JPWO2003055927A1 - 芳香族オリゴマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、分離が難しい多環芳香族化合物とホルムアルデヒド反応物である芳香族オリゴマーを含む有機層と酸触媒を含む水層を簡便な方法で効率よく分離して、不純物の少ない有機層を得て、これから高純度の芳香族オリゴマーを製造する方法に関する。本発明は、多環芳香族化合物をホルムアルデヒドで酸触媒の存在下で縮合した芳香族オリゴマー反応液から酸触媒を含む水層とオリゴマーを含む有機層を層分離するに当たり、有効量のノニオン系、カチオン系等の界面活性剤と、酸触媒の酸を1〜70%中和する量に相当するアルカリを添加してエマルション相を破壊して、層分離を行い、分離された有機層から芳香族オリゴマーを回収することからなる芳香族オリゴマーの製造方法である。

Description

技術分野
本発明は、芳香族化合物とホルムアルデヒド類を、酸触媒を使用して反応させて芳香族オリゴマーを製造する方法に関する。特に、反応後に酸触媒を水層に移行させ有機層と分離する場合、エマルション等が発生し、分離が難しい系の有機層と水層の分離を大幅に改善することに関するものである。
背景技術
芳香族化合物をホルムアルデヒドと反応させ、樹脂状物質が合成できることは、知られている(例えば、特公昭53−24973号公報)。一方、J.Gordon Robinsonらは、The British Polymer Journal,JUNE,1980,p61−69に示すようにナフタレンとホルムアルデヒドを触媒に硫酸を使用して反応させ芳香族樹脂を合成する研究を報告する中で、硫酸触媒の分離に大量の1,2−ジクロロエタンと界面活性剤としてベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロライドを使用し有機層と水層を分離させている。これは、有機層と水層の分離が極めて難しいためである。
したがって、界面活性剤を解乳化剤として使用してこの反応で生成する有機層と水層を分離させることは公知である。しかし、界面活性剤を添加したとしても、有機層と水層の分離が不十分で有機層から回収される芳香族オリゴマーが汚染されたり、多量の有機溶媒を必要とするなどの問題があった。
発明の開示
本発明は、芳香族化合物とホルムアルデヒドを触媒の存在下に反応させた後に、水層に含まれる酸触媒と有機層の分離を行う際に、分離性を大幅に改良した芳香族オリゴマーの製造方法を提供することにある。また、本発明は、有機層中に残存する微量の酸分、水分及びナトリウム等の金属分の簡便な除去方法を提供することにある。
本発明は、芳香族化合物とホルムアルデヒド類を酸触媒の存在下に反応させて芳香族オリゴマーを製造する方法において、反応混合物中の酸触媒を水層に移行させ、これを層分離により除去するに当たり、有機層と水層の分離性を向上させるため解乳化剤として界面活性剤と、存在する酸触媒の1%から70%を中和する量の水溶性のアルカリを添加することを特徴とする芳香族オリゴマーの製造方法である。
本発明の芳香族オリゴマーの製造方法について詳細を説明する。芳香族化合物とホルムアルデヒド類を酸触媒の存在下に反応させて芳香族オリゴマーを製造する方法は公知であり、酸触媒として水溶性の触媒を使用する他は公知の条件が採用できる。芳香族化合物とホルムアルデヒド類が反応すると、芳香族メチロール化物が生成し、更にこれに芳香族化合物が反応すると樹脂状物が生成する。遊離のメチロール基を有する化合物が主である場合を芳香族メチロール化物といい、遊離のメチロール基を有する化合物が少量である場合を芳香族樹脂という場合もあるが、これらはいずれも芳香族オリゴマーを含有するので、本発明では芳香族化合物とホルムアルデヒド類が反応して得られる樹脂状の生成物を芳香族オリゴマーという。芳香族オリゴマーにおいて、遊離のメチロール基を有する化合物を多量に含むか又は少量であるか、どちらを製造するかは、通常、芳香族化合物とホルムアルデヒド類のモル比で決めることできる。芳香族オリゴマーは、通常一分子中に平均2〜10個、好ましくは2〜5個の芳香族化合物単位を有する。
芳香族化合物としては、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、ビフェニル等の1及び2環の芳香族炭化水素、アセナフテン、フルオレン、アントラセン、フェナンスレン、ターフェニル等の3環の芳香族炭化水素、ピレン等の4環の芳香族炭化水素からなる芳香族化合物又はベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン等の複素環芳香族化合物が挙げられるが、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のアラルキル基で置換されてもよい1〜3環の芳香族炭化水素又は複素環芳香族化合物である。有利には、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナンスレン、ピレン及びこれらの炭素数1〜6のアルキル置換体から選択される芳香族炭化水素化合物である。より好ましくは、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等の多環芳香族炭化水素化合物又はこれらを含む芳香族油等の混合物である。
多環芳香族化合物を反応原料として使用する場合、例えばナフタレンを90wt%以上含有する芳香族炭化水素油又は高純度品であってもよいが、これを主として含む芳香族炭化水素油であってもよい。芳香族炭化水素油としては、タール油系のナフタレン油、メチルナフタレン油、中間油等に該当する留分や、これらの留分から主たる含有成分を蒸留、抽出等で回収して得られる中間製品や残油がある。これらナフタレン含有油、メチルナフタレン含有油等は、これらを主成分とし、沸点の近似した多環芳香族化合物等を含む混合物であることが多い。なお、反応に用いる芳香族炭化水素は、純粋な原料を使用しない限り、一般に混合物である。
ナフタレンを含有する芳香族炭化水素油等は、芳香族炭化水素が主成分であることはもちろんであるが、N、S、O等を環構成成分として含むヘテロ芳香族化合物や、これらを構成成分として含む官能基を有する芳香族化合物が含まれうる他、反応性のない脂肪族炭化水素等が含まれてもよい。ナフタレンを90wt%以上含有する芳香族炭化水素油は、精製ナフタレンであってもよいが、好ましい例としては、95%級ナフタレン等が挙げられる。これには、その他の成分としてベンゾチオフェンやメチルナフタレン等が含まれ得る。
また、フェノール、アルキルフェノール、ナフトール等のフェノール類の存在は、反応で得られるオリゴマーへ適度な極性を与えることに有効であるので、前記芳香族化合物に対して少量、例えば50wt%以下、好ましくは1〜30wt%程度の存在が望ましい場合がある。
本発明で使用するホルムアルデヒド類は、ホルムアルデヒド自体又は反応系でホルムアルデヒドを生成するものであればよく、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が使用できるが、パラホルムアルデヒドが有利である。
ホルムアルデヒド類は、芳香族オリゴマーの分子量を上げるためと、ナフタレンを初めとする芳香族化合物の反応率を高めるために必要であるが、多すぎるとゲル化したり、末端メチロール基が多量に残存する恐れが増大する。したがって、芳香族メチロール化物の多い芳香族オリゴマーを目的とする場合は、芳香族化合物とホルムアルデヒド類(HCHOとして)のモル比を2以上、好ましくは3〜4とすることがよく、芳香族メチロール化物の少ない芳香族オリゴマーを目的とする場合はモル比を、0.5〜3、好ましくは0.6〜2.0とすることがよい。
芳香族オリゴマーを得る本発明の反応で使用する触媒は酸触媒であり、酸触媒としては、硫酸、燐酸、塩酸等の無機酸、しゅう酸、トルエンスルホン酸等の有機酸などの水溶性(水で分解後に水溶性となるものを含む)が使用できるが、トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、硫酸、塩酸等が好ましい。酸触媒の使用量は、酸触媒の種類によって異なるが、一般に反応原料の0.5〜20重量%程度(水分を含まない酸触媒換算)である。
反応条件は、使用する原料、触媒によって異なるが、反応温度が50〜180℃、好ましくは60〜120℃、反応時間は0.5〜5hr程度、好ましくは2〜5hrが一般的である。
本発明では、まず芳香族化合物とホルムアルデヒド類を反応させ、反応混合物を得る。反応は水分が存在する状態でも、存在しない状態でも行うことができるが、酸触媒やホルムアルデヒド類を水溶液の状態で使用すれば水分が存在し、有機層と水層を形成する。一般に硫酸のような酸触媒は水で希釈又は溶解されて使用されることが多いが、その濃度が低下すると活性が低下するので、一定濃度以上で使用される。この反応混合物は反応の進行に伴って発生する重合物及びメチロール化合物などの影響により、有機層と水層が懸濁又は乳濁し、静置しても分離が不可能な場合が多い。
有機層と水層を形成するに不十分な水分しかない場合や分離に適した水分濃度でない場合は、反応終了後水分を添加する。これは、アルカリ水溶液として加えることもできるし、水として加えることもできる。水分を添加する場合、その添加量は有機層と水層を形成するに十分な量以上であり、有機層の0.1〜2倍容量、好ましくは0.2〜1倍容量程度の水層を形成する量が適当である。
反応終了後、必要によって有機溶剤を添加することもできる。用いる有機溶剤は、有機層に良く溶解する溶剤であれば、種類を問わないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、テトラリン、デカリンなどが好ましい。この時の操作温度は、用いる有機溶剤によって異なるが、例えばトルエンの場合では、静置した際に液の流動が起こらないように沸点以下が好ましく、常圧の場合は70〜90℃が特に好ましい。有機溶剤の添加によって、有機層の粘度が低下するだけでなく、油水分離性も向上する。有機溶剤を添加する場合、その添加量は有機層の0.05〜1容量倍がよく、好ましくは10〜50容量%に相当する量がい。反応原料としての芳香族化合物を多量に使用し、未反応芳香族化合物が多量に残存した場合は、有機溶剤は添加しなくともよく、これより少量であってもよい。
また、有機溶剤及び水の添加は、層分離に重要な比重の調整のためにも有効である。
有機層と水層の分離性を改良するため、本発明では解乳化剤としての界面活性剤とアルカリとを添加する。界面活性剤としては、分離性能の点でノニオン系の界面活性剤及びカチオン系の界面活性剤が好ましいが、4級アンモニウム塩などのカチオン系の界面活性剤は分離効果は得られるが、樹脂に臭気がつき、商品価値が低下する場合がある。また、アニオン系の界面活性剤は分離性能の点で劣るので、ノニオン系の界面活性剤が有利である。界面活性剤の添加量は、解乳化剤として作用する有効量以上であればよいが、水層100重量部に対し、0.01〜1重量部程度に相当する量がよい。
ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。更に、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール又はソルビタン酸の脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型等が挙げられる。しかし、これらに限定されない。また、市販品としては、東邦化学工業社(東京、日本)製の供給するデマルファーD989やD981等がある。このノニオン系等の界面活性剤のHLBは8〜18、好ましくは10〜15の範囲がよい。
なお、解乳化剤は石油産業で原油中のエマルジョンから水分を分離するために使用するために、一般的に広く用いられており、これらが使用可能である。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の水溶性のアルカリが使用できる。なお、水溶性という場合は、アルカリとしてだけでなく、それが酸触媒と反応して生成する塩も水溶性であるという意味である。したがって、酸触媒が硫酸である場合は、水酸化カルシウムの使用はできないが、塩酸である場合は使用可能である。また、アルカリという場合は、酸触媒を中和し得るものをいい、アルカリ金属、アルカリ土金属等の水酸化物、炭酸塩等の弱酸塩が好ましく挙げられるが、入手の容易さや、多くの酸に対して水溶性を示すことから、水酸化ナトリウムが好ましく使用される。アルカリは水溶液であっても、高純度の固体等であってもよいが、水溶液であることが取り扱い容易である。
アルカリの添加量は、反応混合物中の酸触媒の一部を中和する量であり、1〜70%、好ましくは5〜50%を中和する量である。当量でいえば、酸触媒の1〜70当量%、好ましくは5〜50当量%に相当する量のアルカリを添加する。このアルカリの添加量は、反応混合物又はこれを含む溶液を一部とり、これをアルカリで滴定して、この全体を中和するに必要なアルカリ量Aを求め、そのAの1〜70%に相当するアルカリを添加すればよい。アルカリの使用量が少なくても多すぎても、水層と有機層の界面が良好に分かれなかったり、エマルジョン層が多量に残存したりする。なお、この理由は定かではないが、塩を別途加えても効果が認められないが、部分中和することによってのみ効果が認められることから、中和時の界面の静電的な効果などが関与することなどが想定される。
なお、反応生成物又はこれに水又は有機溶媒を加えた反応生成物の溶液が、分離可能な有機層と水層と乳濁層を有し、そのままでこれらの一部の層分離が可能な場合は、事前に有機層又は水層の一部を層分離してもよい。そして、残った乳濁層を中心とする層について、界面活性剤及びアルカリを添加して分離することができる。この場合、添加する界面活性剤及びアルカリの量は、残った層を基準に計算される。また、水層か有機層かが明確でない乳濁層はその1/2が水層、1/2が有機層と仮定して計算される。
この操作を行うことで分離が不可能な液−液分離が良好となり触媒を含む水層と芳香族オリゴマーを含む有機層(有機溶剤を添加したときは、これを含む)の分離が可能となる。その後、この有機層に残存する酸分の中和及び残存水の除去及び残存するNaなどの金属分を除去するために中和剤作用を有する吸着剤を添加し十分に混合することがよい。この際に添加する吸着剤は、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが良好である。これらを添加することで、水分の吸収とともに、残存する酸分も中和される。更に、系内に残存するナトリウムも吸着される。添加した吸着剤は十分に混合接触された後にろ過などで簡単に除去することができる。炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等の吸着剤の使用量は、この有機層100重量部に対し0.01〜10重量部程度、好ましくは0.02〜2重量部程度がよい。
引き続き、この有機層を蒸留にかけ、まず水やホルムアルデヒドや有機溶剤等の低沸点物を溜出させ、次いで減圧にして200〜300℃程度まで昇温して、未反応の原料やその他の溜分を溜出させる。残留物は芳香族樹脂又はメチロール化物からなる芳香族オリゴマーである。炭酸カルシウム等の吸着剤を使用した中和をしない場合は、蒸留中にも反応が進行し、目的とする芳香族オリゴマーの構造及び分子量などの制御が困難となるときがある。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を示す。実施例中、%は重量%であり、部は重量部である。
実施例1
石炭系の粗ナフタレン(ナフタレン含有率96%)を250部、88%パラホルムアルデヒド50部を、フラスコに仕込みコンデンサーを取り付けた。これを100℃に保ち、70%硫酸60部を滴下し、撹袢しつつ120℃で3hr反応を行ない、芳香族オリゴマーを生成させた。
反応終了後、静置後の反応混合物は、有機層と硫酸を含む水層とからなり、約280:80の割合であった。これに、トルエン50部とノニオン型界面活性剤(東邦化学工業社製:デマルファーD989)0.17部及び硫酸当量の20%に相当するNaOH6.9部を水溶液の形で加え(水溶液の形で加えた水分量は20部)十分に撹拌する。その後、分液ロートに移し、80℃で1hr静置する。分離した下層の水層を分液し、有機層と水層を計量した。有機層は330部であり、水層は約105部であり、エマルジョンを少量含んでいた。
この有機層を、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して滴定した結果0.05%の硫酸が存在した。また、ICP発光分析法での金属分析により100ppmのナトリウムが測定された。水分は、カールフィッシャー試薬による定量で2000ppmであった。
この有機層300部をフラスコへ入れ、吸着剤として酸当量の1.1倍に相当する炭酸カルシウム0.17部を加え、80℃で30分撹拌した。この撹拌の初期に発泡が生じた。撹拌終了後、吸引ろ過で中和残渣を除去し、297部の有機層(芳香族オリゴマーのトルエン溶液)を得た。また、ICP発光分析法でのナトリウム濃度は1ppm以下であった。
実施例2〜8
ノニオン系界面活性剤の量と水酸化ナトリウムの量を表1に示すように変えた他は、実施例1と同様にして水層を分離し、有機層を吸着剤処理した。NaOHの量を変えると有機層の量が変化し、エマルジョンの発生量が変化することが分かる。
実施例9〜10
実施例1と同様な実験において、静置後の反応混合物に加えるノニオン型界面活性剤を、HLB14のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(POENPE)又はデマルファーD981(東邦化学社製)に変更した他は、同様にして有機層と水層とに分離し、有機層を吸着剤処理した。
POENPEの場合は、水層は約110部であり、エマルジョンを少量含んでおり、有機層中には3000ppmの水分が含まれていた。吸着処理後、ろ過して得られた有機層は290部であった。デマルファーD981の場合は、水層は約115部であり、エマルジョンを少量含んでおり、有機層中には3200ppmの水分が含まれていた。吸着処理後、ろ過して得られた有機層は288部であった。その他の結果を表1に示す。
実施例11〜17
ノニオン系界面活性剤としてデマルファーD981を使用し、その添加量と水酸化ナトリウムの量を表1に示すように変えた他は、実施例1と同様にして水層を分離し、有機層を吸着剤処理した。
比較例1〜4
水酸化ナトリウムの添加量を0とした他は、実施例1と同様にして水層と有機層を分離しようとしたが、全体が乳化状態となり、分離することが不可能であった。ノニオン型界面活性剤を、デマルファーD981又はPOENPEに変えた場合も同様であった。
また、ノニオン型界面活性剤の添加量を0とした他は、実施例1と同様にして水層と有機層を分離しようとした場合も同様であった。
実施例18〜20
実施例1と同様な実験において、界面活性剤としてカチオン型界面活性剤のジメチルジデシルアンモニウムクロライド(DMDDAC)、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロライド(BCDMAC)又はトリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)0.17部を使用した他は同様に行った。また、吸着剤処理で使用した炭酸カルシウム量は、有機層300部に対し、実施例18では0.34部を、実施例19及び20では0.48部とした。なお、いずれの例も得られた樹脂は異臭を伴っていた。
条件及び結果をまとめて表1に示す。なお、各実施例における有機層は、芳香族オリゴマーのトルエン溶液であり、固形分濃度は60〜66%の範囲にある。また、有機層からトルエンを分離して回収される芳香族オリゴマーの収量は、ナフタレン250部に対し200〜220部の範囲にある。
Figure 2003055927
産業上の利用可能性
本発明の製造方法によれば、通常の方法では分離が不可能な芳香族オリゴマーを含む有機層と水層が簡便な方法で分離でき、更に金属分などの除去も可能であり、芳香族オリゴマーを容易、且つ高純度に製造することができる。

Claims (5)

  1. 芳香族化合物とホルムアルデヒド類を酸触媒の存在下に反応させて芳香族オリゴマーを製造する方法において、反応混合物中の酸触媒を水層に移行させ、これを層分離により除去するに当たり、有機層と水層の分離性を向上させるため界面活性剤と酸触媒の1%から70%当量に相当する水溶性のアルカリを添加することを特徴とする芳香族オリゴマーの製造方法。
  2. 水溶性のアルカリが、水酸化ナトリウムである請求の範囲1記載の芳香族オリゴマーの製造方法。
  3. 芳香族化合物が、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナンスレン及びピレンから選ばれる少なくとも1種である請求の範囲1又は2記載の芳香族オリゴマーの製造方法。
  4. 界面活性剤がノニオン系の界面活性剤である請求の範囲1又は2に記載の芳香族オリゴマーの製造方法。
  5. 水層を層分離した後の有機層に、有機層に存在する微量酸分、水分及びナトリウムを含む金属分を除去するために、更に炭酸カルシウム又は水酸化カルシウムを分散、混合し、ろ過することを特徴とする請求の範囲1〜4のいずれかに記載の芳香族オリゴマーの製造方法。
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