JP4485677B2 - 光重合性組成物及び光重合性平版印刷版 - Google Patents

光重合性組成物及び光重合性平版印刷版 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光重合性組成物及び光重合性平版印刷版に関し、特に、耐刷力に優れると共に、高感度を示す光重合性組成物及び光重合性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光重合性組成物の露光による画像形成方法として、高分子結合材、エチレン性不飽和化合物、及び光重合開始剤、或いは更に増感色素等からなる光重合性組成物の層を支持体表面に形成し、画像露光して露光部のエチレン性不飽和化合物を重合、硬化させた後、非露光部を溶解除去することにより硬化レリーフ画像を形成する方法が汎用されており、又、その光重合性組成物の感度の改良を目的として、各種の、エチレン性不飽和化合物、或いは光重合開始剤、又は増感色素等に関し多くの提案がなされているが、いずれも、耐刷力の面で満足できるものではなく、一方、その耐刷力の改良を目的として、カルボキシル基含有重合体のカルボキシル基の一部をエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物と反応させて側鎖にエチレン性不飽和結合を導入せしめた重合体を高分子結合材として用いた光重合性組成物も提案されている(例えば、特開平10−10719号公報等参照。)が、依然として満足できる耐刷力には到り得ていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、耐刷力に優れると共に、高感度を示す光重合性組成物及び光重合性平版印刷版を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構成単位を含む高分子結合材を含有させた光重合性組成物が前記目的を達成できることを見い出し本発明を完成したもので、即ち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなる光重合性組成物、及び、支持体表面に該光重合性組成物の層が形成されてなる光重合性平版印刷、を要旨とする。
【0005】
(A)下記一般式(I) で表される構成単位と下記一般式(II)で表される構成単位を含む高分子結合材
【0006】
【化6】
Figure 0004485677
【0007】
〔式(I) 中、R31は、メチル基又は水素原子を示し、R32は、アルキル基又は水素原子を示し、Vは、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の残基を示す。〕
【0008】
【化7】
Figure 0004485677
【0009】
〔式(II)中、R31は、メチル基又は水素原子を示し、R34は、アルキル基又は水素原子を示し、R37は、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、シアノ基、又はフェニル基を示し、R34及びR37が複数個ある場合、それぞれのR34及びそれぞれのR37は異なっていてもよく、nは10〜1000の整数を示す。〕
【0010】
(B)エチレン性不飽和化合物
(C)光重合開始剤
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の光重合性組成物を構成する(A)成分の高分子結合材は、後述する(B)成分のエチレン性不飽和化合物、及び(C)成分の光重合開始剤等に対するバインダーとしての機能を有するものであり、本発明においては、その高分子結合材として前記一般式(I) で表される構成単位と前記一般式(II)で表される構成単位を含むことを必須とし、前記一般式(I) で表される構成単位か前記一般式(II)で表される構成単位のいずれかを含まない場合には、本発明の目的を達成することができない。
【0012】
ここで、前記一般式(I) において、R32のアルキル基の炭素数は、通常1〜10であり、1〜4であるのが好ましい。
【0013】
又、Vのエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の残基は、後述する前記一般式(I) の構成単位を含む高分子結合材の製造法に由来するものであるが、そのVを含めた前記一般式(I) の構成単位としては、下記一般式(III) で表される構成単位が好ましい。
【0014】
【化8】
Figure 0004485677
【0015】
〔式(III) 中、R31及びR32は、前記一般式(I) におけると同じであり、R33は、アルキル基又は水素原子を示し、R33が複数個ある場合、それぞれのR33は異なっていてもよく、又、R32とR33が互いに連結して環状構造を形成していてもよく、mは0〜10の整数を示す。〕
【0016】
ここで、前記一般式(III) において、R33のアルキル基の炭素数は、通常1〜10であり、1〜4であるのが好ましく、mは0〜5であるのが好ましい。又、R32とR33が互いに連結して炭素数が4〜7の環状構造を形成しているのが好ましい。
【0017】
更に、前記一般式(III) の構成単位としては、下記一般式(IV)で表される構成単位が好ましい。
【0018】
【化9】
Figure 0004485677
【0019】
〔式(IV)中、R31及びR33は、前記一般式(III) におけると同じである。〕
【0020】
又、前記一般式(II)において、R34のアルキル基の炭素数は、通常1〜10であり、1〜4であるのが好ましい。
【0021】
又、R37のカルボン酸エステル基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜8のアルキル基のエステル、炭素数が通常3〜15、好ましくは4〜7のシクロアルキル基のエステル、炭素数が通常3〜15、好ましくは4〜7の複素環基のエステル等が挙げられ、これらのアルキル基、シクロアルキル基、複素環基は置換基を有していてもよい。又、nは20〜500であるのが好ましい。
【0022】
前記一般式(II)の構成単位としては、下記一般式(V) で表される構成単位が好ましい。
【0023】
【化10】
Figure 0004485677
【0024】
〔式(V) 中、R31及びR34は、前記一般式(II)におけると同じであり、R38はアルキル基である。〕
【0025】
ここで、R38のアルキル基の炭素数は、通常1〜15であり、1〜8であるのが好ましい。
【0026】
本発明における(A)成分の高分子結合材の前記一般式(I) の構成単位は、前駆体としての、カルボキシル基含有単量体と前記一般式(II)の構成単位を形成し得る単量体との共重合体〔以下、「カルボキシル基含有共重合体」と言うことがある。〕のカルボキシル基に、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物のエポキシ基を反応させることにより形成されたものである。
【0027】
ここで、前駆体としてのカルボキシル基含有共重合体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味するものとし、以降も同様とする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類等のカルボキシル基含有単量体と、末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、例えば、(メタ)アクリル酸マクロマー、(メタ)アクリル酸エステルマクロマー、(メタ)アクリロニトリルマクロマー、スチレンマクロマー等のマクロマーとの二元共重合体、及び、これらのカルボキシル基含有単量体と、これらのマクロマーと、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸誘導体類、N−ビニルピロリドン等のビニル複素環式化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物類、酢酸ビニル、塩化ビニル等のその他のビニル化合物類等の共単量体との三元以上の共重合体が挙げられる。
【0028】
これらのカルボキシル基含有単量体、マクロマー、及び共単量体は、それぞれ2種以上が併用されていてもよい。中で、カルボキシル基含有単量体としては(メタ)アクリル酸が好ましく、又、マクロマーとしては(メタ)アクリル酸エステルマクロマーが好ましく、共単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0029】
又、前駆体としてのカルボキシル基含有共重合体としては、カルボキシル基含有単量体の占める割合が3〜50モル%であるのが好ましく、5〜30モル%であるのが特に好ましく、マクロマーの占める割合が1〜30モル%であるのが好ましく、2〜20モル%であるのが特に好ましい。
【0030】
又、前駆体としての前記カルボキシル基含有共重合体に反応させるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、脂肪族エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類、及び脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類等が挙げられる。
【0031】
その脂肪族エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イソクロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等が挙げられる。
【0032】
又、その脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類の場合、その脂環式エポキシ基としては、例えば、2,3−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕基等が挙げられ、又、エチレン性不飽和結合としては、(メタ)アクリロイル基に由来するものであるのが好ましく、好適な脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。尚、以下の化合物において、R35は水素原子又はメチル基、R36は炭素数1〜10のアルキレン基をそれぞれ示す。
【0033】
【化11】
Figure 0004485677
【0034】
本発明において、以上のエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の中で、脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類が好ましく、就中、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0035】
本発明において、前駆体としての前記カルボキシル基含有共重合体に前記エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物を反応させ、前記カルボキシル基含有共重合体の側鎖にエチレン性不飽和結合を導入するには、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルホスフィン等を触媒として、有機溶剤中、通常、反応温度50〜150℃で1〜50時間程度反応させるという公知の方法が採られる。
【0036】
本発明における(A)成分の高分子結合材としては、(メタ)アクリル酸由来の構成単位、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位、前記一般式(I) 、(III) 、又は(IV)で表される構成単位、及び、前記一般式(II)、又は(V) で表される構成単位からなるものであるのが好ましい。
【0037】
又、本発明における(A)成分の高分子結合材としては、前記一般式(I) 、(III) 、又は(IV)で表される構成単位、及び、前記一般式(II)、又は(V) で表される構成単位を、各々1〜30モル%含むものであるのが好ましく、各々2〜20モル%含むものであるのが特に好ましい。前記一般式の構成単位の含有量が前記範囲未満では、光重合性組成物としての耐刷力が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、光重合性組成物としての画像形成性が悪化する傾向となる。尚、本発明における高分子結合材としては、前記(A)成分の高分子結合材の外に、前記(A)成分以外の高分子結合材を含有していてもよい。
【0038】
本発明の光重合性組成物を構成する(B)成分のエチレン性不飽和化合物は、光重合性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(C)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0039】
本発明におけるエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等、であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0040】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類等が挙げられる。
【0041】
そのエステル類としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0042】
更に、そのエステル類として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0043】
又、そのウレタン(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0044】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
【0045】
又、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられる。
【0046】
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0047】
以上の(B)成分のエチレン性不飽和化合物として、本発明においては、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、又は、エステル(メタ)アクリレート類が好ましく、(B)成分のエチレン性不飽和化合物全体に対して、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としてはその占める割合が1〜60重量%であるのが好ましく、又、ウレタン(メタ)アクリレート類のとしてはその占める割合が10〜60重量%であるのが好ましく、又、エステル(メタ)アクリレート類としてはその占める割合が10〜60重量%であるのが好ましい。
【0048】
本発明の光重合性組成物を構成する(C)成分の光重合開始剤は、後述する(D)成分の増感色素等との共存下で光照射されたときに、活性ラジカルを発生するラジカル発生剤であって、代表的には、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール化合物類、チタノセン化合物類、及び有機硼素酸塩類等が挙げられ、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、チタノセン化合物類、及び有機硼素酸塩類が好ましい。
【0049】
ここで、そのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0050】
又、そのハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2−(p−メトキシフェニル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−メトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(o−ベンゾフリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−〔β−(o−ベンゾフリル)ビニル〕−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
【0051】
又、そのヘキサアリールビイミダゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m,m−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられる。
【0052】
又、そのチタノセン誘導体類としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕等が挙げられる。
【0053】
又、その有機硼素酸塩類としては、特に、下記一般式(VI)で表されるものが好ましい。
【0054】
【化12】
Figure 0004485677
【0055】
〔式(VI)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基である。Xb + は対カチオンである。〕
【0056】
ここで、式(VI)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。
【0057】
これらの式(VI)で表される有機硼素酸塩の有機硼素アニオンとしては、具体的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(3−フルオロ−4−メチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0058】
又、対カチオンXb + としては、例えば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チアピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましい。又、本発明において、(C)成分の光重合開始剤としての有機硼素酸塩類を光重合性組成物中に存在させる方法として、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオンとの塩を配合する通常の方法の他、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと後述する(D)成分の増感色素の色素カチオンとで形成された塩を配合する方法も採ることができる。
【0059】
尚、本発明の光重合性組成物は、前記(A)成分の高分子結合材、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物、及び前記(C)成分の光重合開始剤を必須成分とするが、更に、増感色素(D)成分を含有するのが好ましい。
【0060】
本発明において、増感色素は、波長域300〜1200nmの紫外線領域から近赤外線領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを(C)成分の前記光重合開始剤に伝え、該光重合開始剤を分解し、(B)成分の前記エチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を増長させる。
【0061】
本発明において、その増感色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造であって、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とする広義の所謂シアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造を基本構造とする所謂ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピリリウム系等のシアニン系色素、及びポリメチン系色素が好ましい。
【0062】
本発明において、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(VIIa) 、(VIIb)、又は(VIIc)で表されるものが好ましい。
【0063】
【化13】
Figure 0004485677
【0064】
〔式(VIIa)、(VIIb)、及び(VIIc)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0065】
ここで、式(VIIa)、(VIIb)、及び(VIIc)中のR1 及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は、通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 及び縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基等が挙げられる。
【0066】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(VIII)で表されるものが好ましい。
【0067】
【化14】
Figure 0004485677
【0068】
〔式(VIII)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0069】
ここで、式(VIII)中のR3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は、通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 及び縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基等が挙げられる。
【0070】
又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IXa) 、(IXb) 、又は(IXc) で表されるものが好ましい。
【0071】
【化15】
Figure 0004485677
【0072】
〔式(IXa) 、(IXb) 、及び(IXc) 中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0073】
ここで、式(IXa) 、(IXb) 、及び(IXc) 中のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0074】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(X) で表されるものが好ましい。
【0075】
【化16】
Figure 0004485677
【0076】
〔式(X) 中、R9 、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0077】
ここで、式(X) 中のR9 、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は、通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 、並びに、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基等が挙げられる。
【0078】
尚、前記一般式(VII a〜c)、(VIII)、(IXa〜c)、及び(X) における対アニオンXa - としては、具体的には、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、AsF6 - 、及び、BF4 - 、BCl4 - 等の無機硼素酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼素酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0079】
以上の前記一般式(VII a〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(VIII)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IXa〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、及び前記一般式(X) で表されるポリメチン系色素の中で、本発明においては、前記一般式(VIII)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素が特に好ましい。
【0080】
本発明における(D)成分の増感色素として、好ましいとする前記シアニン系色素又は前記ポリメチン系色素の具体例を以下に示す。
【0081】
【化17】
Figure 0004485677
【0082】
【化18】
Figure 0004485677
【0083】
【化19】
Figure 0004485677
【0084】
【化20】
Figure 0004485677
【0085】
【化21】
Figure 0004485677
【0086】
【化22】
Figure 0004485677
【0087】
【化23】
Figure 0004485677
【0088】
【化24】
Figure 0004485677
【0089】
【化25】
Figure 0004485677
【0090】
尚、前記具体例において、対アニオンXa - は、具体的には、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、BF4 - 、p−トルエンスルホン酸、又は1−ナフタレンスルホン酸である。
【0091】
又、前記一般式(VII a〜c)、(VIII)、(IXa〜c)、及び(X) におけるL1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖上に、下記一般式(XI)で表されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を置換基として有することにより、又は、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖中に、下記一般式(XII) で表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオン基、或いは、下記一般式(XIII)で表されるクロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成することにより、分子内塩を形成しているものも好ましい。
【0092】
【化26】
Figure 0004485677
【0093】
〔式(XI)、(XII) 、及び(XIII)中、Z3 、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 、及びZ8 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R19及びR20は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
【0094】
ここで、式(XI)中のR19及びR20がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等が挙げられる。
【0095】
又、本発明における増感色素としては、アザポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とする、所謂フタロシアニン系色素も挙げられ、そのフタロシアニン系色素としては、下記一般式(XIV) で表されるものが好ましい。
【0096】
【化27】
Figure 0004485677
【0097】
〔式(XIV) 中、R21、及びR22は各々独立して、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Mは、Zn、Cu、Ni、SnCl2 、AlCl、又は水素原子を示し、又、ベンゼン環における隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0098】
ここで、式(XIV) 中のR21、及びR22がアルコキシ基、チオアルコキシ基、又はアルキルアミノ基であるときの炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4であり、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、又はアリールアミノ基としては、フェノキシ基、チオフェノキシ基、又はフェニルアミノ基等が挙げられ、又、Mとしては、Zn、又はSnCl2 であるのが好ましい。
【0099】
又、本発明における増感色素としては、ジアルキルアミノベンゼン系色素も挙げられ、中で、下記一般式(XV)で表されるジアルキルアミノベンゾフェノン系色素が好ましい。
【0100】
【化28】
Figure 0004485677
【0101】
〔式(XV)中、R23、R24、R25、及びR26は各々独立して、アルキル基を示し、R27、R28、R29、及びR30は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R23とR24、R25とR26、又は、R23とR27、R24とR28、R25とR29、或いはR26とR30は各々独立して、互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0102】
ここで、式(XV)中のR23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30のアルキル基の炭素数は、1〜6であるのが好ましく、式(XVI) で表される好適なジアルキルアミノベンゾフェノン系色素としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0103】
更に、本発明における増感色素としては、例えば、米国特許第3479185号明細書に開示されるロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーン等のトリフェニルメタン系ロイコ色素類、エリスロシンやエオシンY等の光還元性染料類、米国特許第3549367号、同第3652275号各明細書に開示されるミヒラーズケトンやアミノスチリルケトン等のアミノフェニルケトン類、米国特許第3844790号明細書に開示されるβ−ジケトン類、米国特許第4162162号明細書に開示されるインダノン類、特開平6−301208号、特開平8−129258号、特開平8−129259号、特開平8−146605号、特開平8−211605号各公報に開示されるクマリン系色素類、特開昭52−112681号公報に開示されるケトクマリン系色素類、特開昭59−56403号公報に開示されるアミノスチレン誘導体類やアミノフェニルブタジエン誘導体類、米国特許第4594310号明細書に開示されるアミノフェニル複素環類、米国特許第4966830号明細書に開示されるジュロリジン複素環類、特開平5−241338号、特開平7−5685号、特開平10−144242号各公報に開示されるピロメテン系色素類等の化合物が挙げられる。
【0104】
本発明の光重合性組成物は、前記(A)成分の高分子結合材、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物、及び前記(C)成分の光重合開始剤を必須成分として含有するが、前記(A)成分の高分子結合材の含有量は、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して10〜400重量部であるのが好ましく、20〜200重量部であるのが特に好ましい。又、前記(C)の光重合開始剤の含有量は、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して0.01〜30重量部であるのが好ましく、0.05〜20重量部であるのが特に好ましい。
【0105】
又、含有が好ましい前記(D)成分の増感色素の含有量は、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して0.1〜30重量部であるのが好ましく、0.5〜20重量部であるのが特に好ましい。
【0106】
尚、本発明の光重合性組成物は、前記成分以外に、光重合開始能力の向上を目的として、更に、水素供与性化合物(E)成分を含有しているのが好ましく、その水素供与性化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、エチレングリコールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプト基含有化合物類、ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等の多官能チオール化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、同上のエステル等の誘導体、フェニルアラニン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、同上のエステル等の誘導体等の芳香族環を有するアミノ酸又はその誘導体類等が挙げられる。
【0107】
更に、本発明の光重合性組成物には、必要に応じて、各種添加剤、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、トリエチレングリコールジカプリレート等の可塑剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、塗布性改良剤、現像性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等の通常用いられる各種の添加剤が更に含有されていてもよい。
【0108】
本発明の前記光重合性組成物の感光材料としての使用形態は、使用目的に応じて、例えば、無溶剤で又は適当な溶剤で希釈して支持体表面に塗布し、乾燥させた形態、或いは更にその上に酸素遮断のためのオーバーコート層を設けた形態、異相媒体中に小滴分散させて複数種の感光材として多層に塗布した形態、マイクロカプセル中に内包させて支持体上に塗布した形態等を採り得るが、本発明の光重合性組成物は、該組成物を適当な溶剤に溶解した溶液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させることにより、支持体表面に本発明の光重合性組成物の層が形成された光重合性平版印刷版としての使用形態が好適である。
【0109】
ここで、その溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、光重合性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0110】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜7μm、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3μmの範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、60〜170℃程度、好ましくは70〜150℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜10分間程度、好ましくは10秒〜5分間程度が採られる。
【0111】
尚、通常、前記光重合性組成物層の上には、酸素による重合禁止作用を防止するために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、セルロース等の酸素遮断層が設けられる。
【0112】
又、その支持体としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がより好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS B0601に規定される平均粗さRa で、通常、0.3〜1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度とする。
【0113】
本発明の光重合性平版印刷版の光重合性組成物層を画像露光する光源としては、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、及び、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、近赤外半導体レーザー、ルビーレーザー、バイオレットレーザー等のレーザー光源等、主として、波長域300〜1200nmの紫外線領域から近赤外線領域の光線を発生する光源が挙げられる。
【0114】
本発明の前記光重合性平版印刷版を画像露光した感光体の現像に用いる現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなるアルカリ現像液を用いる。中で、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましい。
【0115】
尚、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常、好ましくは10〜60℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で成される。
【0116】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0117】
(A)成分の高分子結合材の製造例
前駆体として、末端にメタクリロイルオキシ基を有するポリ(n−ブチルアクリレート)マクロマー(東亜合成社製「AB−6」)を用いて合成した、メチルメタクリレート(75モル%)/メタクリル酸(18モル%)/ポリ(n−ブチルアクリレート)マクロマー(7モル%)共重合体(重量平均分子量7万)200g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート9g、p−メトキシフェノール2.5mg、テトラブチルアンモニウムクロライド8mg、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800gを反応容器に仕込み、110℃で攪拌下に24時間反応させることにより、メタクリル酸成分のカルボキシル基の50モル%にエポキシ基を反応させ、メチルメタクリレート(75モル%)/メタクリル酸(9モル%)/前記一般式(IV)の構成単位(9モル%)/前記一般式(V) の構成単位〔R31=メチル基、R34=水素原子、R38=n−ブチル基、n=46〕(7モル%)、の共重合体を製造した。
【0118】
実施例1
砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板(厚さ0.24mm)を支持体として用い、該アルミニウム板支持体表面に、下記の(A)〜(E)成分をシクロヘキサノン1090重量部に室温で攪拌して調液した塗布液をバーコーターを用いて塗布し、乾燥させて膜厚2μmの光重合性組成物層を形成し、更にその上に、ポリビニルアルコール水溶液を塗布し、乾燥させて膜厚3μmのオーバーコート層を形成して光重合性平版印刷版を作製した。
【0119】
(A)成分:前記製造例で得られた共重合体 45 重量部
(B−1)成分:下記B−1のビス(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート 10 重量部
(B−2)成分:下記B−2の2,2−ビス(4’−アクリロイルオキシジエチレングリコールフェニル)プロパン 22.5重量部
(B−3)成分:下記B−3のヘキサメチレンビス〔トリス(アクリロイルオキシメチル)エチルウレタン〕 22.5重量部
(C−1)成分:ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕 10 重量部
(D−1)成分:下記D−1のピロメテン系増感色素 2 重量部
(D−2)成分:銅フタロシアニン着色色素 3 重量部
(E−1)成分:2−メルカプトベンゾチアゾール 5 重量部
(E−2)成分:N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル 10 重量部
【0120】
【化29】
Figure 0004485677
【0121】
得られた光重合性平版印刷版を回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用いて露光した後、無水炭酸ナトリウム0.8重量%及びアニオン性界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)3重量%の水溶液中に25℃で30秒間浸漬し、スポンジで7回擦ることにより現像処理し、得られた硬化画像の高さより、532nmの光線による硬化に要する光エネルギー量を感度として求めたところ、60μJ/cm2 であった。
【0122】
更に、光重合性平版印刷版を空冷アルゴンレーザー平版露光装置(大日本スクリーン社製「PI−R」)を用いて100μJ/cm2 の露光量で走査露光した後、前記と同様にして現像処理し、得られた平版印刷版を平版印刷機(三菱重工業社製「DAIYA 1F−2」)にて、印刷インキ(東洋インキ社製「HYECOO紅」)と湿し水(日研化学社製「アストロNo.1 マークII」の1%水溶液)を用いて、1万枚印刷する毎にウルトラプレートクリーナー(Open Shaw社製)にて印刷版を洗浄しながら印刷し、画線部(175線、5%の小点)が跳ぶまでの印刷枚数を耐刷力として評価したところ、9万枚であった。
【0123】
実施例2
実施例1における(C−1)成分に代えて(C−2)成分として、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン5重量部、及び、(D−1)成分に代えて(D−3)成分として、下記D−3のシアニン系増感色素1.5重量部を用い、且つ、(E−1)成分と(E−2)成分を用いなかった外は、実施例1と同様にして光重合性平版印刷版を作製し、得られた平版印刷版について、830nm近赤外線レーザー製版露光装置(TrendSetter社製「3442T」)を用いて、100mJ/cm2 の露光量で175線の網点画像露光を行った後、実施例1と同様にして、現像処理して印刷し、耐刷力を評価したところ9万枚であった。
【0124】
【化30】
Figure 0004485677
【0125】
実施例3
実施例1における(C−1)成分に代えて(C−3)成分として、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、及び、(D−1)成分に代えて(D−4)成分として、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、更に、(E−2)成分に代えて(E−3)成分として、N−フェニルグリシンベンジルエステルを、それぞれ用いた外は、実施例1と同様にして光重合性平版印刷版を作製し、得られた平版印刷版について、410nm・5mWバイオレットレーザー製版露光装置(エッシャグラフト社製「Covalt8」)を用いて、20μJ/cm2 の露光量で175線の網点画像露光を行った後、実施例1と同様にして、現像処理して印刷し、耐刷力を評価したところ8万枚であった。
【0126】
比較例1
実施例1における(A)成分に代えて、前駆体として、メチルメタクリレート(80モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体(重量平均分子量5万)を用い、実施例1におけると同様にして3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させることにより製造した、メチルメタクリレート(80モル%)/メタクリル酸(10モル%)/前記一般式(IV)の構成単位(10モル%)、の共重合体を用いた外は、実施例1と同様にして光重合性平版印刷版を作製し、得られた平版印刷版について、実施例1と同様にして測定、評価した感度は60μJ/cm2 であり、又、耐刷力は6万枚であった。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、耐刷力に優れると共に、高感度を示す光重合性組成物及び光重合性平版印刷版を提供することができる。

Claims (8)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなることを特徴とする光重合性組成物。
    (A)下記一般式(I) で表される構成単位と下記一般式(II)で表される構成単位を含む高分子結合材
    Figure 0004485677
    〔式(I) 中、R31は、メチル基又は水素原子を示し、R32は、アルキル基又は水素原子を示し、Vは、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の残基を示す。〕
    Figure 0004485677
    〔式(II)中、R31は、メチル基又は水素原子を示し、R34は、アルキル基又は水素原子を示し、R37は、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、シアノ基、又はフェニル基を示し、R34及びR37が複数個ある場合、それぞれのR34及びそれぞれのR37は異なっていてもよく、nは10〜1000の整数を示す。〕
    (B)エチレン性不飽和化合物
    (C)光重合開始剤
  2. (A)成分における前記一般式(I) の構成単位が、下記一般式(III) で表されるものである請求項1に記載の光重合性組成物。
    Figure 0004485677
    〔式(III) 中、R31及びR32は、前記一般式(I) におけると同じであり、R33は、アルキル基又は水素原子を示し、R33が複数個ある場合、それぞれのR33は異なっていてもよく、又、R32とR33が互いに連結して環状構造を形成していてもよく、mは0〜10の整数を示す。〕
  3. (A)成分における前記一般式(III) の構成単位が、下記一般式(IV)で表されるものである請求項2に記載の光重合性組成物。
    Figure 0004485677
    〔式(IV)中、R31及びR33は、前記一般式(III) におけると同じである。〕
  4. (A)成分における前記一般式(II)の構成単位が、下記一般式(V) で表されるものである請求項1に記載の光重合性組成物。
    Figure 0004485677
    〔式(V) 中、R31及びR34は、前記一般式(II)におけると同じであり、R38はアルキル基である。〕
  5. (A)成分の高分子結合材が、(メタ)アクリル酸由来の構成単位、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位、前記一般式(I) 、(III) 、又は(IV)で表される構成単位、及び、前記一般式(II)、又は(V) で表される構成単位からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の光重合性組成物。
  6. (A)成分の高分子結合材が、前記一般式(I) 、(III) 、又は(IV)で表される構成単位、及び、前記一般式(II)、又は(V) で表される構成単位を、各々1〜30モル%含むものである請求項1乃至5のいずれかに記載の光重合性組成物。
  7. 更に、増感色素(D)成分を含有する請求項1乃至6のいずれかに記載の光重合性組成物。
  8. 支持体表面に、請求項1乃至7のいずれかに記載の光重合性組成物の層が形成されてなることを特徴とする光重合性平版印刷版。
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