JP4479667B2 - シート搬送装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
特に、画像形成装置が高速機やカラー対応機の場合には、定着器の温度を上げる必要から、定着器より下流側でのこのような問題が多く発生するようになる。
しかしながら、このようにファン等にて搬送ガイドを乾かすには、ファン等を使用することでコストアップを招いたり、また、装置内の空気の循環が十分でないと、効果が少ないという問題もある。
また、ガイドシュート3のシュート本体4の一般面4aは、シート搬送経路に略沿って平坦であってもよいし、凹凸を持った形状であっても差し支えなく、更に、一般面4aに孔部を備えるようにしてもよい。
また、溝6をリブ5の少なくとも片側に設けることで、リブ5や一般面4aにて結露した水滴が有効に溝6側に流れるようになり、ガイドシュート3を通過するシート1への水滴付着を抑制することができるようになる。更に、ガイドシュート3をシート搬送経路の上方に設けた場合には、溝6に結露によって付着した水滴が滞留し易くなり、その水滴はリブ5側に流れ難く、ガイドシュート3を通過中のシート1への水滴付着を抑制することができるようになる。
このように、本発明では、ガイドシュート3をシート搬送経路の少なくとも片側に設けることで、ガイドシュート3にて結露した水滴をガイドシュート3自体の溝6に導くことが容易になり、ガイドシュート3を搬送されるシート1への水滴付着を防ぐことができるようになる。更に、本発明では、シート搬送経路の両側にガイドシュート3を設けることが好ましく、シート1の搬送が一層安定して行われると共に、シート1への結露による水滴付着を一層抑えることができるようになる。
更に、シート搬送時のシート1への負荷を一層小さくする観点から、リブ5はシート搬送方向と略平行に設けられることが好ましい。また、リブ5は、その突出端が断面曲面形状に形成されていることが好ましく、これによれば、リブ5の先端を断面曲面形状にすることでシート1との摺擦が抑えられ、シート1への負荷を一層小さくすることができ、特に、OHPシートでの傷の発生も抑制することができるようになる。
更に、本発明の一般面4aには、当該一般面4aに対しリブ5と反対方向に窪む複数の溝をシート搬送方向と交差する方向に連続して設けることが好ましく、この場合、シート搬送時に例えば薄いシート1が一般面4aに当たっても結露による水滴は溝に滞留することからシート1への水滴付着を防ぐことができ、各種シート1の一層安定した搬送が可能になる。
そして、溝6に吸水性部材を備える場合、溝6の底部に開設されたスリットを介してシュート本体4の外側から脱着可能に設けることで、溝6に集まった水滴を吸水性部材にてその裏側にも蒸発させるようにすることができ、水滴を早く乾燥させることができるようになる。また、吸水性部材をその一部がスリットを介して複数の溝6に一括挿入されるようにして複数の溝6に亘って連なるように設けることで、吸水性部材の脱着が容易にできるようになると共に吸水性部材の裏側全体からの蒸発もなされるようになる。
そして、この移動機構としては、雰囲気温度、雰囲気湿度及びシート種のいずれか一つ若しくは二つ以上の組合せ情報に基づいて制御されることが好ましく、これによれば、一層良好な画像を維持することができるようになる。
また、このようなシート搬送装置を用いることで、定着器によって生じる結露の影響を抑制した画像形成装置を実現することが可能になる。
◎実施の形態1
図2は、本発明の基本的構成が適用されたガイドシュートが用いられた画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、本実施の形態の画像形成装置は、例えば電子写真方式を採用したものであって、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)及びブラック(K色)の4色トナー像を形成する画像形成ユニット10、画像形成ユニット10にシートとしての用紙を供給する給紙ユニット50、原稿画像を読み取ってデジタル情報に変換する画像読取ユニット60、画像形成後の用紙を搬送する用紙搬送ユニット70にて構成されている。
作像部20はトナー像を形成担持する感光体ドラム21を中間転写ベルト30に対向して配置したものであって、感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21を帯電する図示外の帯電器、帯電された感光体ドラム21上に静電潜像を形成するレーザスキャナ等の露光器22、感光体ドラム21上の静電潜像にトナーを供給してトナー像化する(顕像化する)現像器23、感光体ドラム21と中間転写ベルト30を挟んで対向配置され且つ感光体ドラム21上の各色トナー像を中間転写ベルト30上に一次転写する一次転写器24、感光体ドラム21上の残留トナーを清掃する図示外の感光体クリーナ等が配設されている。
尚、レジストロール11は、用紙の送り込みに際し、図示外のタイミング調整手段によって画像出力位置に対する用紙の到達タイミングが調整されるようになっている。
更に、画像形成ユニット10内の下方には、適宜数の搬送ロール等の搬送部材を備えた経路(後述する戻し搬送路R6)が配置されている。
給紙ユニット50内の夫々の給紙カセット51〜53から送り出された用紙は、夫々の送り出しロール54〜56によって送り出され、給紙カセット51,52から送り出された用紙は用紙搬送路R1を介して、一方、給紙カセット53から送り出された用紙は用紙搬送路R2を介して合流搬送部57へ導かれる。
合流搬送部57へ導かれた用紙は、主搬送路R3に導かれ、レジストロール11によって位置決め規制された後、二次転写器36によって中間転写ベルト30上の多重化トナー像が用紙上に一括転写される。トナー像が転写された用紙は搬送ベルト12によって定着器13に導かれる。定着器13によって定着が行われた用紙は、ガイドシュート40を経由して用紙搬送ユニット70内の用紙搬送路R4を経由して排出トレイ71に排出される。
このような用紙搬送路R1〜R6には、適宜数の搬送部材(搬送ロール、搬送ガイド等)が設けられていることは云うまでもない。尚、図中、符号15,72は、戻し搬送路R6及び用紙搬送ユニット70内の用紙搬送路R4に設けられたカール補正部であり、定着器13で生じた用紙のカールを補正するためのものとなっている。
下部ガイド41は、一般面42を構成する平板状のシュート本体の一般面42に対し用紙搬送経路側に曲面形状で突出し且つ用紙搬送方向に連続して設けられた複数のリブ43(本例では3個)と、このリブ43の両側に隣接して一般面42に対しリブ43と反対方向に窪む(用紙搬送経路側から離れる方向に窪む)溝49とを設けたものである。更に、下部ガイド41の用紙搬送方向と略直交する方向の両端部は、一般面42から略直角に溝49と同じ方向へ折れ曲がっている。
そして、リブ43の先端が一般面42から突出する高さは、ガイドシュート40を用紙が通過する際、用紙が一般面42に接触しない高さに調整されている。
そして、下部ガイド41及び上部ガイド46は、夫々の両端部が図示外の取り付け手段によって例えば画像形成装置のフレームに取り付けられ固定支持されている。
更に、下部ガイド41及び上部ガイド46の両端部(曲折した部分)には、2箇所のスリット(図示せず)が開けられており、これらのスリットには2対の搬送ロール81,82の軸が挿入されるようになっている。尚、下部ガイド41及び上部ガイド46の一般面42,47には、搬送ロール81,82に対応した孔部(図では上部ガイド46の孔部47aのみ示す)が開けられており、搬送ロール81,82はこの孔部に装着されるようになっている。
下部ガイド41及び上部ガイド46としては、加工性の観点から例えばアルミニウム合金等の金属が好ましいが、これに限られず、例えば樹脂で成形するようなものであってもよいし、両者を複合したものであっても差し支えない。また、金属の場合には、熱伝導性が高く定着後に高温状態になった用紙の冷却効果が期待できる反面、結露を生じ易くなる。一方、樹脂では通常熱伝導性が小さく、用紙の冷却効果は期待できないものの結露の発生も金属より低減される効果が期待できるようになる。
図5(a)は、本実施の形態における下部ガイド41と上部ガイド46の拡大断面図であり、結露による水滴付着がどう影響するかを示すものである。
下部ガイド41及び上部ガイド46の用紙が摺擦する領域(リブ43,48の先端付近)では、結露が生じても用紙によって拭い去られ、結露による水滴の影響はない。また、下部ガイド41では、リブ43にて結露した水滴は溝44に流れ落ち、この水滴が用紙に付着する虞はない。一方、上部ガイド46では、溝49で結露が発生し易くなるが、溝49の表面積も手伝ってその水滴がリブ48を伝って用紙に付着することは殆どない。そして、溝44,49に溜まった水滴は、自然乾燥等で徐々に消失するようになる。
このような場合、リブの高さを長くするようにすれば、用紙への水滴付着を避けることができるように考えられるが、特に、上部ガイドのリブを長くすることは、リブの側壁での結露が水滴となって通過する用紙に直接落下するようになり、却って用紙への水滴付着を促すようにもなる。また、このようにリブの高さを長くするとガイドシュートそのものも大型化し易い欠点がある。
そのため、本実施の形態では、通過する用紙の搬送性能を確保しながら、結露の影響も小さくしたガイドシュート40が実現できるようになる。
吸水性部材83としては、スポンジ、不織布等の吸水性を備えるものであれば特に限定されない。そして、このような吸水性部材83はそのまま放置すれば徐々に乾燥して吸水性が維持できるようになる。また、場合によっては、吸水性部材83を適宜交換するようにしても差し支えない。
このような吸水性部材84を溝44,49に装着することで、溝44,49に溜まった水滴を吸水性部材84に吸水することができ、ガイドシュート40を通過する用紙への水滴付着を防ぐことができるようになる。
尚、このような吸水性部材84は、図8に示すような形状に限られず、例えばこのような突起部84bを用紙搬送方向に沿って長く設けるようにしてもよいし、また、突起部84bの高さも適宜調整するようにしてもよい。
図9は、本発明の基本的構成が適用されたシート搬送装置としての実施の形態2のガイドシュート40の斜視図を示すものである。本実施の形態のガイドシュート40は、実施の形態1のガイドシュート40(図3参照)と略同様に構成されるが、実施の形態1の下部ガイド41及び上部ガイド46の一般面42,47(図3参照)にも複数の第2の溝が設けられている点が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
尚、一般面42,47に設けられる第2の溝85,86の深さはこれに限られず、適宜選定するようにしても差し支えない。また、溝44,49や第2の溝85,86に吸水性部材を設けるようにしてもよいことは云うまでもない。
図11は、本発明の基本的構成が適用されたシート搬送装置としての実施の形態3のガイドシュート40の斜視図を示すものである。本実施の形態のガイドシュート40は、実施の形態1のガイドシュート40(図3参照)と異なり、ガイドシュート40が用紙搬送方向に分割されたものとなっている。また、図12は図11のガイドシュート40を用紙搬送方向からみた図である。尚、図12では搬送ロール81,82を省略している。また、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
下部移動ガイド91は、下部ガイド41のリブ43と略同様の位置に、下部移動ガイド91の一般面91aより用紙搬送経路側に突出する移動リブ92と、この移動リブ92に隣接して一般面91aより窪む移動溝93の組合せを3箇所備えた構成となっている。また、この移動リブ92は用紙搬送方向に沿って下部移動ガイド91の全長に亘って設けられている。
また、上部移動ガイド96も下部移動ガイド91と同様に、上部移動ガイド96の一般面96aより突出する移動リブ97と窪む移動溝98の組合せを3箇所備えた構造となっている。
一方、上部移動ガイド96も同様にコイルスプリング102にて上部ガイド46に対し弾性付勢されている。
本実施の形態では、下部ガイド41、モータ103及び回転軸105aが図示外の手段により、例えば画像形成装置のフレームに位置決めされていることから、モータ103の回転によって回転カム105b,105cが回転することで、下部移動ガイド91が用紙搬送経路側に対し進退できるようになっている。
そして、本実施の形態では、2個のモータ103,104を同時に制御することで、下部移動ガイド91と上部移動ガイド96との間隙を調整することができるようになり、使用する用紙の種類等に合わせた適切な間隙を選択することができるようになる。
本実施の形態では、例えば図12に示すように、通常、下部ガイド41及び上部ガイド46のリブ43,48と下部移動ガイド91及び上部移動ガイド96の移動リブ92,97とが略同じ位置(高さ)になるように下部移動ガイド91及び上部移動ガイド96とが設けられている。尚、図12では本実施の形態でのガイドシュート40を分かり易くするために、ガイド間で段差を付けるようにして表示している。
特に、本実施の形態では、下部移動ガイド91及び上部移動ガイド96が用紙搬送経路に対し進退することで、下部ガイド41と下部移動ガイド91との段差、上部ガイド46と上部移動ガイド96との段差が生じるようにもなる。しかしながら、この場合にあっても用紙の搬送性を損なうことがないように、段差には例えば可撓性フィルム等のガイド部材が設けられ、段差をなくすようにして用紙の搬送性に支障がないようになっている。
このように用紙搬送経路の間隙をガイドシュート40自体で調整するようにすれば、表面が傷つきやすい用紙を通紙する場合には、間隙を狭くするように調整し、結露が発生し易い条件によっては間隙を開くように調整することができ、環境条件やシート種により適した搬送性能をガイドシュート40に持たせることができるようになる。
また、本実施の形態では、ガイドシュート40を分割する構成を示したが、これに限られず、例えば、全体を用紙搬送経路に対し進退可能にするようにすれば、より用紙の搬送性が確保されたガイドシュート40を実現できるようになる。更に、リブや溝の形状は下部ガイド41、上部ガイド46と下部移動ガイド91、上部移動ガイド96とで同一形状でなくても差し支えない。
Claims (10)
- シート上の未定着トナー像が加熱定着可能な定着器を含む画像形成装置に用いられ、定着器の下流側に位置するシート搬送経路の片側又は両側にガイドシュートを設け、このガイドシュートに沿ってシートを搬送案内するシート搬送装置において、
ガイドシュートは、
シート搬送経路に略沿って延びる一般面を有するシュート本体と、
このシュート本体に設けられ、前記一般面に対しシート搬送経路側に角部のない状態で突出し且つ少なくともシート搬送方向成分を持つ方向に延びる複数のリブと、
シュート本体に設けられ、リブの少なくとも片側側方に隣接して延び且つ前記一般面に対しリブと反対方向に窪む溝と、
この溝の底部に開設されたスリットと、
このスリットを介してシュート本体の外側から前記溝の底部に脱着可能に設けられ且つ溝に溜まる水分を吸水する吸水性部材とを備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
ガイドシュートは、シート搬送経路の両側に設けられることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
リブは、シート搬送方向と略平行に設けられることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
リブの突出端が断面曲面形状に形成されていることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
ガイドシュートの一部には、シートをニップ搬送可能な搬送部材を設けることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
更に、前記一般面には、当該一般面に対しリブと反対方向に窪む複数の溝をシート搬送方向と交差する方向に連続して設けたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
前記吸水性部材は、その一部が前記スリットを介して複数の前記溝に一括挿入されるものであり、溝と反対側の裏面が外気に開放されていることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
シート搬送方向に沿って複数のサブシュートに分割されたガイドシュートと、
少なくとも一部のサブシュートをシート搬送経路に対し進退自在に移動可能な移動機構とを備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項8記載のシート搬送装置において、
前記移動機構は、雰囲気温度、雰囲気湿度及びシート種のいずれか一つ若しくは二つ以上の組合せ情報に基づいて制御されることを特徴とするシート搬送装置。 - シート上に未定着トナー像を形成する作像エンジンと、
未定着トナー像が形成されたシートを加熱定着可能な定着器と、
請求項1乃至9のいずれか記載のシート搬送装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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