JP4481756B2 - ヒンジ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、光をスキャンするためのマイクロミラー装置におけるヒンジ構造に関する。
従来、マイクロミラー装置は、通信用の光スイッチ、計測機器、スキャナ等多様な技術分野で利用されている。例えば、静電容量型マイクロミラー装置は、入射光をスキャンするミラー面の下方に位置する基板上に複数の電極が配設されている。該ミラー面は、弾性あるヒンジ構造によって回動自在に保持されている。そして、任意の電極に電圧を印加することにより、静電引力を発生させて、ミラー面を傾けるように構成される。近年、マイクロミラー装置は、ミラー面をより大きく傾かせて光の走査範囲を広くすることが要望される。そのためにヒンジ構造は、該構造のバネ性能を高める、換言すれば該構造がより柔軟にたわむように構成されることが望まれている。そこで近年、単なる棒状ではなく、例えば以下の特許文献1に例示されるように様々な形状のヒンジ構造が提案されている。
特開2003−29172号公報(図4等)
ここで、有限要素法等を用いて、従来のヒンジ構造を検証すると、バネ性能が該ヒンジ構造の大きさに略比例することがわかった。例えば、特許文献1に記載のいわゆるつづら折り状のヒンジ構造では、バネ性能を高めるためには、ミラー面を回動する軸に直交する方向の長さを大きく取る必要がある。しかし、ヒンジ構造を大きく設計すると、ミラー面が形成されるミラー層全体としての強度が低下するおそれが生じかねない。
以上の事情に鑑み、本発明は、小型でありながらも高いバネ性能を有するヒンジ構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係るマイクロミラー装置における、少なくとも一つの回動軸周りに回動自在に構成された回動面と前記回動軸周りに非回動である非回動面との間に配設されるヒンジ構造であって、一本の線状体から構成され、該一本の線状体は、一端が回動面に結合され、回動軸上をヒンジ構造の中心に向かって延出する第一中央部と、一端が非回動面に結合され、回動軸上を該中心に向かって延出する第二中央部と、該中心を通る該回動軸と直交する直交軸よりも回動面側にあって、第一中央部と平行な平行部が複数形成されるように連続して折り返される第一のつづら折り部と、回動軸を基準として第一のつづら折り部と線対称な形状を持つ第二のつづら折り部と、直交軸を基準として第一のつづら折り部と線対称な形状を持つ第三のつづら折り部と、直交軸を基準として第二のつづら折り部と線対称な形状を持つ第四のつづら折り部と、第一中央部の他端と、第一のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部間を結合する線分状の第一の結合部と、第一のつづら折り部における最も回動軸から離れた平行部の端部と、第二のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部間を結合するコの字状の第二の結合部と、線分状領域および該線分状領域の各端から互いに逆方向へ延出する一対の延出領域からなる形状を有し、第二のつづら折り部における最も回動軸から離れた平行部の端部と、第三のつづら折り部における最も回動軸から離れた平行部の端部間を結合する第三の結合部と、第三のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部と、第四のつづら折り部における最も回動軸から離れた平行部の端部間を結合するコの字状の第四の結合部と、第二中央部の他端と、第四のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部間を結合する線分状の第五の結合部と、から構成されていることを特徴とする。
有限要素法や等価回路法を用いて、上記のように構成されたヒンジ構造を使用したマイクロミラー装置と、従来のヒンジ構造(例えば、上記特許文献1)を使用したマイクロミラー装置とを比較したところ、以下のような結果が得られた。すなわち、同一寸法に設計された両者に所定の電圧を印加した場合、本発明に係るヒンジ構造を使用したマイクロミラー装置のほうが、より大きくミラー面を傾けることができた。つまり、本発明は従来の構成に比べてねじれに関する高いバネ定数を得ることができた。また、所定の印加電圧の下、ミラー面が所定の傾き角を得るためには、本発明に係るヒンジ構造のほうが従来のヒンジ構造よりも小さな寸法で足りる。
さらに、一般にミラー面を駆動させるための各電極には予め所定のバイアス電圧が印加されている。つまり、マイクロミラー装置では、実際に光をスキャンするために該装置を駆動する前から既にミラーと電極間に静電引力が発生している。従って、バイアス電圧に対応する微弱な静電引力であっても、ミラー面が電極側に引きつけられる、換言するとミラー面が電極側に平行移動するおそれがある。本発明に係るヒンジ構造によれば、ミラー面と直交する方向に対するばね定数を従来の構成よりも高くすることができる。つまり、上記のようなミラー面の電極方向への平行移動を有効に防止することができる。
以上の比較結果より、本発明に係るヒンジ構造は、従来の構造に比べ、小型でありながらも、高いバネ性能を有する、換言すればより柔軟にたわませることができる。なお、上記ヒンジ構造の中心とは、より具体的には、線状体と回動面の結合位置および線状体と非回動面の結合位置を結ぶ線分の中点をいう。
上記構成において、より高いバネ性能を得るためには、ヒンジ構造の中心に対して点対称な形状であることが望ましい(請求項2)。また、第一から第四の各つづら折り部は、略直角に折り返されるように構成することが望ましい(請求項3)。また、第三の結合部は、線分状領域が直交軸上にあり、一対の延出領域が、回動軸に沿って延出することが望ましい(請求項4)。
また、各つづら折り部における折り返し位置および各結合部における結合位置は、面取されていることが望ましい(請求項5)。これにより、回動軸周りにミラー面が回動した場合にヒンジ構造内部、特に上記折り返し位置や結合位置に発生する応力を効果的に分散させることができる。そのため、耐久性を高めることができる。なお、本発明に係るヒンジ構造は、ドライエッチングやウェットエッチング等により製造可能である。各種エッチングにより製造すると、折り返し位置および結合位置は自然に面取された状態になる。従って、本発明によれば、特段の処理を行うことなく、応力を効果的に分散可能な形状を得ることができる。
また、各つづら折り部における平行部は、いずれも同一長さに設計することにより、高いバネ性能を得ることができる(請求項6)。
さらに、本発明に係るヒンジ構造は、以下の各条件を満たすことにより、より高い性能を発揮することができる。
また、上記線状体の幅Wが条件(1)を、厚みTが条件(2)を満たすことが望ましい。
2≦W≦4・・・(1)
7≦T≦13・・・(2)
各条件(1)、(2)の上限を超えると硬いバネ性能をもった構造になるため、所定の印加電圧に対してミラー面の傾きが小さくなり好ましくない。また、下限を下回ると柔らかいバネ性能をもった構造になるが、強度が低下し、壊れやすくなり好ましくない。
また、第一と第二のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部と第一の中央部間の間隔、第三と第四のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部と第二の中央部間の間隔、および各つづら折り部における複数の平行部間の間隔が略同一であることが望ましい。上記各間隔をsとすると、条件(3)を満たすことが望ましい。
4≦s≦8・・・(3)
各条件(3)の上限を超えると柔らかいバネ性能をもった構造になるが、全体寸法が大きくなり好ましくない。また、下限を下回ると硬いバネ性能をもった構造になるため、所定の印加電圧に対してミラー面の傾きが小さくなり好ましくない。
以下、本発明の実施形態のヒンジ構造を備えるマイクロミラー装置について説明する。図1は、実施形態のマイクロミラー装置10の概略構成を示す図である。また、図2は、マイクロミラー装置10を構成部材毎に分解して示す図である。なお、マイクロミラー装置は、第一の方向(x方向)に沿う軸(以下、X軸という)および第一の方向に直交する第二の方向(y方向)に沿う軸(以下、Y軸という)周りにミラーを回動させることが可能な二軸回動型である。
図1、図2に示すように、マイクロミラー装置10は、ミラー層1を挟んで上部基板2と下部基板3が積層されて構成される。なお、上部基板2はスペーサ4を介してミラー層と積層される。従って、マイクロミラー装置10は、光が入射する側から順に、上部基板2、スペーサ4、ミラー層1、下部基板3が互いに積層されている。なお本文では、説明の便宜上、光が入射する側からみて順に上部、下部と定義する。
図3は、ミラー層1を拡大して示す上面図である。図2や図3に示すように、ミラー層1は、中央部に位置する円形状のミラー面11、ミラー面11の外周を囲んで設けられるリング状のフレーム12、フレーム12の外周に設けられる外枠13を有する。フレーム12には、ミラー面11を挟んで、x方向に沿って配設される一対のヒンジ構造(以下、第一ヒンジ構造という)12X、およびy方向に沿って配設される一対のヒンジ構造(以下、第二ヒンジ構造という)12Yを有する。
各第一ヒンジ構造12Xは、その一端がミラー面11と結合され、他端がフレーム12と結合されている。すなわち、第一ヒンジ構造12Xは、x方向に沿うX軸周りにミラー面11を回動自在に保持する。また各第二ヒンジ構造12Yは、その一端がフレーム12と結合され、他端が外枠13と結合されている。すなわち、第二ヒンジ構造12Yは、y方向に沿うY軸周りにミラー面11およびフレーム12を回動自在に保持する。なお、図2および図3中、X軸とY軸は一点鎖線で示し、両軸の交点、つまりミラー層1の中心をC1として表す。
以下、第一ヒンジ構造12Xについて詳説する。図4は、第一ヒンジ構造12Xを拡大して示す図である。図4に示すように、第一ヒンジ構造12Xは、一本の線状体を所定の幾何形状に折り曲げることにより構成される。なお、第一ヒンジ構造12Xの具体的構成に関する説明の便宜上、図4において、図2、図3のX軸と同一の軸を回動軸αという。また、回動軸α上であって、ミラー面11における第一ヒンジ構造12Xとの結合部と、フレーム12における第一ヒンジ構造12Xとの結合部を結ぶ線分の中点を、便宜上ヒンジ構造の中心といい、図4では点Pで示す。また、中心Pを通り、回動軸αに直交する軸を直交軸βという。
該線状体は、幅W(単位:μm)が以下の条件(1)、厚みT(単位:μm、後述の図6参照)が以下の条件(2)を満たすように構成される。
2≦W≦4・・・(1)
7≦T≦13・・・(2)
本実施形態の第一ヒンジ構造12Xは、幅3μm、厚み10μmの線状体により構成される。このように各条件(1)、(2)を満たすような線状体により構成することにより、第一ヒンジ構造12Xにより高いバネ性能を持たせることができる。
なお、以下では、便宜上、第一ヒンジ構造12Xを構成する一本の線状体を、位置や形状等から複数種類の部分に分けて説明する。すなわち以下の説明では、第一ヒンジ構造12Xを、第一中央部B1、第二中央部B2、第一から第五の結合部S1〜S5、第一から第四のつづら折り部K1〜K4に分けて説明する。図4では、便宜上、各結合部S1〜S5を斜線領域として示す。但し、図4における白抜き領域と斜線領域は、実際のヒンジ構造に何ら影響を与えるものではなく、各部分を分かりやすくする便宜上の領域である。
線状体における第一中央部B1は、一端(線状体の一端)が回動面であるミラー面11に結合される。また、線状体における第二中央部B2は、一端(線状体の他端)が非回動面であるフレーム12に結合される。各中央部B1、B2は、どちらも同一長の線分状であり、回転軸α上に位置する。線状体における第一から第五の結合部S1〜S5は、結合対象となる各部分を略直角に結合するために設けられており、少なくとも直交軸βに平行な方向に延出する部分を有する。
第一と第二のつづら折り部K1、K2は、直交軸βとミラー面11側の間にある部分である。第三と第四のつづら折り部K3、K4は、直交軸βとフレーム12側の間にある部分である。第一から第四の各つづら折り部K1〜K4は、互いに回動軸αまたは直交軸βに対して略線対称関係にあるような形状を持つ。
第一から第四のつづら折り部K1〜K4は、長手方向が回動軸αに平行となるように、線状体が複数回折り返される部分である。各つづら折り部K1〜K4において回動軸αに平行な部分を平行部hという。本実施形態では、線状体は略直角に折り返される。従って、平行部hの並び方向は直交軸βと平行である。平行部hは、いずれも同一の長さに設定される。そして、各つづら折り部K1〜K4における平行部hのうち、最も回動軸α側にある平行部を内側平行部hi、最も回動軸α側から離れた位置にある平行部を外側平行部heと記す。なお、ミラー面11を傾けた時に生じる応力を均一に分散するために、折り返す時に形成される間隔、つまり直交軸β方向に隣接する二つの平行部h間の間隔sはどれも同一である。間隔s(単位:μm)は、以下の条件(3)を満たすように構成される。
4≦s≦8・・・(3)
条件(3)を満たすように構成することにより、ねじれに対するバネ定数を適切な値に設定して、小型でありながらも高いバネ性能を得ることができる。本実施形態の第一ヒンジ構造12Xは、間隔sを6μmに設計する。各つづら折り部K1〜K4において互いに隣接する平行部h間の間隔も条件(3)を満たすように構成される。本実施形態では、互いに隣接する平行部h間の間隔は、第一の中央部B1と平行部hi間の間隔sと同一に設定される。
第一のつづら折り部K1の内側平行部hiの端部は、直交軸βに平行な線分状の第一結合部S1を介して、第一中央部B1の端部、より詳しくはミラー面11と結合する側と反対側の端部と結合される。第一のつづら折り部K1の内側平行部hiと第一中央部B1間の間隔s’も条件(3)を満たすように構成される。本実施形態では、間隔s’も二つの平行部h間の間隔sと同一値(6μm)に設計する。後述する、第四のつづら折り部K4の内側平行部hiと第二中央部B2間の間隔s’も同様である。
第一のつづら折り部K1の外側平行部heの端部は、第二結合部S2を介して、第二のつづら折り部K2の内側平行部hiの端部と結合される。第二結合部S2は、第一のつづら折り部K1に接触することを回避するために、以下の形状を呈する。すなわち、第二結合部S2は、長手方向が直交軸βに沿っており、両端から回動軸αに沿って所定量m1だけ延出する延出領域を有するコの字形状を呈する。
第二のつづら折り部K2の外側平行部heの端部は、第三結合部S3を介して、第三のつづら折り部K3の外側平行部heの端部と結合される。ここで、第三結合部S3は、各結合部S2、S4および各つづら折り部K1〜K4に接触することを回避するために、以下のような形状を呈する。すなわち、第三結合部S3は、直交軸β上にある線分状領域、該線分状領域の両端から回動軸αに沿って延出する二つの延出領域からなる形状を有する。各延出領域は、互いに逆方向に延出しており、その延出量は、各延出領域に共通でm1よりも長いm2に設定される。なお、線分状領域を直交軸β上に位置することにより、第一ヒンジ構造12X全体のバランスおよびバネ性能を良好に保つことができる。
第三のつづら折り部K3の内側平行部hiの端部は、第四結合部S4を介して、第四のつづら折り部K4の外側平行部heの端部と結合される。ここで、第四結合部S4は、第四のつづら折り部K4および第三の結合部S3に接触することを回避するために、以下の形状を呈する。すなわち、第四結合部S4は、長手方向が直交軸βに沿っており、両端から回動軸αに沿って所定量m3だけ延出する延出領域を有するコの字形状を呈する。本実施形態では、第一ヒンジ構造12X全体のバランスおよびバネ性能を良好に保つため、m3はm1と同一に設定される。
第四のつづら折り部K4の内側平行部hiの端部は、直交軸βに平行な線分状の第五結合部S5を介して、第二中央部B2の端部、より詳しくはフレーム12と結合する側と反対側の端部と結合される。
また、第一結合部S1から直交軸βまでの距離、および第一および第二のつづら折り部K1、K2における直交軸β側での各折り返し位置から直交軸βまでの距離、はすべて同一に設定される。同様に、第五結合部S5から直交軸βまでの距離は、第三および第四のつづら折り部K3、K4における直交軸β側での折り返し位置から直交軸βまでの距離と同一に設定される。また、第一結合部S1と第二結合部S2の直交軸βに平行な成分間、第二結合部S2の直交軸βに平行な成分と第三結合部S3の直交軸βに平行な成分間、第三結合部S3の直交軸βに平行な成分と第四結合部S4の直交軸βに平行な成分間、四結合部S4の直交軸βに平行な成分と第五結合部S5間の間隔はいずれも等しく設定される。本実施形態では、該間隔を6μmに設定する。
また、各つづら折り部K1〜K4において、ミラー面11側あるいはフレーム12側での各折り返し位置から直交軸βまでの距離は全て同一に設定される。
つまり、以上説明した構成の第一のヒンジ構造12Xは、図4に示すように、中心Pに対して点対称な形状になっている。このような設計にすることにより、第一ヒンジ構造12Xを、大きな振れ角を保証しつつも強度ある構成にすることができる。
以上が、第一ヒンジ構造12Xの説明である。なお、第二ヒンジ構造12Yも上述した第一ヒンジ構造12Xと同一構成である。但し、各中央部B1、B2がY軸に沿って配設される点や、平行部hがY軸に平行である点が主として異なる。
また、外枠13の周縁領域近傍において、下部基板3に対向する面には、ミラー面がある中央領域に比べて所定高さ分だけ突出する凸部(図6参照)が設けられている。凸部は、ミラー層1と下部基板3との間に所定のスペース(以下、下部スペースという)を確保するために設けられている。
上記構成のミラー層1は、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングや各種ウェットエッチング等を用いてSOI(Silicon On Insulator)ウエハを加工することにより製造される。SOIウエハは、アクティブ又はデバイスレイヤ(Si)、ボックスレイヤ(SiO2)及びハンドルレイヤ(Si)の3層構造で構成されたものである。また、ミラー面11に、RIE法を用いて図3のように加工されたアクティブレイヤの表面にAlや金等の金属膜や誘電体多層膜を蒸着することにより高反射率のミラーが得られる。
次に図5を参照しつつ、上部基板2の説明をする。図5(A)は、図2に示す上部基板2のA−A線(つまりx方向に沿う対角線)での断面図である。図5(B)は、上部基板2をミラー層1側から見た図、図5(C)は、上部基板2を光が入射する側からみた図である。
上部基板2は、外部から導かれた光がミラー面11に入射するような、透過性あるガラス基板2aを加工している。そして、図5(A)、(B)に示すように、上部基板2において、ミラー層3に対向する平面2bには、第一〜第四までの駆動電極T1〜T4が設けられている。各駆動電極T1〜T4は、ミラー面への光の入射を妨げないように、ITO膜のような透明電極として形成されている。各駆動電極T1〜T4はどれも同一サイズの扇形形状として形成されている。より具体的には、第一駆動電極T1と第二駆動電極T2は、上部基板2の中心C2を通りy方向に延出する境界(ミラー層1におけるY軸に相当)に対して対称な配置関係にある。第三駆動電極T3と第四駆動電極T4は、該中心C2を通りx方向に延出する境界(ミラー層1におけるX軸に相当)に対して対称な配置関係にある。さらに、図5(A)(C)に示すように、上部基板2において、ミラー層1に対向する面の反対側の面2cには、マイクロミラー装置10外部から送られた電圧を各駆動電極T1〜T4に印加するための配線電極板t1〜t4が設けられる。
また、ガラス基板2aは、各配線電極板t1〜t4と各駆動電極部T1〜T4を導通させるための導電部2dを有する。導電部2dは、サンドブラスト加工法等によりガラス基板2aに貫通孔を設け、該貫通孔に導電性材料を充填することにより形成される。なお、サンドブラスト加工法を用いて導電部2d(貫通孔)を形成するというのは、あくまで一例である。つまり該サンドブラスト加工法以外の加工法を採用して導電部2d(貫通孔)を形成することも可能である。以上の構成により、マイクロミラー装置10外部から送られた電圧は、導電部2dを介して、各駆動電極T1〜T4に印加される。
本実施形態の下部基板3は、上述した上部基板2と同一のものを使用する。ここで、上部基板2と下部基板3を共通化させることにより、コスト削減および組み立て作業の効率化が達成される。また、これにより、ミラー層1を挟んで対峙する各電極のうち、X軸またはY軸を基準とした対角に位置する電極はどれも、ミラー層1の中心C1に対して互いに対称な関係にある。従って、どの電極に所定の電圧を印加しても、略同一の静電力を発生させることができる。
スペーサ4は、上部基板2とミラー層1の間に所定のスペース(以下、上部スペースという)を確保するために設けられている。詳しくは、スペーサ4は、シリコン製であり、ミラー層1における凸部と略同一の高さに設計される。つまり、本実施形態のマイクロミラー装置10において、スペーサ4により確保される上部スペースと、凸部により確保される下部スペースは略同一高さを有する。従って、各電極に電圧を印加することによりミラー面に与えられる静電引力は、どれも略等しい。よって、バイアス電圧を印加していても、ミラー面11が位置ずれを起こすことは無い。
各部材1〜4を積層するにあたっては、様々な周知の接合方法が例示される。本実施形態では、陽極接合を用いて各部材を接合している。但し、スペーサ4とミラー層1は、互いにシリコン製であるため、直接陽極接合はできない。そこで、本実施形態では、スペーサ4とミラー層1間に薄いガラス層を敷き、該ガラス層を介して両者を陽極接合する。なお、該ガラス層は、各部材1〜4に比べて遙かに薄い。そのため、該ガラス層によって生じる上部スペースの高さ誤差は実使用上何ら影響を与えない。
なお、マイクロミラー装置10の製造の最終工程において、各部材1〜4を真空パッケージングする場合には、パイレックス(登録商標)ガラス製のスペーサ4を用いることが好ましい。また、陽極接合ができない箇所はポリイミド系接着剤(例えば、フォトニース(登録商標))を使用して接合することもできる。
以上のように構成されたマイクロミラー装置10の駆動原理について図6を参照しつつ説明する。図6(A)は、駆動電極に電圧を印加する前のマイクロミラー装置10の状態を、図6(B)は、駆動電極に電圧を印加した時のマイクロミラー装置10の状態を、それぞれ示す。なお、図6(A)、(B)において、上部基板2に設けられた各駆動電極と下部基板3に設けられた各駆動電極を区別するため、便宜上、前者を上部駆動電極T1u〜T4u、後者を下部駆動電極T1d〜T4dと記す。
ミラー面11をY軸周りに回動する場合、図6(A)に示すように、下部駆動電極T1dおよび上部駆動電極T2uに所定の電圧(+V)を印加する。電圧を印加すると、ミラー面11と各電極T1d、T2u間に静電引力が発生して、図6(A)中塗りつぶし矢印で示すように、互いに引きつけ合う。その結果、一対の第二ヒンジ構造12Y(図2参照)を軸にして、ミラー面11およびフレーム12が回動する(図6(B))。なお、Y軸周りにおいて上記(図6(B))とは逆方向にミラー面を回動させる場合には、下部駆動電極T2dおよび上部駆動電極T1uに所定の電圧を印加すればよい。
以上のように、本実施形態のマイクロミラー装置10は、Y軸周りに対角に位置する各電極T1d、T2u、あるいは一対の電極T2d、T1uに、同時にかつ同量の電圧を印加することにより、ミラー面11(およびフレーム12)をY軸周りに回動させる。これにより発生した静電力は、図6(B)中塗りつぶし矢印で示すように、ミラー面に対して略純粋な曲げモーメントとして付与される。従って、従来の構成に比べて、ミラー回動にあたり、第二ヒンジ構造12Yやミラー面11に与える負荷を低減することができる。
また、上部基板2と下部基板3の双方に電極を配設することにより、ミラー回動時に使用される電極の面積を大きく取ることができる。加えて、ミラー層1の凸部とスペーサ4によって十分なスペース(上部スペース、下部スペース)が確保されている。従って、本実施形態のマイクロミラー装置10によれば、電極一つあたりに印加する電圧を小さく抑えても大きな傾き角が保証される。
以上が、マイクロミラー装置10の駆動原理の説明である。なお、上記では、ミラー面11をY軸周りに回動させる時の説明のみしたが、X軸ヒンジ構造周りにミラー面11を回動させる場合も同様の原理によって実行される。但し、主として以下の点がY軸周りに回動させる時とは異なる。すなわち、X軸周りに回動させる場合、電圧は、X軸を基準にして対角に位置する一対の上部駆動電極T3uと下部駆動電極T4d、あるいは上部駆動電極T4uと下部駆動電極T3dに印加される。また、第一ヒンジ構造12Xが支軸となるため、フレーム12は回動しない。
次に、本実施形態のヒンジ構造12X、12Yを用いたマイクロミラー装置10と、線状体をつづら折り状にした比較例としてのヒンジ構造を用いたマイクロミラー装置との性能について比較する。比較に際して、各性能は、有限要素法を用いた演算によって求めている。一般的に、ヒンジ構造(および該ヒンジ構造を備えるマイクロミラー装置)設計時には、主として、ミラー面を傾けた時におけるヒンジ構造の耐久性と柔軟性、バイアス電圧を含む電圧印加時における電極方向へのたわみ具合、回動軸ごとの共振周波数の関係、の四つの性能を良好にできるように設計する。
なお、上記のように上下二つの基板2、3によってミラー層1を挟み込むマイクロミラー装置10の場合、ヒンジ構造自体の性能のみならず該装置10の上記構造によっても、上記4つの性能を高めている。但し、本実施形態のヒンジ構造は、上記構成のようなマイクロミラー装置10のみに搭載されるものではない。本実施形態のヒンジ構造は、従来存するような、ミラー層と電極を持つ一つの基板とから構成されるマイクロミラー装置にも、好適に使用可能である。そこで、本実施形態のヒンジ構造自体の性能の高さを明示するため、以下の比較においては、本実施形態のヒンジ構造および比較例のヒンジ構造のいずれもミラー層と電極を持つ一つの基板とから構成される周知のマイクロミラー装置に使用した場合を想定する。以下、本発明と比較例との比較を上述した性能ごとに説明する。
(ミラー面を傾けた時におけるヒンジ構造の耐久性)
ヒンジ構造の耐久性は、電極方向へのたわみ量が最小になるように最適化して設計した本実施形態のヒンジ構造と比較例のヒンジ構造を用いて比較検討する。図7(A)は、最適化された本実施形態のヒンジ構造の寸法(縦(y方向):147μm、横(x方向):148μm)を、図7(B)は最適化された比較例のヒンジ構造の寸法(縦:523μm、横:280μm)をそれぞれ示す。図7(A)、(B)に示すように、電極方向へのたわみ量が略同一になるように最適化して設計すると、本実施形態のヒンジ構造はかなり小型化されているのに対し、比較例のヒンジ構造は大きく設計されている。なお、各図とも円形のミラー面MRは径φが500μmに設計されている。また説明の便宜上、図7(A)、(B)において、ヒンジ構造は一軸についてのみ示す。
回動軸周りにミラー面を7.5度傾けた場合、図7(A)に示す本実施形態のヒンジ構造の最大内部応力は38MPa、図7(B)に示す比較例のヒンジ構造の最大内部応力は33MPaと検出された。このように内部応力に着目すると、比較例の方がミラー面を傾けた時にヒンジ構造に与えられる負荷が小さいように思われる。しかし、本実施形態のヒンジ構造では内部応力がヒンジ構造の略全域で略均等に発生しているのに対し、比較例の場合、回動面(ミラー面MR)または非回動面とヒンジ構造自体を結合する各中央部CLに集中して内部応力が発生しているため、破損しやすい状態にある。つまり、耐久性は本実施形態のヒンジ構造の方が高い。
なお、本発明は、さらに上記実施形態のように各種エッチングによってヒンジ構造を製造した場合、エッチング時において各つづら折り部K1〜K4の折り曲げ部や各部分の結合部はあたかも面取されたのと同一の状態になる。このように面取された状態であれば、折り曲げ部に応力が集中することもなく、耐久性も向上する。
(ミラー面を傾けた時におけるヒンジ構造の柔軟性)
図8は、図7(A)に示す本実施形態のヒンジ構造使用時と図7(B)に示す形状であって本実施形態のヒンジ構造と同一寸法の比較例に係るヒンジ構造使用時におけるミラー面MRの回転角と駆動電圧との関係を表すグラフである。図8において、横軸が駆動電圧(単位:V)、縦軸がミラー面MRの回転角(単位:°)を表す。また、図8中実線が本実施形態のヒンジ構造使用時の特性を、破線が比較例のヒンジ構造使用時の特性を、それぞれ表す。線種の別は図9でも同様である。図8に示すように、本実施形態のヒンジ構造使用時の方が比較例のヒンジ構造使用時にくらべて、所定の電圧印加時に得られる回転角が遙かに大きい。図8に示すグラフに基づいて1Vあたりの回転角を算出すると、本発明が約0.04°/V、比較例が約0.007°/Vである。
また、図9は、本実施形態のヒンジ構造と比較例のヒンジ構造を同一寸法で構成した場合のねじれ角(つまりミラー面の回転角。単位:°)とトルク(単位:μN・μm)との関係を表すグラフである。図9に示すように、本実施形態のヒンジ構造の方が比較例のヒンジ構造に比べて、少ないトルクで所定のねじれ角を得ることができる。図9に示すグラフに基づいてバネ定数を算出すると、本発明が約46μN・μm/°、比較例が約242μN・μm/°となり、約5倍の差が生じている。以上の二つの特性(図8、図9)より、本実施形態のヒンジ構造は、比較例のヒンジ構造に比べて非常に柔軟性に富んでいることが分かる。
(バイアス電圧を含む電圧印加時における電極方向へのたわみ具合)
次いで、図10を参照しつつ、本実施形態および比較例のヒンジ構造における電極方向へのたわみ具合について比較検討する。図10は、ヒンジ構造に対する電極方向への作用力と該ヒンジ構造の電極方向への変位量との関係を表すグラフである。図10において横軸が作用力(単位:μN)を、縦軸が変位量(単位:μm)を示す。また、図10において、実線が図7(A)に示す本実施形態のヒンジ構造使用時を、破線が図7(B)に示す比較例のヒンジ構造使用時を、一点鎖線が縦横比を約1対1で最適化(縦:359μm、横:360μm)した他の比較例のヒンジ構造使用時を、それぞれ示す。
図10に示すグラフに基づいて1m変位させるために必要な作用力を算出すると、本実施形態が1.018N/m、図7(B)に示す比較例が0.042N/m、他の比較例が0.034N/mとなる。このように、本実施形態のヒンジ構造は、電極方向に変位するためには大きな作用力が要求される。つまり、本実施形態は、各比較例に比べて、電極方向へのたわみ具合が小さいことが分かる。
なお、図11は、本実施形態、参考例1、参考例2の各ヒンジ構造における電極方向へのたわみ具合について示すグラフである。参考例1は、本実施形態のヒンジ構造における縦の寸法(147μm)を採用しつつ、所定のねじれを得るために本実施形態のヒンジ構造と同一のトルクを必要とするヒンジ構造(横:676μm、折り返し回数35回)を想定する。参考例2は、本実施形態のヒンジ構造における横の寸法(148μm)を採用しつつ、所定のねじれを得るために本実施形態のヒンジ構造と同一のトルクを必要とするヒンジ構造(縦:1228μm、折り返し回数10回)を想定する。図11において、本実施形態のヒンジ構造の特性は実線で、参考例1のヒンジ構造の特性は破線で、参考例2のヒンジ構造の特性は一点鎖線で、それぞれ示す。
図11に示すグラフに基づいて1m変位させるために必要な作用力を算出すると、参考例1が0.014N/m、比較例2が0.018N/mとなる。このように、本実施形態のヒンジ構造は、電極方向に変位するためには大きな作用力が要求される。つまり、本実施形態は、各参考例に比べて、電極方向へのたわみ具合が小さいことが分かる。
なお、図10や図11では、あくまで計算結果として50μm以上の変位量についてもグラフ上で表している。しかし、実際のマイクロミラー装置において、電極方向へ約30μm以上の変位が起きた場合、いわゆるプルイン現象やヒンジ構造の破壊といった不具合が生じるおそれが極めて高くなる。従って、図7(B)に示す比較例や各参考例等は、あまりに変位量が大きいため、実用的ではない。これに対し、本実施形態のヒンジ構造は、このような不具合も有効に回避できる優れた性能を備えるといえる。
(回動軸ごとの共振周波数の関係)
図12は、本実施形態のヒンジ構造の周波数特性を表すグラフである。図13は、図7(B)に示す比較例の周波数特性を表すグラフである。各図(A)中、実線がX軸に対する回動に関する周波数特性を、破線がY軸に対する回動に関する周波数特性を、一点鎖線がX軸とY軸双方に直交するZ軸に対する回動に関する周波数特性を、それぞれ表す。また、各図(B)中、実線がx方向のゆれに関する周波数特性を、破線がy方向のゆれに関する周波数特性を、一点鎖線がz方向のゆれに関する周波数特性を、それぞれ表す。なお、各図において、横軸が周波数(Hz)、縦軸が利得、すなわち各図(A)であれば角度(rad)、各図(B)であれば長さ(m)を表す。
図13に示すように、比較例のヒンジ構造は、X〜Z軸回動に関する各周波数特性およびx〜z方向のゆれに関する周波数特性(特に、y方向とz方向)の最も共振しやすい帯域が集中していることがわかる。つまり、比較例のヒンジ構造を使用すると、ミラー面MRをX軸やY軸周りに回動しようとする場合、他の軸の回動や、x〜zの各方向へのゆれも併せて発生しやすい状態にある。特に、精細かつ微少な駆動が要求されるマイクロミラー装置では、特定の軸に対する回動時、該特定の軸回動に関する最も共振しやすい帯域よりも、すこしずらした帯域で駆動制御することが多い。従って、比較例のヒンジ構造を使用すると、非常に不安定な駆動制御となってしまい、高精細なミラー回動制御が困難である。
これに対し、本実施形態のヒンジ構造は、図12に示すように、X〜Z軸回動に関する各周波数特性およびx〜z方向のゆれに関する周波数特性(特に、y方向とz方向)の最も共振しやすい帯域が図13に示すグラフよりも分散されていることがわかる。従って、比較例のヒンジ構造使用時のような問題は生じない。つまり、本実施形態のヒンジ構造を使用した場合、安定かつ高精細なミラー回動制御が実現される。
以上の比較検討の結果、本実施形態のヒンジ構造12X、12Yは、従来用いられていた構成に比べて、小型でありながらも高いバネ性能を持っていることが分かる。従って、ミラー層においてヒンジ構造が占める面積割合も小さくてすむ。つまり、本実施形態のヒンジ構造を採用すると、ミラー層全体としての強度が保証され、またマイクロミラー装置全体としての長寿命化も達成される。
以上が本発明の実施形態の説明である。なお、本発明に係るヒンジ構造は、上記実施形態に示す構成に限定されるものではない。例えば、上記実施形態のヒンジ構造は、静電容量型のマイクロミラー装置に用いたと説明した。ここで、本発明に係るヒンジ構造が用いられるマイクロミラー装置は必ずしも静電駆動方式に限定されることなく、電磁駆動方式やピエゾ駆動方式のものであってもよい。
なお、各つづら折り部の折り返し回数は、ヒンジ構造に付与する柔軟性と該ヒンジ構造全体の寸法とのバランスによって決定するのがよい。例えば、上記実施形態のヒンジ構造と同一のバネ性能を持たせるために、該ヒンジ構造における各つづら折り部の折り返し回数よりも複数回多くするとともに横寸法(平行部hの長さ)を短く設定することも可能である。
本発明の実施形態のヒンジ構造を備えたマイクロミラー装置の概略構成を示す図である。 実施形態のマイクロミラー装置を構成部材毎に分解して示す図である。 ミラー層を拡大して示す図である。 実施形態のヒンジ構造の概略を示す拡大図である。 上部基板のA−A線での断面図、光が入射する側からみた図、ミラー層側から見た図である。 マイクロミラー装置の駆動原理について説明するための図である。 電極方向へのたわみ量が最小になるように最適化して設計した本実施形態のヒンジ構造と比較例のヒンジ構造を示す図である。 ミラー面を傾けた時における回転角と駆動電圧との関係を表すグラフである。 本実施形態のヒンジ構造と比較例のヒンジ構造を同一寸法で構成した場合のねじれ角とトルクとの関係を表すグラフである。 ヒンジ構造に対する電極方向への作用力と該ヒンジ構造の電極方向への変位量との関係を表すグラフである。 本実施形態、参考例1、参考例2の各ヒンジ構造における電極方向へのたわみ具合について示すグラフである。 本実施形態のヒンジ構造の周波数特性を表すグラフである。 比較例のヒンジ構造の周波数特性を表すグラフである。
符号の説明
1 ミラー層
2 上部基板
3 下部基板
4 スペーサ
11 ミラー面
12 フレーム
12X、12Y ヒンジ構造
B1、B2 中央部
K1〜K4 つづら折り部
S1〜S5 結合部
T1〜T4 駆動電極

Claims (11)

  1. マイクロミラー装置における、少なくとも一つの回動軸周りに回動自在に構成された回動面と前記回動軸周りに非回動である非回動面との間に配設されるヒンジ構造であって、
    一本の線状体から構成され、前記一本の線状体は、
    一端が前記回動面に結合され、回動軸上を前記ヒンジ構造の中心に向かって延出する第一中央部と、
    一端が前記非回動面に結合され、回動軸上を前記中心に向かって延出する第二中央部と、
    前記中心を通り該回動軸と直交する直交軸よりも前記回動面側にあって、前記第一中央部と平行な平行部が複数形成されるように連続して折り返される第一のつづら折り部と、
    回動軸を基準として前記第一のつづら折り部と線対称な形状を持つ第二のつづら折り部と、
    直交軸を基準として前記第一のつづら折り部と線対称な形状を持つ第三のつづら折り部と、
    直交軸を基準として前記第二のつづら折り部と線対称な形状を持つ第四のつづら折り部と、
    前記第一中央部の他端と、前記第一のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部間を結合する線分状の第一の結合部と、
    前記第一のつづら折り部における最も前記回動軸から離れた平行部の端部と、前記第二のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部間を結合するコの字状の第二の結合部と、
    線分状領域および該線分状領域の各端から互いに逆方向へ延出する一対の延出領域からなる形状を有し、前記第二のつづら折り部における最も前記回動軸から離れた平行部の端部と、前記第三のつづら折り部における最も前記回動軸から離れた平行部の端部間を結合する第三の結合部と、
    前記第三のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部と、前記第四のつづら折り部における最も前記回動軸から離れた平行部の端部間を結合するコの字状の第四の結合部と、
    前記第二中央部の他端と、前記第四のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部の端部間を結合する線分状の第五の結合部と、から構成されていることを特徴とするヒンジ構造。
  2. 前記ヒンジ構造の中心に対して点対称であることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のヒンジ構造において、
    前記第一から第四のつづら折り部は、略直角に折り返されていることを特徴とするヒンジ構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のヒンジ構造において、
    前記第三の結合部は、
    前記線分状領域が前記直交軸上にあり、前記一対の延出領域が前記回動軸に沿って延出していることを特徴とするヒンジ構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のヒンジ構造において、
    各つづら折り部における折り返し位置および各結合部における結合位置は、面取されていることを特徴とするヒンジ構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のヒンジ構造において、
    各つづら折り部における平行部は、いずれも同一長さであることを特徴とするヒンジ構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のヒンジ構造において、
    前記線状体の幅W(単位:μm)が以下の条件(1)、
    2≦W≦4・・・(1)
    を満たすことを特徴とするヒンジ構造。
  8. 請求項1から請求項7いずれかに記載のヒンジ構造において、
    前記線状体の厚みT(単位:μm)が以下の条件(2)、
    7≦T≦13・・・(2)
    を満たすことを特徴とするヒンジ構造。
  9. 請求項1または請求項8に記載のヒンジ構造において、
    前記第一と第二のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部と第一の中央部間の間隔、前記第三と第四のつづら折り部における最も回動軸側に位置する平行部と第二の中央部間の間隔、および各つづら折り部における複数の平行部間の間隔は、略同一であることを特徴とするヒンジ構造。
  10. 請求項9に記載のヒンジ構造において、
    前記各間隔をs(単位:μm)とすると、以下の条件(3)、
    4≦s≦8・・・(3)
    を満たすことを特徴とするヒンジ構造。
  11. 全体としての形状が略正方形であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のヒンジ構造。
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