JP4480327B2 - ガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタ - Google Patents

ガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
公知のように、ガスタービンは、圧縮機及び1つ又はそれ以上の段を備えるタービンからなる機械であり、その中では、これらの構成部品が回転シャフトにより相互接続され、また燃焼室が圧縮機とタービンの間に設けられている。
【0003】
外部環境からの空気が圧縮機に供給されて、そこで空気は加圧される。
【0004】
加圧された空気は、ノズル又は収束部分でその各々が終わる一連の予混合チャンバを通って流れ、インジェクタがこれらのチャンバの各々に燃料を供給し、この燃料が、空気と混合されて燃焼用の燃料空気混合気を形成する。
【0005】
燃焼に必要とされる燃料は、ガスの温度及びエンタルピーの増大を生じるように設計されるが、加圧回路から供給されて1つ又はそれ以上のバーナにより燃焼室内に導入される。
【0006】
また、一般的にはガス燃料が用いられる、バーナの出口付近にパイロットフレームを生成するための並列燃料供給システムが、フレームの安定特性を向上させるために一般的に設けられる。
【0007】
次いで、高温かつ高圧のガスが、適当なダクトを通してタービンの様々な段に到達するように流され、これらタービンの様々な段が、ガスのエンタルピーをユーザが利用できる機械的エネルギーに変換する。
【0008】
公知のバーナ装置は、収束するケーシングの内部に収納されたインジェクタがその内部にある複雑な構造を有する。
【0009】
離れたリザーバから延びる液体燃料供給管路に明らかに接続されているインジェクタは、一般的に円筒形部分及び尖った末端部分を備える本体を有する。
【0010】
公知の形式のガスタービンのバーナ用の液体燃料インジェクタは、燃料を通すための流路を有し、同時にタービン圧縮機からの空気を噴射するための流路を有する。
【0011】
燃料流路及び加圧空気流路は共に、インジェクタを流出する空気が、燃料を気化して燃焼特性を改善するのに用いられるようにされた適当な出口孔で終わる。
【0012】
ガスタービン用の燃焼室の設計において考慮すべき主な点は、フレーム安定性及び過剰空気の制御であり、目標は燃焼にとって理想的な状態を確立することであることはよく知られている。
【0013】
ガスタービンの燃焼室の設計に影響を及ぼす第2の要因は、燃焼室のドームにできるだけ近接して燃焼を起こさせるようにすることである。
【0014】
バーナの技術分野で特に重要な他の問題には、用いられる燃料の異なる特性に応じて液体燃料の最適な霧化と適当な混合を達成することの必要性が含まれる。
【特許文献1】
米国特許第5782626号
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
結局、予混合区域内において関連する流体の最適な渦流状態を達成して、燃焼副産物、特に窒素酸化物のような汚染物質の排出を減少させることが望ましい。
【0016】
従って、本発明の目的は、前述のガスタービンのバーナ用の液体燃料インジェクタを、汚染物質の排出が最小限になるように改良することであるが、これは、すぐ後に述べる必要条件のような満足できる燃焼のための他の必要条件を考慮に入れてのことである。
【0017】
従って、本発明の別の目的は、同時に高いフレーム安定性を得られるガスタービンのバーナ用の液体燃料インジェクタを提供することでなければならない。
【0018】
本発明の目的はまた、燃焼室内の圧力振動を減少させるガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタを提供することを含む。
【0019】
本発明の更に別の目的は、高い燃焼効率を生じるガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタを提供することである。
【0020】
本発明の更に別の目的は、高温に曝される構成部品の平均寿命を増すことを可能にするガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタを提供することである。
【0021】
本発明の更に別の目的は、極めて簡単でコンパクトな構造を有するが最適の流体動特性を維持する、汚染物質の排出が少ないガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタを提供することである。
【0022】
最後に、本発明の別の目的は、機械の作動における優れた信頼性があり、数少ない構成部品からなるので低コストで作製することができ、このことがまた分解及び保守を容易にするガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明のこれらの及び他の目的は、請求項1に記載されるようなガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタを製作することにより達成される。
【0024】
更なる特徴は、その後の請求項において特定される。
【0025】
本発明によるガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタの特徴及び利点は、例示としてなされる以下の説明により、一層明確になるであろう。
【0026】
【発明の実施の形態】
図を参照すると、全体を符号10で示したガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタが、示されている。
【0027】
インジェクタ10は、切頭円錐形状のインジェクタ頭部12を有し、その小さい方の基部に液体燃料を通すための孔14を有し、またそれを通して液体燃料が供給されるチューブ16に接続されたその反対側の基部を有する。
【0028】
渦流要素、すなわち「スワーラ」18が、チューブ16の最初の部分とインジェクタ頭部12との間に設けられる。
【0029】
この要素18は、チューブ16と頭部12との間に燃料を通すための中央接続ダクト20を含む。
【0030】
頭部12は、例えば螺合により要素18に接続される。若しくは、要素18は、チューブ16に突合せ溶接することができる。
【0031】
軸方向に延びるほぼ螺旋状の翼配列22が、この中央ダクト20の外側に設けられる。
【0032】
外側チューブ24が、チューブ16の周りに配置されて、圧縮機(図示せず)により供給される加圧空気がその中を流れる環状空洞26を形成する。
【0033】
チューブ16の外面と外側チューブ24の内面との間で半径方向に延びる付加部材のような心出し手段25が、チューブ16と外側チューブ24との間に間隔を設けるために用いられる。
【0034】
例えば螺合により外側チューブ24に接続された、キャップ28のような被覆部材が、頭部12及び渦流要素18の周りに設けられる。
【0035】
従って、キャップ28は、すぐ上で説明した環状空洞26の延長部分を形成する空洞32を構成する。
【0036】
外側チューブ24から反対側の端部において、キャップ28は、インジェクタ頭部12を取り囲んでいるが、開口30が、該頭部12の孔14の前面に設けられている。
【0037】
キャップ28は、頭部12の周りで切頭円錐形状の区域において先細に傾斜し、従って該キャップ28の開口30に向かって収束する空洞34を形成する。
【0038】
それに代えて、渦流要素18は、チューブ16の最初の部分にほぼ螺旋状の軸方向に延びる翼配列を設けることにより作られることができ、この翼配列は先に説明した渦流要素18の翼配列22に類似している。
【0039】
本発明によるガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタ10の作動は、図を参照してなされた上記の説明から明らかであり、要約すると次の通りである。
【0040】
液体燃料は、バーナのメーンフレームを供給するように、離れたリザーバからチューブ16を通してインジェクタ頭部12に供給される。
【0041】
インジェクタ頭部12により噴射される液体燃料は、外側チューブ24の環状空洞26を通り、キャップ28の空洞32を通り、そして最後に収束する、従って空気を加速する空洞24から出る空気の流入により霧化される。
【0042】
液体燃料に到達する前に、この空気は、該空気がインジェクタ頭部12に到達する前に要素18の翼配列22に遭遇するので、翼配列22により渦流を与えられる。
【0043】
従って、液体燃料は、キャップ28の開口30を流出するときに適切に霧化された円錐形噴流に形成される。
【0044】
上述の説明は、本発明の目的であるガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタの特徴を明確に示しており、また対応する利点を明確にしている。それらの利点には、以下のことが含まれる。
・汚染物質を含む燃焼エミッションのレベルの低下。
・燃焼室内の圧力振動の減少及び良好なフレーム安定性。
・高い燃焼効率。
・極めてコンパクトであること。
・その後の保守において、組立て及び分解が容易であること。
【0045】
終わりに、このように設計された、ガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタは、本発明の技術的範囲内の数多くの方法で修正し又変更することができることが明らかである。
【0046】
更に、全ての構成部品は、技術的に同等の要素と置き換えることが可能である。
【0047】
実施において、形状及び寸法だけでなく使用される材料も、その時々に生じる可能性がある技術的要求に応じて自由に変えることができる。
【0048】
従って、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲により限界が定められる。
【0049】
特許請求の範囲内に示される参照符号は、本発明の技術的範囲を狭めるのではなくそれらを容易に理解するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるガスタービンのバーナ用の液体燃料インジェクタの部分断面側面図。
【図2】 一部を分解した、図1のインジェクタの斜視図。
【符号の説明】
10 液体燃料インジェクタ
12 インジェクタ頭部
14 孔
16 チューブ
18 渦流要素
20 中央接続ダクト
22 翼配列
24 外側チューブ
25 心出し手段
26 環状空洞
28 被覆部材
30 開口
32 空洞
34 収束する空洞

Claims (9)

  1. 液体燃料をインジェクタ頭部(12)に供給するチューブ(16)と、該チューブ(16)の周りに設けられて加圧空気が供給される環状空洞(26)を形成する外側チューブ(24)と、前記頭部(12)の周りに設けられて空洞(32)を形成する被覆部材(28)とを備える形式の、ガスタービンのバーナ用の改良された液体燃料インジェクタ(10)であって、
    翼配列(22)を備える渦流要素(18)が前記頭部(12)の手前に設けられ、
    前記渦流要素(18)は、前記チューブ(16)前記インジェクタ頭部(12)との間に設けられており、
    前記頭部(12)は、螺合により前記渦流要素(18)に接続され、
    該渦流要素(18)は、前記チューブ(16)と前記頭部(12)との間に前記燃料を通すための中央接続ダクト(20)を備え、該中央接続ダクト(20)は前記チューブ(16)に突合せ溶接されている
    ことを特徴とするインジェクタ(10)。
  2. 前記翼配列(22)は、軸方向に延びていることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクタ(10)。
  3. 前記インジェクタ頭部(12)は、切頭円錐形状をしており、その小さい方の基部に前記液体燃料を通すための孔(14)を有し、その反対側の基部は前記チューブ(16)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクタ(10)。
  4. 螺旋状の翼配列(22)が、前記中央ダクト(20)の外側に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクタ(10)。
  5. 心出し手段(25)が、前記チューブ(16)を前記外側チューブ(24)から間隔を置いて配置するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクタ(10)。
  6. 前記心出し手段は、前記チューブ(16)の外面と前記外側チューブ(24)の内面との間で半径方向に延びる付加部材(25)を含むことを特徴とする、請求項5に記載のインジェクタ(10)。
  7. 前記被覆部材は、螺合により前記外側チューブ(24)に接続されたキャップ(28)であることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクタ(10)。
  8. 前記被覆部材(28)は、前記外側チューブ(24)から反対側の端部において前記インジェクタ頭部(12)を取り囲んでいるが、開口(30)が該頭部(12)の前記孔(14)の前面に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクタ(10)。
  9. 前記被覆部材(28)は、前記インジェクタ頭部(12)の前記切頭円錐形状の区域の周りで先細に傾斜し、前記開口(30)に向かって収束する空洞(34)を形成していることを特徴とする、請求項8に記載のインジェクタ(10)。
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