記第1の閾値とを比較した結果に基づいて、前記印字位置残りカウント値が前記第1の比較器の前記第1の閾値よりも大きい間、前記用紙位置カウンタを起動するための前記プリント開始信号を無効にする無効状態と同一の信号を出力し、一方、前記印字位置残りカウント値が前記第1の閾値以下になった際に、前記用紙位置カウンタを起動するための前記プリント開始信号を出力する選択器を備えていることを特徴とする。
第5の技術手段は、前記第1又は2の技術手段に記載の印刷装置において、前記印字開始信号のマスクの設定を回避するために外部から指示するバイパス指示信号を用いて前記マスク回路を迂回するバイパス手段を更に備えていることを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第3又は4の技術手段に記載の印刷装置において、前記プリント開始信号のマスクの設定を回避するために外部から指示するバイパス指示信号を用いて前記マスク回路を迂回するバイパス手段を更に備えていることを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第5又は6の技術手段に記載の印刷装置において、前記マスク回路からの出力と該マスク回路を迂回する前記バイパス手段からの出力のいずれかを選択する選択器を備え、当該印刷装置を制御するCPU(Central Prosessor Unit)が前記バイパス指示信号を出力することによって、前記選択器の選択を制御することを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の印刷装置において、前記誤トリガ防止回路を少なくとも2つ以上備え、CPUが各誤トリガ防止回路毎に前記バイパス指示信号を出力することによって、各誤トリガ防止回路毎の前記選択器の選択を、各誤トリガ防止回路毎に独立に制御可能であることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第1又は2の技術手段に記載の印刷装置において、前記印字位置カウンタがライン同期信号の個数をカウントする動作中であることを示す前記垂直方向有効領域信号が出力中であった場合に前記印字開始信号が入力されてきた場合、ノイズとして検知して、前記印字位置カウンタが動作中であることを示す前記垂直方向有効領域信号が出力中であった場合に入力された前記印字開始信号の個数をカウントするノイズカウンタをノイズ検知回路として備えていることを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第3又は4の技術手段に記載の印刷装置において、前記減算手段が算出した前記印字位置残りカウント値が前記第1の比較器の前記第1の閾値よりも大きい場合に前記プリント開始信号が入力されてきた場合、ノイズとして検知して、前記印字位置残りカウント値が前記第1の比較器の前記第1の閾値よりも大きい場合に入力された前記プリント開始信号の個数をカウントするノイズカウンタをノイズ検知回路として備えていることを特徴とする。
第11の技術手段は、前記第9の技術手段に記載の印刷装置において、前記印字開始信号のマスクの設定を回避するために外部から指示するバイパス指示信号を用いて前記マスク回路を迂回するバイパス手段を更に備えていることを特徴とする。
第12の技術手段は、前記第10の技術手段に記載の印刷装置において、前記プリント開始信号のマスクの設定を回避するために外部から指示するバイパス指示信号を用いて前記マスク回路を迂回するバイパス手段を更に備えていることを特徴とする印刷装置。
第13の技術手段は、前記第11又は12の技術手段に記載の印刷装置において、前記ノイズ検知回路がノイズを検知した場合に、前記マスク回路からの出力を選択し、一方、前記ノイズ検知回路がノイズを検知していない場合には、前記マスク回路を迂回する前記バイパス手段からの出力を選択することを特徴とする。
第14の技術手段は、前記第9乃至13の技術手段のいずれかに記載の印刷装置において、前記ノイズ検知回路がノイズを検知した場合には、当該印刷装置を制御するCPU(Central Prosessor Unit)に対してノイズ検知信号として通知することを特徴とする。
第15の技術手段は、前記第14の技術手段に記載の印刷装置において、前記マスク回路からの出力と該マスク回路を迂回する前記バイパス手段からの出力のいずれかを選択する選択器を備え、当該印刷装置を制御するCPUが前記ノイズ検知信号の通知に応じて前記バイパス指示信号を出力することによって、前記選択器の選択を制御することを特徴とする。
第16の技術手段は、前記第15の技術手段に記載の印刷装置において、前記誤トリガ防止回路を少なくとも2つ以上備え、CPUが各誤トリガ防止回路毎に前記バイパス指示信号を出力することによって、各誤トリガ防止回路毎の前記選択器の選択を、各誤トリガ防止回路毎に独立に制御可能であることを特徴とする。
以上のような各技術手段から構成される本発明によれば、次のような効果が得られる。
印字位置カウンタが動作中に入力された次の印字開始信号をマスクすることができるので、連続して印刷を行なう場合であっても、前のページの印字を終了して印字位置カウンタがカウント動作を終了するまで次の印字開始信号をマスクし、前ページの印字誤動作につながるような誤ったタイミングで入力される次の印字開始信号をノイズとして除去することができる。この構成によって、用紙サイズなど印字有効領域の大きさの違い即ち垂直方向(副走査方向)の有効領域の大きさに応じて適切なマスク期間が設定され、入力されたノイズによって生じる偽印字開始信号をマスクし、次ページの画像の印字誤動作を確実に防止することができる。その結果、前ページの印字領域に次ページの画像が重なってしまうような不具合も発生しない。
また、印字位置カウンタの動作終了と同時にマスク期間が終了するので、最適なタイミングで印字開始信号のマスクを解除することができる。この構成により、印字開始信号に対するマスク期間の余分な延長により正規の印字開始指示を受け付けなくなるという問題も生じない。その結果、次のページのプリント開始信号を出力するまでに不要な待ち時間を生じることもなく、迅速な印刷を妨げてしまうような事態も防止することができる。
更に、印字位置カウンタの終了値即ち第2の閾値に到達するまでのライン同期信号の残りカウント値と用紙位置カウンタの終了値即ち第1の閾値とを比較することによって、プリント開始信号の入力によって起動される用紙位置カウンタが第1の閾値までのカウントを終了して次の印字開始信号を出力する時点で、印字位置カウンタがまだ動作しているか否かを判断することができる。即ち、用紙位置カウンタが第1の閾値までのカウントを終了する時点で印字位置カウンタがまだ動作していると判断した場合には、用紙位置カウンタに入力されるプリント開始信号をノイズとみなして受け付けないようにすることができる。もって、連続して印字を行なう場合であっても、印字可能領域まで用紙が移動したことを示す用紙位置カウンタの終了値即ち第1の閾値の大きさに応じて、適切なマスク期間が設定され、次ページの画像の印字誤動作を防止することができる。その結果、前ページの用紙の印字領域に次ページの画像が重なってしまうような不具合も発生しない。
また、紙すべりなどが発生してプリント動作のリセットをした後に、用紙位置カウンタの終了値即ち第1の閾値を、紙すべりの発生時点に応じて通常よりも小さい適切な値に再度設定し直してプリント開始信号を再受信した場合でも、次ページの用紙位置カウンタの終了値即ち第1の閾値の変更設定結果に応じてマスク解除タイミングが適切に決定される。この構成によって、適切なタイミングで印字開始信号のマスクを解除することができ、次に入力されてくる正規のプリント開始指示を受け付けなくなるという問題が生じることがない。その結果、次のページのプリント開始信号を出力するまでに不要な待ち時間を生じることもなく、迅速な印刷を妨げる事態も防止することができる。
更に、カラーコピーなどのように複数の色チャンネルを有する印刷装置においては、印字開始信号やプリント開始信号の入力をマスクするマスク回路を各色チャンネル毎に複数設けることによって、各色チャンネル毎に独立にマスク回路の使用と迂回とを選択することができる。この構成において、ノイズ検知回路を更に各色チャンネル毎に備えることにより、各色チャンネルにおけるノイズの混入回数を計測することもできる。
更に、印刷装置の動作を制御するCPUからの指示に従って、例えば印字開始信号の入力をマスクするマスク回路から出力される印字開始信号Bと、該マスク回路をバイパスしてマスクされていない印字開始信号Aとのいずれでも選択することができる。
更に、ノイズ検知回路を備えることによりノイズの混入があったことをCPUに通知し、該通知を受け取ったCPUの制御によって、マスク回路から出力される印字開始信号Bと、該マスク回路をバイパスしてマスクされていない印字開始信号Aとのいずれでも選択することができる。この構成により、例えば、ノイズが多い色チャンネルであれば、マスク回路から出力される印字開始信号Bを使用してノイズによる誤動作を効果的に防ぐことができる。また、ノイズの少ない色チャンネルであれば、マスクされていない印字開始信号Aを使用することができる。
ここで、例えば印字開始信号Aを使用した場合は、印字開始信号がマスクされないので、プリントリセット信号によってマスクを解除する手順を経ずに、直ちに次のプリント開始信号を入力しても該プリント開始信号を受け付けることができる。即ち、ノイズの多い環境であれば、ノイズマスク機能を使用して誤印字動作を防止することができ、一方、ノイズの少ない環境であれば、リセット信号によるマスク解除手順を省略して印字速度を向上することができる。而して、カラーコピーなどのように複数の色チャンネルを有する印刷装置においては、色チャンネル毎のノイズ発生量に応じて、各色チャンネル毎のマスク回路の使用、迂回を選択することができる。
以下に、本発明に係る印刷装置の最良の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の実施例において、誤トリガとは、ノイズ発生による間違ったタイミングで印刷動作を開始することを意味しているものとする。
(実施例1)
図1は、本発明に係る印刷装置の構成の一例を示すブロック構成図である。図1に示す印刷装置10は、従来技術にて説明した図10に示す従来の印刷装置20と、LSUコントローラを除く各回路ブロックは全く同一の構成であっても良く、同一の符号を付しており、以降の詳細な説明は省略する。従来の印刷装置20のLSUコントローラ16′と異なる誤トリガ防止回路を形成するLSUコントローラ16の構成について、図2に一例を示す。
図2は、本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの構成の一例を示すブロック構成図であり、図1に示す印刷装置10のLSUコントローラ16の構成の一例を示している。
図2(A)に示すLSUコントローラ16は、図11に示す従来のLSUコントローラ16′に対してマスク回路16fを追加した以外は、残りの各回路ブロックは全く同一の構成であっても良く、同一の符号を付している。ここに、追加したマスク回路16fは、図11に示すLSUコントローラ16′の比較器A 16bと印字位置カウンタ16cとの間に挿入して、本発明の特徴として説明する誤トリガ防止機能を実現するものであり、その構成の一例を図2(B)に示している。
図2(B)に示すように、誤トリガ防止機能を実現するマスク回路16fは選択器16f1により構成されている。選択器16f1には、比較器A 16bの出力する印字開始信号Aと第2の比較器即ち比較器B 16dが出力する垂直方向有効領域信号と無効状態を示す無効信号とを入力する。ここに、垂直方向有効領域信号とは、出力用紙に印字するための画像データの生成を指示するための信号であり、印字位置カウンタ16cのカウント値が示す出力用紙の印字位置(ライン位置)への印字動作が実行中の状態にあり、印字位置カウンタ16cがライン同期信号の個数をカウントする動作中であることを示している。
印字開始信号Aが入力されたときに、垂直方向有効領域信号が出力されていない場合、マスク回路16fは、印字位置カウンタ16cに対して出力する印字開始信号Bとして、無効な状態を示す無効信号を選択することなく、印字開始信号Aを選択して出力する。
一方、印字開始信号Aが入力されたときに、垂直方向有効領域信号が出力されている場合、無効信号を選択して出力することにより、マスク回路16fは印字開始信号Bとして印字開始信号Aが無効状態の場合と同一の信号を出力する(即ち、印字開始信号Aを出力せずにマスクする)。ここで、無効状態と同一の信号とは、例えば、印字開始信号が信号レベル「1」(High Level)で送られてくる場合には、印字開始信号が無効となる信号レベル「0」(Low Level)であることを示す。
このような構成とすることによって、印字位置カウンタ16cが動作中に、CPU13からのプリント開始信号を受け付けて印字開始信号が入力されてきても、印字位置カウンタ16cが途中でリセットされて誤動作するような事態の発生を防止することができる。
なお、マスク回路16fにおける印字開始信号のマスク機能については、必ずしも、無効信号と印字開始信号Aとの切り替え選択手段である選択器16f1を使用する必要はない。例えば、副走査方向の印字有効領域を示す垂直方向有効領域信号や比較器A 16bからの印字開始信号AがHレベル(High Level)で送信されてくる場合は、印字位置カウンタ16cに対して出力する印字開始信号Bとして、垂直方向有効領域信号と印字開始信号Aとの論理積を取っても良い。逆に、垂直方向有効領域信号や印字開始信号AがLレベル(Low Level)で送信されてくる場合は、垂直方向有効領域信号と印字開始信号Aとの論理和を取っても良い。
図3は、図1,2に示す本発明に係る印刷装置10のLSUコントローラ16の動作を説明するためのタイミングチャートである。図3(A)は、従来技術として図12(B)にて説明したように、用紙サイズが通常のサイズよりも大きく、用紙位置カウンタ16aの終了値である第1の閾値に「5」を、印字位置カウンタ16cの終了値である第2の閾値に「11」を設定した場合の動作例を説明している。
図3(A)において、1ページ目の用紙に関するプリント開始信号が入力されると、出力用紙の搬送動作が開始されると共に、用紙位置カウンタ16aが、プリント開始信号受信後におけるライン同期信号の個数のカウントを開始する。用紙位置カウンタ16aが、出力用紙が印字可能な領域まで移動したことを示す第1の閾値「5」までカウントすると、用紙位置カウンタ16aは、印字位置カウンタ16cに対して1ページ目の印字開始信号を出力する。1ページ目の印字開始信号を受信すると、印字位置カウンタ16cは、印字可能領域への出力用紙の移動後におけるライン同期信号の個数のカウント動作を開始する。
ここで、印字位置カウンタ16cがライン同期信号の個数のカウント動作中は垂直方向有効領域信号が出力される。即ち、副走査方向(垂直方向)の印字有効領域を示す垂直方向有効領域信号は、印字位置カウンタ16cのカウント値が示す出力用紙のライン位置への印字動作が実行中であり、印字位置カウンタ16cが動作中であることを示す信号であり、印字位置カウンタ16cのカウント値がゼロ以外(≠0)の場合を条件として判断されて出力される。
垂直方向有効領域信号が出力されている場合(図3(A)の例では、印字位置カウンタ16cのカウント値が「1」−「11」までの間)は、たとえ、用紙位置カウンタ16aが次の印字開始信号を出力してきたとしても、該印字開始信号の印字位置カウンタ16cへの入力はマスク回路16fによってマスクされた状態にされる。従って、図3(A)に示す例のように、印字位置カウンタ16cのカウント値が「4」の時点でノイズに起因する偽プリント開始信号が入力されて、用紙位置カウンタ16aが起動されるような場合に、用紙位置カウンタ16aのカウント値が第1の閾値「5」を経過した時点即ち印字位置カウンタ16cのカウント値が「9」を経過した時点で、偽印字開始信号が出力されたとしても、垂直方向有効領域信号が出力されている状態がまだ維持されていて、印字位置カウンタ16cが動作中の状態にある場合であるので、LSUコントローラ16のマスク回路16fによって偽印字開始信号はマスクされる。
誤トリガ防止回路として、このようなマスク回路16fを備えたLSUコントローラ16の構成とすることによって、印字位置カウンタ16cが動作中であることを示す垂直方向有効領域信号が比較器B 16dから出力されているか否かに基づいて、マスク回路16fにより、比較器A 16bから印字位置カウンタ16cへの次の印字開始信号の入力をマスクして、印字位置カウンタ16cの誤起動を抑止することを可能としている。
即ち、印字位置カウンタ16cの終了値である第2の閾値(図3(A)では、印字位置カウンタ16cのカウント値が「11」)まで経過して、垂直方向有効領域信号が有効な状態(出力されている状態)から無効な状態(出力されていない状態)に遷移するまでの間、即ち、例えばA3やA4などの用紙サイズに対応するような印字有効領域の大きさに応じて、印字位置カウンタ16cの動作状態が適切に変更設定される結果として、印字開始信号に対する適切なマスク期間が設定され、そのマスク期間内に発生するノイズの入力によって、次のページの画像の印字が誤動作することを確実に防止することができる。その結果、前ページの印字領域に次ページの画像が重なってしまうような不具合も発生しない。
図3(B)は、従来技術として図12(C)にて説明したように、プリント開始指示の受信後に用紙が紙すべりを起こした場合などのように、プリント開始信号受信後、プリント動作を一旦リセットする必要が生じて、しかる後に再印字動作を行なう際の動作を説明するものであり、プリント動作リセット後の再印字動作を高速化するために用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値を通常よりも小さな値に再設定して、再度、プリント開始指示即ちプリント開始信号を受信する場合の動作例を説明している。
図3(B)では、前述の図12(C)の場合と同様に、用紙位置カウンタ16aが「1」をカウントした時点で紙すべりなどを検出してプリント動作にリセットがかかっている。このような場合、用紙位置カウンタ16aにリセットがかかってプリント動作のリセット後に、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値を、紙すべりなどの発生時点に対応した値として「3」と通常の場合の「5」よりも小さな値に再度設定し直して、用紙位置カウンタ16aの動作を開始し、再設定した該第1の閾値「3」を経過した時点で、印字位置カウンタ16cが起動される。ここで、紙すべりなどを起こした当該用紙における有効印字領域を示す印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値は、通常の場合と同様に「9」に設定されているものとしている。
用紙の紙すべりなどが発生して、一度プリント動作にリセットがかかった場合であっても、印字位置カウンタ16cが印字開始信号を受信した場合、印字位置カウンタ16cの動作が開始され、印字位置カウンタ16cが「1」−「9」の間、印字位置カウンタ16cが動作中の状態にあるものとして、垂直方向有効領域信号が有効に出力されている状態に維持されていて、LSUコントローラ16のマスク回路16fによって偽印字開始信号はマスクされている。一方、印字位置カウンタ16cの終了値の「9」を経過すると同時に、印字開始信号に関するマスク期間が終了する。
誤トリガ防止回路として、このように、再印字動作時における用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値の再設定値を、紙すべりなどの発生時点に応じて通常よりも小さな値に変更設定すると共に、印字位置カウンタ16cの動作中における次の印字開始信号の入力をマスクするような構成とすることによって、印字位置カウンタ16cの終了値である第2の閾値(図3(B)では、印字位置カウンタ16cのカウント値が「9」)まで経過して、垂直方向有効領域信号が有効な状態から無効な状態に遷移するまでの間、即ち、出力用紙の印字有効領域の大きさに応じて印字位置カウンタ16cの動作状態が適切に変更設定される結果として、印字開始信号に対する適切なマスク期間が設定され、そのマスク期間に発生するノイズの入力によって、次のページの画像の印字が誤動作することを確実に防止することができる。
更には、第1の閾値を、紙すべりなどの発生時点に対応した小さな値に変更設定することに伴って適切なタイミングで印字開始信号のマスクを解除することができる。而して、連続して印字を行なった場合に、図12(C)の場合と異なり、正規のプリント開始指示まで受け付けなくなるという問題を確実に防止することができる。その結果、次のページのプリント開始信号を出力するまでに不要な待ち時間が発生することもなく、迅速な印刷を妨げる事態の発生を防止することができる。
(実施例2)
図4は、本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの構成の異なる例を示すブロック構成図であり、図1に示す印刷装置10のLSUコントローラ16の構成とは異なる例を示している。ここで、図2のLSUコントローラ16と異なる構成であることを示すために、図4ではLSUコントローラ16Aと異なる符号を付している。
図4(A)に示すLSUコントローラ16Aは、図11に示す従来のLSUコントローラ16′に対してマスク回路16gを追加した以外は、残りの各回路ブロックは全く同一の構成であっても良く、同一の符号を付している。ここに、追加したマスク回路16gは、図11に示すLSUコントローラ16′の用紙位置カウンタ16aの前段に挿入して、ユーザのプリント要求を受け付けたCPU13からのプリント開始信号を、追加したマスク回路16gにまず入力することにより、本発明の特徴として説明する誤トリガ防止機能を実現するものであり、その構成の一例を図4(B)に示している。
図4(B)に示すように、誤トリガ防止機能を実現するマスク回路16gは、減算器16g1、比較器C 16g2、選択器16g3、により構成されており、印字位置カウンタ16cから出力される現在の印字位置を示すカウント値、予め設定されている用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値、CPU13からのプリント開始信号Aが入力され、用紙位置カウンタ16aに対してプリント開始信号Bを出力する。
図4(B)に示すマスク回路16gにおいて、減算器16g1は、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値から印字位置カウンタ16cの現在のカウンタ値を減じる。減じた結果は、印字位置残りカウント値であり、出力用紙への印字を終了するまでの残りの所要時間として、印字位置カウンタ16cがカウントを終了するまでにカウントが必要な残りのライン同期信号の個数を示している。比較器C 16g2は、印字位置残りカウント値を第1の比較器即ち比較器A 16bに予め設定されている用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値と比較する。
比較した結果、
(用紙位置カウンタ16aの終了値)≧(印字位置カウンタ16cの印字位置残りカウント値)
であれば、CPU13からのプリント開始信号Aにより用紙位置カウンタ16aを動作させても、印字位置カウンタ16cが、用紙位置カウンタ16aよりも早く、終了値に到達して前ページの印字動作を終了することができる状態にあることを示している。
逆に、比較した結果、
(用紙位置カウンタ16aの終了値)<(印字位置カウンタ16cの印字位置残りカウント値)
であれば、CPU13からのプリント開始信号Aにより用紙位置カウンタ16aを動作させると、用紙位置カウンタ16aが、印字位置カウンタ16cよりも早く終了値に到達して、前ページの印字動作を終了する前に印字位置カウンタ16cを起動してしまう状態にあることを示している。
ここで、用紙位置カウンタ16aが、印字位置カウンタ16cよりも早く動作を終了する場合は、印字位置カウンタ16cの動作中に次の印字開始信号が印字位置カウンタ16cに対して入力されることを意味している。印字位置カウンタ16cの動作中に次の印字開始信号が印字位置カウンタ16cに入力されると、出力用紙への印字動作を実行中の状態にあって、印字位置カウンタ16cが動作中の状態にあるにも関わらず、途中でリセットされてしまうことになり、不具合を生じる。
比較器C 16g2からの出力は、選択器16g3の選択信号として接続される。選択器16g3は、比較器C 16g2の出力結果が、
(用紙位置カウンタ16cの終了値)≧(印字位置カウンタ16cの印字位置残りカウント値)
であれば、入力されたプリント開始信号Aをそのままプリント開始信号Bとして出力する。
一方、
(用紙位置カウンタ16cの終了値)<(印字位置カウンタ16cの印字位置残りカウント値)
であれば、プリント開始信号Aが無効状態の場合と同一の信号をプリント開始信号Bとして出力する(即ち、入力されたプリント開始信号Aを出力せずにマスクする)。
誤トリガ防止回路として、このようなマスク回路16gを備えたLSUコントローラ16Aの構成とすることによって、印字位置カウンタ16cの動作中の状態にある場合に、次の印字開始信号が印字位置カウンタ16cに入力されて、誤印字動作をするような事態の発生を確実に防止することができるように、印字開始信号の出力元となる用紙位置カウンタ16aを、即ち、プリント開始信号受信後におけるライン同期信号の個数をカウントするための用紙位置カウンタ16aを起動するプリント開始信号の入力をマスクすることができる。
図5は、図4に示す本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの動作の異なる例を説明するためのタイミングチャートであり、図4に示す印刷装置10のLSUコントローラ16Aの動作の一例を示している。
図5(A)は、図3(A)の場合と同様に、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値に「5」を、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値に「11」を設定した場合の動作例を説明している。
図5(A)において、1ページ目の用紙に関するプリント開始信号が入力されると、用紙位置カウンタ16aが、プリント開始信号受信後におけるライン同期信号の個数のカウントを開始する。用紙位置カウンタ16aが終了値即ち第1の閾値「5」までカウントすると、用紙位置カウンタ16aは、印字位置カウンタ16cに対して1ページ目の印字開始信号を出力する。印字位置カウンタ16cは1ページ目の印字開始信号を受信すると、印字位置カウンタ16cが動作を開始する。ここで、印字位置残りカウント値は、印字位置カウンタ16cの終了値である第2の閾値「11」から印字位置カウンタ16cの現在のカウント値を減じることにより算出される。
印字位置カウンタ16cのカウント値が「6」になったとき、減算器16g1で減算した印字位置残りカウント値は「5」であり、用紙位置カウンタ16cの終了値即ち第1の閾値「5」以下の小さな値になり、比較器C 16g2の出力がHレベルに変化する。比較器C 16g2の出力がHレベルになると、選択器16g3は、用紙位置カウンタ16aに対して出力するプリント開始信号Bとして、無効な状態を示す無効信号を選択することなく、CPU13からのプリント開始信号Aを選択して出力する。即ち、マスクを解除して、CPU13からのプリント開始信号Aの入力を受け付ける。
一方、印字位置カウンタ16cのカウント値がまだ「5」以下であり、減算器16g1で減算した印字位置残りカウント値が「6」以上で、用紙位置カウンタ16cの終了値即ち第1の閾値「5」よりも大きい値となっている間は、比較器C 16g2の出力がLレベルであるので、選択器16g3では、用紙位置カウンタ16aに対して出力するプリント開始信号Bとして、無効な状態を示す無効信号を選択されて、CPU13からのプリント開始信号Aはマスクされる。即ち、比較器C 16g2の出力がLレベルの間に入力されたCPU13からのプリント開始信号Aはノイズと判断して受け付けない状態になる。(例えば、図5(A)に示すように、印字位置カウンタ16cのカウント値が「4」のときに、ノイズが重畳して偽プリント開始信号が入力されてきた場合では、印字位置残りカウント値はまだ「7」であり、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値「5」よりも大きいので、該偽プリント開始信号はマスクされて、受け付けない状態とされている。)
誤トリガ防止回路として、このようなマスク回路16gを備えたLSUコントローラ16Aの構成とすることによって、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値から現在のカウント値を減算した印字位置残りカウント値と、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値との比較結果に基づいて、用紙位置カウンタ16aへの次のプリント開始信号の入力をマスクして、用紙位置カウンタの16aの誤起動を抑止することを可能としている。
即ち、印字位置残りカウント値が、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値以下になるまでの期間、即ち、出力用紙の印字有効領域の大きさに応じて適切に変更設定される印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値の大きさに基づいて、適切なマスク期間が設定され、そのマスク期間内に発生するノイズの入力によって、次のページの画像の印字誤動作を確実に防止することができる。その結果、前ページの印字領域に次ページの画像が重なってしまうような不具合も発生しない。
図5(B)は、図3(B)の場合と同様に、プリント開始指示の受信後に用紙が紙すべりを起こした場合などのように、プリント開始信号受信後、プリント動作を一旦リセットする必要が生じ、しかる後に再印字動作を行なう際の動作を説明するものであり、プリント動作リセット後の再印刷動作を高速化するために用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値を通常よりも小さな値に再設定して、再度、プリント開始指示即ちプリント開始信号を受信する場合の動作例を説明している。
図5(B)では、前述の図3(B)の場合と同様に、用紙位置カウンタ16aが「1」をカウントした時点で紙すべりなどを検出してプリント動作にリセットがかかっている。このような場合、用紙位置カウンタ16aにリセットがかかってプリント動作のリセット後に、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値を、紙すべりなどの発生時点に対応した値として、「3」と通常の場合の「5」よりも小さな値に再度設定し直して、用紙位置カウンタ16aの動作を開始し、再設定した該第1の閾値「3」を経過した時点で、印字位置カウンタ16cが起動される。ここで、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値は、通常の場合と同様に「9」に設定されているものとしている。
用紙の紙すべりなどが発生して、一度プリント動作にリセットがかかった場合であっても、印字位置カウンタ16cが印字開始信号を受信した場合に、印字位置カウンタ16cの動作が開始され、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値「9」までカウントする動作を行なうが、前述したように、印字位置カウンタ16cが「3」以下であり、減算器16g1で減算した印字位置残りカウント値が、「6」以上となって、用紙位置カウンタ16cの終了値即ち第1の閾値「5」よりも大きい値となっている間は、比較器C 16g2の出力がLレベルであるので、LSUコントローラ16Aのマスク回路16gによって偽プリント開始信号はマスクされている。
一方、印字位置カウンタ16cのカウント値が「4」になり、印字位置残りカウント値が用紙位置カウンタ16cの終了値即ち第1の閾値「5」と同じ値になると同時に、プリント開始信号に関するマスク期間が終了し、CPU13からの次のページに関するプリント開始信号を受け付ける状態になる。ここで、プリント開始信号に対するマスク期間即ちマスク解除タイミングは、現在のページの用紙に関する用紙位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値を、出力用紙の印字有効領域の大きさに応じて変更設定したような場合であっても、次ページの用紙に関する用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値「5」の値に応じて決定されるものであり、前述のように、紙すべりなどにより現在再印字中の状態にあるページに関して第1の閾値を変更設定されていたとしても、現在のページに関する用紙位置カウンタ16aの変更設定状況には一切依存していない。
誤トリガ防止回路として、このような再印字動作における用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値の再設定値を、紙すべりなどの発生時点に対応して通常よりも小さな値に変更設定すると共に、印字位置残りカウント値を用いて、印字位置カウンタ16cの動作中における次の印字開始信号の入力をマスクするような構成とすることによって、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値から現在のカウント値を減算した印字位置残りカウント値が、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値以下になるまでの間、即ち、出力用紙の印字有効領域の大きさに応じて適切に変更設定される印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値の大きさに応じて印字位置カウンタ16cの動作状態が適切に変更設定される結果として、プリント開始信号に対する適切なマスク期間が設定され、そのマスク期間内に発生するノイズの入力によって、次ページの画像の印字誤動作を確実に防止することができる。
更には、第1の閾値を、紙すべりなどの発生時点に対応した小さな値に変更設定することに伴って適切なタイミングでプリント開始信号のマスクを解除することができる。而して、連続して印字を行なった場合に、図12(C)の場合と異なり、正規のプリント開始指示まで受け付けなくなるという問題を確実に防止することができる。その結果、次のページのプリント開始信号を出力するまでに不要な待ち時間が発生することもなく、迅速な印刷を妨げる事態の発生を防止することができる。
(実施例3)
図6は、本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの構成の更に異なる例を示すブロック構成図であり、図2,4に示すLSUコントローラ16,16Aの構成とは異なる例を示している。ここで、図2,4のLSUコントローラ16,16Aと異なる構成であることを示すために、図6ではLSUコントローラ16Bと異なる符号を付している。
図6に示すLSUコントローラ16Bは、図2に示すLSUコントローラ16に対して選択器16hを更に追加して、マスク回路16fと印字位置カウンタ16cとの間に挿入すると共に、例えば色チャンネル毎に異なる複数のLSUコントローラ16Bにより構成することにより本発明の特徴として説明する誤トリガ防止機能を実現するものであり、残りの各回路ブロックは図2と全く同一の構成であって良く、同一の符号を付している。
ここに、更に追加した選択器16hの入力としては、マスク回路16fからの出力である印字開始信号Bと比較器A 16bからの出力である印字開始信号Aとを用い、マスク回路16fによる印字開始信号Aのマスク設定を回避するか否かを指示するために外部から入力される選択信号(バイパス指示信号)に従って、マスク回路16fをバイパスした印字開始信号A、又は、マスク回路16fからのマスク制御を伴った印字開始信号Bのいずれかが選択されて印字開始信号Cとして出力される。選択器16hから出力された印字開始信号Cは、印字位置カウンタ16cに入力されて、印字位置カウンタ16cのリセットと動作開始に用いられる。
選択器16hへ外部から入力する選択信号(バイパス指示信号)としては、ユーザからの指示に応じて印刷装置10の動作を制御するCPU13からのバイパス指示信号を用い、例えば、カラーコピーなどのような複数の色チャンネルを有する印刷装置の場合であれば、CPU13から色チャンネル毎に指定したバイパス指示信号を入力することにより、色チャンネル毎の複数のLSUコントローラ16Bのそれぞれについて、マスク回路16fをバイパスするか否かを選択し、色チャンネル毎に独立に印字開始信号A又は印字開始信号Bのいずれをマスクするか、あるいは、逆に有効にするかを選択して出力するように構成しても良い。
ここで、外部から入力する選択信号(バイパス指示信号)により、印字開始信号Aを選択した場合は、印字開始信号がマスクされていないので、プリント開始指示を受け付けた場合にマスクを解除する手順を経ずに、直ちに次のプリント開始信号を入力したとしても、該プリント開始信号を受け付けることができ、迅速な印字動作を行なうことができる。
即ち、外部から入力する選択信号(バイパス指示信号)を用いることにより、ノイズが多い環境で用いる場合であれば、ノイズをマスクする機能を使用して誤印字動作を防止可能とする一方、ノイズが少ない環境で用いる場合であれば、リセット信号によるマスク解除手順を省略して印字速度を向上させることができる。
なお、複数のLSUコントローラ16Bを誤トリガ防止回路として備える例を示す図6としては、図2のLSUコントローラ16のように、印字開始信号をマスクするマスク回路16fに選択器16hを適用する場合について説明しているが、プリント開始信号をマスクするマスク回路16gを備えた図4に示すLSUコントローラ16Aに対して適用するようにしても良く、この場合は、LSUコントローラ16Aのマスク回路16gと用紙位置カウンタ16aとの間に選択器16hを追加して挿入すれば良い。
印字開始信号やプリント開始信号をマスクする誤トリガ防止回路として、例えば色チャンネル毎に異なる複数のLSUコントローラ16Bを備えることにより、カラーコピーなどのように複数の色チャンネルを有する印刷装置において、色チャンネル毎に独立にマスク回路16f,16gの使用とバイパス(迂回)とを、ユーザの指示に応じて制御するCPU13からの色チャンネル毎の選択信号(バイパス指示信号)を用いて、任意に選択することができる。
また、誤トリガ防止回路として複数のLSUコントローラ16Bを備える場合のみに限らず、図2や図4に示す単一のLSUコントローラ16,16Aのみを備えて、単一のLSUコントローラ16,16Aに対して選択器16hを追加して挿入するようにしても良く、単一のLSUコントローラ16,16Aにおいて外部から入力する選択信号(バイパス指示信号)により選択器16hにて印字開始信号A又は印字開始信号Bのいずれかを、あるいは、プリント開始信号A又はプリント開始信号Bのいずれかを選択するようにしても良い。
(実施例4)
図7は、本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの構成の更に異なる例を示すブロック構成図であり、図2,4,6にそれぞれ示すLSUコントローラ16,16A,16Bの構成と更に異なる例を示している。ここで、図2,4,6のLSUコントローラ16,16A,16Bと異なる構成であることを示すために、図7ではLSUコントローラ16Cと異なる符号を付している。
図7に示すLSUコントローラ16Cは、図2に示すLSUコントローラ16に対して比較器A 16bの出力である印字開始信号Aと比較器B 16dの出力である垂直方向有効領域信号とを入力として、ノイズを検知するノイズ検知回路16iを更に備えることにより本発明の特徴として説明する誤トリガ防止回路を実現するものであり、残りの各回路ブロックは図2と全く同一の構成であって良く、同一の符号を付している。ここに、ノイズ検知回路16iは、加算器16i1、ノイズカウンタ16i2、比較器D 16i3、により構成されている。
ノイズカウンタ16i2は、垂直方向有効領域信号が有効に出力されている間に入力された印字開始信号の個数を、ノイズの混入回数としてカウントするカウンタである。印字開始信号A、垂直方向有効領域信号がHレベルの状態を「真」の状態とした場合、ノイズカウンタ16i2のカウント許可信号としては、比較器A 16bの出力である印字開始信号Aと比較器B 16dの出力である垂直方向有効領域信号との論理積が入力されており、両者の信号がHレベル(真)の場合に、ノイズカウンタ16i2のカウント動作を許可するように構成している。
ノイズカウンタ16i2の出力は、比較器D 16i3と、加算器16i1とに入力される。加算器16i1はノイズカウンタ16i2の出力に対して「1」を加算してノイズカウンタ16i2の入力に戻すことにより、印字位置カウンタ16cが動作中であることを示す垂直方向有効領域信号が出力中の状態にある場合において、印刷開始信号が入力される都度、ノイズとして検知して、「1」ずつカウントアップされてノイズ混入回数としてノイズカウンタ16i2に蓄積されていく。
誤トリガ防止回路として、このようなノイズ検知回路16iを備えたLSUコントローラ16Cの構成とすることによって、比較器B 16dの出力である垂直方向有効領域信号が有効に出力されている状態にある期間に、入力された印字開始信号の個数を、ノイズ混入回数としてノイズカウンタ16i2にてカウントすることができる。ここで、比較器B 16dの出力である垂直方向有効領域信号が有効に出力されている期間とは、前述のように、用紙の印字有効領域への画像データの印字動作を実行中であり、印字位置カウンタ16cが動作中にある期間のことであり、垂直方向有効領域信号が有効に出力されている期間に入力されてくる印字開始信号は、ノイズであると判断することができる。比較器D 16i3は、ノイズカウンタ16i2の出力と「0」とを比較し、ノイズカウンタ16i2の出力が「0」でなかった場合、ノイズが発生している旨を示す割り込み信号を出力することによってCPU13に対して通知する。
更に、ノイズカウンタ16i2がカウントする対象としては、印字開始信号ではなく、プリント開始信号であっても良い。即ち、誤トリガ防止回路としての構成例を示す図7には、図2のLSUコントローラ16に適用する場合について説明しているが、図4に示すLSUコントローラ16Aに対して適用するようにしても良い。図4のLSUコントローラ16Aへ適用する場合のように、プリント開始信号をノイズカウンタ16i2でカウントする場合は、ノイズカウンタ16i2のカウント許可信号としては、図7のように、比較器A 16bの出力である印字開始信号Aと比較器B 16dの出力である垂直方向有効領域信号との論理積が入力される代わりに、CPU13からのプリント開始信号Aと、印字位置カウンタ16cの印字位置残りカウント値が用紙位置カウンタ16aの終了値よりも大きくなっているか否かを示す判定結果の信号と、の論理積が入力されるようにし、両者の信号がHレベル(真)の場合に、ノイズカウンタ16i2のカウント動作を許可するように構成すれば良い。
即ち、プリント開始信号Aをノイズ混入回数としてノイズカウンタ16i2にてカウントする場合は、印字位置カウンタ16cの終了値即ち第2の閾値から印字位置カウンタ16cの現在のカウント値を減じた結果である印字位置残りカウント値を用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値と比較し、用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値の方が小さく、印字位置残りカウント値が用紙位置カウンタ16aの終了値即ち第1の閾値よりも大きい状態にある場合に、CPU13からプリント開始信号Aが入力されると、印字位置カウンタ16cがまだ動作中の状態にあるにも関わらず、用紙位置カウンタ16aのカウント値が第1の閾値に達して印字開始信号を出力してしまうため、このようなプリント開始信号Aについてはノイズとして検知してノイズカウンタ16i2がカウントアップするように構成にすれば良い。
印字位置残りカウント値が用紙位置カウンタ16aの終了値である第1の閾値よりも大きい状態にある場合に入力されるプリント開始信号の個数をノイズ混入回数としてノイズカウンタ16i2でカウントする場合の印刷装置10のLSUコントローラ16の構成を、図8に示している。ここに、図8は、本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの構成の更に異なる例を示すブロック構成図であり、図2、図4、図6、図7にそれぞれ示すLSUコントローラ16,16A,16B,16Cの構成と更に異なる例を示している。ここで、LSUコントローラ16,16A,16B,16Cと異なる構成であることを示すために、図8ではLSUコントローラ16Dと異なる符号を付している。
図8に示すLSUコントローラ16Dは、図4に示すLSUコントローラ16Aのマスク回路16gに加算器16i1、ノイズカウンタ16i2、比較器D 16i3、からなるノイズ検知回路16iを追加した構成とされている。ノイズ検知回路16iでは、CPU13からのプリント開始信号Aと比較器C 16g2の出力(即ち、印字位置カウンタ16cの印字位置残りカウント値が用紙位置カウンタ16aの終了値よりも大きくなっているか否かを示す判定結果の信号)との論理積をノイズカウンタ16i2のカウントアップ許可信号としている。
(実施例5)
図9は、本発明に係る印刷装置のLSUコントローラの構成の更に異なる例を示すブロック構成図であり、図2,4,6,7,8にそれぞれ示すLSUコントローラ16,16A,16B,16C,16Dの構成と更に異なる例を示している。ここで、図2,4,6,7,8のLSUコントローラ16,16A,16B,16C,16Dと異なる構成であることを示すために、図9ではLSUコントローラ16Eと異なる符号を付している。
図9に示すLSUコントローラ16Eは、図6に示すような複数のLSUコントローラ16Bそれぞれに対してそれぞれの比較器A 16bの出力である印字開始信号Aと比較器B 16dの出力である垂直方向有効領域信号とを入力として、それぞれのノイズを検知するノイズ検知回路16iを介して、CPU13に対して入力するように構成することにより本発明の特徴として説明する誤トリガ防止機能を実現するものであり、残りの各回路ブロックは図6と全く同一の構成であって良く、同一の符号を付している。ここに、複数のLSUコントローラ16Bそれぞれに対応して備えられるノイズ検知回路16iは、図7,8に示すノイズ検知回路16iと同様に、加算器16i1、ノイズカウンタ16i2、比較器D 16i3、により構成されている。
即ち、図9に示すLSUコントローラ16Eは、実施例4にて説明したノイズ検知回路16iによって偽印字開始信号や偽プリント開始信号がノイズとして検知されるか否かに基づいて、実施例3にて説明したLSUコントローラ16Bの場合と同様に、CPU13からのバイパス指示信号の出力を制御して、ノイズ検知回路16iによってノイズが検知された場合には、CPU13からのバイパス指示信号を出力しないようにして選択器16hにてマスク回路16fから出力される印字開始信号Bを選択して、ノイズが検知された色チャンネルに対してはノイズマスクを適用するように構成しているものである。なお、実施例4の場合と同様に、図9に示すLSUコントローラ16Eでは、ノイズカウンタ16i2がカウントする対象として、印字開始信号ではなく、プリント開始信号であっても良い。
誤トリガ防止回路として、図9に例示するように、色チャンネル毎に異なる複数のLSUコントローラ16Eを備えることにより、実施例3に説明した場合と同様に、各色チャンネル毎に独立にマスク回路16f,16gの使用とバイパス(迂回)とを、ユーザの指示に応じて制御するCPU13からの色チャンネル毎の選択信号(バイパス指示信号)を用いて、任意に選択することができ、更に、図9においては、ノイズ検知回路16iを備えることにより、ノイズ混入回数の多寡に応じて、各色チャンネル毎のマスク回路16f,16gの使用とバイパス(迂回)とをより効果的に選択することができる。
20…印刷装置、11…操作パネル、12…用紙位置センサ、13…CPU、14…各種制御モータ、15…CCD+画像処理ブロック、16,16′,16A,16B,16C,16D,16E…LSUコントローラ、16a…用紙位置カウンタ、16b…比較器A、16c…印字位置カウンタ、16d…比較器B、16e…画像生成ブロック、16f…マスク回路、16f1…選択器、16g…マスク回路、16g1…減算器、16g2…比較器C、16g3…選択器、16h…選択器、16i…ノイズ検知回路、16i1…加算器、16i2…ノイズカウンタ、16i3…比較器D、17…LSUユニット、18…ドラム+現像ユニット。