JP4479688B2 - 演奏アシスト用マウスピース及び演奏アシスト装置付き管楽器 - Google Patents
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一方、金管楽器を演奏してみたいという要求を持つ人も多く、演奏技術が未熟であっても自分の操作によって楽器を奏でて楽しみたいという要望も多い。
しかしながら、上述した従来のものは、全ての演奏を機械が自動的に行うものであり、利用者は演奏を聴くだけであって、このような楽器を演奏したいという要求に対応することができなかった。
図6は、該提案されている演奏アシスト装置の構成を示す図である。
この図において、70はトランペット、71はトランペット70に装着して用いられるマウスピースである。また、72は音圧を検出するマイクロフォン、73は息圧を検出する静圧センサ(圧力センサ)であり、いずれも、前記マウスピース71の管路に露出して装着されている。74は制御・駆動部であり、前記マイクロフォン72で収音された音圧信号を前記静圧センサ73により検出された息圧信号に対応した増幅度で増幅して出力する。75は、前記マウスピース71の管路に露出して取り付けられたアクチュエータであり、前記制御・駆動部74からの出力信号により駆動される。
前記制御・駆動部74は、入力される音圧信号と息圧信号からマウスピース71内の圧力の直流分、すなわち、演奏者の息圧の強さを検出し、前記音圧信号を該検出した息圧の強さに応じたゲインで増幅してアクチュエータ75に駆動信号として出力する。この駆動信号により、アクチュエータ75は演奏者の息圧の強さに応じた振幅で駆動され、マウスピース71内に音圧が発生する。これにより、演奏者による実際の演奏音にアクチュエータ75の振動による音が加えられることとなり、演奏者の演奏操作が微力であっても、良好な演奏が可能となる。
アクチュエータとしては、楽器の音域で効率の良いスピーカを用いることが望ましいが、スピーカをそのまま取り付けると、マウスピースの内部よりも奥まったところで振動が発生することとなるので、マウスピースの内部形状が大きく変更されることとなる。
管楽器においては、マウスピースの内部の形状を大きく変えてしまうと、演奏感に大きな影響を与える。例えば、マウスピース内部の体積が増加すると音が低くなってしまうなど、音色にもかかわる問題となる。
そこで、マウスピースや管部の内部形状を変えることなく、演奏をアシストすることができるアクチュエータが求められている。
また、本発明の他の演奏アシスト用マウスピースは、管楽器の演奏アシスト装置に用いられる演奏アシスト用マウスピースであって、マウスピース内の音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、マウスピースの内部壁面に穿たれた加工穴を有するとともに、アクチュエータが取り付けられており、前記内部壁面に穿たれた加工穴には、該穴を塞ぐように振動膜が取り付けられており、前記アクチュエータは演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカを有するものであって、該スピーカの振動面の振動が前記振動膜に伝達するように前記マウスピースに取り付けられているものである。
さらに、本発明の演奏アシスト装置付き管楽器は、管楽器の内部における音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、内部壁面に穿たれた加工穴を有するとともに、演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカと振動伝達ロッドを揺するアクチュエータが取り付けられており、前記振動伝達ロッドの一端は前記スピーカの振動面に固着されており、他端は前記内部壁面に穿たれた加工穴に導入され、その端面が前記内部壁面と同一面となるように配置されているものである。
さらにまた、本発明の他の演奏アシスト装置付き管楽器は、管楽器の内部における音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、内部壁面に穿たれた加工穴を有するとともに、演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカを有するアクチュエータが取り付けられており、前記内部壁面に穿たれた加工穴には、該穴を塞ぐように振動膜が取り付けられており、前記アクチュエータは、前記スピーカの振動面の振動が前記振動膜に伝達するように取り付けられているものである。
したがって、従来の吹奏感を損なうことなく、また、音質の変化を引き起こすことなく、演奏者の演奏をアシストすることができる。
また、本発明の演奏アシスト用マウスピースによれば、マイクロフォン、静圧センサ及びアクチュエータがマウスピースに取り付けられているため、管楽器本体には加工や改良が必要なく、従来のマウスピースを本発明の演奏アシスト用マウスピースに付け替えるだけで簡単にアシスト効果が得られるようになる。
図1の(a)において、10はトランペット、11は該トランペット10に装着される演奏アシスト用マウスピースである。図示するように、このマウスピース11には、その内部の音圧を検出するマイクロフォン12、その内部の静圧(圧力)を検出する静圧センサ(圧力センサ)13及び内部壁面に音圧を発生するアクチュエータ14が取り付けられている。また、前記マイクロフォン12、静圧センサ13及びアクチュエータ14は、ケーブル16を介して制御・駆動部15に接続されている。
図2は本発明の一実施の形態における前記マウスピース11の構成を示す図であり、(a)はマウスピースの軸方向の断面を示す図、(b)はマウスピースの径方向の断面を示す図である。ここで、マウスピース11の各部の名称について説明する。リムは演奏者の唇に触れる部分、カップはマウスピース内部の椀型の部分、スロートはマウスピースの内側の最も細い部分、バックボアはスロートから楽器本体へ向かって広がる内側の部分、シャンクは楽器本体との接合部分である。
前記マイクロフォン12、静圧センサ13及びアクチュエータ14は、効率の良い検出及びアシストのために、演奏者の唇の近傍に設けることが求められる。
マイクロフォン12及び静圧センサ13は十分に小型の形状であるため、マウスピース11のカップ部に開口する加工穴21及び加工穴22を設けて取り付けるようにしている。これにより、マイクロフォン12及び静圧センサ13はマウスピース11の内部形状を変化することなく装着されている。
これに対し、アクチュエータ14は、マイクロフォンや静圧センサに比べて大きいため、図示する構造をもってマウスピース内部壁面での振動アシストを実現している。
振動装置31は、前記制御・駆動部15から供給されるアシスト信号に応じて振動を行う装置であり、ブザーなどではなく、楽器の持つ周波数帯域に対応した広帯域のスピーカを用いるのが好適である。スピーカを使用する場合、圧電セラミックスピーカやダイナミックスピーカなど各種のスピーカを用いることができる。この実施の形態においては圧電セラミックスピーカを用いており、振動面である振動板32及びケーシング33から構成されている。
前記筐体35はマウスピース11に形成された加工平面24に当接されており、筐体固定部品42を用いてマウスピース11を挟み込んで、マウスピース・筐体固定ネジ43を用いて、マウスピース11に固定されている。
なお、図示していないが、前記制御・駆動部15に接続されたケーブル16が前記筐体カバー36又は筐体側面37を通って前記スピーカ31に接続されている。
このような構造とするにより、マウスピース11の内部形状は変化しないまま演奏をアシストすることができ、演奏者は従来の吹奏感と音色を損なうことなく演奏音量を増大することが可能となる。
図3は振動装置としてダイナミックスピーカを使用した実施の形態の構成を示す断面図である。この図において、前記図1及び図2と同一の構成要素には同一の番号を付す。
図3において、51は振動装置であるダイナミックスピーカであり、フレーム52、マグネット53、ボイスコイル54、振動板55、センターキャップ56などから構成されている。図示するように、ダイナミックスピーカ51は、前記筐体カバー36とフレーム52との間に配置された例えばゴム製の支持部材57と、前記筐体35と前記フレーム52との間に配置された例えばゴム製の支持部材58とにより支持されている。そして、前記振動伝達ロッド34が、前記振動板55に取り付けられたセンターキャップ56に例えば接着剤を用いて固着されている。すなわち、この実施の形態では、振動伝達ロッド34が固着されるスピーカの振動面としてセンターキャップ56を使用している。また、前記フレーム52と筐体との間にはグラスウール等の吸音材40が詰められている。その他の構成は、前記図2の場合と同一である。
このように、ダイナミックスピーカを用いることもできる。
図4は、マウスピースの内部壁面に振動膜を形成し、振動装置の振動を空気を伝達媒体として前記振動膜に伝達するようにした実施の形態の構成を示す断面図である。この図において、前記図2ないし図3と同一の構成要素には同一の番号を付す。
図4において、61は、前記マウスピース11のバックボアに形成した加工穴23に取り付けられた振動膜である。この振動膜61は、例えば、厚さ0.08mmのポリウレタンシートで構成することができる。そして、前記筐体35をゴムワッシャなどの気密部材62を介して、マウスピース11に取り付けている。その他の構成は、前記図2の場合と同一である。
このような構成により、前記振動板32の振動は、空間63中の空気を介して、マウスピース11の内部壁面に設けられた振動膜61に伝搬し、マウスピース11の内部にアシスト信号に応じた音圧が発生することとなる。これにより、前述の場合と同様に、演奏者の演奏をアシストすることができる。なお、前述と同様にダイナミックスピーカを使用してもよい。
図5は、本発明の演奏アシスト装置付き管楽器の一実施の形態の外観を示す図である。この図において、前記図1と同一の構成要素には同一の番号を付して説明の重複を避ける。また、ここでは、トランペット型の管楽器を例にとって説明する。
図5に示すように、トランペット型管楽器100は、マウスピースが取り付けられておらず、演奏者の唇が当たる歌口の近傍に、その内部の音圧を検出するマイクロフォン12、その内部の静圧(圧力)を検出する静圧センサ(圧力センサ)13及び内部壁面に音圧を発生するアクチュエータ14が取り付けられており、前記マイクロフォン12、静圧センサ13及びアクチュエータ14は、ケーブル16を介して制御・駆動部15に接続されている。
すなわち、前記図2又は図3に示した構成において、マウスピース11を管楽器100本体に置き換えればよい。これにより、アシスト信号で駆動されるスピーカ31と振動伝達ロッド34を有するアクチュエータ14が取り付けられ、前記振動伝達ロッド34の一端が前記スピーカ31の振動面に固着され、他端が管楽器100本体の内部壁面に穿たれた加工穴に導入されて、その端面が管楽器100本体の内部壁面と同一面となるように配置された演奏アシスト装置付き管楽器を実現することができる。
また、図4に示した構成を採用するときは、図4においてマウスピース11を管楽器100本体に置き換えることにより、管楽器本体100の内部壁面に穿たれた加工穴を有し、該加工穴に取り付けられた振動膜に、アシスト信号により駆動されるスピーカ31の振動膜の振動を伝達するようにした演奏アシスト装置付き管楽器を実現することができる。
Claims (4)
- 管楽器の演奏アシスト装置に用いられる演奏アシスト用マウスピースであって、
マウスピース内の音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、マウスピースの内部壁面に穿たれた加工穴とを有するとともに、アクチュエータが取り付けられており、
前記アクチュエータは、演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカと振動伝達ロッドとを有するものであって、
前記振動伝達ロッドの一端は前記スピーカの振動面に固着されており、他端は前記内部壁面に穿たれた加工穴に導入され、その端面が前記マウスピースの内部壁面と同一面となるように配置されている
ことを特徴とする演奏アシスト用マウスピース。 - 管楽器の演奏アシスト装置に用いられる演奏アシスト用マウスピースであって、
マウスピース内の音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、マウスピースの内部壁面に穿たれた加工穴を有するとともに、アクチュエータが取り付けられており、
前記内部壁面に穿たれた加工穴には、該穴を塞ぐように振動膜が取り付けられており、
前記アクチュエータは演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカを有するものであって、該スピーカの振動面の振動が前記振動膜に伝達するように前記マウスピースに取り付けられている
ことを特徴とする演奏アシスト用マウスピース。 - 管楽器の内部における音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、内部壁面に穿たれた加工穴を有するとともに、演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカと振動伝達ロッドを揺するアクチュエータが取り付けられており、
前記振動伝達ロッドの一端は前記スピーカの振動面に固着されており、他端は前記内部壁面に穿たれた加工穴に導入され、その端面が前記内部壁面と同一面となるように配置されていることを特徴とする演奏アシスト装置付き管楽器。 - 管楽器の内部における音圧と演奏者の息圧を検出するセンサが装着される加工穴と、内部壁面に穿たれた加工穴を有するとともに、演奏者による演奏をアシストするアシスト信号で駆動されるスピーカを有するアクチュエータが取り付けられており、
前記内部壁面に穿たれた加工穴には、該穴を塞ぐように振動膜が取り付けられており、
前記アクチュエータは、前記スピーカの振動面の振動が前記振動膜に伝達するように取り付けられていることを特徴とする演奏アシスト装置付き管楽器。
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