JP4482627B2 - 1,2,5−チアジアゾール化合物を含有してなる溶剤およびこの溶媒を用いた有機化合物の抽出方法 - Google Patents

1,2,5−チアジアゾール化合物を含有してなる溶剤およびこの溶媒を用いた有機化合物の抽出方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,2,5−チアジアゾール化合物を含有してなる溶剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、各種混合物から目的とする化合物を抽出する抽出溶剤、種々の化学反応の反応溶剤、電子・機械部品の洗浄溶剤、樹脂等の剥離溶剤、塗料・インク等の希釈溶剤として有用な1,2,5−チアジアゾール化合物を含有してなる溶剤、及び本発明の溶剤を用いる有機化合物の抽出方法に関する。
従来、混合物からの所望の化合物の抽出、有機合成反応、電子・機械部品等の洗浄、樹脂等の剥離、有機化合物の希釈等に、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が溶剤として広く使われている。
ハロゲン化炭化水素類は、有機化合物の溶解力に優れ化学的に安定であるため、種々の有機化合物の抽出溶剤として汎用性の高い溶剤である。また、ハロゲン化炭化水素類は、比重が1より大きく、水と相溶しないため、水溶液から目的物の溶剤抽出を行なう場合に、有機層が下層になり、目的物を容易に取り出すことができ、作業効率上好ましい抽出溶剤である。
また、ハロゲン化炭化水素類は、有機化合物の溶解力が高く反応試薬に対して不活性であり反応の選択性が良いことから、酸・塩基を用いる反応、ハロゲンを含む反応、金属触媒を用いる反応等の反応溶剤として汎用されている。さらに、ハロゲン化炭化水素類は、比重が1より大きく水と相溶せず、反応後の生成物の分離および溶剤の回収が容易であり、作業効率上好ましい反応溶剤である。
また、ハロゲン化炭化水素類は、油脂類、ワックス類等の溶解力に優れ、化学的安定性に優れるため、電子・機械部品等の脱脂洗浄、プリント基板洗浄、ガラス基板洗浄等の洗浄溶剤として広く使用されている。
また、ハロゲン化炭化水素類は、有機接着剤、レジスト等の樹脂類に対する溶解力に優れるために、剥離溶剤として広く使用されている。
また、ハロゲン化炭化水素類は塗料、インク、樹脂、色素材料等の有機材料に対する溶解力、分散力に優れ、化学的に安定であるため、有機材料の希釈溶剤として広く使用されている(例えば、非特許文献1参照)。
有機溶剤協会編「新版 溶剤ポケットブック」オーム社、1994年、252−330頁
しかしながら、このように優れた特徴を有するハロゲン化炭化水素類は、この構成元素の1つであるハロゲン原子が触媒となり、地球を取り巻くオゾン層を破壊することが大きな問題となっている。またハロゲン化炭化水素類は毒性の問題と地下水汚染・大気汚染等の環境汚染の問題を抱えており、その代替が強く望まれている。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、ハロゲン原子を含まずオゾン層に悪影響を与えず、毒性と環境汚染の問題が少なく、有機化合物に対する溶解力に優れ、化学的に安定であり、かつ比重が1より大きく水と相溶しない、抽出溶剤、反応溶剤、洗浄溶剤、剥離溶剤、希釈溶剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該抽出溶剤を用いる有機化合物の溶媒抽出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、1,2,5−チアジアゾール化合物が、種々の有機化合物に対する溶解力が高く、化学的安定性に優れ、かつ比重が1より大きく、水と相溶せず、またハロゲン原子を含まないためにオゾン層破壊の問題がなく、地下水汚染、大気汚染等の環境汚染問題と安全性毒性の問題が少なく、優れた抽出溶剤、反応溶剤、洗浄溶剤、剥離溶剤ならびに希釈溶剤になることを見出した。
かくして本発明の第1によれば、下記式(1)
Figure 0004482627
(式中、R、Rはそれぞれ水素又はメチル基を表す)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる溶剤が提供される。
本発明においては、前記式(1)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物が、下記式(2)
Figure 0004482627
で表される1,2,5−チアジアゾールであるのが好ましい。本発明の溶剤は、抽出用溶剤、反応用溶剤、洗浄用溶剤、剥離用溶剤、希釈用溶剤であるのが好ましい。
本発明の第2によれば、本発明の溶剤を用いることを特徴とする有機化合物の抽出方法が提供される。
本発明の抽出方法においては、有機化合物を含有する固体状又は液体状の混合物を、請求項1ないし3のいずれかに記載の抽出溶剤と接触させることにより、前記有機化合物を抽出し、次いで、前記有機化合物を含有する抽出溶剤溶液を分離する工程を有することを特徴とする有機化合物の溶剤抽出方法であることが好ましい。
さらに、本発明の抽出方法においては、前記混合物が有機化合物を含む水溶液であることを特徴とする有機化合物の溶剤抽出方法であることが好ましい。また、前記有機化合物が分子内に極性基を有する有機化合物であることが好ましい。
本発明によれば、ハロゲン原子を含まずオゾン層に悪影響を与えず、毒性と環境汚染の問題が少なく、有機化合物に対する溶解力に優れ、化学的に安定であり、かつ比重が1より大きく水と相溶しない溶剤、特に抽出溶剤、反応溶剤、洗浄溶剤、剥離溶剤、希釈溶剤を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の第1は、式(1)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる溶剤である。式(1)中、R,Rはそれぞれ水素又はメチル基を表す。
式(1)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は、種々の有機化合物に対して優れた溶解力があり、化学的に安定であって、水と相溶せず、沸点が150℃以下であり、比重が1より大きい化合物である。これらの化合物は比重が1より大きいにもかかわらずハロゲン原子を含まないため、ハロゲン原子の触媒反応によるオゾン層破壊をおこさず、かつ毒性の問題、環境汚染の問題が少ない化合物である。
これらの中でも、本発明においては、入手容易性、溶解力及び適度な沸点を有する観点から、1,2,5−チアジアゾール(沸点:94℃、比重:1.26)が好ましい。
式(1)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は公知化合物であり、例えばTetrahedron Lett.,1966年,1263頁、USP3440246公報等に記載された方法により製造される。
本発明の溶剤は、1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる。1,2,5−チアジアゾール化合物の含有量は、本発明の溶剤全体に対して、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上である。
本発明の溶剤は、1,2,5−チアジアゾール化合物に加えて、他の液状有機化合物の1種又は2種以上を含有していてもよい。
他の液状有機化合物としては、例えば、n−ペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、n−オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルセロソルブ、カルビトール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸エステル、酢酸エステル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロベンゼン等のその他の有機窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の有機硫黄化合物類;テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の有機ケイ素化合物類;ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ビシクロ[2,2,2]オクタン、ピナン、ジヒドロシクロペンタジエン、テトラヒドロジシクロペンタンジエン等の環式炭化水素;リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等のテルペン系炭化水素類等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
本発明の溶剤には、1,2,5−チアジアゾール化合物、前記他の液状有機化合物のほかに必要に応じて他の成分をさらに含有させてもよい。他の成分は、抽出用溶剤、反応用溶剤、洗浄用溶剤、剥離用溶剤、希釈用溶剤等の使用する用途に応じて、適宜選択することができる。
前記式(1)、または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は、広範囲の化学物質に対して優れた溶解力を有し、種々の反応性物質に対して化学的に安定であり、かつオゾン層破壊の問題がなく、毒性が低く、環境を汚染する問題が少ない。従って、本発明の溶剤は、有機化合物を含む固体状又は液体状の混合物から該有機化合物を抽出する抽出用溶剤として有用である。
また、これらの化合物は比重が1より大きく、水と相溶しないため、水溶液から目的物を抽出する場合、目的物を含む有機層が下層となる。したがって、抽出工程で目的物を下層から簡単に分取することができ、抽出操作の作業効率がよい。
本発明の抽出用溶剤中の1,2,5−チアジアゾール化合物の含有量は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
抽出の対象となる有機化合物としては、1,2,5−チアジアゾール化合物に溶解するものであれば特に制限されないが、本発明の抽出溶剤が従来のハロゲン化炭化水素溶剤の代替品となる観点から、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類に対して良好な溶解度を有する有機化合物が好ましい。
かかる有機化合物としては、分子内に極性基を有する有機化合物が挙げられる。ここで、極性基とは、炭素原子と異なった電気陰性度をもつ酸素原子、窒素原子、硫黄原子等の原子を含む基をいう。極性基としては、例えば、アミド基、カルボキシル基、エステル基、水酸基、カルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基等が挙げられる。
分子内に極性基を有する有機化合物としては、例えば、分子内に1又は2以上の極性基を有する天然物、医薬品や農薬等の活性成分、工業薬品、香料及びこれらの製造中間体等が挙げられる。また、該有機化合物の分子量には特に制限はないが、通常100〜1000、好ましくは100〜500の範囲である。なお、抽出の対象となる有機化合物が分子内に不斉炭素を有する場合、該有機化合物は光学異性体の混合物であっても一方の光学異性体のいずれであってもよく、抽出操作においてラセミ化反応が進行することはない。
前記式(1)、または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は、広範囲の化学物質に対して優れた溶解力を有し、種々の反応性物質に対して広い温度範囲において化学的に安定であり、かつオゾン層破壊の問題がなく、毒性が低く、環境を汚染する問題が少ない。従って、本発明の溶剤は、種々の反応における反応用溶剤として有用である。
本発明の反応用溶剤中の1,2,5−チアジアゾール化合物の含有量は、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上である。
本発明の溶剤が反応用溶剤の場合、前記他の液状有機化合物として、例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、アミド類等を添加することができる。
本発明の反応用溶剤を使用できる反応は特に制限されないが、本発明の反応溶剤が従来のハロゲン化炭化水素溶剤の代替品となる観点から、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類を反応溶剤として使用する反応に用いるのが望ましい。
かかる反応としては、例えば、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合等の各種重合反応、酸化反応、還元反応・求核置換反応、親電子置換反応、転位反応、付加反応、脱離反応、付加脱離反応、挿入反応、異性化反応、分解反応、加溶媒分解反応、カップリング反応、メタセシス反応、縮合反応、不斉合成反応、ペリ環状反応、光化学反応、電気化学反応、ラジカル反応、開環反応、閉環反応、開裂反応、水素化反応、エステル化反応、ハロゲン化反応、カルボニル化反応、ヘテロ環合成反応、脱水反応、水和反応、金属触媒を用いる化学反応、希土類を用いる反応等が挙げられる。
前記式(1)、または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は、機械油、切削油、潤滑油、防錆油、ロジン、ワックス類、高級脂肪酸、レジスト、その他の有機物等の広範囲な種類の有機化合物の溶解力に優れ、かつオゾン層破壊の問題がなく、毒性が低く、環境を汚染する問題が少ない。従って、本発明の溶剤は、油脂、樹脂、塗料、ラッカー、ワニス等の洗浄用溶剤として有用である。
本発明の洗浄用溶剤中の1,2,5−チアジアゾール化合物の含有量は、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
本発明の溶剤が洗浄用溶剤の場合には、前記他の成分として、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、防錆剤、研磨剤等を添加することができる。他の成分の配合量は、洗浄用溶剤全体に対して、通常0〜30重量%の範囲である。
本発明の洗浄用溶剤は、精密機械工業、自動車工業、航空機工業、重機械工業、金属加工工業、金属組立工業、鉄鋼業、非鉄工業、鋼管工業、熱処理工業、メッキ工業、冶金工業、光学機械工業、事務機器工業、電子工業、電気工業、プラスチック工業、ガラス工業、セラミックス工業、印刷工業、繊維産業、クリーニング業等の分野における金属製、セラミック製、ガラス製、プラスチック製、エラストマー製、繊維製等のあらゆる物品の洗浄用溶剤として有用である。
本発明の洗浄用溶剤により洗浄し得る物品の具体例としては、プリント基板、メタルマスク、リードフレーム、磁気ヘッド、セラミックコンデンサー、ハードディスクドライブ部品、ビデオ部品、ウエハー、半導体チップ、バイメタル、サーモモジュール、圧電素子、ハイブリッドIC、液晶部品、ピン&ボールグリッドアレイ等の各種電子部品、電極部品、リレー部品、プレス部品、マイクロモーター、熱交換機、フィンチューブ、抵抗機、放送機器部品、照明器具用部品、電気製品部品、ブラウン管用電子銃、アンテナ部品、信号機器部品、フープ材電線等の各種電気機器部品、カメラ部品、光電交換素子用レンズカバー、時計部品、レンズ、時計枠部品、コピー部品、ポリゴンミラー等の精密機械部品、自動車ボデー部品、スプリング、ブレーキ部品、キー部品、エンジン部品、燃料噴射ノズル、ギアー、シャフト、ペアリング、焼結金属部品等の輸送機械部品、ポンプ部品、コンプレッサー部品、反応装置、バルブ部品等の各種機械部品、圧延ロール(金属)、パイプ(銅)、クロマトカラム、細管、管継手(金属)、感光ドラム等、多種多彩な例が挙げられる。
また、本発明の洗浄用溶剤により洗浄除去可能な汚染物質は特に限定されない。例えば、切削油、機械油、潤滑油、防錆油、焼き入れ油、熱処理油、圧延油、延伸油、鍛造油、工作油、加工油、プレス加工油、打ち抜き油、型抜き油、引き抜き油、組立油、線引き油、合成油(シリコン系、グリコール系、エステル系)等のオイル類、グリース類、ワックス類、塗料、インキ、ゴム、ニス、コーティング剤、研磨剤、接着剤、接着用溶剤、表面剥離材、油脂類、成型時の離型剤、アスファルトピッチ、手垢、指紋、タンパク質、ハンダ付け後のフラックス、レジスト、レジストの反射防止膜、光学レンズの保護膜、有機感光剤、感光性樹脂(感光性レジスト等)、マスキング剤、コンパウンド、界面活性剤、ソルダーペースト、切削屑、切り粉、レンズピッチ(レンズ研摩剤)、金属粉、金属研摩剤、滑剤、各種樹脂(メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ロジン樹脂)、加工屑、バリ、樹脂粉、無機物粉、紙粉、パフ粉、パーティクル、イオン性の汚れ、ほこり(ダスト)、等が挙げられる。
本発明の洗浄用溶剤は、例えば、浸漬法、超音波洗浄法、揺動法、スプレー法、シャワー法、蒸気洗浄法、手拭き法等各種の洗浄方法において使用でき、かつ好ましい結果を得ることができる。これらの洗浄処理に際しては、必要に応じて撹枠、振動、ブラッシング等の物理的な手段を併用することができる。
前記式(1)、または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は、有機接着剤、レジスト等の樹脂類、有機絶縁材料、塗料・ペンキ等に対し優れた溶解力を有し、かつオゾン層破壊の問題がなく、毒性が低く、環境を汚染する問題が少ない。従って、本発明の溶剤は、これらの有機材料の剥離剤としても有用である。
具体例としては、シリコンウェハー上にフォトレジストを塗布し感光した後に、該レジストの不要部分を除去するために用いる剥離溶剤が挙げられる。
本溶剤をフォトレジストの剥離溶剤として用いる場合、フォトレジストとしては、何等限定されず、通常使用されているポジ型またはネガ型の光露光用レジスト、遠紫外露光用レジスト、X線または電子線用レジストなどの中から任意に選ぶことができる。これらのレジストの材質としては主成分がノボラック樹脂系、環化ゴム系、ポリケイ皮酸系、(メタ)アクリル樹脂系、(メタ)アクリル酸共重合体系、ポリヒドロキシスチレン系など多くのものが知られているが、本発明の剥離溶剤は、いずれのレジストにも有効である。本発明の剥離溶剤は、レジストの剥離効果を向上させるために、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、あるいはメチル、プロピル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキルベンゼンスルホン酸などの剥離促進剤を併用することもできる。剥離促進剤の使用量は、通常剥離剤全量の5〜30重量%程度である。また、剥離力の向上などのため、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、またはカチオン系界面活性剤などの界面活性剤や、酸性化合物または塩基性化合物を必要により併用することもできる。
また、別の具体例として、接着剤を用いて加工用の治具に半導体材料、結晶材料、電子部品関連材料、磁性材料、磁気材料、圧電材料等を接着させた後、このものの切断、研削、研磨等の加工を行った後、該材料を治具から剥離する場合が挙げられる。
有機接着剤により治具に接着された接着部材を本発明の溶剤中に浸漬し、引き上げることにより、接着部材を治具から容易に剥離することができる。
前記半導体材料としては、シリコン、ガリウム−砒素、ガリウム−リン等、結晶材料、電子部品関連材料としては、結晶材料、水晶、石英、ガラス等、磁性材料としては、フェライト、サマリウム、コバルト等、磁気材料、圧電材料としては、磁気ヘッド等が挙げられる。
有機接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤等の合成樹脂系接着剤;クロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、スチレン−ブタジエンゴム系接着剤、熱可塑性エラストマー系接着剤等のエラストマー系接着剤;ビニル樹脂とフェノール樹脂の混合系接着剤、ニトリルゴムとフェノール樹脂の混合系接着剤、クロロプレンゴムとフェノール樹脂の混合系接着剤、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合系接着剤、エポキシ樹脂と可溶性ナイロンの混合系接着剤等の混合系接着剤;等が挙げられる。
前記式(1)、または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物は、塗料、インク、潤滑剤、離型剤、撥水撥油剤、油、グリース、樹脂、色素等の各種有機材料に対する溶解力、分散力に優れ、化学的に安定であり、適度な沸点を持ち、かつオゾン層破壊の問題がなく、毒性が低く、環境を汚染する問題が少ない。従って本発明の溶剤はこれらの有機材料の希釈溶剤としても有用である。
本発明の溶剤は、例えば、情報記録媒体あるいは有機感光体材料等の薄膜形成用コーティング溶剤、晶析及び再結晶用溶媒、再生ゴム処理用溶剤、可塑剤、潤滑剤、湿潤剤、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)用の溶剤、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用の溶剤、カラムクロマトグラフィー用の溶剤、ポリマー等の溶解剤、キャスティング溶剤、スピンコート用溶剤等としても使用することもできる。
本発明の第2は、本発明の溶剤を用いることを特徴とする有機化合物の抽出方法である。有機化合物の溶剤抽出の方法としては、例えば、有機化合物を含む溶媒溶液に該溶媒と非混和性の抽出溶媒を添加して、分配係数の差を利用して有機化合物を抽出溶媒に移動させる液−液抽出法や、有機化合物を含む固体状の混合物に抽出溶媒を添加して、有機化合物を抽出溶媒で抽出する固−液抽出法等が挙げられる。本発明の抽出溶剤は、水と相溶せず、水との分離が容易であることから有機化合物を含む水溶液から、本発明の抽出溶剤を用いて有機化合物を抽出する場合に特に好適である。
また、本発明の抽出溶剤の比重は1以上であるので、水溶液から目的物を抽出する場合には1,2,5−チアジアゾール化合物の層(有機層)は下層となる。従って、抽出工程において、目的物を含む有機層を下側から分取すればよいので、抽出操作の作業効率がよい。
液−液抽出法としては、より具体的には、(i)水にも有機溶媒にも可溶であって、水に比べて抽出溶媒に溶解しやすい有機化合物の水溶液に、本発明の抽出溶剤を添加して十分に振とうした後、静置して水層と有機層の2層に分離させ、有機層を分取する方法、(ii)カルボン酸等の酸性有機化合物の塩や塩基性有機化合物の塩の水溶液に、酸性化合物の塩の場合には酸を添加して酸性化合物を遊離させ、塩基性化合物の塩の場合には塩基を添加して塩基性化合物を遊離させ、これらの遊離した酸性有機化合物又は塩基性有機化合物を本発明の抽出溶剤で抽出する方法等が挙げられる。この場合、抽出操作は数回繰り返し行なってもよい。また、抽出温度は、通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜90℃、より好ましくは20℃〜50℃の範囲である。
液−液抽出法を使用する場合には、実験室レベルで行なう場合には分液漏斗を使用し、大量に処理を行なう場合には、公知の分液装置(ミキサーセトラー)、多段ミキサー・デカンタータイプの接触器、重力分別カラムタイプの接触器等を使用することができる。
分液漏斗を使用する場合には、抽出の対象となる化合物を含む水溶液に本発明の抽出溶剤の適当量を入れ、十分に振とうする。その後、静置して有機層と水層の2層に完全に分離させた後、有機層を分取する。
公知の分液処理装置(ミキサーセトラー)は、大型の分液漏斗を使用するものであり、上記実験室レベルで分液漏斗を使用する方法に準じて行うことができる。多段ミキサー・デカンタータイプの接触器は、非撹拌タイプの抽出装置であり、典型的には抽出塔の下側からより比重の小さい軽液(水溶液等)を、上側から比重の重い重液(本発明の抽出溶剤)をそれぞれ供給するものである。この装置では、軽液は上方に向かって、重液は下方に向かってそれぞれ流れるため、塔の中で2つの液が接触する。そして、軽液又は重液に溶解している成分が、分配係数に従って互いの液相に分配される。この場合、抽出塔内に多孔質板を多段に設置する場合には、多孔質板に空けられた小孔から軽液が液滴となって上昇し、重液と接触する。多数の液滴は次の多孔質版の小孔から液滴となってさらに上昇する。このように液滴の形成、合体を繰り返すことで、2つの液の接触を有効に行なわせることができる。また、重力分別タイプの接触器は、機械的撹拌を行なう抽出装置であり、撹拌の方法としては、撹拌翼により撹拌する方法やパルスを送って振動を与えることにより撹拌する方法等が挙げられる。
固−液抽出法としては、具体的には、抽出の目的とする有機化合物を含む固体状の混合物と本発明の抽出溶媒を十分に混合して目的とする有機化合物を抽出した後、ろ過等の方法により不溶物を除く方法が挙げられる。なお、抽出前においては、抽出効率をより高めるために、固体状の混合物を微粉砕しておくのが好ましい。また、抽出時において抽出溶剤を加熱してもよい。
固−液抽出に用いられる抽出装置としては、例えば、底部にろ布や多孔板を設置し、その上に抽出物を含む固体を静置し、本発明の抽出溶剤を循環させるタイプの抽出装置等の公知の抽出装置を使用することができる。また、大量に固−液抽出処理を行なう場合には、例えば、特表平9−510913号公報に記載の連続抽出装置を使用することができる。
いずれの場合も、本発明の抽出溶媒層(溶液)を分取し、必要に応じて乾燥し、本発明の抽出溶剤を除去する。得られた残留物を溶媒洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の公知の精製方法により精製して目的物を単離することができる。抽出物が天然物等の熱に不安定な化合物である場合には、抽出溶剤の除去を減圧下に行なったり、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げる(スチームストリッピング)等の工夫が必要な場合もある。また、本発明の抽出溶剤は溶剤回収装置により回収して、必要に応じて蒸留等の精製処理を行なった後、再度抽出溶剤として使用することができる。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例1
本発明の1,2,5−チアジアゾールについて、他の溶剤との相溶性を調べた。1,2,5−チアジアゾールと他の代表的溶剤とを容積比1/1(2ml)の割合で混合し、室温で静置して相溶性を目視により観察した。結果を表1に示す。
○ :完全に均一混合
△ :白濁
× :二相分離
Figure 0004482627
実施例2
1,2,5−チアジアゾール10mlと水10mlを分液ロートに入れ、激しく振とうした後、静置したところ、きれいに2層に分離し、水が上層に、1,2,5−チアジアゾールが下層になった。
実施例3
本発明の1,2,5−チアジアゾールの溶解力を調べた。化合物1−20をそれぞれ20mgサンプル瓶にとり、室温で1,2,5−チアジアゾールを加えながら攪拌し、化合物が完全に溶解する溶媒量を測定した。結果を表2に示す。
比較例1
1,2,5−チアジアゾールをクロロホルムにかえ、実施例3と同様の方法で化合物が完全に溶解する溶媒量を測定した。結果を表2に示す。
比較例2
1,2,5−チアジアゾールをジエチルエーテルにかえ、実施例3と同様の方法で化合物が完全に溶解する溶媒量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004482627
実施例4
本発明の1,2,5−チアジアゾールの抽出力を調べた。化合物1−20それぞれ2mgを100μlの1,2,5−チアジアゾールに溶解させ、これに蒸留水100μlを加えて分液操作を行なった後、水層および有機層における化合物の存在比をTLCを用いて測定した。結果を表3に示す。
比較例3
1,2,5−チアジアゾールをクロロホルムにかえ、実施例4と同様の方法で抽出力を測定した。結果を表3に示す。
比較例4
1,2,5−チアジアゾールをジエチルエーテルにかえ、実施例4と同様の方法で抽出力を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004482627
実施例5
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物10の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物21」10.0mg(47.6μmol)を1,2,5−チアジアゾール200μlに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン12.4μl(71.3μmol)を加えた。氷冷下にて、クロロメチルエーテル4.3μl(57.0μmol)を加え15分間室温にて静置した。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し白色固体として「化合物10」12.0mg(定量的)を得た。
比較例5
実施例5と同様の実験を、溶媒をジクロロメタンにかえて行なったところ、化合物10を定量的に得た。
実施例6
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物23の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物22」2.8mg(9.0μmol)を1,2,5−チアジアゾール150μlに溶解し、室温にてメシルクロリド7.0μl(90μmol)、ピリジン36μl(0.45mmol)を順じ加え、室温にて3.5時間かき混ぜた。水を加え反応を停止しさらに1時間攪拌後、減圧下濃縮した。残査にトルエン200μlと水50μlを加えて有機層を分離し、水層をトルエン50μlで抽出した。合わせた有機層を濃縮乾固し、「化合物23」3.7mg(定量的)を得た。
比較例6
実施例6と同様の反応を、溶媒を1,2−ジクロロエタンにかえて行なったところ、化合物23を定量的に得た。
実施例7
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物25の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物24」20.9mg(0.171mmol)を1,2,5−チアジアゾール210μlに溶解し、窒素雰囲気下、室温にて1,3−ジブロモ5,5−ジメチルヒダントイン29.3mg(0.102mmol)を加えた。反応終了後、水200μlを加え、分液操作を行った。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し白色固体として「化合物25」28.5mg(収率83%)を得た。
比較例7
実施例7と同様の反応を、溶媒をジクロロメタンにかえて行なったところ、化合物25を収率83%で得た。
実施例8
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物27の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物26」440mg(3.0mmol)を1,2,5−チアジアゾール10mlに溶解し、室温にてトリエチルアミン0.81ml(5.9mmol)をかき混ぜながら滴下した後、塩化ピバロイル0.58ml(4.7mmol)を除々に加えた。反応終了後、2.0M塩酸0.6mlを加えて反応を停止した。反応液に1,2,5−チアジアゾール20mlと水10mlを加えて有機層を分離し、水層を1,2,5−チアジアゾール10ml×2で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し白色油状物として化合物27を定量的に得た。
比較例8
実施例8と同様の反応を、1,2,5−チアジアゾールをジクロロメタンにかえて行なったところ、化合物27を定量的に得た。
実施例9
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物14の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物28」4.0mg(21.7μmol)を1,2,5−チアジアゾールに溶解し、PhI(OAc) 7.3mg(22.7μmol)を加え、室温にて13時間攪拌した。0℃下NaHCO−Na水溶液中に反応液を加え、室温に戻した後、1,2,5−チアジアゾール0.1ml×2で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮乾固後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、「化合物14」2.4mg(収率60%)を得た。
比較例9
実施例9と同様の反応を、1,2,5−チアジアゾールをジクロロメタンにかえて行なったところ、化合物14を収率60%で得た。
実施例10
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物30の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物29」11.9mg(0.0761mmol)を1,2,5−チアジアゾール300μlに溶解したのち、ジイソプロピルエチルアミン23μl(0.128mmol)およびメトキシメチルクロリド10μl(0.132mmol)を順次加え、室温で9時間放置した。反応後酢酸で中和したのち、減圧下溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、「目的物化合物30」14.6mg(収率96%)を得た。
比較例10
実施例10と同様の反応を、溶媒をジクロロメタンにかえて行なったところ、化合物30を収率93%で得た。
実施例11
合成反応の溶媒として、本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて化合物32の合成を行なった。
Figure 0004482627
「化合物31」10.4mg(80.5μmol)を1,2,5−チアジアゾールに溶解し、トリフェニルホスフィン19.5mg(88.6μmol)、ジピリジルジスルフィド23.3mg(88.6μmol)を加えた。30分後BnNHOBn20.6μl(96.7μmol)を加え、室温にて12時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:酢酸エチル=1:2)にて精製し、「化合物32」20.8mg(収率80%)を得た。
比較例11
実施例11と同様の反応を、溶媒をテトラヒドロフランにかえて行なったところ、化合物32を収率82%で得た。
実施例12
本発明の1,2,5−チアジアゾールを洗浄溶剤として用いて、油脂類に対する洗浄性の試験を行なった。60メッシュの金網(SUS:1cm×3cm)に、下記A〜Cの市販の油脂類を均一に塗布したものをテストピースとして用いた。
A:真空ポンプオイル(ネオバック:松村石油株式会社)
B:シリコングリース(東レグリースシリコーンSH111:東レダウコーニングシリコーン株式会社)
C:シリコンオイル(SRX−310:東レダウコーニングシリコーン株式会社)
テストピースを、それぞれの油脂に浸し、ただちに引き上げて室温で1時間後、本発明の1,2,5−チアジアゾール(3ml)の入った洗浄瓶中に投入し、室温(20℃)で5分間振盪した後、熱風乾燥してから、残存付着量を目視観察した。
結果
A:真空ポンプオイル:残存付着物は確認できない。
B:シリコングリース:残存付着物は確認できない。
C:シリコンオイル:残存付着物は確認できない。
実施例13
本発明の1,2,5−チアジアゾールを溶剤として用いて、下記A、Bの市販の油脂類に対する溶解性試験を行なった。
A:真空ポンプオイル(ネオバック:松村石油株式会社)
B:シリコングリース(SRX−310:東レダウコーニングシリコーン株式会社)
評価試験は、1,2,5−チアジアゾール(1ml)をガラス製サンプル瓶に入れたものを用意し、油脂類を0.1g滴下し溶解性を目視観察した。
結果
A:真空ポンプオイル:室温(20℃)にて速やかに溶解
B:シリコングリース:50℃にて速やかに溶解
実施例14
本発明の1,2,5−チアジアゾールを洗浄溶剤として用いて、フラックスに対する洗浄性の試験を行なった。60メッシュの金網(SUS:1cm×3cm)に、市販のフラックス(Sussol−F:ハロゲン化亜鉛主成分:白光株式会社製)を均一に塗布した後、半田付けは行わず220℃に加熱したものを被洗物として用いた。評価試験は、1,2,5−チアジアゾール(3ml)をガラス製サンプル瓶に入れたものを用意し、この金網を室温(20℃)で3分間振盪した後、熱風乾燥してから、残存付着量を目視観察し洗浄力を評価した。
結果
浸漬させると速やかに溶解し、3分後金網表面には残存付着物は確認できなかった。
実施例15
本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて、接着剤の剥離試験を行なった。
ガラス板(1cm×3cm)にエポキシ樹脂系接着剤(ハイスピードエポ:コニシ株式会社)にてガラスチップ(1cm×1cm)を接着し、室温(20℃)で1時間自然乾燥させたものをテストピースとして用いた。剥離試験は、1,2,5−チアジアゾール(3ml)をガラス製サンプル瓶に入れたものを用意し、このテストピースを室温(20℃)で60分間浸漬した後、接着剤の剥離力を評価した。
結果
テストピースを本発明の溶剤に浸漬、静置させ60分後確認したところ、ガラスチップが剥離しガラス板から脱離していることを確認した。なお、ガラス板およびガラスチップ表面には残渣付着物は確認できなかった。
実施例16
本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて、フォトレジストの剥離試験を行なった。フォトレジストしては下記A、Bの市販の微細加工用ポジ型フォトレジストを用いた。
A:AZ1500(20cp) クラリアントジャパン株式会社製
B:OFPR−800 東京応化工業株式会社製
シリコンウエハー上にフォトレジストA及びBを薄く均一に塗布した後、1時間紫外線を照射し、10分間130℃でパターンを焼き付けたものを被洗物として用いた。剥離試験は、1,2,5−チアジアゾール(3ml)に室温にて60分浸漬した後、水洗、乾燥し、被洗物表面の残存付着物量を評価し剥離力を評価した。
結果
A:AZ1500(20cp):完全に剥離し、表面に残存付着物は確認出来なかった。
B:OFPR−800:完全に剥離し、表面に残存付着物は確認出来なかった。
実施例17
本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて、ペンキの剥離試験を行なった。
60メッシュの金網(SUS:1cm×3cm)に市販の油性ペンキ(ラッカー:株式会社カンペハピオ)を塗装し、室温(20℃)で24時間自然乾燥させたものを被洗物として用いた。剥離試験は、1,2,5−チアジアゾール(3ml)をガラス製サンプル瓶に入れたものを用意し、この金網を室温(20℃)で5分間振盪した後、熱風乾燥してから、残存付着量を目視観察した。
結果
金網の表面に残存付着物は確認できなかった。
実施例18
本発明の1,2,5−チアジアゾールを用いて、塗料の希釈試験を行なった。
市販の油性ペンキ(ラッカー:株式会社カンペハピオ)0.2gを1,2,5−チアジアゾール(0.4ml)で希釈し、この混合液を金属板(SUS:1cm×3cm)に塗布した後、1時間自然乾燥させて表面の塗装の具合から希釈能力を評価した。
結果
希釈液は均一であり、24時間静置しても均一のままであった。金属板の塗装は、色むら等はなく均一に塗装された。

Claims (11)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004482627
    (式中、R、Rはそれぞれ水素又はメチル基を表す)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を10質量%以上含有してなる溶剤。
  2. 下記式(2)
    Figure 0004482627
    で表される1,2,5−チアジアゾールを10質量%以上含有してなる溶剤。
  3. 前記式(1)または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる抽出用溶剤。
  4. 前記式(1)または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる反応用溶剤。
  5. 前記式(1)または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を10質量%以上含有してなる洗浄用溶剤。
  6. 前記式(1)または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる剥離用溶剤。
  7. 前記式(1)または(2)で表される1,2,5−チアジアゾール化合物の少なくとも1種を含有してなる希釈用溶剤。
  8. 請求項1ないし3のいずれかに記載の溶剤を用いることを特徴とする有機化合物の抽出方法。
  9. 有機化合物を含有する固体状又は液体状の混合物を、請求項1ないし3のいずれかに記載の抽出溶剤と接触させることにより、前記有機化合物を抽出し、次いで、前記有機化合物を含有する抽出溶剤溶液を分離する工程を有することを特徴とする請求項8記載の有機化合物の抽出方法。
  10. 前記混合物が有機化合物を含む水溶液である請求項9記載の有機化合物の抽出方法。
  11. 前記有機化合物が分子内に極性基を有する有機化合物である請求項8ないし10のいずれかに記載の有機化合物の抽出方法。
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