JP4488715B2 - 転がり案内ユニット - Google Patents

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Description

この発明は、レールに対して筒部材を摺動自在に案内する転がり案内ユニットに関する。
従来の転がり案内ユニットとして、例えば図13に示すものが従来から知られている(特許文献1)。
この従来の転がり案内ユニットは、例えば工作機械や産業機械などにおいて、部材を直線案内したり、トルクを伝達したりするために用いるものであり、機器側に固定するレール1と、このレール1を貫通させた筒部材2とを主要素としている。
図13のA−A線断面図である図14に示すように、上記筒部材2は、本体3と、その摺動方向前後に設けたスペーサ4,4と、これらスペーサ4,4を介して固定したエンドキャップ5,5と、これらエンドキャップ5,5の外側を覆うエンドシール6,6とによって構成されている。そして、上記スペーサ4,4、エンドキャップ5,5、およびエンドシール6,6を、図15に示すネジ7,7によって、本体3側に固定している。
図16は、図14のB―B線断面図であるが、上記本体3の内周には、一対の軌道溝8,8を軸線方向に形成している。一方、上記レール1の表面にも、一対の軌道溝9,9を軸線方向に形成している。そして、図示するように、本体3に貫通させたレール1の軌道溝9,9を、本体3側の上記軌道溝8,8に対向させると、これら軌道溝9と軌道溝8とが相まって、軌道路a,aが構成される。
また、上記本体3には、一対のリターン路用孔10,10を軸線方向に形成している。そして、これらリターン路用孔10,10に、潤滑剤を含ませた筒状の含油スリーブ11,11を挿入している。そして、これら含油スリーブ11、11内をリターン路b,bとしている。
なお、上記含油スリーブ11,11の機能については後で詳しく説明する。
また、図16に示すように、本体3には、一対のネジ穴12,12と、一対の位置決め凹部13,13とを形成している。上記ネジ穴12,12は、その内周に雌ネジを形成し、この雌ネジに上記ネジ7,7を固定するようにしている。一方、上記位置決め凹部13,13は、上記エンドキャップ5,5に設けた位置決め突起p,p(図19参照)を挿入するための穴である。
図17は、図14のC−C線矢視図であって、スペーサ4,4をエンドキャップ5,5側から見た平面図である。このスペーサ4,4は、図示するように、その内周に開口する軌道路用凹部14,14と、リターン路用孔15,15と、ネジ用孔16a,16aと、位置決め用孔17,17とを形成している。そして、このスペーサ4,4を本体3に組み付けると、図14に示したように、上記軌道路用凹部14,14が本体3側の軌道路a,aに連通し、図20に示すように、上記リターン路用孔15,15が本体3側のリターン路b、bに連通するようにしている。また、上記ネジ用孔16a,16aが図16に示した本体3側のネジ孔12,12に連通し、上記位置決め用孔17,17が、本体3側の位置決め凹部13,13に連通するようにしている。
上記のようにしたスペーサ4,4を介してエンドキャップ5,5を設けているが、このエンドキャップ5,5は、本体3側から見た平面図である図18に示すように、方向転換凹部18,18と、ネジ用孔16b,16bとを形成している。そして、これらエンドキャップ5,5をそれぞれスペーサ4,4に組み付けたときに、上記方向転換凹部18,18が図17に示したスペーサ4、4の軌道路用凹部14,14及びリターン路用孔15,15に連通する。そのため、これら方向転換凹部18,18を介して軌道路aとリターン路bとが連通することになる。そして、エンドキャップ5,5に形成した方向転換凹部18,18と、スペーサ4,4に設けたリターン路用孔15,15と、本体3に形成したリターン路bとによって、軌道路aの両端を連通する循環路を構成している。
上記のようにして、軌道路aの両端を連通させると、一対のエンドレスな経路が構成されるが、この経路には、複数のボール19を組み込んでいる。そして、これらボール19を、上記レール1の軌道溝9と筒部材2の軌道溝8とに接触させることで転がり運動させて、レール1に対する筒部材2の滑らかな運動を維持している。
また、上記のようにレール1に対して筒部材2が相対移動すると、軌道路a内のボール19は、一方の方向転換凹部18→リターン路b→他方の方向転換凹部18を経由して、エンドレスな経路を循環することになる。
上記の構成において、レール1に対する筒部材2の高精度の運動を長期にわたって維持するためには、ボール19の転がり抵抗を少なくするとともに、ボール19自体の摩耗や、このボール19が転がり運動する軌道路aやリターン路bの摩耗を最小限に抑える必要がある。そのためには、上記ボール19や軌道路a等に、潤滑剤を定期的あるいは連続的に供給する必要がある。
そこで、上記従来の転がり案内ユニットでは、図16図20に示したように、潤滑剤を含浸させた含油スリーブ11を、リターン路用孔10に軸線方向に組み込むことによって、最適な潤滑を維持するようにしている。すなわち、上記含油スリーブ11は、潤滑剤を含ませることができる多孔質構造の焼結樹脂材によって構成されている。そして、この含油スリーブ11内をボール19が転がることによって、含油スリーブ11に含浸させた潤滑剤を、ボール19の表面に適度にしみ出させるようにしている。そして、このように表面に潤滑剤を供給されたボール19が、軌道路a内やリターン路b内を転がることによって、経路全体にも潤滑剤が供給されるようにしている。
特開2001−082469号公報(図7)
上記従来の転がり案内ユニットでは、ボール19に潤滑剤を供給するために、リターン路用孔10に含油スリーブ11を組み込んでいるが、このように含油スリーブ11を組み込む分、リターン路用孔10の内径を大きくする必要がある。すなわち、含油スリーブ11の内径は、ボール19の直径以上でなければならない。また、この含油スリーブ11の厚みは、この含油スリーブ11に含ませる潤滑剤の容量によって決まる。したがって、含油スリーブ11の外径というのは、少なくとも、ボール19の直径に、含油スリーブ11の厚みの2倍を加えた値以上にする必要がある。なお、含油スリーブ11の厚みの2倍を加算するのは、含油スリーブ11が筒状になっているからである。
一方、リターン路用孔10に含油スリーブ11を組み込まない場合には、リターン路用孔10の内径は、ボール19の直径よりも僅かに大きくするだけでよい。
つまり、含油スリーブ11をリターン路用孔10に組み込む場合には、このリターン路用孔10の内径を、含油スリーブ11の厚みを2倍足した分だけ、少なくとも大きくする必要がある。
ところが、このリターン路用孔10,10というのは、図16に示すように、筒状の本体3において、その厚みの部分に形成されているので、その内径を大きくすると、肉厚が薄くなって強度不足が生じたり、場合によっては側面に穴が開いてしまったりすることがある。したがって、含油スリーブ11を本体3に組み込む場合には、この本体3の外径を大きくするか、あるいは、本体3の内径を小さくしなければならない。しかしながら、本体3の外径を大きくすると、筒部材2が大型化してしまう。また、本体3の内径を小さくすると、レール1の直径を細くしなければならず、レール1の強度が不足してしまう。
つまり、従来の転がり案内ユニットは、構造的な制約があるために、含油スリーブ11を本体3に組み込もうとした場合に、設計する上で、自由度が低いという問題があった。
この発明の目的は、設計する上で、自由度の高い転がり案内ユニットを提供することである。
上記の課題を解決するために、第1の発明は、レールを摺動自在に貫通させた筒部材と、この筒部材とレールとが相まって構成される軌道路と、上記筒部材に形成するとともに直線状にしたリターン路用孔と曲線状にした方向転換凹部とによって構成されるとともに上記軌道路の両端を連通させる循環路と、上記循環路及び軌道路に設けた複数の転動体とを備え、上記リターン路用孔に沿って、転動体に潤滑油を供給するための含油部材を組み込む組み込み穴を軸線方向に形成し、上記レールと筒部材との相対移動に応じて転動体が循環路及び軌道路内を循環する案内ユニットにおいて、上記組み込み穴あるいはリターン路用孔のいずれか一方を、いずれか他方の軸線を通る円周であってかつ筒部材と同心の円周上に重ねて位置させるとともに、これら組み込み穴及びリターン路用孔の直径をほぼ同じにし、さらに上記組み込み穴とリターン路用孔とを連通路を介して連通させるとともに、この連通路の幅を組み込み穴及びリターン路用孔の直径よりも小さくし、この連通路を介して上記含油部材の一部をリターン路用孔に臨ませ、含油部材の一部を転動体に接触させる構成にしたことを特徴とする。
の発明は、上記第1の発明を前提にしつつ、上記リターン路用孔と方向転換路用凹部との境目からリターン路用凹部にかけて組み込み穴を連通し、かつ、この組み込み穴にガイド部材と含油部材とを組み込み、上記ガイド部材をリターン路と方向転換路との境目から上記連通路を介してリターン路内に臨ませて、このガイド部材に連続させて上記含油部材をリターン路用孔内に臨ませたことを特徴とする。
第1〜第4の発明によれば、含油部材を組み込んだ組み込み穴を、軌道路又は循環路に連通させるとともに、この連通させた部分を介して含油部材を軌道路又は循環路内に臨ませて、含油部材の一部を転動体に接触させる構成にしたので、含油部材を組み込むために、軌道路や循環路の内径を大きくする必要がない。このように含油部材を組み込むために、軌道路や循環路の内径を大きくする必要がないので、設計する上で、高い自由度を得ることができる。
しかも、上記連通路の幅は含油部材の組み込み穴の直径よりも小さいので、組み込み穴に組み込んだ含油部材がリターン路側にずれたりしない。したがって、連通路を介してリターン路側に臨ませた含油部材がリターン路にはみだしたりせずリターン路の通路断面積小さくしない。このように、リターン路の通路断面積を小さくしないのでリターン路内の転動体の転がり抵抗が大きくならない
の発明によれば、リターン路と方向転換路との境目からリターン路側にかけて連通させた組み込み穴に、ガイド部材と含油部材とを組み込み、上記ガイド部材をリターン路と方向転換路との境目からリターン路内に臨ませるとともに、このガイド部材に連続させて上記含油部材をリターン路内に臨ませたので、リターン路に転がり込んだ転動体は、上記ガイド部によってガイドされた後、含油部材側に移動する。含油部材側に達した時点では、転動体のリターン路の軸線に直交する方向の分力は小さくなっているので、含油部材に転動体が強く衝突することはない。したがって、含油部材の摩耗を防止することができる。
図1〜図9に、この発明の第1実施形態を示すが、従来と同じ構成要素については同じ符号を付して説明する。
図1に示すように、機器側に固定するレール1には、筒部材2を貫通させている。
上記筒部材2は、図1のE−E線断面である図2に示すように、本体3と、その摺動方向前後に設けたスペーサ4,4と、これらスペーサ4,4を介して固定するエンドキャップ5,5と、これらエンドキャップ5,5の外側を覆うエンドシール6,6とによって構成されている。そして、上記スペーサ4,4、エンドキャップ5,5、およびエンドシール6,6を、図1に示すネジ7によって本体3側に固定している。
図3は、図2のF―F線断面図であるが、上記本体3の内面には、一対の軌道溝8,8を軸線方向に形成している。一方、上記レール1の表面にも、一対の軌道溝9,9を軸線方向に形成している。そして、図示するように、本体3に貫通させたレール1の軌道溝9,9を、上記本体3側の軌道溝8,8に対向させると、これら軌道溝8,8と軌道溝9,9とが相まって、軌道路a,aが構成される。
また、上記本体3には、一対のリターン路用孔10,10を軸線方向に形成し、これらリターン路用孔10、10内を、リターン路bとしている。
上記リターン路用孔10,10の近傍には、断面形状が円形の組み込み穴20,20を、軸線方向にそれぞれ形成している。そして、これら組み込み穴20,20を、連通路21,21を介してリターン路用孔10,10に連通させている。なお、これら連通路21,21の幅は、組み込み穴20,20の直径よりも小さくしている。
上記組み込み穴20,20及び連通路21,21には、潤滑剤を含ませた含油部材22,22をそれぞれ挿入している。
これら含油部材22,22は、潤滑剤を含ませた多孔質構造の焼結樹脂材からなり、図4に示すように、断面形状が円形の円形部22aと、この円形部22aに連続させるとともに、その幅を円形部22aの直径よりも小さくした連続部22bとを有している。そして、これら含油部材22,22は、図3に示したように、組み込み穴20,20及び連通路21,21に挿入したときに、組み込み穴20,20及び連通路21,21に対してぴったりはまるように、含油部材22の形状及び寸法を設定している。
このように含油部材22を組み込み穴20及び連通路21に挿入すると、上記したように、連通路21の幅が、組み込み穴20の直径よりも小さくしているために、含油部材22がリターン路用孔10側に移動することはない。
また、上記したように、含油部材22の連続部22bの先端22cを、リターン路用孔10,10内に臨ませているが、この先端22cの断面形状を曲面にしている。そして、この曲面の曲率を、リターン路用孔10の曲率と等しくしている。したがって、この含油部材22を組み込み穴20及び連通路21に挿入すると、図3に示すように、リターン路用孔10の内面がほぼ完全な円になる。
また、上記リターン路用孔10の内面の曲率は、後で説明するボール19の曲率とほぼ同じにしている。したがって、上記含油部材22における先端22cの曲面の曲率も、ボール19の曲率とほぼ同じになっている。
なお、この含油部材22,22の軸線方向の長さを、本体3の軸線方向長さよりも所定の長さだけ短くしているが、この所定の長さについては後で説明する。
さらに、上記本体3には、図3に示すように、一対のネジ穴12,12と、一対の位置決め凹部13,13とを形成している。上記ネジ穴12,12は、上記ネジ7,7を取り付けるための穴であり、その内周に雌ネジを形成している。また、上記位置決め凹部13,13は、エンドキャップ5,5に設けた位置決め突起p、p(図19参照)を挿入するための穴である。
図5は、スペーサ4をエンドキャップ5側から見た平面図を示している。
図示するように、スペーサ4,4には、その内周に開口する軌道路用凹部14,14と、リターン路用孔15,15と、ネジ用孔16a,16aとを形成している。そして、スペーサ4,4を本体3に組み付けた状態で、図2に示したように、上記軌道路用凹部14,14が本体3側の軌道路a,aに連通し、図9に示したように、上記リターン路用孔15,15が本体3側のリターン路b、bに連通するようにしている。
なお、図9は、図3のG−G線断面図である。
また、上記ネジ用孔16a,16aが、図3に示した本体3側のネジ穴12,12に連通するようにしている。
そして、図5における符号14a,15aは案内溝であり、これら案内溝14a,15aを介して下記に説明するボール19を滑らかに案内するようにしている。
図6は、上記スペーサ4,4を本体3側からみた平面図であり、図7は、このスペーサ4,4の側面図である。図示するように、このスペーサ4,4の表面には、ガイド部23,23を突出形成している。これらガイド部23,23は、図6に示すように、その断面形状を、上記含油部材22の断面形状と同じにしている。そして、これらガイド部23,23を、本体3の組み込み穴20,20に挿入するようにしている。
また、上記したように、組み込み穴20,20にガイド部23,23を挿入するので、ガイド部23,23の長さL分だけ、上記含油部材22,22の軸線方向長さを、本体3の軸線方向の長さよりも短くしている。したがって、各組み込み穴20,20にガイド部23と含油部材22とを組み込むと、含油部材22の両端にガイド部23,23が接触し、含油部材22とガイド部23,23との間に隙間は生じない。
また、上記ガイド部23,23には案内面23a,23aを設け、この案内面23a,23aが、含油部材22の先端22cに連続するようにしている。
上記のようにしたスペーサ4,4には、エンドキャップ5,5を接触させているが、このエンドキャップ5,5は、本体3側から見た平面図である図8に示すように、方向転換凹部18,18と、ネジ用孔16b,16bとを形成している。
上記方向転換凹部18,18は、エンドキャップ5,5をスペーサ4,4側に組み付けたときに、スペーサ4、4の軌道路用凹部14,14(図2参照)およびリターン路用孔15,15(図9参照)に連通する。そのため、これら方向転換凹部18,18を介して本体3に設けた軌道路aとリターン路bとが連通することになる。つまり、このエンドキャップ5,5に形成した方向転換凹部18,18と、スペーサ4,4に設けたリターン路用孔15,15と、本体3に形成したリターン路bとによって、この発明における軌道路aの両端を連通する循環路を構成している。
上記のようにして、軌道路aの両端を連通させると、エンドレスな経路が構成されるが、この経路には、複数のボール19を入れている。そして、レール1側の軌道溝9と筒部材2側の軌道溝8とにボール19を接触させることにより、ボール19に転がり運動をさせて、レール1に対する筒部材2の滑らかな運動を維持するようにしている。
また、上記のようにレール1に対して筒部材2が相対移動すると、軌道路a内のボール19は、一方の方向転換凹部18→リターン路b→他方の方向転換凹部18を経由して、軌道路aに循環されることになる。
また、図3及び図9に示すように、リターン路b内には、含油部材22の先端22cを臨ませているので、上記のようにリターン路b内をボール19が移動するときに、含油部材22の先端22cにボール19の表面が接触する。そのため、含油部材22が接触したボール19の表面に、含油部材22の有する潤滑油が供給される。そして、このように潤滑剤を供給されたボール19が、軌道路a内などを転がることによって、経路全体に潤滑剤が適度に供給されることになる。
さらに、この第1実施形態では、上記含油部材22の先端22cの曲率を、ボール19の曲率とほぼ等しくすることによって、含油部材22とボール19との接触面積を大きくしている。このようにすれば、ボール19の表面に効率よく潤滑油を供給することができる。
以上のようにして、ボール19の表面に潤滑油を供給すれば、ボール19の転がり抵抗を少なくするとともに、ボール19自体の摩耗や、このボール19が転がり運動する軌道路aやリターン路bの摩耗を最小限に抑えることができる。したがって、レール1に対する筒部材2の高精度の運動を長期にわたって維持することができる。
しかも、この第1実施形態によれば、組み込み穴20を、連通路21を介してリターン路用孔10に連通させるとともに、これら組み込み穴20及び連通路21内に組み込んだ含油部材22の先端22cを、ボール19が転動するリターン路用孔10内に臨ませる構成にしているので、含油部材22を組み込むために、わざわざリターン路用孔10の内径を大きくする必要が全くない。そして、このようにリターン路用孔10の内径を大きくする必要がないので、設計する上で、高い自由度を得ることができる。
上記第1実施形態では、組み込み穴20,20を、本体3の両端に貫通させているが、これら組み込み穴20,20は、必ずしも貫通させなくてもよい。
例えば、図10,図11に示した第2実施形態では、組み込み穴30,30を、本体3の両端から形成しているが、これら組み込み穴30,30は貫通させていない。そして、図10に示すように、上記各組み込み穴30,30を、連通路31,31を介してリターン路用孔10,10に連通させるとともに、各組み込み穴30,30及び連通路31,31に、含油部材22をそれぞれ組み込んでいる。
これら含油部材22は、その軸線方向の長さを、組み込み穴30の深さからスペーサ4のガイド部23の軸線方向長さLを差し引いた長さにしている。
したがって、組み込み穴30に含油部材22とガイド部23とを組み込むと、含油部材22とガイド部23とが接触する。
なお、上記組み込み穴30及び連通路31の断面形状と、上記含油部材22の断面形状は、上記第1実施形態と同じである。
このようにした第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、含油部材22の先端22cを、リターン路b内に臨ませている。したがって、このリターン路b内を移動するボール19の表面に、潤滑剤を供給することができる。
また、組み込み穴30及び連通路31に組み込んだ含油部材22の先端22cを、リターン路用孔10内に臨ませる構成にしているので、含油部材22を組み込むために、わざわざリターン路用孔10の内径を大きくする必要が全くない分、設計上、高い自由度を得ることができる。
ところで、上記第1,第2実施形態では、組み込み穴20,30の直径よりも連通路21、31の幅を小さくしているので、含油部材22がリターン路用孔10側に移動することはないが、含油部材22がリターン路用孔10側に移動してしまうと、リターン路bの通路断面積が小さくなってしまう。このようにリターン路bの通路断面積が小さくなると、このリターン路b内を移動するボール19の転がり抵抗が増加するために、レール2に対する筒部材2の滑らかな移動が阻害されてしまう。
しかし、上記第1、第2実施形態では、含油部材20がリターン路用孔10側に移動することがないので、そのような問題は生じない。
なお、上記第1,第2実施形態では、組み込み穴20,30と連通路21,31とによって、この発明の組み込み穴を構成している。
また、連通路21の幅を組み込み穴20,30の直径よりも小さくするとともに、これら組み込み穴20,30及び連通路21,31に、円形部22aと連続部22bとからなる含油部材22を組み込む構成にすることで、この発明の移動規制機構を構成している。
上記第1,第2実施形態では、スペーサ4に設けたガイド部23を組み込み穴20,30及び連通路21,31に挿入することによって、含油部材22の先端22cの摩耗を防止するという効果も期待できる。
すなわち、図3のI−I線断面図である図12に示すように、方向転換凹部18を経由したボール19は、遠心力の作用によって、リターン路用孔10によって構成されるリターン路bの軸線Aに直交する方向の分力Fを有している。そして、ボール19がリターン路b内に転がり込んだ時点では、上記分力Fがボール19に残存しているため、リターン路bに転がり込んだボールbが、含油部材22の先端22cに衝突する。
このようにボール19が衝突する含油部材22は、潤滑剤を含ませる必要性から、多孔質構造のものが多く、その分、耐摩耗性が低くなっている。このような含油部材22にボール19が衝突すると、その衝突した部分が摩耗してしまう。含油部材22の先端22cが摩耗すると、ボール19の滑らかな回転が阻害されるため、レール1に対する筒部材2の高精度の運動を維持できなくなる。また、含油部材22の摩耗した部分をボール19が通過する際に、音も発生してしまう。
そこで、上記第1,第2実施形態では、スペーサ4にガイド部23を設け、このガイド部23を組み込み穴20,30及び連通路21,31に挿入している。リターン路bに転がり込んだボール19は、上記ガイド部23によってガイドされるので、含油部材22側に達した時点で、ボール19の分力Fは小さくなっている。このようにボール19の分力19を小さくすれば、含油部材に転動体が強く衝突することはないので、含油部材22の先端22cの摩耗も防止することができる。
なお、上記第1,第2実施形態では、スペーサ4に一体形成したガイド部23によって、この発明のガイド部材を構成しているが、スペーサ4と別体にしたガイド部材を、組み込み穴20,30及び連通路21,31に組み込む構成にしてもよい。
なお、前記従来例では、含油スリーブをボール19の全周に接触させる構成にしていたために、潤滑剤が過剰に供給されることがあった。つまり、潤滑剤の供給量のコントロールが難しかった。
これに対して上記第1実施形態によれば、ボール19の一部分に含油部材22,25を接触させる構成にしたので、その接触面積を設計段階で容易に調節することができるので、潤滑剤の供給量を最適に調整することができる。つまり、上記第1実施形態によれば、含油部材に含ませた潤滑剤の供給量をコントロールしやすい。
なお、上記第1実施形態では、連通路の幅を組み込み穴の直径よりも小さくすることによって、含油部材22リターン路bに移動しないようにしている
このように連通路によって含油部材の移動を規制できれば、接着剤などで含油部材を組み込み穴に接着しなくてもすむ。接着剤などを使用しなくても済む分、製造コストを安くすることができる。また、接着剤の種類によっては、含油部材22変形するおそれもあるので、このような観点からも、接着剤を使用しない上記第1実施形態有利である。
第1実施形態の斜視図である。 図1のE−E線断面図である。 図2のF−F線断面図である。 含油部材22の斜視図である。 スペーサ4をエンドキャップ5側から見た平面図である。 スペーサ4を本体3側から見た平面図である。 スペーサ4の側面図である。 エンドキャップ5を本体3側から見た平面図である。 図3のG−G線断面図である。 第2実施形態の断面図である。 図10のH−H線断面図である。 図3のI−I線断面図である。 従来例の斜視図である。 図13のA−A線断面図である。 筒部材2の正面図である。 図14のB−B線断面図である。 図14のC−C線断面図である。 エンドキャップ5を本体3側から見た平面図である。 エンドキャップ5の側面図である。 図16のD−D線断面図である。
符号の説明
a 軌道路
b この発明の循環路を構成するリターン路
1 レール
2 筒部材
10、15 この発明の循環路を構成するリターン路用孔
19 この発明の転動体に相当するボール
2030 組み込み穴
21,31 連通路
22 含油部材
23 この発明のガイド部材に相当するガイド

Claims (2)

  1. レールを摺動自在に貫通させた筒部材と、この筒部材とレールとが相まって構成される軌道路と、上記筒部材に形成するとともに直線状にしたリターン路用孔と曲線状にした方向転換凹部とによって構成されるとともに上記軌道路の両端を連通させる循環路と、上記循環路及び軌道路に設けた複数の転動体とを備え、上記リターン路用孔に沿って、転動体に潤滑油を供給するための含油部材を組み込む組み込み穴を軸線方向に形成し、上記レールと筒部材との相対移動に応じて転動体が循環路及び軌道路内を循環する案内ユニットにおいて、上記組み込み穴あるいはリターン路用孔のいずれか一方を、いずれか他方の軸線を通る円周であってかつ筒部材と同心の円周上に重ねて位置させるとともに、これら組み込み穴及びリターン路用孔の直径をほぼ同じにし、さらに上記組み込み穴とリターン路用孔とを連通路を介して連通させるとともに、この連通路の幅を組み込み穴及びリターン路用孔の直径よりも小さくし、この連通路を介して上記含油部材の一部をリターン路用孔に臨ませ、含油部材の一部を転動体に接触させる構成にしたことを特徴とする転がり案内ユニット。
  2. 上記リターン路用孔と方向転換路用凹部との境目からリターン路側にかけて組み込み穴を連通し、かつ、この組み込み穴にガイド部材と含油部材とを組み込み、上記ガイド部材をリターン路と方向転換路との境目から上記連通路を介してリターン路内に臨ませて、このガイド部材に連続させて上記含油部材をリターン路内に臨ませたことを特徴とする請求項1に記載の転がり案内ユニット。
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