JP4185926B2 - ロボット協調制御方法及びシステム - Google Patents
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Description
上記ロボット協調制御方法において、例えば、前記複数のロボット制御装置のうちの一つはマスター制御装置であり、その他のロボット制御装置はスレーブ制御装置である。
例えば、前記他のロボット制御装置が前記複数のロボット制御装置のうちの一つから前記基準信号を受信してから予め定められた遅延時間経過後に前記複数のロボット制御装置のうちの一つに返信信号を送信する場合、前記複数のロボット制御装置のうちの一つが基準信号を送信してから前記他のロボット制御装置からの返信信号を受信するまでの時間から前記予め定められた遅延時間を引いた時間の半分を通信遅延時間とすることができる。
図1は、本発明のロボット協調制御システムの全体構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本発明のロボット協調制御システム11は、各々が少なくとも一つのロボット13の動作を制御する複数のロボット制御装置15と、これら複数のロボット制御装置15間を互いに接続する通信接続手段17とを備える。図1の実施形態では、各ロボット制御装置15は、一つのロボット13の動作を制御するようになっている。ロボット制御装置15によって制御されるロボット13は任意のタイプのものでよく、特に限定されるものではない。また、通信接続手段17としては、LANケーブルなどで構築されたイーサネット(登録商標)などが使用される。
まず、ロボット制御装置15−1(マスター制御装置)の動作基本周期信号生成手段27が動作基本周期信号を生成させる。すると、ロボット制御装置15−1の基準信号送信手段21は、この動作基本周期信号の生成から第1の遅延時間t1の経過後に、ロボット制御装置15−n(スレーブ制御装置)(n=1,2,…)へ基準信号を送信する(ステップS1)。次に、ロボット制御装置15−nの基準信号受信手段23がロボット制御装置15−1による基準信号の送信から通信遅延時間aの経過後にロボット制御装置15−1から送信された基準信号を受信すると、ロボット制御装置15−nの基準信号送信手段21は、基準信号の受信から第2の遅延時間t2の経過後に、ロボット制御装置15−1へ同様の基準信号を返信信号として送信する(ステップS2)。そして、ロボット制御装置15−1の基準信号受信手段23がロボット制御装置15−nによる返信信号の送信から通信遅延時間aの経過後に当該返信信号を受信する(ステップS3)。このとき、ロボット制御装置15−1は、自身の計時手段25を用いて、動作基本周期信号の生成(時刻Ta0)、基準信号の生成(時刻Ta1)及び返信信号の受信(時刻Ta2)の時刻をそれぞれ計測し、ロボット制御装置15−nは、自身の計時手段25を用いて、動作基本周期信号の生成(時刻Tb0)、基準信号の受信(時刻Tb1)及び返信信号の送信(時刻Tb2)の時刻をそれぞれ計測する。それぞれの計時手段は、例えば、ロボット制御装置15−1における動作基本周期信号の生成時刻を基準にした基準信号の送信及び返信信号の受信の相対的な時刻、ロボット制御装置15−nにおける動作基本周期信号の生成時刻を基準にした基準信号の受信及び返信信号の送信の相対的な時刻を計測してもよく、絶対的な時刻を計測してもよい。
図3から分かるように、通信遅延時間aは、ロボット制御装置15−1が基準信号を送信してからロボット制御装置15−nからの返信信号を受信するまでの時間からロボット制御装置15−nにおける第2の遅延時間t2を引いた時間の半分に相当する。すなわち、通信遅延時間aは、次の式(1)に従って求められる。
a={(Ta2−Ta1)−t2}/2 (1)
また、ロボット制御装置15−1において、動作基本周期信号の生成から基準信号の送信までの第1の遅延時間t1(=Ta1−Ta0)が予め定められている場合には、式(1)に代えて、次の式(1´)によって通信遅延時間aを求めてもよい。
a={(Ta2−Ta0)−t1−t2}/2 (1´)
なお、第2の遅延時間t2は、ロボット制御装置15−nによって、ロボット制御装置15−nの計時手段25により計測した基準信号の受信時刻Tb1及び返信信号の送信時刻Tb2を用いて次の式(2)に従って求められ、ロボット制御装置15−nによって求められた第2の遅延時間t2がロボット制御装置15−nから通信接続手段17を通してロボット制御装置15−1に伝達される。
t2=Tb2−Tb1 (2)
第2の遅延時間t2が予め定められている場合には、それぞれのロボット制御装置15−nにおける第2の遅延時間t2をロボット制御装置15−1に予め記憶しておき、ロボット制御装置15−1がその値を使用して通信遅延時間aを求めてもよい。
D=Tb0−Ta0=t1+a−t3 (3)
ここで、時間t3は、ロボット制御装置15−nにおける動作基本周期信号の生成(時刻Tb0)から基準信号の受信(時刻Tb1)までの時間である(すなわち、t3=Tb1−Tb0)。また、第1の遅延時間t1(=Ta1−Ta0)は、ロボット制御装置15−1の計時手段25によって計測されたロボット制御装置15−1における動作基本周期信号の生成時刻Ta0及び基準信号の送信時刻Ta1からロボット制御装置15−1によって求められ、求められた時間t1がロボット制御装置15−1から通信接続手段17を通してロボット制御装置15−nに伝達される。第1の遅延時間t1が予め定められている場合には、ロボット制御装置15−1における第1の遅延時間t1をロボット制御装置15−nに予め記憶しておき、ロボット制御装置15−nがその値を使用してズレDを求めてもよい。
また、各ロボット制御装置15の水晶発振器の発振周期は厳密に同一ではなく微小な個体間差(すなわち、発振誤差)がある。このため、各ロボット制御装置15の動作基本周期信号の生成時期を一致させても、長時間にわたって動作をさせると発振誤差の累積により再び動作基本周期信号の生成時期にズレか生じる恐れがある。したがって、動作基本周期信号を一致させる上記手順は、一つ一つの協調動作を行う前ごとに行うことが効果的である。
13 ロボット
15 ロボット制御装置
17 通信接続手段
21 基準信号送信手段
23 基準信号受信手段
25 計時手段
27 動作基本周期信号生成手段
Claims (7)
- 各々が予め定められた同一の周期で動作基本周期信号を生成させ且つ該動作基本周期信号に同期させて制御サイクルを開始させ、少なくとも一つのロボット(13)を制御する複数のロボット制御装置(15)間で通信を行って、前記複数のロボット制御装置(15)によって制御されるロボット(13)を協調動作させるロボット協調制御方法において、
前記複数のロボット制御装置(15)の一つから、該ロボット制御装置における前記動作基本周期信号の生成から予め定められた時間経過後に他のロボット制御装置(15)に測定のための基準信号を送信し、前記複数のロボット制御装置(15)の一つにおける動作基本周期信号の生成から前記基準信号の送信までの時間と前記他のロボット制御装置(15)における動作基本周期信号の生成から前記他のロボット制御装置(15)による前記基準信号の受信までの時間と前記複数のロボット制御装置(15)の一つと前記他のロボット制御装置(15)との間の通信に要する通信遅延時間とに基づいて、前記他のロボット制御装置における動作基本周期信号の生成時期を前記複数のロボット制御装置の一つにおける動作基本周期信号の生成時期と一致させ、一致させた動作基本周期信号に同期させて制御サイクルを同時に開始して、前記ロボットを協調動作させるようにしたことを特徴とするロボット協調制御方法。 - 前記複数のロボット制御装置のうちの一つから送信した基準信号を前記他のロボット制御装置により受信した後に前記他のロボット制御装置から送信した返信信号を前記複数のロボット制御装置のうちの一つにより受信することにより、前記複数のロボット制御装置のうちの一つと前記他のロボット制御装置との間の通信に要する通信遅延時間を求める、請求項1に記載のロボット協調制御方法。
- 前記他のロボット制御装置は、前記複数のロボット制御装置のうちの一つから前記基準信号を受信してから予め定められた遅延時間経過後に前記複数のロボット制御装置のうちの一つに返信信号を送信し、前記複数のロボット制御装置のうちの一つが基準信号を送信してから前記他のロボット制御装置からの返信信号を受信するまでの時間から前記予め定められた遅延時間を引いた時間の半分を通信遅延時間とする、請求項2に記載のロボット協調制御方法。
- 前記他のロボット制御装置における動作基本周期信号の生成から該他のロボット制御装置による前記基準信号の受信までの時間が前記複数のロボット制御装置のうちの一つにおける動作基本周期信号の生成から前記基準信号の送信までの時間に前記通信遅延時間を足した時間と等しくなるように、前記他のロボット制御装置における動作基本周期信号の生成時期を調整する、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のロボット協調制御方法。
- 前記複数のロボット制御装置のうちの一つはマスター制御装置であり、その他のロボット制御装置はスレーブ制御装置である、請求項1に記載のロボット協調制御方法。
- 各々が予め定められた同一の周期で動作基本周期信号を生成させ且つ該動作基本周期信号に同期させて制御サイクルを開始させ、少なくとも一つのロボット(13)の動作を制御する複数のロボット制御装置(15)と、前記複数のロボット制御装置(15)間を接続する通信接続手段(17)とを備え、前記通信接続手段(17)を通して前記複数のロボット制御装置(15)間で通信を行って前記複数のロボット制御装置(15)によって制御されるロボット(13)を協調動作させるロボット協調制御システム(11)において、
前記複数のロボット制御装置(15)の各々が、前記通信接続手段(17)を通して他のロボット制御装置(15)に基準信号を送信する基準信号送信手段(21)と、前記他のロボット制御装置(15)から送信された基準信号を前記通信接続手段(17)を通して受信する基準信号受信手段(23)と、計時手段(25)とを備え、前記複数のロボット制御装置(15)の一つにおける前記動作基本周期信号の生成から予め定められた時間経過後に該制御装置の基準信号送信手段(21)から送信した測定のための基準信号を他のロボット制御装置(15)の基準信号受信手段(23)で受信し、前記複数のロボット制御装置(15)の一つの前記計時手段(25)で計測した前記複数のロボット制御装置(15)の一つにおける動作基本周期信号の生成から前記基準信号の送信までの時間と前記他のロボット制御装置(15)の前記計時手段(25)で計測した前記他のロボット制御装置(15)における動作基本周期信号の生成から前記他のロボット制御装置(15)による前記基準信号の受信までの時間と前記複数のロボット制御装置(15)の一つと前記他のロボット制御装置(15)との間の通信に要する通信遅延時間とに基づいて、前記他のロボット制御装置(15)における動作基本周期信号の生成時期を前記複数のロボット制御装置(15)の一つにおける動作基本周期信号の生成時期と一致させ、一致させた動作基本周期信号に同期させて制御サイクルを同時に開始して、前記ロボットを協調動作させるようにしたことを特徴とするロボット協調制御システム。 - 前記他のロボット制御装置は、前記他のロボット制御装置における動作基本周期信号の生成から前記他のロボット制御装置による前記基準信号の受信までの時間が前記複数のロボット制御装置の一つにおける動作基本周期信号の生成から前記基準信号の送信までの時間に前記通信遅延時間を足した時間と等しくなるように、自身における動作基本周期信号の生成時期を調整する、請求項6に記載のロボット協調制御システム。
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