JP4479746B2 - 乳化組成物の評価方法 - Google Patents
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Description
一方、ショ糖脂肪酸エステルの中でジエステル体のみクローズアップされ、ジエステル純度が高いショ糖脂肪酸エステルを利用した機能向上及び用途開発の試みがいくつか報告されている[特許文献9(特開平5−1090号公報)、特許文献1(特開平5−246821号公報)等]。しかし、安全で分散性が高く、乳化安定化効果の優れた乳化剤を得るためには、不十分であった。
すなわち、本発明により、下記(1)〜(5)の乳化組成物の評価方法が提供される。
(1)乳化組成物を水面上に展開し、外側から圧縮させた時に得られるπ−A等温線で、固体膜が崩壊する時の表面圧値で表される乳化組成物の崩壊圧を測定し、その測定値に基づいて乳化組成物の乳化性能を判定することを特徴とする乳化組成物の評価方法。
(2)崩壊圧が50〜58mN/mの範囲内である場合に、乳化組成物が好ましい乳化性能を有していると判定することを特徴とする上記(1)に記載の評価方法。
(3)更に、乳化組成物を水面上に展開し、外側から圧縮させた時に得られるπ−A等温線で、固体膜を示す範囲をπ=0に外挿した時の面積値で表される乳化組成物の分子占有面積を崩壊圧と同時に測定し、それらの測定値に基づいて乳化組成物の乳化性能を判定することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の評価方法。
(4)崩壊圧が50〜51mN/m、かつ分子占有面積が1.25〜1.35nm2/molである場合に、乳化組成物が好ましい乳化性能を有していると判定することを特徴とする上記(3)に記載の評価方法。
(5)崩壊圧が55〜58mN/m、かつ分子占有面積が0.87〜1.00nm2/molである場合に、乳化組成物が好ましい乳化性能を有していると判定することを特徴とする上記(3)に記載の評価方法。
また、本発明の評価方法を用いて選抜された乳化物は、安全性が高く、穏やかで、乳化安定性に優れ、食品、化粧品等に好適に用いられる。
本発明で用いられるショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数12〜22、好ましくは12〜18、より好ましくは16〜18の脂肪酸が用いられる。脂肪酸鎖長がこの範囲よりも短かすぎると親油性部分の油への親和性が弱いため乳化安定性が悪くなり、しかも乳化時に著しい発泡が起きることがあり好ましくない。また脂肪酸鎖長がこの範囲より長くても乳化剤自体の結晶性が高すぎ、親油性部分が油へ親和しにくくなり、短かすぎる場合と同様に乳化安定性が悪くなる。しかも原料の入手が困難なため好ましくない。
本発明においては、ショ糖脂肪酸エステルの内、トリエステル含量が30重量%以上であり、好ましくは50重量%以上である。トリエステル含量が30重量%以下であると、崩壊圧が低くなり、分子占有面積が大きくなる。すなわち乳化した後の粘度が低くなり、乳化した後の保存安定性が悪くなるので好ましくない。
純度80モル%以上の脂肪酸乳酸エステルまたはその塩を得るための方法は特には限定されず、いかなる手法でもよい。例としては、公知の製造法による反応物をなんらかの手段により精製する方法があげられる。
本発明においては、かかるショ糖脂肪酸エステルおよびイオン性界面活性剤を任意の割合で混合して、乳化組成物を得る。好ましくは、ショ糖脂肪酸エステル70〜99.95重量%に対し、イオン性界面活性剤0.05〜30重量%である。
また本発明の他の好ましい乳化組成物は、ショ糖脂肪酸エステルのモル平均エステル化度が2.42〜2.72であり、それを用いた乳化組成物の崩壊圧が55〜58mN/m、および1分子当たりの界面活性剤の親水部の面積を表す分子占有面積が、0.87〜1.00nm2/molである。
次に本乳化組成物を用いた乳化物について説明する。乳化の形態(水中油型、多重乳化、マイクロエマルション等)は適宜選択されるが、本乳化組成物は特に水中油型の乳化物に好適である。
油性成分としては、特に制限はなく、動植物由来油脂類、鉱物由来の油脂類、化学合成品が含まれる。具体的には大豆油、綿実油、菜種油、パーム油、ヤシ油、ゴマ油、ヒマシ油、カカオ脂、サフラワー油、オリーブ油、牛脂、豚脂、魚油、鯨油、バター脂、およびそれらの水素添加物やエステル交換油等の加工油脂、さらに木ロウ、みつロウ、羊ロウ等のワックス類、ラノリン、およびコレステロール等のステロール類、流動パラフィン等のパラフィン類、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコール等の高級脂肪族アルコール、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、コレステロールイソステアレート等のエステル類があげられる。これらの油性成分には更に酸化防止剤、油溶性薬剤等を配合することができる。また、油性成分は単独でも適宜混合してもよい。
乳化組成物の好適な使用量は、乳化物全体に対して0.01〜60重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。これより少量の使用量では、充分な安定性が得られず、一方これを超えて使用しても乳化作用に格段の効果は得られないばかりか不必要な増粘をきたしたり、経済的にも不利となる。
<実施例、比較例>
脂肪酸乳酸エステル塩およびショ糖脂肪酸エステルを含む乳化剤を調製し、乳化を行いこれを評価した結果を表1〜表4に示した。
1.乳化組成物のクリーミング速度(ml/hr) :乳化直後1 時間後の離水量を初期クリーミング速度とした。
2.乳化組成物の分子占有面積(nm2) :乳化組成物を水面上に展開し、外側から10%/minで圧縮させた時に得られるπ−A等温線で、固体膜を示す範囲をπ=0に外挿した時の面積値。
3.乳化組成物の崩壊圧(mN/m):乳化組成物を水面上に展開し、外側から10%/minで圧縮させた時に得られるπ−A等温線で、固体膜が崩壊する時の表面圧値。
4.乳化物の安定性;製造後、25℃で24時間保存した乳化物の離水量(ml)を測定し、全量で除した時の割合。
なお、乳化については乳酸ステアリン酸エステルを4mol% 添加した系であり、乳酸ステアリン酸エステルのモル平均エステル化度は1とした。
乳化組成物を25℃で水に分散させ、大豆油または流動パラフィンを添加し60〜80℃に昇温して撹拌した。
この水相と油相を、日本精機(株)製エースホモミキサーを用いて、70℃で、10000rpm、5分間乳化し、この後氷水で急冷した。
Claims (5)
- 乳化組成物を水面上に展開し、外側から圧縮させた時に得られるπ−A等温線で、固体膜が崩壊する時の表面圧値で表される乳化組成物の崩壊圧を測定し、その測定値に基づいて乳化組成物の乳化性能を判定することを特徴とする乳化組成物の評価方法。
- 崩壊圧が50〜58mN/mの範囲内である場合に、乳化組成物が好ましい乳化性能を有していると判定することを特徴とする請求項1に記載の評価方法。
- 更に、乳化組成物を水面上に展開し、外側から圧縮させた時に得られるπ−A等温線で、固体膜を示す範囲をπ=0に外挿した時の面積値で表される乳化組成物の分子占有面積を崩壊圧と同時に測定し、それらの測定値に基づいて乳化組成物の乳化性能を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の評価方法。
- 崩壊圧が50〜51mN/m、かつ分子占有面積が1.25〜1.35nm2/molである場合に、乳化組成物が好ましい乳化性能を有していると判定することを特徴とする請求項3に記載の評価方法。
- 崩壊圧が55〜58mN/m、かつ分子占有面積が0.87〜1.00nm2/molである場合に、乳化組成物が好ましい乳化性能を有していると判定することを特徴とする請求項3に記載の評価方法。
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