JP4487464B2 - 環境負荷低減型セメント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート建造物等の解体に伴って生じる廃棄コンクリートから骨材を再生する際に生じる副産微粉を混入させた環境負荷低減型セメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、資源のリサイクルの観点から、解体に伴って廃棄されるコンクリートからセメントや骨材を再生することが行われている。骨材を再生するために、通常、廃棄コンクリートを所定の大きさのコンクリート塊に破砕した後、このコンクリート塊を回転式のチューブミルに供給してすりもみを行う。このすりもみにより、各コンクリート塊が破砕、摩砕されることから、セメントペーストが取り除かれた粗骨材や細骨材の骨材を再生することができる。また、同時に、セメントペーストが粉砕されたものや骨材の一部が削り取られたものが副産微粉として回収されることになる。
【0003】
上記再生された骨材は、構造用コンクリートの優良な骨材として再利用することができる。また、上記副産微粉は、水硬性と吸水性能の特長を有することから、土壌改良用の固化材として利用することができ、あるいはキルンで焼成処理等を施すことによってセメントに再生することも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記副産微粉を土壌改良材として利用するのでは、粘土質が多い場合等、土壌特性によっては適用できないこともある。
一方、キルンでの焼成処理では、微粉中に存在する脱炭酸されたカルシウム
(CaO)により二酸化炭素の排出量の削減効果はあるが、セメント製造に係わるエネルギ消費量は必ずしも合理的とはいえない。
【0005】
すなわち、セメント原料として利用する場合には、石灰石を採掘するなどのセメントを製造する上での初期的なエネルギ消費量の削減を図る上では有利なものの、通常のセメントを製造する場合と同様に焼成処理に莫大な熱量を要するため、エネルギ消費量の低減を図る上では充分ではない。
【0006】
一方、建設材料製造を含む建設業は、二酸化炭素の排出量の多い業種の一つに位置し、かつセメント建材の製造に関わる二酸化炭素の発生量が建設事業の40%以上に相当する。したがって、セメントを製造するためのエネルギ消費量を低減することは、地球的規模での二酸化炭素の排出量を低減し、環境保全を図る上で極めて重要である。このため、二酸化炭素の排出量の少ない環境負荷低減型セメントの開発が望まれていた。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、エネルギ消費量を低減し、二酸化炭素の排出量の削減を図ることができる環境負荷低減型セメントを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、所定の大きさに破砕したコンクリート塊を100〜500℃に加熱処理後、すりもみ処理することによって、該コンクリート塊から骨材を回収する際に生じる副産微粉であって、CaOを32.6重量%以上含む粒径30μm以下の副産微粉を、セメントに30重量%以下の割合混入させたことを特徴としている。
【0013】
上記のように構成された請求項1に記載の発明においては、副産微粉がセメント水和物の脱水物であるCaO(酸化カルシウム)を多く含み、活性度の高いものとなっているので、この副産微粉をセメントに所定割合混入させた環境負荷低減型セメントは、例えばコンクリートに使用した場合に、通常のセメントのみを用いたコンクリートと同等以上の強度を得ることができる。
【0014】
しかも、現在のセメントは強度発現性が高いため、少量使用しただけでもコンクリートとして充分な強度を得ることができる。しかし、例えば呼び強度18N/mm2 程度の比較的低強度のコンクリートでは、粉体量が少な過ぎてしまうため流動性が低く、フレッシュコンクリートのワーカビリティ、すなわち施工性が悪くなる欠点がある。このため、副産微粉をセメントに混ぜることによって、ペースト量が多くなり、骨材同士の分離抵抗性が向上する。したがって、副産微粉をセメントに混ぜた環境負荷低減型セメントは、ワーカビリティの向上を図る上で有利である。
【0015】
そして、副産微粉を焼成することなくそのままセメントに混入させているため、副産微粉の混入割合に相当する量だけ、セメントを焼成するためのエネルギ消費量を低減することができる上に、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
【0016】
ここで、副産微粉の粒径を30μm以下に限定することによって、副産微粉に含まれるCaOの割合を多くすることができるとともに、微粉部分が多くなり、ポゾラン反応性も向上する。したがって、例えばコンクリートとして使用された場合における強度およびワーカビリティの向上を図ることができる。
【0019】
さらに、副産微粉をセメントに混入させる割合を30重量%以下に設定しているので、その混入量に相当する割合の二酸化炭素の排出量を低減することができる。また、30重量%以下に限定しているのは、30重量%以下であれば、普通セメントを超える強度発現性とワーカビリティが得られるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態としての環境負荷低減型セメントについて、副産微粉を産出する骨材再生装置とともに説明する。
【0022】
図1は、骨材再生装置を示す図であり、この図において、1はコンクリート塊Aを加熱するための充填型加熱炉1である。充填型加熱炉1は、円筒炉壁1aの上部に連続的に供給されるコンクリート塊Aを一定の温度で所定時間加熱した後、円筒炉壁1aの下部からテーブルフィーダ(図示せず)を介して連続的に排出するようになっている。加熱は、灯油等を燃焼させることによって生じた熱風を円筒炉壁1aの下方位置の周囲および中央から供給し、円筒炉壁1a内を上昇させることにより行うようになっている。
【0023】
コンクリート塊Aは、コンクリート建造物の解体に伴って生じた廃棄コンクリートを破砕機によって20〜40mmに破砕したものである。この破砕機としては、例えば固定歯と可動歯との間に廃棄コンクリートを挟んで破砕するジョークラッシャや、高速で回転するハンマーの衝撃力を利用して廃棄コンクリートを破砕するハンマークラッシャや、廃棄コンクリートを遠心力によって高速で飛散させることにより、すでに周囲に存在するコンクリート塊Aに衝突させ、その際の衝撃力で破砕する遠心破砕機等の乾式のものが用いられる。
【0024】
また、コンクリート塊Aは、最大寸法で5mm未満のものを篩で排除したものを充填型加熱炉1に投入することが好ましい。すなわち、このように5mm未満のコンクリート塊Aを排除することによって、充填型加熱炉1における垂直方向の上方への熱風の通りが良くなり、コンクリート塊Aが均一の温度に加熱されることになる。コンクリート塊Aの加熱温度としては、300〜350℃に設定することが後述する粗骨材ミル2や細骨材ミル3におけるすりもみで、骨材からセメントペーストを効率よく取り除く上で好ましい。
【0025】
充填型加熱炉1で加熱処理を受けた後のコンクリート塊Aは、粗骨材ミル2および細骨材ミル3に順次送られてすりもみ処理がなされるようになっている。
【0026】
粗骨材ミル2は、二重ドラム型のもので構成されており、外ドラム21と、この外ドラム21の内側に同軸状に設けられた内ドラム22とを備えている。
【0027】
外ドラム21および内ドラム22は、ともに円筒状の外周壁を有し、その軸線が供給口22a側から搬出口22b、21a側に向けて斜め下方に傾けられた状態で、その軸線回りに回転駆動されるようになっている。内ドラム22には複数の貫通孔が形成されているとともに、その外周に網目サイズが5mm程度の網部22cが巻き付けられている。網部22cは、内ドラム22内ですりもみによって生じた5mm以下のモルタルCを篩い分けて外ドラム21側に移動させるようになっている。すりもみ媒体23は、耐磨耗性を有する鋼球によって構成されたものであり、コンクリート塊Aに対する破砕、摩砕によって、粗骨材BからモルタルCを分離するようになっている。
【0028】
また、上記供給口22aは、粗骨材ミル2の軸線方向の一端における内ドラム22の内側に位置しており、排出口22bは、粗骨材ミル2の軸線方向の他端における内ドラム22の内側に位置しており、もう一つの排出口21aは、粗骨材ミル2の軸線方向の他端における内ドラム22と外ドラム21との間に位置している。このため、充填型加熱炉1から供給されたコンクリート塊Aは、供給口22aから内ドラム22内に入り、同内ドラム22内ですりもりされて粗骨材Bとなったものは排出口22bから排出されて細骨材ミル3に供給され、すりもみ時に内ドラム22から網部22cを介して外ドラム21側に流出したモルタルCは排出口21aから排出されて細骨材ミル3に供給されるようになっている。なお、網部22cの網目サイズは、外ドラム21および内ドラム22を大きなサイズのもで構成した場合には上述した5mmより0.1〜1mm程度大きなものを用いて篩い分けの効率を上げるようにすることが好ましい。
【0029】
細骨材ミル3は、円筒状の外周壁を有し、その軸線が供給口3a側から搬出口3b側に向けて斜め下方に傾けられた状態で、その軸線回りに回転駆動されるようになっている。この細骨材ミル3は、粗骨材ミル2で分別されたモルタルCを、粗骨材Bをすりもみ媒体として利用するようになっている。このすりもみにより、モルタルCにおける細骨材Dからセメントペーストが破砕、摩砕により分離されることになる。
【0030】
細骨材ミル3において製造された細骨材Dおよび粗骨材Bは、骨材分級設備4に送られ、細骨材Dと粗骨材Bとに分級されるようになっている。骨材分級設備4は、篩目が5mmの振動篩41を備えており、振動篩41を通過した骨材を細骨材Dとして回収し、振動篩41を通過せず篩い上となった骨材を粗骨材Bとして回収するようになっている。
【0031】
一方、細骨材ミル3で細骨材Dが製造されることに伴って、副産微粉が生じることになる。この副産微粉は、細骨材ミル3内を供給口3aから搬出口3bに流れ、微粉分級処理設備5に吸引される空気の流れによって、回収されるようになっている。また、粗骨材ミル2、骨材分級設備4において発生した副産微粉についても、微粉分級処理設備5に吸引される空気の流れによって、回収されるようになっている。また、上述した空気の流れは、粒径が150μm以下の副産微粉を移送することが可能な速さに設定されている。
【0032】
微粉分級処理設備5は、図2に示すように、第1の分級器51と、第2の分級器52と、バグフィルタ53とを備えたもので構成されている。第1の分級器51は、空気の流れによって運ばれてきた150μm以下の副産微粉のうち、90μm超の副産微粉の通過を阻止し、90μm以下の副産微粉の通過を許容するものである。この第1の分級器51で捕らえた90μm超で150μm以下の副産微粉は、細骨材Dの粒度調整に利用し、余ったものを粗の副産微粉として図示しないタンクに貯蔵するようになっている。
【0033】
第2の分級器52は、第1の分級器51を通過した90μm以下の副産微粉のうち、30μm超の副産微粉の通過を阻止し、30μm以下の副産微粉の通過を許容するものである。この第2の分級器52で捕らえられた30μm超で90μm以下の副産微粉は、粗の副産微粉として図示しないタンクに貯蔵するようになっている。
【0034】
バグフィルタ53は、第2の分級器52を通過した30μm以下の副産微粉を回収するフィルタを備えたもので構成されている。このバグフィルタ53で捕らえられた30μm以下の副産微粉は、細の副産微粉として図示しないタンクに貯蔵する。また、図3は、粒径と累積頻度との関係について実測した結果を示している。この図から、粒径が30μm以下の副産微粉は、全副産微粉の約60重量%に達し、粒径が40μm以下の副産微粉は、全副産微粉の約70重量%に達していることがわかる。
【0035】
また、150μm以下の副産微粉について化学分析と熱分析の結果に基づき成分組成を求めたものを表1および表2に示す。表1から、副産微粉全体では、セメント水和物と骨材とがそれぞれ50重量%の割合で存在していることがわかる。さらに、表2から、30μm超で150μm以下の副産微粉では、SiO2 (酸化珪素)成分が56.5重量%と多いことから骨材の成分が多く含まれていることがわかるとともに、CaO成分が17.6重量%と少ないことからセメント水和物の成分が少ないことがわかる。これに対して、30μm以下の副産微粉では、SiO2 成分が40.4重量%と少なくなっていることから骨材の成分が少なくなっていることがわかるとともに、CaO成分が32.6重量%と多くなっていることからセメント水和物の成分が多くなっていることがわかる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
また、上述した30μm超で150μm以下の粗の副産微粉は、例えば高温で焼成処理等を施してセメントとして再生するためのセメント原料、その他として用いられる。
一方、30μm以下の細の副産微粉は、図4に示すように、セメントに30重量%混入させることにより、環境負荷低減型セメントを製造する。そして、環境負荷低減型セメントには、活性度を向上させるために、刺激材として明礬、CaSO4 (硫酸カルシウム)、炭酸アルカリ塩、カルシウムアルミネート等の粉末を混入させることが好ましい。そして、完成後の環境負荷低減型セメントは、コンクリートに使用する。
【0039】
次に、上述した骨材再生装置の作用効果について説明する。この骨材再生装置におては、5mm以上のコンクリート塊Aを充填型加熱炉1で加熱処理するようにしているので、熱風が各コンクリート塊Aの間の隙間を流れやすくなる。このため、コンクリート塊Aの加熱時間の短縮を図ることができるとともに、加熱炉1に投入されたコンクリート塊Aを一定の温度で加熱することができる。したがって、セメントペーストを均一に脱水脆弱化させることができるので、加熱後のすりもみにおいて、粗骨材や細骨材と、セメントペーストとを効率よく分離することができる。
【0040】
また、粗骨材ミル2においては、モルタルCが網部22cから外ドラム21側に移動するので、モルタルCにおける細骨材が鋼球のすりもみ媒体23によって過度に粉砕されることがない。すなわち、細骨材がすりもみ媒体23によってさらに小さなものに粉砕されるのを防止することができる。
【0041】
一方、細骨材ミル3においては、粗骨材Bをすりもみ媒体として使用し、鋼球等のすりもみ媒体を使用していないので、すりもみに要するコストの低減を図ることができるとともに、細骨材Dが鋼球等の比重の大きなすりもみ媒体によってさらに細かく粉砕されてしまうのを防止することができる。また、粗骨材Bについても細骨材Dによって仕上げ処理をすることができる利点がある。
【0042】
さらに、粗骨材ミル2、細骨材ミル3および骨材分級設備4において発生した副産微粉を微粉分級処理設備5で回収することができるので、作業環境の悪化を防止することができる。そして、微粉分級処理設備5においては、各分級器51、52と、バグフィルタ53によって、副産微粉を所定の粒度範囲ごとに分級することができる。そして、最終的に分級した30μm以下の細の副産微粉をセメントに30重量%混入させることにより、環境負荷低減型セメントを製造することができる。
【0043】
一方、上記のように構成された環境負荷低減型セメントにおいては、細副産微粉がセメント水和物の脱水物であるCaOを多く含み、活性度の高いものとなっているので、例えばコンクリートとして使用した場合に、通常のセメントと同等以上の強度を得ることができる。
【0044】
しかも、現在のセメントは強度発現性が高いため、少量使用しただけでもコンクリートとして充分な強度を得ることができる。しかし、例えば呼び強度18N/mm2 程度の比較的低強度のコンクリートでは、粉体量(セメント量)が少な過ぎるため骨材同士が分離しやすく、フレッシュコンクリートのワーカビリティ、すなわち施工性が悪くなる欠点がある。このため、細の副産微粉をセメントに混ぜることによって、この細の副産微粉が一種のコンクリート混和材として作用し、骨材の分離抵抗性を向上させ、ワーカビリティの向上図ることができる。したがって、細の副産微粉をセメントに混ぜたもので構成した環境負荷低減型セメントは、例えばコンクリートとして使用した場合におけるワーカビリティの向上を図る上でも有利である。
【0045】
そして、副産微粉を焼成することなくそのままセメントに混入させているため、副産微粉の混入割合に相当する量だけ、セメントを焼成するためのエネルギ消費量を低減することができる上に、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる。
【0046】
また、細の副産微粉の粒径を30μm以下に限定することによって、この細の副産微粉に含まれるCaOの割合をより多くすることができるとともに、比表面積の増大によるポゾラン反応性が高まる。したがって、強度およびワーカビリティの向上を図ることができる。
【0047】
さらに、細の副産微粉をセメントに混入させる割合を30重量%に設定しているので、その混入量に相当する割合の二酸化炭素の排出量を低減することができる。そして、細の副産微粉の混入割合が30重量%以下であれば、普通セメントと同程度からそれ以上の強度発現性を得ることができる。
【0049】
【実施例】
次に、この発明の実施例を説明する。図5は、JIS A 6206付属書に準拠して、環境負荷低減型セメントの強度発現性を試験した結果を示す図である。
【0050】
図5においては、横軸に置換率(重量%)をとり、縦軸に活性度指数(%)をとっている。
置換率は、副産微粉や高炉スラグ微粉をセメントに代えて置換する割合を示しており、上述する副産微粉をセメントに混合する割合に相当している。例えば、副産微粉の場合は、
置換率=(副産微粉の重量/(セメントの重量+副産微粉の重量))×100%となる。
活性度指数は、標準モルタルに対する試験モルタル(下記丸1、丸2、丸3)の圧縮強度の比を表したものである。この場合の材齢は28日である。すなわち、
活性度指数=(試験モルタルの圧縮強度/標準モルタルの圧縮強度)×100%となる。
上記標準モルタルは、普通ポルトランドセメントを用いて作製した基準モルタルである。
上記試験モルタルは、
図中丸1で示す普通ポルトランドセメントに上記30μm以下の細の副産微粉を上記置換率で混合させた環境負荷低減型セメント(30μmアンダー)と、
丸2で示す普通ポルトランドセメントに上記150μm以下の全副産微粉を上記置換率で混合させた環境負荷低減型セメント(全粒度)と、
丸3で示す普通ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉を上記置換率で混合させた高炉スラグモルタル(高炉スラグ)である。
【0051】
(考察)
図5から、丸2で示す150μm以下の全粒度の副産微粉を用いた環境負荷低減型セメントは、副産微粉の混入割合が約15重量%以下であれば、標準モルタル以上の強度発現性があることがわかる。
また、丸1で示す30μm以下の細の副産微粉を用いた環境負荷低減型セメントは、副産微粉の混入割合が約50重量%以下であれば、標準モルタルと同等かそれ以上の強度発現性があることがわかる。そして、副産微粉の混入割合が約40重量%以下であれば、標準モルタル以上の強度発現性が得られることがわかる。さらに、副産微粉の混入割合が約30重量%以下であれば、標準モルタルの1割増以上の強度発現性が得られるとともに、丸3で示す高炉スラグ粉末を用いた高炉スラグモルタルと同等の強度発現性が得られることがわかった。
したがって、上述した実施の形態では、30μm以下の細の副産微粉を30重量%の割合でセメントに混入させる例を示したが、この混入割合は、30重量%以下であってもよいことが確認できる。そして、この場合には、標準モルタル以上の強度発現性が得られるとともに、高炉スラグ粉末を30重量%以下の割合でセメントに混入させた高炉スラグモルタルと同等の強度発現性が得られることも確認できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、副産微粉を焼成することなくそのままセメントに混入させているため、副産微粉の混入割合に相当する量だけ、セメントを焼成するためのエネルギ消費量を低減することができるとともに、石灰石利用量の削減分の二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる。
【0056】
この際に、副産微粉の粒径を30μm以下に限定することによって、副産微粉に含まれるCaOの割合を多くすることができるとともに、ポゾラン反応性を発揮させることができるようになる。したがって、例えばコンクリートとして使用された場合における強度およびワーカビリティの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態としての環境負荷低減型セメントに含有させる副産微粉を製造するための微粉と骨材の分離装置を示す説明図である。
【図2】同分離装置の要部である微粉分級部の説明図である。
【図3】上記副産微粉の粒径と累積頻度との関係を測定した結果を示す図である。
【図4】上記副産微粉をセメントに混入させて環境負荷低減型セメントを製造する過程を示す説明図である。
【図5】この発明の実施例を示す図であって、環境負荷低減型セメントの強度発現性の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
A コンクリート塊
B 粗骨材(骨材)
C モルタル
D 細骨材(骨材)
2 粗骨材ミル
3 細骨材ミル
5 微粉分級処理設備
Claims (1)
- 所定の大きさに破砕したコンクリート塊を100〜500℃に加熱処理後、すりもみ処理することによって、該コンクリート塊から骨材を回収する際に生じる副産微粉であって、CaOを32.6重量%以上含む粒径30μm以下の副産微粉を、セメントに30重量%以下の割合混入させたことを特徴とする環境負荷低減型セメント。
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