JP4482884B2 - 超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4482884B2
JP4482884B2 JP2005007519A JP2005007519A JP4482884B2 JP 4482884 B2 JP4482884 B2 JP 4482884B2 JP 2005007519 A JP2005007519 A JP 2005007519A JP 2005007519 A JP2005007519 A JP 2005007519A JP 4482884 B2 JP4482884 B2 JP 4482884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
flaw detection
sensitivity
echo
ultrasonic probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005007519A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006194763A (ja
Inventor
寛之 大久保
巧 堀切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2005007519A priority Critical patent/JP4482884B2/ja
Publication of JP2006194763A publication Critical patent/JP2006194763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4482884B2 publication Critical patent/JP4482884B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

本発明は、超音波探傷方法に関し、特に必要以上に超音波探触子等の数を増やすことなくコストの増加を抑制し且つ高精度に探傷することが可能な超音波探傷方法に関する。
従来より、鋼管や鋼板など種々の被検査材に発生した欠陥を非破壊的に検出する方法として超音波探傷方法が広く用いられている。斯かる超音波探傷方法は、超音波を被検査材中に伝搬させ、当該被検査材に存在する欠陥からの反射エコーを検出して欠陥の存在を検知する方法である。
ここで、被検査材が鋼管のような管材である場合には、管材の外周面又は内周面に1個又は複数個の超音波探触子を配設し、一般的には管材を回転させながら探傷が行われている。
上記のような管材を被検査材とする超音波探傷方法について、高精度に探傷を行うべく、例えば特許文献1には、以下のような方法が提案されている。すなわち、被検査材の表面に対して斜め方向に超音波を入射する斜角探傷における斜角超音波探触子の探傷感度を垂直超音波探触子の出力を用いて制御する方法が提案されている。より具体的には、同一の探触子ヘッド内に、1個又は複数個の探傷用の斜角超音波探触子と共に1個又は複数個の底面エコー検出用の垂直超音波探触子を配設し、垂直超音波探触子で検出した底面エコー高さの変動量に比例するように斜角超音波探触子の探傷感度を制御する方法が提案されている。
図1は、上記特許文献1で提案されている斜角超音波探触子の探傷感度制御方法を実施するための超音波探傷装置の構成を概略的に示すブロック図である。図1において、1Aは超音波探傷装置全体の時間系を制御する同期部、2Aは垂直超音波探触子4Aの時間系を制御する垂直系同期部、3Aは垂直系同期部からの送信指令により送信信号を発生及び垂直超音波探触子4Aからの底面反射信号等を受信するための送受信部、4Aは超音波を発生する垂直超音波探触子、5Aは被検査材、6Aは底面反射信号等から底面エコーを検出するための底面エコー検出部、7Aは底面エコーを用いて被検査材5Aの肉厚判定等を行うための垂直処理部、8Aは予め設定した基準信号と底面エコーとを比較し、底面エコー高さ変動量を検出する比較部、9Aは比較部8Aからの底面エコー高さ変動量に比例するように垂直超音波探触子の探傷感度を制御する垂直制御部、10Aは斜角超音波探触子の時間系を制御する斜角系同期部、11Aは斜角系同期部10Aからの送信指令により送信信号を発生及び斜角超音波探触子12Aからの反射信号を受信するための送受信部、12Aは超音波を発生する斜角超音波探触子、13Aは比較部8Aからの底面エコー高さ変動量に比例するように斜角超音波探触子の探傷感度を制御する斜角制御部、14Aは斜角超音波探触子12Aによる反射信号から被検査材の欠陥エコーを検出するための欠陥エコー検出部、15Aは欠陥エコー検出部13Aで検出された欠陥エコーの高さを判定し、外部に欠陥出力するための判定処理部である。
図1に示す超音波探傷装置において、垂直系同期部2Aからの送信指令により送受信部3Aは送信信号を発生し、垂直超音波探触子4Aに印加する。垂直探触子4Aは送信信号の印加により超音波を発生して被検査材5Aに超音波を伝搬し、被検査材5Aの表面及び底面等からの反射信号を送受信部3Aへ伝える。送受信部3Aで受信された反射信号は、増幅されて垂直制御部9Aに送られ、垂直制御部9Aにて一定レベルになるように探傷感度を制御させた後、底面エコー検出部6Aにて底面エコーのみが検出される。検出された底面エコーは、次の垂直処理部7Aに送られ、被検査材5Aの肉厚判定処理等が行われ、判定結果を垂直処理部7Aから外部に出力する。また、底面エコーは、比較部8Aにも送られる。比較部8Aは底面エコーと予め設定した基準信号とを比較して、底面エコー高さ変動量を出力し、垂直制御部9Aにて垂直超音波探触子の探傷感度が一定レベルになるよう制御している。
斜角超音波探触子12Aには、斜角系同期部10Aからの送信指令に対応して、送受信部11Aで発生した送信信号が印加され、超音波信号を発生する。被検査材5Aに伝搬された超音波信号は、斜角超音波探触子12Aを経て、欠陥反射信号として送受信部11Aに送られ、受信、増幅された後、制御部13Aに入力される。制御部13Aでは、入力された欠陥反射信号の探傷感度を、上記比較部8Aで得られた垂直超音波探触子4Aからの底面エコー高さの変動量に比例するように制御し、欠陥エコー検出部14へ出力する。欠陥エコー検出部14Aは入力された欠陥反射信号から欠陥エコーのみを検出し、次の判定処理部15Aへ出力する。判定処理部15Aは欠陥エコー高さを予め設定した欠陥判定値と比較し、欠陥出力を外部に出力するように構成されている。
一方、被検査材が板厚の薄い板材である場合には、板波超音波を用いた板波超音波探傷方法が好適に実施されている。板波超音波は、超音波を伝搬させる板材の板厚が当該超音波の波長に比べて小さい時に、縦波と横波とが独立して存在できなくなって発生する波動である。斯かる板波超音波を用いた板波超音波探傷方法では、搬送される被検査材に超音波を入射すると共に、搬送方向と直交する方向に伝搬した板波超音波を受信する方法を採用するのが一般的である。
上記のような板厚の薄い板材を被検査材とする板波超音波探傷方法について、高精度に探傷を行うべく、特許文献2には、以下のような方法が提案されている。すなわち、搬送される被検査材に超音波を入射し、搬送方向と直交する方向に伝搬した板波超音波を受信し、この受信信号を2次元探傷信号に配列し、当該2次元探傷信号から所定階調で示す2次元配列データを形成する。次に、前記2次元配列データに基づき被検査材のエッジの反射信号部分を認識してこの信号強度を求め、当該求めた信号強度と予め設定した参照信号の強度とを比較する。そして、前記求めた信号強度の方が低い場合には、前記2次元配列データを逓倍し、これを2値化処理して欠陥を検出する方法が提案されている。
図2は、上記特許文献2で提案されている板波超音波探傷方法を実施するための板波超音波探傷装置の構成を概略的に示すブロック図である。図2において、長手方向(図中白抜き矢符方向)に搬送される帯状の被検査材10Bの一方のエッジ上に、タイヤ探触子1Bが設置されている。板波超音波探傷装置は、タイヤ探触子1Bに超音波を発振するための電圧を所定周期で印加するパルサ2Bと、パルサ2Bの電圧印加周期を制御するパルスタイミングコントローラ3Bと、タイヤ探触子1Bが受信した信号を増幅する信号増幅器4Bと、信号増幅器4Bにて増幅された信号のうち所定周波数のみ通過させるバンドパスフィルタ5Bと、バンドパスフィルタ5Bを通過した信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換器6Bと、A/D変換されたデジタル信号をパルスタイミングコントローラ3Bからパルス信号に基づいてマッピングするマッピングメモリ7Bと、演算部9Bと、画像メモリ8Bとを備えている。
演算部9Bは、マッピングメモリ7Bから与えられる2次元探傷信号に基づいて2次元配列データを形成する2次元配列データ形成部96Bと、所定の入力データに基づいて参照信号を算出する参照信号算出部91Bと、参照信号算出部91Bにて算出された参照信号を保持する参照信号メモリ92Bと、2次元配列データにおけるエッジ反射部分と参照信号メモリ92Bに保持された参照信号とを比較する比較部93Bと、2次元配列データのエッジ反射部分が参照信号のレベルより低い場合に2次元配列データを逓倍する逓倍部94Bと、逓倍された2次元配列データを2値化する2値化部95Bとを備えている。
図2に示す板波超音波探傷装置において、探傷開始前に被検査材10Bの幅、探傷条件等の所定の入力データを参照信号算出部91Bに与え、被検査材10Bのエッジによる反射波の得られるべきレベルを参照信号として算出し、これを参照信号メモリ92Bに保持させる。そして、探傷開始に伴い、パルスタイミングコントローラ3Bから与えられるパルス信号に基づいてパルサ2Bがタイヤ探触子1Bに所定電圧を印加すると、タイヤ探触子1Bが超音波を発振する。この超音波は被検査材10Bの幅方向に伝搬し、被検査材10Bにおける欠陥や他方のエッジにて反射し、タイヤ探触子1Bで受信される。タイヤ探触子1Bにて受信された信号は、信号増幅器4Bにて増幅され、所定周波数の信号のみがバンドパスフィルタ5Bを通過してノイズ成分が除去され、さらにA/D変換器6Bにて、例えば8ビット、0〜255階調のデジタル信号に変換される。
マッピングメモリ7Bは、A/D変換器6Bからのデジタル信号とパルスタイミングコントローラ3Bからの信号とを受け、デジタル信号をパルス信号のタイミングで分割し、被検査材10Bの幅方向毎のデジタル信号を被検査材10Bの搬送方向の順に並べて(マッピングして)記憶する。マッピングメモリ7B上の2次元探傷信号は、その探傷信号振幅の高低に従って各画素の濃淡レベルが高低するような2次元濃淡画像の情報に演算部9Bの2次元配列データ形成部96Bによって変換され、画像メモリ8Bに入力される。比較部93Bは、画像メモリ8Bに保持された2次元配列データをエッジ反射波弁別のための所定の閾値に基づいて2値化し、各像の長さ、面積、パターン等の情報に基づいてエッジ反射部分を認識する。さらに、認識したエッジ反射部分と参照信号メモリ92Bに保持された参照信号とを比較する。そして、2次元配列データのエッジ反射部分のレベルが参照信号のレベルより低い場合には、逓倍部94Bがエッジ反射部分の強度不足量を算出し、参照信号のレベルが得られるように、そのエッジ反射部分を含む周期の2次元配列データ全体を逓倍して感度補正する。その後は、2値化部95Bが所定の閾値に基づいて2値化処理し、欠陥を検出するように構成されている。
特開昭59−95457号公報 特開平11−190726号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法には、以下のような問題がある。すなわち、特許文献1に記載の方法では、探傷用の斜角超音波探触子以外に、底面エコー検出用の垂直超音波探触子が必要となり、超音波探触子の数が増加することに伴って装置のコストが増大すると共に、必要以上にセンサヘッドが大きくなってしまうという問題がある。また、探傷用と底面エコー検出用の超音波探触子を別々に配設するということは、底面エコー検出用の垂直超音波探触子の感度の変動が探傷用の斜角超音波探触子の探傷感度に比例していることを前提としており、この前提が崩れると特許文献1に記載の方法では斜角超音波探触子の探傷感度を一定に制御することにはならなくなってしまうという問題もある。
上記問題を解決するには、例えば、底面エコー検出用の垂直超音波探触子を探傷用として併用することが考えられる。ここで、特許文献1に記載のように、垂直超音波探触子を被検査材の底面エコーを検出すると共に、被検査材の肉厚を測定するのに用いる場合には、一般的に垂直超音波探触子によって超音波を発振してから底面エコーを検出するまでの時間を計測することになる。この場合において検出する底面エコーの高さ(信号レベル)は、飽和しない信号レベルで十分である。従って、被検査材の肉厚のみを測定する(探傷は行わない)場合には、当該底面エコーの信号レベルを予め設定した基準信号レベルと比較して、底面エコーの信号レベルが飽和しない一定値となるように制御すれば何ら問題は生じない。
しかしながら、特許文献1に記載のように被検査材の肉厚を測定するのではなく、被検査材に存在する欠陥をも垂直探傷によって検出する場合には問題が生じる。一般的に、被検査材の内部に存在する欠陥については、φ5mm程度の平底穴を検出することが必要とされている。この程度の欠陥を検出し得るように垂直超音波探触子の感度を設定すると、図3に示すように、被検査材からの底面エコーは飽和してしまい、正確な底面エコーの信号レベルを観測することができない。逆に、図4に示すように、被検査材の底面エコーの信号レベルが飽和しないように垂直超音波探触子の感度を設定すると、欠陥からの反射エコーが観測できない結果、欠陥を検出することができなくなってしまう。つまり、特許文献1に記載のように、垂直超音波探触子によって底面エコー高さの変動量を検出可能とするには、底面エコーの信号レベルを飽和させない探傷感度に設定する必要がある一方、底面エコーの信号レベルを飽和させない探傷感度に設定したのでは、欠陥からの反射エコーが観測できない結果、欠陥を精度良く検出することができなくなってしまうという問題がある。
垂直探傷における探傷を行うための適切な感度と底面エコーを検出するための適切な感度とが異なることに起因した上記問題のみを解決するには、特許文献1に記載されている方法において、探傷用の斜角探触子を垂直探触子に置き換えることが考えられる。しかしながら、前述したのと同様に、超音波探触子の数が増加することに伴って装置のコストが増大すると共に、必要以上にセンサヘッドが大きくなってしまうという問題や、探傷用と底面エコー検出用の超音波探触子を別々に配設することに起因した問題が存在することになる。
また、特許文献2に記載の方法についても、被検査材に存在する欠陥を精度良く検出する感度では被検査材のエッジでの反射エコー(反射信号)は飽和してしまい、その信号強度を正確に検出できない結果、探傷感度が一定になるような制御をすることはできないという問題がある。さらに、特許文献2に記載の方法では、超音波を発振する毎に探傷信号をA/D変換し、A/D変換したデジタルデータを蓄積して2次元配列データを形成した後、当該2次元配列データからエッジ反射部分を認識し、エッジ反射部分のレベルを検出して感度補正する処理を施す必要があり、このような処理機能を有する複雑な装置が必要となる結果、装置のコストが増大してしまうという問題がある。
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、必要以上に超音波探触子等の数を増やすことなくコストの増加を抑制し且つ高精度に探傷することが可能な超音波探傷方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、単一の超音波探触子から入射し内部を伝搬する超音波が所定の端部から定常的に反射し得る被検査材を超音波探傷する方法であって、前記被検査材の所定の端部からの反射エコーを観測するための前記超音波探触子の感度であって、前記端部からの反射エコーを飽和しない所定の信号レベルで検出できるように設定された第1の感度と、前記被検査材を探傷するための前記超音波探触子の感度であって、検出すべき欠陥からの反射エコーを所定の信号レベルで検出できるように設定された第2の感度とを、前記超音波探触子からの超音波の発振タイミング毎に交互に切り替えて設定しながら探傷することを特徴とする超音波探傷方法を提供するものである。
斯かる発明によれば、被検査材の所定の端部からの反射エコーを観測するための超音波探触子の感度第1の感度と、被検査材を探傷するための超音波探触子の感度第2の感度とを切り替えて探傷するため、反射エコーが飽和しないように第1の感度を設定することにより、反射エコーの変動量を精度良く検出することが可能である。一方、検出すべき欠陥からの反射エコーが十分に得られるように第2の感度を設定すると共に、前記検出した反射エコーの変動量を用いて第2の感度を補正することができるため、高精度に探傷することが可能である。また、第1の感度及び第2の感度を超音波探触子からの超音波の発振タイミング毎に交互に切り替えて設定する構成であるため、従来のように探傷用の超音波探触子とは別個に端部からの反射エコー観測用の超音波探触子を設ける必要がなく、単一の超音波探触子で端部からの反射エコーを観測し且つ探傷することができるため、コストの増加を抑制することが可能である。
なお、好ましくは、前記第1の感度に設定された前記超音波探触子で観測した前記端部からの反射エコーの信号レベルと予め設定した基準信号レベルとの差を計測し、前記第2の感度に前記計測した差に応じた補正を施した後に探傷するように構成される。
より具体的には、前記超音波探触子は、前記被検査材の超音波入射表面に対して略垂直に超音波を伝搬させて探傷するように構成されており、前記反射エコーを観測する前記被検査材の所定の端部は、前記被検査材の超音波入射表面に対向する底面とされる。
或いは、前記超音波探触子は、前記被検査材の超音波入射表面に対して略平行に超音波を伝搬させて探傷するように構成されており、前記反射エコーを観測する前記被検査材の所定の端部は、前記被検査材の超音波入射表面に略直交する端面とされる。
本発明に係る超音波探傷方法によれば、必要以上に超音波探触子等の数を増やすことなくコストの増加を抑制し且つ高精度に探傷することが可能である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係る超音波探傷方法の一実施形態について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法を実施するための超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、超音波探触子1と、超音波探傷器2とを備えている。超音波探傷器2は、パルサーレシーバ21、同期器22、切替部23、信号増幅器24、初期感度設定部25、端部エコー検出部26、比較部27、参照信号レベル設定部28及び欠陥検出部29を備えている。
パルサーレシーバ21は、超音波探触子1に対して電圧を印加することにより、超音波探触子1から超音波を発振させるように構成されている。切替部23は、超音波探触子1からの超音波の発振タイミング毎に信号増幅器24の探傷感度(第1の感度及び第2の感度)及び信号出力先を切り替えるように構成されている。端部エコー検出部26は、超音波探触子1で受信した被検査材の所定の端部からの反射エコー(以下、適宜「端部エコー」という)の信号レベル(以下、適宜「端部エコーレベル」という)を検出するように構成されている。欠陥検出部29は、超音波探触子1で受信した被検査材からの反射エコーに基づき欠陥の有無を判定するように構成されている。同期器22は、パルサーレシーバ21、切替部23、端部エコー検出部26及び欠陥検出部29の動作タイミングを制御するように構成されている。
初期感度設定部25は、被検査材の端部エコーを飽和しない所定の信号レベルで検出できる感度(第1の感度)、及び、被検査材に存在する欠陥を所定の信号レベルで検出できる感度(第2の感度)をそれぞれ設定し、信号増幅器24に送信するように構成されている。また、初期感度設定部25は、信号増幅器24からの出力が端部エコー検出用なのか或いは欠陥検出用なのかを識別する信号を切替部23に対して送信するように構成されている。比較部27は、参照信号レベル設定部28で予め設定した基準信号レベルと、端部エコー検出部26で検出した端部エコーレベルとを比較するように構成されている。
以上の構成を有する超音波探傷装置100において、同期器22からの送信指令によりパルサーレシーバ21から超音波探触子1に対して電圧が印加され、これにより被検査材に超音波が伝搬する。伝搬した超音波は、被検査材の所定の端部から定常的に反射する一方、被検査材に欠陥が存在していれば当該欠陥からも反射することになる。これらの反射した超音波(反射エコー)は超音波探触子1で受信され、パルサーレシーバ21を介して、信号増幅器24に送信される。信号増幅器24では、先ず最初に切替部23によって切り替え設定された第1の感度で反射エコーを増幅した後、増幅後の反射エコーを切替部23によって切り替え設定された出力先である端部エコー検出部26に送信する。端部エコー検出部26は、受信した反射エコーに基づいて端部エコーレベルを検出し、当該検出した端部エコーレベルを比較部27に送信する。比較部27では、参照信号レベル設定部28で予め設定した基準信号レベルと端部エコーレベルとを比較し、その差(以下、適宜「レベル差」という)を信号増幅器24に設定する。
次の発振タイミング(同期器3からパルスレシーバ21に対して発せられた次の送信指令)で発振した超音波も同様にして被検査材に伝搬し、超音波探触子1で受信され、パルサーレシーバ21を介して、信号増幅器24に送信される。この際、信号増幅器24では、切替部23によって第2の感度に切り替え設定されると共に、前述したように比較部27によって設定されたレベル差に応じた補正を前記第2の感度に施した感度で反射エコーが増幅されることになる。より具体的に説明すれば、信号増幅器24は、第2の感度に前記レベル差を加算した感度で反射エコーを増幅し、増幅後の反射エコーを切替部23によって切り替え設定された出力先である欠陥検出部29に送信する。欠陥検出部29では、所定の信号レベル以上の反射エコーを検出したか否か(ただし、端部からの反射エコーを除く)を判定し、所定の信号レベル以上の信号を検出したときに欠陥有りと判定するように構成されている。
さらに、次の発振タイミングで発振した超音波の反射エコーについては、信号増幅器24において、切替部23によって切り替え設定された第1の感度に前記レベル差を加算した感度で増幅された後、切替部23によって切り替え設定された出力先である端部エコー検出部26に送信されることになる。以下、同様にして、図6に示すようなタイムチャートに基づき、端部エコーレベルの検出と欠陥検出とが繰り返されることになる。
図7は、本実施形態に係る超音波探傷装置を被検査材である鋼管Pに適用した場合の具体例を示すブロック図である。図7に示す例では、鋼管Pに対して探触子ヘッド10を内面から外面に向けて垂直に超音波が入射するように配設している。探触子ヘッド10には、管端から50mmの範囲を検査できるように、垂直超音波探触子1が鋼管Pの長手方向に千鳥状に4個(1a、1b、1c、1d)配置されている。斯かる構成において、鋼管Pを回転させることにより、鋼管P全周の管端部の検査が可能である。探触子ヘッド10に配置された4個の垂直超音波探触子1は、超音波探傷器2に各々の探傷ケーブルで接続されている。超音波探傷器2は、パルサーレシーバ21、信号増幅器24及び探傷評価部3(図5に示す超音波探傷器2の各構成要素の内、パルサーレシーバ21及び信号増幅器24を除く構成要素が探傷評価部3に相当する)を備えている。
図8は、図7に示す超音波探傷装置100Aにおける探傷サイクルを説明するフロー図である。図8(a)に示すように、1本の鋼管Pを探傷する際には、鋼管回転後に探傷を開始すると共に、鋼管回転計(図示せず)によって鋼管Pの回転量を計測し、鋼管Pが1回転した時点で探傷を終了することになる。図8(b)は、図8(a)中に示す探傷サイクルの内容を示すフローである。図8(b)に示すように、垂直超音波探触子1aから1b、1c、1dと順次超音波を送受信すると共に、個々の超音波探触子については、まず最初に底面エコーである鋼管Pの外表面エコーを検出し、検出結果に基づいて感度補正量(前述したレベル差に相当)を算出し、当該算出した感度補正量を次の欠陥検出及び底面エコー検出時の感度に反映させることを繰り返すように構成されている。そして、これら一連の動作をハード数を全く増やすことなく超音波探傷器2のソフトウェア処理で実施(探傷評価部3が全てソフトウェアで構成されている)することにより実現している。本実施形態に係る超音波探傷装置100Aは、探傷及び端部エコー検出をそれぞれ同一の超音波探触子1で実施しているため、被検査材が曲率を有する鋼管Pであっても、超音波探触子の数を増やす必要が無く、安定した探傷が可能である。
図9は、本実施形態に係る超音波探傷装置を被検査材である薄鋼板Sに適用した場合の具体例を示すブロック図である。図9に示す例では、薄鋼板Pの搬送方向(図中白抜き矢符方向)とは直交する方向に超音波が伝搬するように、薄鋼板Sの幅方向エッジ部分にタイヤ型の超音波探触子1を配設している。タイヤ型超音波探触子1内には超音波センサが取り付けられており、変角操作盤4によって薄鋼板Sの板厚に合わせて超音波センサの入射角を変化させることで、薄鋼板Sに板波が発生できるような構成とされている。タイヤ型超音波探触子1は、パルサーレシーバ21、信号増幅器24及び探傷評価部3を備えた超音波探傷器2に接続されており、一定周期で超音波を送受信するように構成されている。超音波探傷器2の動作については、図5を参照して説明した動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。図9に示す超音波探傷装置100Bについても、一連の動作をハード数を全く増やすことなく超音波探傷器2のソフトウェア処理で実施することにより実現しており、薄鋼板Sの全長に亘り安定した探傷が可能である。
以上に説明したように、本実施形態に係る超音波探傷装置100(100A、100B)によれば、被検査材の所定の端部からの反射エコーを観測するための超音波探触子1の第1の感度と、被検査材を探傷するための超音波探触子1の第2の感度とを切り替えて探傷する構成であるため、反射エコーが飽和しないように第1の感度を設定することにより、反射エコーの変動量を精度良く検出することが可能である。一方、検出すべき欠陥からの反射エコーが十分に得られるように第2の感度を設定すると共に、前記検出した反射エコーの変動量を用いて第2の感度を補正することができるため、高精度に探傷することが可能である。また、第1の感度及び第2の感度を超音波探触子1からの超音波の発振タイミング毎に交互に切り替えて設定する構成であるため、従来のように探傷用の超音波探触子とは別個に端部からの反射エコー観測用の超音波探触子を設ける必要がなく、単一の超音波探触子で端部からの反射エコーを観測し且つ探傷することができるため、コストの増加を抑制することが可能である。
表1は、本発明の具体的な効果を従来技術と比較して評価した結果を示す。なお、表1に示す「装置コスト」は、従来技術を「1」とした時の比率を意味する。また、「誤検知数」は、被検査材が鋼管の場合には10000本当たりの誤検知数(欠陥が存在しないものを欠陥有りと検知した数)を、被検査材が薄板の場合には1000コイル当たりの誤検知数を意味する。
Figure 0004482884
表1に示すように、被検査材が鋼管の場合、探傷用の斜角超音波探触子と底面エコー検出用の垂直超音波探触子とを用いた従来技術と比較すると、装置コストは約3/4程度に抑制でき、誤検知数については従来比で約1/10以下に低減することが可能であった。被検査材が薄鋼板の場合は、誤検知数を従来技術とほぼ同数に維持したまま、装置コストを約1/2に抑制することが可能であった。
図1は、従来の超音波探傷装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図2は、従来の板波超音波探傷装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図3は、欠陥を検出する場合に適切な超音波探触子の感度を説明するための説明図である。 図4は、底面エコーを検出する場合に適切な超音波探触子の感度を説明するための説明図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法を実施するための超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図である。 図6は、図5に示す超音波探傷装置の動作フローを説明するためのタイムチャートである。 図7は、図5に示す超音波探傷装置を被検査材である鋼管に適用した場合の具体例を示すブロック図である。 図8は、図7に示す超音波探傷装置における探傷サイクルを説明するフロー図である。 図9は、図5に示す超音波探傷装置を被検査材である薄鋼板に適用した場合の具体例を示すブロック図である。
符号の説明
1・・・超音波探触子 2・・・超音波探傷器 21・・・パルサーレシーバ
22・・・同期器 23・・・切替部 24・・・信号増幅器
25・・・初期感度設定部 26・・・端部エコー検出部 27・・・比較部
28・・・参照信号レベル設定部 29・・・欠陥検出部
100・・・超音波探傷装置

Claims (4)

  1. 単一の超音波探触子から入射し内部を伝搬する超音波が所定の端部から定常的に反射し得る被検査材を超音波探傷する方法であって、
    前記被検査材の所定の端部からの反射エコーを観測するための前記超音波探触子の感度であって、前記端部からの反射エコーを飽和しない所定の信号レベルで検出できるように設定された第1の感度と、前記被検査材を探傷するための前記超音波探触子の感度であって、検出すべき欠陥からの反射エコーを所定の信号レベルで検出できるように設定された第2の感度とを、前記超音波探触子からの超音波の発振タイミング毎に交互に切り替えて設定しながら探傷することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 前記第1の感度に設定された前記超音波探触子で観測した前記端部からの反射エコーの信号レベルと予め設定した基準信号レベルとの差を計測し、前記第2の感度に前記計測した差に応じた補正を施した後に探傷することを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷方法。
  3. 前記超音波探触子は、前記被検査材の超音波入射表面に対して略垂直に超音波を伝搬させて探傷するように構成されており、
    前記反射エコーを観測する前記被検査材の所定の端部は、前記被検査材の超音波入射表面に対向する底面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷方法。
  4. 前記超音波探触子は、前記被検査材の超音波入射表面に対して略平行に超音波を伝搬させて探傷するように構成されており、
    前記反射エコーを観測する前記被検査材の所定の端部は、前記被検査材の超音波入射表面に略直交する端面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷方法。
JP2005007519A 2005-01-14 2005-01-14 超音波探傷方法 Expired - Fee Related JP4482884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005007519A JP4482884B2 (ja) 2005-01-14 2005-01-14 超音波探傷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005007519A JP4482884B2 (ja) 2005-01-14 2005-01-14 超音波探傷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006194763A JP2006194763A (ja) 2006-07-27
JP4482884B2 true JP4482884B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=36800960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005007519A Expired - Fee Related JP4482884B2 (ja) 2005-01-14 2005-01-14 超音波探傷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4482884B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5850415B2 (ja) * 2009-09-04 2016-02-03 学校法人北里研究所 波長可変光源の発光波長の測定方法
JP5428777B2 (ja) * 2009-11-11 2014-02-26 大同特殊鋼株式会社 超音波探傷方法
CN107490627B (zh) * 2016-06-12 2019-10-29 中国航发商用航空发动机有限责任公司 超声聚焦探头参数标定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006194763A (ja) 2006-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7789286B2 (en) Method and apparatus for assessing the quality of spot welds
RU2521720C1 (ru) Способ и устройство для получения изображения зоны сварки
CA2616900C (en) Method for error-free checking of tubes for surface faults
JP5112942B2 (ja) 超音波探傷方法及び装置
JPH01248053A (ja) 超音波測定方法及び超音波測定装置
RU2308027C1 (ru) Способ ультразвукового контроля головки рельса
JP4482884B2 (ja) 超音波探傷方法
JP2009097942A (ja) 非接触式アレイ探触子とこれを用いた超音波探傷装置及び方法
JP2014077708A (ja) 検査装置および検査方法
RU2526518C2 (ru) Способ автоматизированного ультразвукового контроля изделий из полимерных композиционных материалов формы тел вращения
JP2011122827A (ja) アレイ探触子の測定方法及びその測定装置
JP4682921B2 (ja) 超音波探傷方法及び超音波探傷装置
JP2007147423A (ja) 圧延材の内部欠陥検出方法および内部欠陥検出装置
JP6731863B2 (ja) 検査方法
JPS61172055A (ja) 配管内部検査装置
JP5517374B1 (ja) 複合構造体の界面検査方法、界面検査装置、及び界面検査プログラム
WO2020250583A1 (ja) 検査システム
RU2395802C1 (ru) Способ ультразвукового контроля стыковых сварных швов
JP2006132981A (ja) 超音波肉厚測定装置及びその方法
JP2003294715A (ja) 超音波探傷装置及び超音波探傷方法
JPH02208554A (ja) 超音波探傷装置
JP4143527B2 (ja) 薄板超音波探傷装置
RU2581083C1 (ru) Способ определения формы индикатрисы рассеяния дефекта при ультразвуковом контроле и устройство для его осуществления
JP2016118514A (ja) 超音波探傷装置及び超音波探傷方法
JPH06258302A (ja) 超音波探傷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100226

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4482884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees