JP4487522B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明はモータ駆動装置に関し、特に複合加工機など、所定の制御情報を伝達する信号伝達経路によって結合され、複数のモータを同期・連携して運転するモータ駆動装置に関する。
従来、複合加工機など、複数のモータを同期・連携して運転するモータ駆動装置では、同期すべき各々のモータ駆動装置に対する位置指令または速度指令は、通常、開ループ的に同時に与えられており、各モータ駆動装置ができるだけ同一動作を行うことができるよう制御パラメータが設定される。この場合、特に、位置制御利得および速度制御利得はできるだけ高く設定されていることが望ましいが、駆動装置が実際に適用される機械の構成によってそれがかなわないといった問題がある。制御利得があまり高くできないような状況では、各モータ駆動装置の指令受け渡しのタイミング、制御演算処理のタイミングのずれにより、加減速、負荷変動時などにおいて、同期精度が一時的に悪くなるといった問題があった。
そこで、同期・連携運転される複数台のモータ駆動装置のうちの1台をマスタ制御装置、残りのモータ駆動装置をスレーブ制御装置とし、そのマスタ制御装置にその他のスレーブ制御装置が追従できるよう、マスタ制御装置から所定のタイミングで制御情報をスレーブ制御装置に伝送する構成がとられてきた。さらに、マスタ制御装置とスレーブ制御装置との間の伝送路をノイズの少ない光伝送路とし、同期精度を向上させるモータ駆動装置もある(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2003−102188号公報(段落番号〔0020〕〜〔0035〕、図1)
しかし、従来のモータ駆動装置では、同期・連携運転システム全体としての応答を上げることが難しいという問題点があった。
マスタ制御装置とスレーブ制御装置という構成で同期・連携運転を行う場合、マスタ制御装置にその他のスレーブ制御装置が追従できるよう、各スレーブ制御装置軸に与えられる指令を補正する方法がとられる。この場合、マスタ制御装置に対するスレーブ制御装置の偏差を求めなければならないため、マスタ制御装置側でスレーブ制御装置の状態をフィードバックする必要がある。したがって、マスタ制御装置からスレーブ制御装置までの応答遅れがあり、同期・連携運転システム全体として応答を上げることが出来ないという問題がある。この問題は、伝送路を光伝送路とした場合でも、同様に発生する。
このように、マスタ制御装置とスレーブ制御装置を設け、スレーブ制御装置の状態をフィードバックさせた場合、システム全体としての応答を上げることが難しい。このため、モータ駆動装置に対する指令は開ループ的に与えるようにすることが望ましい。しかしながら、開ループ的に指令を行う方法では、各モータ駆動装置の指令受け渡しのタイミング、制御演算処理のタイミングのずれにより、加減速、負荷変動時などにおいて同期精度が一時的に悪くなるといった問題が生じる場合があるため、全てのモータ駆動装置を同一のタイミングで動作させる必要がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、同期・連携運転を行なうモータ駆動装置を同一のタイミングで動作させることを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、所定の信号を伝達する信号伝達経路によって結合され、同期・連携して複数のモータを運転するモータ駆動装置において、所定の定周期処理の起動タイミングの基準となる同期マスタと、同期マスタに同期させて所定の定周期処理を実行する同期スレーブを構成し、同期・連携運転を実現するモータ駆動装置、が提供される。このような同期マスタは、同期スレーブに対して、同期・連携運転される所定の定周期処理を起動する起動タイミングの基準となる所定の信号を信号伝達経路経由で出力する。同期スレーブは、信号伝達経路経由で入力される所定の信号に基づいて同期基準信号を取得する同期基準取得手段と、同期基準信号に基づいて、同期・連携する同期スレーブ側の定周期処理を起動する起動タイマの起動タイミングを調節する起動タイミング調節手段と、を具備する。
このようなモータ駆動装置によれば、同期マスタは、同期・連携運転される所定の定周期処理を起動する起動タイミングの基準となる所定の信号を信号伝達経路経由で出力する。同期スレーブでは、同期基準取得手段が、信号伝達経路経由で入力される同期の基準となる所定の信号に基づく同期基準信号を取得し、起動タイミング調節手段へ伝える。起動タイミング調節手段は、同期・連携運転される所定の定周期処理について、同期基準信号に基づいて同期マスタの基準と同期スレーブの起動タイミングの時間差を算出する。そして、この定周期処理の同期がとれるように、同期スレーブ側の起動タイマの起動タイミングを算出された時間差に基づいて調節する。
これにより、同期マスタと同期スレーブ間における所定の定周期処理の起動タイミングを一致させることができる。なお、同期マスタは、同期・連携運転システムを構成するモータ駆動装置から任意のものが選択される。
本発明のモータ駆動装置は、制御演算処理の起動タイミングの基準となる同期マスタと、起動タイミングを調節する同期スレーブでシステムを構成し、全体で同期・連携運転を行う。同期マスタは、同期・連携運転される複数のモータ駆動装置間を結合する信号伝達経路を介して基準となる信号を伝達する。同期スレーブは、入力される同期の基準となる信号を同期基準信号とし、この同期基準信号に基づいて定周期処理で実施される制御演算処理の起動タイミングを調節する。
これにより、複数台のモータ駆動装置の制御演算処理の起動タイミングを一致させることができ、この結果、各モータ駆動装置間の制御演算起動タイミングに起因する同期精度の悪化を低減させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明は、位置制御機能により制御されるモータ駆動装置、速度制御機能により制御されるモータ駆動装置、および電流(トルク)制御機能により制御されるモータ駆動装置などの複数のモータを同期・連携して運転するモータ駆動装置と、多巻線モータなど複数の巻線を同期・連携して励磁する電力変換装置に適用される。以下、モータ駆動装置とは、このような同期・連携運転される装置の総称とする。まず、実施の形態に適用される発明の概念について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に適用される発明の概念図である。
本発明に係るモータ駆動装置は、複数台で同期・連携運転システムを構成しており、各モータ駆動装置間は、所定の信号を伝達する信号伝達経路3によって結合されている。そして、同期・連携運転を行うモータ駆動装置の中から起動タイミングの基準となる任意の同期マスタ1を1台選び、それ以外は同期スレーブ2a、2b、2cとする。
同期マスタ1は、同期・連携運転される所定の定周期処理の起動タイミングの基準となる所定の基準信号を出力する基準信号出力手段11を具備する。
基準信号出力手段11は、同期スレーブ2a、2b、2c側が同期・連携運転される定周期処理を起動する起動タイミングを同期マスタ1に同期させる際の基準となる基準信号を出力する。基準信号出力手段11より出力される信号として、例えば、同期・連携運転される定周期処理を同期マスタ1側で起動する定周期演算起動信号などが想定される。
同期スレーブ2aは、信号伝達経路3より入力する基準信号に基づいて同期基準信号を取得する同期基準取得手段21、起動タイミングを調節する起動タイミング調節手段22、起動タイミングを生成する補正機能付起動タイマ23および補正機能付起動タイマ23により起動される定周期処理24を具備する。なお、同期スレーブ2b、2cも同期スレーブ2aと同様の構成で同様の処理を行う。
同期基準取得手段21は、信号伝達経路3経由で入力する同期マスタ1の基準信号に基づき同期基準信号を取得し、取得した同期基準信号を起動タイミング調節手段22へ出力する。同期マスタ1から入力される基準信号を同期基準信号とすることもできるし、同期マスタ1から入力される基準信号に応じて同期スレーブ2a内部で生成される信号を同期基準信号としてもよい。
起動タイミング調節手段22は、同期基準信号を入力し、同期基準信号に基づいて得られる定周期処理24の起動タイミングと、基準となる同期マスタ1の起動タイミングとの時間差を算出し、算出された時間差に応じた補正量を補正機能付起動タイマ23へ出力する。
補正機能付起動タイマ23は、予め設定された所定の周期で定周期処理24を起動させる起動タイマであり、同期・連携する同期マスタ1と同じ周期で定周期処理24を起動する定周期演算起動信号(以下、起動信号とする)を生成する。また、補正機能を有しており、入力された補正量に応じて起動タイミングを調節することができる。
定周期処理24は、同期マスタ1と同期・連携して動作させる同期スレーブ2aの定周期処理であり、補正機能付起動タイマ23の生成する起動信号によって起動される。
このような構成のモータ駆動装置の動作について説明する。
同期マスタ1では、基準信号出力手段11は、同期・連携運転される定周期処理の起動タイミングの基準となる所定の基準信号を信号伝達経路3経由で同期スレーブ2a、2b、2cへ出力する。
同期スレーブ2aでは、同期基準取得手段21は、信号伝達経路3より入力された所定の基準信号に基づく同期基準信号を起動タイミング調節手段22へ送る。同期基準信号を入力した起動タイミング調節手段22は、同期基準信号に基づいて、補正機能付起動タイマ23による定周期処理の起動タイミングと基準となる同期マスタ1の起動タイミングとの時間差を算出する。そして、時間差に応じた補正量を補正機能付起動タイマ23へ出力する。補正機能付起動タイマ23は、入力された補正量に応じて、定周期処理24を起動させる起動タイミングの補正を行う。これにより、補正機能付起動タイマ23の生成する同期スレーブ2aの所定の定周期処理の起動タイミングは、基準となる同期マスタ1の起動タイミングと同期がとれ、同期マスタ1と一致した起動タイミングで定周期処理24を起動するようになる。
以上の処理により、同期マスタ1と、同期スレーブ2aの定周期処理24の同期がとれるようになる。さらに、同様の処理が同期スレーブ2b、2cでも行われ、同期マスタ1と同期スレーブ2a、2b、2cは、同期・連携運転される。
このように、連携運転システムの任意の1台を同期マスタ1とし、その起動タイミングを基準信号としてその他の同期スレーブ2a、2b、2cに伝達し、同期スレーブ2a、2b、2cで同期マスタとの起動タイミングのずれを補正することによって、複数台のモータ駆動装置の制御演算起動タイミングを一致させることができる。同期基準信号は起動タイミングのみを伝達するため、システム全体の応答を下げないように光通信路のような高速性を有する通信路を別個に設ける必要はなく、同期基準信号の伝達経路として、汎用の制御信号を伝達する信号伝達経路3を用いることができる。この結果、汎用の機能として高精度な同期運転が可能となり、モータ駆動装置の付加価値を高めることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態として、各々複数の定周期処理を有し、それぞれの制御演算処理を実行するモータ駆動装置が同期・連携して運転するシステムに本発明を適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。このような場合、各々の装置が動作しているタイミングを実時間で補正し、合わせこむ必要がある。そこで必ず必要となるのが実時間の基準となる信号である。
本発明の第1の実施の形態では、同期・連携運転される複数台のモータ駆動装置から任意の装置が同期マスタとして設定され、他は同期スレーブとなる。同期マスタと同期スレーブは、その個体差や電源投入のタイミングによって、それぞれ制御演算処理が起動するタイミングが異なる。また、制御演算処理は、その制御対象に応じて目的とする応答が異なったり、演算を行う演算器の制約などがあるため、複数の定周期処理で行われる場合が多い。これらの定周期処理を起動させるのには、予め定められた周期で定周期処理の起動信号を生成する起動用タイマを使用する。したがって、同期マスタと同期スレーブ間の同期は、同期スレーブ側のタイマ設定値を補正し、定周期演算の起動タイミングを同期マスタと一致させることが可能な補正機能の付加されたタイマを用いて同期マスタと同期スレーブとの起動タイミングの時間差をなくすように調節を行うことにより実現する。
具体的な構成を、同期マスタ、同期スレーブの順に説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態の同期マスタとなるモータ駆動装置の構成図である。
本発明の第1の実施の形態の同期マスタ100は、定周期処理を起動するための定周期処理起動用タイマ110、同期をとる定周期処理を選択するスイッチ111と、定周期処理1(120)、定周期処理2(121)、…、定周期処理n(122)、制御出力処理123および汎用制御出力回路124の制御演算処理部と、汎用出力として外部へ出力する信号を選択するスイッチ130を具備する。
定周期処理起動用タイマ110は、同期マスタ100の定周期処理1(120)、定周期処理2(121)、…、定周期処理n(122)を起動させるため、予め定められた周期で起動信号を生成する起動用タイマである。起動信号は、それぞれの定周期処理に出力されるとともに、同期スレーブの定周期処理と同期をとるための基準信号用としてスイッチ111に出力される。
スイッチ111は、同期タスク選択パラメータ112によって、定周期処理起動用タイマ110の生成する起動信号のうち、同期スレーブと同期・連携運転される制御演算を実行する所定の定周期の起動信号を選択入力し、この起動信号(同期マスタ)を同期のための基準信号として、汎用出力を選択出力するスイッチ130へ出力する。
定周期処理1(120)、定周期処理2(121)、…、定周期処理n(122)は、定周期処理起動用タイマ110によって生成される起動信号によって起動され、所定の制御演算処理を行って、制御出力を算出する。制御出力処理123は、定周期処理によって算出された制御出力の出力処理を行うとともに、外部へ出力する汎用制御信号を汎用制御出力回路124へ出力する。汎用制御出力回路124は、制御出力処理123により選択された制御出力を汎用出力信号として、スイッチ130へ出力する。
スイッチ130は、同期スレーブとの間で汎用の入出力信号を交換するための汎用信号伝達経路に接続し、機能選択パラメータ131に従って、同期のための基準信号となる起動信号(同期マスタ)、あるいは汎用出力信号を切り替えて汎用信号伝達経路へ出力する選択手段である。
続いて、この同期のための基準信号を取得する同期スレーブについて説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の同期スレーブとなるモータ駆動装置の構成図である。
本発明の第1の実施の形態の同期スレーブ200は、汎用信号伝達経路に接続して汎用の入力信号と起動信号(同期マスタ)とを振り分けるスイッチ210と、起動タイマであるタイミング補正機能付タイマ230と、制御入力処理241、定周期処理1(242)、定周期処理2(243)、…、および定周期処理n(244)の制御演算処理部と、を具備する。
スイッチ210は、汎用信号伝達経路より入力される起動信号(同期マスタ)あるいは汎用入出力信号を機能選択パラメータ211によって振り分ける。ここでは、機能選択パラメータ211に基づいて、同期のための基準信号である起動信号(同期マスタ)をタイミング補正機能付タイマ230へ、汎用入出力信号を汎用制御入力回路240へ振り分ける。
タイミング補正機能付タイマ230は、定周期処理1(242)、定周期処理2(243)、…、定周期処理n(244)を起動させるため、タイマ設定(初期)223によって定められた周期で起動信号を生成する起動用タイマである。また、起動信号(同期マスタ)を同期基準信号として伝播遅延時間222に基づいて、定周期処理を起動する起動タイミングを調節する起動タイミング調節手段22と、補正量に基づいて補正を行う補正機能付起動タイマ23を兼ねる。補正は、スイッチ210経由で入力する同期マスタ100の同期基準信号と、同期マスタ100から同期スレーブ200までに信号が伝播するのに要する伝播遅延時間222を入力し、同期基準信号である起動信号(同期マスタ)に伝播遅延時間222を加味し、同期マスタ100の定周期処理の起動タイミングと、対象の同期スレーブ200の定周期処理の起動タイミングとの時間差を計測する。そして、その時間差を制御上問題とならない値にするための補正量を算出し、対象の定周期処理の起動タイミングを補正する。
汎用制御入力回路240は、同期マスタ100から送られてくる汎用出力信号を入力し、制御入力処理241へ送る。制御入力処理241は、汎用制御信号を定周期処理に振り分ける。定周期処理1(242)、定周期処理2(243)、…、定周期処理n(244)は、タイミング補正機能付タイマ230によって生成される起動信号によって起動し、所定の制御演算処理を行って、制御出力を算出する。
このような構成の同期マスタ100と同期スレーブ200間での同期動作について、例として、同期マスタ100の定周期処理2(121)と、同期スレーブ200の定周期処理2(243)を同期させる場合で説明する。
同期マスタ100では、定周期処理起動用タイマ110によって定周期処理2(121)に対する起動信号が生成されて定周期処理2(121)が起動される。このとき、同期タスク選択パラメータ112によってスイッチ111を、機能選択パラメータ131によってスイッチ130を切替え、定周期処理2(121)の起動信号がスイッチ130を介して同期スレーブ200に出力されるようにする。この起動信号(同期マスタ)が、同期のための基準信号として同期スレーブ200に伝達される。
同期スレーブ200側では、同期マスタ100と同様に、タイマ設定(初期)223により設定された周期で定周期処理による制御演算が行われている。ここで、機能選択パラメータ211によってスイッチ210がタイミング補正機能付タイマ230側に切替えられていると、同期マスタ100が定周期処理2(243)を起動した起動タイミングを示す起動信号(同期マスタ)がスイッチ210を介して補正機能付タイマ230に入力される。このとき、同期タスク選択パラメータ221は、定周期処理2(243)を示している。同期マスタ100から同期スレーブ200に入力される同期基準信号である起動信号(同期マスタ)は、同期マスタ100の定周期処理2(121)の起動信号から伝播遅延した信号であるので、タイミング補正機能付タイマ230は、同期基準信号の伝播遅延時間222を加味して、定周期処理1(121)と定周期処理2(243)の起動タイミングの時間差を算出し、時間差に基づいて定周期処理2(243)用の起動タイミングを調節する。
以上の処理が実行されることにより、同期マスタ100の定周期処理2(121)と、同期スレーブ200の定周期処理2(243)の起動タイミングが制御上問題とならない範囲で同期するようになる。
なお、上記の説明では、同期マスタ100と同期スレーブ200のある1つの定周期処理を同期させる場合について説明したが、同期タスク選択パラメータ112、221を用いて定周期処理を順次選択すれば、すべての定周期処理を同期させることも可能である。
また、同期基準信号の伝達経路を新たに設けず、汎用入出力信号の伝達経路を用いることによって、同期機能を付加するとしたが、専用の信号伝達経路を設けるようにすることもできる。
次に、第2の実施の形態として、上位コントローラとその配下のモータ駆動装置が通信経路によって接続され、上位コントローラから定期的に通信経路を介して制御指令データが伝達されることによって下位のモータ駆動装置が同期・連携運転されるシステムに本発明を適用した場合について説明する。
この場合、上位コントローラを同期マスタ、通信路で接続するその他のモータ駆動装置を同期スレーブと想定する。同期マスタから各同期スレーブに対して定周期で同一種の制御指令データが送信されるものとする。各同期スレーブは、それぞれのタイミングで制御指令データを受信するが、各々の同期スレーブで制御指令データを受信したタイミングに基づいて各定周期処理の起動タイミングまでの時間を制御上問題とならない値に保ち、その変動を抑制することにより、同期スレーブ間の同期・連携運転を実現することができる。
具体的な構成を説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態のモータ駆動装置の構成図である。図3と同じものには同じ番号を付し、説明は省略する。
本発明の第2の実施の形態の同期マスタ101は、定期的に制御指令データを送受信する際に用いる送受信回路140を具備する。また、同期スレーブ201は、制御指令データを送受信する送受信回路250と、通信割込みを処理する通信割込み処理251、制御入力処理241、定周期処理1(242)、定周期処理2(243)、…、定周期処理n(244)、同期タスク選択パラメータ221、およびタイミング補正機能付タイマ230を具備する。
上位コントローラである同期マスタ101は、下位のモータ駆動装置である同期スレーブ201に対して、定周期で制御指令データを送信する。制御指令データの送信は、図示しない通信経路に接続する送受信回路140より送出される。
下位のモータ駆動装置である同期スレーブ201の送受信回路250は、図示しない通信経路に接続し、同期マスタ101の送信した制御指令データの受信が完了すると、受信完了割込みを発生させ、通信割込み処理251を起動する。通信割込み処理251は、受信データである制御指令データを取得し、所定の処理を行う。また、同期マスタ101の制御指令データ受信に応じて送受信回路250の生成した受信完了割込み信号は、同期基準信号としてタイミング補正機能付タイマ230へ伝達される。
タイミング補正機能付タイマ230は、定周期処理1(242)、定周期処理2(243)、…、定周期処理n(244)を起動させるため、タイマ設定(初期)223によって定められた周期で起動信号を生成する起動用タイマである。また、制御指令データの受信完了信号を同期基準信号として通信伝播遅延時間224に基づいて、定周期処理を起動する起動タイミングを調節する起動タイミング調節手段22と、補正量に基づいて補正を行う補正機能付起動タイマ23を兼ねる。補正は、送受信回路250の発生させる制御指令データの受信完了信号である同期基準信号と、同期マスタ100から同期スレーブ200までに通信データが伝播するのに要する通信伝播遅延時間224を入力し、同期基準信号に通信伝播遅延時間224を加味し、同期マスタ100の基準タイミングと、対象の同期スレーブ200の定周期処理の起動タイミングとの時間差を計測する。その時間差が制御上問題とならない値になるようにするための補正量を算出し、対象の定周期処理の起動タイミングを補正する。
以上の処理手順を同期マスタ101が制御指令データを送信する複数の同期スレーブで一斉に実行することにより、各同期スレーブは、同期マスタ101が制御指令データを送信した時点を基準として、定周期処理の起動タイミングの調節を行う。これにより、複数の同期スレーブが実行する定周期処理の起動タイミングが制御上問題のない範囲で一致することになる。
ここで、通信伝播遅延時間224について説明する。同期スレーブ201の台数が少ない場合、通信速度が速い場合、あるいは通信データが少ない場合などは、同期マスタ101から各同期スレーブ201との間の通信伝播遅延時間は小さく、ばらつきも小さくなるため、通信伝播遅延時間によるタイミングのばらつきを無視することもできる。しかしながら、その逆の場合や、通信経路の配線長が長い場合で通信データの伝播遅延時間が無視できない場合も想定されるため、予め、同期マスタ101から同期スレーブ201まで通信データが伝播するために要する通信伝播時間をパラメータ(通信伝播遅延時間224)として設定しておく。このように通信伝播遅延時間224を用いて基準となるタイミングを補正することにより、どのような通信経路構成であっても、同期スレーブ201の起動タイミングを一致させることができる。
以上の説明のように、上位コントローラからの制御指令データに基づいて、所定の定周期処理を同期・連携運転するモータ駆動装置では、上位コントローラを同期マスタ、モータ駆動装置を同期スレーブとし、定周期で送信される制御指令データの受信完了を同期基準信号として定周期処理の起動タイミングを調節することにより、定周期処理の同期をとることができる。
なお、上位コントローラとの間で定周期の通信を行う場合、その周期内で確実にデータの授受を行う必要があるため、モータ駆動装置側では定周期演算における受信ステータスの監視(ポーリング)処理、もしくは受信完了割込み処理のいずれかの処理によるデータの授受が想定される。このうち、前者では正確な受信タイミングを検出することができないので、本発明の第2の実施の形態では、後者の受信完了割込み処理を起動する際に出力される受信完了割込み信号を同期基準信号として用いた。
続いて、起動タイミング調節手段について詳細に説明する。起動タイミング調節手段は、同期基準信号と自装置の定周期処理を起動する起動信号とに基づいて、基準となる同期タイミングと自装置の起動タイミングとの時間差を計測し、同期のために必要な補正量を算出する手段である。この機能を実現するために、例えば、PLL回路が用いられる。
次に、第3の実施の形態として、起動タイミング調節手段としてPLL回路を用いた場合について説明する。
図5は、本発明の第3の実施の形態のモータ駆動装置の構成図である。図3、図4と同じものには同じ番号を付し、説明は省略する。
本発明の第3の実施の形態であるモータ駆動装置は、複数の定周期処理、定周期処理1(242)、定周期処理n−1(243)、…、定周期処理n(244)に対応して制御演算処理を起動するタイマ、定周期処理1起動タイマ231、定周期処理n−1起動タイマ232、定周期処理n起動タイマ233が設けられている。それぞれの定周期処理起動タイマの出力信号は、同期タスク選択パラメータ221によって接続先を選択するスイッチ272を介してPLL回路260に入力され、PLL回路260の出力信号は同期タスク選択パラメータ221によって接続先を選択するスイッチ271によって各定周期処理起動タイマに入力される。
PLL回路260は、後述するように位相検出手段とその出力の応じた周波数で発振する発振回路を具備しており、定周期処理1(242)、定周期処理n−1(243)、…、定周期処理n(244)の生成する起動信号と、同期基準信号とを入力し、起動信号と同期基準信号とを比較してその誤差分を検出し、誤差分をフィードバックすることで、起動信号と同期基準信号との同期を図る。
ここで、PLL回路について、さらに詳細に説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態のPLL回路のブロック図である。図5と同じものには同じ番号を付し、説明は省略する。
PLL回路260は、位相検出部を構成するフリーランニングカウンタ261、サンプラ1(262)、レジスタ263、サンプラ2(264)、レジスタ265および演算器266と、調節部を構成する調節器280、ゲイン選択スイッチ281、リミッタ284、285および演算器を具備する。調節部は、起動タイミングを生成するタイミング補正機能付タイマ(以下起動タイマとする)230と組み合わさって、同期基準信号と位相の一致した起動信号(図では、定周期演算起動信号)を作り出す発振回路を構成する。なお、図の例の起動タイマ230は、定周期処理1起動タイマ231、定周期処理n−1起動タイマ232、定周期処理n起動タイマ233を代表しており、同期をとる定周期処理を選択する同期タスク選択パラメータ221によって、対象の定周期処理起動タイマ(定周期処理1起動タイマ231、定周期処理n−1起動タイマ232、あるいは定周期処理n起動タイマ233)がPLL回路260に接続されるようにスイッチ271、272が動作する。
各部について説明する。
位相検出部では、フリーランニングカウンタ261の出力端子は、サンプラ1(262)、サンプラ2(264)の入力端子に接続する。サンプラ1(262)の出力端子は、レジスタ263の入力端子に接続し、サンプラ2(264)の出力端子は、レジスタ265の入力端子に接続する。そして、レジスタ263とレジスタ265の出力端子は、それぞれの入力値の差を検出する演算器266の入力端子に接続する。演算器266の出力端子は、調節器270の入力端子に接続する。
サンプラ1(262)は、順次更新するカウント値を出力するフリーランニングカウンタ261の出力信号と同期基準信号を入力し、同期基準信号が入力された時点のフリーランニングカウンタ261のカウント値をサンプリングし、その結果をレジスタ263へ格納する。同様に、サンプラ2(264)は、フリーランニングカウンタ261の出力信号と起動信号を入力し、起動信号が入力された時点のフリーランニングカウンタ261のカウント値をサンプリングし、その結果をレジスタ264へ格納する。レジスタ263とレジスタ265の出力は、演算器266へ入力され、演算器266で同期基準信号と定周期演算起動信号のタイミング差に応じたカウント値が算出され、調節器280へ出力される。
調節器270は、入力端子は、位相検出部の出力である演算器266の出力端子に接続し、出力端子は演算器の入力端子に接続する。また、補正量の演算には、ゲイン選択スイッチ281によって選択される同期前ゲイン282または同期後ゲイン283を用いる。さらに、算出された補正量は、リミッタ284、285によってリミッタがかけられる。サンプラ1(262)の検出する同期基準信号タイミングと、サンプラ2(264)の検出する起動信号とのタイミング差が大きいと、調節器280は、本来の発振周波数(周期)に対してマイナスの補正量を出力するため、発振回路の発振周波数が高く(定周期処理起動用タイマの周期が短く)なる。一方、タイミング差が小さくなると補正量も小さくなるため、発振回路の発振周波数(定周期処理起動用タイマの周期)は元に戻る動作をする。このとき、調節器280の補正量演算では、同期スレーブの制御演算自体に影響を与えない程度の補正量となるよう、調節器280のゲインを選ぶとともに、補正量そのものにリミッタ284、285を設けている。また、一度PLL回路が位相をロック(サンプラ1(262)の検出する同期基準信号タイミングと、サンプラ2(264)の検出する起動信号とのタイミング差が小さくなる)すれば、以降は、電源がなくならない限り、ほぼ同期した状態が維持できる。そこで、PLLによって同期がとれる以前の同期前ゲイン282と、PLLが位相をロックした後の同期後ゲイン283の2種類のゲインを設け、ゲイン選択スイッチ281によってゲインを選択する。同期後ゲイン283は、同期前ゲイン282より小さく設定されている。また、ゲイン選択スイッチ281は、演算器266の算出するタイミング差が小さい場合には、同期がとれていると見なし、同期後ゲイン283を選択する。このように、PLL位相ロック後は調節器280のゲインを下げることにより、通信の抜け、雑音による誤通信の影響を低減することができる。
調節器280の出力信号は、演算器288へ入力する。演算器288は、調節器280の算出した補正量に通信伝播遅延時間224に基づく基準信号の遅延時間を加え、補正量を調節した後、スイッチ271を介してコンパレータ235の反転入力端子に接続する演算器236へ出力する。演算器236は、予め設定されたタイマ設定(初期)223の値と補正量を加算し、起動タイマ230の周期を算出し、コンパレータ235へ出力する。
コンパレータ235は、非反転入力端子にタイマ234が接続し、反転入力端子に演算器236が接続している。コンパレータ235では、タイマ234の値と、タイミング差を補正する補正量が加えられた補正値を比較し、一致した時点で起動信号を発生させる。このとき、タイマ234の値は、リセットされ、再びカウントが開始される。
このような構成の第3の実施の形態のモータ駆動装置の動作について説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態のモータ駆動装置の動作を示したタイミングチャートである。
同期マスタ側は、カウント値が予め設定された値に到達するとリセットし、再びカウントを行う定周期処理起動用タイマ出力(マスタ)に基づいて、所定の周期で定周期処理起動信号(マスタ)を発生し、制御演算処理を開始する。また、この定周期処理起動信号(マスタ)は、同期スレーブに送られる。
同期スレーブ側では、補正が行われていない状態では、同期マスタと同様の定周期処理起動用タイマ出力未補正(スレーブ)に基づいて、所定の周期で定周期処理起動信号(マスタ)を発生し、制御演算処理を開始する。なお、この時タイマは同期マスタと同じ値(初期条件)でリセットされるように設定されている。また、同期スレーブのフリーランニングカウンタは、カウント値を順次更新し、カウント値が所定の値に到達するとカウント値をリセットして再びカウントを開始するカウンタである。
PLL回路は、定周期処理起動信号(マスタ)M1が入力されると、その時点のフリーランニングカウンタの値a1を取得する。そして、次の定周期処理起動信号未補正(スレーブ)の信号S1によって同期化処理が開始される。実際の同期化処理は、起動信号S1より遅れて開始される。同期化処理開始時点のフリーランニングカウンタの値b1を取得し、同期誤差(b1−a1)に基づき、コンパレータに入力するコンペア値の補正を行う。同期誤差(b1−a1)に応じて補正されたコンペア値によって、定周期処理起動用タイマの周期が補正され、図の定周期処理起動用タイマ出力補正時(スレーブ)のようにタイマの出力信号が変化する。これによって、同期スレーブの定周期処理は、補正が行われた定周期処理起動信号補正時(スレーブ)の起動タイミングS’2で起動されるようになり、定周期処理起動信号未補正(スレーブ)の場合の起動タイミングS2から、定周期処理起動信号(マスタ)の起動タイミングM2に近づく。補正量にはリミッタがかけられており、同期化処理を何回か繰り返して、起動タイミングの同期が取れるようになる。
続いて、定周期処理起動信号(マスタ)M2が入力された時点のフリーランニングカウンタ値a2と、定周期処理起動信号補正時(スレーブ)の起動信号S’2により同期化処理が起動された時点のカウンタ値b2に基づいて、同期誤差(b2−a2)が算出され、定周期処理起動用タイマの補正が行われ、定周期処理起動信号補正時(スレーブ)の起動タイミングS’3で起動されるようになる。
このような手順を繰り返すことによって、定周期処理起動信号(マスタ)の起動タイミングM5と、定周期処理起動信号補正時(スレーブ)の起動タイミングS’5が一致するようになる。
このように、同期スレーブが同期マスタの定周期処理起動信号を取得し、この定周期処理起動信号(マスタ)と、同期スレーブの定周期処理起動信号(スレーブ)との同期誤差を検出し、定周期処理起動信号(スレーブ)を生成する定周期処理起動用タイマ(スレーブ)の出力補正を行うことにより、同期・連携運転される複数台のモータ駆動装置の制御演算起動タイミングを一致させることができる。
なお、第3の実施の形態では、リミッタを設けることによりPLLの発振周期の変動幅を制約し、同期化処理中も演算処理周期が著しく短く、もしくは長くなることによって制御安定性が損なわれることを回避している。また、一旦PLLが位相(タイミング)ロックした後は、ゲインを下げて内部発振回路への入力信号の操作量を調節することにより、同期・連携をとるための信号に雑音成分が重畳した場合でも、制御に必要な演算処理の起動タイミングが正常なタイミングから著しく逸脱することを防止することができる。
本発明の実施の形態に適用される発明の概念図である。 本発明の第1の実施の形態の同期マスタとなるモータ駆動装置の構成図である。 本発明の第1の実施の形態の同期スレーブとなるモータ駆動装置の構成図である。 本発明の第2の実施の形態のモータ駆動装置の構成図である。 本発明の第3の実施の形態のモータ駆動装置の構成図である。 本発明の第3の実施の形態のPLL回路のブロック図である。 本発明の第3の実施の形態のモータ駆動装置の動作を示したタイミングチャートである。
符号の説明
1 同期マスタ
2a、2b、2c 同期スレーブ
3 信号伝達経路
11 基準信号出力手段
21 同期基準取得手段
22 起動タイミング調節手段
23 補正機能付起動タイマ
24 定周期処理

Claims (4)

  1. 所定の信号伝達経路によって結合され、同期・連携して複数のモータを運転するモータ駆動装置において、
    同期・連携運転される所定の定周期処理の起動タイミングの基準となる同期マスタと、他の同期スレーブを構成し、
    前記同期マスタから前記同期スレーブに対して前記信号伝達経路経由で出力される同期の基準となる所定の信号に基づいて同期基準信号を取得する同期基準取得手段と、
    前記同期基準信号を用いて前記同期スレーブと前記同期マスタとの起動タイミングの時間差を算出し、前記定周期処理が同期するように前記時間差に応じて前記同期スレーブの起動タイマを調節する起動タイミング調節手段と、
    を具備し、
    前記信号伝達経路は汎用の入出力信号を伝達する汎用信号伝達経路で、前記同期マスタは、前記同期・連携運転される定周期処理を起動する定周期演算起動信号を前記汎用信号伝達経路経由で出力し、
    前記同期基準取得手段は、前記汎用信号伝達経路を介して入力される前記同期マスタの前記定周期演算起動信号と前記汎用の入出力信号とを選別し、前記同期基準信号として前記定周期演算起動信号を選択して前記起動タイミング調節手段へ出力することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 所定の信号伝達経路によって結合され、同期・連携して複数のモータを運転するモータ駆動装置において、
    同期・連携運転される所定の定周期処理の起動タイミングの基準となる同期マスタと、他の同期スレーブを構成し、
    前記同期マスタから前記同期スレーブに対して前記信号伝達経路経由で出力される同期の基準となる所定の信号に基づいて同期基準信号を取得する同期基準取得手段と、
    前記同期基準信号を用いて前記同期スレーブと前記同期マスタとの起動タイミングの時間差を算出し、前記定周期処理が同期するように前記時間差に応じて前記同期スレーブの起動タイマを調節する起動タイミング調節手段と、
    を具備し、
    前記信号伝達経路は通信データを伝達する通信経路で、前記同期マスタは、前記同期スレーブに対して所定の定周期で制御指令データを送信し、
    前記同期基準取得手段は、前記同期マスタから送信された前記制御指令データの受信が完了したことを通知する受信完了信号を前記同期基準信号として前記起動タイミング調節手段へ出力することを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 所定の信号伝達経路によって結合され、同期・連携して複数のモータを運転するモータ駆動装置において、
    同期・連携運転される所定の定周期処理の起動タイミングの基準となる同期マスタと、他の同期スレーブを構成し、
    前記同期マスタから前記同期スレーブに対して前記信号伝達経路経由で出力される同期の基準となる所定の信号に基づいて同期基準信号を取得する同期基準取得手段と、
    前記同期基準信号を用いて前記同期スレーブと前記同期マスタとの起動タイミングの時間差を算出し、前記定周期処理が同期するように前記時間差に応じて前記同期スレーブの起動タイマを調節する起動タイミング調節手段と、
    を具備し、
    前記起動タイミング調節手段は、
    前記同期マスタから出力される前記同期の基準となる所定の信号が前記信号伝達経路を伝播する信号伝播遅延時間を加味して前記同期スレーブと前記同期マスタとの起動タイミングの時間差を算出することを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 所定の信号伝達経路によって結合され、同期・連携して複数のモータを運転するモータ駆動装置において、
    同期・連携運転される所定の定周期処理の起動タイミングの基準となる同期マスタと、他の同期スレーブを構成し、
    前記同期マスタから前記同期スレーブに対して前記信号伝達経路経由で出力される同期の基準となる所定の信号に基づいて同期基準信号を取得する同期基準取得手段と、
    前記同期基準信号を用いて前記同期スレーブと前記同期マスタとの起動タイミングの時間差を算出し、前記定周期処理が同期するように前記時間差に応じて前記同期スレーブの起動タイマを調節する起動タイミング調節手段と、
    を具備し、
    前記起動タイミング調節手段は、
    前記同期スレーブの前記定周期処理を起動させる定周期演算起動信号と前記同期基準信号とを入力し、前記定周期演算起動信号を前記同期基準信号の位相と一致させるPLL(位相同期ループ; Phase Locked Loop)回路により構成され、
    前記PLL回路は、
    前記定周期演算起動信号と前記同期基準信号との起動タイミングの時間差に応じて算出される補正量を所定の範囲に制限するリミッタ回路を有することを特徴とするモータ駆動装置。
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