JP4479669B2 - コイル部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品及びその製造方法、特に、巻線が樹脂硬化物により保護されたコイル部品及びその製造方法に関する。
コイル部品としては、巻芯部及びこの巻芯部の両端に設けられた顎部を有するコア(ドラム型コア)と、巻芯部に導線が巻回されてなる巻線とを備えた構造を有するものが一般に知られている。この種のコイル部品においては、巻線の保護等を目的として、巻線を樹脂で被覆することが行われている。またこの場合、樹脂中にフェライト等の磁性粉末を含有させることで、コイル部品のインダクンス値を良好に維持できるようになることが知られている。このような構成を有するコイル部品としては、例えば、巻線を磁性粉含有外装樹脂で覆った構成を有するものが知られている(特許文献1参照)。
特開2005−210055号公報
上記従来技術のコイル部品において、磁性粉含有外装樹脂は、その原料(塗料)をディスペンサーを用いて一対の顎部間の空間領域に充填することにより形成されている。ところが、近年のコイル部品の小型化に伴ってコアも小型化されており、このコアにおける顎部間の間隔が狭くされる傾向にある。この場合、従来のようなディスペンサーを用いた方法では、樹脂を吐出するノズルを狭い顎部間の領域内に配置するのが困難であるため、当該領域内に良好に樹脂を充填することができない。かかる不都合を回避するためにノズルを小型化する方法も考えられるが、この場合は、塗料中に含まれる磁性粉末がノズルを閉塞させるといった問題が生じ易くなる。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、顎部間の間隔が狭いコアを用いる場合であっても、磁性粉末を含む樹脂によって巻線を容易に被覆することができるコイル部品の製造方法、及び、これにより得られるコイル部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のコイル部品の製造方法は、巻芯部及びこの巻芯部の両端に設けられた一対の顎部を有するコアと、巻芯部に巻回されて一対の顎部間に挟まれた領域内に配置された巻線とを備えるコイル部を準備する準備工程と、巻線を覆うように一対の顎部間に挟まれた領域内に樹脂組成物を供給する供給工程と、樹脂組成物を硬化させる硬化工程とを有し、一対の顎部間の間隔は、0.15〜0.80mmであり、樹脂組成物は、一液型のエポキシ樹脂とフェライトとを含み、且つ、フェライトの含有量がエポキシ樹脂及びフェライトの総量に対して20〜62.5質量%であるものであり、樹脂組成物の密度は、1.3g/cm〜2.2g/cmであることを特徴とする。
本発明のコイル部品の製造方法においては、上述の如く、一対の顎部間に挟まれた狭い(0.15〜0.80mm)領域に対し、上記所定の組成及び密度を有する樹脂組成物を供給することによって、樹脂による巻線の被覆を行っている。この特定の樹脂組成物は、上記の狭い領域内に供給されると、毛管現象によって当該領域内を均一に満たすように広がることができる。したがって、本発明によれば、ディスペンサーを用いなくても巻線を樹脂組成物で覆うことが容易であり、顎部間の間隔が狭くされたコアを用いる場合に巻線の樹脂による被覆を良好に行うことが可能となる。
上記本発明のコイル部品の製造方法においては、上述した供給工程において、コアにおける一対の顎部の外周部同士を結んで構成される端面を、樹脂組成物の液面に接触させることが好ましい。この場合、樹脂組成物は、その液面に接触させた位置から一対の顎部間の領域内に毛管現象によって這い上がり、やがて当該領域内を満たすことになる。したがって、この方法によれば、一対の顎部間に挟まれた領域内に樹脂組成物を供給するのが一層容易となる。
より具体的には、樹脂組成物として、1500〜8000mPa・sの粘度を有するものを用いることがより好ましい。かかる範囲の粘度を有する樹脂組成物によれば、毛管現象による一対の顎部間の領域への樹脂組成物の充填が更に生じ易くなる。
また、本発明のコイル部品は、上記本発明のコイル部品の製造方法により好適に得られるものであり、巻芯部及びこの巻芯部の両端に設けられた一対の顎部を有するコアと、巻芯部に巻回されて一対の顎部間に挟まれた領域内に配置された巻線とを備えるコイル部と、巻線を覆うように一対の顎部間に挟まれた領域内に形成された被覆部とを備え、一対の顎部間の間隔は、0.15〜0.80mmであり、被覆部は、エポキシ樹脂硬化物及びフェライトを含み、且つ、この被覆部中のフェライトの含有量は、エポキシ樹脂硬化物及びフェライトの総量に対して20〜62.5質量%であり、被覆部の密度は、1.3g/cm〜2.2g/cmであることを特徴とする。
本発明によれば、顎部間の間隔が狭いコアを用いる場合であっても、磁性粉末を含む樹脂によって巻線を容易に被覆することができるコイル部品の製造方法、及び、これにより得られるコイル部品を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、好適な実施形態の製造方法により得られたコイル部品を示す斜視図である。また、図2は、図1に示したコイル部品のII−II方向に沿う断面構造を模式的に示す図である。図示されるように、本実施形態のコイル部品1は、コア2、巻線4及び被覆部8から構成されている。
コア2は、図2に示すように、柱状の巻芯部12と、この巻芯部12の軸方向両端に設けられた一対の顎部14とを有している。一対の顎部14は、それぞれ巻芯部12からその周方向に張り出した形状となっており、互いに略平行に配置されている。かかるコア2は、例えば、フェライト等の磁性体から構成される。本実施形態において、コア2における一対の顎部14間の間隔(図2中cで表される距離)は、0.15〜0.80mm、好ましくは0.15〜0.60mmとされる。また、額部14の外形寸法(例えば、額部14の対向する辺間の距離)は、10mm以下であると好ましく、通常は3mm程度とされる。
巻線4は、コア2の巻芯部12に巻回されて、コア2における一対の顎部14間に挟まれた領域内に収容されている。この巻線4は、導線等から構成されている。かかる巻線4と上記のコア2とからコイル部6が構成される。巻線4の両端の引き出し部4aは、それぞれ一方の顎部14(図中下側)の周側面に引き出されている。この周側面に引き出された引き出し部4aは、周側面に設けられている溝等に嵌め込まれ、コイル部品1を基板等に面実装するための継線10を構成している。なお、継線10において、引き出し部4aは、更にめっき等によって覆われていてもよく、また、必ずしも上記のような溝内にはめ込まれていなくてもよい。
被覆部8は、巻芯部12との間で巻線4を挟むように形成され、巻線4を覆う形状となっている。この被覆部8は、好ましくは巻線4同士の隙間にも充填されている。被覆部8の外周面は、顎部14の周側面と同じかこれよりも巻芯部12側に位置している。つまり、被覆部8は、一対の顎部14間に挟まれた領域内に形成されている。
被覆部8は、主にエポキシ樹脂硬化物及びフェライトから構成される。この被覆部8においては、フェライトの含有量が、エポキシ樹脂硬化物及びフェライトの総質量中、20〜62.5質量%であり、好ましくは50〜60質量%である。また、この被覆部8の密度は、1.3〜2.2g/cmであり、1.8〜2.1g/cmであるとより好ましい。被覆部8の構成材料については、詳しくは後述する。
次に、上記構成を有するコイル部品1の好適な製造方法について説明する。
まず、コイル部6を準備する(準備工程)。コイル部6は、ドラム型のコア2の巻芯部12の周囲に、巻線4を巻き付けることにより形成する。巻線4は、一方向に巻き付けてもよく、複数本用いる場合は交差する方向に巻き付けてもよい。
次いで、コイル部6に対し、巻線4を覆うように一対の顎部14間に挟まれた領域内に樹脂組成物を供給する(供給工程)。この樹脂組成物は、硬化により上述した被覆部8を形成し得るものである。樹脂組成物の上記領域内への供給は、コア2の外周端面(一対の顎部の外周部同士を結んで構成される端面)を、樹脂組成物の液面に接触させることにより行うことができる。
図3は、コアの外周端面を樹脂組成物の液面に接触させる工程を示す図である。同図に示されるように、本工程においては、所定の容器30内に収容された十分な量の樹脂組成物20の液面Sに対し、コア2の外周端面を接触させる。こうすると、上述の如く、コア2における一対の顎部14間の間隔は狭くされているため、樹脂組成物は、毛管現象によって図中矢印で示すように一対の顎部14間の領域内に這い上がる。そして、樹脂組成物は、巻線4の周囲を回りこむように移動して上記領域内に充填される。こうして、樹脂組成物は、巻線4を覆うように一対の顎部14間の領域内に供給される。
コア2の樹脂組成物20の液面Sへの接触は、一度で十分な量の樹脂組成物20を供給することができる場合は一度のみ行えばよく、十分な量を供給することができない場合は複数回行ってもよい。複数回行う場合、樹脂組成物20の液面Sに対するコア2の外周端面の接触位置を変えてもよい。また、上記工程においては、コア2の外周端面は、樹脂組成物中に若干浸漬されるようにしてもよい。この場合、コア2の所望外の領域にまで樹脂組成物が付着しないようにすることが好ましい。
このように、かかる工程においては、狭い間隔(0.15〜0.80mm)で配置された一対の顎部14間の領域内に、毛管現象を利用して樹脂組成物を供給している。この顎部14間の間隔が0.80mmを超えると、このような毛管現象が生じ難くなり、巻線4を十分に覆うことができなくなる。一方、0.15mm未満であると、樹脂組成物が上記領域内に入り込むことが困難となる傾向にある。
樹脂組成物は、一液型のエポキシ樹脂及びフェライトを含むものである。ここで、一液型のエポキシ樹脂とは、オキシラン環を2つ以上有する多官能性エポキシ化合物からなる主剤と、当該化合物の硬化を生じさせる硬化剤とをあらかじめ含み、室温等の通常の条件下では硬化反応が実質的に進行しないものをいい、主剤と硬化剤とを混合すると直ちに硬化が生じるような二液型のエポキシ樹脂とは異なるものである。
例えば、一液型のエポキシ樹脂としては、主剤と硬化剤とを混合して24℃で放置した場合に、混合物の粘度が8Pa・sに到達するまでの時間(可使時間)が、1日以上のものが好ましく、7日以上のものがより好ましい。このような一液型のエポキシ樹脂を含む樹脂組成物は、一対の額部14間の領域内に供給される際に粘度等の変化を生じ難いため、毛管現象による這い上がりによって上記領域内に均一に満たされるようになる。
エポキシ樹脂に含まれる多官能性エポキシ化合物としては、通常、エポキシ樹脂の主剤として用いられるものであれば特に制限なく適用できる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能性グリシジルアミン樹脂、トリフェニルグリシジルエーテルメタン等の多官能性グリシジルエーテル樹脂等が例示できる。
硬化剤は、上記多官能性エポキシ化合物と混合しても、室温等の通常の条件下では硬化を開始せず、樹脂組成物に熱、光、湿気、圧力等を加えた場合に硬化を開始させ得る成分(潜在形硬化剤)であると好ましい。このような硬化剤としては、上記の条件により所定の変化を生じて硬化作用を発現するものや、もともと硬化温度が高いものが挙げられる。前者の硬化剤としては、ジシアンジアミド、芳香族ジアゾニウム塩、ケトイミン等が例示できる。また、後者の硬化温度が高い硬化剤としては、アミンアダクト型硬化剤が例示できる。さらに、後者の硬化剤としては、その硬化温度が140〜170℃のものが好ましい。
フェライトとしては、粉状のものが好ましい。そして、樹脂組成物中において、フェライトは、エポキシ樹脂中に略均一に分散されていることが好ましい。フェライトの好適な平均粒径は、5〜30μmである。好適なフェライトとしては、例えば、Ni−Cu−Zn系フェライトのような組成を有するものが挙げられる。
樹脂組成物中のフェライトの含有量は、エポキシ樹脂及びフェライトの合計質量に対して20〜62.5質量%であり、20〜60質量%であると好ましく、50〜60質量%であると更に好ましい。このフェライト含有量が20質量%未満であると、フェライト添加によるコイル部品1のインダクタンス(L値)の向上効果が十分に得られ難くなる。一方、フェライト含有量が62.5質量%を超えると、粘度が過度に高くなる等によって、毛管現象による樹脂組成物の充填が不十分となる傾向にある。
上記のような一液型のエポキシ樹脂及びフェライトを含む樹脂組成物の密度は、1.3〜2.2g/cmであり、1.3〜2.1g/cmであるとより好ましく、1.8〜2.1g/cmであると更に好ましい。
また、樹脂組成物は、粘度が1500〜8000mPaのものであると好ましく、1500〜6000mPaのものであるとより好ましく、1500〜4000mPaのものであると更に好ましい。樹脂組成物の粘度が1500mPa未満である場合、毛管現象による這い上がりが過度に生じ、コア2の外側部分等の好ましくない領域にまで樹脂組成物が付着してしまうおそれがある。一方、8000mPaを超えると、毛管現象による充填が生じ難くなる傾向にある。
さらに、樹脂組成物は、溶剤を含まないものが好ましい。ここでいう溶剤とは、上述したエポキシ樹脂(特に主剤及び硬化剤)を溶解又は均一に分散し得る液体成分であり、エポキシ樹脂と反応性を有しないものである。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、2−プロパノール、酢酸エチル等が挙げられる。溶剤を含まないことで、樹脂組成物は、一対の額部14間の領域内に供給される際に、溶剤の揮発による粘度変化等を生じ難くなり、毛管現象による充填が良好に生じるようになるほか、溶剤揮発によるコイル部品の汚染等も低減されるようになる。
以上のように、本実施形態における樹脂組成物は、一液型のエポキシ樹脂及びフェライトを含み、フェライトの含有量及び密度、より好ましくは粘度が特定範囲とされることによって、毛管現象によって狭い一対の顎部14間の領域内に容易に充填され得る。このため、図3に示すような簡便な方法によって、巻線4を良好に覆うことができる。
なお、樹脂組成物は、エポキシ樹脂及びフェライトに加え、以下のようなその他の成分を必要に応じて更に含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、反応性希釈剤、増粘剤、可塑剤、揺変剤、消泡剤等が挙げられる。ここで、反応性希釈剤とは、樹脂組成物の硬化構造に結合することが可能な官能基等を有する成分であり、主剤等との反応が可能である点で上述した溶剤とは区別される。かかる反応性希釈剤の添加により、樹脂組成物の粘度を好適に調整することができる。
コイル部品1の製造においては、上記のような供給工程を行った後、巻線4を覆うように形成された樹脂組成物を硬化する(硬化工程)。こうして得られる樹脂組成物の硬化物によって、被覆部8が形成され、図1及び2に示す構造のコイル部品1が得られる。樹脂組成物の硬化方法は、樹脂組成物に含有させたエポキシ樹脂に応じて、加熱、光照射等から適宜選択する。例えば、エポキシ樹脂として、硬化剤としてアダクトアミンを含むものを用いた場合は、加熱によって樹脂組成物を好適に硬化させることができる。
こうして形成される被覆部8は、上述の如く、エポキシ樹脂硬化物とフェライトとを主として含む構成となる。被覆部8を構成するエポキシ樹脂硬化物は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂が硬化した成分であり、主剤である多官能性エポキシ化合物が重合してなる重合構造や、この重合構造中に導入された硬化剤に由来する架橋構造等を有するものとなる。そして、フェライトは、例えば、被覆部8において、上記の重合・架橋構造中に略均一に分散した状態で存在する。このようにして形成された被覆部8は、樹脂組成物からの質量及び体積の変化が極めて小さいため、樹脂組成物とほぼ同様の密度を有するものとなる。
以上、本発明に係るコイル部品及びその製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行うことができる。
例えば、まず、上記実施形態の供給工程においては、額部14間に挟まれた領域への樹脂組成物の供給を、コア2の外周端面を樹脂組成物20の液面Sに接触させるようにして行っていたが、これに限定されず、例えば、額部14間の領域内の少なくとも一箇所に樹脂組成物を注入するようにして行ってもよい。この場合であっても、注入された樹脂組成物は、毛管現象によって額部14間の領域内に良好に充填され得る。
また、コイル部材1におけるコア2は、図示のような8角形状の額部14を有するものに限られず、その他の多角形状や円形状等、種々の形状の額部14を有するものを適用できる。また、巻芯部12も同様に、円柱状や多角柱状等、種々の形状をとり得る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[樹脂組成物の調製]
(調製例1〜5、比較調製例1〜6)
まず、下記表1及び2に示す配合量となるように各成分を配合し、調製例1〜5及び比較調製例1〜6の樹脂組成物をそれぞれ調製した。表中の反応性希釈剤としてはWPE−225、変性脂肪族ポリアミンとしてはFH4342S、アミンアダクト型硬化剤としてはPN−40、揺変剤としてはシリカエアロゾル、消泡剤としてはシリコーン系消泡剤、フェライト粉末としてはNi−Cu−Zn系フェライトをそれぞれ用いた。
得られた各樹脂組成物の密度、粘度及びガラス転移温度をそれぞれ測定し、得られた結果を併せて表1及び2に記した。なお、粘度はBrookfild製HBDVI−IのロータNo.14により10rpmの条件で測定した。また、ガラス転移温度は熱分析DSC法により測定した。調製例1〜5及び比較例1〜6の樹脂組成物のガラス転移温度は、いずれも50〜70℃であった。
Figure 0004479669
Figure 0004479669

[コイル部品の製造]
(実施例1〜5及び比較例1〜6)
調製例1〜5及び比較調製例1〜6の樹脂組成物をそれぞれ用いて、以下に示すようにしてコイル部品を製造した。すなわち、まず、巻芯部の両端に顎部を有するコアの巻芯部に巻線が巻回されてなるコイル部を準備した。なお、コアとしては、顎部の外形寸法が3mm、顎部の厚さが1mmであり、一対の顎部間の距離が0.28mmであるものを用いた。また、巻線としては、0.11mm径のものを用い、巻線の巻数は10.5とした。
次いで、図3に示すようにコア2の外周端面を樹脂組成物の液面に接触させ、毛管現象により一対の顎部間に挟まれた領域内に樹脂組成物を充填して、これにより巻線4を樹脂組成物で被覆した。その後、樹脂組成物が付着したコイル部に対し、150℃、30分の加熱を行い、樹脂組成物を硬化させて被覆部を形成させ、図1に示す構造を有するコイル部品を得た。調製例1〜5の樹脂組成物を用いた場合が実施例1〜5に、比較調製例1〜6の樹脂組成物を用いた場合が比較例1〜6にそれぞれ該当する。
[特性評価]
(封止性の評価)
実施例1〜5及び比較例1〜6のコイル部品それぞれについて被覆部を観察し、以下の基準に基づいて、被覆部による封止性について評価を行った。
A:被覆部が一対の鍔部間の全領域を満たすように形成されている
B:被覆部が十分にコイル部を覆っているが、一対の鍔部間の領域を一部満たしていない部分がある
C:コイル部が一部露出している
(表面汚れの評価)
実施例1〜5及び比較例1〜6のコイル部品の外観を観察して、顎部の所望外の領域への樹脂組成物の付着の程度を以下の基準に基づいて評価した。
A:コイル部品における実装時に吸着させる面には樹脂組成物の付着が殆どない
B:コイル部品における実装時に吸着させる面に樹脂組成物の流動による付着が見られるが、寸法には影響がないレベル
C:コイル部品における実装時に吸着させる面に樹脂組成物の付着が見られ、製品高さに影響している
(インダクタ特性及びフェライト含有による効果の評価)
実施例1〜5及び比較例1〜6のコイル部品のインダクタンス(L値、単位:μH)を、Hewlett−Packard製4194Aにより測定した。なお、比較例5及び6のコイル部品は、封止が不十分であったためL値のばらつきが大きく、特定の値が得られなかった。
また、フェライト磁性粉末を含有していない樹脂組成物を用いて得られた比較例1のコイル部品のL値を基準とし、この比較例1のコイル部品からL値が増大した割合(L値向上率(%))をそれぞれ算出した。
Figure 0004479669
表3より、樹脂材料及びフェライト磁性粉の総量中、20〜62.5重量%のフェライ磁性粉を含む樹脂組成物を用いて得られた実施例1〜5のコイル部品は、封止性が良好であるほか及び表面汚れも殆どなく、しかも、好適なL値を有することが確認された。一方、フェライト磁性粉の含有量が上記範囲外であった樹脂組成物を用いた比較例1〜6のコイル部品は、実施例に比してL値が不十分であるか、又は、封止性が良好ではないものであった。
[樹脂組成物の調製]
下記表4に示す配合量となるように各成分を配合し、調製例6〜8の樹脂組成物をそれぞれ調製した。これらの調製例においては、樹脂材料とフェライト磁性粉との配合量を80:20に固定するとともに、樹脂材料中の各成分の配合量を変えることで、樹脂組成物の粘度を変化させた。なお、表中の各成分は上記と同様である。また、表には、上記と同様にして測定した各組成物の密度、粘度及びガラス転移温度を記した。
Figure 0004479669

[コイル部品の製造]
調製例6〜8の樹脂組成物をそれぞれ用い、上記と同様の方法により実施例6〜8のコイル部品を製造した。なお、調製例6〜8の樹脂組成物を用いた場合が、それぞれ実施例6〜8に該当する。
[特性評価]
実施例6〜8のコイル部品について、それぞれ上記と同様にして、封止性及び表面汚れの評価を行った。得られた結果をまとめて表5に示す。
Figure 0004479669
表5より、実施例6〜8のコイル部品は、いずれも封止性が良好であった。ただし、粘度が1000(mPa・s)である樹脂組成物を用いた実施例6のコイル部品は、表面汚れが若干発生していた。
[コアの寸法による封止性への影響の評価]
調製例4及び8の樹脂組成物をそれぞれ用い、また、コアとして顎部の外形寸法及び顎部間の距離を種々に変化させたものをそれぞれ用いて、上述した実施例と同様にして各種のコイル部品を作製した。そして、得られた各コイル部品について、それぞれ上記と同様にして封止性の評価を行い、コアの寸法による封止性への影響について評価を行った。調製例4の樹脂組成物を用いて得られたコイル部品の結果を表6に、調製例8の樹脂組成物を用いて得られたコイル部品の結果を表7にそれぞれ示した。表中、各種の顎部外形寸法及び顎部間距離を有するコアにそれぞれ対応する箇所に、当該コアを用いて得られたコイル部品による封止性の評価結果を示した。
Figure 0004479669
Figure 0004479669
表6及び7より、いずれの外形寸法を有する顎部を備えるコアを用いた場合であっても、顎部間の距離が0.15〜0.80の範囲内である場合には、そうでない場合に比して良好な封止性が得られることが確認された。
好適な実施形態の製造方法により得られたコイル部品を示す斜視図である。 図1に示したコイル部品のII−II方向に沿う断面構造を模式的に示す図である。 コアの外周端面を樹脂組成物の液面に接触させる工程を示す図である。
符号の説明
1…コイル部品、2…コア、4…巻線、6…コイル部、8…被覆部、10…継線、12…巻芯部、14…顎部、20…樹脂組成物、30…容器、S…液面。

Claims (5)

  1. 巻芯部及びこの巻芯部の両端に設けられた一対の顎部を有するコアと、前記巻芯部に巻回されて前記一対の顎部間に挟まれた領域内に配置された巻線と、を備えるコイル部を準備する準備工程と、
    前記巻線を覆うように前記一対の顎部間に挟まれた領域内に樹脂組成物を供給する供給工程と、
    前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を有し、
    前記一対の顎部間の間隔は、0.15〜0.80mmであり、
    前記樹脂組成物の密度は、1.3〜2.2g/cm であり、
    前記供給工程において、前記コアにおける前記一対の顎部の外周部同士を結んで構成される端面を、前記樹脂組成物の液面に接触させる、
    ことを特徴とするコイル部品の製造方法。
  2. 前記樹脂組成物は、1500〜8000mPa・sの粘度を有することを特徴とする請求項1記載のコイル部品の製造方法。
  3. 前記樹脂組成物は、一液型のエポキシ樹脂とフェライトとを含み、且つ、前記フェライトの含有量が前記エポキシ樹脂及び前記フェライトの総量に対して20〜62.5質量%であるものである、請求項1又は2記載のコイル部品の製造方法。
  4. 前記樹脂組成物は、溶剤を含まない、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  5. 前記顎部の外径寸法は、10mm以下である、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
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