JP4488715B2 - 転がり案内ユニット - Google Patents
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Description
この従来の転がり案内ユニットは、例えば工作機械や産業機械などにおいて、部材を直線案内したり、トルクを伝達したりするために用いるものであり、機器側に固定するレール1と、このレール1を貫通させた筒部材2とを主要素としている。
なお、上記含油スリーブ11,11の機能については後で詳しく説明する。
また、上記のようにレール1に対して筒部材2が相対移動すると、軌道路a内のボール19は、一方の方向転換凹部18→リターン路b→他方の方向転換凹部18を経由して、エンドレスな経路を循環することになる。
つまり、含油スリーブ11をリターン路用孔10に組み込む場合には、このリターン路用孔10の内径を、含油スリーブ11の厚みを2倍足した分だけ、少なくとも大きくする必要がある。
この発明の目的は、設計する上で、自由度の高い転がり案内ユニットを提供することである。
図1に示すように、機器側に固定するレール1には、筒部材2を貫通させている。
上記筒部材2は、図1のE−E線断面である図2に示すように、本体3と、その摺動方向前後に設けたスペーサ4,4と、これらスペーサ4,4を介して固定するエンドキャップ5,5と、これらエンドキャップ5,5の外側を覆うエンドシール6,6とによって構成されている。そして、上記スペーサ4,4、エンドキャップ5,5、およびエンドシール6,6を、図1に示すネジ7によって本体3側に固定している。
上記リターン路用孔10,10の近傍には、断面形状が円形の組み込み穴20,20を、軸線方向にそれぞれ形成している。そして、これら組み込み穴20,20を、連通路21,21を介してリターン路用孔10,10に連通させている。なお、これら連通路21,21の幅は、組み込み穴20,20の直径よりも小さくしている。
これら含油部材22,22は、潤滑剤を含ませた多孔質構造の焼結樹脂材からなり、図4に示すように、断面形状が円形の円形部22aと、この円形部22aに連続させるとともに、その幅を円形部22aの直径よりも小さくした連続部22bとを有している。そして、これら含油部材22,22は、図3に示したように、組み込み穴20,20及び連通路21,21に挿入したときに、組み込み穴20,20及び連通路21,21に対してぴったりはまるように、含油部材22の形状及び寸法を設定している。
なお、この含油部材22,22の軸線方向の長さを、本体3の軸線方向長さよりも所定の長さだけ短くしているが、この所定の長さについては後で説明する。
図示するように、スペーサ4,4には、その内周に開口する軌道路用凹部14,14と、リターン路用孔15,15と、ネジ用孔16a,16aとを形成している。そして、スペーサ4,4を本体3に組み付けた状態で、図2に示したように、上記軌道路用凹部14,14が本体3側の軌道路a,aに連通し、図9に示したように、上記リターン路用孔15,15が本体3側のリターン路b、bに連通するようにしている。
なお、図9は、図3のG−G線断面図である。
そして、図5における符号14a,15aは案内溝であり、これら案内溝14a,15aを介して下記に説明するボール19を滑らかに案内するようにしている。
また、上記ガイド部23,23には案内面23a,23aを設け、この案内面23a,23aが、含油部材22の先端22cに連続するようにしている。
上記方向転換凹部18,18は、エンドキャップ5,5をスペーサ4,4側に組み付けたときに、スペーサ4、4の軌道路用凹部14,14(図2参照)およびリターン路用孔15,15(図9参照)に連通する。そのため、これら方向転換凹部18,18を介して本体3に設けた軌道路aとリターン路bとが連通することになる。つまり、このエンドキャップ5,5に形成した方向転換凹部18,18と、スペーサ4,4に設けたリターン路用孔15,15と、本体3に形成したリターン路bとによって、この発明における軌道路aの両端を連通する循環路を構成している。
また、上記のようにレール1に対して筒部材2が相対移動すると、軌道路a内のボール19は、一方の方向転換凹部18→リターン路b→他方の方向転換凹部18を経由して、軌道路aに循環されることになる。
例えば、図10,図11に示した第2実施形態では、組み込み穴30,30を、本体3の両端から形成しているが、これら組み込み穴30,30は貫通させていない。そして、図10に示すように、上記各組み込み穴30,30を、連通路31,31を介してリターン路用孔10,10に連通させるとともに、各組み込み穴30,30及び連通路31,31に、含油部材22をそれぞれ組み込んでいる。
したがって、組み込み穴30に含油部材22とガイド部23とを組み込むと、含油部材22とガイド部23とが接触する。
なお、上記組み込み穴30及び連通路31の断面形状と、上記含油部材22の断面形状は、上記第1実施形態と同じである。
また、組み込み穴30及び連通路31に組み込んだ含油部材22の先端22cを、リターン路用孔10内に臨ませる構成にしているので、含油部材22を組み込むために、わざわざリターン路用孔10の内径を大きくする必要が全くない分、設計上、高い自由度を得ることができる。
しかし、上記第1、第2実施形態では、含油部材20がリターン路用孔10側に移動することがないので、そのような問題は生じない。
また、連通路21の幅を組み込み穴20,30の直径よりも小さくするとともに、これら組み込み穴20,30及び連通路21,31に、円形部22aと連続部22bとからなる含油部材22を組み込む構成にすることで、この発明の移動規制機構を構成している。
すなわち、図3のI−I線断面図である図12に示すように、方向転換凹部18を経由したボール19は、遠心力の作用によって、リターン路用孔10によって構成されるリターン路bの軸線Aに直交する方向の分力Fを有している。そして、ボール19がリターン路b内に転がり込んだ時点では、上記分力Fがボール19に残存しているため、リターン路bに転がり込んだボールbが、含油部材22の先端22cに衝突する。
これに対して上記第1、第2実施形態によれば、ボール19の一部分に含油部材22,25を接触させる構成にしたので、その接触面積を設計段階で容易に調節することができるので、潤滑剤の供給量を最適に調整することができる。つまり、上記第1、第2実施形態によれば、含油部材に含ませた潤滑剤の供給量をコントロールしやすい。
このように連通路によって含油部材の移動を規制できれば、接着剤などで含油部材を組み込み穴に接着しなくてもすむ。接着剤などを使用しなくても済む分、製造コストを安くすることができる。また、接着剤の種類によっては、含油部材22が変形するおそれもあるので、このような観点からも、接着剤を使用しない上記第1、第2実施形態は有利である。
b この発明の循環路を構成するリターン路
1 レール
2 筒部材
10、15 この発明の循環路を構成するリターン路用孔
19 この発明の転動体に相当するボール
20,30 組み込み穴
21,31 連通路
22 含油部材
23 この発明のガイド部材に相当するガイド部
Claims (2)
- レールを摺動自在に貫通させた筒部材と、この筒部材とレールとが相まって構成される軌道路と、上記筒部材に形成するとともに直線状にしたリターン路用孔と曲線状にした方向転換凹部とによって構成されるとともに上記軌道路の両端を連通させる循環路と、上記循環路及び軌道路に設けた複数の転動体とを備え、上記リターン路用孔に沿って、転動体に潤滑油を供給するための含油部材を組み込む組み込み穴を軸線方向に形成し、上記レールと筒部材との相対移動に応じて転動体が循環路及び軌道路内を循環する案内ユニットにおいて、上記組み込み穴あるいはリターン路用孔のいずれか一方を、いずれか他方の軸線を通る円周であってかつ筒部材と同心の円周上に重ねて位置させるとともに、これら組み込み穴及びリターン路用孔の直径をほぼ同じにし、さらに上記組み込み穴とリターン路用孔とを連通路を介して連通させるとともに、この連通路の幅を組み込み穴及びリターン路用孔の直径よりも小さくし、この連通路を介して上記含油部材の一部をリターン路用孔に臨ませ、含油部材の一部を転動体に接触させる構成にしたことを特徴とする転がり案内ユニット。
- 上記リターン路用孔と方向転換路用凹部との境目からリターン路側にかけて組み込み穴を連通し、かつ、この組み込み穴にガイド部材と含油部材とを組み込み、上記ガイド部材をリターン路と方向転換路との境目から上記連通路を介してリターン路内に臨ませて、このガイド部材に連続させて上記含油部材をリターン路内に臨ませたことを特徴とする請求項1に記載の転がり案内ユニット。
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