JP4482050B2 - 電話システムとそのゲートウェイ、および冗長切替方法 - Google Patents
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Description
この発明は、例えばIP(Internet Protocol)ネットワークを介して音声通話を実現する電話システムに関する。特にこの発明は、この種の電話システムと、IPネットワークを含む異種ネットワーク間でプロトコルを変換するゲートウェイに関する。
パケット交換型のネットワークを介して音声通話を実現するシステムが知られている。なかでもIP(Internet Protocol)ネットワークを利用する、VoIP(Voice over IP)と称するシステムが実用化されている。その一方で、公衆ネットワークや専用線ネットワークなどの公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)もいまだ主流であり、現在では両者が並存する状況にある。
そこで、IPネットワークとPSTNとのインタフェースにゲートウェイを設け、プロトコルの差異をマスキングすることが行われる。複数のゲートウェイを並列的に運用し、収容チャネル容量を増やすとともに、冗長化による耐障害性能の向上を図ったシステムも知られている(例えば特許文献1を参照)。
このような形態のシステムでは、複数のゲートウェイはいずれもIPネットワークとPSTNとのプロトコル変換機能を持つが、IPネットワークとPSTNとの間での制御信号(シグナリング情報)の中継に関しては、いずれか1つのゲートウェイが担うのが普通である。複数のゲートウェイに係わる音声メディアは、この一つのゲートウェイを介したシグナリング情報の授受により制御される。
ところでこの種のシステムは、ゲートウェイよりも上位の位置づけにある上位装置(以下、通信サーバと称する)を備え、障害の発生に際して通信サーバの主導による冗長切替処理を行うのが一般的である。特許文献1では通信経路制御装置がその機能を担っている。すなわち障害を生じたゲートウェイがその旨を通信サーバに通知すると、通信サーバが主体となって、ゲートウェイの切り替えを含む復旧処理が実行される。
特開2007−181079号公報
既存の技術では通信サーバが主体となってゲートウェイ間の冗長切替が実行される。このためゲートウェイの障害発生時に突発的な処理負荷が通信サーバに生じ、他のタスクを処理できなくなる虞もあることから、何らかの対処が望まれている。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、障害発生時における通信サーバの負荷を軽減した電話システムとそのゲートウェイ、および冗長切替方法を提供することにある。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、障害発生時における通信サーバの負荷を軽減した電話システムとそのゲートウェイ、および冗長切替方法を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、パケット交換型の第1ネットワークと回線交換型の第2ネットワークとの相互のプロトコルを変換する複数のゲートウェイを具備し、いずれか1つのゲートウェイが選択的に主ゲートウェイとして機能し他のゲートウェイは当該主ゲートウェイからの制御を受ける従ゲートウェイとして機能する電話システムにおいて、前記複数のゲートウェイは、前記主ゲートウェイであるとき、前記複数のゲートウェイにおいて個別に送受信される音声メディアを前記第2ネットワークの制御チャネルの制御信号に基づき制御する制御チャネル管理部と、障害の発生に伴う前記ゲートウェイ間の冗長切替を制御する運用制御部と、前記障害が前記制御チャネルに関わる障害か否かを判定する判定部とを具備し、この判定部は、前記障害が前記制御チャネルに関わる障害であれば、いずれかの従ゲートウェイの前記制御チャネル管理部を起動するための起動指示メッセージを前記第1ネットワークを介して当該従ゲートウェイに通知することを特徴とする電話システムが提供される。
このような手段を講じることにより、制御チャネルに関わる障害の発生に際しては、これを検知した主ゲートウェイから他の従ゲートウェイ(の全て、あるいは選択された1つ)に対し、制御チャネル管理部を起動するための起動指示メッセージが送出される。これを受けた従ゲートウェイはただちに制御チャネル管理部を起動し、運用制御部との協調動作によりゲートウェイ間の冗長切替が実行される。このような動作は、各ゲートウェイが回線交換型ネットワーク(第2ネットワーク)だけでなくパケット交換型ネットワーク(第1ネットワーク)に接続されているからこそ、可能になる。この発明ではそれに着目し、第1ネットワーク経由でゲートウェイ間でのメッセージ授受を実現するようにしている。従って、少なくとも制御チャネル関連障害に関する冗長切替に際しては通信サーバの介入する必要がなくなり、これにより通信サーバの負荷を軽減することができる。
この発明によれば、障害発生時における通信サーバの負荷を軽減した電話システムとそのゲートウェイ、および冗長切替方法を提供することができる。
図1は、この発明に関わる電話システムの実施の形態を示すシステム図である。このシステムは、複数のIP電話機(IP Terminal : IPT)A1〜Anが属するIPネットワーク100と、PSTN200とを、複数のゲートウェイG1〜G3を介して相互に接続して形成される。IPネットワーク100には、呼制御シグナリングを含む電話通信に係わる制御を担う通信サーバ300が設けられる。なおIPネットワーク100は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、あるいはインターネットなどの、パケット交換型のネットワークである。
図1のシステムにおいて、制御チャネルが起動中であり通信サーバ300およびPSTN200の制御信号を授受するゲートウェイを主ゲートウェイと称する。また、主ゲートウェイから転送される制御信号を受けて動作するゲートウェイを従ゲートウェイとする。この実施形態ではゲートウェイG1を主ゲートウェイとし、ゲートウェイG1から転送される制御信号を受けて動作するゲートウェイG2とゲートウェイG3とを、従ゲートウェイとする。
図2は、図1のゲートウェイG1一例を示す機能ブロック図である。ゲートウェイG2,G3も同様の構成を持つ。ゲートウェイG1は、PSTNインタフェース31、IPネットワークインタフェース32、制御チャネル管理部33、呼制御部34、および、運用制御部35を備える。
PSTNインタフェース31はPSTN200に対するインタフェース機能を担う。すなわちPSTNインタフェース31は、PSTN200と相互に制御信号(シグナリング情報)を授受する。またPSTNインタフェース31は、PSTN200内の通話相手に回線交換方式でリンクを形成し、このリンク上で音声通話を実現するためのインタフェースである。
IPネットワークインタフェース32はIPネットワーク100に対するインタフェース機能を担う。すなわちIPネットワークインタフェース32は、IPネットワーク100と相互に制御信号および音声ストリームをIPパケットで授受するためのインタフェースである。
制御チャネル管理部33は、ゲートウェイ−PSTN200間での制御信号の授受を制御する。特にこの実施形態では、制御チャネル管理部33は他のゲートウェイとの間でIPネットワーク100を介して指示メッセージを授受する機能を持つ。この指示メッセージは他ゲートウェイにおけるシグナリング情報の処理を制御するためのメッセージである。
なお、他のゲートウェイによる制御信号の処理を受けて動作するゲートウェイ(従ゲートウェイ)においては、制御チャネル管理部33は待機状態、すなわち起動していない状態となる。待機状態にある制御チャネル管理部33は、他ゲートウェイからの指示メッセージを受けることで起動し、直ちに障害からの復旧動作を開始する。
呼制御部34は、自装置に関して生起する呼に対する処理全般を担う。すなわち呼制御部34は呼に対し、IPネットワーク100とのメッセージ授受の制御、PSTN200と送受すべきメッセージの決定、呼状態の管理、トーンの送出、音声接続のタイミングの決定などに関する制御を行う。
運用制御部35は、障害の検出処理、および障害からの復旧処理に関わる制御全般を担う。特にこの実施形態では、運用制御部35はその処理機能ブロックとして判定部35aを備える。判定部35aは障害からの復旧方法を判定する機能を持ち、障害発生時に複数の復旧方法のうち1つを自動的に選択し、実行する。この実施形態では、判定部35aは待機状態にある他ゲートウェイの制御チャネル管理部33に起動の指示メッセージを通知する機能を持つ。
さらにゲートウェイG1は、ハードディスクドライブなどの記憶デバイスに記憶されるデータベースとしての、管理テーブルTを備える。図3は、管理テーブルTの一例を示す図である。管理テーブルTは自装置が主ゲートウェイとして機能している状態で、PSTN200から受けた制御信号の転送先を決定するために用いられる。主ゲートウェイはPSTN200から制御信号を受信すると、管理テーブルTを参照して、その制御信号の転送先を決定する。
すなわち、制御信号を伝送するチャネルは複数あり、伝送チャネルごとにその制御信号を転送すべきゲートウェイが異なる。そこで、制御チャネル番号と転送先とを対応付けた管理テーブルTを予め主ゲートウェイに記憶させておくことで、主ゲートウェイは制御信号の転送先を決定することができる。図3では、制御チャネル番号1のチャネル(制御チャネル1)の制御信号の転送先は、ゲートウェイG1となっている。ゲートウェイG1が主ゲートウェイであれば、制御チャネル1の制御信号はゲートウェイG1自身により処理される。制御チャネル2,4の制御信号はゲートウェイG2に転送される。制御チャネル3の制御信号はゲートウェイG3に転送される。なお、ゲートウェイG1〜G3は障害の発生形態に応じていずれも主ゲートウェイになり得るので、管理テーブルTは全てのゲートウェイG1〜G3に同じ内容で記憶される。次に、上記構成における動作を説明する。
図4は、主ゲートウェイに障害が生じたケースでの主ゲートウェイにおける復旧処理手順を示すフローチャートである。すなわち図4の手順は、障害の発生時点で制御チャネル管理部33が動作中のゲートウェイにおいて実施される。図4において主ゲートウェイの運用制御部35が障害発生を検出すると、判定部35aはこの障害が制御チャネル関連の障害であるか否かを判断する(ブロックB1)。そうであれば(ブロックB1でYes)、判定部35aは新たな主ゲートウェイとすべき他のゲートウェイを特定し(ブロックB2)、その時点では従ゲートウェイであるゲートウェイへ制御チャネル管理機能切り替え要求メッセージを送信する(ブロックB3)。このメッセージは、制御チャネル上の制御信号の授受に関わる制御を従ゲートウェイに引き継がせるための指示メッセージであり、IPネットワークインタフェース32からIPネットワーク100に送出される。
障害が制御チャネル関連でなければ(ブロックB1でNo)、判定部35aは通常の復旧処理(リセットなど)を実行し(ブロックB4)、復旧処理の成功の如何を判断する(ブロックB5)。成功であれば通常処理が再開されるが(ブロックB6)、復旧処理が不成功であれば、IPネットワークインタフェース32がゲートウェイ機能切り替え要求メッセージを全ての従ゲートウェイにブロードキャスト送信する(ブロックB7)。次に、同じ状況下における従ゲートウェイ側の復旧処理手順につき説明する。
図5は、主ゲートウェイに障害が生じたケースでの従ゲートウェイにおける復旧処理手順を示すフローチャートである。すなわち図5の手順は、障害の発生時点で制御チャネル管理部33が待機中のゲートウェイにおいて実施される。図5において、主ゲートウェイの障害発生を検出した従ゲートウェイの運用制御部35は、その時点では待機状態である制御チャネル管理部33を、ただちに起動する(ブロックB11)。障害は、例えばIPネットワーク100を介して主ゲートウェイから転送される障害系の制御パケットをIPネットワークインタフェース32(図2)が受信したとき、または、主ゲートウェイから定期的に送信されるキープアライブ信号が不達になった場合などに、運用制御部35により検出される。
そうするとこの従ゲートウェイは、主ゲートウェイからの制御チャネル管理機能切り替え要求メッセージをIPネットワーク100を介して受信したか否かを判断する(ブロックB12)。受信していなければ(ブロックB12でNo)、自らの状態を閉塞として、新たに生起した呼を受け付けない状態になる(ブロックB21)。さらに、呼制御部34が自装置内の全ての呼を終了させ、全ての呼が終了すれば(ブロックB23)、単独で動作するゲートウェイとして自らを動作させるべく制御チャネル管理部33(図2)を初期化する(ブロックB24)。
次にこの従ゲートウェイは、通信サーバ300に制御信号の送受信変更要求メッセージをIPネットワーク100経由で通知し(ブロックB25)、PSTN200に対しては制御信号の送受信先変更要求メッセージを通知する(ブロックB26)。ここまでの手順を経ると、障害の発生前には従ゲートウェイであったゲートウェイは、単独でのゲートウェイとして動作を開始する(ブロックB27)。
一方、ブロックB12で、IPネットワーク100を介して主ゲートウェイからの制御チャネル管理機能切り替え要求メッセージを受信していれば(Yes)、この従ゲートウェイは自らを閉塞状態にし、IPネットワーク100を介して主ゲートウェイに閉塞要求メッセージを通知する(ブロックB13)。そのうえで呼制御部34が自装置の全呼を終了させ(ブロックB14)、全呼が終了すれば、主ゲートウェイから閉塞完了通知メッセージを受信しているか否かを判定する(ブロックB15)。受信していなければ、主ゲートウェイから閉塞完了通知メッセージが到達するまで待機する(ブロックB21)。
ブロックB15で当該メッセージを受信していれば(Yes)、従ゲートウェイは自らが切替後の主ゲートウェイとして動作すべく、制御チャネル管理部33を初期化する(ブロックB16)。初期化が完了すれば、従ゲートウェイは制御信号の送受信変更要求メッセージをIPネットワーク100経由で通信サーバ300に通知し(ブロックB17)、PSTN200側に対しては、制御信号の送受信先変更要求メッセージを通知する(ブロックB18)。さらに他のゲートウェイに対しては、自らを主ゲートウェイとして登録すべくIPネットワーク100を介して通知する(ブロックB19)。以上の手順が完了すれば、この従ゲートウェイは主ゲートウェイとして動作を開始する(ブロックB19)。
以上説明したようにこの実施形態では、PSTN200と相互に制御信号を授受する主ゲートウェイに障害が発生すると、これを検知した主ゲートウェイにおいて障害の原因を判定する。その原因が制御チャネルに起因するものであれば、IPネットワーク100を介して主ゲートウェイ〜従ゲートウェイ間でメッセージを授受し合い、従ゲートウェイを主ゲートウェイへと切換える冗長切替を行うようにしている。
このように、制御チャネルに起因する障害のケースではゲートウェイ間で独自に通信を行い、PSTN200側との制御信号を送受信するゲートウェイを切り替えることで、通信サーバ300に負荷をかけることなく復旧処理を実行することが可能となる。従って障害発生時における通信サーバ300の負荷を軽減でき、通信サーバ300の性能低下を防止することもできるようになる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
A1〜An…IP電話機、100…IPネットワーク、200…PSTN、G1〜G3…ゲートウェイ、300…通信サーバ、31…PSTNインタフェース、32…IPネットワークインタフェース、33…制御チャネル管理部、34…呼制御部、35…運用制御部、35a…判定部
Claims (3)
- パケット交換型の第1ネットワークと回線交換型の第2ネットワークとの相互のプロトコルを変換する複数のゲートウェイを具備し、いずれか1つのゲートウェイが選択的に主ゲートウェイとして機能し他のゲートウェイは当該主ゲートウェイからの制御を受ける従ゲートウェイとして機能する電話システムにおいて、
前記複数のゲートウェイは、
前記主ゲートウェイであるとき、前記複数のゲートウェイにおいて個別に送受信される音声メディアを前記第2ネットワークの制御チャネルの制御信号に基づき制御する制御チャネル管理部と、
障害の発生に伴う前記ゲートウェイ間の冗長切替を制御する運用制御部と、
前記障害が前記制御チャネルに関わる障害か否かを判定する判定部とを具備し、
この判定部は、前記障害が前記制御チャネルに関わる障害であれば、いずれかの従ゲートウェイの前記制御チャネル管理部を起動するための起動指示メッセージを前記第1ネットワークを介して当該従ゲートウェイに通知することを特徴とする電話システム。 - パケット交換型の第1ネットワークと回線交換型の第2ネットワークとの相互のプロトコルを変換する複数のゲートウェイを具備する電話システムに適用される前記ゲートウェイにおいて、
前記複数のゲートウェイにおいて個別に送受信される音声メディアを前記第2ネットワークの制御チャネルの制御信号に基づき制御する制御チャネル管理部と、
障害の発生に伴う前記ゲートウェイ間の冗長切替を制御する運用制御部と、
前記障害が前記制御チャネルに関わる障害か否かを判定する判定部とを具備し、
この判定部は、前記障害が前記制御チャネルに関わる障害であれば、他のゲートウェイにおいて待機状態である制御チャネル管理部を起動するための起動指示メッセージを前記第1ネットワークを介して当該他のゲートウェイに通知することを特徴とするゲートウェイ。 - パケット交換型の第1ネットワークと回線交換型の第2ネットワークとの相互のプロトコルを変換する複数のゲートウェイを具備する電話システムに適用される前記ゲートウェイ間の冗長切替方法において、
前記複数のゲートウェイにおいて個別に送受信される音声メディアを前記第2ネットワークの制御チャネルの制御信号に基づき制御する主ゲートウェイが、発生した障害が前記制御チャネルに関わる障害か否かを判定し、
前記障害が前記制御チャネルに関わる障害であれば、前記主ゲートウェイが、他の少なくとも1つのゲートウェイに前記制御信号の授受に関わる制御を引き継がせる起動指示メッセージを前記第1ネットワークを介して通知することを特徴とする冗長切替方法。
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