JP4487462B2 - 磁気抵抗効果型ヘッド検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果型ヘッドの動作が正常かどうかを製品出荷時等に検査するための検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクドライブ装置などの磁気記録再生装置には、磁気コイルなどで磁気ディスクに記録したデータを再生するために、磁気抵抗効果型ヘッド(magneto-resistive head:以下「MRヘッド」と略称する)が用いられている。このMRヘッドは、磁界の変化によって抵抗値が変化する磁気抵抗効果を有する磁気抵抗素子を用いたもので、磁界の変化を電圧値の変化として検出するために、再生時にMRヘッドに一定のバイアス電流を流しておく必要がある。
【0003】
このMRヘッドにバイアス電流を流す回路を、図3に示す従来回路例のバイアス電流供給回路10を参照して説明する。
このバイアス電流供給回路10は、電源VCCに接続された電流源1と電流吸い込み制御用NPNトランジスタQ1の間にMRヘッド2を接続し、バイアス電流IBを供給する。MRヘッド2の出力端子MRXとMRYには抵抗値の等しい抵抗R1,R2が接続され、抵抗R1とR2の接続点に電圧電流変換器3の正入力端子が接続されている。電圧電流変換器3の負入力端子はグランドに接続され、その出力端子は電流吸い込み制御用NPNトランジスタQ1のベースに接続されている。図中C1は動作安定用コンデンサ、R3はエミッタ抵抗である。コンデンサC1,エミッタ抵抗R3が接続される電圧VEEは負電源である。このバイアス電流供給回路10においては、MRヘッド2の中点電位がGND電位レベルになるように、電圧電流変換器3で負帰還をかけている。
【0004】
例えば、トランジスタQ1のコレクタ電流I1が電流源1の供給電流I2よりも小さいときは、次のようにして電流制御が行われる。
(1)MRヘッド2の正側のMRX端子の電位が上がり、これにより電圧電流変換器3の正入力端子の電位が上がる。
(2)電圧電流変換器3の出力電流が増加する。
(3)トランジスタQ1のベース電位が上がる。
(4)トランジスタQ1の電流I1が増加する。
(5)I1=I2になるまで、(1)〜(4)を繰り返す。
(6)最終的に、I1=I2に整定する。
【0005】
つまり、トランジスタQ1の電流I1供給電流I2等しくなるように、電圧電流変換器3で帰還をかける。上述したようにR1=R2に設定されているので、電圧電流変換器3の正入力端子が接続されている抵抗R1とR2の接続点の電位はMRヘッド2の中点と同電位である。よって、MRヘッド2の中点がGND電位レベルになる。
【0006】
上述したように、MRヘッドは磁界の変化に応じて抵抗値が変化する特性がある。したがって、MRヘッドにバイアス電流IBを流すことによって、その抵抗値の変化を電圧変化に変え、信号として出力する。
【0007】
ただし、MRヘッドは静電耐圧が小さく、HDDの製造過程において、損傷、破壊の可能性があり、製品を使用中に摩耗や特性劣化、故障の可能性がある。そこで、出荷前、あるいは出荷後のメンテナンス時などにおいてMRヘッドの正常動作を確認するために、MRヘッドに発生する電圧をモニタする必要がある。
【0008】
従来における電圧モニタをする回路を、図3の検査回路20xとして示す。この検査回路20xでは、MRヘッド2の一方の端子MRXと他方の端子MRYにそれぞれ第1および第2の誤差電圧増幅器21,22の正入力を接続し、正負の電源ラインVCCとVEEの間に接続された抵抗R5,NPNトランジスタQ2,抵抗R4,PNPトランジスタP1の直列回路の抵抗R4の両端には第1および第2の誤差電圧増幅器21,22の負入力が接続されている。第1の誤差電圧増幅器21の出力はトランジスタQ2のベースに接続され、第2の誤差電圧増幅器22の出力はトランジスタP1のベースに接続されている。トランジスタQ2のコレクタには第3の誤差電圧増幅器23の正端子が接続され、その負端子は負荷抵抗をR6とするPNPトランジスタP2のエミッタに接続され、第3の誤差電圧増幅器23の出力はPNPトランジスタP2のベースに接続されている。
【0009】
この検査回路20xにおいて、MRヘッド2のMRX端子の電位をVMRX、MRY端子の電位をVMRY、MRヘッド2に発生する電圧をVMR、トランジスタQ2のエミッタ電位をVa1、トランジスタP1のエミッタ電位をVa2、抵抗R4に発生する電圧をVR4とすると、第1および第2の誤差電圧増幅器21および22のバッファ動作により、
MR=VMRX−VMRY=Va1−Va2=VR4
となる。つまり、抵抗R4に発生する電圧VR4は、MRヘッド2に発生する電圧VMRと等しくなる。抵抗R5,トランジスタQ2,抵抗R4,トランジスタP1に流れる電流をI3とすると、抵抗R5に発生する電圧VR5は、
R5=R5×I3=R5×VR4/R4=R5×VMR/R4
=VMR×(R5/R4)
となり、MRヘッド2に発生する電圧が(R5/R4)倍される。よって、BHV端子には、第3の誤差電圧増幅器23を通し、VCC−VMR×(R5/R4)という値の電圧が出力される。
【0010】
図3は、VCC側を出力電圧の基準として検査出力を取り出すVCC基準出力であるが、GND基準出力を得る場合には、図4に示すような構成の検査回路20yが必要となる。この検査回路20yは、図3で説明したNPNトランジスタQ2のコレクタ側にPNPトランジスタP3,P4、抵抗R7,R8からなるカレントミラー回路を設けたものである。このカレントミラー回路の出力側トランジスタP4のコレクタには抵抗R9と第4の誤差電圧増幅器24が接続され、その出力にはNPNトランジスタQ3と負荷抵抗R10が接続され、出力電圧が第4の誤差電圧増幅器24の負入力側に接続されて負帰還回路が形成されている。この検査回路20yにおいては、BHV端子には、VMR×(R9/R4)なる電圧がGND基準電圧として出力される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図3に示す従来のVCC基準出力の検査回路20xの問題点は、帰還増幅器として作用する誤差電圧増幅器を3個も使っているため、回路素子数が多いことである。
【0012】
また、図4に示したGND基準の検査回路20yの問題点は、PNPトランジスタP3,P4、抵抗R7,R8からなるカレントミラー回路が必要となり、回路素子数が図3のVCC基準出力の場合よりもさらに多くなることである。それに加え、カレントミラー回路の宿命として、入力側のトランジスタP3に流れる電流I3と出力側のトランジスタP4に流れる電流I4が完全には等しくならず、ベース電流の誤差2Ibが生じる。このカレントミラー回路の精度を高めるために、ベース電流補償回路(図示せず)を設けると、更に回路素子数が増加することになる。
【0013】
検査回路20xまたは20yは、合理性のためにバイアス電流供給回路10とともに同一のIC基板上に搭載されることになるが、素子数が多いと言うことはそれだけスペースを要するため、小型化の障壁となる。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、従来の検査回路の部品点数を削減しIC化する際のスペースを削減することのできる磁気抵抗効果型ヘッド検査装置を提供することにある。さらに、GND基準出力の検査装置を実現する場合においては、カレントミラーを使用した場合に比較して高精度の検査装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、VCC基準出力の場合の本発明の磁気抵抗効果型ヘッド検査装置は、定電流駆動され、その出力端子間電圧の中間電位が所定の電位レベルに保持されるように制御される磁気抵抗効果型ヘッドの動作を検査する磁気抵抗効果型ヘッド検査装置において、前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の低い方の端子は第1のNPNトランジスタのベースに接続するとともに、前記第1のNPNトランジスタのエミッタを誤差電圧増幅器の負入力端子に接続し、前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の高い方の端子は第2のNPNトランジスタのベースに接続するとともに、前記第2のNPNトランジスタのエミッタを第1の抵抗を介して前記誤差電圧増幅器の正入力端子に接続し、前記第1の抵抗の両端電圧と前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタ電流が等しくなるように前記誤差電圧増幅器により負帰還をかけ、これにより、前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続した第2の抵抗の両端電圧が前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧の[第2の抵抗の抵抗値/第1の抵抗の抵抗値]倍となるようにしたものである。
【0016】
この発明においては、1つの誤差電圧増幅器による負帰還によって、第1の抵抗の両端電圧と磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタ電流が等しくなるように自動制御され、第1のNPNトランジスタのコレクタに接続した第2の抵抗の両端電圧が磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧の[第2の抵抗の抵抗値/第1の抵抗の抵抗値]倍となるVCC基準出力が得られる。
【0017】
さらに、GND基準出力の場合の本発明の磁気抵抗効果型ヘッド検査装置は、定電流駆動され、その出力端子間電圧の中間電位が所定の電位レベルに保持されるように制御される磁気抵抗効果型ヘッドの動作を検査する磁気抵抗効果型ヘッド検査装置において、前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の高い方の端子は第1のPNPトランジスタのベースに接続するとともに、前記第1のPNPトランジスタのエミッタを誤差電圧増幅器の負入力端子に接続し、前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の低い方の端子は第2のPNPトランジスタのベースに接続するとともに、前記第2のPNPトランジスタのエミッタを第1の抵抗を介して前記誤差電圧増幅器の正入力端子に接続し、前記第1の抵抗の両端電圧と前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1と第2のPNPトランジスタのエミッタ電流と前記誤差電圧増幅器の出力端子ベースを接続した第3のPNPトランジスタのコレクタ電流とが等しくなるように前記誤差電圧増幅器により負帰還をかけ、これにより、前記第3のPNPトランジスタのコレクタに接続した第2の抵抗の両端電圧が前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧の[第2の抵抗の抵抗値/第1の抵抗の抵抗値]倍となるようにしたものである。
【0018】
この発明においては、一つの誤差電圧増幅器による負帰還によって、第1の抵抗の両端電圧と磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1と第2のPNPトランジスタのエミッタ電流と誤差電圧増幅器に接続した第3のPNPトランジスタのコレクタ電流とが等しくなるように自動制御され、第3のPNPトランジスタのコレクタに接続した第2の抵抗の両端電圧が磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧の[第2の抵抗の抵抗値/第1の抵抗の抵抗値]倍となるGND基準出力が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2に示す回路図を参照しながら説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態を示す回路図である。図1に示す第1実施形態は、VCC基準出力回路の構成を示すもので、バイアス電流供給回路10と検査回路20aとが同一基板上に搭載される。バイアス電流供給回路10は、MRヘッド2を電流源1で定電流駆動し、その出力端子間電圧VMRの中間電位がGNDレベルに保持されるように電圧電流変換器3で制御するものであるが、この構成自体は従来技術で説明した構成と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0021】
本実施形態の検査回路20aにおいては、MRヘッドの電位の低い方の端子MRYは第1のNPNトランジスタQ5のベースに接続され、電位の高い方の端子MRXは第2のNPNトランジスタQ4のベースに接続されている。第1のトランジスタQ5のコレクタとVCC電源ラインとの間に抵抗R14が接続され、そのエミッタにはNPNトランジスタQ7が接続されている。トランジスタQ7のエミッタと電源ラインVEEの間には抵抗R13が接続されている。また、第2のNPNトランジスタQ4のコレクタはVCC電源ラインに接続され、そのエミッタには第1の抵抗R11を介してNPNトランジスタQ6が接続されている。トランジスタQ6のエミッタと電源ラインVEEの間には抵抗R12が接続されている。トランジスタQ6とQ7のコレクタ側には第1の誤差電圧増幅器25の正負の入力側が接続され、その第1の誤差電圧増幅器25の出力は、トランジスタQ6とQ7の両方のベースに接続されている。トランジスタQ5のコレクタにはバッファアンプとして動作する誤差電圧増幅器26の正入力端子が接続され、その誤差電圧増幅器26の出力端子はエミッタフォロワ用PNPトランジスタP5のベースに接続されている。同トランジスタP5のエミッタとVCCラインとの間には出力抵抗R15が接続され、同エミッタ電圧は誤差電圧増幅器26の負入力端子に接続されている。
【0022】
次に、この検査回路20aの動作について説明する。
MRヘッド2のMRX端子の電位をVMRX、MRY端子の電位をVMRY、トランジスタQ4,抵抗R11,トランジスタQ6,抵抗R12に流れる電流をI4とし、抵抗R14,トランジスタQ5,Q7,抵抗R13に流れる電流をI5とし、トランジスタQ4のベースエミッタ間電圧をVBEQ4、トランジスタQ5のベースエミッタ間電圧をVBEQ5とすると、誤差電圧増幅器25の入力端子電位は、
正入力端子電位=VMRX−VBEQ4−I4×R11
負入力端子電位=VMRY−VBEQ5
となる。
【0023】
トランジスタQ6とQ7のベースは接続されていて同電位なので、R12=R13とすると、
I4=I5
つまり、
BEQ4=VBEQ5
となる。さらに、誤差電圧増幅器25の正入力端子電位と負入力端子電位が同電位になるように、トランジスタQ6,Q7のベース電位に帰還がかかっているで、
MRX−VBEQ4−I4×R11=VMRY−VBEQ5
MRX−VMRY=I4×R11
MR=I4×R11
【0024】
つまり、抵抗R11に発生する電圧[I4×R11]は、MRヘッド2に発生する電圧VMRに等しくなる。R14に発生する電圧VR14は、
Figure 0004487462
となり、MRヘッド2に発生する電圧が[R14/R11]倍される。よって、BHV端子には、バッファアンプとして機能する誤差電圧増幅器26を通し、VCC−VMR×(R14/R11)という電圧が出力される。
【0025】
この出力電圧を測定することにより、MRヘッド2が正常か、短絡またはオープン状態になっているかを測定できる。R14とR11の抵抗比を任意に設定することにより、出力電圧を数倍に増幅した状態で測定することができる。
【0026】
このように、本実施形態の検査回路20aでは、出力バッファアンプを含めて誤差電圧増幅器を2個使用するだけでVCC基準出力を得ることができ、図3の従来の検査回路20xが3個の誤差電圧増幅器を用いていたのに対して回路構成を簡素化することができる。
【0027】
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態を示す回路図である。この第2実施形態は、GND基準出力回路の構成を示すもので、バイアス電流供給回路10と検査回路20bとが同一基板上に搭載される。バイアス電流供給回路10の構成自体は図1と同じであるので説明を省略する。
【0028】
本実施形態の検査回路20bにおいては、MRヘッドの電位の高い方の端子MRXは第1のPNPトランジスタP6のベースに接続され、電位の低い方の端子MRYは第2のPNPトランジスタP7のベースに接続されている。電源ラインVCCと第1のPNPトランジスタP6のエミッタとの間には抵抗R16とPNPトランジスタP8が接続され、電源ラインVCCと第2のPNPトランジスタP7のエミッタとの間には抵抗R17とPNPトランジスタP9と第1の抵抗R19が接続されている。トランジスタP8とP9のベースは接続され、トランジスタP8とP9のコレクタには誤差電圧増幅器27の正負の入力端子が接続され、誤差電圧増幅器27の出力がトランジスタP8とP9の共通ベースに接続されている。
【0029】
トランジスタP8とP9の共通ベースにはさらに第3のPNPトランジスタP10のベースが共通に接続され、同トランジスタP10のエミッタには電源ラインVCCとの間に抵抗R18が接続され、コレクタとGNDとの間には抵抗R20が接続されている。これにより、第1の抵抗R19の両端電圧とMRヘッド2の出力端子間電圧が等しくかつ第1と第2のPNPトランジスタP6,P7のエミッタ電流と誤差電圧増幅器27に接続された第3のPNPトランジスタP10のコレクタ電流とが等しくなるように負帰還がかけられる。さらに、トランジスタP10のコレクタには、バッファアンプとして動作する誤差電圧増幅器28の正入力端子が接続され、その誤差電圧増幅器28の出力端子はトランジスタQ8のベースに接続されている。同トランジスタQ8のエミッタとGNDとの間には出力抵抗R21が接続され、同エミッタ電圧は誤差電圧増幅器28の負入力端子に接続されている。
【0030】
次に、この検査回路20bの動作について説明する。
ベースが共通に接続されているトランジスタP8,P9,P10のエミッタ側に接続されている抵抗R16,R17,R18は抵抗値が等しく設定されており、誤差電圧増幅器27によって、トランジスタP8,P9,P10を流れる電流I6,I7,I8が等しくなるように制御されている。MRヘッド2のMRX端子の電位をVMRX、MRY端子の電位をVMRY、トランジスタP6のベースエミッタ間電圧をVBEP6、トランジスタP7のベースエミッタ間電圧をVBEP7とすると、誤差電圧増幅器27の入力端子電位は、
負入力端子電位=VMRX+VBEP6
正入力端子電位=VMRY+VBEP7+I7×R19
となる。
【0031】
誤差電圧増幅器27により、正入力端子電位と負入力端子電位は等しくなるように負帰還がかかっており、かつ
BEP6=VBEP7
であるので、
MRX−VMRY=I7×R19
MR=I7×R19
つまり、抵抗R19に発生する電圧[I7×R19]は、MRヘッド2に発生する電圧VMRに等しくなる。
【0032】
一方、トランジスタP10に流れる電流I8はトランジスタP17に流れる電流I7と等しいので、R20に発生する電圧VR20は、
Figure 0004487462
となり、MRヘッド2に発生する電圧が[R20/R19]倍される。よって、BHV端子には、バッファアンプとして機能する誤差電圧増幅器28を通し、VMR×(R20/R19)という電圧が出力される。
【0033】
この出力電圧を測定することにより、MRヘッド2が正常か、短絡またはオープン状態になっているかを測定できる。R20とR19の抵抗比を任意に設定することにより、出力電圧を数倍に増幅した状態で測定することができる。
【0034】
このように、本実施形態の検査回路20bでは、出力バッファアンプを含めて誤差電圧増幅器を2個使用するだけでGND基準出力を得ることができ、図4の従来の検査回路20yが3個の誤差電圧増幅器を用いていたのに対して回路構成を簡素化することができる。さらに、第3のトランジスタP10のベース電位は誤差電圧増幅器27の帰還の中に含まれているため、図4に示した従来回路のように、カレントミラー回路を用いたときのようなベース電流誤差を補償するためのベース電流補償回路等をつけることなく高精度の検査を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
【0036】
(1)請求項1記載の発明によれば、1つの誤差電圧増幅器による負帰還によって、第1の抵抗の両端電圧と磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタ電流が等しくなるように自動制御することにより、少ない回路素子数で、従来と同様のVCC基準出力のMRヘッド検査出力を得ることができる。これにより、MRヘッドの駆動回路をICに搭載する場合、スペースを小さくでき、あるいは空いたスペースに他の付加回路を形成することができる。
【0037】
(2)請求項2記載の発明によれば、一つの誤差電圧増幅器による負帰還によって、第1の抵抗の両端電圧と磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1と第2のPNPトランジスタのエミッタ電流と誤差電圧増幅器に接続した第3のPNPトランジスタのコレクタ電流とが等しくなるように自動制御することにより、少ない回路素子数でGND基準出力のMRヘッド検査出力を得ることができる。しかも、カレントミラー回路を使用しないため、ベース電流誤差を補償するためのベース電流補償回路等を設ける必要がなく、それ自体で精度よくMRヘッドに発生する電圧を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す回路図である。
【図2】 本発明の第2実施形態を示す回路図である。
【図3】 VCC基準出力の従来例を示す回路図である。
【図4】 GND基準出力の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
10:バイアス電流供給回路
1:電流源
2:磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)
3:電圧電流変換器
20a,20b:検査回路
25,26,27,28:誤差電圧増幅器
Q5:第1のNPNトランジスタ
Q4:第2のNPNトランジスタ
R11:第1の抵抗
R14:第2の抵抗
P6:第1のPNPトランジスタ
P7:第2のPNPトランジスタ
P10:第3のPNPトランジスタ
R19:第1の抵抗
R20:第2の抵抗

Claims (2)

  1. 定電流駆動され、その出力端子間電圧の中間電位が所定の電位レベルに保持されるように制御される磁気抵抗効果型ヘッドの動作を検査する磁気抵抗効果型ヘッド検査装置において、
    前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の低い方の端子は第1のNPNトランジスタのベースに接続するとともに、前記第1のNPNトランジスタのエミッタを誤差電圧増幅器の負入力端子に接続し、
    前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の高い方の端子は第2のNPNトランジスタのベースに接続するとともに、前記第2のNPNトランジスタのエミッタを第1の抵抗を介して前記誤差電圧増幅器の正入力端子に接続し、
    前記第1の抵抗の両端電圧と前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタ電流が等しくなるように前記誤差電圧増幅器により負帰還をかけ、これにより、前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続した第2の抵抗の両端電圧が前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧の[第2の抵抗の抵抗値/第1の抵抗の抵抗値]倍となるようにした磁気抵抗効果型ヘッド検査装置。
  2. 定電流駆動され、その出力端子間電圧の中間電位が所定の電位レベルに保持されるように制御される磁気抵抗効果型ヘッドの動作を検査する磁気抵抗効果型ヘッド検査装置において、
    前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の高い方の端子は第1のPNPトランジスタのベースに接続するとともに、前記第1のPNPトランジスタのエミッタを誤差電圧増幅器の負入力端子に接続し、
    前記磁気抵抗効果型ヘッドの電位の低い方の端子は第2のPNPトランジスタのベースに接続するとともに、前記第2のPNPトランジスタのエミッタを第1の抵抗を介して前記誤差電圧増幅器の正入力端子に接続し、
    前記第1の抵抗の両端電圧と前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧が等しくかつ前記第1と第2のPNPトランジスタのエミッタ電流と前記誤差電圧増幅器の出力端子ベースを接続した第3のPNPトランジスタのコレクタ電流とが等しくなるように前記誤差電圧増幅器により負帰還をかけ、これにより、前記第3のPNPトランジスタのコレクタに接続した第2の抵抗の両端電圧が前記磁気抵抗効果型ヘッドの出力端子間電圧の[第2の抵抗の抵抗値/第1の抵抗の抵抗値]倍となるようにした磁気抵抗効果型ヘッド検査装置。
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