JP2004244556A - 封止用樹脂組成物および半導体封止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂組成物とフレームとの接着力を向上させ、半導体封止装置の耐リフロー性を向上させ、リフロー後の耐湿劣化を防止し、信頼性の高い封止用樹脂組成物および半導体封止装置を提供する。
【解決手段】(A)最大粒子径が200μm以下で、平均粒子径が1μm以上60μm以下である充填剤、(B)エポキシ樹脂、(C)フェノール硬化剤、(D)ホスファゼン化合物および、(E)4,4−ジチオジモルホリンを必須成分とし、樹脂組成物全体に対して、前記(A)成分を70〜90重量%、(D)成分を0.1〜4重量%、また前記(E)成分を0.01〜0.1重量%の割合で含有してなる封止用樹脂組成物であり、また、この封止用樹脂組成物の硬化物によって半導体チップを封止してなる半導体封止装置である。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)最大粒子径が200μm以下で、平均粒子径が1μm以上60μm以下である充填剤、(B)エポキシ樹脂、(C)フェノール硬化剤、(D)ホスファゼン化合物および、(E)4,4−ジチオジモルホリンを必須成分とし、樹脂組成物全体に対して、前記(A)成分を70〜90重量%、(D)成分を0.1〜4重量%、また前記(E)成分を0.01〜0.1重量%の割合で含有してなる封止用樹脂組成物であり、また、この封止用樹脂組成物の硬化物によって半導体チップを封止してなる半導体封止装置である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温リフロー性等の信頼性に優れた封止用樹脂組成物および半導体封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱硬化性樹脂および無機充填剤からなる樹脂組成物によって封止した半導体装置は、インサートと封止樹脂の接着性が著しく悪いという欠点があった。特に、吸湿したその半導体装置をリフロー方式などにより表面実装すると、封止樹脂とリードフレーム、あるいは封止樹脂と半導体チップとの間の剥離が生じて著しい耐湿劣化を起こし、電極の腐食による断線や水分によるリーク電流を生じ、その結果、半導体装置は、長期間の信頼性を保証することができないという欠点があった。このため、耐リフロー性に優れ、耐湿性の影響が少なく、耐湿劣化の少ない成形性のよい材料の開発が強く要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を解消し、上記要望に応えるためになされたもので、耐リフロー性とリフロー後の信頼性に優れた、成形性のよい、封止樹脂組成物および半導体封止装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物に、ホスファゼン化合物成分を0.1〜4.0重量%の割合で含有するとともに、4,4−ジチオジモルホリン成分を0.01〜0.1重量%の割合で含有させることによって、フレームとの接着性を向上させ、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0005】
即ち、本発明は、
(A)最大粒子径が200μm以下で、平均粒子径が1μm以上60μm以下である充填剤、
(B)エポキシ樹脂、
(C)フェノール硬化剤、
(D)ホスファゼン化合物および、
(E)4,4−ジチオジモルホリン
を必須成分とし、樹脂組成物全体に対して、前記(A)の充填剤を70〜90重量%、前記(D)ホスファゼン化合物を0.1〜4重量%、また前記(E)4,4−ジチオジモルホリンを0.01〜0.1重量%の割合で含有してなることを特徴とする封止用樹脂組成物、また、この封止用樹脂組成物の硬化物によって、半導体チップを封止してなることを特徴とする半導体封止装置である。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明に用いる(A)無機充填剤としては、シリカ粉末、アルミナ粉末、窒化珪素、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊維、シリコーンパウダー等が挙げられ、これらは単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。具体的な化合物としては、これらの中でも特にシリカ粉末、金属酸化物およびシリコーンパウダーが好ましく、これらはよく使用される。充填剤の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して70〜90重量%の割合で含有することが望ましい。この割合が70重量%未満では、耐熱性、耐湿性、半田耐熱性、機械的特性よび成形性が悪くなり、また90重量%を超えるとかさばりが大きくなり成形性に劣り実用に適さない。
【0008】
本発明に用いる(B)エポキシ樹脂としては、その分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物である限り、分子構造および分子量など特に制限はなく、一般に封止用材料として使用されるものを広く包含することができる。例えば、ビフェニル型、ナフチル型、ビスフェノール型の芳香族系、ジシクロペンタジエン誘導体等の脂肪族系、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0009】
本発明に用いる(C)フェノール樹脂としては、その分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物である限り、分子構造および分子量など特に制限はなく、一般に封止用材料として使用されるものを広く包含することができる。例えば、ビフェニル型、ナフチル型、ビスフェノール型の芳香族系、ジシクロペンタジエン誘導体等の脂肪族系、クレゾールノボラック型樹脂等が挙げられる。
【0010】
本発明に用いる(D)成分であるホスファゼン化合物は、次の一般式に示されるものであって、環状であっても鎖状であってもよいが、
【化5】
(但し、式中、R3 、R4 は同じであっても異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基などを、nは、3〜25の整数を、それぞれ表す)
特に、化6に示される環状ホスファゼン化合物、そのR1 のうち1〜50%が化7に示されるように−OR2 O−の構造に縮合した環状ホスファゼン化合物、また化6または化7に示される環状ホスファゼン化合物が、そのR1 のうちの1〜50%がヒドロキシフェニル基であるものが好ましい。
【0011】
【化6】
(但し、式中、R1 はフェニル基および/または置換フェニル基を、nは3〜15の整数をそれぞれ表す)
【化7】
(但し、式中、R1 はフェニル基および/または置換フェニル基を、R2 はo−,m−もしくはp−フェニレン基および下記一般式で表される基から選ばれた少なくとも1種のジフェノール骨格を、m,nは同じであっても異なってもよく3〜15の整数をそれぞれ表す)
【化8】
(但し、式中、Aは、それが無い場合、又は−C(CH3 )2 −、−SO2 −、−S−若しくは−O−を、それぞれ表す)
(D)成分のホスファゼン化合物の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して0.1〜4重量%含有することが望ましい。この割合が0.1重量%未満では、フレームとの接着力の向上に効果がなく、また、4重量%を超えると封止樹脂の硬化等に悪影響を与え、実用に適さず好ましくない。
【0012】
本発明に用いる(E)4,4−ジチオジモルホリンの配合割合は、全体の樹脂組成物に対して0.01〜0.1重量%含有することが望ましい。この割合が、0.01重量%未満ではフレームとの接着力の向上に効果がなく、また、0.1重量%を超えると封止樹脂の硬化等に悪影響を与え、実用に適さず好ましくない。
【0013】
また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化反応を促進する硬化促進剤を、必要に応じて使用することができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケン系、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン系、テトラフェニルホスホニル・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホニル・テトラ置換ボレート系、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩系等が挙げられる。
【0014】
本発明の封止用樹脂組成物は、無機充填剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、環状ホスファゼン化合物および4,4−ジチオジモルホリンを主成分とするが、本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、例えば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィン系等の離型剤、エラストマー等の低応力化成分、カーボンブラック等の着色剤、シランカップリング剤等の無機充填剤の処理剤、種々の硬化促進剤などを適宜、添加配合することができる。
【0015】
本発明の封止用樹脂組成物を成形材料として調製する場合の一般的な方法としては、前述したホスファゼン化合物、4,4−ジチオジモルホリン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および無機充填剤、その他の成分を配合し、ミキサー等によって十分均一に混合した後、さらに熱ロールによる溶融混合処理、またはニーダ等による混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。こうして得られた成形材料は、半導体封止をはじめとする電子部品あるいは電気部品の封止、被覆、絶縁等に適用すれば、優れた特性と信頼性を付与させることができる。
【0016】
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られた封止用樹脂を用いて、半導体チップを封止することにより容易に製造することができる。封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法があるが、射出成形、圧縮成形および注型などによる封止も可能である。封止用樹脂組成物を封止の際に加熱して硬化させ、最終的にはこの組成物の硬化物によって封止された半導体封止装置が得られる。加熱による硬化は、150℃以上に加熱して硬化させることが望ましい。封止を行う半導体装置としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタおよびダイオード等で特に限定されるものではない。
【0017】
【作用】
本発明の封止用樹脂組成物および半導体封止装置は、樹脂配合成分として4,4−ジチオジモルホリンとホスファゼン化合物を用いたことにより、目的とする特性が得られるものである。即ち、フレームとの接着力を向上させ、表面実装後のインサートと封止樹脂との接着性の劣化を防止し、長期の信頼性を保証するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例および比較例において「%」とは「重量%」を意味する。
【0019】
実施例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)9.3%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)4.0%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、化6および化7に示した環状フェノキシホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)0.2%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0020】
この成形材料を175℃に加熱した金型内にトランスファー注入し、硬化させて成形品(封止品)を成形した。この成形品について耐湿性および耐リフロー性の試験を行った。その結果を表1に示す。
【0021】
実施例2
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)8.7%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0022】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0023】
実施例3
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)7.3%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.2%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)3.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0024】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0025】
実施例4
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)8.7%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、化6および化7に示した部分ヒドロキシル化環状ホスファゼン化合物のSPH−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0026】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0027】
実施例5
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)9.5%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0028】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0029】
実施例6
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)8.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.6%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0030】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0031】
実施例7
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)7.5%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.0%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)3.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0032】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0033】
実施例8
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)8.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.6%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、部分ヒドロキシル化環状ホスファゼン化合物のSPH−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0034】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)9.4%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)4.05%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)0.05%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0036】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0037】
比較例2
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)5.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)2.6%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)5.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0038】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0039】
比較例3
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)9.6%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.85%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)0.05%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0040】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0041】
比較例4
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)6.0%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)2.5%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)5.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0042】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0043】
比較例5
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)8.7%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0044】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0045】
比較例6
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)8.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.6%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0046】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0047】
【表1】
*1:成形材料を用いてPIコートしたシリコン製チップ(テスト素子)(9×9mm)を銅フレームに接着し、175℃で2分間トランスファー成形して、QFP−208P(die pad size 10×10mm)、2.8mmt の成形品を作製し、175℃において4時間、後硬化させた。こうして得た成形品を予め、30℃、70%RH、168時間の吸湿処理した後、Max260℃のIRリフロー炉を4回通した。その後、SAT(超音波探査評価装置)を用いて、内部のシリコンチップ−樹脂(Die/Resin)、ベットフレーム−樹脂(Bottom diepad/Resin)、リードフレーム−樹脂(Lead delamination)界面等の剥離面積を比較評価した。
【0048】
【表2】
*1:成形材料を用いてPIコートしたシリコン製チップ(テスト素子)(9×9mm)を銅フレームに接着し、175℃で2分間トランスファー成形して、QFP−208P(die pad size 10×10mm)、2.8mmt の成形品を作製し、175℃において4時間、後硬化させた。こうして得た成形品を予め、30℃、70%RH、168時間の吸湿処理した後、Max260℃のIRリフロー炉を4回通した。その後、SAT(超音波探査評価装置)を用いて、内部のシリコンチップ−樹脂(Die/Resin)、ベットフレーム−樹脂(Bottom diepad/Resin)、リードフレーム−樹脂(Lead delamination)界面等の剥離面積を比較評価した。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明および表1、表2から明らかなように、本発明の封止用樹脂組成物および半導体封止装置によれば、樹脂成分としてホスファゼン化合物と4,4−ジチオジモルホリンを用いたことにより、目的とする特性が得られるものである。すなわち、フレームとの接着力を向上させ、表面実装後のインサートと封止樹脂との接着性の劣化を防止し、長期にわたる信頼性を保証するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温リフロー性等の信頼性に優れた封止用樹脂組成物および半導体封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱硬化性樹脂および無機充填剤からなる樹脂組成物によって封止した半導体装置は、インサートと封止樹脂の接着性が著しく悪いという欠点があった。特に、吸湿したその半導体装置をリフロー方式などにより表面実装すると、封止樹脂とリードフレーム、あるいは封止樹脂と半導体チップとの間の剥離が生じて著しい耐湿劣化を起こし、電極の腐食による断線や水分によるリーク電流を生じ、その結果、半導体装置は、長期間の信頼性を保証することができないという欠点があった。このため、耐リフロー性に優れ、耐湿性の影響が少なく、耐湿劣化の少ない成形性のよい材料の開発が強く要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を解消し、上記要望に応えるためになされたもので、耐リフロー性とリフロー後の信頼性に優れた、成形性のよい、封止樹脂組成物および半導体封止装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物に、ホスファゼン化合物成分を0.1〜4.0重量%の割合で含有するとともに、4,4−ジチオジモルホリン成分を0.01〜0.1重量%の割合で含有させることによって、フレームとの接着性を向上させ、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0005】
即ち、本発明は、
(A)最大粒子径が200μm以下で、平均粒子径が1μm以上60μm以下である充填剤、
(B)エポキシ樹脂、
(C)フェノール硬化剤、
(D)ホスファゼン化合物および、
(E)4,4−ジチオジモルホリン
を必須成分とし、樹脂組成物全体に対して、前記(A)の充填剤を70〜90重量%、前記(D)ホスファゼン化合物を0.1〜4重量%、また前記(E)4,4−ジチオジモルホリンを0.01〜0.1重量%の割合で含有してなることを特徴とする封止用樹脂組成物、また、この封止用樹脂組成物の硬化物によって、半導体チップを封止してなることを特徴とする半導体封止装置である。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明に用いる(A)無機充填剤としては、シリカ粉末、アルミナ粉末、窒化珪素、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊維、シリコーンパウダー等が挙げられ、これらは単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。具体的な化合物としては、これらの中でも特にシリカ粉末、金属酸化物およびシリコーンパウダーが好ましく、これらはよく使用される。充填剤の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して70〜90重量%の割合で含有することが望ましい。この割合が70重量%未満では、耐熱性、耐湿性、半田耐熱性、機械的特性よび成形性が悪くなり、また90重量%を超えるとかさばりが大きくなり成形性に劣り実用に適さない。
【0008】
本発明に用いる(B)エポキシ樹脂としては、その分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物である限り、分子構造および分子量など特に制限はなく、一般に封止用材料として使用されるものを広く包含することができる。例えば、ビフェニル型、ナフチル型、ビスフェノール型の芳香族系、ジシクロペンタジエン誘導体等の脂肪族系、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0009】
本発明に用いる(C)フェノール樹脂としては、その分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物である限り、分子構造および分子量など特に制限はなく、一般に封止用材料として使用されるものを広く包含することができる。例えば、ビフェニル型、ナフチル型、ビスフェノール型の芳香族系、ジシクロペンタジエン誘導体等の脂肪族系、クレゾールノボラック型樹脂等が挙げられる。
【0010】
本発明に用いる(D)成分であるホスファゼン化合物は、次の一般式に示されるものであって、環状であっても鎖状であってもよいが、
【化5】
(但し、式中、R3 、R4 は同じであっても異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基などを、nは、3〜25の整数を、それぞれ表す)
特に、化6に示される環状ホスファゼン化合物、そのR1 のうち1〜50%が化7に示されるように−OR2 O−の構造に縮合した環状ホスファゼン化合物、また化6または化7に示される環状ホスファゼン化合物が、そのR1 のうちの1〜50%がヒドロキシフェニル基であるものが好ましい。
【0011】
【化6】
(但し、式中、R1 はフェニル基および/または置換フェニル基を、nは3〜15の整数をそれぞれ表す)
【化7】
(但し、式中、R1 はフェニル基および/または置換フェニル基を、R2 はo−,m−もしくはp−フェニレン基および下記一般式で表される基から選ばれた少なくとも1種のジフェノール骨格を、m,nは同じであっても異なってもよく3〜15の整数をそれぞれ表す)
【化8】
(但し、式中、Aは、それが無い場合、又は−C(CH3 )2 −、−SO2 −、−S−若しくは−O−を、それぞれ表す)
(D)成分のホスファゼン化合物の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して0.1〜4重量%含有することが望ましい。この割合が0.1重量%未満では、フレームとの接着力の向上に効果がなく、また、4重量%を超えると封止樹脂の硬化等に悪影響を与え、実用に適さず好ましくない。
【0012】
本発明に用いる(E)4,4−ジチオジモルホリンの配合割合は、全体の樹脂組成物に対して0.01〜0.1重量%含有することが望ましい。この割合が、0.01重量%未満ではフレームとの接着力の向上に効果がなく、また、0.1重量%を超えると封止樹脂の硬化等に悪影響を与え、実用に適さず好ましくない。
【0013】
また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化反応を促進する硬化促進剤を、必要に応じて使用することができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケン系、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン系、テトラフェニルホスホニル・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホニル・テトラ置換ボレート系、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩系等が挙げられる。
【0014】
本発明の封止用樹脂組成物は、無機充填剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、環状ホスファゼン化合物および4,4−ジチオジモルホリンを主成分とするが、本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、例えば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィン系等の離型剤、エラストマー等の低応力化成分、カーボンブラック等の着色剤、シランカップリング剤等の無機充填剤の処理剤、種々の硬化促進剤などを適宜、添加配合することができる。
【0015】
本発明の封止用樹脂組成物を成形材料として調製する場合の一般的な方法としては、前述したホスファゼン化合物、4,4−ジチオジモルホリン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および無機充填剤、その他の成分を配合し、ミキサー等によって十分均一に混合した後、さらに熱ロールによる溶融混合処理、またはニーダ等による混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。こうして得られた成形材料は、半導体封止をはじめとする電子部品あるいは電気部品の封止、被覆、絶縁等に適用すれば、優れた特性と信頼性を付与させることができる。
【0016】
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られた封止用樹脂を用いて、半導体チップを封止することにより容易に製造することができる。封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法があるが、射出成形、圧縮成形および注型などによる封止も可能である。封止用樹脂組成物を封止の際に加熱して硬化させ、最終的にはこの組成物の硬化物によって封止された半導体封止装置が得られる。加熱による硬化は、150℃以上に加熱して硬化させることが望ましい。封止を行う半導体装置としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタおよびダイオード等で特に限定されるものではない。
【0017】
【作用】
本発明の封止用樹脂組成物および半導体封止装置は、樹脂配合成分として4,4−ジチオジモルホリンとホスファゼン化合物を用いたことにより、目的とする特性が得られるものである。即ち、フレームとの接着力を向上させ、表面実装後のインサートと封止樹脂との接着性の劣化を防止し、長期の信頼性を保証するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例および比較例において「%」とは「重量%」を意味する。
【0019】
実施例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)9.3%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)4.0%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、化6および化7に示した環状フェノキシホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)0.2%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0020】
この成形材料を175℃に加熱した金型内にトランスファー注入し、硬化させて成形品(封止品)を成形した。この成形品について耐湿性および耐リフロー性の試験を行った。その結果を表1に示す。
【0021】
実施例2
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)8.7%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0022】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0023】
実施例3
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)7.3%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.2%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)3.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0024】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0025】
実施例4
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)8.7%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、化6および化7に示した部分ヒドロキシル化環状ホスファゼン化合物のSPH−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0026】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0027】
実施例5
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)9.5%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0028】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0029】
実施例6
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)8.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.6%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0030】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0031】
実施例7
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)7.5%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.0%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)3.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0032】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0033】
実施例8
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)8.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.6%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、部分ヒドロキシル化環状ホスファゼン化合物のSPH−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0034】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)9.4%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)4.05%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)0.05%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0036】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0037】
比較例2
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)5.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)2.6%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)5.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0038】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0039】
比較例3
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)9.6%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.85%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)0.05%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0040】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0041】
比較例4
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)6.0%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)2.5%、4,4−ジチオジモルホリン0.03%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)5.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0042】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0043】
比較例5
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)8.7%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.8%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0044】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0045】
比較例6
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270)8.9%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール当量105)3.6%、ホスファゼン化合物のSPE−100(大塚化学社製、商品名)1.0%、溶融シリカ粉末のFB−820(電気化学工業社製、商品名)85.0%、着色剤カーボンブラックのCB#30(三菱化学社製、商品名)0.5%、硬化触媒としてPP−200(北興化学社製、商品名)0.2%、カルナバ1号(北興ファインケミカル社製、商品名)およびカップリング剤のA−187(日本ユニカ社製、商品名)0.8%を配合し常温で混合し、さらに90〜95℃で混練してこれを冷却粉砕して成形材料を製造した。
【0046】
この成形材料について、実施例1におけると同様に、成形品を得るとともに各種試験をした。その結果を表2に示す。
【0047】
【表1】
*1:成形材料を用いてPIコートしたシリコン製チップ(テスト素子)(9×9mm)を銅フレームに接着し、175℃で2分間トランスファー成形して、QFP−208P(die pad size 10×10mm)、2.8mmt の成形品を作製し、175℃において4時間、後硬化させた。こうして得た成形品を予め、30℃、70%RH、168時間の吸湿処理した後、Max260℃のIRリフロー炉を4回通した。その後、SAT(超音波探査評価装置)を用いて、内部のシリコンチップ−樹脂(Die/Resin)、ベットフレーム−樹脂(Bottom diepad/Resin)、リードフレーム−樹脂(Lead delamination)界面等の剥離面積を比較評価した。
【0048】
【表2】
*1:成形材料を用いてPIコートしたシリコン製チップ(テスト素子)(9×9mm)を銅フレームに接着し、175℃で2分間トランスファー成形して、QFP−208P(die pad size 10×10mm)、2.8mmt の成形品を作製し、175℃において4時間、後硬化させた。こうして得た成形品を予め、30℃、70%RH、168時間の吸湿処理した後、Max260℃のIRリフロー炉を4回通した。その後、SAT(超音波探査評価装置)を用いて、内部のシリコンチップ−樹脂(Die/Resin)、ベットフレーム−樹脂(Bottom diepad/Resin)、リードフレーム−樹脂(Lead delamination)界面等の剥離面積を比較評価した。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明および表1、表2から明らかなように、本発明の封止用樹脂組成物および半導体封止装置によれば、樹脂成分としてホスファゼン化合物と4,4−ジチオジモルホリンを用いたことにより、目的とする特性が得られるものである。すなわち、フレームとの接着力を向上させ、表面実装後のインサートと封止樹脂との接着性の劣化を防止し、長期にわたる信頼性を保証するものである。
Claims (6)
- (A)の充填剤が、シリカ粉末、金属酸化物およびシリコーンパウダーからなる群より選ばれた1種又は2種以上のものである請求項1記載の封止用樹脂組成物。
- 化2または化3に示される環状ホスファゼン化合物が、R1 のうちの1〜50%がヒドロキシフェニル基である請求項3〜4記載の封止用樹脂組成物。
- 請求項1〜5記載の封止用樹脂組成物の硬化物によって、半導体チップを封止してなることを特徴とする半導体封止装置。
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JP2003037542A JP2004244556A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 封止用樹脂組成物および半導体封止装置 |
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JP2003037542A JP2004244556A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 封止用樹脂組成物および半導体封止装置 |
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