JP4486569B2 - スライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、回動機構を備えたスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器に関するものである。
例えば従来の折り畳み式の携帯電話は、数字キーやファンクションキーを配列した操作部を下側となる本体部の上面側に設け、この操作部のキー操作などにより所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部を上側となる重合部の伏面側(重合側)に設け、この本体部と重合部とをヒンジ装置を介して連結して、本体部と重合部とを二つ折り重合して操作部を重合部により隠蔽した折り畳み閉塞状態から、ヒンジ装置により重合部を起伏回動して反転し、操作部とディスプレイ部とが露出した開放状態に切り替えできるように構成している。
そのため、従来このような起伏回動する重合部で本体部の操作部を覆う電子機器においては、折り畳み重合してコンパクト化できるものの操作部を隠蔽した重合状態ではディスプレイ部も隠蔽してしまう構造となり、コンパクト化した状態での使用が制限されざるを得なく不便である場合も多い。
また、操作部を操作する場合には、ディスプレイ部を設けた重い重合部を立ち起こし反転回動させなければならず、この開閉動作(特に開放動作)させずらい欠点もある。
そこで、起伏回動により開閉動作するのではなく、重合面に沿って前後方向に重合部をスライド移動して開閉動作するように構成すれば、重合部の上側面にディスプレイ部を設けることができ、例えば不使用時あるいはキー操作不要時に重合した際においても、言い換えるとたとえディスプレイ部を設けた重合部を本体部に重合して操作部を隠蔽したコンパクト化状態においても、ディスプレイ部が上側に配設され、ディスプレイ部を視認したり、機能させたりすることが可能となり、また重合してコンパクト化した状態から操作部も露出した状態に切り替える場合は、重合面に沿って前後方向に重合部をスライド移動することで行なえるため、この開放動作も非常に容易に行なえ、機器装置として使用用途が広がり、しかも前記開閉動作も容易となる携帯電話,モバイルなどの電子機器となる。
このようにスライド開閉方式に構成する場合には、本体部と重合部とをスライド自在に連結するスライド装置を用いることになるが、本体部の操作部を重合部で隠蔽した重合閉塞位置と、重合部を位置ズレするように前後方向へスライド移動させて操作部を露出させたスライド開放位置とで位置決め保持(クリック係合)するように構成することが望ましい。
一方、このように第一部材(本体部)と第二部材(重合部)とをスライド移動自在に連結するスライド装置において、更に第一部材に対して第二部材をスライド移動させるだけでなく、第二部材を回動して向きを回動切り替え可能となる回動機構をスライド装置に組み込むことが提案されている。
例えば、本体部に対してディスプレイ部を設けた重合部をスライド自在にして回動自在に連結するスライド装置とすることで、ディスプレイ部を90度回動して縦長ディスプレイ状態から横長ディスプレイ状態に容易に切り替えることができる。
しかし、この場合において安易に単に回動自在として、どのスライド位置でも常に自由に回動自在とすると、重合部の動きや回動向きが不安定となったり、組み込む回路基板同志を結線する配線に支障を生じたり、また、スムーズな動きを妨げるだけでなく、回動機構やスライド機構に支障を与えるおそれがあり、耐久性に支障を生じるおそれもある。
また、この回動機構には必要以上の過回動を阻止したり、所定回動位置で位置きめ保持(クリック係合)するように構成することが望ましい。
そこで、本発明は、容易に製作可能でスムーズにスライド移動でき、しかも回動機構をも組み込んでスライド移動させる部材を回動させて向きを切り替え自在に構成すると共に、単にいつでも自由に回動できるのではなく、所定位置(所定範囲)ではスライド可能であるが回動は不能で、且つ所定のスライド位置(所定範囲)でのみ回動可能となり、スムーズにスライド移動並びに回動切り替えが可能で、ふらつきが少なく、誤動作も防止でき、配線に支障を生じたりスライド機構や回動機構に支障が生じにくく耐久性も向上し、必要に応じて簡単な構成でクリック保持も容易に施すことも可能な極めて画期的なスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器を提供することを目的としている。
更には、回動切り換えできるスライド位置を特定の位置のみとすることができ、使い易く、また体裁の良い位置で、例えば重合状態がL字状にならずT字状になる見やすい位置でのみ向きを回動切り替えできるように設定でき、非常に使い易く実用性に秀れたスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
第一部材1とこの第一部材1に重合配設した第二部材2とを重合面方向にスライド自在に連結するスライド装置であって、このスライド方向にガイド部3を有してガイドレールとして設けられるガイド部材4を前記第一部材1若しくは前記第二部材2に設け、このガイド部材4のガイド部3にこれをガイドとしてスライド自在に係合するスライド部材5を前記第二部材2若しくは前記第一部材1に設け、このスライド部材5に軸受部6若しくは軸部7を設け、この軸受部6若しくは軸部7に対して回動自在に係合する軸部7若しくは軸受部6を前記第二部材2若しくは前記第一部材1に設けて、前記第二部材2を前記第一部材1に対して前記ガイド部材4のガイド部3と前記スライド部材5との係合によってスライド自在に構成すると共に、前記軸受部6と前記軸部7との係合によって回動自在に構成し、前記軸受部6に対する前記軸部7の回動を阻止し、且つ前記ガイド部材4に対する前記スライド部材5の所定スライド位置では前記回動を許容するスライド位置回動規制機構8を備え、前記ガイド部材4のガイド部3にスライド自在に係合するスライド部12を前記スライド部材5に設け、このスライド部12に前記ガイド部3の所定位置に設けたスライドクリック係合部13に係脱自在に係合するスライドクリック係合ピン14を、前記スライド部12の挿通孔に内側から外側へ突出自在にして突没動自在に挿通配設し、このスライドクリック係合ピン14の内側端部を架設状態に設けた線状のピン弾圧部15で突出付勢すべく弾圧押圧した構成としたことを特徴とするスライド装置に係るものである。
また、前記スライド部材5に設けた前記軸受部6若しくは前記軸部7に回動自在に係合した前記軸部7若しくは前記軸受部6が、このスライド部材5と共に前記ガイド部材4に沿ってスライド移動することを許容するスライド許容部9をこのガイド部材4の前記ガイド部3に沿って設け、このスライド許容部9に前記軸受部6に対する前記軸部7の回動を阻止する規制部10を設けると共に、このスライド許容部9の所定位置に前記規制部10を設けない回動許容部11とを設けて前記スライド位置回動規制機構8を構成したことを特徴とする請求項1記載のスライド装置に係るものである。
また、前記スライド部材5と共にスライド移動し、且つスライド部材5に対して回動自在に設けた前記軸部7若しくは軸受部6が介在配置される対向縁を前記スライド許容部9とし、このスライド許容部9として設けた対向縁を前記規制部10とし、この対向縁の所定位置での対向間隔を大きく若しくは対向縁をなくして前記規制部10を設けない回動許容部11を設けたことを特徴とする請求項2記載のスライド装置に係るものである。
また、前記スライド部材5は、前記軸受部6若しくは軸部7を設けた基板部16の端部に、前記ガイド部3にスライド自在に係合する前記スライド部12を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライド装置に係るものである。
また、前記スライド部材5に前記軸受部6として軸受孔6を設け、前記ガイド部材4を設けた前記第一部材1若しくは前記第二部材2と重合する前記第二部材2若しくは第一部材1に設けた前記軸部7を前記軸受孔6に回動自在に係合し、この軸部7にこの軸部7のスライド移動は許容されるが回動が規制され且つこの軸部7がスライド部材5と共にスライドした所定スライド位置で前記回動が許容される規制形状部17を設けて前記スライド位置回動規制機構8を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスライド装置に係るものである。
また、前記スライド部材5に回動クリック係合部18若しくは回動クリック突部19を設け、この回動クリック係合部18若しくは回動クリック突部19に係脱自在に係合する回動クリック突部19若しくは回動クリック係合部18を前記軸部7若しくは軸部7と共に回動する部材に設けたことを特徴とする請求項5記載のスライド装置に係るものである。
また、本体部1と重合部2とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部2を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライド移動して重合面の一部を露出させることができるように前記本体部1と前記重合部2とをスライド装置により連結し、このスライド装置には、前記本体部1を前記第一部材1若しくは前記第二部材2とし、前記重合部2を前記第二部材2若しくは前記第一部材1とした前記請求項1〜6のいずれか1項に記載のスライド装置を用いたことを特徴とするスライド装置を用いた電子機器に係るものである。
また、前記本体部1に重合する重合部2の上面にスライド方向に長い縦長のディスプレイ部20を設け、TV若しくは映画などの横長映像を表示させる際にこの重合部2を本体部1に対して90度回動して前記ディスプレイ部20をスライド方向と直交する方向に長い横長ディスプレイとなる向きに切り換え自在となるように構成したことを特徴とする請求項7記載のスライド装置を用いた電子機器に係るものである。
また、前記ディスプレイ部20を上面に設けた前記重合部2を前記本体部1に対して前記スライド装置の前記軸受孔6に対する前記軸部7の回動により90度回動した際、前記重合部2若しくは前記ディスプレイ部20の中間位置を回動支点に90度回動して前記本体部1と前記重合部2との重合状態がL字状とならずT字状となるスライド位置でのみこの90度回動が許容され、このスライド位置以外のスライド位置では前記本体部1に前記重合部2の回動は阻止されるように前記スライド装置の前記スライド位置回動規制機構8を構成したことを特徴とする請求項8記載のスライド装置を用いた電子機器に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、スライド移動させる部材を回動させて向きを切り替えでき、単にいつでも自由に回動できるのではなく、所定位置(所定範囲)ではスライド可能であるが回動は不能で、且つ所定のスライド位置(所定範囲)でのみ回動可能となり、スムーズにスライド移動並びに回動切り替えが可能で、ふらつきが少なく、誤動作も防止でき、配線に支障を生じたりスライド機構や回動機構に支障が生じにくく耐久性も向上し、必要に応じて簡単な構成でクリック保持も容易に施すことも可能な極めて画期的なスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器となる。
例えば、回動切り換えできるスライド位置を特定の位置のみとすることができ、そのため例えば使い易く、また体裁の良い位置で、例えば重合状態がL字状にならずT字状になる位置でのみ向きを回動切り替えできるように設定でき、非常に使い易く実用性に秀れたスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器となる。
更に具体的一例をもって説明すれば、一方の部材に対してスライド移動し且つ回動するディスプレイ部を設けた他の部材をスライドさせて一部材に設けた操作部を露出させると共に、縦長のディスプレイ部を90度横向きに回動して横長のディスプレイ部に変更でき、しかも回動できる位置を所定スライド位置のみとすることで、回動すると常に操作部を設けた一方の部材に対してディスプレイ部を設けた他方の部材とがL字状とならずT字状に重合した状態となり、操作部も操作し易く、また、他方の部材を縦長のままスライドした状態と他方の部材を回動して横長の状態としたときの双方とも操作部が同様に露出し、不必要に広く露出しないようにも構成可能となり、常に所定の決まった重合状態に規制された動きとなり、ふらついたりもせず、常に安定したスムーズな動きとなり、各機能を損なわず、耐久性にも秀れた画期的なスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器を簡易な構成で容易に実現可能となる。
また、請求項2〜6記載の発明においては、更に簡易な構成で、本発明を容易に実現できる一層秀れたスライド装置となる。
特に、請求項2,3,4記載の発明では、スライドのガイド部材を簡易な構成で実現でき、スムーズなスライド移動が確保されると共に、所定位置での位置決め保持(スライドクリック保持)も容易に実現可能な画期的な発明を更に備えたスライド装置を実現できることとなり、請求項5,6記載の発明においては、更に回動機構の組み込みや回動クリック保持も容易に実現でき、本発明を一層簡易な構成で容易に実現可能となる画期的なスライド装置となる。
また、請求項7,8,9記載の発明においては、前述のような作用効果を発揮する画期的な電子機器を提供できることとなる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明は、例えば第一部材1に重合する第二部材2にガイド部材4を設け、このガイド部材4のガイド部3にスライド自在に係合するスライド部材5を回動機構を介して第一部材1に設けて、第一部材1と第二部材2とを重合状態にスライド自在にして回動自在に連結する。
即ち、例えば回動機構としてスライド部材5に軸受孔6を設け、この軸受孔6に軸部7を回動自在に係合し、この軸部7を前記第一部材1に設ける。
従って、第一部材1に回動機構を介して設けたスライド部材5と、第二部材2に設けたガイド部材4のガイド部3とをスライド移動自在に係合して連結しているため、第一部材1に対して第二部材2はスライド移動自在となる。
また、例えば第一部材1に設けた軸部7とスライド部材5に設けた軸受孔6とが回動自在に係合して連結されており、また、このスライド部材5は第二部材2に設けたガイド部材4にスライド移動自在に係合しているが、第二部材2に対して回り止めされているため、第一部材1に対して第二部材2は、スライド部材5に対してガイド部材4がスライド移動することでスライド移動自在となり、しかもこの軸部7を支点にスライド部材5が回動することで回動自在となる。
また、一方、スライド位置回動規制機構8を備えていることで、所定スライド位置(範囲)以外では、軸受孔6に対する軸部7の回動は阻止され、第一部材1に対して第二部材2はスライド可能であるが回動不能であり、所定スライド位置(範囲)においてのみ、この回動が許容されこの所定スライド位置でのみ回動可能となる。
言い換えると、予め設定した所定スライド位置(範囲)でのみ回動が可能で、また、この回動を行った場合はこの位置では回動位置を元に戻すかあるいは所定向きとならない限り、再びスライド移動ができないように構成している。
例えば、スライド部材5に設けた軸受部6に回動自在に係合した軸部7が、このスライド部材5と共に前記ガイド部材4に沿ってスライド移動することを許容するスライド許容部9をこのガイド部材4の前記ガイド部3に沿って設け、このスライド許容部9に前記軸受部6に対する前記軸部7の回動を阻止する規制部10を設けると共に、このスライド許容部9の所定位置に前記規制部10を設けない回動許容部11とを設け、例えば軸部7にこの軸部7の回動が規制され且つこの軸部7がスライド部材5と共にスライドした所定スライド位置で前記回動が許容される規制形状部17を設けてスライド位置回動規制機構8を構成することで、前述のように通常は前記規制部10と規制形状部17とによってスライド移動はできるが回動はできないように規制され、規制部10を設けない回動許容部11と規制形状部17とによって所定スライド位置でのみ回動が可能となるように構成できる。
従って、例えば使い易く、また体裁の良い位置で、例えば重合状態がL字状にならずT字状になる位置でのみ向きを回動切り替えできるように設定できる。
即ち、更に具体的一例をもって説明すれば、一方の部材1に対してスライド移動し且つ回動するディスプレイ部20を設けた他方の部材2をスライドさせて一方の部材1に設けた操作部21を露出させると共に、縦長のディスプレイ部20を90度横向きに回動して横長のディスプレイ部20に変更でき、しかも回動できる位置を所定スライド位置のみとすることで、回動すると常に操作部21を設けた一方の部材1に対してディスプレイ部20を設けた他方の部材2とがL字状とならずT字状に重合した状態となり、操作部21も操作し易く、また、他方の部材2を縦長のままスライド開放した状態と他方の部材2を回動して横長の状態としてT字状としたときの双方とも操作部21が同様に露出し、不必要に広く露出しないようにも構成できることとなる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、重合コンパクト化の図れる携帯電話に本発明を適用したもので、回路基板,電源などの電子部品をケースに内装した縦長厚板状の第一部材1(本体部1)の上面側に数字キーやファンクションキーなどを配列したキーボード機能を果たす操作部21を設け、この本体部1に重合して操作部21を覆う略同形の縦長厚板状の第二部材2(重合部2)を略水平前後方向にスライド自在にして、且つ略水平に90度回動自在にスライド装置により連結した構成としている。
この重合部2の上面側には予め設定した画面や前記操作部21の操作や着信などにより所定の表示がなされると共に受信等により取得したTVやDVDなどの横長映像を表示できる重合閉塞時は縦長の液晶パネルなどのディスプレイ部20を設けている。
この本体部1と重合部2との連結は、双方の重合部分の互いの伏面に必要に応じて連結具を用いて後述する回動機構を組み込んだスライド装置により連結して、本体部1に対して重合部2をスライド自在に開閉できるように構成し、本体部1の操作部21を重合部2で隠蔽した重合閉塞位置と、重合部2を位置ズレするように前後方向へスライド移動させて操作部21を露出させたスライド開放位置、後述するスライド途中で回動可能位置とで位置決め保持(スライドクリック係合)するように構成している。
そして、後述する回動機構とスライド位置回動規制機構8によって、このスライド途中の丁度略重合部2(ディスプレイ20)の中間位置が回動支点となる位置でのみ、回動ストッパ機構によって略90度以上の過回動することなく且つ片方向にのみ90度回動切り替えできるように構成している。この場合第一部材1と第二部材2とはL字状にならずT字状、即ち第二部材2のディスプレイ部20の中央が第一部材1の略中央ライン上にくるT字状の重合状態となり、ディスプレイ部20が非常に見やすく扱い易い使用状態特に横長映像の場合に最適となるように構成している。
また、更に回動前のスライドも回動も可能位置と、90度回動して第二部材2及びこの第二部材2のディスプレイ部20が縦長状態から横長状態とした90度回動状態とで位置決め保持(回動クリック係合)するようにも構成している。
また、第二部材2をスライド開放位置にスライドした時と、スライド途中で第二部材2を90度回動した時とで、第一部材1の露出する範囲は略同様で操作部21が同様に露出し、不必要に露出する部分が生じないようにしている。
以下、本実施例のこの回動機構を備えたスライド装置について更に説明する。
第一部材1(本体部1)とこの第一部材1(本体部1)に重合配設した第二部材2(重合部2)とを長さ方向にスライド自在に連結するスライド装置であって、本実施例ではこのスライド方向に長さを有し、折り返し状の係合部を有する形状に構成したガイド部3を有してこれをガイドレールとして左右対向位置に夫々設けたガイド部材4を前記第二部材2に設けている。
本実施例では、ガイド部3を少なくとも片側に設けたガイド部材4としても良いが、一枚の板材の左右縁を折り返して左右両端に対向状態にガイド部3を設けたガイド部材4とし、この左右に所定のスライド長を確保したガイド部3を有する一枚のガイド部材4としている。
このガイド部材4のガイド部3にこれをガイドとしてスライド自在に係合するスライド部材5を後述する回動機構を介して前記第一部材1に設けている。
従って、本実施例では、第一部材1に対して第二部材2をスライド部材5に対してガイド部材4をスライド移動することでスライド移動自在に構成している。
また、本実施例では、このスライド部材5に同形の軸受孔6を設けて軸受部6設け、この軸受部6に対して回動自在に係合する軸部7を前記第一部材1に設けている。
即ち、前述のように、前記第二部材2を前記第一部材1に対して前記ガイド部材4のガイド部3と前記スライド部材5との係合によってスライド自在に構成すると共に、前記軸受部6と前記軸部7との係合によって軸部7に対して軸受孔6を設けたスライド部材5及びガイド部材4を回動する構成として回動自在に構成している。
また、更にこの軸受部6に対する軸部7の回動を阻止し、言い換えると、本実施例では軸部7に対する軸受孔6即ちスライド部材5及びガイド部材4の回動を阻止し、且つガイド部材4に対するスライド部材5の所定スライド位置では前記回動を許容するスライド位置回動規制機構8を備えている。
更に先ずスライド機構について説明すると、前記ガイド部材4のガイド部3にスライド自在に係合するスライド部12を前記スライド部材5に設け、このスライド部12に前記ガイド部3の内面の少なくとも重合閉塞位置とスライド開放位置とその途中の回動可能位置とに凹状に設けたスライドクリック係合部13に、係脱自在に係合するスライドクリック係合ピン14を突没動自在に設け、このスライドクリック係合ピン14を弾圧押圧するピン弾圧部15を設けている。
具体的には、前記スライド部12の挿通孔に内側から外側へ突出自在にして前記スライドクリック係合ピン14を挿通配設し、このスライドクリック係合ピン14の内側端部をスライド部12の端部間に架設状態に設けた線状の前記ピン弾圧部15で突出付勢すべく弾圧押圧し、このスライドクリック係合ピン14の突出先端がガイド部3の内面に当接しつつスライド移動し、所定位置でクリック係合部13に弾圧係合するように構成している。
従って、極めて簡易な構成で部品点数も少なく、組み付けが容易で、しかもスムーズに係脱でき、良好にスライドクリック係合が実現できる画期的な発明に基づく構成を採用している。
更に、前記スライド部材5は、前記軸受部6を設けた基板部16の両端部に、前記ガイド部3にスライド自在に係合する前記スライド部12を設けた構成としている。即ち、本実施例では、特に回動機構を組み付ける基板部16とスライド部12とは別部材とし、例えば基板部16は金属板で形成し、この両端部に連結するスライド部12は、スライド抵抗が少なく移動がスムーズな樹脂製部材とし、これをガイド部3に係合し、スライドクリック係合ピン14を挿通してピン弾圧部15で弾圧押圧することで所定のスライド抵抗を付与すると共に、このスライドクリック係合ピン14がクリック係合部13に係合した際のクリック保持力を付与し、且つ容易にスライド係脱できるように構成している。
次に、回動機構について更に説明する。
本実施例では、スライド部材5に前記軸受部6として軸受孔6を設け、前記ガイド部材4を設けた前記第二部材2と重合する第一部材1に設けた軸部7を前記軸受孔6に回動自在に係合している。
具体的には、第一部材1に設ける連結具22に軸部7を連結し、この軸部7をスライド部材5の軸受孔6に回動自在に係合するが、軸部7に設けたフランジ部23と連結部22との間にスライド部材5の基板部16を介在すると共に、この基板部16と連結部22との間に板バネ介在スペース保持用のスペーサリング26と板バネ24とを介在し、この基板部16の両端部に前記スライド部12を設けて前記ガイド部材4のガイド部3にスライド自在に係合した後、更に軸部7の端部にスライド移動は許容されるが回動は規制阻止され、所定スライド位置でのみ前記回動が許容される円形の左右を辺取りした規制形状部17を組み付けている。
そして、このスライド部材5の基板部16に回動クリック係合部18を設け、この回動クリック係合部18に係脱自在にバネ弾圧によって落ち込み係合する回動クリック突部19を前記板バネ24に設けて、回動開始位置(スライド移動及び回動可能な位置)と、90度回動した位置とで、回動クリック係合するように構成している。
また、スライド部材5の基板部16にストッパ受部26を設け、これに回動に際して突き当てるストッパ部27を軸部7(軸部7のフランジ部23)に設け、90度以上の過回動及び一方向のみの回動とするように回動ストッパ機構も設けている。
従って、本実施例では、組み付けが容易で、スライド位置回動規制機構8の規制形状部17も容易に設けることができると共に、回動クリック係合もストッパ機構も容易に施すことができ、極めて実用性に秀れ容易に本発明を実現できる画期的な構成としている。
次に、スライド位置回動規制機構8について更に説明する。
本実施例では前記スライド部材5に設けた軸受部6に回動自在に係合した前記軸部7が、このスライド部材5と共に前記ガイド部材4に沿ってスライド移動することを許容するスライド許容部9をこのガイド部材4の前記ガイド部3に沿って設け、このスライド許容部9に前記軸受部6に対する前記軸部7の回動を阻止する規制部10を設けると共に、このスライド許容部9の所定位置に前記規制部10を設けない回動許容部11とを設けて前記スライド位置回動規制機構8を構成している。
具体的には、本実施例では、前述のようにガイド部材4は板状とし、この左右縁にガイド部3を形成した構成としているが、本実施例ではこれを利用し、このガイド部材4に一体にしてスライド許容部9を設けた構成としている。
即ち、ガイド部材4のガイド部3間の中央に対向孔縁を有する長窓孔を形成し、スライド部材5と共にスライド移動し、且つスライド部材5に対して回動自在に設けた前記軸部7をこの長窓孔に介在配置し、特に本実施例では前記軸部7の端部に設けた規制形状部17をこの長窓孔の長さ方向に沿ってスライド自在に配置し、この規制形状部17のスライド移動を許容する長窓孔の対向孔縁を前記スライド許容部9とし、このスライド許容部9として設けた対向孔縁を前記軸部7の規制形状部17が突き当たることでその回動を阻止する前記規制部10とし、この対向孔縁の所定スライド途中位置での対向間隔を大きく若しくは対向孔縁をなくして前記規制部10を設けない回動許容部11を設けている。
即ち、本実施例では長窓孔の対向孔縁の途中の対向間隔を大きくなるようにその部分を円形状に開口してこの位置では規制形状部17が回動し得るように構成している。
従って、このように構成することで、前述のように第二部材2が第一部材1とT字状になるなどの適切な位置でのみ回動可能となり、回動した後はスライド不能となり、且つこの適切な位置以外では回動できずスライド移動だけ可能なスライド位置回動規制機構8を簡易に構成でき容易に本発明を実現できることになる。
特に本実施例では、軸部7に規制形状部17を設けると共に、一枚のガイド部材4に所定の長窓孔を形成するだけでよく、このガイド部材4を第二部材2に設けるだけで良いため、極めて実用性に秀れる。
以上より、本体部1(第一部材1)に重合する重合部2(第二部材2)の上面にスライド方向に長い縦長のディスプレイ部20を設け、TV若しくは映画などの横長映像を表示させる際にこの重合部2を本体部1に対して90度回動して前記ディスプレイ部20をスライド方向と直交する方向に長い横長ディスプレイとなる向きに切り換え自在となり、特に前記ディスプレイ部20を上面に設けた前記重合部2を前記本体部1に対して前記スライド装置の前記軸受孔6と前記軸部7との回動により90度回動した際、前記重合部2若しくは前記ディスプレイ部20の中間位置を回動支点に(丁度スライドによって相対的に軸部7がこの位置に移動することで中間位置に位置した軸部7を支点に)90度回動して前記本体部1と前記重合部2とがL字状とならずT字状となるスライド位置でのみこの90度回動が許容される電子機器を容易に実現できることとなる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の重合閉塞状態での説明斜視図である。 本実施例のスライド開放位置での説明斜視図である。 本実施例の90度回動してT字状重合状態の説明斜視図である。 本実施例のスライド装置の分解斜視図である。 本実施例のガイド部材とスライド部材とのスライド係合を示す説明斜視図である。 本実施例の図5におけるガイド部とスライド部とのスライド係合を示す拡大説明平面図である。 本実施例の軸部に規制形状部を設ける前の組付状態を示すスライド装置の説明斜視図である。 本実施例の軸部に規制形状部を設けた組付状態を示すスライド装置の説明斜視図である。 本実施例のスライド部を回動可能な位置にスライドさせた状態を示すスライド装置の説明斜視図である。 本実施例の90度回動した状態を示すスライド装置の説明斜視図である。 本実施例の反対面から見たスライド装置の説明斜視図である。 本実施例のストッパ機構を示す要部の説明平面図である。 本実施例のスライド装置の説明正断面図である。 本実施例の図13における要部の説明正断面図である。 本実施例の異なる方向から見たスライド装置の説明側断面図である。
1 第一部材(本体部)
2 第二部材(重合部)
3 ガイド部
4 ガイド部材
5 スライド部材
6 軸受孔・軸受部
7 軸部
8 スライド位置回動規制機構
9 スライド許容部
10 規制部
11 回動許容部
12 スライド部
13 クリック係合部
14 スライドクリック係合ピン
15 ピン弾圧部
16 基板部
17 規制形状部
18 回動クリック係合部
19 回動クリック突部
20 ディスプレイ部

Claims (9)

  1. 第一部材とこの第一部材に重合配設した第二部材とを重合面方向にスライド自在に連結するスライド装置であって、このスライド方向にガイド部を有してガイドレールとして設けられるガイド部材を前記第一部材若しくは前記第二部材に設け、このガイド部材のガイド部にこれをガイドとしてスライド自在に係合するスライド部材を前記第二部材若しくは前記第一部材に設け、このスライド部材に軸受部若しくは軸部を設け、この軸受部若しくは軸部に対して回動自在に係合する軸部若しくは軸受部を前記第二部材若しくは前記第一部材に設けて、前記第二部材を前記第一部材に対して前記ガイド部材のガイド部と前記スライド部材との係合によってスライド自在に構成すると共に、前記軸受部と前記軸部との係合によって回動自在に構成し、前記軸受部に対する前記軸部の回動を阻止し、且つ前記ガイド部材に対する前記スライド部材の所定スライド位置では前記回動を許容するスライド位置回動規制機構を備え、前記ガイド部材のガイド部にスライド自在に係合するスライド部を前記スライド部材に設け、このスライド部に前記ガイド部の所定位置に設けたスライドクリック係合部に係脱自在に係合するスライドクリック係合ピンを、前記スライド部の挿通孔に内側から外側へ突出自在にして突没動自在に挿通配設し、このスライドクリック係合ピンの内側端部を架設状態に設けた線状のピン弾圧部で突出付勢すべく弾圧押圧した構成としたことを特徴とするスライド装置。
  2. 前記スライド部材に設けた前記軸受部若しくは前記軸部に回動自在に係合した前記軸部若しくは前記軸受部が、このスライド部材と共に前記ガイド部材に沿ってスライド移動することを許容するスライド許容部をこのガイド部材の前記ガイド部に沿って設け、このスライド許容部に前記軸受部に対する前記軸部の回動を阻止する規制部を設けると共に、このスライド許容部の所定位置に前記規制部を設けない回動許容部とを設けて前記スライド位置回動規制機構を構成したことを特徴とする請求項1記載のスライド装置。
  3. 前記スライド部材と共にスライド移動し、且つスライド部材に対して回動自在に設けた前記軸部若しくは軸受部が介在配置される対向縁を前記スライド許容部とし、このスライド許容部として設けた対向縁を前記規制部とし、この対向縁の所定位置での対向間隔を大きく若しくは対向縁をなくして前記規制部を設けない回動許容部を設けたことを特徴とする請求項2記載のスライド装置。
  4. 前記スライド部材は、前記軸受部若しくは軸部を設けた基板部の端部に、前記ガイド部にスライド自在に係合する前記スライド部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライド装置。
  5. 前記スライド部材に前記軸受部として軸受孔を設け、前記ガイド部材を設けた前記第一部材若しくは前記第二部材と重合する前記第二部材若しくは第一部材に設けた前記軸部を前記軸受孔に回動自在に係合し、この軸部にこの軸部のスライド移動は許容されるが回動が規制され且つこの軸部がスライド部材と共にスライドした所定スライド位置で前記回動が許容される規制形状部を設けて前記スライド位置回動規制機構を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスライド装置。
  6. 前記スライド部材に回動クリック係合部若しくは回動クリック突部を設け、この回動クリック係合部若しくは回動クリック突部に係脱自在に係合する回動クリック突部若しくは回動クリック係合部を前記軸部若しくは軸部と共に回動する部材に設けたことを特徴とする請求項5記載のスライド装置。
  7. 本体部と重合部とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライド移動して重合面の一部を露出させることができるように前記本体部と前記重合部とをスライド装置により連結し、このスライド装置には、前記本体部を前記第一部材若しくは前記第二部材とし、前記重合部を前記第二部材若しくは前記第一部材とした前記請求項1〜6のいずれか1項に記載のスライド装置を用いたことを特徴とするスライド装置を用いた電子機器。
  8. 前記本体部に重合する重合部の上面にスライド方向に長い縦長のディスプレイ部を設け、TV若しくは映画などの横長映像を表示させる際にこの重合部を本体部に対して90度回動して前記ディスプレイ部をスライド方向と直交する方向に長い横長ディスプレイとなる向きに切り換え自在となるように構成したことを特徴とする請求項7記載のスライド装置を用いた電子機器。
  9. 前記ディスプレイ部を上面に設けた前記重合部を前記本体部に対して前記スライド装置の前記軸受孔に対する前記軸部の回動により90度回動した際、前記重合部若しくは前記ディスプレイ部の中間位置を回動支点に90度回動して前記本体部と前記重合部との重合状態がL字状とならずT字状となるスライド位置でのみこの90度回動が許容され、このスライド位置以外のスライド位置では前記本体部に前記重合部の回動は阻止されるように前記スライド装置の前記スライド位置回動規制機構を構成したことを特徴とする請求項8記載のスライド装置を用いた電子機器。
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