JP4483300B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被走査面上で光ビームを主走査方向に走査させる光走査装置、および該装置を用いて静電潜像を形成する画像形成装置に関するものである。
この種の光走査装置を用いる装置としては、例えばレーザプリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置がある。例えば特許文献1では、画像データに応じて変調されたレーザビームがコリメータレンズ、シリンドリカルレンズおよび開口絞りを介して偏向器に入射して偏向される。より具体的には、次のように構成されている。
この光走査装置では、半導体レーザから射出されたレーザビームをコリメータレンズおよびシリンドリカルレンズを通過させることで、その断面形状が主走査方向に伸びる横長楕円形状となるレーザビームに整形している。そして、このレーザビームを副走査断面内において偏向器の偏向ミラー面に対し副走査方向に角度をもって入射、いわゆる斜入射している。また、この装置では、ガルバノミラーを偏向器として用いており、振動の中心軸を中心に最大振幅±θmaxの走査範囲(偏向角θ:−θmax〜0゜〜+θmax)で主走査方向に往復振動して偏向ミラー面に入射するレーザビームを偏向させる。そして、こうして偏向されたレーザビームは補正レンズを介して感光ドラム面(被走査面)に結像される。こうして、画像データに対応した静電潜像が感光ドラム(本発明の「潜像担持体」に相当)形成される。
特開平2003−43393号公報(第4頁、図1)
ところで、上記のように偏向ミラー面に斜入射する光ビームを偏向して走査する装置では、例えば図11に示すように、被走査面に形成されるビームスポットBSが偏向角θに応じて回転する現象(ビームローテーション現象)が認められる。これは斜入射に伴うものであり、偏向角θがゼロであるときには被走査面上に形成されるビームスポットBSの中心軸AXbは副走査方向Yとほぼ平行となっている(同図(b))。これに対し、偏向角θが最大値(+θmax)となると、同図(a)に示すようにビームスポットBSの中心軸AXbが副走査方向に対して所定角(+φ)だけ回転する一方、偏向角θが最大値(−θmax)となると、同図(c)に示すようにビームスポットBSの中心軸AXbが副走査方向Yに対して所定角(−φ)だけ回転する。なお、同図中の角度βはスクリーン角である。
このように、偏向ミラー面に対して光ビームが斜入射する光走査装置では、偏向角に応じてビームスポットが回転して走査特性の低下を招いている。その結果、光走査装置を画像形成装置の露光手段として用いた場合には、被走査面上に形成される画像の濃度が主走査方向において変動することとなり、画像品質の低下を招いてしまう。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、偏向ミラー面に対して光ビームを斜入射させた場合に発生する被走査面上でのビームスポットの回転を抑制して優れた走査特性で光ビームを被走査面上で走査することができる光走査装置および該装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明は、被走査面上で光ビームを主走査方向に走査させる光走査装置であって、上記目的を達成するため、入射される光ビームを反射する偏向ミラー面を有し、主走査方向とほぼ直交する駆動軸回りに偏向ミラー面を変位させることで入射光ビームを主走査方向に偏向させる偏向手段と、光ビームを射出する光源と、光源からの光ビームを略楕円形状の断面形状を有する光ビームに整形するとともに、駆動軸と直交する基準面に対して鋭角をなすように偏向ミラー面に入射する第1光学系と、光ビームを被走査面に結像する第2光学系とを備え、偏向ミラー面への入射光ビームの入射位置で偏向ミラー面と基準面とが交差して形成される交線を基準線とし、偏向ミラー面内において基準線に対して直交する方向をミラー幅方向としたとき、ミラー幅方向において、基準線に対して入射光ビームの光軸が直交するときに偏向ミラー面に形成される入射光ビームのスポット寸法が偏向ミラー面の幅よりも大きく、偏向手段は、入射光ビームを所定の走査範囲内で偏向し、主走査方向において、走査範囲内で、かつ入射光ビームの光軸と基準線との角度が最大値または最小値となったときに偏向ミラー面に形成される入射光ビームのスポット寸法が偏向ミラー面の長さよりも短いことを特徴としている。
このように構成された発明では、第1光学系により略楕円形状の断面形状を有するように整形された光ビームは、駆動軸と直交する基準面に対して鋭角をなすように偏向ミラー面に入射する、いわゆる斜入射する。このため、偏向ミラー面上に形成される入射光ビームのスポットは偏向ミラー面の変位状態、つまり光ビームの偏向角に応じて回転し、その結果、被走査面上に形成されるビームスポットも走査範囲内で回転する。しかしながら、この発明では、ミラー幅方向において、偏向ミラー面の寸法と、該偏向ミラー面に入射される光ビームの寸法とが所定条件を満足している。すなわち、基準線に対して入射光ビームの光軸が直交するときに偏向ミラー面に形成される入射光ビームのスポット寸法が偏向ミラー面の幅よりも大きく、いわゆるオーバーフィル状態が満足されている。このため、後述する作用効果(図10参照)によりビームローテーション現象が緩和され、優れた走査特性で光ビームを被走査面上で走査することができる。
さらに、偏向手段が入射光ビームを所定の走査範囲内で偏向するとき、主走査方向において、走査範囲内で、かつ入射光ビームの光軸と基準線との角度が最大値または最小値となったときに偏向ミラー面に形成される入射光ビームのスポット寸法が偏向ミラー面の長さよりも短くなるように構成している。こうすることで、走査範囲内では、入射光ビームが主走査方向において偏向ミラー面からはみ出すのを確実に防止することができ、光ビームを効率良く被走査面に偏向させることができる。その結果、走査範囲の全域にわたって明るいビームスポットを被走査面に形成することができる。
ここで、光源から偏向ミラー面に入射する光ビームを平行光束に整形してもよい。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、いわゆる4サイクル方式のカラープリンタである。この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111からの印字指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印字指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体2が図1の矢印方向(副走査方向)に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3には帯電制御部103が電気的に接続されており、所定の帯電バイアスを印加している。このバイアス印加によって感光体2の外周面が所定の表面電位に均一に帯電される。また、これらの感光体2、帯電ユニット3およびクリーニング部は一体的に感光体カートリッジを構成しており、感光体カートリッジが一体として装置本体5に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は後述する露光制御部からの電気信号に基づき光ビームLを感光体2上に走査して画像信号に対応する静電潜像を形成する。このように露光ユニット6は、本発明にかかる光走査装置であるが、その構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、マゼンタ用の現像器4M、シアン用の現像器4C、およびブラック用の現像器4Kを備えている。そして、エンジンコントローラ10の現像器制御部104からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44から感光体2の表面にトナーを付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72、73等に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。
また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ(図示省略)、濃度センサ76(図2)および垂直同期センサ77(図2)が配置されている。これらのうち、濃度センサ76は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。また、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の副走査方向への回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色のトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。
そして、カラー画像をシートに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシート上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシート上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートは定着ユニット9および排出ローラ82を経由して装置本体5の上面部に設けられた排出トレイ部51に搬送される。また、シートの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートを排出ローラ82によりスイッチバック移動させる。これによってシートは反転搬送経路FRに沿って搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートの両面に画像を形成することができる。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像データを記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3は図1の画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す主走査断面図である。また、図4は露光ユニットの副走査断面図である。また、図5は走査光ビームの結像を示す斜視図である。また、図6および図7は露光ユニットの一構成要素たる偏向器を示す図である。また、図8は露光ユニットおよび露光制御部の構成を示すブロック図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニット6の構成および動作について詳述する。
この露光ユニット6は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に単一のレーザ光源62が固着されており、レーザ光源62から光ビームを射出可能となっている。このレーザ光源62は、図8に示すように、露光制御部102の光源駆動部102aと電気的に接続されている。このため、画像データに応じて光源駆動部102aがレーザ光源62をON/OFF制御してレーザ光源62から画像データに対応して変調された光ビームが射出される。このように本実施形態では、レーザ光源62が本発明の「光源」に相当してる。
また、この露光筐体61の内部には、レーザ光源62からの光ビームを感光体2の表面(被走査面)に走査露光するために、コリメータレンズ(第1光学系)63、ミラー64、偏向器65、走査レンズ66および折り返しミラー67が設けられている。すなわち、レーザ光源62からの光ビームは、コリメータレンズ63により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、図4に示すように、偏向器65の偏向ミラー面651の揺動軸(本発明の「駆動軸」に相当)AXと直交する基準面SSに対して鋭角γをなすように偏向ミラー面651に入射する。
この偏向器65は半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、偏向ミラー面651で反射した光ビームを主走査方向Xに偏向可能となっている。より具体的には、偏向器65は次のように構成されている。
この偏向器65では、図6および図7に示すように、シリコンの単結晶基板(以下「シリコン基板」という)652が本発明の「支持部材」として機能し、さらに該シリコン基板652の一部を加工することで可動板653が設けられている。この可動板653はねじりバネ654によってシリコン基板652に弾性支持されており、主走査方向Xとほぼ直交する副走査方向Yに伸びる揺動軸AX回りに揺動自在となっている。そして、可動板653の中央部には、アルミニューム膜などが偏向ミラー面651として成膜されている。なお、この実施形態では、可動板653は図6に示すように主走査方向Xに伸びる細長形状に仕上げられている。
また、シリコン基板652の略中央部には、図7に示すように、可動板653が揺動軸AX回りに揺動可能となるように、凹部652aが設けられている。そして、凹部652aの内底面のうち可動板653の両端部に対向する位置に電極658a、658bがそれぞれ固着されている(図7参照)。これら2つの電極658a、658bは可動板653を揺動軸AX回りに揺動駆動するための揺動用電極として機能するものである。すなわち、これらの揺動用電極658a、658bは露光制御部102の揺動駆動部102bと電気的に接続されており、電極への電圧印加によって該電極と偏向ミラー面651との間に静電吸着力が作用して偏向ミラー面651の一方端部を該電極側に引き寄せる。したがって、揺動駆動部102bから所定の電圧を揺動用電極658a、658bに交互に印加すると、ねじりバネ654を揺動軸AXとして偏向ミラー面651を往復振動させることができる。そして、この往復振動の駆動周波数を偏向ミラー面651の共振周波数に設定すると、偏向ミラー面651の振れ幅は大きくなり、電極658a、658bに近接する位置まで偏向ミラー面651の端部を変位させることができる。また、偏向ミラー面651の端部が共振で電極658a、658bと近接位置に達することで、電極658a、658bも偏向ミラー面651の駆動に寄与し、端部と平面部の両電極により振動維持をより安定させることができる。
なお、この実施形態では、静電吸着力により偏向ミラー面651を往復振動させているが、電磁気力により振動させるようにしてもよい。ここで、電磁気力により偏向ミラー面651を駆動する態様については、すでに周知の技術事項であるため、ここでは説明を省略する。
図3および図4に戻って露光ユニット6の説明を続ける。上記のように偏向器65により走査された走査光ビームは感光体2に向けて偏向器65から射出されるが、その走査光ビームLsは本発明の「第2光学系」に相当する走査レンズ66および折り返しミラー67を介して感光体2に結像され、感光体表面に光ビームLsのスポットが形成される。これにより、図5に示すように、走査光ビームLsが主走査方向Xと平行に走査して走査位置21上で主走査方向Xに伸びるライン状の潜像が感光体2上に形成される。
なお、この実施形態では、図3に示すように、偏向器65からの走査光ビームの開始および終端を折り返しミラー69a〜69cにより同期センサ60に導いている。すなわち、この実施形態では、同期センサ60を、主走査方向Xにおける同期信号、つまり水平同期信号を得るための水平同期用読取センサとして機能させている。
次に、ビームローテーション現象を緩和するために本実施形態が採用した具体的な構成について図4、図9および図10を参照しつつ詳述する。図9は偏向器による光ビームの走査を示す図であり、図10は偏向ミラー面上での入射光ビームのスポット形状を示す図である。この実施形態では、レーザ光源62から偏向ミラー面651に入射される光ビームLiは、その断面形状が略楕円形状となった平行光束であり、偏向ミラー面651の正面側から入射される。
ここで、揺動角θがゼロ、および最大角(+θmax)、(−θmax)となったときの光ビームの偏向動作のそれぞれについて分けて説明する。なお、図9中の符号SLは、偏向ミラー面651への入射光ビームLiの入射位置で偏向ミラー面651と基準面SSとが交差して形成される交線、つまり本発明の「基準線」を意味している。
まず、揺動角θがゼロである(この実施形態では、基準線SLに対して入射光ビームLiの光軸OAiが直交する)ときには、偏向ミラー面651には図10(b)に示すビームスポットBSiが形成されるが、この実施形態では、ミラー幅方向Yにおいて、入射光ビームLiのスポット寸法Hbsが偏向ミラー面651の幅Hbよりも大きくなるように構成されている。すなわち、入射光ビームLiは偏向ミラー面651に対してオーバーフィル状態となっており、その入射光ビームLiの中心部のみが偏向ミラー面651により反射されて走査光ビームLsとして走査レンズ66に導光される。なお、この場合(偏向角θがゼロ)には、ビームローテーションが発生しておらず、入射光ビームLiの中心軸CLiと射出光ビーム(走査光ビーム)Lsの中心軸CLsとが完全に一致しており、それらは基準線SLとほぼ一致している。
そして、偏向ミラー面651が揺動されて揺動角θが大きくなっていくと、図9(b−1)および(b−3)に示すように、入射光ビームLiの中央部は、揺動角θがゼロの場合と同様に、基準面SSと同一高さ位置で偏向ミラー面651で反射されるが、その一方部は基準面SSよりも下側に偏って、また他方部は基準面SSよりも上側に偏って、それぞれ偏向ミラー面651で反射されることとなる。そして、揺動角θが最大角(+θmax)となると、図10(a)に示すように、偏向ミラー面651上での入射光ビームLiのビームスポットBSiは大きく回転したものとなり、入射光ビームLiの中心軸CLiは基準線SLに対して大きく傾いている。このような現象によりビームローテーションが発生する。この点に関しては、逆方向に揺動した場合についても同様にして発生する(図10(c)参照)。
ところで、この実施形態では、上記したように揺動角θがゼロとなっているときに、入射光ビームLiのスポット寸法Hbsが偏向ミラー面651の幅Hbよりも大きくなるように構成しているので、揺動角θがゼロ以外となっているときにも、
Hbs>Hb
の関係が成立している。このため、入射光ビームLiは偏向ミラー面651に対してオーバーフィル状態となっており、入射光ビームLiの中心部のみが偏向ミラー面651により反射されて走査光ビームLsとして走査レンズ66に導光される。したがって、ビームローテーションが生じた場合には、射出光ビーム(走査光ビーム)Lsの中心軸CLsは、揺動角θがゼロのときの中心軸CLs(図10(b))に近づいてくる。つまり、入射光ビームLiが大きくローテーションしていたとしても、走査光ビームLsのローテーションは緩和されている。その結果、感光体2の表面上におけるビームスポットのローテーションも緩和することができる。
また、この実施形態では、図10(a)、(c)に示すように、揺動角θが最大角(+θmax)、(−θmax)となったときにおいても、主走査方向Xにおいて、入射光ビームLiのスポット長さHasが偏向ミラー面651の長さHaよりも短くなるように構成されている。したがって、走査範囲内では、入射光ビームLiが主走査方向Xにおいて偏向ミラー面651からはみ出すのを確実に防止することができ、光ビームを効率良く感光体2の表面に偏向させることができる。その結果、走査範囲の全域にわたって明るいビームスポットを感光体表面に形成することができる。しかも、揺動角θの値にかかわらず、偏向ミラー面651により反射される光束量(図10の斜線領域)の変動は少なく、走査範囲の全域にわたってほぼ均一な光量を得ることができる。
以上のように、この実施形態によれば、偏向ミラー面651に対して光ビームLiを斜入射させているが、ミラー幅方向Yにおいて入射光ビームLiを偏向ミラー面651に対してオーバーフィル状態で入射しているので、ビームスポットのローテーションを抑制して優れた走査特性で光ビームを感光体2の表面上で走査することができる。そして、これによって感光体2の表面に潜像を安定して形成することができる。
また、上記オーバーフィル状態を達成するため、ミラー幅方向Yにおいて、偏向ミラー面651を入射光ビームLiのビームスポットBSiよりも小さくするために、本実施形態では可動板653を細長形状に仕上げて、ミラー幅方向Yにおける幅Hbを従来装置よりも大幅に小さくしている。したがって、このように構成された露光ユニット6では、可動板653が軽量化され、可動板653を従来装置よりも高速で、しかも安定して揺動することができる。その結果、感光体2の表面上で光ビームを高速で、かつ安定して走査して潜像形成を安定して行うことができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、偏向器65としてガルバノミラーやポリゴンミラーなどの従来より周知のものを採用し、該偏向器に光ビームを斜入射させる露光ユニットにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では光ビームを偏向ミラー面651に対して正面側から入射させているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、基準面SSに対して一方(または下方)側あるいは他方(または上方)側から斜入射させる露光ユニット全般に適用することができる。
この発明にかかる光走査装置をカラー画像形成装置の露光手段として用いているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。すなわち、感光体などの潜像担持体上に光ビームを走査して静電潜像を形成するとともに、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する画像形成装置の露光手段として用いることができる。もちろん、光走査装置の適用対象は画像形成装置に装備される露光手段に限定されるものではなく、光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置全般に適用することができる。
本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1の画像形成装置に装備された露光ユニットの主走査断面図である。 図1の画像形成装置に装備された露光ユニットの副走査断面図である。 偏向光ビームの結像を示す斜視図である。 露光ユニットの一構成要素たる偏向器を示す図である。 露光ユニットの一構成要素たる偏向器を示す図である。 露光ユニットおよび露光制御部の構成を示すブロック図である。 偏向器による光ビームの走査を示す図である。 偏向ミラー面上での入射光ビームのスポット形状を示す図である。 被走査面上でのビームローテーションを示す模式図である。
符号の説明
2…感光体(潜像担持体)、 6…露光ユニット(光走査装置)、 62…レーザ光源(光源)、 63…コリメータレンズ(第1光学系)、 65…偏向器、 66…走査レンズ(第2光学系)、 651…偏向ミラー面、 652…シリコン基板(支持部材)、 653…可動板(可動部材)、 AX…揺動軸(駆動軸)、 Ha…(可動板の)長さ、 Has…(入射光ビームの)ビームスポット長さ、 Hb…(可動板の)幅、 Hbs…(入射光ビームの)ビームスポット幅、 L…光ビーム、 Li…入射光ビーム、 Ls…射出光ビーム(走査光ビーム)、 OAi…(入射光ビームの)光軸、 SL…基準線、 SS…基準面、 X…主走査方向、 Y…ミラー幅方向、 γ…(偏向ミラー面への光ビームの)入射角、 θ…揺動角

Claims (3)

  1. 被走査面上で光ビームを主走査方向に走査させる光走査装置において、
    入射される光ビームを反射する偏向ミラー面を有し、前記主走査方向とほぼ直交する駆動軸回りに前記偏向ミラー面を変位させることで入射光ビームを前記主走査方向に偏向させる偏向手段と、
    光ビームを射出する光源と、
    前記光源からの光ビームを略楕円形状の断面形状を有する光ビームに整形するとともに、前記駆動軸と直交する基準面に対して鋭角をなすように前記偏向ミラー面に入射する第1光学系と、
    光ビームを前記被走査面に結像する第2光学系とを備え、
    前記偏向ミラー面への前記入射光ビームの入射位置で前記偏向ミラー面と前記基準面とが交差して形成される交線を基準線とし、前記偏向ミラー面内において前記基準線に対して直交する方向をミラー幅方向としたとき、
    前記ミラー幅方向において、前記基準線に対して入射光ビームの光軸が直交するときに前記偏向ミラー面に形成される入射光ビームのスポット寸法が前記偏向ミラー面の幅よりも大きく、
    前記偏向手段は、前記入射光ビームを所定の走査範囲内で偏向し、
    前記主走査方向において、前記走査範囲内で、かつ前記入射光ビームの光軸と前記基準線との角度が最大値または最小値となったときに前記偏向ミラー面に形成される前記入射光ビームのスポット寸法が前記偏向ミラー面の長さよりも短いことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記第1光学系は前記光源からの光ビームを平行光束に整形し、前記入射光ビームとして前記偏向ミラー面に入射する請求項1記載の光走査装置。
  3. 請求項1または2に記載の光走査装置を用いて潜像担持体の表面に光ビームを走査して前記潜像担持体上に静電潜像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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