JP4484380B2 - 無線通信システム及び無線機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信のための機器登録に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信システムにおいては、親機と子機との間で混信なく通信を行うために、いわゆる「登録」という操作が行われている。
【0003】
親機、子機の登録とは、たとえば、それぞれ固有に有するID番号を互いに通知し合い、メモリ内に記憶する操作である。
【0004】
この登録を実行することによって、その後に通信を行う場合に、これらのID番号をお互いに確認した後に、通信路をひらくことができ、これによって、誤接続を防ぐことができる。
【0005】
このような、親機と子機との間で通信を可能にするための登録を実行する方法として、工場での出荷時に、特殊な治具等を用いて、予め登録する方法や、市場において、任意の子機、親機の間で通信可能にするために、特殊なオペレーションを行い、登録モードに設定した後に、上記登録の操作を行う方法が知られている。
【0006】
たとえば、子機の通話ボタンや、ダイヤルキーのうちの所定の数字キーを押下しながら、電源を入れると、上記登録が可能になる登録モードになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のうちで、工場出荷時に親機と子機とを登録しておく方法では、出荷された後に、子機を増設したい場合等のように、親機と子機とを任意に組み合わせ、この任意の組み合わせで通信を行うためには、親機、子機を一度工場に戻す必要があり、工場に戻す手順が煩雑であるという問題がある。
【0008】
また、子機のボタンを押下しながら電源を投入することによって、登録する方法では、外部にボタンを持たない構造の親機、子機では、上記登録を実行することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、出荷後に、機器を任意に組み合わせ、この任意の組み合わせで通信する場合、機器を工場に戻さなくても、混信なく通信を行うための登録を実行することができ、また、外部にボタンを持たない機器でも上記登録を実行することができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
情報処理装置に接続して通信相手と無線通信する無線機器であって、通信相手と通信するための登録が、上記通信相手との間でなされていないと判定され、かつ、上記情報処理装置との接続が検知されると、通信相手との間で、通信相手と通信するための登録を行うための処理を行う。
【0011】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の第1の実施例である無線通信システム100の構成を示す図である。
【0012】
無線通信システム100は、公衆回線を収容し、子機10と無線通信可能な親機20と、親機20と通信可能な子機10と、子機10に接続され、この子機10を介して、親機20との間でデータの送受が可能な情報処理装置40とを有する。親機20は、公衆網30に接続される。
【0013】
図2は、無線通信システム100における子機10の構成を示すブロック図である。
【0014】
子機10は、無線を送受する無線部11を有し、無線部11は、アンテナ10Aを介して、電波の送受を行い、送信部11Tと受信部11Rとを有する。信号処理部12は、受信した信号を検波し、デジタル信号に変換するとともに、時分割処理部13から受信したデジタル信号を無線で送信するために変調する信号処理部である。
【0015】
時分割処理部13は、送信データ処理部からのデータを時分割多重通信方式に組立てるとともに、受信した時分割多重通信方式のデータを制御情報とデータ通信のデータに分解し、データは受信データ処理部14Rに送る時分割処理部である。
【0016】
データ処理部14は、送信データ処理部14Tと受信データ処理部14Rとによって構成されている。送信データ処理部14Tは、送信するデータに順序番号や、誤り訂正のビットを付加する送信データ処理部である。受信データ処理部14Rは、受信したデータから誤り訂正や順序番号をはずす処理をおこなう受信データ処理部である。
【0017】
制御部15は、送受信のデータ処理を含む子機10全体の制御を行う制御部である。
【0018】
メモリ16は、送受信データを一時記憶するとともに、通信相手の親機20が登録されているか否かを示す情報と、通信相手となる親機20の情報とを記憶するメモリである。
【0019】
データ通信インタフェース17は、情報処理装置40とのデータの送受を行うデータ通信インタフェースであり、電源18は、子機10を動作させる電源であり、接続検知部10Dは、情報処理装置40が接続されているか否かを検知する接続検知部であり、表示部19は、エラー表示等を行う表示部である。
【0020】
つまり、子機10は、情報処理装置40が接続されていることを検知する接続検知手段と、親機20との間で通信を行うことが可能になるための登録がなされているか否かを判定する登録判定手段と、子機10に電源が投入された際に、親機20との通信を可能にするための登録がなされていない状態であり、しかも、情報処理装置40と接続されていると判定されたときに、上記登録を行うことができる登録モードに移行させる登録モード移行手段とを有する子機の例である。
【0021】
次に、上記実施例の動作について説明する。
【0022】
図3は、上記実施例の動作を示すフローチャートである。
【0023】
まず、子機10の電源が投入されると(S2)、子機10は、メモリ16の内容を読み、親機20に登録済の状態であるか否かを判定する(S3)。子機10が親機20に既に登録されていると、通常の動作として、待ちうけ状態に移行する(S4)。通信相手となる親機20が登録されていない状態である場合には、接続検知部10Dの情報を読み込み、子機10が接続される情報処理装置40が接続された状態であるか否かを判定する(S5)。情報処理装置40に接続されていないと判定されると(S5)、フローの開始の状態に戻る。情報処理装置40に接続されていると判定されると(S5)、子機10は登録モードに移行する(S6)。なお、上記登録モードは、親機との間で通信を行うことが可能になるための登録を行うことができるモードである。
【0024】
登録モードに移行した子機10は、受信部11Rを動作させ、登録モードになっている親機20からの報知信号を探す。登録モードの親機20がない場合は、一定時間の経過後に(S8)、エラー表示を行う(S13)。
【0025】
登録モードの親機20がある場合(S7)、登録シーケンスを開始し(S9)、親機20が登録しようとしている相手は、自分であるのか否かを、シーケンスの中で判定しながら、シーケンスを進める。親機20から必要な情報が来ない等の理由でシーケンスが停止し、一定時間が経過しても登録が終了しない場合(S12)、エラー表示を出し、終了する(S13)。
【0026】
正常に登録が終了した場合(S10)、終了になる(S11)。正常に終了すると(S11)、親機20、子機10は、それぞれが固有に持つID番号等の情報を、メモリ16に記憶することができ、以降は、登録した親機20、子機10は、混信なく通信することができる。
【0027】
次に、図3に示す動作と同じ動作を、親機20の操作を含めて説明する。
【0028】
図4は、親機20の操作を含めた登録シーケンスを示す図である。
【0029】
ここで、親機20には、操作部としてのキーボードが設けられているか、または、外部にキーボードを接続することができ、以後の説明では、キーボードが接続された状態であるとし、また、登録シーケンスの進行状況を表示する表示部を有するものとする。
【0030】
子機10の電源を投入(S21)した際に、子機10が、親機20と登録されていない状態であり、しかも、情報処理装置40と接続されていないと判断した場合、子機10は、自動的に登録を行うための待ちうけを開始する(S22)。
【0031】
親機20のキーボードから、登録モードに移行する操作が行われると、登録が開始され(S23)、この登録が開始されると、登録モードであることを意味する「SOMODE」と表示され(S24)、続いて、子機10を内線番号の何番に登録するかについて、入力を促す「PSNo?」が表示される(S25)。
【0032】
ここで、操作者は、何番の子機10として登録するかを入力する。図4では、11番として登録するとした。PSNoを入力すると(S26)、次は、暗証番号の入力を促す「PSID?」が表示され(S27)。ここでは、複数の子機10が登録状態となっている際に、意図しない子機10が登録されることを防ぐために、暗証番号として子機10のIDを入力する。図4では、子機10のIDとして、123456789を入力する。
【0033】
暗証番号としてのPSIDを入力すると(S28)、登録動作中であることを意味する「RUNNING」を表示し(S29)、親機20は、登録のための報知信号を送出する(S30)。この報知信号を受信した子機10は、親機20との間で、登録シーケンスを実行し(S31)、これを終了すると、親機20は、表示部に登録終了を意味する「COMPLETE」を表示する(S32)。
【0034】
上記動作を行うことによって、操作部のない子機10であっても、親機20を登録することができる。
【0035】
図5は、本発明の第2の実施例である子機10aと発着信制御部50とを示すブロック図である。
【0036】
子機10aは、基本的には子機10と同じであるが、接続検知部10Dが削除されている点と、発着信制御部50に接続されている点と、データ通信インタフェース17の代わりにデータ通信インタフェース17aが設けられている点とが、子機10とは異なる。データ通信インタフェース17aは、発着信制御部50とのデータ通信インタフェースである。
【0037】
発着信制御部50は、発着信制御部50の全体を制御する制御部51と、情報処理装置40の接続を検知する接続検知部52と、情報処理装置40とデータの送受を行うデータ通信インタフェース53と、情報処理装置40の接続の通知の情報を含むデータの送受を行うデータ通信インタフェース54とを有する。
【0038】
子機10では、情報処理装置40の接続を検知する接続検知部10Dは、子機10内部に設けられているが、子機10aを使用する場合、子機10aには、発着信制御機能を実行する制御部15のみが接続されているものとし、情報処理装置40は、当該制御装置に接続する構成であっても、情報処理装置40が接続されたか否かは、発着信を行う制御部51を介して行われるので、子機10における効果と同様の効果を、子機10aでも、得ることができる。
【0039】
上記実施例によれば、所定の回線を収容する親機20と、無線回線を介して、親機20と通信可能である子機であって、情報処理装置40と接続して使用する子機10とによって構成される無線通信システムにおいて、子機10は、情報処理装置が接続されていることを検知する接続検知手段と、親機との間で通信を行うことが可能になるための登録がなされているか否かを判定する登録判定手段と、上記子機に電源が投入された際に、上記親機との通信を可能にするための登録がなされていない状態であり、しかも、上記情報処理装置と接続されていると判定されたときに、上記登録を行うことができる登録モードに移行させる登録モード移行手段とを有するので、情報処理装置40に接続して使用する形態で、ダイヤルキーや通話キーがない無線通信システムの子機10、または、外部に発着信制御を行う制御部を有し、該制御部に情報処理装置40に接続して使用する形態で、ダイヤルキーや通話キーがない無線通信システムの子機10においても、特殊な治具を用いなくても、上記登録操作を実行することができる。
【0040】
上記説明によれば、出荷後に、親機と子機とを任意に組み合わせ、この任意の組み合わせで通信する場合、親機、子機を工場に戻さなくても、親機と子機との間で混信なく通信を行うための登録を実行することができ、また、外部にボタンを持たない親機、子機でも上記登録を実行することができできるという効果を奏する。
【発明の効果】
本発明によれば、出荷後に、機器を任意に組み合わせ、この任意の組み合わせで通信する場合、機器を工場に戻さなくても、混信なく通信を行うための登録を実行することができ、また、外部にボタンを持たない機器でも上記登録を実行することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である無線通信システム100の構成を示す図である。
【図2】無線通信システム100における子機10の構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】親機20の操作を含めた登録シーケンスを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例である子機10aと発着信制御部50とを示すブロック図である。
【符号の説明】
100…無線通信システム、
10…子機、
11…無線部、
12…信号処理部、
13…時分割処理部、
14…データ処理部、
15…制御部、
16…メモリ、
17…データ通信インタフェース、
18…電源、
19…表示部、
10D…接続検知部、
20…親機、
30…公衆網、
40…情報処理装置。
Claims (11)
- 親機と、情報処理装置に接続して上記親機と通信可能である子機を有する無線通信システムにおいて、
上記情報処理装置が接続されていることを検知する検知手段と、
上記親機と通信するための登録が、上記親機との間でなされているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により上記登録がなされていないと判定され、かつ、上記検知手段により上記情報処理装置と接続されていると判定されると、上記登録を行うための処理を行う登録手段と、
を上記子機が有することを特徴とする無線通信システム。 - 情報処理装置に接続して通信相手と無線通信する無線機器であって、
上記情報処理装置が接続されていることを検知する検知手段と、
上記親機と通信するための登録が、上記親機との間でなされているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により上記登録がなされていないと判定され、かつ、上記検知手段により上記情報処理装置と接続されていると判定されると、上記登録を行うための処理を行う登録手段と、
を有することを特徴とする無線機器。 - 上記登録手段は、上記登録を行うための処理として、上記登録を行うための登録モードへの移行を行うことを特徴とする請求項2に記載の無線機器。
- 上記登録手段は、上記無線機器の電源が投入された際に、上記登録がなされてなく、かつ、上記情報処理装置と接続されている場合に、上記登録を行うための処理を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線機器。
- 上記判定手段は、上記通信相手がメモリに登録されているか否かを判定することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の無線機器。
- 上記登録手段は、上記通信相手との間で上記登録のためのシーケンスを実行することを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の無線機器。
- 上記登録手段は、上記通信相手を上記無線機器に登録する処理を行うことを特徴とする請求項2ないし請求項6の何れかに記載の無線機器。
- 上記登録手段は、上記通信相手に上記無線機器を登録する処理を行うことを特徴とする請求項2ないし請求項7の何れかに記載の無線機器。
- 上記登録手段は、登録モードで動作している通信相手を探し、上記登録モードで動作する通信相手との間で上記登録を行うための処理を行うことを特徴とする請求項2ないし請求項8の何れかに記載の無線機器。
- 上記検知手段は、上記情報処理装置と上記無線機器との間に接続する装置からの通知に基づいて、上記情報処理装置が接続されていることを検知することを特徴とする請求項2ないし請求項9の何れかに記載の無線機器。
- 情報処理装置に接続して通信相手と無線通信する無線機器の制御方法であって、
上記情報処理装置が接続されていることを検知するための検知工程と、
上記親機と通信するための登録が、上記親機との間でなされているか否かを判定するための判定工程と、
上記判定工程において上記登録がなされていないと判定され、かつ、上記検知工程において上記情報処理装置と接続されていると判定されると、上記登録を行うための処理を開始する工程と、
を有することを特徴とする無線機器の制御方法。
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