JP4486297B2 - 半導体ウエハの加工装置およびこれを用いた半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

半導体ウエハの加工装置およびこれを用いた半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハの加工装置およびこれを用いた半導体ウエハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような加工装置として、加工対象物としての半導体ウエハを保持具により保持し、これを加工工具である研磨工具(研磨パッド)に接触させながら相対回転移動させて半導体ウエハの表面研磨を行う研磨装置がある。このように半導体ウエハの表面研磨を行う研磨装置では、非常に精密且つ均一な研磨が要求されるため、ウエハ(加工対象物)の表面の凹凸に追従して研磨工具がその姿勢を変えるようにしたり、もしくはウエハがその姿勢を変えるようにしたりして、常に最適な加工状態を維持するような工夫がなされている。
【0003】
例えば、米国特許第6,251,215号に開示の研磨装置では、ウエハを保持するヘッド部に柔軟性に富んだゴムシートを用い、ゴムシートの裏面側に空気圧を作用させてこのゴムシートを介してウエハを研磨工具となる研磨パッドに押し付けるように構成されている。また、特開平10−235555号公報に開示の装置では、ウエハを保持するヘッド部がボールジョイント構造を介して回転駆動軸に連結されて、ヘッド部がボールジョイント部を介して揺動自在な状態で回転駆動されるように構成されている。このようにゴムシートや、ボールジョイント構造を用いることにより、ウエハの表面凹凸に応じてその姿勢が柔軟に変化し、ウエハが研磨パッドに常に均一に接触し、均一な表面研磨を行うことができるようになっている。
【0004】
上記構成とは逆に、研磨工具側すなわち研磨パッドの姿勢を柔軟に変化させることができるようにする構成の装置も知られている。この装置では、例えば、ウエハチャックにウエハがその被研磨面を上方に向けて(フェイスアップ状態で)真空吸着され、ウエハチャックとともに回転駆動される。このウエハの上方にこれと対向して研磨ヘッドが配設されており、研磨ヘッドは、ウエハの被研磨面と接触する研磨パッドを貼り付けたパッドプレートと、これを柔軟に支えるドライブプレートおよびゴムシート(ダイアフラム)と、これらに空気圧を加えるための圧力室を構成するための内部空間が形成されたヘッドハウジングとを有して構成される。ヘッドハウジングの下端外周においてドライブプレートおよびゴムシートの外周が接合され、ドライブプレートおよびゴムシートが内周部においてパッドプレートと結合されており、ヘッドハウジングの内部空間がこれらドライブプレートおよびゴムシートにより覆われて圧力室が形成されている。この結果、パッドプレートはドライブプレートを介してヘッドハウジングに支持され、且つゴムシートを介して圧力室内に圧力を均一に受ける。そして、ヘッドハウジングが回転駆動されるとドライブプレートを介してパッドプレートに回転駆動力が伝達されて全体が回転されるようになっている。
【0005】
この研磨装置を用いたウエハの研磨加工は、ヘッドハウジングを回転駆動させた状態で研磨パッドをウエハチャックに吸着保持されたウエハの被研磨面に当接させて行われ、このときヘッドハウジングは面内で横方向に移動されてウエハの全表面が均一に研磨加工される。このようにしてウエハ表面の研磨加工を行うときに、研磨パッドをウエハ表面の凹凸等に対応して柔軟にその姿勢を変化させることができるようにドライブプレートは上下方向(厚さ方向)に十分な柔軟性を有することが要求される。このドライブプレートはさらに、ヘッドハウジングの回転駆動力(加工のための駆動トルク)をパッドプレートに伝達してヘッドハウジングとともにパッドプレートを回転させることができるとともに回転中における研磨パッドとウエハとの接触抵抗回転駆動力(加工時の抵抗トルク)に対抗できるだけの強度、耐久性を有することも要求される。
【0006】
上記のようにパッドハウジングの下端外周にドライブプレートの外周が結合され、且つドライブプレートの内周にパッドプレートが係合されているため、ドライブプレートの弾性変形によりその外周に対して内周がドライブプレート面に垂直な方向に移動することによりパッドハウジングに対してパッドプレートが上下方向に移動する。すなわち、ドライブプレートにおける外周に対する内周の面垂直方向の弾性変形移動量が大きいということが、ドライブプレートが上下方向に大きな柔軟性を有するということを意味する。このようにドライブプレートに大きな上下方向の柔軟性を付与するために、従来では、例えば、図15に示すように、ドライブプレート100は薄い金属板を中心に円孔を有した円盤状に形成するとともに同心円状に位置した多数の開孔103を形成して構成されている。このようなドライブプレート100では、外周102がパッドハウジングの下端外周に結合保持された状態で、パッドプレートが結合される内周101が上下に大きく弾性変形することができ、上下に大きな柔軟性を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ドライブプレートに要求される上下方向の柔軟性と、加工時の駆動もしくは抵抗トルクに対する強度、耐久性とは相反する面があり、両者を満足させることが難しいという問題がある。例えば、図15に示すように、ドライブプレート100に多数の開孔103を設けることにより上下方向の柔軟性を向上させることができるが、この開孔103を多くもしくは大きくしすぎると加工時の駆動もくしは抵抗トルクに対する強度が低下し、ドライブプレートの変形、破損が生じるという問題がある。特に、研磨加工中においてドライブプレート100の開孔103には繰り返し応力が作用するため、この繰り返し応力により疲労損傷破壊(例えば、図15に示すクラック100a等の損傷破壊)が発生するおそれもある。
【0008】
なお、ドライブプレートの上下方向の柔軟性に関しては、上記のように加工中におけるウエハ表面の凹凸等に対する追従性という点の要求のみならず、次のような点からも大きな柔軟性が要求される。まず、研磨パッドをウエハ表面に押し付けて研磨加工を行うと、ウエハ表面が研磨されるとともに研磨パッド表面も摩耗して薄くなる。これに応じてドライブプレートの上下方向の変形量が大きくなり、この変形を元に戻そうとする上下方向の復元力が発生し、これが圧力室の空気圧に対して反対方向に作用し、研磨パッドとウエハ表面との接触圧が変化(低下)するという問題が生じる。このような接触圧の変化をできる限り小さくするため、ドライブプレートの上下方向の柔軟性を大きくすること、すなわち、上下方向の弾性変形に対するバネ定数を小さくすることが望まれている。
【0009】
また、このようなドライブプレートの上下方向の変形により発生する復元力の影響をできる限り小さくするため、加工開始前に研磨パッドがウエハの被研磨面と接触した状態でドライブプレートが中立位置(復元力が作用しない位置)に位置するように調整される。但し、この調整精度に限界があり、また、パッドプレート、研磨パッドの厚さのばらつき等があるため、実際には、加工開始時からドライブプレート位置が中立位置から上下方向にある程度ずれるのが避けられず、これにより加工開始時からある程度の復元力が作用するという問題がある。この問題を抑えるためにも、ドライブプレートの上下方向の柔軟性を大きくすること、すなわち、上下方向の弾性変形に対するバネ定数を小さくすることが望まれている。
【0010】
本発明は上記のような問題に鑑みたもので、ドライブプレートの上下方向の柔軟性を大きくするとともに加工時の駆動および抵抗トルクに対する強度、耐久性も十分確保できるような構成の加工装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、加工対象物となる半導体ウエハ(例えば、実施形態における基板90)を保持する対象物保持具(例えば、実施形態における基板保持テーブル95)と、半導体ウエハを加工する工具(例えば、実施形態における研磨パッド60が取り付けられた研磨工具50)を保持する工具保持具(例えば、実施形態における研磨ヘッド30)と、対象物保持具に保持された半導体ウエハを工具保持具に保持された工具と接触させながら相対移動させて半導体ウエハの研磨加工を行わせる相対移動機構(例えば、実施形態における支持フレーム20)とを有して加工装置が構成され、対象物保持具および工具保持具の少なくともいずれかは、バネ性を有した略円盤状の支持板(例えば、実施形態におけるドライブプレート10)を介して前記相対移動機構により相対移動可能に支持される。このとき支持板の内周部に対象物保持具および工具保持具のいずれかが連結されるとともに外周部に相対移動機構が連結され、この支持板にはバネ性を獲得するための同心円状に並んだ複数の円弧状のスリットからなる開孔が形成され、これらの複数のスリットのうち、支持板の外周部および内周部に形成されたスリットを除くスリットの端部には、スリット幅より大きな直径の略円形状開口部が形成されている。
【0012】
このような構成の加工装置によれば、各開孔がスリットの端部に円形状開口部を有して形成されているため、開孔の端部に応力集中が発生することが抑えられ、開孔を多くもしくは大きくした上で加工時の駆動トルクおよび抵抗トルクに対する強度、耐久性を大きくすることができ、支持板の上下方向(板面に直角な方向)の柔軟性を大きくするとともに強度、耐久性を確保できる。
【0013】
上記加工装置において、前記スリットにより前記支持板のバネ性を確保するとともに前記略円形状開口部により前記スリットの端部における応力集中を緩和して、前記半導体ウエハを前記工具により加工するときに前記支持板が受けるせん断応力を低下させるように構成されているのが好ましい。
【0014】
上記加工装置において、前記開孔が化学的除去加工により形成されていることが望ましく、この場合、前記化学的除去加工がエッチング加工であることが望ましい。また、この化学的除去加工が行われたときの前記支持板の表面平均粗さが0.2a以下であることが望ましい。さらに、前記化学的除去加工により形成された前記開孔に、バレル研磨もしくはアフターエッチングにより面取り加工が施されているのが望ましい。
【0015】
上記加工装置において、前記支持板が、引っ張り強さが1000N/mm 2 以上の材料から作られることが好ましく、この場合に、材料がオーステナイト系ステンレスであることが好ましい。
【0016】
上記加工装置において、前記半導体ウエハを前記工具により加工するときに前記支持板が受ける等価応力振幅の最大値に基づく前記支持板の疲労寿命が、前記加工装置の実使用期間以上であることが望ましい。
また、前記半導体ウエハを前記工具により加工するときに、少なくとも前記支持板はその構成材料に対して化学反応性が低い物質に覆われた環境もしくは真空環境内に置かれるのが望ましい。
【0017】
一方、本発明に係る半導体ウエハの製造方法は、上述の加工装置を用いて半導体ウェハの表面を平坦化する工程を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1に、本発明に係る加工装置の代表例としてのCMP装置(化学的機械的研磨装置)1を示している。このCMP装置1は、研磨対象たる基板(例えば半導体ウエハ)90をその上面側に着脱自在に吸着保持可能な基板保持テーブル95と、この基板保持テーブル95の上方位置に設けられ、基板保持テーブル95上に保持された基板90の被研磨面91と対向する研磨パッド60が取り付けられた研磨工具50を保持してなる研磨ヘッド30とを備えて構成されている。このCMP装置1では、研磨パッド60の寸法(直径)は研磨対象たる基板90の寸法(直径)よりも小さく(すなわち研磨パッド60は基板90よりも小径であり)、研磨パッド60を基板90に接触させた状態で双方を相対移動させることにより、基板90の被研磨面(上面)91全体を研磨できるようになっている。
【0021】
これら基板保持テーブル95と研磨ヘッド30とを支持する支持フレーム20は、水平な基台21と、この基台21上にY方向(紙面に垂直な方向でこれを前後方向とする)に延びて設けられたレール(図示せず)上をY方向に移動自在に設けられた第1ステージ22と、この第1ステージ22から垂直(Z方向)に延びるように設けられた垂直フレーム23と、この垂直フレーム23上をZ方向(上下方向)に移動自在に設けられた第2ステージ24と、この第2ステージ24上から水平(X方向)に延びるように設けられた水平フレーム25と、この水平フレーム25上をX方向(左右方向)に移動自在に設けられた第3ステージ26とを有して構成されている。
【0022】
第1ステージ22内には第1電動モータM1が設けられており、これを回転駆動することにより第1ステージ22を上記レールに沿ってY方向に移動させることができる。第2ステージ24内には第2電動モータM2が設けられており、これを回転駆動することにより第2ステージ24を垂直フレーム23に沿ってZ方向に移動させることができる。また、第3ステージ26内には第3電動モータM3が設けられており、これを回転駆動することにより第3ステージ26を水平フレーム25に沿ってX方向に移動させることができる。このため、上記電動モータM1〜M3の回転動作を組み合わせることにより、第3ステージ26を基板保持テーブル95上方の任意の位置に移動させることが可能である。
【0023】
基板保持テーブル95は基台21上に設けられたテーブル支持部27から上方に垂直に延びて設けられた回転軸28の上端部に水平に取り付けられている。この回転軸28はテーブル支持部27内に設けられた第4電動モータM4を回転駆動することにより回転されるようになっており、これにより基板保持テーブル95をXY面(水平面)内で回転させることができる。
【0024】
研磨ヘッド30は第3ステージ26から下方に垂直に延びて設けられたスピンドル29の下端部に取り付けられている。このスピンドル29は第3ステージ26内に設けられた第5電動モータM5を回転駆動することにより回転されるようになっており、これにより研磨ヘッド30全体を回転させて研磨パッド60をXY面(水平面)内で回転させることができる。
【0025】
研磨ヘッド30は図2及び図3に示すように、スピンドル29の下端部にボルトB5により結合される円盤部材31a及びこの円盤部材31aの下面外周にボルトB1により結合された円筒部材31bからなるヘッドハウジング31と、円筒部材31bの下端部にボルトB2により固定される保持リング32と、これら円筒部材31bと保持リング32とにより外周部が挟持される円盤状のドライブプレート10およびダイアフラム35と、ダイアフラム35の下面側に位置して取り付けられる円盤状の基準プレート41と、この基準プレート41の下面に真空吸着により着脱自在に取り付けられる上述の研磨工具50とを有して構成される。この構成から分かるように、ヘッドハウジング31内には、下面に開口した円筒状の空間Hが形成され、この空間Hが後述するようにダイアフラム35により覆われて圧力室が形成される。
【0026】
ドライブプレート10はオーステナイト系ステンレス板等の金属板から作られ、その詳細を図4に示すように、中央に円形孔11を形成した円盤に、同心円状に並んだ多数の開孔15,15′を図示のように形成して作られている。各開孔15は、円周方向に延びたスリット16とこのスリット16の両端に形成されたスリット幅より大きな直径の円形状開口部17とから構成される。但し、最内周および最外周に形成される開孔15′はスリット16のみから形成される。これは、後述するように、中間部の開孔15についてはスリット16のままでは、ウエハの研磨加工を行うときにその両端に発生する応力が大きくなるため、円形状開口部17を設けて応力集中をなくして発生応力を小さくするためである。一方、最内周および最外周のスリット15′については、研磨加工中において発生する応力が小さいため、スリット16のみの形状としている。
【0027】
ダイアフラム35は所定厚さ(比較的薄い)ゴムシートをドライブプレート10と同一径の円盤状に形成して作られている。ダイアフラム35の中央にはドライブプレート10の円形孔11と同一径の円形孔35aが形成されている。ドライブプレート10およびダイアフラム35は、上下に重ねられた状態で、その外周部が上述のようにヘッドハウジング31と保持リング32とに挟持されて固定される。
【0028】
基準プレート41の中央部上面側にはドライブプレート10及びダイアフラム35の円形孔11,35aよりも若干小さい半径を有する円盤状の中心部材44がボルトB3により固定されており、この中心部材44に芯合わせをされたドライブプレート10およびダイアフラム35の内周部が、基準プレート41とこの基準プレート41の上面側にボルトB4により固定されるリング部材45との間に挟持される。このように基準プレート41はドライブプレート10を介してヘッドハウジング31に固定されており、スピンドル29の回転駆動力がドライブプレート10を介して基準プレート41に伝達される。また、ドライブプレートに重なって取り付けられるダイアフラム35がヘッドハウジング31の内部空間Hを下面側から密封状態で覆い、圧力室を形成する。
【0029】
なお、基準プレート41の外周部から外方に張り出したフランジ41aの外径は保持リング32の内周部から内方に張り出したフランジ32aの内径よりも大きく形成されており、基準プレート41が保持リング32から抜け出ることがないようになっている。
【0030】
研磨工具50は上記基準プレート41とほぼ同じ外径を有する円盤状のパッドプレート51と、このパッドプレート51の下面である研磨パッド取付面51aに取り付けられた円形の研磨パッド(研磨布)60とから構成される。ここで、研磨パッド60は研磨により劣化していく消耗品であるため、上記研磨パッド取付面51aに着脱自在に取り付け可能にして(例えば接着剤による)、交換作業を容易にしている。
【0031】
図2に示すように、基準プレート41の内部には下面側に複数の吸着開口を有する空気吸入路71が形成されており、この空気吸入路71は中心部材44側にも延びてヘッドハウジング31の内部空間(圧力室)H側に開口している。この開口部にはスピンドル29の中央に貫通形成されたエア供給路80内を延びた吸入管72が接続されており、基準プレート41の下面側にパッドプレート51を位置させた状態でこの吸入管72から空気を吸入することにより、パッドプレート51を基準プレート41に吸着取り付けできるようになっている。ここで、パッドプレート51は基準プレート41との間に設けられたセンターピンP1と位置決めピンP2とにより芯出しと回転方向の位置決めとがなされる。
【0032】
また、エア供給路80内には図示しない研磨剤供給装置と繋がる研磨剤供給管81が延びており、スピンドル29と中心部材44との間に位置する接続具82を介して中心部材44を貫通して設けられた流路83、センターピンP1内を貫通する流路84,パッドプレート51内に形成された流路85および研磨パッド60に設けられた流路86と繋がっている。
【0033】
さらに、エア供給路80は図示しないエア供給源に繋がっており、エア供給源から供給されるエア圧により圧力室H内の圧力を所望の圧力に調整設定できるようになっている。
【0034】
このような構成のCMP装置1を用いて基板の研磨を行うには、先ず基板保持テーブル95の上面に研磨対象となる基板90を吸着取り付けし(このとき基板90の中心は基板保持テーブル95の回転中心に一致させる)、電動モータM4を駆動して基板保持テーブル95を回転させる。次に電動モータM1〜M3を駆動して第3移動ステージ26を基板90の上方に位置させ、電動モータM5によりスピンドル29を駆動して研磨ヘッド30を回転させる。続いて電動モータM2を駆動して第3ステージ26を降下させ、研磨パッド60を基板90の上面(被研磨面)に押し当てるようにする。
【0035】
次に、エア供給源から圧力室H内に所定のエア圧を供給して、圧力室H内のエア圧により基板90と研磨パッド60との接触圧を所定の値に設定する。そして、電動モータM1,M3を駆動して研磨ヘッド30をXY方向(基板90と研磨パッド60との接触面の面内方向)に揺動させる。このとき同時に、研磨剤供給装置より研磨剤(シリカ粒を含んだ液状のスラリー)を圧送し、研磨パッド60の下面側に研磨剤を供給させる。これにより、基板90の被研磨面91は、研磨剤の供給を受けつつ基板90自身の回転運動と研磨ヘッド30の(すなわち研磨パッド60の)回転及び揺動運動とにより研磨される。
【0036】
このようにして基板90の被研磨面91の研磨を行っているときに、研磨パッド60を有する研磨工具50は基準プレート41に結合された状態で、ドライブプレート10を介してヘッドハウジング31に支持されているため、ドライブプレート10の弾性変形により被研磨面91の傾きや凹凸に応じて研磨工具50の姿勢が変動し、被研磨面91の均一な研磨を行う。このドライブプレート10の変形や、研磨加工中に発生する内部応力等について以下に説明する。
【0037】
上述したように、ドライブプレート10は、同心円状に並んだ多数の開孔15,15′を有して形成されいるため、その外周部13がヘッドハウジング31の下端外周に固定された状態で、その内周部12に上下方向(ドライブプレート面に垂直な方向)の力が作用したときにドライブプレート10の弾性変形による内周部12の上下方向の移動量が開孔を有しない場合に比べて格段に大きくなる。すなわち、内周部12の移動に対するドライブプレート10の弾性変形のバネ定数が小さくなる。このため、ドライブプレート10の内周部に結合されて取り付けられる研磨工具50が上下に柔軟に移動することができ、基板90の被研磨面91の傾きや、凹凸に追従して研磨工具50が上下に移動したり傾いたりして柔軟にその姿勢が変化し、被研磨面91が精度良く且つ均一に研磨される。
【0038】
但し、ドライブプレート10はスピンドル29の回転をヘッドハウジング31から研磨工具50に伝達してこれをスピンドル29と一体に回転させる役割を有しているため、この回転のための駆動トルクを伝達するための十分な強度も要求される。このため、ドライブプレート10が十分な強度が得られるように、以下のような工夫が凝らされている。
【0039】
まず、研磨剤には強酸、強アルカリなどの研磨液が含まれており、ドライブプレート10がこれら研磨液に曝される可能性がある。特に、メンテナンス時においてドライブプレート10が取り外されるようなときに研磨液の飛沫が付着したりし、錆、腐食が発生するおそれがある。このような錆、腐食はドライブプレート10の耐久性を低下させるだけでなく、生じた錆が基板(ウエハ)90や、研磨装置構成部品を汚染する問題もある。このようなことから、ドライブプレート10はステンレス系(SUS系)材料から作られており、ステンレス系材料でも、マルテンサイト系よりもさらに耐腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス材が適している。耐力やバネ性の観点から見ればステンレス系材料よりも優れた材料はあるが(例えば、ベリリウム銅など)、このような材料は防錆のためのメッキ処理が必要とされるが、一般に、金属に防錆を目的としてメッキ処理を施すと水素脆性等により耐力、バネ性が低下するという問題がある。さらに、メッキ剥離の可能性の問題や、コスト、信頼性を考え合わせると、ステンレス系が最も適している。
【0040】
ドライブプレート10は図4に示すように、多数の開孔15,15′が形成されて作られるのであるが、このような開孔15,15′の形成は、従来、レーザー加工、プレス加工により行われていた。ここで、ステンレス材料は冷間圧延率が高いが一般的に焼き入れによる材料強度向上が期待できないため、冷間圧延時の圧縮加工により硬度および引っ張り強度を高めている。つまり、圧縮力によって歪み応力を結晶組織内に封じ込めて材料強度を向上させている。このようなステンレス材料にレーザー加工により開孔15,15′を形成してドライブプレート10を作った場合、レーザー加工熱を受けた切断面はアニール(焼きなまし)された状態になり封じ込められた歪み応力が開放され、切断面の強度が低下するという問題がある。さらに、レーザー加工による切断面は細かな凹凸が多い荒れた加工面となり、応力集中が発生しやすく、特に疲労強度が低下するという問題がある。一方、プレス加工により開孔15,15′を形成した場合には、レーザー加工のような熱による応力開放ということはないが、切断面にバリ、ダレが発生するとともに多数の細かな凹凸が存在するため、応力集中が発生し、強度低下(特に、疲労強度低下)が生じるという問題がある。
【0041】
このようなことから、本発明においては、ステンレス材料の板材を化学的除去加工(例えば、エッチング加工)により、円盤状で、中央に円形孔11を有し、且つ多数の開孔15,15′を有する図4に示す形状に加工してドライブプレート10を作っている。このようにエッチング加工等の化学的除去加工を行うと疲労強度が向上するので、同一形状のドライブプレートであっても、従来のレーザー加工もしくはプレス加工により作られたドライブプレートより長い寿命が得られる。
【0042】
これを確認するため、本発明者はSUS304−CSP−Hステンレス材料から図7に示すような切り欠き部111を有する矩形状のテストピース110を作成し、両端に引っ張り繰り返し加重Fを加えたときの疲労寿命を試験した。このときの疲労破壊は切り欠き部111を通る面112において発生するため、この面112に作用する等価応力振幅σeqと繰返数N(疲労寿命)との試験結果に基づくS−N曲線を図5に示している。この図において線Aはテストピース110をエッチング加工により作った場合の試験結果を示し、線Bはレーザー加工により作った場合の試験結果を示している。この結果から分かるように、同一材料で同一形状であっても、エッチング加工で作った方が長い寿命が得られる。なお、等価応力振幅σeqとは、例えば、図12に示すように、平均応力σmが作用した状態で振幅σaの応力が作用したときに、平均応力σmが零となるときに等価寿命が得られる応力振幅σeqを意味し、次の式(1)により求まる値である。
【0043】
【数1】
σeq = σa/{1−(σm/σB)} ・・・(1)
但し、σBは引っ張り強度
【0044】
本発明者はさらに、図7に示す形状のテストピースを、材料を相違させてレーザー加工により作った場合についての疲労寿命比較試験も行った。その結果に基づくS−N曲線を図6に示しており、この図において線Cは上記と同様にSUS304−CSP−Hステンレスからレーザー加工により作られたテストピースの試験結果を示し、線DはSUS301−CSP−EHステンレスからレーザー加工により作られたテストピースの試験結果を示している。この結果から分かるように、SUS301の方がSUS304より長い寿命が得られる。
【0045】
以上説明したように、エッチング加工の場合には加工熱による歪みの開放が無いため、加工面の強度低下の問題がなく、且つ加工面が滑らかで凹凸が小さいため応力集中が生じにくく、上記のような高い寿命が得られる。とろこで、エッチング加工の場合には、開孔部の角部(稜線部)が鋭く、断面が尖った直角形状となるので、何らかの衝撃を受けて角部が欠損して凹凸が形成されるという可能性がある。このため、このドライブプレート10においては、エッチング加工により開孔15,15′を形成した後、マスク部を全て剥がして再度全表面をエッチング液に曝すアフターエッチングを行って、角部を丸くしている。なお、アフターエッチングに代えてバレル研磨を行っても良い。
【0046】
また、ドライブプレート10の疲労寿命という見地から、ドライブプレート10の表面を滑らかにして応力集中を起こす凹凸をできる限り除去することが望ましい。このため、本実施形態のドライブプレート10においては、表面粗さRa<0.2aとなるようにドライブプレート10の表面が鏡面仕上げ加工されており、これにより、疲労強度が一層高められている。
【0047】
ところで、材料の引張強度と引張圧縮疲労限との関係は、炭素鋼および構造用合金について、図8に示すように、線EおよびFに挟まれたハッチングを施す領域内の相関関係があることが知られている。この関係から分かるように、引っ張り強さが100Kg/mm2(約1000N/mm2)付近までは引張強度と引張圧縮疲労限とは強い正の相関関係が認められるが、これ以上の引っ張り強さでは相関関係が低下している。つまり、100Kg/mm2(約1000N/mm2)以下の引っ張り強さの材料を使用すると疲労限が引っ張り強さに応じて変化するが、100Kg/mm2(約1000N/mm2)以上の引っ張り強さの材料を使用すれば常に最大の疲労寿命が得られる。このことから、本実施形態においては、引っ張り強さが100Kg/mm2(約1000N/mm2)以上のオーステナイト系ステンレス材料からドライブプレート10を作っている。なお、図6の試験に用いたSUS301およびSUS304ステンレスはともに100Kg/mm2(約1000N/mm2)以上の引っ張り強さを有している。
【0048】
以上のようなことから、ドライブプレート10は、SUS301−CSP−EHステンレスをエッチング加工して図4の形状に形成し、さらにアフターエッチングし、表面粗さは0.2a以下となるように鏡面仕上げするのが最も好ましい。但し、本発明に係るドライブプレートはこれに限られるものではなく、SUS304ステンレスをエッチングして作るなど、種々の形態が考えられる。
【0049】
以上説明した研磨装置(CMP装置)1では、一般的に液体状の研磨剤を用いているが、固定研粒式と称される研磨布に研粒粉を含ませて液体状の研磨剤を用いない研磨方式のものでも良い。このような場合、ドライブプレート10が研磨液の雰囲気に曝されるおそれが無くなるため、要求される耐腐食性のレベルが下がり、ステンレス以外の材料、例えば、ベリリウム銅等からドライブプレートを作成することが可能となる。
【0050】
ところで、一般に、疲労破壊は対象物の略面内方向に加わるせん断応力振幅が発端となり、次のその箇所の主応力振幅が亀裂の進展を進行させると考えられている。この考えに基づくと、疲労破壊を避けるには、対象物の略面内方向に加わるせん断応力振幅をできる限り低く抑えることが有効である。このようなことから、図4に示す形状のドライブプレート10と、図15に示す形状のドライブプレート100を有限要素法を用いてモデル化し、研磨装置1を用いて研磨するときの回転や横方向移動による実際の外力が作用したときの応力解析を行った。その結果を図9および図10に示しており、ここでは面内せん断応力振幅をベクトル形式(矢印)で示している。この解析の結果によれば、図15に示す形状のドライブプレート100の面内せん断応力振幅の最大値が約11kgf/mm2となり、図4に示す形状のドライブプレート10の面内せん断応力振幅の最大値が約8kgf/mm2となり、図4に示す形状のドライブプレート10の方が強度、耐久性で有利であることが分かった。ちなみに、この解析において面内せん断応力振幅が大きいと解析された部分は、実物の破断箇所とほぼ一致しており、解析の有効性が確認された。
【0051】
次に、このように面内せん断応力振幅が大きくなる部分での主応力変動を解析した結果を図11に示しており、この図において図15に示す形状のドライブプレート100の主応力変動を線Mで示し、図4に示す形状のドライブプレート10の主応力変動を線Nで示している。これらの主応力変動を等価応力振幅σeqに式(1)を用いて換算すると、図15に示す形状のドライブプレート100の等価応力振幅が約16kgf/mm2となり、図4に示す形状のドライブプレート10の等価応力振幅が約10kgf/mm2となった。そして、これら等価応力振幅を図5および図6を元にしたS−N曲線に照らして図13に示している。
【0052】
この図13のS−N曲線では、線AがSUS304ステンレス材料をレーザー加工して作ったドライブプレートのS−N曲線を示し、線BがSUS304ステンレス材料をエッチング加工して作ったドライブプレートのS−N曲線を示し、線CがSUS301ステンレス材料をエッチング加工して作ったドライブプレートのS−N曲線を示す。また、破線Pが等価応力振幅約16kgf/mm2(すなわち、図15に示す形状のドライブプレート100の等価応力振幅)を示し、破線Qが等価応力振幅約10kgf/mm2(すなわち、図4に示す形状のドライブプレート10の等価応力振幅)を示す。これら破線P,Qと各S−N曲線A,B,Cとの交点a〜eが各ドライブプレートの疲労寿命(繰り返し数)を示す。
【0053】
この図から分かるように、まず、図15に示す形状のドライブプレート100を、SUS304ステンレス板材をレーザー加工して作った場合、すなわち、従来のドライブプレートの場合には点aでの疲労寿命となり、約137万回の繰り返し寿命で、実際の研磨加工時間に換算すると約10日程度の寿命しか得られない。これに対して、本発明の第1実施例として、図15に示す形状のドライブプレート100を、SUS304ステンレス板材をエッチング加工(化学的除去加工)して作った場合には点bでの寿命となり、約4.0×108回の繰り返し寿命で、約2900日の寿命が得られる。さらに、本発明の第2実施例として、図15に示す形状のドライブプレート100を、SUS301ステンレス板材をエッチング加工(化学的除去加工)して作った場合には点cでの寿命となり、約3.5×1010回の繰り返し寿命で、約255000日の寿命が得られる。
【0054】
次に、本発明の第3実施例として、図4に示す形状のドライブプレート10を、SUS304ステンレス板材をエッチング加工(化学的除去加工)して作った場合には点dでの寿命となり、約3.5×109回の繰り返し寿命で、約2.73×104日(約74年)の寿命が得られる。さらに、本発明の第4実施例として、図4に示す形状のドライブプレート10を、SUS301ステンレス板材をエッチング加工(化学的除去加工)して作った場合には点eでの寿命となり、約1.02×1012回の繰り返し寿命で、約7.9×106日(約2万年)の寿命が得られる。このように本発明の実施例に係るドライブプレートを用いれば、高い耐久性が確保できる。
【0055】
ところで、従来、ドライブプレートの開孔パターンは試行錯誤、経験等により設計されていたが、上述したように本実施形態では有限要素法による解析に基づき、応力振幅と疲労限度に鑑みて設計されており、耐久性、信頼性を大きく向上させることができる。本発明の第3および第4実施例として説明した図4に示す形状の開孔15,15′は、この解析の結果、スリット16を設けただけではスリット16の両端に応力集中することが判明したため、スリット両端に円形状開口部17を形成して応力集中を緩和させた。このように、まず、厚さ方向の柔軟性に対する要求を満足するようにスリットの本数、分割数、板厚等を決定し、その後に応力解析結果に基づいてスリット両端の応力緩和のための円形開口部形状を決定する。そして、この円形開口部形状を確保できない場合には、スリット本数、分割数等を再設計し、修正する。このような手法によれば、所望の柔軟性と耐久性とを有したドライブプレートを容易に設計、製作することができる。
【0056】
なお、応力振幅や面内方向の最大せん断応力を下げつつ厚み方向の柔軟性を得るには、ドライブプレートの外径を大きくすることが最も容易な解決方法である。しかし、現実には周囲の構造物の干渉もあるためあまり大きな径を確保することは困難である。また、できる限り小さなCMP装置が求められており、ドライブプレートの径もできる限り小さくすることが求められる。このため、上述したようにドライブプレートを設計する手法を用いれば、外形を小さくした上で上下方向の柔軟性および耐久性をともに満足するようなドライブプレートの設計が可能となる。
【0057】
なお、前述のように亀裂が発生すると、繰り返し応力を受けて亀裂のすべり面同士が互いに擦れ合い、ダメージを与え合いながら亀裂が進展していくと考えられる。この亀裂のすべり面は化学的に活性であるため、雰囲気中の酸素等と化学反応を起こし、酸化物等が生成され、この酸化物は亀裂間に介在物として取り込まれて亀裂の進展を助長する。このことに鑑みれば、すべり面の化学反応を抑制すれば亀裂の進展要素の一部を排除できる。このため、上述したCMP装置1において研磨ヘッド30の圧力室H内に空気に代えて、化学反応に不活性な気体、例えば窒素等を送り込み、すべり面の化学反応を押さえ込み、ドライブプレートの耐久性を向上させるのが好ましい。さらに、ドライブプレートの表面にテフロン(登録商標)コート等の保護膜(固体)を形成したり、ドライブプレートを油(液体)に浸した状態で用いるなど、周囲雰囲気との化学反応を遮断するようにして、耐久性向上を図っても良い。
【0058】
以上、本発明の構成要件の支持板の実施形態として、CMP装置におけるドライブプレートを例にして説明したが、本発明に係る支持板はこれに限定されるものではない。すなわち、工具と工具保持具の相対位置追従性を要求される機械について、本発明の支持板を用いることが可能である。
【0059】
次に、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施例について説明する。図14は半導体デバイスの製造プロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、まずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。
【0060】
ここで、ステップS201はウェハの表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等によりウェハ表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウェハに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウェハにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
【0061】
CVD工程(S202)もしくは電極形成工程(S203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明による研磨装置により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨によるダマシン(damascene)の形成等が行われる。
【0062】
CMP工程(S205)もしくは酸化工程(S201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウェハへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウェハへの回路パターンの焼き付け、露光したウェハの現像が行われる。さらに、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
【0063】
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウェハ上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
【0064】
本発明による半導体デバイス製造方法では、CMP工程において本発明にかかる研磨装置を用いているため、ドライブプレート交換のために研磨装置を停止する必要がないのでCMP工程のスループットが向上する。これにより、従来の半導体デバイス製造方法に比べて低コストで半導体デバイスを製造することができるという効果がある。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明による研磨装置を用いても良い。また、本発明による半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは、高スループットで製造されるので低コストの半導体デバイスとなる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、開孔が化学的除去加工により形成されているため、開孔の周囲に応力集中が発生することが抑えられ、開孔を多くもしくは大きくした上で加工時の駆動トルクおよび抵抗トルクに対する強度、耐久性を大きくすることができ、支持板の上下方向(板面に直角な方向)の柔軟性を大きくするとともに強度、耐久性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工装置の代表例としてのCMP装置を示す正面図である。
【図2】上記CMP装置を構成する研磨ヘッドの断面図である。
【図3】上記研磨ヘッドの分解斜視断面図である。
【図4】上記研磨ヘッドに用いられるドライブプレートの平面図である。
【図5】図7に示すテストピースをSUS304ステンレスからレーザ加工およびエッチング加工して作った場合のS−N曲線を示すグラフである。
【図6】図7に示すテストピースをSUS304およびSUS301ステンレスからレーザ加工して作った場合のS−N曲線を示すグラフである。
【図7】図6および図7に示すS−N曲線を求めたテストピース形状を示す斜視図である。
【図8】引っ張り強さと疲れ限度との関係を示すグラフである。
【図9】図4に示す形状のドライブプレートの主応力解析結果を示す応力分布解析図である。
【図10】図15に示す形状のドライブプレートの主応力解析結果を示す応力分布解析図である。
【図11】図4および図15に示すドライブプレートの主応力解析結果に基づく揺動方向と主応力との関係を表すグラフである。
【図12】等価応力振幅σeqと平均応力σmおよび繰り返し応力振幅σaとの関係を説明するためのグラフである。
【図13】本発明および従来例に係るドライブプレートのS−N曲線を示すグラフである。
【図14】半導体デバイスの製造プロセスを示すフローチャートである。
【図15】従来のドライブプレートの形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1 CMP装置
10,100 ドライブプレート
15,15′,103 開孔
16 スリット
17 円形状開口部
20 支持フレーム
29 スピンドル
30 研磨ヘッド
31 ヘッドハウジング
35 ダイアフラム
50 研磨工具
60 研磨パッド
90 基板(半導体ウエハ)

Claims (11)

  1. 加工対象物となる半導体ウエハを保持する対象物保持具と、前記半導体ウエハを加工する工具を保持する工具保持具と、前記対象物保持具に保持された半導体ウエハを前記工具保持具に保持された工具と接触させながら相対移動させて前記半導体ウエハの研磨加工を行わせる相対移動機構とを有して構成され、
    前記対象物保持具および前記工具保持具の少なくともいずれかは、バネ性を有した略円盤状の支持板を介して前記相対移動機構により相対移動可能に支持され、
    このとき前記支持板の内周部に前記対象物保持具および前記工具保持具のいずれかが連結されるとともに外周部に前記相対移動機構が連結され、
    前記支持板には前記バネ性を獲得するための同心円状に並んだ複数の円弧状のスリットからなる開孔が形成され、
    前記複数のスリットのうち、前記支持板の外周部および内周部に形成された前記スリットを除く前記スリットの端部には、前記スリット幅より大きな直径の略円形状開口部が形成されていることを特徴とする半導体ウエハの加工装置。
  2. 前記スリットにより前記支持板のバネ性を確保するとともに前記略円形状開口部により前記スリットの端部における応力集中を緩和して、前記半導体ウエハを前記工具により加工するときに前記支持板が受けるせん断応力を低下させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 前記開孔が化学的除去加工により形成されていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の加工装置。
  4. 前記化学的除去加工がエッチング加工であることを特徴とする請求項3に記載の加工装置。
  5. 前記化学的除去加工が行われたときの前記支持板の表面平均粗さが0.2a以下であることを特徴とする請求項3もしくは4に記載の加工装置。
  6. 前記化学的除去加工により形成された前記開孔に、バレル研磨もしくはアフターエッチングにより面取り加工が施されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の加工装置。
  7. 前記支持板が、引っ張り強さが1000N/mm2以上の材料から作られることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加工装置。
  8. 前記材料がオーステナイト系ステンレスであることを特徴とする請求項7に記載の加工装置。
  9. 前記半導体ウエハを前記工具により加工するときに前記支持板が受ける等価応力振幅の最大値に基づく前記支持板の疲労寿命が、前記加工装置の実使用期間以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の加工装置。
  10. 前記半導体ウエハを前記工具により加工するときに、少なくとも前記支持板はその構成材料に対して化学反応性が低い物質に覆われた環境もしくは真空環境内に置かれることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加工装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の加工装置を用いて前記半導体ウェハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする半導体ウエハ製造方法。
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