JP3106055U - 管楽器の演奏音低減装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】演奏時の息吐き出しを制約することがなく、コンパクト・軽量で安価な管楽器の演奏音低減装置の提供を目的とする。
【構成】 実施例で示す管楽器の演奏音低減装置は、ゴム枠2、保持部材3、マイクロフォン10、スピーカ5〜8、位相反転増幅器11、電力供給線12、電源アダプター13、電力供給線14およびコネクター15とで概略構成されている。
【選択図】 図1

Description

この考案はトランペット、フルート、クラリネットなどの管楽器の演奏音低減装置に関する。
従来、管楽器の演奏を練習する際に、その音が近所迷惑とならないように管楽器の音出口に消音装置を挿入して演奏音を消音しながら、消音装置にマイクロフォンを組み込んで演奏音をヘッドフォーンで聴くようにした管楽器の消音装置が市販されている。
しかしながら、上述した従来の管楽器の消音装置は、消音装置の機械的構造や材質によって遮音・吸音する構造となっているため次のような不具合があった。
第一の不具合は、演奏時の息の吐き出しが制約されることである。消音装置の遮音構造上、空気の出入りを大きくすると遮音効果が小さくなるため、遮音構造は演奏時の息吐き出し出口を狭くする必要がある。そのため、演奏者は息の吐き出しが制約される違和感を覚えて、実際の演奏とは異なった感覚での演奏練習を強いられる。
第二の不具合は、装置が大きくなり重くなることである。機械的構造や材質によって消音効果を確保するため機構上装置が大きく重くなり、演奏練習者が消音装置を管楽器に装着しながら演奏練習をする際、重くて操作しにくくなる。
本考案は上記した従来の問題点を解決し、音低減装置の有無で演奏練習時の息吐き出し感覚に変化のない管楽器の演奏音低減装置を提供する。
また、軽量コンパクトで演奏練習に管楽器の操作がしやすい管楽器の演奏音低減装置を提供する。
上記の課題を解決するためになされた本考案は、請求項1によれば、管楽器の音出口穴近傍にマイクロフォンと、演奏音の進行方向に直行する平面内の円周上にマイクロフォンを囲む複数のスピーカを設置し、該マイクロフォンで該管楽器の演奏音を受音し、位相反転増幅回路を介して該マイクロフォンの出力信号を該スピーカに入力することにより、該演奏音と逆位相の音を該スピーカから発するようにしたことを特徴としている。
近年、携帯通信機器のコンパクト化が進んだ結果、マイクロフォンやスピーカは小型で安価で高性能なものが市販されており、本考案による管楽器の演奏音低減装置は、管楽器の音出口近傍に小型マイクロフォンと小型スピーカを配置して実現できるので次のような効果がある。
第一の効果としては、管楽器演奏練習時に演奏のための息吐き出しが制約されないことである。機械的な消音装置ではないため、息の吐き出し口は十分大きな開口面積を確保でき、演奏時に息を吐き出すときの抵抗は殆ど生じない。
第二の効果は軽量コンパクトな管楽器の演奏音低減装置が実現されて、管楽器の操作に重量感がないことである。
第三の効果は、安価な管楽器の演奏音低減装置を提供できることである。近年の携帯通信機器の普及に伴って、小型マイクロフォンや小型スピーカは量産効果によって安くなっている。本考案の主要な構成は、管楽器の演奏音低減装置は小型マイクロフォン、小型スピーカ、位相反転増幅器および電源からなる極めてシンプルな構成であるため、安価な装置が提供できる。
第四の効果は、演奏音と逆位相の音を発するスピーカの音量を調整可能とすることによって、演奏音の音量調整が可能となり、近所の住人に迷惑にならない程度で、練習に支障のない音量を確保できることである。
以下に図面を参照して本考案に係わる実施の形態例を詳細に説明する。
なお、本考案は以下に説明する構成の相対位置、数値等に何ら限定されるものではなく、特に特定的な記載がない限り本考案の範囲を以下の記載に限定するものではない。
本考案の実施例を図にしたがって説明する。図1は、本考案による管楽器の演奏音低減装置の主要構成例を示す。図2は、本考案による管楽器の演奏音低減装置の作用、効果の説明図である。
図1において、トランペット1の音出口穴には、ゴム枠2が装着されている。ゴム枠2の端部内周面には保持部材3が接着されており、保持部材3の中央部には中空円筒4が接着されている。
保持部材3の中央開口穴16には保持板9を介してマイクロフォン10が設置されている。また、中空円筒4の周囲において保持部材3の上にはスピーカ5、6、7、8 が設置されている。
ゴム枠2の端面外周部には位相反転増幅器11が取り付けられており、マイクロフォン10で受信した音信号は、図示しない配線を介して位相反転増幅器11に入力され、位相反転増幅器11の出力は、図示しない配線を介してスピーカ5、6、7、8に入力されて、スピーカ5〜8はマイクロフォン10が受信した音に対して逆位相の音を発するようになっている。
保持部材3には、開口穴16、17、18、19、20 が設けられており、トランペット1を演奏する際の息は上記の開口穴を通じて排出され、演奏者は息の吐き出しを制約されることがない。
位相反転増幅器11、マイクロフォン10およびスピーカ5、6、7、8 には、図示しない動力線を介して、電力供給配線12から作動に必要な電力が供給されるようになっており、電力供給配線12は、電源アダプター13、電力供給配線14およびコネクター15を介して、家庭の100V電源から電力を供給されるようになっている。
次に、図2にしたがって、本考案による管楽器の演奏音低減装置の作用、効果を説明する。
図2において、マイクロフォン10は同図(a)に示すような波形を有する演奏音21を受信し、その信号は信号線22を介して位相反転増幅器11に入力されるようになっている。
位相反転増幅器11は受信した信号の位相を反転して、すなわち、位相遅れを180度として、信号線23を介してスピーカ5、6、7、8 に入力するようになっている。
その結果、スピーカ5、6、7、8 からは、同図(b)に示すような波形を有する打ち消し音24を発するようになっている。打ち消し音24と演奏音21とは互いに逆位相の音となっているため、演奏音21の音エネルギーが低減されるようになっている。
一般に、信号線22、23や位相反転増幅器11による信号伝達遅れは実用上無視できるほど小さい。また、マイクロフォン10に接近した位置にスピーカ5〜8を設置することにより、打消し音24は演奏音21に対して、正確に逆位相の音とすることができる。
例えば、周波数2kHzの音の場合、その波長は約180mmであり、音の進行方向に対してマイクロフォンとスピーカの設置位置ズレを5mmと仮定すると、位相設定誤差は、360度×5÷180=10度 となり、位相設定誤差は音低減効果においては実用上問題ない値となる。
位相反転増幅器11のゲイン調整を行うことによって、スピーカ5〜8の音量調整を行えば、本考案による演奏音低減装置の効果を調整することが容易に行うことができ、演奏者は場所や状況に応じて、音低減効果を調整することができる。
なお、実施例の説明ではトランペットの演奏音低減装置に関して説明したが、本考案が適用できる管楽器はトランペットに制限されることなく、フルート、クラリネットなど管楽器全般に適用される。
本考案による管楽器の演奏音低減装置の主要構成例を示す図。 本考案による管楽器の演奏音低減装置の作用、効果の説明図。
符号の説明
1 トランペット
2 ゴム枠
3 保持部材
4 中空円筒
5 スピーカ
6 スピーカ
7 スピーカ
8 スピーカ
9 保持板
10 マイクロフォン
11 位相反転増幅器
12 電力供給線
13 電源アダプター
14 電力供給線
15 コネクター
16 開口穴
17 開口穴
18 開口穴
19 開口穴
20 開口穴
21 演奏音
22 信号線
23 信号線
24 打ち消し音

Claims (1)

  1. 管楽器の音出口穴近傍にマイクロフォンと、演奏音の進行方向に直行する平面内の円周上にマイクロフォンを囲む複数のスピーカを設置し、該マイクロフォンで該管楽器の演奏音を受音し、位相反転増幅回路を介して該マイクロフォンの出力信号を該スピーカに入力することにより、該演奏音と逆位相の音を該スピーカから発するようにしたことを特徴とする管楽器の演奏音低減装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05556A (ja) * 1991-11-20 1993-01-08 Oki Electric Ind Co Ltd プリンタ及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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