JP4481940B2 - シューズ用インソール - Google Patents
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Description
通常このようなインソールは、軟質合成樹脂からなる本体の上面にさらに上面保護シートを積層し、かつ、足裏に添うように側方をカップ状に立ち上げた形状としている。
さらに、上面保護シートを積層するのは足当たり感と上面耐久性をよくするためであり、側方をカップ状に立ち上げた形状とするのは、使用者の足裏に添いやすくするためである。
しかし、これらの発明によって提供されるシューズ用インソールは、剛性や柔軟性において一定の性能を持つに過ぎない。
ところが、これらのシューズ用インソールを使用する人は、同じ靴のサイズの人であっても、体重、性別、足形状( 例えば足幅の広狭、アーチ高さの高低等) 、使用目的、運動内容のレベル、好みなどによって、求める性能は様々である。
そこで、同一サイズのシューズ用インソールにおいて、各個人差に対応した剛性や柔軟性の異なる製品を複数用意することも考えられるが、実際は商品在庫を増やすばかりで現実的ではなく、実施されることはなかった。
シューズ用インソールの長手方向にはリブを設けているので、シューズ用インソールの長手方向の剛性を向上させることができ、補強プレートの厚みを厚くしなくとも剛性が確保できるので、シューズ用インソール全体の軽量化にも役立つ。
従って、歩行やランニング等の運動を繰返すと、インソール下面が靴内底面上に着いたり離れたりするので、この動きにより通気性が確保される。
また、リブが存在することにより、インソール下面が靴内底面上に着いたとしても、インソール下面と靴内底面上との間には空間が確保されるので、通気性が阻害されることがない。
このようにすれば、リブを切断した部分の剛性は低くなるから、補強プレート、さらにはシューズ用インソール自体が足の動きに応じて変形しやすくなる。従って、シューズ用インソールの剛性、柔軟性、変形性や追随性を使用者が好みに応じて調整できることとなる。
以上から、剛性、柔軟性等の異なるシューズ用インソールを複数用意するような必要もなくなる。
また、このように構成すれば、開口部に鋏や爪切り等を挿入してリブを切断する際に、切断がしやすくなる。
軟質合成樹脂の所要部に、前記より硬度の高い合成樹脂層を設けることで、強度や剛性を当該部位の必要性に応じた所定の性能を持った本体にすることができる。
上面保護シートを積層することで、足当たりや上面耐久性をよくすることができる。
貫通孔を設けることで、足裏に生じる熱や湿気をさらに拡散することができ、靴内を常に爽快にすると共に足にマメを生じることも少なくなるものである。
補強プレートをカップ状に形成することで、着地時の衝撃をより確実に受け止めることができるので、衝撃緩和性、安定性がより向上し、足に対するサポート性を一層向上させることができる。
また、補強プレートをカップ状にすれば立体的形状となるので、この部分の剛性が一層向上することとなってしまう。
そこで、カップ状補強プレートの立ち上がり部にも切込部を設け、かつ、この切込部をまたぐ小リブを設けておけば、使用者は剛性、柔軟性等を調整するために、小リブを鋏や爪切り等で切断することができる。
切込部等を設けるのは、立ち上がり部の内甲側、外甲側、踵周辺のどこであってもよく、特に限定されることはない。
切断することでカップ状補強プレートの剛性は低くなるので、シューズ用インソールは足の動きに応じて変形しやすくなる。従って、使用者は、好みの剛性、柔軟性、変形性や追随性に調整することが可能となる。
補強プレートにおいて、特に剛性、柔軟性等の微調整が要求される土踏まず部領域にリブ、開口部や切込部を設けることで、使用者の好みに応じた剛性、柔軟性等を有するシューズ用インソールに変更することが容易となる。
図1は、本発明のシューズ用インソールを底面からみたところであり、図2 はその要部拡大図である。
シューズ用インソール1は、図3に示すように、軟質合成樹脂からなる本体2 の底面に硬質合成樹脂からなる補強プレート3を積層している。さらに、足当たりや上面耐久性をよくするために上面保護シート4を積層してもよい。
本体2、補強プレート3、上面保護シート4は、それぞれ接着、同時成型等によって積層されている。
上面保護シート4としては、メッシュ素材、不織布、織布、樹脂シート、皮革等が使用できる。
リブ31の本数や開口部32の数は、補強プレートの剛性、柔軟性等や、シューズ用インソール1の通気性を考慮して任意に決定すればよい。
開口部32の形状は、図面では円形としているがこれも任意であり、楕円形、四角形等の形であってもよい。
さらに、シューズ用インソール1の長手方向に走る複数本のリブ31を横手方向につなぐ横リブ33を任意数設けることもできる。横リブ33は、補強プレート3の横方向の剛性を高くするために用いるものである。
すると、リブを切断した部分の剛性は低くなるから、補強プレート3が足の動きに応じて変形しやすくなる。
この結果、シューズ用インソール1の剛性、柔軟性、変形性や追随性等の調整が可能となる。
また、複数本設けたリブ31において、開口部32をリブ31の前後方向にずらして配置し、リブ31とは直行する横方向に一列にならないようにすれば、当該部分のリブ31を切断しても剛性がそれほど低くならず、極端に柔軟性等が変わることがない。
以上のように、配置する開口部32の位置を調整することで、補強プレート3の剛性変化に強弱をつけることもできる。
くびれ部311を設けておけば、開口部32に鋏や爪切り等を挿入してリブ31を切断する際に、細くなったくびれ部311を切断すれば、切断がしやすくなる。
補強プレート3は、JISK6253型のD 硬度で30〜 90が好ましく、適度な弾性と剛性バランス上、70±5程度が望ましい。
図示はしないが、本体2は、硬度の異なる2層以上の素材から構成することもできる。
具体的には、強度や剛性の必要な土踏まず部の上面あるいは/および下面に、主要部分より硬度の高い軟質合成樹脂や合成樹脂シート等を積層することで、その部分の強度・剛性を高めて、最適な性能を持った本体2にすることができる。
もちろん、土踏まず部以外にも適宜実施することが可能である。
そして、通常1層で構成する場合の本体2の硬度は、ASKER C硬度で30から65未満であり、2層以上で構成する場合は主要部分より硬度が高く、ASKER C硬度で65〜80程度であることが好ましい。
この実施例では、本体2の底面に補強プレート3を、上面に上面保護シート4を積層している。
この図面から、補強プレート3の開口部32上のリブ31が、開口部32上をまたぐように配置している構造がよく理解できる。
この場合、図4に示すように、開口部32を、本体2及び上面保護シート4の貫通孔5に通じるようにしておくと、さらに、足裏に生じる熱や湿気を拡散できるので、足にマメが生じ難くなる。
また、リブ31が存在することにより、インソール1下面が靴内底面上に着いたとしても、インソール下面と靴内底面上との間には空間が確保されることになるので、通気性が阻害されることがない。
これは、開口部32の孔の直径を貫通孔5よりも大きくしておくと、補強プレート3を本体2に接着等した際に、接着位置がずれたとしても、貫通孔5が補強プレート3で塞がれるようなことがなくなるようにしようとするためである。
このため、図1及び図2に示すように、補強プレート3の立ち上がり部34に切込部35を設けると共に、この切込部35をまたぐ小リブ36を設けておく。
剛性が高いと判断した使用者は、切込部35をまたぐ小リブ36を鋏や爪切り等で切断すれば、シューズ用インソール1の剛性を低くすることができる。
補強プレート3を、着地時の衝撃緩和、安定性に影響するシューズ用インソール1の必要な部分である土踏まず部から踵部にかけてのみ設ければ、前足部の屈曲性を阻害することがなく、インソール全体の重量を軽くすることもできる。
土踏まず部は、特に剛性、柔軟性等が要求されるところであるから、この領域にリブ31、開口部32や切込部35を設けることは、剛性、柔軟性等の微調整に有効となる。
このように構成することで、踵部の衝撃緩和性が一層向上する。
また、前記領域は補強プレートと一体成型するので、別材料を嵌め込む方法とは異なり、手間とコストを削減し、別材料のようにずれたりすることがなくなる。
2 本体
3 補強プレート
31 リブ
32 開口部
33 横リブ
34 立ち上がり部
35 切込部
36 小リブ
4 上面保護シート
5 貫通孔
Claims (6)
- 軟質合成樹脂からなる本体の底面に、硬質合成樹脂からなる補強プレートを積層したシューズ用インソールにおいて、
前記補強プレートには、前記インソールの長手方向に走るリブと、開口部とを設けると共に、前記リブは前記開口部をまたぐように配置し、
前記リブの太さを、前記開口部上において前記開口部以外の補強プレート上にあるときよりも細くしたシューズ用インソール。 - 前記軟質合成樹脂からなる本体は、硬度の異なる2層以上の素材から構成した請求項1記載のシューズ用インソール。
- 前記軟質合成樹脂からなる本体の上面に、さらに上面保護シートを積層した請求項1又は2のいずれか1項に記載のシューズ用インソール。
- 、
前記軟質合成樹脂からなる本体、およびその上面に上面保護シートを積層した場合にはその上面保護シートにも貫通孔を設けると共に、前記貫通孔が前記補強プレートの開口部と連通するように構成した請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシューズ用インソール。 - 前記補強プレートを、足裏に添うようにカップ状の補強プレートとし、
前記カップ状補強プレートの立ち上がり部に切込部を設けると共に、この切込部をまたぐ小リブを設けた請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシューズ用インソール。 - 前記インソールの長手方向に走るリブ、開口部、切込部を、前記補強プレートの土踏まず部領域に設けた請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシューズ用インソール。
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